JP6108678B2 - ヘルメット用遮熱シート - Google Patents

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Description

本発明は、遮熱性および保水性に優れた繊維構造体からなる遮熱シートに関するものであり、特に炎天下での直射日光による屋外作業者のヘルメット内部の温度上昇を抑制する遮熱シートに関する。
工場現場や工場内において、作業者は頭部を保護するためにヘルメットの着用が義務付けられている。このようなケースにて使用されるヘルメットは、例えばABS樹脂やガラス繊維強化プラスチック製からなるもので、一定の強度はあるものの、材質上断熱性が殆どなく、日中太陽光に照らされて熱を吸収するので、ヘルメットの外表面の温度がかなり上昇し、それに伴い、ヘルメットの内側の温度も上昇する。この内部温度の上昇により、特に夏期の炎天下では長時間の着用に耐えられない苦痛があり、数多くの熱中症が発生して社会的にも大きく取り上げられている。
そこで、断熱性に優れたヘルメットとして、ヘルメットの外側表面に断熱塗料を塗布したもの(例えば、特許文献1参照)や、断熱材入りのカバーを取り付けた構造のヘルメットカバー(例えば、特許文献2参照)などの提案がなされているが、温度レベルから特に効果が高いとはいえない。
実登3125077号公報 特開平9−228135号公報
したがって、本発明の目的は、遮熱に優れた繊維構造体からなるヘルメットカバーを提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、親水性繊維を特定量含む繊維構造体からなるシートが遮熱性に優れることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は親水性繊維を30重量%以上含む繊維構造体からなるヘルメット用遮熱シートであり、好ましくは前記親水性繊維が湿熱接着性繊維である上記のヘルメット用遮熱シートであり、さらに好ましくは、前記湿熱接着性繊維が主としてエチレンービニルアルコール系共重合体系繊維からなる上記のヘルメット用遮熱シートである。
そして本発明は、好ましくは湿熱接着性繊維とポリエステル系繊維との混綿であり、混綿比率(重量比)が30/70〜70/30である上記のヘルメット用遮熱シートであり、より好ましくは、前記ポリエステル系繊維が潜在捲縮性かつ湿熱接着性繊維である上記のヘルメット用遮熱シートである。
また本発明は、前記親水性繊維が好ましくはセルロース系繊維であり、該繊維を70重量%以上含むことを特徴とする上記のヘルメット用遮熱シートである。
本発明は親水性繊維を特定量含有する繊維構造体とすることにより、得られるシートはヘルメットカバーとして取り付けた場合、遮熱性に優れる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のヘルメットカバー用のシートを構成する繊維構造体の形態は例えば織編物、織布、不織布などが挙げられるが、要求性能である遮熱性を有していれば形態は限定されない。
本発明のヘルメット用遮熱シートを構成する繊維構造体には水で濡らして使用することから、親水性繊維が30重量%以上含まれていることが必要である。親水性繊維の含有率が30重量%未満であると、保水量が不足するという問題がある。好ましくは40重量%以上、より好ましくは50重量%以上100重量%以下である。
本発明のヘルメット用遮熱シートを構成する繊維構造体に含まれる親水性繊維は形態安定性の面から湿熱接着性繊維であることが好ましい。湿熱接着性繊維は、少なくとも湿熱接着性樹脂で構成されている。湿熱接着性樹脂は、高温水蒸気によって容易に実現可能な温度において、流動又は容易に変形して接着機能を発現可能であればよい。具体的には、熱水(例えば、90〜130℃、特に95〜120℃程度)で軟化して自己接着又は他の繊維に接着可能な熱可塑性樹脂、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体などのビニルアルコール系重合体、ポリ乳酸などのポリ乳酸系樹脂、(メタ)アクリルアミド単位を含む(メタ)アクリル系共重合体などが挙げられる。さらに、高温水蒸気により容易に流動又は変形して接着可能なエラストマー(例えば、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、スチレン系エラストマーなど)などであってもよい。これらの湿熱接着性樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、特に、エチレンやプロピレンなどのα−C2−10オレフィン単位を含むビニルアルコール系重合体、特に、エチレン−ビニルアルコール系共重合体が好ましい。
エチレン−ビニルアルコール系共重合体において、エチレン単位の含有量(共重合割合)は、例えば、5〜65モル%(例えば、10〜65モル%)、好ましくは20〜55モル%、さらに好ましくは30〜50モル%程度である。エチレン単位がこの範囲にあることにより、湿熱接着性を有するが、熱水溶解性はないという特異な性質が得られる。エチレン単位の割合が少なすぎると、エチレン−ビニルアルコール系共重合体が、低温の蒸気(水)で容易に膨潤又はゲル化し、水に一度濡れただけで形態が変化し易い。一方、エチレン単位の割合が多すぎると、吸湿性が低下し、湿熱による繊維融着が発現し難くなるため、実用性のある強度の確保が困難となる。エチレン単位の割合が、特に30〜50モル%の範囲にあると、シートへの加工性が特に優れる。
エチレン−ビニルアルコール系共重合体におけるビニルアルコール単位のケン化度は、例えば、90〜99.99モル%程度であり、好ましくは95〜99.98モル%、さらに好ましくは96〜99.97モル%程度である。ケン化度が小さすぎると、熱安定性が低下し、熱分解やゲル化によって安定性が低下する。一方、ケン化度が大きすぎると、繊維自体の製造が困難となる。
エチレン−ビニルアルコール系共重合体の粘度平均重合度は、必要に応じて選択できるが、例えば、200〜2500、好ましくは300〜2000、さらに好ましくは400〜1500程度である。重合度がこの範囲にあると、紡糸性と湿熱接着性とのバランスに優れる。
さらに本発明のヘルメット用遮熱シートを構成する繊維構造体は、前記エチレン−ビニルアルコール系共重合体などの湿熱接着性繊維とポリエステル系繊維とが混綿されていることが好ましく、それらの混綿比率は30/70〜70/30であることが好ましい。湿熱接着性繊維の混綿比率が30重量%未満であると形態安定性に問題がある。一方、湿熱接着性繊維の混綿比率が70重量%を超えるとシートにドレープ性が無くなりヘルメットへ沿い難くなる。より好ましくは40/60〜60/40である。
ポリエステル系繊維を構成するポリエステル系樹脂としては、ポリC2−4アルキレンアリレート系樹脂などの芳香族ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなど)、特に、PETなどのポリエチレンテレフタレート系樹脂が好ましい。ポリエチレンテレフタレート系樹脂は、エチレンテレフタレート単位の他に、他のジカルボン酸(例えば、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、フタル酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、ビス(カルボキシフェニル)エタン、5−ナトリウムスルホイソフタル酸など)やジオール(例えば、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなど)で構成された単位を20モル%以下程度の割合で含んでいてもよい。
特に本発明では、前記織繊維構造体の中でも、バインダー成分(特に、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリオレフィン系、ポリビニルアルコール系などの熱接着性樹脂で構成された熱接着性繊維で構成されたバインダー繊維)の融着により固定された繊維構造体が好ましく、保水性の点から、湿熱接着性繊維を含み、かつこの湿熱接着性繊維の融着により繊維が固定された構造物が特に好ましい。本発明では、湿熱接着性繊維の融着により繊維が固定された構造体は、高温(過熱又は加熱)水蒸気を利用して接着するために、厚み方向で均一に接着されており、繊維構造を保持できる。
また、これら繊維の繊度は繊維構造体の形態安定性の点から、0.5dtex〜20dtexの範囲であることが好ましいが、より好ましくは、1.0dtex〜10dtexの範囲である。
また、繊維構造体に用いられる前記ポリエステル系繊維は潜在捲縮性繊維あるいは湿熱接着性繊維であることが好ましく、特に熱収縮率の異なる複数の樹脂が相構造を形成した潜在捲縮性複合繊維であることが好ましい。潜在捲縮性複合繊維は、複数の樹脂の熱収縮率(又は熱膨張率)の違いに起因して、加熱により捲縮を生じる非対称又は層状(いわゆるバイメタル)構造を有する繊維である。複数の樹脂は、通常、軟化点又は融点が異なる。
潜在捲縮性を有するポリエステル系繊維としては、ポリアルキレンアリレート系樹脂(a)と、変性ポリアルキレンアリレート系樹脂(b)との組み合わせであってもよい。特に、本発明の繊維構造体に用いる場合は好適な形態は不織布であるが、ウェブ形成後に捲縮を発現するタイプが好ましく、この点からも前記組み合わせが好ましい。
ウェブ形成後に捲縮が発現することにより、効率良く繊維同士が交絡し、より少ない融着点数でウェブの形態保持が可能となるため、高い柔軟性を実現できる。
ポリアルキレンアリレート系樹脂(a)は、芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸などの対称型芳香族ジカルボン酸など)とアルカンジオール成分(エチレングリコールやブチレングリコールなどC2−4アルカンジオールなど)との単独重合体であってもよい。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリC2−4アルキレンテレフタレート系樹脂などが使用され、通常、固有粘度0.6〜0.7の一般的なPET繊維に用いられるPET樹脂が使用される。
一方、変性ポリアルキレンアリレート系樹脂(b)では、前記ポリアルキレンアリレート系樹脂(a)の融点又は軟化点、結晶化度を低下させる共重合成分、例えば、非対称型芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸などのジカルボン酸成分や、ポリアルキレンアリレート系樹脂(a)のアルカンジオールよりも鎖長の長いアルカンジオール成分及び/又はエーテル結合含有ジオール成分が使用できる。これらの共重合成分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの成分のうち、ジカルボン酸成分として、非対称型芳香族カルボン酸(イソフタル酸、フタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸など)、脂肪族ジカルボン酸(アジピン酸などのC6−12脂肪族ジカルボン酸)などが汎用され、ジオール成分として、アルカンジオール(1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどC6−12アルカンジオールなど)、(ポリ)オキシアルキレングリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリオキシC2−4アルキレングリコールなど)などが汎用される。これらのうち、イソフタル酸などの非対称型芳香族ジカルボン酸、ジエチレングリコールなどのポリオキシC2−4アルキレングリコールなどが好ましい。さらに、変性ポリアルキレンアリレート系樹脂(b)は、C2−4アルキレンアリレート(エチレンテレフタレート、ブチレンテレフタレートなど)をハードセグメントとし、(ポリ)オキシアルキレングリコールなどをソフトセグメントとするエラストマーであってもよい。
変性ポリアルキレンアリレート系樹脂(b)において、ジカルボン酸成分として、融点又は軟化点を低下させるためのジカルボン酸成分(例えば、イソフタル酸など)の割合は、ジカルボン酸成分の全量に対して、例えば、1〜50モル%、好ましくは5〜50モル%、さらに好ましくは15〜40モル%である。ジオール成分として、融点又は軟化点を低下させるためのジオール成分(例えば、ジエチレングリコールなど)の割合は、ジオール成分の全量に対して、例えば、30モル%以下、好ましくは10モル%以下(例えば、0.1〜10モル%)である。共重合成分の割合が低すぎると、充分な捲縮が発現せず、捲縮発現後の布帛の形態安定性と伸縮性とが低下する。一方、共重合成分の割合が高すぎると、捲縮発現性能は高くなるが、安定に紡糸することが困難となる。
変性ポリアルキレンアリレート系樹脂(b)は、必要に応じて、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸成分、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトールなどのポリオール成分などを併用して分岐させてもよい。
捲縮性複合繊維の横断面形状(繊維の長さ方向に垂直な断面形状)は、一般的な中実断面形状である丸型断面や異型断面[偏平状、楕円状、多角形状、3〜14葉状、T字状、H字状、V字状、ドッグボーン(I字状)など]に限定されず、中空断面状などであってもよいが、通常、丸型断面である。
捲縮性複合繊維の横断面構造としては、複数の樹脂に形成された相構造、例えば、芯鞘型、海島型、ブレンド型、並列型(サイドバイサイド型又は多層貼合型)、放射型(放射状貼合型)、中空放射型、ブロック型、ランダム複合型などの構造が挙げられる。これらの横断面構造のうち、加熱により自発捲縮を発現させ易い点から、相部分が隣り合う構造(いわゆるバイメタル構造)や、相構造が非対称である構造、例えば、偏芯芯鞘型、並列型構造が好ましい。
潜在捲縮性複合繊維の平均繊度は、例えば、0.1〜50dtexの範囲から選択でき、好ましくは0.5〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtex(特に1.5〜3dtex)である。繊度が細すぎると、繊維そのものが製造し難くなることに加え、繊維強度を確保し難い。また、捲縮を発現させる工程において、綺麗なコイル状捲縮を発現させ難くなる。一方、繊度が太すぎると、繊維が剛直となり、十分な捲縮を発現し難くなる。
本発明で用いられる潜在捲縮性複合繊維は、熱処理を施すことにより、捲縮が発現(顕在化)し、略コイル状(螺旋状又はつるまきバネ状)の立体捲縮を有する繊維となる。
加熱前の捲縮数(機械捲縮数)は、例えば、0〜30個/25mm、好ましくは1〜25個/25mm、さらに好ましくは5〜20個/25mmである。加熱後の捲縮数は、例えば、30個/25mm以上(例えば、30〜200個/25mm)であり、好ましくは35〜150個/25mm、さらに好ましくは40〜120個/25mmであり、45〜120個/25mm(特に50〜100個/25mm)であってもよい。
本発明のヘルメット用遮熱シートに用いられる繊維構造体の密度は0.01〜0.2g/cmであることが好ましい。繊維構造体の密度が0.01g/cm未満であると、繊維構造体として形態安定性が悪くなり、シートの変形や取扱い性に問題があり、一方、0.2g/cmより大きいと繊維構造体としての形態安定性は良いが、硬くドレープ性が無くなりヘルメットの形状に沿い難くなる問題がある。好ましくは0.02〜0.15g/cmであり、より好ましくは0.03〜0.10g/cmである。
さらに本発明のヘルメット用遮熱シートに用いられる繊維構造体の厚みは0.5mm以上であることが好ましい。繊維構造体の厚みが0.5mm未満であると、繊維構造体表面の遮熱効果が低くなる。好ましくは0.8mm以上であり、より好ましくは1.0mm以上5.0mm未満である。
そして本発明のヘルメット用遮熱シートに用いられる繊維構造体の保水量は200%以上であることが好ましい。繊維構造体の保水量が200%未満であると遮熱性に問題がある。好ましくは300%以上、より好ましくは350%以上500%未満である。
また本発明のヘルメット用遮熱シートに用いられる繊維構造体を構成する親水性繊維は、セルロース系繊維であることがさらに好ましく、セルロース系繊維を用いる場合は繊維構造体中に70重量%以上含むことが好ましい。セルロース系繊維の含有量が70重量%未満であると、保水量が不足するという問題がある。より好ましくは70重量%以上100重量%未満である。なお、セルロース系繊維としては綿又はコットン、麻などの天然セルロース系繊維、ビスコースレーヨンなどのレーヨン、アセテート、リヨセルなどのテンセル、キュプラ、ポリノジックなどの再生セルロース系繊維などが挙げられる。
以下に実施例により詳細に説明するが、本発明は実施例により何等限定されるものではない。なお本発明における繊維構造体の物性、および保温性評価は以下の方法により測定されたものを意味する。
[繊維構造体の目付(g/m2)]
JIS L1913「一般短繊維不織布試験方法」を参考に、全てのサンプルについて幅20cm×長さ20cmのサイズに切断し測定し、この値から目付を算出した。
目付=測定重量/測定面積 (g/m2
[繊維構造体の厚さ(mm)、見掛け密度(g/cm3)]
JIS L1913「一般短繊維不織布試験方法」を参考に、全てのサンプルについて押え圧;12g/m2、押え板;1インチφの測定器で厚さを測定し、この値と目付の値とから見掛け密度を算出した。
見掛け密度=目付/厚み (g/cm3
[繊維構造体の保水量(%)]
全ての繊維構造体について、幅20cm×長さ20cmのサイズに切断後、重量を測定する。この繊維構造体を水道水で完全に濡らした後、保水量を350%に調整するため、繊維構造体の重量×4.5倍になるように保水量を調整する。その調整した繊維構造体で遮熱性評価を行ない90分後の残保水量で保水効果を判断した。
保水量=(保水後重量−繊維構造体重量)/繊維構造体重量×100 (%)
[繊維構造体の取扱い性・加工性・形態安定性]
繊維構造体を保水させた状態でヘルメットへ被せた時の取扱い性について官能的に評価。また、加工性については繊維構成から判断した。形態安定性については水道水で完全に濡らした後、手で絞った状態からシートを広げた時の形態変化で判断した。
(1)取扱い性
◎;ヘルメットへ簡単に被せることが可能で、ヘルメットの形状に沿い易い。
○;ヘルメットへ被せることが可能、ヘルメットの形状に沿う。
△;ヘルメットへ時間を掛けて被せることが可能、又はヘルメットの形状に沿い難い。
×;ヘルメットへ被せ難い、又はヘルメットの形状に沿わない。
(2)加工性
◎;湿熱、乾熱ともに成型可能で溶着性があり、縫製加工も可能。
○;乾熱成型可能で溶着性があり、縫製加工も可能。
△;縫製加工のみ可能。
(3)形態安定性
○;手で絞った後のシートが簡単に広げられる、又は形態が崩れていない。
△;手で絞った後のシートが広げ難い、又は形態が崩れている。
[繊維構造体の遮熱性評価]
繊維構造体を保水させた状態でヘルメットに被せて、屋外の芝生上に発泡スチロール製のマネキンを置き、その頭にヘルメットを被せて直射日光を90分間当てて、ヘルメット内部の温度データを測定した。ブランクと各繊維構造体の場合の温度差を測定し、ブランクに対する各繊維構造体の温度の低さが低いほど(マイナスの温度差が大きいほど)、遮熱効果が優れると判断した。
[実施例1]
(1)湿熱接着性繊維として、芯成分がポリエチレンテレフタレート、鞘成分がエチレン−ビニルアルコール共重合体(エチレン含有量44モル%、鹸化度98.4モル%)である芯鞘型複合ステープル繊維((株)クラレ製、「ソフィスタ」、繊度3dtex、繊維長51mm、芯鞘重量比=50/50、捲縮数21個/25mm、捲縮率13.5%)を準備した。
(2)一方、潜在捲縮性繊維として、固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレート樹脂(A成分)と、イソフタル酸20モル%及びジエチレングリコール5モル%を共重合した変性ポリエチレンテレフタレート樹脂(B成分)とで構成されたサイドバイサイド型複合ステープル繊維((株)クラレ製、「PN−780」、1.7dtex×51mm長、機械捲縮数12個/25mm、130℃×1分熱処理後における捲縮数62個/25mm)を準備した。前記芯鞘型複合ステープル繊維(湿熱接着性繊維)と、前記ポリエステル系サイドバイサイド型複合ステープル繊維(潜在捲縮性複合繊維)とを、重量比で、潜在捲縮性複合繊維/湿熱接着性繊維=70/30の割合で混綿した後、カード法により目付約125g/m2のカードウェブを2枚重ねてシートとして作製し、次いで、50メッシュ、幅500mmのステンレス製エンドレス金網を装備したベルトコンベアに移送した。尚、このベルトコンベアの金網の上部には同じ金網を有するベルトコンベアが装備されており、それぞれが同じ速度で同方向に回転し、これら両金網の間隔を任意に調整可能なベルトコンベアを使用した。
(3)次いで、下側のベルトコンベアに備えられた水蒸気噴射装置ヘカードウェブを導入し、この装置から0.2MPaの高温水蒸気をカードウェブの厚さ方向に向けて通過するように(垂直に)噴出して水蒸気処理を施し、目付253g/m、厚み3.9mmの不織布状の繊維構造体を作製し評価を行なった。
結果を表1に示す。
参考例2]
綿タオルとして、市販のフェイスタオル(綿100%、サイズ;幅約20cm×長さ約20cm)を用いて、実施例1と同様な評価を行なった。
結果を表1に示す。
参考例3]
(1)親水性繊維として、繊度1.7dtex、繊維長40mmのビスコースレーヨン繊維『コロナ』(ダイワボウレーヨン株式会社製)を、ポリエステル繊維として、繊度1.6dtex、繊維長51mmのポリエチレンテレフタレート繊維『T471』(東レ株式会社製) を用意した。
(2)上記(1)のレーヨン繊維70重量%、ポリエステル繊維30重量%をそれぞれ混綿し、カード法によりセミランダムカードウェブを作製し、このカードウェブを細かい網目を有する全体に平坦な支持体(86メッシュ 開口率14% 綾織りポリエステルネット)に載置して連続的に移送すると共に高圧水流を噴射して交絡処理を行なった。この交絡処理は、穴径0.08mmのオリフィスをウェブの幅方向に沿って0.6mmの間隔で設けてあるノズル2本を使用して、1列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を2.0MPa、2列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を3.0MPaとして行った。さらにもう片面も同様に細かい網目を有する全体に平坦な支持体(86メッシュ 開口率14% 綾織りポリエステルネット)に載置して連続的に移送すると共に高圧水流を噴射して交絡処理を行なった。この交絡処理は、穴径0.08mmのオリフィスをウェブの幅方向に沿って0.6mmの間隔で設けてあるノズル2本を使用して、1列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を3.0MPa、2列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を4.0MPaとして行ない、目付99g/m2の不織繊維シートを作製し評価を行なった。
結果を表1に示す。
[比較例1]
一般的なフリース生地(ポリエステル100%、サイズ;幅約20cm×長さ約20cm)を用いて、実施例1と同様な評価を行なった。
結果を表1に示す。
[比較例2]
一般的なキルト芯(ポリエステル100%、サイズ;幅約20cm×長さ約20cm)を用いて、実施例1と同様な評価を行なった。
結果を表1に示す。
Figure 0006108678
表1からわかるように、親水性繊維が30重量%以上含む繊維構造体で構成された実施例1〜3のシートは遮熱性が優れたものとなる。
一方、疎水性繊維であるポリエステル繊維からなる繊維構造体で構成された比較例1、2のシートは遮熱性に劣るものであった。
本発明のシートは、親水性繊維を特定量含有する繊維構造体で構成されるので、ヘルメットカバーとして取り付けた場合、遮熱性に優れる。

Claims (1)

  1. 親水性繊維を30重量%以上含む繊維構造体からなるヘルメット用遮熱シートであって、該親水性繊維が湿熱接着性繊維であり、該繊維構造体の保水量が200%以上であり、該湿熱接着性繊維がエチレンービニルアルコール系共重合体系繊維からなり、該繊維構造体が湿熱接着性繊維とポリエステル系繊維との混綿であり、混綿比率(重量比)が30/70〜70/30であり、該ポリエステル系繊維が潜在捲縮性あるいは湿熱接着性である、ヘルメット用遮熱シート。
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