JPH073534A - 低収縮熱接着繊維 - Google Patents

低収縮熱接着繊維

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JPH073534A
JPH073534A JP5140676A JP14067693A JPH073534A JP H073534 A JPH073534 A JP H073534A JP 5140676 A JP5140676 A JP 5140676A JP 14067693 A JP14067693 A JP 14067693A JP H073534 A JPH073534 A JP H073534A
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JP
Japan
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fiber
heat
yarn
thermally bondable
core
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JP5140676A
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English (en)
Inventor
Hideo Isoda
英夫 磯田
Mitsuhiro Sakuta
光浩 作田
Yasushi Yamada
靖司 山田
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱接着繊維の収縮による接着点の減少や層間
剥離をしない繊維構造体を容易に製造できる熱接着繊維
を提供することにある。 【構成】 芯部と鞘部の融点差が40℃以上で断面が実
質的に芯鞘構造を有する熱可塑性ポリマ−からなる繊維
であり、130℃での乾熱収縮率が10%以下であるこ
とを特徴とする低収縮熱接着繊維である。 【効果】 本発明の熱接着繊維は芯成分を配向結晶化に
より、低収縮化と同時に高モジュラス化しているため、
加工時の繊維が受けるダメ−ジが少なく、かつ加工性良
く、マトリックス繊維と混繊−開繊して繊維構造体を成
形した場合は、熱接着点が均一に分散し、かつ、熱接着
繊維芯部が熱処理により更に高モジュラス化した3次元
ネットワ−ク構造を形成して、層間剥離しにくく、極め
て優れた耐久性とクッション性を有する繊維構造体を提
供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は繊維構造体の接着に用い
る低収縮な熱接着繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】熱接着は公知である。しかして、接着成
分の融点が低いため高温で延伸、熱セットすると融着を
生じるため、130℃以上での収縮率を下げることが困
難であった。このため、母材繊維と熱接着繊維を混繊後
開繊積層してウエッブとした後、加熱接着する際、熱接
着繊維が収縮して接着繊維が局在化し、接着点が減少
し、接着強力が低下したり、厚みのある繊維構造体にす
るときは層間剥離を生じる問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解決し、熱接着繊維の収縮による接着点の
減少や層間剥離をしない繊維構造体を容易に製造できる
熱接着繊維を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討を行った結果、配向結晶化に
より複合繊維の芯部の収縮率を下げることで目的を達成
できることを知見し、本発明に到達した。即ち、芯部と
鞘部の融点差が40℃以上で断面が実質的に芯鞘構造を
有する熱可塑性ポリマ−からなる繊維であり、130℃
での乾熱収縮率が10%以下であることを特徴とする低
収縮熱接着繊維である。
【0005】本発明の繊維は熱接着繊維とするため鞘成
分を熱接着成分とする熱可塑性ポリマ−で構成される断
面を実質的に芯鞘構造とすることでマトリックス繊維と
の接触点の大部分を熱接着成分を溶融させて接着点とす
ることができる。断面が実質的に芯鞘構造でない場合
は、マトリックス繊維との接触点の大部分を接着点と出
来ないので繊維構造体の強力が低下して好ましくない。
【0006】本発明繊維の芯成分は熱可塑性ポリマ−で
熱接着成分のみを溶融流動させて接着点を形成し、芯成
分は溶融させずマトリックス繊維を繋ぐネットワ−ク構
造をつくる必要から鞘成分の熱可塑性ポリマ−より少な
くとも40℃高い融点とすることで目的を達成できる。
熱接着させるための加熱温度は、通常、熱接着成分の融
点より少なくとも20℃以上高い温度で溶融流動させて
接着点を形成させるため、芯成分の融点と熱接着成分の
融点との差が40℃未満では、熱接着時に芯成分も軟化
変形してマトリックス繊維を繋ぐネットワ−ク構造を形
成できなくなるので好ましくない。本発明の好ましい芯
成分の融点は60℃以上に芯成分の融点を高くすること
で、短時間に高温で熱成形できる。しかし、融点が高過
ぎると、溶融紡糸温度を高くする必要から、熱接着成分
の熱分解を生じ劣化したものとなり、接着点の耐久性が
低下するので、より好ましくは80℃以上150℃以下
である。
【0007】本発明繊維の130℃での乾熱収縮率は1
0%以下である。乾熱収縮率が10%以下では、マトリ
ックス繊維と熱接着繊維を混繊後開繊積層してウエッブ
とした後、加熱接着時にも収縮が少ないので、混繊状態
を保ち3次元的なネットワ−ク構造を形成できる。更に
は、一度成形した繊維構造体を更に積層して接着成形す
る際も繊維構造体の表面に熱接着成分が存在するのでそ
のまま熱接着成形が可能となる。乾熱収縮率が10%を
越えるとマトリックス繊維と熱接着繊維を混繊後開繊積
層してウエッブとした後、加熱接着する際、熱接着繊維
が収縮して接着繊維が局在化し、接着点が減少し、接着
強力が低下したり、厚みのある繊維構造体にするときは
層間剥離を生じる問題を生じて好ましくない。本発明の
好ましい乾熱収縮率は6%以下、より好ましくは4%以
下である。
【0008】本発明繊維の芯成分は熱可塑性ポリマ−で
形成することにより、高速で溶融紡糸することで、芯成
分を配向結晶化させて繊維の収縮率を低下させる。この
点で結晶性の良いポリマ−の使用が好ましい。熱接着繊
維を熱収縮により低収縮化するには、熱接着成分が軟化
して接着しない温度で処理する必要があり、130℃の
様な高い温度で充分に配向度を保持させて収縮率を低下
させるのは困難である。配向度を充分保持しないと力学
特性が低下し、マトリックス繊維と熱接着繊維を混繊後
開繊積層してウエッブとする際、熱接着繊維が伸長され
て収縮率が高くなり、加熱接着時、熱接着繊維が収縮し
て接着繊維が局在化し、接着点が減少し、接着強力が低
下したり、厚みのある繊維構造体にするときは層間剥離
を生じる問題を生じて好ましくない。本発明では、配向
結晶化により配向度を充分保持して力学特性が良いた
め、開繊時も熱接着繊維が伸長しにくいので収縮率が高
くならない。かくして形成された3次元的なネットワ−
ク構造は力学特性が良好なため、繊維構造体の形態保持
性も良好なものとなる。本発明繊維の好ましい力学特性
としては、乾熱110℃でフリ−処理後の初期引張抵抗
度が15g/デニ−ル以上、より好ましくは20g/デ
ニ−ル以上である。
【0009】本発明の熱接着繊維を構成する熱接着成分
は少なくとも230℃以下の融点をもつ、所謂低融点熱
可塑性ポリマ−であり、オレフィン系では、ポリエチレ
ン,ポリプロピレン,及びポリブテン等、及びそれらと
エチレンや酢酸ビニルとの共重合体などがあり、ポリエ
ステル系では、ポリブチレンテレフタレ−トまたはエチ
レンイソフタレ−ト、ブチレンイソフタレ−ト、ヘキサ
メチレンテレフタレ−トなどの構成単位を10〜60モ
ル%含有するポリエチレンテレフタレ−ト共重合体、ポ
リブチレンテレフタレ−ト共重合体、ポリエチレンナフ
タレ−ト共重合体、ポリペンタメチレンテレフタレ−ト
共重合体、ポリヘキサメチレンテレフタレ−ト共重合体
などがある。マトリックス繊維との接着性が良いものな
ら特に限定されないが、マトリックス繊維の多くがポリ
エステル繊維の場合、本発明の好ましい低融点熱可塑性
ポリマ−はポリエステル系である。
【0010】本発明の熱接着繊維を構成する芯成分は少
なくとも160℃以上の融点をもち、高速紡糸で配向結
晶化できる、所謂高結晶性熱可塑性ポリマ−であり、オ
レフィン系、ナイロン系、ポリエステル系などがあり、
鞘成分との複合化が可能なものなら特に限定されない
が、鞘成分がポリエステル系の場合、芯成分も好ましく
はポリエステル系であり、例えば、ポリブチレンテレフ
タレ−ト、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレン
ナフタレ−ト、ポリシクロヘキシレンジメチルテレフタ
レ−トなどの繰返し単位を少なくとも90モル%以上、
より好ましくは100モル%が繰返し単位であるポリエ
ステルである。
【0011】芯成分と鞘成分は公知の複合紡糸により、
芯鞘型に複合化し、次いで、少なくとも4000m/分
以上、好ましくは4500〜600m/分で引取り、配
向結晶化させる。紡糸での配向結晶化は、繊維表面が細
化冷却時に紡糸張力をうけて分子鎖が配向し、ガラス転
移点温度付近までに結晶化が促進されるので、繊維の芯
部はランダム非晶となり、芯部を配向結晶化させるのは
通常困難である。このため、芯部に紡糸張力が掛かり易
いように、芯部の溶融粘度を鞘部の溶融粘度より高くし
て、紡糸張力を芯部がうけて高配向せしめる必要があ
る。そのための条件として、芯成分の分子量を高くし、
紡糸温度を低くする。この時の紡糸温度は通常の芯成分
のみを高速紡糸するより5〜10℃低い紡糸温度とする
ことで配向結晶化し易くできる。例えば、ポリエチレン
テレフタレ−トでは極限粘度0.63のものを285〜
290℃の紡糸温度が常用であるが、本発明繊維を得る
には、極限粘度0.63のものでは紡糸温度を275〜
280℃とすることで、極限粘度0.75のものを紡糸
温度を280〜285℃とすることで、鞘成分の張力配
分率を逓減させ、芯成分を配向結晶化させることができ
る。この方法による複合繊維の芯部を配向結晶化させる
に好ましい溶融粘度差は300ポイズ以上、より好まし
くは500ポイズ以上である。また、熱接着成分の好ま
しいガラス転移点温度は芯成分のガラス転移点温度より
少なくとも10℃低い、より好ましくは20℃以上低い
ものを使う。更には、熱接着成分の活性化エネルギーは
小さいほうが細化冷却時の増粘により芯成分が張力を受
けやすくなり、芯成分が配向結晶化しやすくなるので好
ましい。
【0012】かくして得られた低収縮化した配向結晶化
熱接着繊維は、所望により巻縮を付与し、切断してステ
−プルとする。または、そのまま開繊開拡して不織布状
に成形することもできる。さらには、必要に応じ熱接着
成分の流動軟化点以下で芯部が結晶化する温度で熱処理
するのが好ましい。これは、通常の延伸糸では熱処理に
より収縮し力学特性は低下するが、本発明の繊維を得る
に好ましい紡糸方法で得た繊維は配向結晶化しているの
で、熱処理することでさらに初期引張抵抗度を高くでき
るので力学特性が向上し、加工工程通過性も向上する。
さらには、偏芯芯鞘断面の場合には、熱成形時立体巻縮
が発現し、繊維構造体の3次元ネットワ−ク構造が螺旋
コイルで形成でき、極めて良好な耐へたり、耐久性、ク
ッション性を付与できる。本発明繊維のみから形成した
繊維構造体でもソフトで嵩高さと耐久性を付与できる。
【0013】本発明の熱接着繊維のデニ−ルは特に限定
されないが、マトリックス繊維との混繊し易い範囲、例
えば1〜30デニールが好ましい。本発明の熱接着繊維
ステ−プルの巻縮は特に限定されないが、マトリックス
繊維との混繊−開繊が良い機械巻縮とするのが好まし
い。断面は丸断面、異形断面、中空断面、異形中空断面
などが使えるが、本発明繊維のみから繊維構造体を形成
する場合は中空断面、異形断面や異形中空断面とすると
嵩だかで抗圧縮性を付与できるので好ましい。本発明の
好ましい使用形態としてマトリックス繊維をポリエステ
ルとする場合、熱接着繊維もポリエステルのものを使用
するとリサイクル時に分離せずに再生も可能とできる。
また、マトリックス繊維にポリオレフィンを使用する場
合、熱接着繊維もポリオレフィンを使用すると同様の効
果が期待できる。
【0014】
【実施例】
【0015】実施例1 ジメチルテレフタレ−ト814部とジメチルイソフタレ
−ト542部及びエチレングリコ−ル944部を少量の
触媒と共に仕込み、公知の方法でエステル交換反応後昇
温減圧しつつ重縮合して融点143℃の共重合ポリエス
テルを得た。得られた共重合ポリエステルを鞘成分に、
融点265℃のポリエチレンテレフタレ−トを芯成分に
し、鞘/芯の重量比を50/50となるように常法によ
り複合化させ、紡糸温度を280℃にて、引取速度50
00m/分にて紡糸し未延伸糸を得た。尚、偏芯はさせ
ていない。次いで、引き揃えクリンパ−にて機械捲縮を
付与し、機械捲縮が伸びない張力でカッタ−に供給し5
1mmに切断して4デニ−ルの芯成分が配向結晶化して乾
熱130℃の収縮率が4%、乾熱110℃処理後の初期
引張り抵抗度が22g/デニールの熱接着繊維を作成し
た。得られた機械捲縮を持つ熱接着繊維を30重量%と
常法にて作成したガラス転移点温度69℃の13デニ−
ルの中空で外側に3個の突起を有する断面で立体捲縮を
有するPET短繊維を70重量%とをカ−ドにて良好な
混繊−開繊状態にて得たウエッブを、密度0.03g/
cm3となるように圧縮し、180℃の熱風を強制貫通さ
せて5分間熱処理して熱接着成分が溶融流動し、交叉部
が接着したアメ−バ−状接着点で接合され、接着点が均
一に分散した3次元ネットワ−ク構造を形成し、層間剥
離をしにくい密度0.03g/cm3の平板状の繊維構造
体を得た。得られた繊維構造体の特性は、70℃圧縮残
留歪みは28%、繰返し圧縮残留歪みは8%と耐へたり
性が良く、反発弾性は68%、25%圧縮硬さは26kg
と適度に硬い反発力を示しクッション材として適当な特
性を示した。なお、70℃圧縮残留歪み、常温の繰返し
圧縮残留歪み及び反発弾性はJIS−K−6401の方
法による。
【0016】比較例1 紡糸時の紡糸温度を285℃、引取り速度を1300m
/分とし、70℃温浴にて3.8倍に延伸した以外実施
例1と同様にして得た熱接着繊維は乾熱130℃の収縮
率は48%、初期引張り抵抗度は当初24g/デニール
であったが、乾熱110℃処理後13g/デニールとな
った。得られた熱接着繊維を用い、実施例1と同様にし
て繊維構造体を成形した。しかして、熱接着繊維が熱成
形時に著しい収縮をして接着点が不均一に分散し、か
つ、層間剥離し易い繊維構造体であった。得られた繊維
構造体の特性は、70℃圧縮残留歪みは41%、繰返し
圧縮残留歪みは16%と耐へたり性が悪くクッション材
としては使用しがたい繊維構造体である。なお、反発弾
性は58%、25%圧縮硬さは23kgであった。
【0017】比較例2 切断後90℃にて熱処理した以外、比較例1と同様にし
て得た熱接着繊維は、乾熱130℃での収縮率が12
%、初期引張り抵抗度は当初15g/デニールであった
が、乾熱110℃処理後13g/デニールとなった。得
られた熱接着繊維を用い、実施例1と同様にして繊維構
造体を成形した。しかして、熱接着繊維の初期引張り抵
抗度が低いため開繊時に伸長され、熱成形時に著しい収
縮をして接着点が不均一に分散し、かつ、層間剥離し易
い繊維構造体であった。得られた繊維構造体の特性は、
70℃圧縮残留歪みは40%、繰返し圧縮残留歪みは1
4%と耐へたり性が悪くクッション材としては使用しが
たい繊維構造体であった。
【0018】比較例3 ジメチルテレフタレ−ト1125部とジメチルイソフタ
レ−ト247部及びエチレングリコ−ル944部を少量
の触媒と共に仕込み、公知の方法でエステル交換反応後
昇温減圧しつつ重縮合して融点192℃の共重合ポリエ
ステルを得た。得られた共重合ポリエステルを鞘成分
に、融点224℃のポリブチレンテレフタレ−トを芯成
分にし、鞘/芯の重量比を50/50となるように常法
により複合化させ、紡糸温度を260℃にて、引取速度
5000m/分にて紡糸し、次いで、引き揃え、クリン
パ−にて機械捲縮を付与し、機械捲縮が伸びない張力で
カッタ−に供給し51mmに切断して4デニ−ルの芯成分
が配向結晶化して乾熱130℃の収縮率が8%、乾熱1
10℃処理後の初期引張り抵抗度が16g/デニールの
熱接着繊維を作成した。得られた熱接着繊維を用い、熱
接着温度を225℃の熱風とした以外、実施例1と同様
にして作成した繊維構造体の接着点は溶融流動して形成
され、比較的均一に分散しているが、3次元ネットワ−
ク構造を形成すべき熱接着繊維が一部溶融切断してお
り、繊維構造体の特性は、70℃圧縮残留歪みは38
%、繰返し圧縮残留歪みは16%と耐へたり性が劣り、
反発弾性は58%、25%圧縮硬さは11kgと柔らかい
反発力しか示しさないクッション材としては不適当な繊
維構造体であった。
【0019】比較例4 熱接着成分の比率を30重量%としてサイドバイサイド
型に複合させ、繊維表面に占める熱接着成分の比率を1
5%とした以外、実施例1と同様にして得た4デニール
の熱接着繊維の特性は、乾熱130℃の収縮率が3%、
乾熱110℃処理後の初期引張り抵抗度が26g/デニ
ールであった。得られた熱接着繊維を用い、実施例1と
同様にして繊維構造体を作成した。熱成形時、熱接着繊
維が巻縮を発現し、マトリックス繊維に一部が巻きつい
た3次元ネットワ−ク構造を形成していたが、接触部は
大部分が熱接着されておらず、70℃圧縮残留歪みは4
5%、繰返し圧縮残留歪みは12%と耐へたり性が劣
り、反発弾性は48%、25%圧縮硬さは8kgと柔らか
い反発力しか示しさないクッション材としては不適当な
繊維構造体であった。
【0020】実施例2 繊維の中心から芯部の中心までの距離Lと繊維の半径R
を加えた値(L+R)をRで徐した値{(L+R)/
R}で示す偏芯度を1.2となるように複合化した以外
実施例1と同様にして作成した4デニールの熱接着繊維
は乾熱130℃の収縮率が4%、乾熱110℃処理後の
初期引張り抵抗度が21g/デニールであった。得られ
た熱接着繊維を用い、実施例1と同様にして繊維構造体
を作成した。熱成形時、熱接着繊維が巻縮を発現し、マ
トリックス繊維に巻きついた3次元ネットワ−ク構造を
形成しており、接触部は大部分が熱接着され熱接着点が
均一に分散された形態を持ち、層間剥離もしにくく、7
0℃圧縮残留歪みは30%、繰返し圧縮残留歪みは8%
と耐へたり性が優れ、反発弾性は62%、25%圧縮硬
さは18kgと少し柔らかい反発力を示すクッション材に
適した繊維構造体であった。
【0021】
【発明の効果】本発明の熱接着繊維は芯成分を配向結晶
化により、低収縮化と同時に高モジュラス化しているた
め、加工時の繊維が受けるダメ−ジが少なく、かつ加工
性良く、マトリックス繊維と混繊−開繊して繊維構造体
を成形した場合は、熱接着点が均一に分散し、かつ、熱
接着繊維芯部が熱処理により更に高モジュラス化した3
次元ネットワ−ク構造を形成して、層間剥離しにくく、
極めて優れた耐久性とクッション性を有する繊維構造体
を容易に得ることを可能とした。更には、本発明繊維の
好ましい実施形態として潜在巻縮能を付与した場合、本
発明繊維のみから形成してもソフトで嵩高さと耐久性を
付与した繊維構造体を容易に得ることを可能とした。用
途としては、特に、自動車、電車、船舶等の座席に適し
ている。さらには、ベッド、家具にも適したものにな
る。クッション材用途以外に、捲縮発現が著しく良好な
特性が伸縮性を付与できるので、低目付け、高目付けを
問わず伸縮可能な不織布用途、例えば、衛材基布、肩パ
ットやブラジャ−カップ、合成皮革基布や立毛布帛用基
布、衛材用パッド類、座席用伸縮可能で通気性良好な接
着ワデング層や内装材の接着不織布等等にも広く適用で
きる。さらには、紡績が可能であり、紡績糸や飾り糸等
衣料用途途にも適用できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯部と鞘部の融点差が40℃以上で断面
    が実質的に芯鞘構造を有する熱可塑性ポリマ−からなる
    繊維であり、130℃での乾熱収縮率が10%以下であ
    ることを特徴とする低収縮熱接着繊維。
JP5140676A 1993-06-11 1993-06-11 低収縮熱接着繊維 Pending JPH073534A (ja)

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