JPH0689247B2 - 耐衝撃性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物 - Google Patents

耐衝撃性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物

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JPH0689247B2
JPH0689247B2 JP14944385A JP14944385A JPH0689247B2 JP H0689247 B2 JPH0689247 B2 JP H0689247B2 JP 14944385 A JP14944385 A JP 14944385A JP 14944385 A JP14944385 A JP 14944385A JP H0689247 B2 JPH0689247 B2 JP H0689247B2
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polystyrene
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彰俊 杉尾
勝郎 岡部
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はBブロツクの分子量がAおよびA′ブロツクの
分子量の合計よりも小さいA-B-A′型ブロック共重合
体、エラストマーおよび特定の可塑剤を含有する耐衝撃
性ポリフエニレンエーテル系樹脂組成物に関する。
〔従来の技術〕 ポリフエニレンエーテル系樹脂は米国特許3306874号明
細書、3306875号明細書、3257357号明細書、3257358号
明細書、4011200号明細書および特開昭50-126800号公報
等種々の公知文献に開示されている公知の樹脂である。
ポリフエニレンエーテル系樹脂は耐熱性の優れた樹脂で
あるが、それだけに高温での押出および成形加工が必要
である。高温での押出および成形加工はポリフエニレン
エーテル系樹脂の劣化を招き、その結果、ポリフエニレ
ンエーテル系樹脂が本来備えている優れた性能を損うこ
とになる。また、ポリフエニレンエーテル系樹脂の耐衝
撃強度は小さく、そのままで使用するには不充分であ
る。ポリフエニレンエーテル系樹脂のこのような欠点を
同時に改善する方法として、米国特許3383435号明細書
にはポリフエニレンエーテルとビニル芳香族樹脂とを含
有する樹脂組成物が開示されている。ビニル芳香族樹脂
とポリフエニレンエーテルとをブレンドすることによ
り、押出および成形加工に必要な温度を低下させること
が可能である。またビニル芳香族樹脂としてゴム変性ポ
リスチレン樹脂を使用すれば、樹脂組成物の耐衝撃強度
も向上する。ゴム変成ポリスチレンの割合の増加と共に
組成物中のゴム含有量が増加するので、耐衝撃強度向上
の度合も大きくなるが、それでも耐衝撃強度の改善は不
充分である。更に、ゴム変性ポリスチレンの増加と共に
耐熱性の低下も著しい。
耐衝撃強度を向上させる手段として種々の樹脂組成物が
提案されている。例えば、米国特許3660531号明細書に
はポリフエニレンオキシド、ポリスチレンおよびゴムを
含有する樹脂組成物、3994856号明細書にはポリフエニ
レンオキシド、ポリスチレンおよびA-B-A′型ブロック
共重合体を含有する樹脂組成物、4128602号明細書には
ポリフエニレンオキシド、ポリスチレンおよびゴムを含
有し、樹脂組成物中に分散したゴム粒子の最大平均直径
(maximum mean diameter)が2μである様な樹脂組成
物、4128603号明細書にはポリフエニレンオキシドと耐
衝撃性ポリスチレンを含有し、その耐衝撃性ポリスチレ
ンが22〜80重量%のエラストマーのゲル粒子を含んでい
る様なものである樹脂組成物、特公昭57-8139号公報に
はポリフエニレンエーテル、ポリスチレンおよびアクリ
ル樹脂変性ABSを含有する樹脂組成物、米国特許3835200
号明細書にはポリフエニレンエーテル、耐衝撃性ポリス
チレンおよびBブロツクの分子量がAおよびA′ブロツ
クの分子量の合計よりも小さいA-B-A′型ブロック共重
合体を含有する樹脂組成物が開示されている。更に、本
発明者等はポリフエニレンエーテル系樹脂、Bブロツク
の分子量がAおよびA′ブロツクの分子量の合計よりも
小さいA-B-A′型ブロック共重合体およびエラストマー
を含有する樹脂組成物では常温における耐衝撃強度だけ
でなく、低温(例えば−40℃)に於ける耐衝撃強度が改
善されることを見い出し、既に特許出願した。しかし、
何らかの方法でこの樹脂組成物の耐衝撃強度が向上すれ
ば、さらに望ましい。
〔発明の目的〕
上記ポリフエニレンエーテル系樹脂組成物に於いて、耐
衝撃強度をさらに向上させることが本発明の目的であ
る。
〔発明の概要〕
本発明者等は上記の目的を達成すべく鋭意検討した結
果、Bブロツクの分子量がAおよびA′ブロツクの分子
量の合計よりも小さいA-B-A′型ブロック共重合体、エ
ラストマーおよび特定の可塑剤を含有するポリフエニレ
ンエーテル系樹脂組成物においては、耐衝撃強度が向上
することを見い出し、本発明の目的を達成した。
即ち、本発明の樹脂組成物は(a)ポリフエニレンエー
テル系樹脂、(b)A-B-A′型ブロック共重合体(Aお
よびA′は重合されたビニル芳香族炭化水素ブロツクで
あり、Bは重合された共役ジエン系炭化水素ブロツクで
あり、しかもBブロツクの分子量はAおよびA′ブロツ
クの組合わされた分子量よりも小である。)、(c)エ
ラストマーおよび(d)二塩基性脂肪酸エステルおよび
芳香核を含まないホスフエートよりなる群から選ばれる
可塑剤を含有する耐衝撃性ポリフエニレンエーテル系樹
脂組成物である。
本発明の樹脂組成物に(a)成分として用いられるポリ
フエニレンエーテル系樹脂とは、一般式(I)で示され
る単環式フエノール (式中、R1は炭素数1〜3の低級アルキル基、R2および
R3は水素原子または炭素数1〜3の低級アルキル基であ
る。) の一種以上を酸化的に重縮合して得られるボリフエニレ
ンエーテル;このポリフエニレンエーテルにビニル芳香
族化合物をグラフト重合して得られる根幹にポリフエニ
レンエーテルを有するグラフト共重合体を包含する。こ
のポリフエニレンエーテルは、単独重合体であつても共
重合体であつてもよい。
前記一般式(I)で示される単環式フエノールとして
は、例えば、2,6−ジメチルフエノール、2,6−ジエチル
フエノール、2,6−ジプロピルフエノール、2−メチル
−6−エチルフエノール、2−メチル−6−プロピルフ
エノール、2−エチル−6−プロピルフエノール、m−
クレゾール、2,3−ジメチルフエノール、2,3−ジエチル
フエノール、2,3−ジプロピルフエノール、2−メチル
−3−エチルフエノール、2−メチル−3−プロピルフ
エノール、2−エチル−3−メチルフエノール、2−エ
チル−3−プロピルフエノール、2−プロピル−3−メ
チルフエノール、2−プロピル−3−エチルフエノー
ル、2,3,6−トリメチルフエノール、2,3,6−トリエチル
フエノール、2,3,6−トリプロピルフエノール、2,6−ジ
メチル−3−エチルフエノール、2,6−ジメチル−3−
プロピルフエノール等が挙げられる。そして、これらの
単環式フエノールの一種以上の重縮合により得られるポ
リフエニレンエーテルとしては、例えば、ポリ(2,6−
ジメチル−1,4−フエニレン)エーテル、ポリ(2,6,−
ジエチル−1,4−フエニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ
プロピル−1,4−フエニレン)エーテル、ポリ(2−メ
チル−6−エチル−1,4−フエニレン)エーテル、ポリ
(2−メチル−6−プロピル−1,4−フエニレン)エー
テル、ポリ(2−エチル−6−プロピル−1,4−フエニ
レン)エーテル、2,6−ジメチルフエノール/2,3,6−ト
リメチルフエノール共重合体、2,6−ジメチルフエノー
ル/2,3,6−トリエチルフエノール共重合体、2,6−ジエ
チルフエノール/2,3,6−トリメチルフエノール共重合
体、2,6−ジプロピルフエノール/2,3,6−トリメチルフ
エノール共重合体、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フエニ
レン)エーテルにスチレンをグラフト重合したグラフト
共重合体、2,6−ジメチルフエノール/2,3,6−トリメチ
ルフエノール共重合体にスチレンをグラフト重合したグ
ラフト共重合体等が挙げられる。特に、ポリ(2,6−ジ
メチル−1,4−フエニレン)エーテル、2,6−ジメチルフ
エノール/2,3,6−トリメチルフエノール共重合体が本発
明に用いるポリフエニレンエーテル系樹脂として好まし
いものである。
本発明の樹脂組成物に(b)成分として用いられるA-B-
A′型ブロック共重合体はケネデイ等編集になる「Polym
er Chemistry of Synthetic Elastomers」Vol23PartII5
33〜559ページ1969(Interscience Publishers)に製造
方法が示されている。例えばブタジエン或いは他の共役
ジエン系炭化水素およびスチレン或いは他のビニル芳香
族炭化水素を炭化水素溶媒中で有機リチウム化合物を開
始剤として重合することにより、A-B-A′型ブロック共
重合体が製造される。
ブロツクAおよびA′を構成するビニル芳香族炭化水素
は、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルト
ルエン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、或いはこ
れらの混合物である。
ブロツクBを構成する共役ジエン炭化水素は例えば、ブ
タジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメ
チルブタジエン、或いはこれらの混合物である。
ブロツクAおよびA′の分子量は25,000〜1,000,000で
あり、ブロツクBの分子量は2,000〜100,000であるが、
AおよびA′ブロツクの分子量の合計はブロツクBの分
子量よりも大である。特に、ブロツクAおよびA′のA-
B-A′型ブロック共重合体中に占める割合は、合計で70
〜90重量%、従つてブロツクBの割合は30〜10重量%が
好ましい。したがつて、当該ブロツク共重合体は樹脂と
しての性質を有し、ヤング率は大である。具体的には、
A.V.Tobolsky著“Propertris and Structures of Polym
ers"(John Wiley & Sone,Inc.1960年)71〜78ページ
でエラストマーの定義に使用されているヤング率105〜1
09dynes/cm2(0.1〜1020kg/cm2)よりも大である。
上記の特徴を有する樹脂状のブロツク共重合体は市販さ
れており、旭化成工業(株)より「アサフレツクス」な
る商品名で入手可能である。「アサルレツクス」には
「アサフレツクス810」「アサフレツクス800」なる二種
類のグレードがある。「アサフレツクス810」はポリス
チレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロツク共重合
体であり、ポリスチレンブロツクおよびポリブタジエン
ブロツクの占める割合はそれぞれ70重量%および30重量
%である。更に弾性率に関しては15000kg/cm2なる曲げ
弾性率を有する。「アサフレツクス800」もポリスチレ
ン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロツク共重合体で
あり、ポリスチレンブロックおよびポリブタジエンブロ
ックの占める割合はそれぞれ80重量%および20重量%で
ある。曲げ弾性率は21000kg/cm2である。「アサフレツ
クス」のモルホロジーは通常の耐衝撃性ポリスチレンと
は異なり、電子顕微鏡写真に依れば、ポリブタジエンブ
ロツク凝集体の直径は0.01〜0.02μと極めて小さい。
本発明の樹脂組成物に(c)成分として用いられるエラ
ストマーとは、常温におけるヤング率が105〜109dynes/
cm2(0.1〜1020kg/cm2である重合体であって、A-B-A′
型エラストマー状ブロック共重合体、ポリブタジエン部
分(Bブロツク)の二重結合が水素添加されたA-B-A′
型エラストマー状ブロック共重合体、ビニル芳香族炭化
水素ブロツクおよび共役ジエン系炭化水素ブロツクから
なるラジアルテレブロツク共重合体、共役ジエン系炭化
水素ブロツク中の二重結合が水素添加された前記ラジア
ルテレブロツク共重合体から選ばれたエラストマーを意
味する。
A-B-A′型エラストマー状ブロック共重合体、或いはブ
ロツクBの二重結合が水素添加されたA-B-A′型エラス
トマー状ブロック共重合体とは以下の様なものである。
即ち、末端ブロツクAおよびA′は重合体されたビニル
芳香族炭化水素ブロツクであり、Bは重合された共役ジ
エンブロツクあるいは二重結合の大部分が水素添加され
た共役ジエンブロツクであり、Bブロツクの分子量はA
およびA′ブロツクの組み合わされた分子量より大であ
る。末端ブロツクAおよびA′は同一でも異なつてもよ
く、且つ該ブロツクは、芳香族部分が単環でも多環でも
よいビニル芳香族炭化水素から誘導された熱可塑性単独
重合体または共重合体である。かかるビニル芳香族炭化
水素の例はスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトル
エン、ビニルキシレン、エチルビニルキシレン、ビニル
ナフタレンおよびそれらの混合物が挙げられる。中央ブ
ロツクBは共役ジエン系炭化水素、例えば、1,3−ブタ
ジエン、2,3−ジメチルブタジエン、イソプレン、1,3−
ペンタジエンおよびそれらの混合物から誘導されたエラ
ストマー状重合体である。各末端ブロツクAおよびA′
の分子量は、好ましくは約2,000〜約1,000、000の範囲
であり、一方、中央ブロツクBの分子量は、好ましくは
約25,000〜約1,000,000の範囲である。
この様な共重合体はシエル化学より「クレイトン」、
「クレイトンG」なる商品名で、旭化成(株)より「タ
フプレン」なる商品名で、日本合成ゴム(株)より「JS
R TR」なる商品名でそれぞれ商業的に入手可能である。
前記ラジアルテレブロツク共重合体、或いは共役ジエン
系炭化水素ブロツク中の二重結合が水素添加されたラジ
アルテレブロツク共重合体とは、ビニル芳香族炭化水素
ブロツク、共役ジエン系炭化水素ブロツクおよびカツプ
リング剤からなるエラストマー状の分岐重合体、或いは
共役ジエン系炭化水素ブロツクの中の二重結合が水素添
加された分岐重合体である。さらに詳しくは共役ジエン
ゴムの2個またはそれ以上の連鎖がカツプリング剤から
延び、各連鎖のカツプリング剤とは反対の端はビニル芳
香族化合物重合体の連鎖に結合している。ラジアルテレ
ブロツク共重合体は当該技術分野において既知であり、
例えば、共役ジエン化合物およびビニル芳香族化合物を
オルガノ金属重合開始剤の存在下で重合させて各種重合
体連鎖の一端にリチウムの様な活性金属原子を含む共重
合体を製造し、次いで当該共重合体と活性金属原子を置
換し得る少なくとも2個の活性基を有するカツプリング
剤とを反応させることにより製造され得る。この結果、
カツプリング剤を核としてその周囲に放射状に延びる重
合体連鎖の分岐を有する重合体が得られる。この重合体
中の共役ジエン系炭化水素ブロツクの二重結合を水素添
加すれば、共役ジエン系炭化水素ブロツク中の二重結合
が水素添加された分岐重合体となる。共役ジエン炭化水
素ブロツク中の二重結合が水素添加されていないラジア
ルテレブロツク共重合体は旭化成工業(株)から「ソル
プレン」「アサプレン」なる商品名で入手可能である。
本発明の(d)成分は、二塩基性脂肪酸エステルおよび
芳香核を含まないホスフエートよりなる群から選ばれる
可塑剤である。
二塩基性脂肪酸の具体例としては、ジオクチルアジペー
ト、ジイソブチルアジペート、ジブチルアジペート、ジ
イソデシルアジペート、ジブチルジグリコールアジペー
ト、ジオクチルアゼレート、ジブチルセバケート、ジオ
クチルセバケート等が挙げられる。耐熱性の面からジオ
クチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジオクチ
ルアゼレート、ジオクチルセバケートが好ましい。芳香
核を含まないホスフエートの具体例としては、トリメチ
ルホスフエート、トリエチルホスフエート、トリブチル
ホスフエート、トリオクチルホスフエート、トリブトキ
シエチルホスフエート、トリラウリルホスフエート、ト
リセチルホスフィエート、トリステアリルホスフエー
ト、トリオレイルホスフエート等が挙げられる。耐熱性
および可塑化能力の面から、トリオクチルホスフエー
ト、トリブトキシエチルホスフエートが好ましい。
本発明の樹脂組成物に於ける(a),(b),(c)成
分の樹脂成分中に占める割合は一般的には(a)10〜90
重量%、(b)8〜88重量%、(c)2〜30重量%であ
り、好ましくは(a)20〜80重量%、(b)15〜75重量
%、(c)5〜20重量%である。(d)成分である可塑
剤の割合は樹脂成分100重量部に対して1〜15重量部、
好ましくは3〜10重量部である。
上記の樹脂成分以外にも、本発明の樹脂組成物の性能を
損なわない限り、他の樹脂も配合可能である。
更に、目的に応じて各種添加剤、充填材等の樹脂成分以
外の成分も配合することが可能である。各種添加剤、充
填材を例示すると、立体障害性フエノール、有機ホスフ
アイト、ホスフオナイト、ホスフオナス酸、環状ホスフ
オナイト、ヒドラジン誘導体、アミン誘導体、カーバメ
イト誘導体、チオエーテル、ホスフオリツクトリアミ
ド、ベンゾオキサゾール誘導体、金属の硫化物等の安定
剤;ベンゾトリアゾール誘導体、ベンゾフエノン誘導
体、サリシレート誘導体、立体障害性アミン、シユウ酸
ジアミド誘導体等の紫外線吸収剤;ポリエチレンワツク
ス、ポリプロピレンワツクス等に代表される滑剤として
のポリオレフインワツクス;デカブロモビフエニル、デ
カブロモビルフエニルエーテル、ペンタブロモトルエ
ン、臭素化ポリスチレン等に代表される臭素系難燃剤;
酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラツク等に代表され
る顔料;ガラス繊維、ガラスビーズ、アスベスト、ウオ
ラストナイト、マイカ、タルク、クレイ、炭酸カルシウ
ム、シリカ等に代表される無機充填材;銅、ニツケル、
アルミニウム、亜鉛等のフレークに代表される金属フレ
ーク;アルミニウム繊維、アルミニウム合金繊維、黄銅
繊維、ステンレス繊維等に代表される金属繊維;炭素繊
維、芳香族ポリアミド繊維に代表される有機充填材等が
挙げられる。これらのその他の成分の添加量は用いる化
合物の種類、或いは添加の目的によつて異なる。
本発明のポリフエニレンエーテル系樹脂組成物を製造す
るに際しては、従来から公知の方法が採用されればよ
く、例えば、各成分をターンブルミキサーやヘンシエル
ミキサーで代表される高速ミキサーで混合した後、押出
機、バンバリーミキサー、ロール等で混練する方法が適
宜選択される。
以下、実施例および比較例により本発明の樹脂組成物を
具体的に説明するが、樹脂組成物の各構成成分の使用量
および%は特別のことわりがない限り、重量基準で表わ
す。
〔実施例〕
実施例1 固有粘度0.52dl/g(25℃、クロロホルム中)の2,6−ジ
メチルフエノール/2,3,6−トリメチルフエノール共重合
体(後者の割合は5モル%)60重量部、ポリスチレン−
ポリブタジエン−ポリスチレンブロツク共重合体(ポリ
スチレン部分とポリブタジエン部分との重量比が70/3
0、商品名「アサフレツクス810」、旭化成工業(株)
製)25重量部、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリス
チレンエラストマー状ブロツク共重合体(ポリスチレン
部分とポリブタジエン部分との重量比が30/70であり、
かつ当該共重合体の20%トルエン溶液のブルツクフイー
ルドモデルRVT粘度計による25℃での液粘度が1500cps、
商品名「クレイトンTR1101」、シエル化学製)15重量
部、可塑剤としてトリオクチルホスフエート或いはトリ
ブトキシエチルホスフエート8重量部、テトラキス(2,
4−ジ−tert−ブリルフエニル)−4,4′−ビフエニレン
ジホスフオナイト(商品名「サンドスターブP-EPQ」、
サンド社製)0.4重量部、および2,2′−メチレン−ビス
(4−メチル−6−tert−ブチルフエノール)(商品名
「アンテージW-400」、川口化学製)0.6重量部をヘンシ
エルミキサーを用いて充分混合した。得られた混合物を
シリンダーの最高温度が290℃に設定されたAS-30二軸押
出機(中谷機械製作所製)にて押出してペレツト化し、
次いでシリンダーの最高温度が280℃に設定されたSJ-35
B射出成形機(名機製作所製)を用いて射出圧力1050kg/
cm2なる条件下にアイゾツト衝撃強度測定用試験片(厚
さ1/8″)を成形した。23℃および、−40℃に於けるノ
ツチ付アイゾツト衝撃強度の測定結果を表1に示す。
比較例1 実施例1において、トリオクチルホスフエート、トリブ
トキシエチルホスフエートに代えて、トリフエニルホス
フエートあるいはオクチルジフエニルホスフエート8重
量部を使用する以外は実施例1を繰り返した。結果を表
1に示す。
表1の結果から明らかな様に、芳香核を含むホスフエー
トを使用した場合に比較して、23℃、−40℃いずれの温
度に於いても本発明の樹脂組成物のアイゾツト衝撃強度
が優れている 成形性評価のために高化式フローテスターを使用して、
230℃、60kg/cm2で測定したQ値は、トリオクチルホス
フェートを使用した場合は、4.2×10-4cc/secであり、
トリブトキシエチルホスフェートを使用した場合は、3.
9×10-4cc/secであった。
実施例2 実施例1において、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポ
リスチレンエラストマー状ブロツク共重合体に代えて、
スチレンとブタジエンとのラジアルテレブロツク共重合
体(スチレン成分とブタジエン成分との重量比が30/7
0、商品名「ソルプレンT-411」、旭化成工業(株)製)
を使用し、かつ可塑剤としてジオクチルセバケートある
いはジイソデシルアジペートを使用する以外は実施例1
を繰り返した。結果を表2に示す。
比較例2 実施例2において、ジオクチルセバケート、ジイソデシ
ルアジペートに代えて、トリフエニルホスフエートある
いはトリクレジルホスフエートを使用する以外は実施例
2を繰り返した。
結果を表2に示す。
表2の結果から明らかな様に、芳香核を含むホスフエー
トを使用した場合に比較して、23℃、−40℃、いずれの
場合も本発明の樹脂組成物のアイゾツト衝撃強度が優れ
ている。
実施例3 実施例1で使用した2,6−ジメチルフエノール/2,3,6−
トリメチルフエノール共重合体42重量部、ポリスチレン
−ポリブタジエン−ポリスチレンブロツク共重合体(ポ
リスチレン部分とポリブタジエン部分との重量比が80/2
0、商品名「アサフレツクス800」、旭化成工業(株)
製)48重量部、実施例2で使用したラジアルテレブロツ
ク共重合体10重量部、トリオクチルホスフエート8重量
部、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフエニル)−
4,4−ビフエニレンジホスフオナイト0.4重量部および2,
6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(商品名「アン
テージBHT」、川口化学製)0.6重量部をヘンシエルミキ
サーを用いて充分混合した。得られた混合物をシリンダ
ーの最高温度が290℃に設定されたAS-30二軸押出機にて
押出してペレツト化し、次いで、シリンダーの最高温度
が260℃に設定されたSJ-35B射出成形機を用いて射出圧
力1050kg/cm2なる条件下にアイゾツト衝撃強度測定用試
験片(厚さ1/8″)を成形した。得られた試験片を用い
て実施例1と同様に試験した結果を表3に示す。
比較例3 実施例3において、トリオクチルホスフエートに代えて
トリクレジルホスフエートを使用する以外は実施例3を
繰り返した。結果を表3に示す。
比較例4 実施例1においてABA′ブロック共重合体(アサフレッ
クス810)をすべてこれも実施例1で使用したポリスチ
レン−ポリブタジエン−ポリスチレンエラストマー状ブ
ロック共重合体(ポリスチレン部分とポリブタジエン部
分の重量比が30/70であるクレイトンTR1101)に替えて
繰り返した。成形性は不良であり、Q値は測定不可能で
あった。
比較例5 実施例1において、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポ
リスチレンエラストマー状ブロツク共重合体に代えてポ
リブタジエン(日本合成ゴム製、BR-01)を使用し、実
施例1と同様の操作を繰り返した。なお、可塑剤として
はトリオクチルホスフェートを使用した。
得られた組成物のアイゾット衝撃強度を表4に示す。
比較例6 実施例1において、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポ
リスチレンエラストマー状ブロック共重合体に代えてエ
チレン−プロピレン共重合体(三井石油化学製、タクマ
−P-1081)を使用し、実施例1と同様の操作を繰り返し
た。なお、可塑剤としてはトリオクチルホスフェートを
使用した。
得られた組成物のアイゾット衝撃強度を表4に示す。
比較例7 比較例5において、可塑剤のトリオクチルフォスフェー
トをトリフェニルホスフェートに代える以外は比較例5
と同様の操作を繰り返した。
得られた組成物のアイゾット衝撃強度を表4に示す。
比較例8 比較例6において、可塑剤のトリオクチルフォスフェー
トをトリフェニルホスフェートに代える以外は比較例6
と同様の操作を繰り返した。
得られた組成物のアイゾット衝撃強度を表4に示す。
比較例9 比較例5を、可塑剤を使用しないで同様の操作を繰り返
した。得られた組成物のアイゾット衝撃強度を表4に示
す。
比較例10 比較例6を、可塑剤を使用しないで同様の操作を繰り返
した。得られた組成物のアイゾット衝撃強度を表4に示
す。
実施例4 実施例1において、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポ
リスチレンエラストマー状ブロック共重合体を、ポリス
チレン部分とポリブタジエン部分の重量比が30/70のク
レイトンTR1101から、重量比が40/60のタフプレンA
(旭化成工業製)に代える以外は実施例1を繰り返し
た。なお、可塑剤としてはトリオクチルホスフェートを
使用した。
得られた組成物のアイゾット衝撃強度は次のとおりであ
った。
23℃ 40℃ アイゾット衝撃強度 43.4 31.6 (kg・cm/cm) 比較例11 実施例1を、エラストマー(クレイトンTR1101)を使用
せず、アサフレックス810を40重量部使用する以外は実
施例1を繰り返した。なお、可塑性はトリオクチルホス
フェートを使用した。
得られた組成物のアイゾット衝撃強度は23℃において1
1.2kg・cm/cmであった。
〔効果〕 本発明によれば、常温および低温でのアイゾツト衝撃強
度が改善される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−141233(JP,A) 特表 昭57−500152(JP,A) 特表 昭57−502063(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂、
    (b)A-B-A′型ブロック共重合体(AおよびA′は重
    合されたビニル芳香族炭化水素ブロックであり同一でも
    異なっていてもよく、Bは重合された共役ジエン系炭化
    水素ブロックであり、しかもBブロックの分子量はAお
    よびA′ブロックの組合わされた分子量より小であ
    る)、(c)A-B-A′型エラストマー状ブロック共重合
    体、ポリブタジエン部分(Bブロック)の二重結合が水
    素添加されたA-B-A′型エラストマー状ブロック共重合
    体、ビニル芳香族炭化水素ブロックおよび共役ジエン系
    炭化水素ブロックからなるラジアルテレブロック共重合
    体および共役ジエン系炭化水素ブロック中の二重結合が
    水素添加された前記ラジアルテレブロック共重合体から
    選ばれたエラストマー(常温におけるヤング率が105〜1
    09dyne/cm2であるような重合体を意味する)、および
    (d)二塩基性脂肪酸エステルおよび芳香族を含まない
    ホスフェートよりなる群より選ばれる可塑剤からなり、
    (a)の含有量が20〜89重量%、(b)の含有量が15〜
    75重量%、(c)の含有量が5〜20重量%で、かつ
    (d)の含有量が(a)〜(c)の合計100重量部に対
    して3〜10重量部であることをを特徴とする耐衝撃性ポ
    リフェニレンエーテル系樹脂組成物。
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