JPH0735378Y2 - 固体電解コンデンサ - Google Patents

固体電解コンデンサ

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JPH0735378Y2
JPH0735378Y2 JP15233789U JP15233789U JPH0735378Y2 JP H0735378 Y2 JPH0735378 Y2 JP H0735378Y2 JP 15233789 U JP15233789 U JP 15233789U JP 15233789 U JP15233789 U JP 15233789U JP H0735378 Y2 JPH0735378 Y2 JP H0735378Y2
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信一 金子
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マルコン電子株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、固体電解コンデンサに関する。
[従来の技術] 一般に、乾式箔形電解コンデンサとしては、例えば高純
度アルミニウム箔からなる一対の陽・陰極箔に、同じく
アルミニウムからなる一対の引出端子を接続し、前記一
対の陽・陰極箔相互間にスペーサを介在して巻回してな
るコンデンサ素子に、駆動用電解液を含浸してケースに
収納し、このケース開口部を密閉するなどの外装を施し
てなるものが存在している。
しかしながら、以上のような乾式箔形電解コンデンサに
おいては、駆動用電解液として、例えばエチレングリコ
ールなどの有機溶媒にアジピン酸アンモニウムなどの有
機カルボン酸を使用しているため、tanδ特性改善に限
度があり、また低温で比抵抗が上がり、低温特性が極度
に悪化し、広域温度範囲で使用するには信頼性に欠ける
など市場要求を満足するためには、解決すべき課題をか
かえていた。
これに対し、近年では、駆動用電解液に代えて、TCNQ錯
体からなる有機半導体を用いたものが種々提案され、一
部実用化を迎えている。
コンデンサ素子にTCNQ錯体を含浸する方法としては、一
般に、溶液含浸法、分散含浸法、さらには真空蒸着法が
あるが、TCNQ錯体の特性はいろいろの条件で変化し極め
て扱い難い物質であるため、使用に当たっては種々の工
夫が講じられている。
特に、固体電解質の条件としては、コンデンサ特性とし
てのtanδ及び等価直列抵抗に影響するそれ自体として
の抵抗値が小さく、且つ温度特性、特に高温下において
安定した比抵抗値があることが重要である。
ところで、工業的に、TCNQ錯体をコンデンサ素子内部へ
満遍なく必要量浸透させるための含浸手段としては、従
来提案されている幾つかの特許公報または技術文献にお
いて記載されているように、加熱溶融液化処理が有効と
されている。この加熱溶融液化処理の具体的手段は、外
装ケースに入れ、加熱溶融させた所望のTCNQ錯体液に、
予め加熱してなるコンデンサ素子を収納し、この素子を
構成する絶縁紙の繊維と電極箔の微細なエッチングピッ
トを介して含浸するものである。
この工程において、コンデンサ素子を収納した際に、こ
の素子全体がTCNQ錯体液に浸漬されれば、コンデンサ素
子への含浸性を良好にできるが、通常は、素子全体をTC
NQ錯体液に浸漬する方法は採用されていない。すなわ
ち、TCNQ錯体は皮膜修復作用が少なく、陽極側ターミナ
ルの未化成部分に付着した場合、短絡不良という致命的
な問題を誘発してしまうため、一般には、TCNQ錯体を必
要最小限の量のみに止め、コンデンサ素子の一方の端面
(ケース内底部に位置する端面)からの毛細管現象を利
用して含浸を行っている。しかしながら、この方法も、
静電容量の低下、tanδが大きいなどの欠点を有する場
合が多いため、近年では、有機半導体を余分に秤量し、
後の工程で漏れ電流値の大きいものを除去するなどの方
法を採用しているが、この場合にも、歩留が低下するな
どの新たな欠点を生ずる上、特性の低下を完全に回避す
ることは不可能である。
また、実開昭62−168635号公報に記載の技術は、目的は
異なるものの、溶融有機半導体が端子へ付着することを
ある程度防止できる。しかしながら、この公報の技術で
は、パッキングが素子の上部端面に密着しているので、
溶融有機半導体が素子の底部端面から含浸される際にお
ける、上部端面からの空気(素子内)の逃げ道がなく、
含浸を妨げる欠点がある。
また、特開昭62−185308号公報に記載の技術において
は、端子部分への有機半導体の付着を防止する方法が説
明されているが、この方法においては、絶縁性部材と端
子との間にわずかな隙間が存在した場合に、逆に毛細管
現象により、溶融有機半導体が上昇してしまい、端子全
面に付着して、短絡、漏れ電流などの不具合を発生する
欠点がある。
さらに、実開昭62−204319号公報においては、コンデン
サ素子の最外周に巻止めテープを取付ける方法が記載さ
れているが、この方法においては、素子上部端面の陽・
陰極端子部分よりも外周の部分において、素子内の空気
が抜け難いため、含浸が不完全になる場合があり、加え
て、封口に使用する樹脂と巻止め用テープの密着強度が
弱いために素子の多くをテープで被覆することは、耐振
性を考えると不都合である。
[考案が解決しようとする課題] 以上のように、従来の固体電解コンデンサは、コンデン
サ素子に対するTCNQ錯体の含浸が不十分で諸特性低下の
原因となったり、TCNQ錯体の量が多いために漏れ電流が
大きくなってしまったり、また、短絡してしまうなどの
欠点を有していた。
本考案は、このような従来技術の課題を解決するために
提案されたものであり、その目的は、TCNQ錯体の含浸性
が高く、諸特性に優れた固体電解コンデンサを提供する
ことである。
[課題を解決するための手段] 本考案による固体電解コンデンサは、弁作用金属からな
る陽極箔と陰極箔とを使用し、各々の電極箔に引出端子
を接続し、間にスペーサを介在して巻回することにより
コンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子に有機半
導体を含浸してなる固体電解コンデンサにおいて、少な
くとも陽極箔に接続した引出端子の、陽極箔との接続部
分及び素子端面より突出する部分を、耐熱性絶縁フィル
ムで被覆したことを特徴としている。
[作用] 以上のような構成を有する本考案においては、陽極引出
端子の、陽極箔との接続部分及び素子端部より突出する
未化成部分を、耐熱性絶縁フィルムで被覆し、保護した
ことにより、溶融TCNQ錯体が、端子の未化成部分及び漏
れ電流が比較的大きいと思われる接続部分に付着するこ
とがなくなる。従って、充分な量のTCNQ錯体を使用して
良好な半導体含浸を容易に行うことが可能となり、特性
劣化要因が解消される。
また、熱に弱いフィルムを使用した場合には、TCNQ錯体
含浸時の加熱によってフィルムが劣化してしまうが、本
考案では、耐熱性絶縁フィルムを使用しているため、こ
のような劣化の恐れがなく、上記のようなフィルム被覆
による作用効果を維持できる。
[実施例] 以下に、本考案による固体電解コンデンサの一実施例に
ついて、図面を参照して具体的に説明する。
まず、第1図は、本考案のコンデンサに使用するコンデ
ンサ素子1の巻回途中を示す展開斜視図である。この第
1図のコンデンサ素子1は、アルミニウム箔表面をエッ
チングして粗面化し、表面積を拡大した後、陽極酸化皮
膜を生成すると共に、任意の箇所に陽極引出端子2を接
続してなる陽極箔3と、同じくアルミニウム箔表面を粗
面化し、表面積を拡大した後、任意の箇所に陰極引出端
子4を接続してなる陰極箔5とを使用し、これらの陽極
箔3と陰極箔5との間にスペーサ6を介在させて巻回し
てなるものである。以上の構成は、従来の固体電解コン
デンサの一般的な素子構成であるが、本実施例において
は、これに加えて、陽極引出端子2及び陰極引出端子4
の両方に関し、その陽極箔3または陰極箔5との接続部
分から端子延長部分(端子溶接部までの部分)までを
被覆するように、耐熱性絶縁フィルム7を貼り付けてい
る。
この場合、耐熱性絶縁フィルム7の貼り付けは、陽極引
出端子2または陰極引出端子4を陽極箔3または陰極箔
5に接続した後に、機械上で行ったり、或いは巻取機で
巻回する前に行うことが可能である。また、耐熱性絶縁
フィルム7の材質としては、例えばポリエステルかポリ
イミド系のフィルムを使用する。
そして、以上のように形成してなるコンデンサ素子1に
TCNQ錯体の有機半導体を含浸し、しかる後、公知の手段
により封口または外装を施して、固体電解コンデンサを
完成した。
以上のように完成してなる本実施例の固体電解コンデン
サにおいては、陽極引出端子2及び陰極引出端子4のそ
れぞれについて、その陽極箔3または陰極箔5との接続
部分から端子延長部分(外部端子溶接部までの部分)ま
でを被覆するように、耐熱性絶縁性フィルム7を貼り付
けているため、この被覆部分については、TCNQ錯体有機
半導体から遮断され、TCNQ錯体が付着することがない。
従って、引出端子の接続部のバリや端子未化成部分な
ど、漏れ電流が増大する部分が皆無となる。
また、このように、各引出端子2,4と電極箔3,5との接続
部分及び端子延長部分(外部端子溶接部までの部分)を
耐熱性絶縁フィルム7で被覆しているため、TCNQ錯体有
機半導体の溶融含浸時に、例えば、有機半導体の秤量、
溶融容器、外囲器を兼ねるアルミケース内壁とコンデン
サ素子1の隙間から、余分の有機半導体が飛散、付着す
ることを防止でき、漏れ電流の増大を防止できる。
続いて、第1図に示すコンデンサ素子を使用してなる定
格25WV−33μFの固体電解コンデンサ(本考案品)と、
これと同定格で、耐熱性絶縁フィルムを被覆しない従来
のコンデンサ素子を使用してなる固体電解コンデンサ
(従来品)とを製造し、各20個の試料について、漏れ電
流分布を比較した結果、第2図に示すような結果が得ら
れた。
この第2図から、従来品の漏れ電流が、1μAから10μ
Aを上回るまでの広い範囲に分布しているのに対し、本
考案品の漏れ電流が、1μA付近という低い値の狭き範
囲に集中しており、本考案品の漏れ電流特性が従来品に
比べて格段に優れていることは明らかである。
また、第1表は、さらに多数の試料について、本考案品
と従来品との短絡不良発生個数と漏れ電流不良発生個数
を調べた結果を示している。この第1表中、上段は試料
総数に対する不良品発生個数に示し、下段はその割合を
示している。なお、漏れ電流に関しては、漏れ電流が3
μA以上となった場合にこれを漏れ電流不良発生と見な
し、その数を算出した。
この第1表からも本考案品が従来品に比べて格段に優れ
た特性を有することは明らかであり、耐熱性絶縁フィル
ムを設けることが、特性向上に極めて有効であることが
裏付けられている。
なお、本考案は、前記実施例に限定されるものではな
く、例えば、陽極箔及び陰極箔は、アルミニウム箔に限
定されるものではなく、他の弁作用金属、例えば、タン
タク、チタン、ニオブなどを使用することが可能であ
る。また、耐熱性絶縁フィルムによる各引出端子の被覆
は、引出端子を電極箔に接続する前に行うことも可能で
ある。さらに、前記実施例においては、陽極引出端子と
陰極引出端子の両方に、耐熱性絶縁フィルムを被覆した
が、陽極引出端子のみに被覆する構成も可能である。
[考案の効果] 以上説明したように、本考案においては、引出端子の接
続部及び未化成部分を耐熱性絶縁フィルムで被覆すると
いう簡単な構成の改良により、従来に比べて含浸性を向
上でき、諸特性劣化要因を除去できるため、短絡不良や
漏れ電流の増大の恐れがなく、高信頼性を有し、実用的
価値の高い、優れた固体電解コンデンサを提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係る固体電解コンデンサの一実施例に
使用するコンデンサ素子の巻回途中を示す展開斜視図、
第2図は本考案品と従来品との漏れ電流分布を比較して
示すグラフである。 1…コンデンサ素子、2…陽極引出端子、3…陽極箔、
4…陰極引出端子、5…陰極箔、6…スペーサ、7…耐
熱性絶縁フィルム。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】弁作用金属からなる陽極箔と陰極箔とを使
    用し、各々の電極箔に引出端子を接続し、間にスペーサ
    を介在して巻回することによりコンデンサ素子を形成
    し、このコンデンサ素子に有機半導体を含浸してなる固
    体電解コンデンサにおいて、 少なくとも前記陽極箔に接続した引出端子の、陽極箔と
    の接続部分及び素子端面より突出する部分を、耐熱性絶
    縁フィルムで被覆したことを特徴とする固体電解コンデ
    ンサ。
JP15233789U 1989-12-27 1989-12-27 固体電解コンデンサ Expired - Lifetime JPH0735378Y2 (ja)

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JP5887472B2 (ja) * 2011-02-17 2016-03-16 パナソニックIpマネジメント株式会社 電子部品の製造方法

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