JPH0737441B2 - 含弗素化合物の製造法 - Google Patents

含弗素化合物の製造法

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JPH0737441B2
JPH0737441B2 JP20582690A JP20582690A JPH0737441B2 JP H0737441 B2 JPH0737441 B2 JP H0737441B2 JP 20582690 A JP20582690 A JP 20582690A JP 20582690 A JP20582690 A JP 20582690A JP H0737441 B2 JPH0737441 B2 JP H0737441B2
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phenylselenenyl
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、含弗素化合物の製造法に関するものであ
る。さらに詳しくは、この発明は、短い反応時間で、任
意のオレフィン化合物に弗素原子を導入することのでき
る新しい含弗素化合物の製造法に関するものである。
(従来の技術とその課題) 従来より、オレフィン化合物の炭素一炭素二重結合の部
位に弗素原子とともにSe官能基を導入してフェニルセレ
ネニル含弗素化合物を製造する方法が知られている。
たとえば、臭化フェニルセレネニル(PhSeBr)と弗化銀
(AgF)とを超音波照射の条件下にオレフィン化合物と
反応させて、弗素原子とフェニルセレネニル基(PhSe)
とを導入する方法が知られている(chem.Lett.1235(19
89))が、オレフィン化合物として使用されているのは
シクロヘキセン等の官能基を有しないものに限られ、そ
の反応収率は38〜62%程度と低く、3時間程度の長い反
応時間を要している。
また、臭化フェニルセレネニルに代えて塩化フェニルセ
レネニル(PhSeCl)を弗化銀とともに使用し、超音波を
照射することなくオレフィンと反応させる方法も報告さ
れている(Tetrahedron Lett.,31,973(1990))が、反
応時間は18時間程度と長く、しかも末端オレフィン化合
物について報告されているだけであり、実際には非末端
オレフィン化合物や、電子欠損オレフィン(electron d
eficient olefins)の場合には反応しないのが実情であ
る。
さらにまた、次式 の化合物とピリジン・HFとを使用する方法も知られてい
る(Tetrahedron lett.,31,663(1990))が、7〜40時
間と反応時間が長く、しかも原料オレフィン化合物の種
類も限られている。
このため、オレフィン化合物の二重結合部位への弗素原
子とセレン官能基の導入反応は、各種の工業原料、合成
中間体の製造法、たとえばこれに続くフェニルセレネニ
ル基の脱離によってオレフィン含弗素化合物を製造する
ための方法として注目されるものであるが、反応時間の
長さやオレフィン化合物の種類の限定等の欠点の存在に
よって工業的に利用することができない状況にある。
この発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたもので
あり、従来方法の欠点を解消し、短い反応時間で、任意
の種類のオレフィン化合物にも適用することのできるフ
ェニルセレネニル基を有する含弗素化合物の製造法と、
さらにフェニルセレネニル基の脱離によるオレフィン含
弗素化合物の製造法を提供することを目的としている。
また、この発明は、上記フェニルセレネニル含弗素化合
物の製造に有用な反応剤としての弗化フェニルセレネニ
ルの製造法をも提供することを目的としている。
(課題を解決するための手段) この発明は、上記の課題を解決するものとして、弗化キ
セノンまたは弗素とジフェニルジセレニドとを反応さ
せ、次いでオレフィン化合物を添加して反応させること
を特徴とするフェニルセレネニル含弗素化合物の製造法
と、さらに得られたこの化合物を酸化処理してフェルニ
ルセレネニル基を離脱させることを特徴とするオレフィ
ン含弗素化合物の製造法を提供する。
また、この発明は、弗化キセノンまたは弗素とジフェニ
ルジセレニドとを反応させることを特徴とする弗化フェ
ニルセレネニルの製造法をも提供する。
この発明の上記した通りのフェニルセレネニル含弗素化
合物の製造法においては、従来公知の方法に比べて極め
て短時間の反応で、しかも原料オレフィンの種類に限定
されずに反応を実施し、目的のフェニルセレネニル含弗
素化合物を容易に取得することができる。
フェニルセレネニル含弗素化合物の製造は、まず、式Xe
F2で表わされる弗化キセノンまたは弗素とジフェニルジ
セレニドとを反応させることにより開始する。
このジフェニルジセレニドのフェニル基は、任意の置換
基を有するか、もしくは有していなくてもよい。炭化水
素基、置換炭化水素、あるいは適宜な置換基をベンゼン
環に結合していてもよい。弗化キセノンまたは弗素と、
このジフェニルジセレニドとの反応は、通常は、−30〜
−5℃程度の温度において1分〜1時間で行われる。反
応に際して、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロ
エタン、四塩化炭素、トリクロロトリフルオロエタン、
トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン
等の有機溶媒を存在させるのが好ましい。両者の使用量
については、弗化キセノンまたは弗素に対して、0.3〜
1.5倍モル量のジフェニルジセレニドを使用するのが好
ましい。
この弗化キセノンまたは弗素とジフェニルジセレニドと
の反応によってPhSeFで表わされる弗化フェニルセレネ
ニルが生成する。この化合物は、不安定で反応性が高い
ことから、低温条件下に生成させ、オレフィン化合物を
反応系に添加して直ちに反応させるのが好ましい。
反応に使用するオレフィン化合物としては、アルキル
基、シクロアルキル基、アリール基等の炭化水素基、ハ
ロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、
ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、
ホルモル基、アシル基、シアノ基、メルカプト基、アル
キルチオ基、チオカルボキシ基、スルホニル基、スルフ
ィニル基、カルバモイル基、チオカルバモイル基等の官
能基、もしくはこれら官能基を有する炭化水素基や複素
環基の任意のものを置換基として有するか、あるいは有
しないのものを用いることができる。また、このオレフ
ィン化合物は炭素結合によって、あるいは異項原子を介
して環を形成していてもよい。
これらのオレフィン化合物の使用量は、特段の限定はな
いが、上記の生成弗化フェニルセレネニルと略等モル量
で反応させるのが好ましい。反応温度は、概略−20℃〜
常温程度の範囲とするのが好ましい。
反応時間は、原料として使用するオレフィン化合物の種
類によっても相違するが、おおむね10分前後〜4時間程
度で充分である。官能基を持たないオレフィン化合物の
場合には、10分程度の反応時間で60%以上の収率で目的
物が得られる。
また、このフェニルセレネニル含弗素化合物は、さらに
所望に応じてフェニルセレネニル基を脱離させ、オレフ
ィン含弗素化合物に転換することができる。
この脱離反応は常法により行われ、たとえば、有機溶媒
中において、−10℃〜常温程度の温度範囲で、過酸化水
素添加等の酸化条件下で処理する方法が挙げられる。80
%以上の高い収率で、オレフィン含弗素化合物がえられ
る。
以下、実施例を示し、さらに詳しくこの発明の製造法に
ついて説明する。
実施例1 (弗化フェニルセレネニルの製造) 弗化キセノン(XeF2)33.9mg(0.2ミリモル)に、ジフ
ェニルジセレニド((PhSe)2)65.5mg(0.21ミリモル)
のジクロロメタン1ml溶液を、約−20℃の温度下に滴下
し、10分間撹拌した。
弗化フェニルセレネニルが生成した。
この弗化フェニルセレネニルの生成は、重クロロホルム
中での反応による1H-NMRシグナルによっても確認した。
実施例2 ジフェニルジセレニド0.21ミリモルを含むジクロロメタ
ン1ml溶液中に弗素ガス0.4ミリモルを吹き込み、実施例
1と同様に反応させたところ、弗化フェニルセレネニル
が生成した。
実施例3〜10 (フェニルセレネニル含弗素化合物の製造) 実施例1または2により生成させた弗化フェニルセレネ
ニルの反応液に、表1および表2に示した各種のオレフ
ィン化合物(0.42ミリモル)を添加して反応させた。表
1および表2に示した通り、10分〜4時間の反応時間
で、従来法では製造不能であった電子欠損オレフィン化
合物等においても高い収率で目的のフェニルセレネニル
含弗素化合物を得ることができた。
実施例11〜12 (オレフィン含弗素化合物の製造) 実施例4および実施例5により得たフェニルセレネニル
含弗素化合物を、ジクロロメタン溶媒中において、0℃
の温度で過酸化水素(H2O2)添加によって10分間処理し
た。
その結果、表3に示した通り、各々、88%、82%の高収
率で、オレフィン含弗素化合物を得た。
(発明の効果) 以上詳しく説明した通り、この発明の製造法により、短
い反応時間で、高収率でフェニルセレネニル含弗素化合
物の製造が可能となる。しかもこの方法においては、原
料オレフィン化合物の種類に限定されることなく反応が
進行する。
また、このフェニルセレネニル含弗素化合物からフェニ
ルセレネニル基の脱離によってオレフィン含弗素化合物
の各種のものが高収率で取得可能となる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弗化キセノンまたは弗素とジフェニルジセ
    レニドとを反応させ、次いでオレフィン化合物を添加し
    て反応させることを特徴とするフェニルセレネニル含弗
    素化合物の製造法。
  2. 【請求項2】請求項(1)記載の方法により得たフェニ
    ルセレネニル含弗素化合物を酸化処理しフェニルセレネ
    ニル基を脱離させることを特徴とするオレフィン含弗素
    化合物の製造法。
  3. 【請求項3】弗化キセノンまたは弗素とジフェニルジセ
    レニドとを反応させることを特徴とする弗化フェニルセ
    レネニルの製造法。
JP20582690A 1990-08-01 1990-08-01 含弗素化合物の製造法 Expired - Lifetime JPH0737441B2 (ja)

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