JP3144511B2 - 断熱繊維構造体 - Google Patents
断熱繊維構造体Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電車、自動車等の断熱
材に適した繊維構造体に関し、更には、断熱材をセット
する時ドリルでの穴開け性に優れた断熱材に適したリサ
イクルが可能な繊維構造体に関する。
材に適した繊維構造体に関し、更には、断熱材をセット
する時ドリルでの穴開け性に優れた断熱材に適したリサ
イクルが可能な繊維構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、電車、自動車等の断熱材にはガラ
ス繊維が多用されているが、設置する際、ガラス繊維の
粉が飛び散り、作業員の皮膚に刺さり被害を与えてい
る。この問題を解決するため、飛散した粉が刺さらない
繊維構造体を使うことが試されているが、設置する為の
穴開け時、繊維がドリルに巻きつき作業性が著しく悪く
なる問題がある。
ス繊維が多用されているが、設置する際、ガラス繊維の
粉が飛び散り、作業員の皮膚に刺さり被害を与えてい
る。この問題を解決するため、飛散した粉が刺さらない
繊維構造体を使うことが試されているが、設置する為の
穴開け時、繊維がドリルに巻きつき作業性が著しく悪く
なる問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を改良し、ガラス繊維に勝る断熱効果を有する繊維構造
体の特徴を生かすため、設置時の穴開け時ドリルへの繊
維の巻きつきを改善し、設置作業性の良好な断熱繊維構
造体を提供するものである。
を改良し、ガラス繊維に勝る断熱効果を有する繊維構造
体の特徴を生かすため、設置時の穴開け時ドリルへの繊
維の巻きつきを改善し、設置作業性の良好な断熱繊維構
造体を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段、即ち本発明は、ガラス転移点温度が60℃以上
の熱可塑性ポリエステルからなる捲縮短繊維をマトリッ
クス材とし、該捲縮短繊維を構成するポリマ−の融点よ
り40℃以上低い融点を有するポリマーを熱接着成分と
した熱接着繊維とのブレンド成形繊維構造体であり、前
記捲縮短繊維の極限粘度が0.53以下、伸度が30%
以下であり、前記熱接着繊維は繊維構造体中に20重量
%含有されており、繊維構造体の少なくとも片面から厚
さ1mm以上の密度が0.04g/cm3 以上に高密度化さ
れていることを特徴とする断熱繊維構造体である。
の手段、即ち本発明は、ガラス転移点温度が60℃以上
の熱可塑性ポリエステルからなる捲縮短繊維をマトリッ
クス材とし、該捲縮短繊維を構成するポリマ−の融点よ
り40℃以上低い融点を有するポリマーを熱接着成分と
した熱接着繊維とのブレンド成形繊維構造体であり、前
記捲縮短繊維の極限粘度が0.53以下、伸度が30%
以下であり、前記熱接着繊維は繊維構造体中に20重量
%含有されており、繊維構造体の少なくとも片面から厚
さ1mm以上の密度が0.04g/cm3 以上に高密度化さ
れていることを特徴とする断熱繊維構造体である。
【0005】本発明の繊維構造体は、ガラス転移点温度
が60℃以上の熱可塑性ポリエステルからなる捲縮短繊
維をマトリックスとする。ガラス転移点温度が60℃以
下では、車両の外壁が直射日光で温められ60℃以上に
なると、塑性変形して繊維構造を保持しにくくなるので
好ましくない。好ましいガラス転移点温度は68℃以
上、より好ましくは80℃以上である。本発明の好まし
い組成として、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチ
レンナフタレ−ト、ポリシクロヘキシレンジメチルテレ
フタレ−ト及びそれらの共重合体等が例示できる。これ
らの組成は蒸気で加水分解できるため、強度と伸度を容
易に所望の特性に調製できることからも、好ましい。開
繊ウエッブ化するため捲縮が必要である。捲縮形態は嵩
高となる立体捲縮が好ましい。
が60℃以上の熱可塑性ポリエステルからなる捲縮短繊
維をマトリックスとする。ガラス転移点温度が60℃以
下では、車両の外壁が直射日光で温められ60℃以上に
なると、塑性変形して繊維構造を保持しにくくなるので
好ましくない。好ましいガラス転移点温度は68℃以
上、より好ましくは80℃以上である。本発明の好まし
い組成として、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチ
レンナフタレ−ト、ポリシクロヘキシレンジメチルテレ
フタレ−ト及びそれらの共重合体等が例示できる。これ
らの組成は蒸気で加水分解できるため、強度と伸度を容
易に所望の特性に調製できることからも、好ましい。開
繊ウエッブ化するため捲縮が必要である。捲縮形態は嵩
高となる立体捲縮が好ましい。
【0006】本発明の繊維構造体を形成するマトリック
スを構成する繊維の極限粘度は0.53以下、伸度が3
0%以下である。極限粘度が0.53以上では、脆性破
断しにくくなり、繊維が衝撃破断しにくくなり、ドリル
に巻きつき易くなるので好ましくない。伸度が30%以
上では切断に至るまでに繊維が伸びてドリルに巻きつき
易くなるので好ましくない。好ましい極限粘度は0.4
5以下、より好ましくは0.40以下であるが、0.2
0以下になると脆性破断が著しくなり、開繊時繊維の損
傷が大きくなるので好ましくない。好ましい伸度は25
%以下、より好ましくは20%以下である。このような
特性を付与するには、通常は、極限粘度の低いポリエス
テルを紡糸し、高倍率で延伸して得る方法が知られてい
るが、操作性が著しく悪くなり、商業生産が困難な場合
が多い。特に、立体捲縮を付与する場合は、収縮処理し
て捲縮を発現させるため伸度が増加するので低伸度化が
困難である。この為、前記の如く蒸気で加水分解するの
が好ましい。
スを構成する繊維の極限粘度は0.53以下、伸度が3
0%以下である。極限粘度が0.53以上では、脆性破
断しにくくなり、繊維が衝撃破断しにくくなり、ドリル
に巻きつき易くなるので好ましくない。伸度が30%以
上では切断に至るまでに繊維が伸びてドリルに巻きつき
易くなるので好ましくない。好ましい極限粘度は0.4
5以下、より好ましくは0.40以下であるが、0.2
0以下になると脆性破断が著しくなり、開繊時繊維の損
傷が大きくなるので好ましくない。好ましい伸度は25
%以下、より好ましくは20%以下である。このような
特性を付与するには、通常は、極限粘度の低いポリエス
テルを紡糸し、高倍率で延伸して得る方法が知られてい
るが、操作性が著しく悪くなり、商業生産が困難な場合
が多い。特に、立体捲縮を付与する場合は、収縮処理し
て捲縮を発現させるため伸度が増加するので低伸度化が
困難である。この為、前記の如く蒸気で加水分解するの
が好ましい。
【0007】本発明の繊維構造体を構成する熱接着繊維
の接着成分の融点は、マトリックス繊維の融点より少な
くとも40℃低いものが用いられる。40℃より差が少
ないと熱成形時に高温で接着成形する必要から、マトリ
ックス繊維の熱劣化が促進され、繊維構造体の形態保持
性が劣るので好ましくない。好ましい接着成分の融点は
マトリックス繊維の融点より60℃低くく、110℃よ
り高いものであり、より好ましくは、80℃以上低く、
130℃より高いものである。このような好ましい熱接
着成分の融点では、直射日光で外壁が100℃近くまで
加熱されても、繊維構造体の形態を保持できる。このよ
うな熱接着成分としては、テレフタル酸、イソフタル
酸、ナフタレン2・6ジカルボン酸、ナフタレン2・7
ジカルボン酸、ジフェニル4・4’ジカルボン酸等の芳
香族ジカルボン酸、1・4シクロヘキサンジカルボン酸
等の脂環族ジカルボン酸、琥珀酸、アジピン酸、セバチ
ン酸ダイマ−酸等の脂肪族ジカルボン酸または、これら
のエステル形成性誘導体などから選ばれたジカルボン酸
の少なくとも1種以上と、1・4ブタンジオ−ル、エチ
レングリコ−ル、トリメチレングリコ−ル、テトレメチ
レングリコ−ル、ペンタメチレングリコ−ル、ヘキサメ
チレングリコ−ル等の脂肪族ジオ−ル、1・1シクロヘ
キサンジメタノ−ル、1・4シクロヘキサンジメタノ−
ル等の脂環族ジオ−ル、またはこれらのエステル形成性
誘導体などから選ばれたジオ−ル成分の少なくとも1種
からなる共重合ポリエステルがマトリックス繊維がポリ
エステルの場合、接着性の良さからも好ましい。また、
脆さが付与きるので好ましい。
の接着成分の融点は、マトリックス繊維の融点より少な
くとも40℃低いものが用いられる。40℃より差が少
ないと熱成形時に高温で接着成形する必要から、マトリ
ックス繊維の熱劣化が促進され、繊維構造体の形態保持
性が劣るので好ましくない。好ましい接着成分の融点は
マトリックス繊維の融点より60℃低くく、110℃よ
り高いものであり、より好ましくは、80℃以上低く、
130℃より高いものである。このような好ましい熱接
着成分の融点では、直射日光で外壁が100℃近くまで
加熱されても、繊維構造体の形態を保持できる。このよ
うな熱接着成分としては、テレフタル酸、イソフタル
酸、ナフタレン2・6ジカルボン酸、ナフタレン2・7
ジカルボン酸、ジフェニル4・4’ジカルボン酸等の芳
香族ジカルボン酸、1・4シクロヘキサンジカルボン酸
等の脂環族ジカルボン酸、琥珀酸、アジピン酸、セバチ
ン酸ダイマ−酸等の脂肪族ジカルボン酸または、これら
のエステル形成性誘導体などから選ばれたジカルボン酸
の少なくとも1種以上と、1・4ブタンジオ−ル、エチ
レングリコ−ル、トリメチレングリコ−ル、テトレメチ
レングリコ−ル、ペンタメチレングリコ−ル、ヘキサメ
チレングリコ−ル等の脂肪族ジオ−ル、1・1シクロヘ
キサンジメタノ−ル、1・4シクロヘキサンジメタノ−
ル等の脂環族ジオ−ル、またはこれらのエステル形成性
誘導体などから選ばれたジオ−ル成分の少なくとも1種
からなる共重合ポリエステルがマトリックス繊維がポリ
エステルの場合、接着性の良さからも好ましい。また、
脆さが付与きるので好ましい。
【0008】本発明の好ましい繊維構造体を形成するに
必要な熱接着繊維の形態としてシ−スコア型構造をとる
場合、コア成分としては、ポリブチレンテレフタレ−ト
(PBT)以外にポリエチレンテレフタレ−ト(PE
T)、ポリエチレンナフタレ−ト(PEN)、ポリシク
ロヘキシレンジメチルテレフタレ−ト(PCHDT)な
どの高いガラス転移点を持つポリエステルと複合化でき
るため塑性変形しにくくなり、繊維構造体の形態保持性
がより向上するので好ましい。
必要な熱接着繊維の形態としてシ−スコア型構造をとる
場合、コア成分としては、ポリブチレンテレフタレ−ト
(PBT)以外にポリエチレンテレフタレ−ト(PE
T)、ポリエチレンナフタレ−ト(PEN)、ポリシク
ロヘキシレンジメチルテレフタレ−ト(PCHDT)な
どの高いガラス転移点を持つポリエステルと複合化でき
るため塑性変形しにくくなり、繊維構造体の形態保持性
がより向上するので好ましい。
【0009】本発明の繊維構造体は、上述の熱接着繊維
を20重量%以上含有して構成される。熱接着繊維の含
有率が20%以下では、マトリックス繊維の固定が困難
となり、ドリルに巻きつきやすくなり好ましくない。他
方、熱接着繊維の含有量が60重量%以上では、嵩高さ
が低下し、マトリックス繊維が少なくなり変形し易くな
るので注意が必要である。好ましい熱接着繊維の含有量
は30重量%以上、より好ましくは40〜50重量%で
ある。このような含有量にすることで、マトリックス繊
維を固定し、切断し易くすると共に、断熱材としての形
態保持が良好となる。
を20重量%以上含有して構成される。熱接着繊維の含
有率が20%以下では、マトリックス繊維の固定が困難
となり、ドリルに巻きつきやすくなり好ましくない。他
方、熱接着繊維の含有量が60重量%以上では、嵩高さ
が低下し、マトリックス繊維が少なくなり変形し易くな
るので注意が必要である。好ましい熱接着繊維の含有量
は30重量%以上、より好ましくは40〜50重量%で
ある。このような含有量にすることで、マトリックス繊
維を固定し、切断し易くすると共に、断熱材としての形
態保持が良好となる。
【0010】本発明の繊維構造体は、少なくとも片面か
ら厚さ1mm以上の密度が0.04g/cm3 以上に高密度
化されている。この高密度層がない場合は、繊維の固定
が不充分な低密度層に直接ドリルが入り、巻きつきが多
くなる。一旦、繊維の固定が充分な高密度層に切り込
み、次いで低密度層にドリルが入る場合、繊維の巻きつ
きが著しく少なくなる。この理由は明らかではないが、
切り込み時に繊維の固定が不充分ではドリルの先端に引
っ掛かり繊維の巻きつきは著しくなるが、高密度層で巻
きつきが起こらないと、強い力で押しつけ穴を開けよう
として、ドリルが低密度層に達すると、その反動で早く
低密度層を通過でき、繊維への衝撃力が大きくなり、繊
維が切断されやすくなって、比較的繊維の巻きつきが少
ないのではないかと類推している。このような高密度層
は厚みが少なくとも1mm以上で密度が0.04g/cm3
以上とすることで効果がある。厚みが少ないと効果も少
なく、密度が低くても効果が少ない。好ましくは、厚み
が2mm以上、密度が0.05g/cm3 以上である。な
お、繊維の固定法には、熱接着繊維の含有率を増やし、
ニ−ドルパンチなどで繊維を交絡処理しておくとより効
果が顕著となるので好ましい。特に好ましくは、断熱層
の両面がこのような高密度層で覆われていることであ
る。高密度層は切削時の効果と同時に、形態保持性も良
好とする効果がある。
ら厚さ1mm以上の密度が0.04g/cm3 以上に高密度
化されている。この高密度層がない場合は、繊維の固定
が不充分な低密度層に直接ドリルが入り、巻きつきが多
くなる。一旦、繊維の固定が充分な高密度層に切り込
み、次いで低密度層にドリルが入る場合、繊維の巻きつ
きが著しく少なくなる。この理由は明らかではないが、
切り込み時に繊維の固定が不充分ではドリルの先端に引
っ掛かり繊維の巻きつきは著しくなるが、高密度層で巻
きつきが起こらないと、強い力で押しつけ穴を開けよう
として、ドリルが低密度層に達すると、その反動で早く
低密度層を通過でき、繊維への衝撃力が大きくなり、繊
維が切断されやすくなって、比較的繊維の巻きつきが少
ないのではないかと類推している。このような高密度層
は厚みが少なくとも1mm以上で密度が0.04g/cm3
以上とすることで効果がある。厚みが少ないと効果も少
なく、密度が低くても効果が少ない。好ましくは、厚み
が2mm以上、密度が0.05g/cm3 以上である。な
お、繊維の固定法には、熱接着繊維の含有率を増やし、
ニ−ドルパンチなどで繊維を交絡処理しておくとより効
果が顕著となるので好ましい。特に好ましくは、断熱層
の両面がこのような高密度層で覆われていることであ
る。高密度層は切削時の効果と同時に、形態保持性も良
好とする効果がある。
【0011】本発明の繊維構造体は断熱層として作用す
るので、見掛けの嵩密度は少ないほうが好ましく、通常
の好ましい見掛け密度は0.03g/cm3 以下、より好
ましくは、0.02g/cm3 以下である。
るので、見掛けの嵩密度は少ないほうが好ましく、通常
の好ましい見掛け密度は0.03g/cm3 以下、より好
ましくは、0.02g/cm3 以下である。
【0012】本発明の繊維構造体に使用されるマトリッ
クス繊維のデニ−ルは特に限定されないが、嵩高さと形
態保持性の面から、4〜50デニ−ルが好ましく、特に
は、6〜25デニ−ルである。また、各種デニ−ルが混
合されていても差し支えない。繊維の強度は特に限定さ
れないが強度が1g/d以下では開繊時問題が起こる場
合があり、好ましくは3g/d以下1g/d以上であ
る。断面形状は中空、異形中空のものが好ましいが特に
は限定されない。捲縮形態は、立体捲縮が嵩高となるの
で好ましいが機械捲縮でも使用できる。捲縮数や捲縮率
は特に限定されないが、好ましくは捲縮数が5〜30山
/インチ、捲縮率が5〜30%の範囲であれば使用でき
るが、より好ましくは捲縮数が10〜25山/インチ、
捲縮率が10〜25%である。
クス繊維のデニ−ルは特に限定されないが、嵩高さと形
態保持性の面から、4〜50デニ−ルが好ましく、特に
は、6〜25デニ−ルである。また、各種デニ−ルが混
合されていても差し支えない。繊維の強度は特に限定さ
れないが強度が1g/d以下では開繊時問題が起こる場
合があり、好ましくは3g/d以下1g/d以上であ
る。断面形状は中空、異形中空のものが好ましいが特に
は限定されない。捲縮形態は、立体捲縮が嵩高となるの
で好ましいが機械捲縮でも使用できる。捲縮数や捲縮率
は特に限定されないが、好ましくは捲縮数が5〜30山
/インチ、捲縮率が5〜30%の範囲であれば使用でき
るが、より好ましくは捲縮数が10〜25山/インチ、
捲縮率が10〜25%である。
【0013】本発明の繊維構造体に使用される熱接着繊
維のデニ−ルは特に限定されないが、マトリックス繊維
と混繊が可能な範囲として、2〜20デニ−ルの範囲が
好ましい。断面形状は、サイドバイサイド型やシ−スコ
ア型で熱接着成分が繊維表面に50%以上露出したもの
が好ましい。しかして、100%熱接着成分から成る熱
接着繊維も使用できる。なお、リサイクルするために回
収した硬綿類にマトリックス繊維と共にすでに含有して
いる熱接着繊維も利用できる。捲縮形態も特には限定さ
れないが、開繊し易い機械捲縮を保持するのが好まし
い。
維のデニ−ルは特に限定されないが、マトリックス繊維
と混繊が可能な範囲として、2〜20デニ−ルの範囲が
好ましい。断面形状は、サイドバイサイド型やシ−スコ
ア型で熱接着成分が繊維表面に50%以上露出したもの
が好ましい。しかして、100%熱接着成分から成る熱
接着繊維も使用できる。なお、リサイクルするために回
収した硬綿類にマトリックス繊維と共にすでに含有して
いる熱接着繊維も利用できる。捲縮形態も特には限定さ
れないが、開繊し易い機械捲縮を保持するのが好まし
い。
【0014】本発明の繊維構造体を構成するマトリック
スの捲縮短繊維は、通常の方法で作られた原綿を蒸気に
て加水分解させて得ることができる。一例として、極限
粘度0.63、強度3.8g/d,伸度42%の立体捲
縮綿を、180℃の蒸気で30分、高圧キヤ−釜にて処
理すると、極限粘度0.40、強度2.3g/d,伸度
20%の立体捲縮綿が得られる。この方法の特徴は、捲
縮形態を何ら変えることなく所望の特性を得られること
にある。更には、リサイクルのために回収した硬綿をこ
の方法で処理することで、蒸気殺菌と繊維の表面の汚れ
さえ除去できる効果もある。
スの捲縮短繊維は、通常の方法で作られた原綿を蒸気に
て加水分解させて得ることができる。一例として、極限
粘度0.63、強度3.8g/d,伸度42%の立体捲
縮綿を、180℃の蒸気で30分、高圧キヤ−釜にて処
理すると、極限粘度0.40、強度2.3g/d,伸度
20%の立体捲縮綿が得られる。この方法の特徴は、捲
縮形態を何ら変えることなく所望の特性を得られること
にある。更には、リサイクルのために回収した硬綿をこ
の方法で処理することで、蒸気殺菌と繊維の表面の汚れ
さえ除去できる効果もある。
【0015】本発明の繊維構造体を構成する熱接着繊維
は通常の方法で得ることができる。
は通常の方法で得ることができる。
【0016】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を詳述する。
【0017】実施例1 極限粘度0.63のポリエチレンテレフタレ−トを常法
にて285℃にてC型に突起を3個有するノズルオリフ
ィスより吐出せしめ、ノズル直下で風速3m/秒の冷却
風で急冷し1300m/分にて巻き取った未延伸糸を次
いで70℃の温浴で破断延伸倍率の0.8倍で延伸し、
クリンパ−にて弾性捲縮を発現せしめ、切断し、次いで
潜在捲縮を160℃の熱風で発現させ、立体捲縮を持つ
原綿を得た。得られた原綿の特性は、繊度12デニ−
ル、強度3.0g/d,伸度45%、捲縮度25%、捲
縮数21山/インチ、極限粘度0.62、融点258℃
の中空異形断面を有する立体捲縮糸であった。この原綿
を高圧キヤ−釜にて160〜200℃にて、30分間加
水分解処理してマトリックスとなる捲縮短繊維を得た。
得られた綿の特性を表1に示す。
にて285℃にてC型に突起を3個有するノズルオリフ
ィスより吐出せしめ、ノズル直下で風速3m/秒の冷却
風で急冷し1300m/分にて巻き取った未延伸糸を次
いで70℃の温浴で破断延伸倍率の0.8倍で延伸し、
クリンパ−にて弾性捲縮を発現せしめ、切断し、次いで
潜在捲縮を160℃の熱風で発現させ、立体捲縮を持つ
原綿を得た。得られた原綿の特性は、繊度12デニ−
ル、強度3.0g/d,伸度45%、捲縮度25%、捲
縮数21山/インチ、極限粘度0.62、融点258℃
の中空異形断面を有する立体捲縮糸であった。この原綿
を高圧キヤ−釜にて160〜200℃にて、30分間加
水分解処理してマトリックスとなる捲縮短繊維を得た。
得られた綿の特性を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】極限粘度0.63のポリエチレンテレフタ
レ−トを芯成分に、融点110℃の共重合ポリエステル
(テレフタル酸/イソフタル酸:60/40モル比−エ
チレングリコ−ル/ジエチレングリコ−ル:95/5モ
ル比)を鞘成分として、常法により熱接着繊維(芯/
鞘:50/50重量比、繊度4デニ−ル、強度3.4g
/d、伸度48%)を得た。マトリックス繊維と熱接着
繊維を60/40重量比で予備混合して目付け150g
/m2の開繊ウエッブを作成し、半分をニ−ドルパンチに
て交絡させた厚み3mmのウエッブを作成して、開繊ウエ
ッブに積層し、多孔板にて圧縮し、160℃の熱風で5
分間処理し、見掛け嵩密度0.02g/cm3 の繊維構造
体を得た。比較のため、ニ−ドルパンチしないものを積
層して同様にして見掛け嵩密度0.02g/cm3 の繊維
構造体を得た。得られた繊維構造体をハンドドリルにて
3mmのきりにて穴開け試験し、繊維の巻きつき程度を評
価した。評価基準は著しい巻きつき:××、巻きつき
大:×、巻きつき中:△、巻きつき小:○、巻きつき微
小:◎とした。得られた繊維構造体の作成条件、特性、
及び穴開け試験結果を表2に示す。結果から明らかなよ
うに、本発明の要件を外れるものは、穴開け時にドリル
への繊維の巻きつきは著しいが、本発明のものは穴開け
時のドリルへの繊維の巻きつきは改善されている。
レ−トを芯成分に、融点110℃の共重合ポリエステル
(テレフタル酸/イソフタル酸:60/40モル比−エ
チレングリコ−ル/ジエチレングリコ−ル:95/5モ
ル比)を鞘成分として、常法により熱接着繊維(芯/
鞘:50/50重量比、繊度4デニ−ル、強度3.4g
/d、伸度48%)を得た。マトリックス繊維と熱接着
繊維を60/40重量比で予備混合して目付け150g
/m2の開繊ウエッブを作成し、半分をニ−ドルパンチに
て交絡させた厚み3mmのウエッブを作成して、開繊ウエ
ッブに積層し、多孔板にて圧縮し、160℃の熱風で5
分間処理し、見掛け嵩密度0.02g/cm3 の繊維構造
体を得た。比較のため、ニ−ドルパンチしないものを積
層して同様にして見掛け嵩密度0.02g/cm3 の繊維
構造体を得た。得られた繊維構造体をハンドドリルにて
3mmのきりにて穴開け試験し、繊維の巻きつき程度を評
価した。評価基準は著しい巻きつき:××、巻きつき
大:×、巻きつき中:△、巻きつき小:○、巻きつき微
小:◎とした。得られた繊維構造体の作成条件、特性、
及び穴開け試験結果を表2に示す。結果から明らかなよ
うに、本発明の要件を外れるものは、穴開け時にドリル
への繊維の巻きつきは著しいが、本発明のものは穴開け
時のドリルへの繊維の巻きつきは改善されている。
【0020】
【表2】
【0021】実施例2 マトリックス繊維A−2を用い、熱接着繊維の混率を1
0重量%、30重量%、60重量%とした以外、実施例
1と同様にして得た繊維構造体の穴開け試験結果を表3
に示す。熱接着繊維の混率を10重量%のものは繊維巻
きつきが多かったが、本発明のものは繊維巻きつきが改
善されていた。
0重量%、30重量%、60重量%とした以外、実施例
1と同様にして得た繊維構造体の穴開け試験結果を表3
に示す。熱接着繊維の混率を10重量%のものは繊維巻
きつきが多かったが、本発明のものは繊維巻きつきが改
善されていた。
【0022】
【表3】
【0023】実施例3 マトリックス繊維A−2を用い、熱接着繊維の混率を4
0重量%としてた目付け150g/m2の開繊ウエッブを
作成し、一旦、ニードルパンチ不織布の代わりとして、
見掛け嵩密度を0.025g/cm3 、0.04g/c
m3 、0.06g/cm3 とした繊維構造体を180℃に
て作成し、次いで目付け150g/m2の開繊ウエッブに
積層して、実施例1と同様に圧縮成形して得た繊維構造
体の穴開け試験結果を表4に示す。高密度層の嵩密度が
0.025g/cm3 のものは繊維巻きつきが多かった
が、本発明のものは繊維巻きつきが改善されていた。
0重量%としてた目付け150g/m2の開繊ウエッブを
作成し、一旦、ニードルパンチ不織布の代わりとして、
見掛け嵩密度を0.025g/cm3 、0.04g/c
m3 、0.06g/cm3 とした繊維構造体を180℃に
て作成し、次いで目付け150g/m2の開繊ウエッブに
積層して、実施例1と同様に圧縮成形して得た繊維構造
体の穴開け試験結果を表4に示す。高密度層の嵩密度が
0.025g/cm3 のものは繊維巻きつきが多かった
が、本発明のものは繊維巻きつきが改善されていた。
【0024】
【表4】
【0025】
【発明の効果】本発明はガラス繊維に替わる性能を有
し、設置作業性を著しく改善した、特に使用条件が過酷
な自動車用、鉄道車両用及び船舶用などの断熱材に適し
た繊維構造体である。また、本発明に開示した方法を用
いると、ポリエステルからなる繊維構造体なら再び本発
明の繊維構造体としてリサイクルができ、地球環境の保
全にも極めて有用である。本発明の繊維構造体の有用な
他の用途としては、農業用材、建設用材などがある。
し、設置作業性を著しく改善した、特に使用条件が過酷
な自動車用、鉄道車両用及び船舶用などの断熱材に適し
た繊維構造体である。また、本発明に開示した方法を用
いると、ポリエステルからなる繊維構造体なら再び本発
明の繊維構造体としてリサイクルができ、地球環境の保
全にも極めて有用である。本発明の繊維構造体の有用な
他の用途としては、農業用材、建設用材などがある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−168160(JP,A) 特開 平2−154050(JP,A) 特開 昭64−52860(JP,A) 特開 昭62−256646(JP,A) 特開 昭55−103345(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D04H 1/00 - 18/00
Claims (1)
- 【請求項1】 ガラス転移点温度が60℃以上の熱可塑
性ポリエステルからなる捲縮短繊維をマトリックス材と
し、該捲縮短繊維を構成するポリマ−の融点より40℃
以上低い融点を有するポリマーを熱接着成分とした熱接
着繊維とのブレンド成形繊維構造体であり、前記捲縮短
繊維の極限粘度が0.53以下、伸度が30%以下であ
り、前記熱接着繊維は繊維構造体中に20重量%以上含
有されており、繊維構造体の少なくとも片面から厚さ1
mm以上の密度が0.04g/cm 3 以上に高密度化されて
いることを特徴とする断熱繊維構造体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4390593A JP3144511B2 (ja) | 1993-03-04 | 1993-03-04 | 断熱繊維構造体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4390593A JP3144511B2 (ja) | 1993-03-04 | 1993-03-04 | 断熱繊維構造体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06257048A JPH06257048A (ja) | 1994-09-13 |
JP3144511B2 true JP3144511B2 (ja) | 2001-03-12 |
Family
ID=12676734
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4390593A Expired - Fee Related JP3144511B2 (ja) | 1993-03-04 | 1993-03-04 | 断熱繊維構造体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3144511B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4743676B2 (ja) * | 2000-08-03 | 2011-08-10 | エンデバーハウス株式会社 | 断熱材 |
US20090252941A1 (en) * | 2008-04-03 | 2009-10-08 | Usg Interiors, Inc. | Non-woven material and method of making such material |
US8563449B2 (en) | 2008-04-03 | 2013-10-22 | Usg Interiors, Llc | Non-woven material and method of making such material |
JP6108678B2 (ja) * | 2012-03-28 | 2017-04-05 | 株式会社クラレ | ヘルメット用遮熱シート |
-
1993
- 1993-03-04 JP JP4390593A patent/JP3144511B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06257048A (ja) | 1994-09-13 |
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