JP2001284175A - 固体電解コンデンサとその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサとその製造方法

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JP2001284175A
JP2001284175A JP2000096517A JP2000096517A JP2001284175A JP 2001284175 A JP2001284175 A JP 2001284175A JP 2000096517 A JP2000096517 A JP 2000096517A JP 2000096517 A JP2000096517 A JP 2000096517A JP 2001284175 A JP2001284175 A JP 2001284175A
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Norihito Fukui
典仁 福井
Hidehiko Ito
英彦 伊東
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 端子間におけるショートの発生を防止するこ
とができる固体電解コンデンサの製造方法を提供する。 【解決手段】 所定のコーティング剤及びコーティング
方法により、予め電極タブの丸棒部及び溶接部の内、少
なくとも陽極タブの丸棒部をコートし、この電極タブを
両電極箔に接続し、セパレータと共に巻回してコンデン
サ素子を形成する。続いて、このコンデンサ素子にED
T又はEDT溶液を含浸し、さらに30〜60%のパラ
トルエンスルホン酸第二鉄のブタノール溶液を含浸し
て、20〜180℃、30分以上加熱することにより、
コンデンサ素子内で導電性ポリマーを重合する。その
後、このコンデンサ素子を封口体と共に外装ケースに収
納して固体電解コンデンサを作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体電解コンデン
サとその製造方法に係り、特に、固体電解質を重合した
際に、電極引き出し手段の丸棒部間に固体電解質が形成
されることに起因する端子間におけるショートの発生を
防止すべく改良を施した固体電解コンデンサとその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】タンタルあるいはアルミニウム等のよう
な弁作用を有する金属を利用した電解コンデンサは、陽
極側対向電極としての弁作用金属を焼結体あるいはエッ
チング箔等の形状にして誘電体を拡面化することによ
り、小型で大きな容量を得ることができることから、広
く一般に用いられている。特に、電解質に固体電解質を
用いた固体電解コンデンサは、小型、大容量、低等価直
列抵抗であることに加えて、チップ化しやすく、表面実
装に適している等の特質を備えていることから、電子機
器の小型化、高機能化、低コスト化に欠かせないものと
なっている。
【0003】この種の固体電解コンデンサにおいて、小
型、大容量用途としては、一般に、アルミニウム等の弁
作用金属からなる陽極箔と陰極箔をセパレータを介在さ
せて巻回してコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ
素子に駆動用電解液を含浸し、アルミニウム等の金属製
ケースや合成樹脂製のケースにコンデンサ素子を収納
し、密閉した構造を有している。なお、陽極材料として
は、アルミニウムを初めとしてタンタル、ニオブ、チタ
ン等が使用され、陰極材料には、陽極材料と同種の金属
が用いられる。
【0004】また、固体電解コンデンサに用いられる固
体電解質としては、二酸化マンガンや7、7、8、8−
テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体が知られて
いるが、近年、反応速度が緩やかで、かつ陽極電極の酸
化皮膜層との密着性に優れたポリエチレンジオキシチオ
フェン(以下、PEDTと記す)に着目した技術(特開
平2−15611号公報)が存在している。
【0005】このような巻回型のコンデンサ素子にPE
DTからなる固体電解質層を形成するタイプの固体電解
コンデンサは、例えば、以下のようにして作製される。
まず、アルミニウム等の弁作用金属からなる陽極箔の表
面を塩化物水溶液中での電気化学的なエッチング処理に
より粗面化して、多数のエッチングピットを形成した
後、ホウ酸アンモニウム等の水溶液中で電圧を印加して
誘電体となる酸化皮膜層を形成する(化成)。陰極箔も
陽極箔と同様にアルミニウム等の弁作用金属からなる
が、その表面にはエッチング処理を施すのみである。
【0006】また、図2及び図3に示すように、陽極箔
1及び陰極箔2には、それぞれの電極を外部に接続する
ための外部引き出し手段4、5が接続され、両電極箔を
セパレータ3と共に巻回してコンデンサ素子10が形成
されている。この外部引き出し手段4、5は、電極箔と
接続される平板部11、封口手段貫通用の丸棒部12及
び外部接続部(リード線)13とから構成され、平板部
11及び丸棒部12はアルミニウムから構成されてい
る。また、丸棒部12とリード線13とは溶接により接
続されている。以下、この溶接部分を溶接部14とい
う。なお、前記平板部11及び丸棒部12(電極タブ1
7)の表面は化成処理され、酸化皮膜層が形成されてい
るため、絶縁状態となっている。
【0007】続いて、修復化成を施したコンデンサ素子
10を3,4−エチレンジオキシチオフェン(以下、E
DTと記す)と酸化剤の混合溶液(重合液)に浸漬する
ことにより、この重合液をコンデンサ素子10に含浸す
る。あるいはまた、コンデンサ素子10をEDTと酸化
剤溶液に交互に浸漬して含浸する。いずれの場合でも、
コンデンサ素子10にEDTと酸化剤を含浸した後、重
合反応させ、PEDTからなる固体電解質層を生成す
る。その後、図4に示したように、コンデンサ素子10
を封口体16と共に外装ケース15に収納し、固体電解
コンデンサを完成する。
【0008】なお、上記の製造方法においては、コンデ
ンサ素子にEDTと酸化剤を含浸する方法として浸漬法
を用いたが、EDTと酸化剤を常温で、シリンジ等によ
り定量注入する方法(注入法)を用いることもできる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような方法によって作製されたPEDTを用いた固体電
解コンデンサにおいて、コンデンサ素子内に固体電解質
層を形成した場合に、電極タブ部分にも固体電解質が形
成されることがある。このような状況下で、電極タブに
傷がついていたりすると、この部分に形成された固体電
解質を介して漏れ電流が流れてしまうという問題が生じ
る。
【0010】このような問題は、特に電解質に固体電解
質を用いた場合に顕著であり、電解液を用いた場合に
は、酸化皮膜層が修復されて再び絶縁層となるため漏れ
電流は少なくなるが、固体電解質を用いた場合には、酸
化皮膜の修復力が小さいため、漏れ電流が増大する。ま
た、丸棒部12とリード線13の溶接部14には化成皮
膜層(絶縁層)を形成することができないため、固体電
解質が溶接部14にまで付着した場合には、ショートが
発生する場合がある。
【0011】本発明は、上述したような従来技術の問題
点を解決するために提案されたものであり、その目的
は、固体電解質を重合した際に、丸棒部間に固体電解質
が形成されることによる端子間におけるショートの発生
を防止することができる固体電解コンデンサとその製造
方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく、固体電解質を重合した際に、丸棒部間に
固体電解質が形成されることを防止できる固体電解コン
デンサとその製造方法について鋭意検討を重ねた結果、
本発明を完成するに至ったものである。すなわち、巻回
したコンデンサ素子から導出した電極タブの少なくとも
陽極タブの丸棒部を、予め、所定のセラミックス又は絶
縁性の合成樹脂等の絶縁体でコートし、その後にコンデ
ンサ素子内でPEDTを重合することによって、良好な
結果が得られることを見出したものである。
【0013】[1.電解コンデンサの製造方法]次に、
本発明の固体電解コンデンサの製造方法について説明す
る。すなわち、本発明に係る固体電解コンデンサは、後
述するようなコーティング剤及びコーティング方法によ
り、予め電極タブの丸棒部及び溶接部の内、少なくとも
陽極タブの丸棒部をコートし、この電極タブを両電極箔
に接続し、セパレータと共に巻回してコンデンサ素子を
形成する。続いて、このコンデンサ素子にEDT又はE
DT溶液を含浸し、さらに30〜60%のパラトルエン
スルホン酸第二鉄のブタノール溶液を含浸して、20〜
180℃、30分以上加熱することにより、コンデンサ
素子内で導電性ポリマーを化学重合する。その後、封口
体と共に外装ケースに収納して固体電解コンデンサを作
製する。なお、EDT及び酸化剤をコンデンサ素子に含
浸する方法としては、常温で、シリンジ等により定量注
入する注入法、あるいは浸漬法を用いることができる。
【0014】[2.セラミックス]アルミニウムからな
る電極タブ上にコーティングするセラミックスとして
は、Al23、SiO2、TiO2、MgO、SiZrO
4、H2BO3、ZrO2、Cr 23等の金属アルコキシド
系セラミックスを用いることができる。
【0015】また、コンデンサの製造工程に先立ち、予
めセラミックスコーティングする方法は、以下の通りで
ある。すなわち、図1に示したようなリード線13を接
続した電極タブ17を、Al23もしくはSiO2から
なる金属アルコキシド系セラミックスの溶液中に2〜5
秒間浸漬した後、100〜250℃で1秒〜120分間
熱処理し、次いで、再度前記溶液中に2〜5秒間浸漬し
た後、再び100〜250℃で1秒〜120分間熱処理
することにより、電極タブ上にコーティング層を形成す
る。
【0016】そして、その後、平板部11部分をメタノ
ール溶液中に浸漬してその部分のコーティング剤を除去
し、丸棒部12及び溶接部14の内、少なくとも陽極タ
ブの丸棒部12にセラミックスコーティング層20を残
す。なお、前記コーティング剤の除去は、超音波によっ
て行っても良い。
【0017】[3.絶縁性の合成樹脂]アルミニウムか
らなる電極タブ上にコーティングする絶縁性の合成樹脂
材料としては、例えば、エポキシ、フェノール、フラ
ン、メラミン、キシレン、グアナミン樹脂等の熱硬化性
樹脂、フッ素、ブタジエン、ポリアミド、ポリアミドイ
ミド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリエーテルイミ
ド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、
ポリビニルホルマール、ポリフェニレンサルファイド、
液晶ポリマー、ケトン、クマロン、MBS樹脂等の熱可
塑性樹脂等が挙げられる。また、上記の絶縁性の合成樹
脂材料には、10重量%以下の割合で、例えば、シラン
系、チタネート系等のカップリング剤を配合して使用す
ることもできる。
【0018】また、コンデンサの製造工程に先立ち、予
め樹脂コーティングする方法は、以下の通りである。す
なわち、図1に示したようなリード線13を接続した電
極タブ17に、カップリング剤を塗布乾燥してカップリ
ング剤層を形成させた後、あるいはカップリング剤を適
用せずにそのまま、加熱もしくは適当な溶剤の使用によ
り調製された絶縁性合成樹脂の液状溶融物を、浸漬処
理、ロールコーティング、エキストルージョンコーティ
ング等の適当な塗布手段を用いてコーティングすること
により、電極タブ上に絶縁性合成樹脂層を形成する。
【0019】そして、その後、平板部11部分を適当な
溶剤中に浸漬して、あるいは超音波処理して絶縁性合成
樹脂材を除去し、丸棒部12及び溶接部14の内、少な
くとも陽極タブの丸棒部12に絶縁性合成樹脂層を残
す。なお、このコーティング操作は、当初から丸棒部1
2及び溶接部14の両方、あるいは丸棒部12にのみ絶
縁性合成樹脂層を形成するように塗布することもでき
る。
【0020】[4.セラミックス+反応性のシリコーン
樹脂]アルミニウムからなる電極タブ上にコーティング
する金属アルコキシド系セラミックスとしては、Al2
3、SiO2、TiO2、MgO、SiZrO4、H2
3、ZrO2、Cr23等を用いることができる。ま
た、この金属アルコキシド系セラミックス及び反応性の
シリコーン樹脂を混合して加熱硬化させた有機−無機複
合体は、−O−Si−O−Si−の結合と−O−Si−
C−結合からできた物質で、末端基が多数残っているた
め反応活性である反応性シリコーン樹脂により、無機部
分が有機ポリマーまたはオリゴマーで結合されて網目構
造となったものである。この有機−無機複合体の一例と
しては、ケイ酸ジルコニア−シリコーン樹脂などがあ
る。
【0021】また、コンデンサの製造工程に先立ち、予
め金属アルコキシド系セラミックス及び反応性のシリコ
ーン樹脂を混合して加熱硬化させた有機−無機複合体か
らなるセラミックスをコーティングする方法は、以下の
通りである。すなわち、図1に示したようなリード線1
3を接続した電極タブ17を、金属アルコキシド系セラ
ミックス及び反応性のシリコーン樹脂を混合したコーテ
ィング剤中に2〜5秒間浸漬した後、100〜250℃
で1秒〜120分間熱処理し、次いで、再度前記溶液中
に2〜5秒間浸漬した後、再び100〜250℃で1秒
〜120分間熱処理することにより、前記電極タブ上に
コーティング層を形成する。
【0022】そして、その後、平板部11部分をメタノ
ール溶液中に浸漬してその部分のコーティング剤を除去
し、丸棒部12及び溶接部14の内、少なくとも陽極タ
ブの丸棒部12に金属アルコキシド系セラミックス及び
反応性のシリコーン樹脂からなるコーティング層を残
す。なお、前記コーティング剤の除去は、超音波によっ
て行っても良い。
【0023】[5.EDT、酸化剤]また、コンデンサ
素子に含浸するEDTとしては、EDTモノマーを用い
ることができるが、EDTと揮発性溶媒とを1:1〜
1:3の体積比で混合したモノマー溶液を用いることも
できる。前記揮発性溶媒としては、ペンタン等の炭化水
素類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ギ酸エチル
等のエステル類、アセトン等のケトン類、メタノール等
のアルコール類、アセトニトリル等の窒素化合物等を用
いることができるが、なかでも、メタノール、エタノー
ル、アセトン等が好ましい。
【0024】また、酸化剤としては、ブタノールに溶解
したパラトルエンスルホン酸第二鉄を用いる。この場
合、ブタノールとパラトルエンスルホン酸第二鉄の比率
は任意で良いが、本発明においては30〜60%溶液を
用いている。なお、EDTと酸化剤の配合比は1:1〜
1:6の範囲が好適である。
【0025】[6.作用・効果]上記のような本発明の
製造方法によれば、コンデンサ素子をモノマー溶液と酸
化剤溶液に浸漬した際に、電極タブの丸棒部及び溶接部
にも溶液が付着して、この部分にも導電性ポリマーが形
成された場合でも、電極タブの少なくとも陽極タブの丸
棒部は、予めセラミックスあるいは絶縁性の合成樹脂の
少なくともいずれか一方からなる絶縁体でコートされて
いるために、陽極タブと、陰極箔の裁断されて酸化皮膜
が形成されていない部分等の陰極箔の導通部分とのPE
DTによる導通が防止されて、端子間でのショートの発
生を防止することができる。なお、セラミックスあるい
は絶縁性の合成樹脂の少なくとも一方からなる絶縁体に
よるコートの厚さが充分であれば、従来の技術のような
酸化皮膜層による絶縁層は必要がない。
【0026】
【実施例】以下に実施例をあげて、本発明をさらに具体
的に説明する。 (実施例1)電極タブを、Al23からなる金属アルコ
キシド系セラミックスの溶液中に3秒間浸漬した後、1
40℃で30分間熱処理し、次いで、再度同じ溶液中に
3秒間浸漬した後、再び140℃で30分間熱処理する
ことにより、電極タブ上にコーティング層を形成した。
その後、電極タブの平板部部分をメタノール溶液中に浸
漬してその部分のコーティング剤を除去することによ
り、丸棒部のみをコートした。このようにして丸棒部の
みをコートした電極タブを陽極箔及び陰極箔に接続し、
この陽極箔と陰極箔とをビニロン繊維からなるセパレー
タと共に巻回してコンデンサ素子を形成した。このコン
デンサ素子にEDTモノマー溶液を含浸し、さらに、酸
化剤溶液として45%のパラトルエンスルホン酸第二鉄
のブタノール溶液を含浸して、150℃、1時間加熱し
た。その後、封口体と共に外装ケースに収納し、固体電
解コンデンサを得た。なお、この固体電解コンデンサの
形状は、φ6.3×5L、定格電圧は6.3V、定格容
量は33μFである。
【0027】(実施例2)電極タブの丸棒部と溶接部
を、実施例1と同様のセラミックスで予めコートした。
その他の構成は実施例1と同様である。
【0028】(実施例3)電極タブを、エポキシ樹脂9
7重量部に、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)
エチルメトキシシラン3重量部を混合した樹脂に3秒間
浸漬することにより、電極タブ上にコーティング層を形
成した。その後、電極タブの平板部を超音波処理してそ
の部分の絶縁性合成樹脂材を除去することにより、丸棒
部のみをコートした。このようにして丸棒部のみをコー
トした電極タブを用いて、実施例1と同様にして固体電
解コンデンサを得た。
【0029】(実施例4)電極タブの丸棒部と溶接部
を、実施例3と同様の樹脂で予めコートした。その他の
構成は実施例3と同様である。
【0030】(実施例5)電極タブを、金属アルコキシ
ド系セラミックス及び反応性のシリコーン樹脂を混合し
たコーティング剤中に3秒間浸漬した後、140℃で3
0分間熱処理し、次いで再度同じ溶液中に3秒間浸漬し
た後、再び140℃で30分間熱処理することにより、
前記電極タブ上にコーティング層を形成した。その後、
電極タブの平板部を超音波処理してその部分のコーティ
ング剤を除去することにより、丸棒部のみをコートし
た。このようにして丸棒部のみをコートした電極タブを
用いて、実施例1と同様にして固体電解コンデンサを得
た。
【0031】(実施例6)電極タブの丸棒部と溶接部
を、実施例5と同様の金属アルコキシド系セラミックス
及び反応性のシリコーン樹脂を混合してなるコーティン
グ剤で予めコートした。その他の構成は実施例5と同様
である。
【0032】(比較例)電極タブの丸棒部及び溶接部共
にコートしない。その他の構成は実施例1と同様であ
る。
【0033】[試験方法]上記の実施例1〜6と比較例
に定格電圧を印加して、漏れ電流を測定したところ、表
1に示すような結果が得られた。その際、漏れ電流値が
100μAを超えるものを漏れ電流“大”として、不良
とした。
【表1】
【0034】表1から明らかなように、電極タブを全く
コートしない場合(比較例)には、漏れ電流が1000
μAを超えるものが多く(9/10個)、ショート状態
であった。これに対して、丸棒部のみをコートした場合
(実施例1、実施例3、実施例5)には、10個中1〜
2個が漏れ電流“大”となった。また、この漏れ電流
“大”のものについてより詳細に観察したところ、丸棒
部だけでなく溶接部まで固体電解質が形成されていた。
さらに、漏れ電流が小さかったものについて観察したと
ころ、丸棒部までは固体電解質が形成されていたが、シ
ョートは発生しなかった。さらに、丸棒部と溶接部をコ
ートした場合(実施例2,実施例4,実施例6)には、
漏れ電流“大”となったものは皆無であった。
【0035】このように、所定のコーティング剤によっ
て少なくとも陽極タブの丸棒部を予めコートした場合に
は、漏れ電流を低減することができ、ショートの発生を
防止することができることが判明した。また、丸棒部と
溶接部の両方をコートした場合には、漏れ電流をほぼ完
全に防止することができることが判明した。
【0036】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、固
体電解質を重合した際に、丸棒部間に固体電解質が形成
されることによる端子間におけるショートの発生を防止
することができる固体電解コンデンサとその製造方法を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法によってコーティングを施し
た電極タブの一例を示す斜視図
【図2】コンデンサ素子の巻回状態を示す斜視図
【図3】コンデンサ素子の一例を示す分解斜視図
【図4】従来の製造方法によって得られた固体電解コン
デンサの一例を示す断面図
【符号の説明】
1…陽極箔 2…陰極箔 3…セパレータ 4,5…電極引き出し手段 10…コンデンサ素子 11…平板部 12…丸棒部 13…リード線 14…溶接部 15…金属ケース 16…封口体 17…電極タブ 20…コーティング層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極箔と接続される平板部と、封口手段
    貫通用の丸棒部と、溶接部を介して前記丸棒部と接続さ
    れた外部接続部とを備えた電極引き出し手段が接続され
    た両電極箔を、セパレータを介して巻回してコンデンサ
    素子を形成し、前記両電極箔間にポリエチレンジオキシ
    チオフェンからなる固体電解質層を形成してなる固体電
    解コンデンサにおいて、 前記丸棒部と溶接部の内、少なくとも陽極側の電極引き
    出し手段の丸棒部を、予め絶縁体によりコートし、その
    後にポリエチレンジオキシチオフェンを重合したことを
    特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 前記絶縁体が、金属アルコキシド系セラ
    ミックスであることを特徴とする請求項1に記載の固体
    電解コンデンサ。
  3. 【請求項3】 前記絶縁体が、絶縁性の合成樹脂である
    ことを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデン
    サ。
  4. 【請求項4】 前記絶縁体が、金属アルコキシド系セラ
    ミックスと反応性のシリコーン樹脂を混合して加熱硬化
    させた有機−無機複合体からなるセラミックスであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  5. 【請求項5】 封口手段貫通用の丸棒部と、溶接部を介
    して前記丸棒部と接続された外部接続部とを備えた電極
    引き出し手段の少なくとも陽極側の電極引き出し手段の
    丸棒部を、所定の絶縁体により予めコートし、この電極
    引き出し手段を両電極箔に接続し、セパレータと共に巻
    回してコンデンサ素子を形成し、その後にこのコンデン
    サ素子にモノマー溶液と酸化剤溶液を含浸して固体電解
    質を形成することを特徴とする固体電解コンデンサの製
    造方法。
  6. 【請求項6】 前記絶縁体が、金属アルコキシド系セラ
    ミックスであることを特徴とする請求項5に記載の固体
    電解コンデンサの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記絶縁体が、絶縁性の合成樹脂である
    ことを特徴とする請求項5に記載の固体電解コンデンサ
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記絶縁体が、金属アルコキシド系セラ
    ミックスと反応性のシリコーン樹脂を混合して加熱硬化
    させた有機−無機複合体からなるセラミックスであるこ
    とを特徴とする請求項5に記載の固体電解コンデンサの
    製造方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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