JPH0525386A - 熱可塑性樹脂組成物およびその製造法 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物およびその製造法

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JPH0525386A
JPH0525386A JP20648691A JP20648691A JPH0525386A JP H0525386 A JPH0525386 A JP H0525386A JP 20648691 A JP20648691 A JP 20648691A JP 20648691 A JP20648691 A JP 20648691A JP H0525386 A JPH0525386 A JP H0525386A
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健二 長岡
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隆 真田
Yasuto Ijichi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐衝撃性に優れたポリフェニレンエーテルお
よびポリアミドからなる熱可塑性樹脂組成物およびその
製造法を提供する。 【構成】 ポリフェニレンエーテルおよびポリアミドを
基礎とする熱可塑性樹脂組成物においてA−B−A(A
またはBはスチレン)の構造を持つ耐衝撃性改良材が部
分的にポリフェニレンエーテル中に分散し、0.02〜
0.07μmの層状もしくは球状構造を持つことを特徴
とする熱可塑性樹脂組成物およびその製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は射出成形、押出成形およ
び中空成形等により、3次元成形品、シート等として特
に自動車部品、電気部品等として好適に利用できる熱可
塑性樹脂組成物に関する。更に詳しくは、少くとも一種
の相容化剤、ポリフェニレンエーテル(PPE)および
ポリアミドを基礎とする熱可塑性樹脂組成物において、
スチレン含有のA−B−Aブロック構造を持つ耐衝撃性
改良材が特定のミクロ相分離状構造をとることによって
耐熱性及び耐衝撃性のバランスが優れるという特徴を有
する新規な熱可塑性樹脂組成物およびその製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】米国特許4,315,086号には、液
状ジエンポリマー、エポキシ化合物および分子内にa)
炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合およびb)
カルボン酸、酸無水物、酸アミド、イミド、カルボン酸
エステル、アミノ又は水酸基を同時に有する化合物がポ
リアミドとポリフェニレンエーテルの相容化剤として開
示されている。又同特許には、衝撃強度改良剤としてエ
チレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンポリエンゴ
ムあるいはこれらの不飽和カルボン酸変性物、SBR、
ポリブタジエン、ポリスチレン−ジエンゴムのジブロッ
クあるいはトリブロック共重合体あるいはこれらの部分
水素化物等との組成物が開示されている。
【0003】特開昭59−59724号公報、特開昭5
9−86653号公報、米国特許4,654,405
号、国際特許公開公報WO87/00540号等には、
ラジカル開始剤の存在下又は不存在下に不飽和カルボン
酸をポリフェニレンエーテルにグラフトした後、ポリア
ミドを混合して組成物を得る方法が開示されている。
【0004】欧州特許公開公報EP−0046040号
には、アルケニル芳香族化合物とα、β不飽和ジカルボ
ン酸無水物又はこれらのイミド化合物が、ポリフェニレ
ンエーテルとポリアミドの相容化剤として開示されてい
る。
【0005】国際特許公開公報WO85/05372号
にはリンゴ酸のようなアリファティックポリカルボン酸
が、米国特許4,659,760号には酸化ポリエチレ
ンワックスが、米国特許4,659,763号にはキノ
ン類が、米国特許4,732,937号にはエポキシ化
合物で官能化されたポリフェニレンエーテルが、米国特
許4,600,741号には無水トリメリット酸クロラ
イド等からなる多官能性化合物がそれぞれポリフェニレ
ンエーテルとポリアミドの相容化剤として開示されてお
り、これらの化合物は全て後に述べる本発明において相
容化剤として用いることができる。
【0006】相容化剤とポリフェニレンエーテルと結晶
性ポリアミドに非晶性ポリアミドを組合せてなる組成物
については特開昭63−108060号公報、特開昭6
3−113071号公報、国際特許公開公報WO88/
06173号等に開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術において開
示されている方法では、ポリフェニレンエーテルとポリ
アミドを基礎とする熱可塑性樹脂組成物に、体衝撃改良
材としてスチレン含有のA−B−Aブロック共重合体を
用いたときの最適な構造は見いだされていない。一般的
に用いられる方法においては、スチレン含有のA−B−
Aブロック共重合体(特にスチレンブタジエン−スチレ
ン共重合体)においては、ポリフェニレンエーテル中に
十分に分散した状態で存在している。(図3参照)
【0008】図3は、後述の比較例4の透過型電子顕微
鏡写真であるが、マトリックス(白色)中に、ポリフェ
ニレンエーテル(灰色−球状)が分散し、該ポリフェニ
レンエーテル中にゴム粒子(黒色)が塊状に分散した構
造を示している。このような構造で分散した場合、耐衝
撃性の向上効果が損なわれる。そのため耐衝撃性を向上
せしめるべく、耐衝撃改良材の添加量を増やせば、耐熱
性の低下を招く。さらに耐熱性の低下を抑えるべくポリ
フェニレンエーテルの添加量を増すと、流動性の低下を
生じ、成形性が悪くなる。
【0009】本発明は、以上のような問題点を解決する
方法として、部分的にポリフェニレンエーテル中にスチ
レン含有のA−B−Aブロック共重合体を、例えば0.
02〜0.07μmという極めて微細な層状もしくは球
状、層状構造を持つようなミクロ相分離構造で分散させ
ることにより、流動性、耐衝撃性、耐熱性のバランスの
優れた熱可塑性樹脂組成が得られることを見いだしたも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ポ
リフェニレンエーテル(PPE)およびポリアミドを基
礎とする熱可塑性樹脂組成物においてA−B−A(Aま
たはBはスチレン)の構造を持つ耐衝撃性改良材が部分
的にPPE中に分散し、かつ、0.02〜0.07μm
程度の層状もしくは球状構造を持つことを特徴とする熱
可塑性樹脂組成物、および 1)(i)相容化に有効量の少なくとも一種の相容化
剤、および(ii) ポリフェニレンエーテルをあらかじめ
溶融混練し、次いで、 2)(iii)連続相を形成するために必要な量のポリアミ
ド、および(iv) A−B−A(AまたはBはスチレン)
の構造を持つ耐衝撃性改良材を添加し、最大剪断速度が
700sec-1以上なる条件で溶融混練を行なうことを
特徴とする該熱可塑性樹脂組成物の製造法に関するもの
である。
【0011】本発明で使用される(ii) ポリフェニレン
エーテルは一般式化1(式中、R1 、R2 、R3 、R4
およびR5 は水素原子、ハロゲン原子、炭化水素もしく
は置換炭化水素基であり、同一であっても異っていても
よいが少くとも1つは水素原子である。)で示されるフ
ェノール化合物の1種又は2種以上を酸化カップリング
触媒の存在下に、酸素又は酸素含有ガスで酸化重合せし
めて得られる重合体である。
【0012】
【化1】
【0013】上記一般式化1におけるR1 、R2
3 、R4 及びR5 の具体例としては、水素原子、塩
素、臭素、フッ素、ヨウ素等のハロゲン原子、又は炭素
数1〜18の炭化水素もしくは置換炭化水素基であり、
例えばメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピ
ル、pri−、sec−又はt−ブチル、クロロエチ
ル、ヒドロキシエチル、フェニルエチル、ヒドロキシメ
チル、カルボキシエチル、メトキシカルボニルエチル、
シアノエチル等のアルキル基又は置換アルキル基、フェ
ニル、クロロフェニル、メチルフェニル、ジメチルフェ
ニル、エチルフェニル等のアリール基又は置換アリール
基、ベンジル基及びアリル基等が挙げられる。
【0014】上記一般式化1で表わされるフェノール化
合物の具体例としては、フェノール、o−、m−、又は
p−クレゾール、2,6−、2,5−、2,4−、又は
3,5−ジメチルフェノール、2−メチル−6−フェニ
ルフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、2,6
−ジエチルフェノール、2−メチル−6−エチルフェノ
ール、2,3,5−、2,3,6−又は2,4,6−ト
リメチルフェノール、3−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール、チモール、2−メチル−6−アリルフェノール
等が挙げられる。更に、上記一般式以外のフェノール化
合物、例えば、ビスフェノール−A、テトラブロモビス
フェノールA、レゾルシン、ハイドロキノン、ノボラッ
ク樹脂のような多価ヒドロキシ芳香族化合物と、上記一
般式化1の化合物との共重合体でもよい。
【0015】これらの化合物の中で好ましいものとして
は、2,6−ジメチルフェノール又は2,6−ジフェニ
ルフェノールの単独重合体、及び大量部の2,6−ジメ
チルフェノールと少量部の3−メチル−6−t−ブチル
フェノール又は2,3,6−トリメチルフェノールとの
共重合体等が挙げられる。
【0016】フェノール化合物を酸化重合せしめる際に
用いれる酸化カップリング触媒は、特に限定されるもの
ではなく、重合能力を有するいかなる触媒でも使用し得
る。例えば、その代表的なものとしては塩化第1銅−ト
リエチルアミン、塩化第1銅−ピリジン等の第1銅塩と
第3級アミン類よりなる触媒、塩化第2銅−ピリジン−
水酸化カリウム等の第2銅塩−アミン−アルカリ金属水
酸化物よりなる触媒、塩化マンガン−エタノールアミ
ン、酢酸マンガン−エチレンジアミン等のマンガン塩類
と第1級アミン類よりなる触媒、塩化マンガン−ナトリ
ウムメチラート、塩化マンガンーナトリウムフェノラー
ト等のマンガン塩類とアルコラートあるいはフェノラー
トからなる触媒、コバルト塩類と第3級アミン類との組
合せによりなる触媒等が挙げられる。
【0017】ポリフェニレンエーテルを得る酸化重合の
反応温度は、40℃より高い温度で行なう場合(高温重
合)と40℃以下で行なう場合(低温重合)とでは物性
等で違いがあることが知られているが、本発明において
は高温重合又は低温重合のどちらでも採用することがで
きる。
【0018】本発明において、(iii)ポリアミドとは、
結晶性脂肪族ポリアミドおよび芳香族ポリアミド等より
選ばれる少なくとも一種のポリアミドである。本発明に
用いられる結晶性脂肪族ポリアミドとは、例えば以下に
示すものをいう。
【0019】これらのものは等モル量の炭素原子4〜1
2個を含む飽和脂肪族ジカルボン酸と炭素原子2〜12
個を含む脂肪族ジアミンとの結合により製造することが
でき、その際に所望に応じてポリアミド中にてカルボキ
シル末端基よりアミン末端基を過剰に与えるようにジア
ミン等を用いることができる。逆に、過剰の酸性基を与
えるように二塩基性酸を用いることもできる。同様に、
これらのポリアミドを該酸及びアミンの酸生成及びアミ
ン生成誘導体、例えばエステル、酸塩化物、アミン塩な
どからも良好に製造することができる。このポリアミド
を製造するために用いる代表的な脂肪族ジカルボン酸に
はアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、スベリン
酸、セバシン酸及びドデカンジオン酸が含まれ、一方代
表的な脂肪族ジアミンにはヘキサメチレンジアミン及び
オクタメチレンジアミンが含まれる。加えて、これらの
ポリアミドはラクタムの自己縮合により製造することが
できる。
【0020】ポリアミドの例には、ポリヘキサメチレン
アジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンアゼ
ラミド(ナイロン69)、ポリヘキサメチレンセバサミ
ド(ナイロン610)、及びポリヘキサメチレンドデカ
ノアミド(ナイロン612)、ポリ−ビス−(p−アミ
ノシクロヘキシル)メタンドデカノアミド、ポリテトラ
メチレンアジパミド(ナイロン46)またはラクタムの
環開裂により生じるポリアミド;即ちポリカプロラクタ
ム(ナイロン6)、及びポリラウリルラクタムが含まれ
る。また上記の重合体を製造する際に使用される少なく
とも2種のアミンまたは酸の重合により製造されるポリ
アミド、例えばアジピン酸、セバシン酸、及びヘキサメ
チレンジアミンから製造される重合体を用いることがで
きる。ナイロン66及びナイロン6の配合物の如きポリ
アミドの配合物にはナイロン66/6の如き共重合体が
含まれる。
【0021】これらの結晶性ポリアミドにあって好まし
くはナイロン46、ナイロン6、ナイロン66、ナイロ
ン11、ナイロン12等が用いられる。より好ましく
は、ナイロン6、ナイロン66あるいはナイロン6とナ
イロン66との任意の比率の混合物が用いられる。また
これらポリアミドの末端官能基はアミン末端の多いも
の、カルボキシ末端の多いもの、両者がバランスしたも
の、あるいはこれらの任意の比率の混合物が好適に用い
られる。
【0022】本発明に用いられる芳香族ポリアミドと
は、例えばポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイ
ロン61)の如き芳香族成分を含有するコポリアミドで
ある。かかる芳香族成分を含有する熱可塑性コポリアミ
ドは芳香族アミノ酸および/又は芳香族ジカルボン酸た
とえば、パラアミノメチル安息香酸、パラアミノエチル
安息香酸、テレフタル酸、イソフタル酸などを主要構成
成分とする溶融重合が可能なポリアミドを意味する。
【0023】ポリアミドの他の構成成分となるジアミン
はヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミ
ン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,
4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、メタキシリレ
ンジアミン、パラキシリレンジアミン、ビス(p−アミ
ノシクロヘキシル)メタン、ビス(p−アミノシクロヘ
キシル)プロパン、ビス(3−メチル、4−アミノシク
ロヘキシル)メタン、1,3−ビス(アミノメチル)シ
クロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘ
キサンなどを使用することができる。またジアミンの代
わりにイソシアネート類を用いる事が出来る。例えば
4,4’ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレン
ジイソシアネート等である。
【0024】必要に応じて用いられる共重合成分は特に
限定なく、ラクタムもしくは炭素原子4〜12個のω−
アミノ酸の単位、または炭素原子4〜12個の脂肪族ジ
カルボン酸、及び炭素原子2〜12個の脂肪族ジアミン
から誘導される化合物、例えば、ε−カプロラクタム、
ω−ラウロラクタム、11−アミノウンデカン酸、12
−アミノドデカン酸などのラクタム、またはアミノ酸、
前記した各種ジアミンとアジピン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸との等モル塩などが利用できる。
【0025】これらの成分からなる熱可塑性芳香族コポ
リアミドの代表例をあげるとパラアミノメチル安息香酸
とε−カプロラクタムとの共重合ポリアミド(ナイロン
AMBA/6)、2,2,4−/2,4,4−トリメチ
ルヘキサメチレンジアミン・テレフタル酸塩を主成分と
するポリアミド(ナイロンTMDT、TMDT/6
1)、ヘキサメチレンジアミン、イソフタル酸塩および
/またはヘキサメチレンジアミン・テレフタル酸塩を主
成分とし、ビス(パラアミノシクロヘキシル)メタン・
イソフタル酸塩及び/またはテレフタル酸塩あるいはビ
ス(3−メチル、4−アミノシクロヘキシル)メタン・
イソフタル酸塩および/またはテレフタル酸塩あるいは
ビス(パラアミノシクロヘキシル)プロパンイソフタル
酸塩および/又はビス(パラアミノシクロヘキシル)プ
ロパンテレフタル酸塩を共重合成分とするポリアミド
(ナイロン6I/PACM I、ナイロン6I/DMP
ACMI、ナイロン6I/PACP I、ナイロン6I
/6T/PACM I/PACM T、ナイロン6I/
6T/DMPACM I/DMPACM T、ナイロン
6I/6T/PACP I/PACP T)、ヘキサメ
チレンジアミン・イソフタル酸塩あるいはヘキサメチレ
ンジアミン・テレフタル酸塩を主成分とし、ε−カプロ
ラクタム、12−アミノドデカン酸、ヘキサメチレンジ
アミン・アジピン酸塩、ビス(パラアミノシクロヘキシ
ル)メタン・アジピン酸塩、ビス(3−メチル、4−ア
ミノシクロヘキシル)メタン・アジピン酸塩などを共重
合成分とするポリアミド(ナイロン6I、6I/6T、
6I/12、6T/6、6T/66、6I/PACM
6、6I/DMPACM 6)、ビス(パラアミノシク
ロヘキシル)メタン・イソフタル酸塩またはビス(3−
メチル、4−アミノシクロヘキシル)メタン、イソフタ
ル酸塩を主成分としヘキサメチレンジアミン・ドデカン
2酸塩、12−アミノドデカン酸などを共重合成分とす
るポリアミド(ナイロンPACM I/612、ナイロ
ンDMPACM I/12)などである。これらの芳香
族ポリアミド群にあって非晶性の芳香族ポリアミドが好
適に用いられる。
【0026】本発明における、A−B−A(AまたはB
はスチレン)の構造を持つ耐衝撃性改良材としては、ス
チレンと共役ジエンのトリブロック共重合体、ラジアル
テレブロック共重合体等が挙げられる。このときスチレ
ンと共役ジエンのジブロック共重合体では良好な分散構
造が得られず好ましくない。
【0027】スチレン−ブタジエン−スチレンのトリブ
ロック共重合体が特に好ましい。さらにポリスチレン鎖
の分子量が1万以上が有利であり、より好ましくは1.
2万以上である。
【0028】本発明においては、ポリフェニレンエーテ
ル中に、部分的にA−B−Aの構造を持つ耐衝撃性改良
材が0.02〜0.07μm程度の層状もしくは球状の
ミクロ相分離構造を持つとき、物性バランスの優れた熱
可塑性樹脂組成物が得られることを見いだした。
【0029】その具体的な例としては図2、図3に示さ
れるような構造でなり、前述の図1のような構造は好ま
しくない。図2は、後述の実施例1の透過型電子顕微鏡
写真であるが、マトリックス(白色)中に、ポリフェニ
レンエーテル(灰色−球状)が分散し、該ポリフェニレ
ンエーテル中にゴム粒子(黒色)が0.03μm程度の
層状に分散した構造を示している。また図3は、後述の
実施例4の透過型電子顕微鏡写真であるが、マトリック
ス(白色)中に、ポリフェニレンエーテル(灰色−球
状)が分散し、該ポリフェニレンエーテル中にゴム粒子
(黒色)が0.06μm程度の球状に分散した構造を示
している。
【0030】このときの層状もしくは球状のミクロ相分
離構造の大きさは以下のようにして求められる。通常の
方法により、ミクロトームにて切片を切り出し、OsO
4 ・RuO4 にて染色して、透過型電子顕微鏡で観察す
る。この時、層状構造の場合にはその一層の巾が0.0
2〜0.07μmであり、また、球状構造をもつミクロ
相分離構造の場合にはその球状の直径が0.02〜0.
07μmであるものが物性的に良好である。
【0031】さらに本発明の熱可塑性樹脂組成物は好ま
しくは、次の方法で製造することができる。すなわち、 1)(i)相容化に有効量の少なくとも一種の相容化
剤、および(ii) ポリフェニレンエーテルをあらかじめ
溶融混練し、次いで、ii)(iii)連続相を形成するために
必要な量のポリアミド、および(iv) A−B−A(Aま
たはBはスチレン)の構造を持つ耐衝撃性改良材を添加
し、最大剪断速度が700sec-1以上なる条件で溶融
混練を行なうことにより、有利に得ることができる。
【0032】これら(i)相容化剤は、特に限定される
ものではないが、下記〜の群から選ばれる少なくと
も一種を相容化剤として好適に用いることができる。例
えば、 液状ジエンポリマー、 エチレン性又はア
セチレン性不飽和結合を持たないエポキシ化合物、
同一分子内に(a)少なくとも一種の不飽和基すなわち
炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合と(b)
少なくとも一種の極性基を併せ持つ化合物、 酸化ポ
リオレフィンワックス、 キノン類、 同一分子内
に(a)酸素の架橋を介して炭素原子に結合された少な
くとも1つのケイ素原子、及び(b)少なくともエチレ
ン性炭素−炭素二重結合もしくは炭素−炭素三重結合お
よび/又はアミノ基およびメルカプト基から選ばれる官
能基の両方を有し、前記官能基がケイ素原子に直接結合
されていないシラン化合物、 同一分子内に(a)−
(OR)(ここでRは水素又はアルキル、アリル、アシ
ル基又はカルボニルジオキシ基である。)および(b)
カルボン酸、酸ハライド、酸無水物、酸ハライド無水
物、酸エステル、酸アミド、イミド、アミノおよびこれ
らの塩から選ばれた少なくとも二つの同一又は相異なる
官能基を持つ化合物、および 同一分子内に(a)酸
ハライド基と、(b)少なくとも一種のカルボン酸、カ
ルボン酸無水物、酸エステル又は酸アミド基を有する化
合物等が挙げられる。また、 〜および〜の
群の中から選ばれた少なくとも一種の相容化剤をポリフ
ェニレンエーテルに予め反応させて得られる官能化され
たポリフェニレンエーテル、および〜群から選ばれ
た少なくとも一種の相容化剤とポリフェニンエーテルと
ポリアミドの少量を溶融混練して得られた組成物等もま
た、相容化剤として用いることも本発明の一態様に含ま
れる。
【0033】本発明に用いれらるグループの相容化剤
は、例えば共役ジエンのホモポリマー、および一つの共
役ジエン、他の共役ジエン又はビニルモノマー、即ちス
チレン、エチレン、プロピレン等との共重合体であり、
数平均分子量が150乃至10000、好ましくは15
0乃至5000であるものであり、例えばポリブタジエ
ン、ポリイソプレン、ポリ(ブチレン/イソプレン)、
ポリ(スチレン/ブタジエン)等が挙げられる。
【0034】本発明に用いられるグループの相容化剤
は、(1)ポリヒドリックフェノール(例えばビスフェ
ノールA、テトラブロモビスフェノールA、レゾルシン
等)とエピクロルヒドリンの縮合体、および(2)ポリ
ヒドリックアルコール(例えばエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)とエ
ピクロルヒドリンの縮合体等が挙げられる。
【0035】本発明に用いられるグループの相容化剤
は、不飽和基すなわち炭素−炭素二重結合または炭素−
炭素三重結合と、極性基すなわちポリアミド樹脂中に含
まれるアミド結合、連鎖末端に存在するカルボキシル
基、アミノ基と親和性や、化学反応性を示す官能基を同
一分子内に併せ持つ化合物である。かかる官能基として
は、カルボン酸基、カルボン酸より誘導される基すなわ
ちカルボキシル基の水素原子あるいは水酸基が置換した
各種の塩やエステル、酸アミド、酸無水物、イミド、酸
アジド、酸ハロゲン化物、あるいはオキサゾリン、ニト
リル等の官能基、エポキシ基、アミノ基、水酸基、又
は、イソシアン酸エステル基等が挙げられ、不飽和基と
極性基を併せ持つ化合物すなわち、不飽和カルボン酸、
不飽和カルボン酸誘導体、不飽和エポキシ化合物、不飽
和アルコール、不飽和アミン、不飽和イソシアン酸エス
テルが用いられる。
【0036】具体的には、無水マレイン酸、マレイン
酸、フマール酸、マレイミド、マレイン酸ヒドラジド、
無水メチルナジック酸、無水ジクロロマレイン酸、マレ
イン酸アミド、イタコン酸、無水イタコン酸、大豆油、
キリ油、ヒマシ油、アマニ油、麻実油、綿実油、ゴマ
油、菜種油、落花生油、椿油、オリーブ油、ヤシ油、イ
ワシ油などの天然油脂類、エポキシ化大豆油などのエポ
キシ化天然油脂類、アクリル酸、ブテン酸、クロトン
酸、ビニル酢酸、メタクリル酸、ペンテン酸、アンゲリ
カ酸、チグリン酸、2−ペンテン酸、3−ペンテン酸、
α−エチルアクリル酸、β−メチルクロトン酸、4−ペ
ンテン酸、2−ヘキセン酸、2−メチル−2−ペンテン
酸、3−メチル−2−ペンテン酸、α−エチルクロトン
酸、2・2−ジメチル−3−ブテン酸、2−ヘプテン
酸、2−オクテン酸、4−デセン酸、9−ウンデセン
酸、10−ウンデセン酸、4−ドデセン酸、5−ドデセ
ン酸、4−テトラデセン酸、9−テトラデセン酸、9−
ヘキサデセン酸、2−オクタデセン酸、9−オクタデセ
ン酸、アイコセン酸、ドコセン酸、エルカ酸、テトラコ
セン酸、マイコリペン酸、2・4−ペンタジエン酸、2
・4−ヘキサジエン酸、ジアリル酢酸、ゲラニウム酸、
2・4−デカジエン酸、2・4−ドデカジエン酸、9・
12−ヘキサデカジエン酸、9・12−オクタデカジエ
ン酸、ヘキサデカトリエン酸、リノール酸、リノレン
酸、オクタデカトリエン酸、アイコサジエン酸、アイコ
サトリエン酸、アイコサテトラエン酸、リシノール酸、
エレオステアリン酸、オレイン酸、アイコサペンタエン
酸、エルシン酸、ドコサジエン酸、ドコサトリエン酸、
ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、テトラコセ
ン酸、ヘキサコセン酸、ヘキサコジエン酸、オクタコセ
ン酸、トラアコンテン酸などの不飽和カルボン酸、ある
いはこれら不飽和カルボン酸のエステル、酸アミド、無
水物、あるいはアリルアルコール、クロチルアルコー
ル、メチルビニルカルビノール、アリルカルビノール、
メチルプロペニルカルビノール、4−ペンテン−1−オ
ール、10−ウンデセン−1−オール、プロパルギルア
ルコール、1・4−ペンタジエン−3−オール、1・4
−ヘキサジエン−3−オール、3・5−ヘキサジエン−
2−オール、2・4−ヘキサジエン−1−オール、一般
式Cn 2n-5OH、Cn 2n-7OH、Cn 2n-9OH
(但し、nは正の整数)で示されるアルコール、3−ブ
テン−1・2−ジオール、2・5−ジメチル−3−ヘキ
セン−2・5−ジオール、1・5−ヘキサジエン−3・
4−ジオール、2・6−オクタジエン−4・5−ジオー
ルなどの不飽和アルコール、あるいはこのような不飽和
アルコールのOH基が、−NH2 基に置き換った不飽和
アミン、あるいはグリシジル(メタ)アクリレート、ア
リルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0037】また、ブタジエン、イソプレンなどの低重
合(たとえば平均分子量が500から10000ぐらい
のもの)あるいは高分子量体(たとえば平均分子量が1
0000以上のもの)に無水マレイン酸、フェノール類
を付加したもの、あるいはアミノ基、カルボン酸基、水
酸基、エポキシ基などを導入したもの、イソシアン酸ア
リルなどが挙げられる。
【0038】さらには、無水マレイン酸とジアミンとの
反応物等例えば、一般式化2(但しRは脂肪族、芳香族
基を示す。)などで示される構造を有するもの等を挙げ
ることができる。
【0039】
【化2】
【0040】本発明における同一分子内に不飽和基と極
正基を併せ持つ化合物の定義には、不飽和基を2個以
上、極正基を2個以上(同種又は異種)含んだ化合物も
含まれることは、いうまでもなく、又、2種以上の特定
化合物を使うことも可能である。これらの内で、好まし
くは無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、無水イ
タコン酸、イタコン酸、グリシジル(メタ)アクリレー
トがより好ましくは無水マレイン酸、フマール酸が用い
られる。
【0041】本発明に用いられるグループの相容化剤
は、通常空気中または懸濁液中におけるポリオレフィン
ワックスの酸化によって調製されるものであり、ポリエ
チレンワックス等が好適である。
【0042】本発明におけるグループの相容化剤は、
キノン構造を有する化合物であり、具体例として1,2
および1,4ベンゾキノン、2,6−ジフェニルキノ
ン、2−クロロ−1,4ベンゾキノン等が使用できる。
【0043】本発明に用いられるグループの相容化剤
は、同一分子内に(a)酸素の架橋を介して炭素原子に
結合された少なくとも1つのケイ素原子、及び(b)少
なくともエチレン性炭素−炭素二重結合もしくは炭素−
炭素三重結合及び/又はアミノ基及びメルカプト基から
選ばれる官能基の両方を有し、前記官能基がケイ素原子
に直接結合されていないシラン化合物であり、具体例と
しては、ガンマアミノプロピルトリエトキシシラン、2
−(3−シクロヘキシル)エチルトリメキシシラン等が
使用できる。
【0044】本発明に用いられるグループの相容化剤
はアリファティックポリカルボン酸、酸エステル又は酸
アミドであり、一般式 (RI O)m R(COORIIn ( CONRIII IVl (ここでRは線状又は分岐状飽和アリファティック炭化
水素であって2〜20個、好ましくは2〜10の炭素原
子を有するものであり、RI は水素又はアルキル、アリ
ル、アシル又はカルボニルジオキシ基であって1〜1
0、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4個の炭素
原子を有するものであり、最も好ましくは水素である。
IIは水素、アルキル又はアリル基であって1〜20
の、好ましくは1〜10個の炭素原子を有するものであ
り、RIII とRIVはそれぞれ独立に水素、アルキル又は
アリル基であって1〜10、好ましくは1〜6、最も好
ましくは1〜4個の炭素原子を有するものであり、mは
1であり、(n+l)は2又は2より大であり、好まし
くは2又は3であり、nとlはそれぞれ0又は0より大
であり、そして(ORI )は、カルボニルグループに対
し、α又はβ位にあり、かつ少なくとも二つのカルボニ
ル基が2個ないし6個の炭素原子でへだてられているも
のである。尚RI 、RII、RIII 、RIVの炭素数が6個
より少ない場合は、アリル基でないことは明白である。
【0045】これらのポリカルボン酸の具体例としてリ
ンゴ酸、マリック酸、アガリシック酸等が挙げられる。
又はこれらのポリカルボン酸の無水物、水和物も使用で
きる。酸エステルの具体例としてアセチルシトレート、
モノ又はジステアリルシトレート等があげられる。酸ア
ミドの具体例としてN,N’ジエチルシトリック酸アミ
ド、N−ドデシルシトリック酸アミド等があげられる。
又上記ポリカルボン酸の誘導体、特に好ましくは塩類も
好適に用いることができる。
【0046】本発明に用いられるグループの相容化剤
は同一分子内に少なくとも一個の酸ハライド基、最も好
ましくは酸クロライド基および少なくとも一つのカルボ
ン酸基、カルボン酸無水物、酸エステル基又は酸アミド
基を好ましくはカルボン酸基又は酸無水物をもつ化合物
である。これらの化合物の具体例としてトリメリット酸
クロリド、無水トリメリット酸クロリド等があげられ
る。
【0047】(i)相容化剤は、相溶化に有効な量の相
容化剤があれば本発明の目的は達せられるが好ましく
は、(ii) 、(iii) 及び(iv)100重量部に対して
0.01〜20重量部である。0.01重量部未満なら
効果は少なく、20重量部を超えても効果はあまりかわ
らない。
【0048】本発明において、追加の成分として、アル
ケニル芳香族化合物のホモポリマー又はアルケニル芳香
族化合物と不飽和化合物とのランダム共重合体を加えて
もよい。また本発明において追加の成分として無機フィ
ラーおよび/または衝撃強度改良剤(ゴム類)を用いる
ことができる。
【0049】
【実施例】以下の実施例は本発明のいくつかの実施態を
開示するが本発明は、これらの実施例に限定されるもの
ではない。また特定しない限り、全ての配合比は重量%
である。
【0050】実施例1〜5、比較例1〜5 本方法を実施するために、3つの帯域を有する二軸スク
リュー押出機(日本製鋼所社製 TEX−30)を使用
した。押出機の第1の帯域の開始部より、A−1、A−
2、A−3各成分を投入し、シリンダー温度260℃に
て混練した。ひき続き、第2の帯域の開始部の上部開口
部より、B−1、B−2、B−3の各成分を投入し、シ
リンダー温度240℃にて混練した。さらにひき続き第
3の帯域中において、脱ガス化の開口部より50トルの
真空にひいて、脱ガス化を行った。次いで、押出機より
オリフィスを介して取り出し、水浴にて冷却したのちペ
レタイザーを用いて造粒し、そののち乾燥した。
【0051】詳細には、次の成分を使用した。 A−1−1:無水マレイン酸 A−1−2:フマル酸 A−1−3:クエン酸 A−2:ポリ−(2,6−ジメチル−1,4−フェニレ
ン)−エーテル (クロロホルム0.5g/dl濃度中での25℃測定の
還元粘度は0.54dl/g) A−3:ジクミルパーオキサイド B−1−1:数平均分子量17500のポリアミド6 (ユニチカ製 A1030BRL、−NH2 60mmo
l/kg、−COOH 60mmol/kg) B−1−2:数平均分子量12000のポリアミド6 (ユニチカ製A1020BRL、−NH2 84mmol
/kg、−COOH 84mmol/kg) B−1−3:ポリアミド6,6 ICI社製A−100 B−2−1:シエル社製 カリフレックスTR1101 (スチレン部 分子量 15000) B−2−2:シエル社製 カリフレックスTR1102 (スチレン部 分子量 10000) B−2−3:アニオン重合によって得られたスチレン−
ブタジエン−スチレン共重合体 (5000−30000−5000の分子量を持つ) B−2−4:アニオン重合によって得られたスチレン−
ブタジエン−スチレン共重合体 (13500−36000−13500の分子量を持
つ)
【0052】得られた組成物を東芝機械製射出成形機
(IS220EN)にてテストピースを成形し、アイゾ
ット衝撃強度(ASTMD256、厚さ3.2mm、ノ
ッチ付23℃、−30℃)及び荷重たわみ温度(H.
D.T.ASTMD648 4.6kg荷重)の測定を
行った。また、透過型電子顕微鏡で観察し、耐衝撃性改
良材のポリフェニレンエーテル中での構造を調べた。実
施例1、実施例4および比較例4の観察結果を図1、図
2および図3に示す。倍率は20000倍。図1および
図2は、実施例1および実施例4で得られた組成物の観
察写真であるが、マトリックス(白色)中に、ポリフェ
ニレンエーテル(灰色−球状)が分散し、該ポリフェニ
レンエーテル中にゴム粒子(黒色)がミクロに層状(図
1)または球状(図2)に分散した構造を示しており、
このような構造の場合は衝撃強度が高い。 これに対
し、図3は比較例4で得られた組成物の観察写真である
が、ゴム粒子が比較的大きな塊状に分散しており、衝撃
強度が低い。配合、製造法及び結果については表1〜表
3に示した。また比較例も同様に実施し、配合、結果等
については表4〜表6に示した。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】
【表5】
【0058】
【表6】
【0059】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、耐
衝撃性および耐熱性に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例による組成物の電子顕微鏡写真による粒
子構造図である。
【図2】実施例による組成物の電子顕微鏡写真による粒
子構造図である。
【図3】比較例による組成物の電子顕微鏡写真による粒
子構造図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年6月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術において開
示されている方法では、ポリフェニレンエーテルとポリ
アミドを基礎とする熱可塑性樹脂組成物に、耐衝撃性改
良剤として、スチレン含有のA−B−Aブロック共重合
体を用いたときの最適な構造は見いだされていない。一
般的に用いられる方法においては、スチレン含有のA−
B−Aブロック共重合体(特にスチレン−ブタジエン−
スチレンブロック共重合体)においては、ポリフェニレ
ンエーテル中に分散した状態で存在している。(図3参
照)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】その具体的な例としては、図1、図2に示
されるような構造でり、前述の図3のような構造は好
ましくない。図1は、後述の実施例1の透過型電子顕微
鏡写真であるが、マトリックス(白色)中に、ポリフェ
ニレンエーテル(灰色−球状)が分散し、該ポリフェニ
レンエーテル中にゴム粒子(黒色)が0.03μm程度
の層状に分散した構造を示している。また図2は、後述
の実施例4の透過型電子顕微鏡写真であるが、マトリッ
クス(白色)中に、ポリフェニレンエーテル(灰色−球
状)が分散し、該ポリフェニレンエーテル中にゴム粒子
(黒色)が0.06μm程度の球状に分散した構造を示
している。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】これらのポリカルボン酸の具体例としてリ
ンゴ酸、アガリシック酸等が挙げられる。又はこれらの
ポリカルボン酸の無水物、水和物も使用できる。酸エス
テルの具体例としてアセチルシトレート、モノ又はジス
テアリルシトレート等があげられる。酸アミドの具体例
としてN,N’ジエチルシトリック酸アミド、N−ドデ
シルシトリック酸アミド等があげられる。又上記ポリカ
ルボン酸の誘導体、特に好ましくは塩類も好適に用いる
ことができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】実施例1〜5、比較例1〜5 本方法を実施するために、3つの帯域を有する二軸スク
リュー押出機(日本製鋼所社製 TEX−30)を使用
した。押出機の第1の帯域の開始部より、A−1、A−
2、A−3各成分を投入し、シリンダー温度260℃に
て混練した。ひき続き、第2の帯域の開始部の上部開口
部より、B−1、B−2、B−3の各成分を投入し、シ
リンダー温度230℃にて混練した。さらにひき続き第
3の帯域中において、脱ガス化の開口部より50トルの
真空にひいて、脱ガス化を行った。次いで、押出機より
オリフィスを介して取り出し、水浴にて冷却したのちペ
レタイザーを用いて造粒し、そののち乾燥した。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリフェニレンエーテル(PPE)および
    ポリアミドを基礎とする熱可塑性樹脂組成物においてA
    −B−A(AまたはBはスチレン)の構造を持つ耐衝撃
    性改良材が部分的にPPE中に分散し、かつ、0.02
    〜0.07μm程度の層状もしくは球状構造を持つこと
    を特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】A−B−Aの構造を持つ耐衝撃性改良材が
    スチレン−ブタジエン−スチレンブロックポリマーであ
    る請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】スチレン−ブタジエン−スチレンブロック
    ポリマーにおいてポリスチレン部の数平均分子量が1万
    以上である請求項2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】1)(i)相容化に有効量の少なくとも一
    種の相容化剤、および(ii)ポリフェニレンエーテルを
    あらかじめ溶融混練し、次いで、 2)(iii)連続相を形成するために必要な量のポリアミ
    ド、および (iv) A−B−A(AまたはBはスチレン)の構造を持
    つ耐衝撃性改良材を添加し、最大剪断速度が700se
    -1以上なる条件で溶融混練を行うことを特徴とする請
    求項1記載の熱可塑性樹脂組成物の製造法。
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