JPH0735726Y2 - ベルトサンダー機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、加工材を送材通路に送
給し、該送材通路上の研削ヘッドによって研削加工する
ためのベルトサンダー機に関する。

【０００２】

【従来の技術】送材通路に沿って配設した複数の送材駆
動ロールからなる送材装置と、加工材の研削を施す研削
ヘッドとを、該送材通路を置いて対向状に配設し、かつ
その研削ヘッドの前後には、弾機により送材通路側に付
勢された踏圧ロールを設けてなるベルトサンダー機は種
々存在する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】前記従来のベルトサン
ダー機にあって、踏圧ロールは、加工材の走行力によ
り、倣い回転しながら、弾機によって加工材に圧接し、
これにより加工材の走行を安定して施すものである。と
ころが、加工材と非接触状態のときには、その突端縁
は、弾接力を発生させるために加工材の加工面位置より
も少し伸出位置にあり、かつ非回転状態となっている。

【０００４】このため、加工材の前端が、その走行に伴
って踏圧ロールの突端縁に当接すると、該踏圧ロールは
非回転状態であるから、その慣性力により、加工材の走
行に対して負荷を生じ、走行速度が一時的に低下する。
そして研削ヘッドにより研削されている最中の加工面部
分が、その低速走行により、過剰研磨がなされ、研削む
らを生ずることとなる。また踏圧ロールの突端縁に対す
る当接衝撃が大きいときには、加工材の欠損を生ずる場
合もある。

【０００５】本考案は、係る従来の欠点を除去すること
を目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案は、踏圧ロールの
ロール周面に伝導ロールを弾接し、かつベルトまたはチ
エーン等の巻き掛媒介節により送材駆動ロールに伝導ロ
ールを連継することにより、送材駆動ロールの駆動力を
踏圧ロールに作用させて、該踏圧ロールを送材方向に沿
って駆動回転させてなる摩擦駆動機構を備えたことを特
徴とするものである。

【０００７】

【作用】踏圧ロールは、伝導ロールを介して送材駆動ロ
ールの回動力が伝導されるため、常態で回転駆動してい
る。

【０００８】そして、加工材を送給して、その前端が踏
圧ロールに当接すると、該ロールは弾機に抗して微退避
する。このとき、踏圧ロールの回動力は、伝導ロールが
いずれかのロールに弾接し、かつ他方のロールに巻掛け
媒介節を介して伝送する構成によって送材駆動ロール側
から付与する様にしているから、伝導ロールが所要ロー
ルに弾接している限りは、その回動伝達に支障は無い。
このため踏圧ロールは回転した状態で、加工材に接触す
ることとなる。そして、加工材の前端は、踏圧ロールに
当接すると同時に、該踏圧ロールからも走行力を受ける
から、停滞することなく、等速で緩滑に走行することと
なる。

【０００９】

【実施例】図１に従ってベルトサンダー機の一例を説明
する。

【００１０】１は機枠であって、その下台部２の上には
送材装置３が配設される。前記送材装置３について説明
する。

【００１１】送材通路４に沿って差し渡された送材フレ
ーム５には複数の送材駆動ロール６が配設され、かつ送
材フレーム５の端部には送材モータ７が設けられる。前
記各送材駆動ロール６は、該ロール６の回動軸の延長端
に固着されたスプロケットの相互にチエーンを掛け渡し
て夫々連動する様にし、その最端部の送材駆動ロール６
を送材モータ７の駆動軸と連継させることにより、各送
材駆動ロール６を同時に一定速度で回動する様にしてい
る。また前記各チエーンは、シリンダー等により緊張方
向に付勢されるテンション車を噛み合わせることによ
り、その緊張が保たれる。

【００１２】前記送材通路４上には図中三台の研削ヘッ
ド１０ａ，１０ｂ，１０ｃが備えられ、加工材ｗに対し
て荒研削、仕上研削、超仕上研削を順次施し得る様にし
ている。

【００１３】ここで前記研削ヘッド１０ａ，１０ｂは、
夫々上部に、舵取兼用の駆動ロール１１が設けられ、そ
の直下に、研削ロール１２が設けられて、該ロールにサ
ンディングベルト１３を掛け渡し、研削ロール１２によ
り加工材ｗのロール研削を施すようにしてなるものであ
る。

【００１４】また研削ヘッド１０ｃは上部に舵取兼用の
駆動ロール１４を、下部左右に走行ロール１５，１６
を、三角配置状にして夫々設け、前記走行ロール１５，
１６間に踏圧パッド１７を配設し、該踏圧パッド１７に
よりサンディングベルト１８を加工材ｗ上面に圧接する
ようにしている。

【００１５】前記研削ヘッド１０ａ，１０ｂ，１０ｃの
前後には、夫々踏圧ロール２０が設けられる。該踏圧ロ
ール２０は、発条等の弾機１９により送材通路４側に付
勢されている。また、踏圧ロール２０は摩擦駆動機構に
より送材通路４の送材駆動ロール６と連動して回転す
る。

【００１６】前記摩擦駆動機構の構成の一実施例を図２
及び図３に従って説明する。

【００１７】送材駆動ロール６の回動軸４０には、リン
ク４１の一端が遊転可能に外嵌し、その他端には伝導ロ
ール４２が遊転可能に枢支される。また回動軸４０には
スプロケット４３が固定され、伝導ロール４２の端面に
はスプロケット４４が同心状に固定され、スプロケット
４３，４４にチェーン４５が掛け渡されている。そし
て、前記リンク４１は付勢ばね４６により図３の反時計
方向に付勢され、この付勢力により伝導ロール４２は踏
圧ロール２０の外周面に弾接することとなる。

【００１８】而して、送材駆動ロール６の回動力はスプ
ロケット４３，４４，チェーン４５を経て伝導ロール４
２に伝達し、該伝導ロール４２と踏圧ロール２０との付
勢ばね４６による接触によって該踏圧ロール２０は送材
駆動ロール６と共に回動することとなる。

【００１９】この構成にあって、送材通路４に供給され
た加工材ｗは、送材駆動ロール６によって下面を支持さ
れながら走行力を付与され、その走行に伴って、各研削
ヘッド１０ａ，１０ｂ，１０ｃ前後の踏圧ロール２０位
置に来ると、弾機１９により、微下降位置にある踏圧ロ
ール２０の下縁部に当接する。この当接に伴って、踏圧
ロール２０が押し込まれて微上昇するが、リンク４１
は、付勢ばね４６の作用により回動軸４１を中心に微傾
動して、伝導ロール４２と踏圧ロール２０の接触を保
つ。このため、踏圧ロール２０の微移動とは関係なく、
送材駆動ロール６の回動力は踏圧ロール２０に伝達維持
される。そして加工材ｗの前端は、踏圧ロール２０に接
触することにより該踏圧ロール２０からも走行力を付与
され、前記当接によっても、その走行速度を低減される
ことなく送材駆動ロール６の回動によって規定される送
材速度を保持する。

【００２０】このため、例えば送材通路４での送材途中
で、研削ヘッド１０ｂ，１０ｃ間の踏圧ロール２０に当
接した場合に、従来構成にあっては、その走行速度の低
下により研削ヘッド１０ａ，１０ｂの下部位置にある加
工面が、その速度停滞により過剰研削を受けることとな
るが、上記構成にあっては、そのような弊害はない。

【００２１】そして加工材ｗの前端が踏圧ロール２０位
置に来ると、踏圧ロール２０は上方へ少し押し出されな
がら加工材ｗに接触し、その回転を加工材ｗに伝え、円
滑な走行を補完することとなる。

【００２２】上述の各実施例にあって、摩擦駆動機構の
巻掛け媒介節は、ベルト，チェーン，ロープ等から適宜
に選択し得る。

【００２３】また、研削ヘッドの数は問わず、一以上適
宜の数のものに上述の摩擦駆動機構を適用することがで
きる。さらにまた研削ヘッドと、送材装置の上下位置関
係も問わない。

【００２４】

【考案の効果】本考案は、踏圧ロール２０に摩擦駆動機
構を介して送材駆動ロール６の駆動力を伝達して、常態
で回動する様にしたから、加工材ｗの前端が踏圧ロール
２０に当接しても、これが加工材ｗを制動する要因には
ならず、該踏圧ロール２０の回転力により加工材ｗを定
速度かつ円滑に移送することができ、加工材ｗの速度停
滞による過剰研削や、加工材の破損を防止でき、美麗か
つ良好な研削加工を達成し得る等の優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】ベルトサンダー機の縦断正面図である。

【図２】本考案に係る摩擦駆動機構の一実施例を示す縦
断側面図である。

【図３】本考案に係る摩擦駆動機構の一実施例を示す概
要正面図である。

【符号の説明】

３ 送材装置 ４ 送材通路 ６ 送材駆動ロール １０ａ，１０ｂ，１０ｃ；研削ヘッド １９ 弾機 ２０ 踏圧ロール ４０ 回動軸 ４１ リンク ４２ 伝導ロール ４３ ４４；スプロケット ４５ チェーン ４６ 付勢ばね

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】送材通路に沿って配設した複数の送材駆動
   ロールからなる送材装置と、加工材の研削を施す研削ヘ
   ッドとを、該送材通路を置いて対向状に配設し、かつそ
   の研削ヘッドの前後には、弾機により送材通路側に付勢
   された踏圧ロールを設けてなるワイドベルトサンダーに
   おいて、踏圧ロールのロール周面に伝導ロールを弾接
   し、かつベルトまたはチエーン等の巻き掛媒介節により
   送材駆動ロールに伝導ロールを連継することにより、送
   材駆動ロールの駆動力を踏圧ロールに作用させて、該踏
   圧ロールを送材方向に沿って駆動回転させてなる摩擦駆
   動機構を備えたことを特徴とするベルトサンダー機。