JP6995461B2 - 巻き締めを抑えた繊維シート - Google Patents

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Description

本発明は、包帯等として好適に用いることのできる繊維シートに関する。
包帯は、患部などの適用部位に巻き付けて適用部位を直接保護したり、他の保護部材(ガーゼ等)を適用部位に固定したりするために用いられるだけではなく、伸縮性を有する場合には、その伸縮性を利用した巻き付け時の圧迫力によって創傷部の止血を行ったり、血流を促進させてむくみを改善したりすることにも用いられている。また近年では、下肢静脈瘤の治療・改善など、患部を圧迫することにより治療を行う圧迫療法にも適用されるようになっている。
包帯に伸縮性を与える方法としては、1)ゴムに代表されるエラストマー等の伸縮性素材からなる糸を生地に織り込んだり、2)非伸縮性の生地にエラストマー等の伸縮性素材からなる層を組み合わせたり、伸縮性素材を含浸させたりすることが従来知られており、このような方法を用いた伸縮性包帯が多く市販されている。
例えば特許第3743966号明細書(特許文献1)には、経糸(縦糸)に弾性糸を用いることで長さ方向への伸縮性を付与した伸縮包帯が記載されている。また特許第5600119号明細書(特許文献2)には、伸長状態にある弾性フィラメントに不織布繊維を絡合させた後に弾性フィラメントの伸長状態を弛緩させる方法により、伸縮性を付与した弾性不織布繊維ウェブが記載されている。特表2014-515320号公報(特許文献3)には、不織布繊維性カバーウェブと織布スクリムとこれらの間に配置される複数の弾性糸とを含む弾性複合物品にエラストマー高分子結合剤を含浸させてなる伸縮性及び自着性を有する複合物品が記載されている。
特許第3743966号明細書 特許第5600119号明細書 特表2014-515320号公報
ゴム糸等のエラストマー素材を組み合わせた従来の伸縮性包帯は、適用部位に長時間巻き付けていると血行が阻害されたり、痛みを感じたりする不具合があった。このような不具合は、包帯を構成する材料の引張応力を小さくすることにより抑制し得る。しかし、引張応力の小さい包帯を用いると、適用部位にしっかりと固定するために強く引張りながら巻き付ける傾向にあるため、かえって上記不具合を助長するおそれがある。
そこで本発明は、適用部位に長時間巻き付けても血行阻害や痛みのような不具合を抑制することができる伸長性の繊維シート、及びこれを用いた包帯の提供を目的とする。
本発明は、以下に示す繊維シート及び包帯を提供する。
[1] 面内における第1方向に伸び率50%で伸長した直後の伸長時応力を初期伸長時応力S〔N/50mm〕、前記第1方向に伸び率50%で5分間伸長したときの伸長時応力を5分後伸長時応力S〔N/50mm〕とするとき、
下記式:
応力緩和率〔%〕=(5分後伸長時応力S/初期伸長時応力S)×100
で定義される応力緩和率が85%以下である、繊維シート。
[2] 前記応力緩和率が65%以上である、[1]に記載の繊維シート。
[3] 前記初期伸長時応力Sが2~30N/50mm以下である、[1]又は[2]に記載の繊維シート。
[4] 曲面滑り応力が5~30N/50mmである、[1]~[3]のいずれかに記載の繊維シート。
[5] 長さ方向及び幅方向を有し、
前記第1方向が前記長さ方向である、[1]~[4]のいずれかに記載の繊維シート。
[6] 不織布シートである、[1]~[5]のいずれかに記載の繊維シート。
[7] 包帯である、[1]~[6]のいずれかに記載の繊維シート。
本発明によれば、適用部位に長時間巻き付けても血行阻害や痛みのような不具合を抑制することができる伸長性の繊維シート、及びこれを用いた包帯を提供することができる。
曲面滑り応力を測定するためのサンプルを調製する方法を示す模式図である。 曲面滑り応力を測定するためのサンプルを示す断面模式図である。 曲面滑り応力の測定方法を示す模式図である。
(1)繊維シートの特性
本発明に係る繊維シート(以下、単に「繊維シート」ともいう。)は、一般的な包帯のほか、止血や圧迫療法等に用いられる圧迫用包帯などの医療用物品として好適に用いることができる伸長性を有する繊維シートである。本明細書において「伸長性を有する」とは、シート面内における少なくとも一方向(第1方向)において50%伸長時応力を示すことを意味しており、この50%伸長時応力は、好ましくは0.1N/50mm以上であることが好ましく、0.5N/50mm以上であることがより好ましく、1N/50mm以上であることがさらに好ましい。
上記の50%伸長時応力は、上記第1方向に伸び率50%で伸長した直後の伸長時応力を意味しており、本明細書においてはこれを「初期伸長時応力S」〔単位:N/50mm〕ともいう。初期伸長時応力Sは、JIS L 1913「一般不織布試験方法」に準拠する引張試験によって測定される。初期伸長時応力Sは、好ましくは30N/50mm以下であり、より好ましくは20N/50mm以下、さらに好ましくは15N/50mm以下である。初期伸長時応力Sが30N/50mm以下であることは、適用部位に長時間巻き付けたときに起こり得る血行阻害や痛みのような不具合を抑制するうえで有利である。
繊維シートの上記第1方向は、製造工程での繊維シートの流れ方向(MD方向)であることができ、繊維シートが例えば包帯のように長さ方向及び幅方向を有する場合には、繊維シートの長さ方向であることが好ましい。この場合、包帯である繊維シートは、その長さ方向に沿って伸長させながら適用部位に巻き付けられる。繊維シートが長さ方向及び幅方向を有する場合、MD方向と直交する方向であるCD方向は、好ましくは幅方向である。
繊維シートにおける上記第1方向以外の方向、例えばCD方向や、繊維シートが包帯のように長さ方向及び幅方向を有する場合の幅方向における50%伸長時応力は、例えば0.5~50N/50mmであり、好ましくは1~30N/50mmである。
繊維シートは、上記第1方向に伸び率50%で5分間伸長したときの伸長時応力を5分後伸長時応力S〔N/50mm〕とするとき、下記式:
応力緩和率〔%〕=(5分後伸長時応力S/初期伸長時応力S)×100
で定義される応力緩和率が85%以下である。
「第1方向に伸び率50%で5分間伸長したときの伸長時応力」とは、第1方向に伸び率50%で伸長し、その状態で5分間保持したときの伸長時応力を意味し、初期伸長時応力Sと同様、JIS L 1913「一般不織布試験方法」に準拠する引張試験によって測定される。
応力緩和率が85%以下である繊維シートによれば、適用部位に長時間巻き付けたときに起こり得る血行阻害や痛みのような不具合を効果的に抑制することができる。すなわち、当該繊維シートによれば、適用部位に巻き付けた状態において、時間とともに繊維シートの引張応力が適度に緩和されるので、巻き締めによる上記不具合が生じにくくなる。応力緩和率は、好ましくは84%以下であり、より好ましくは83%以下である。
応力緩和率は、好ましくは65%以上であり、より好ましくは70%以上であり、さらに好ましくは75%以上である。応力緩和率がこの範囲であれば、適用部位に巻き付けた後、巻き付け状態が次第に緩んで、巻き付けた繊維シートにズレやハガレが生じることを抑制することができる。
繊維シートは、好ましくは自着性を示す。本明細書において「自着性」とは、繊維シート表面の繊維同士の重ね合わせ(接触)によってこれらが互いに係合又は密着して掛止又は固定可能な性質をいう。自着性を有することは、繊維シートが包帯等である場合に有利である。例えば、繊維シートが包帯である場合、包帯を適用部位に巻き付けた後、その端部を、その下にある包帯の表面に重ねる(又は引きちぎって重ねる)という動作により、巻き付けられた繊維シート同士が伸ばされながら押し付けられて繊維シート同士が接合して固定され、自着性を発現する。
繊維シート自体が自着性を有することにより、繊維シート表面にエラストマーや粘着剤等の自着剤からなる層を形成したり、巻き付けた後の先端部を固定するための止め具を別途用意したりする必要がなくなる。繊維シートは、非エラストマー素材のみで構成されていることが好ましく、より具体的には繊維のみで構成されていることが好ましい。例えば特開2005-095381号公報(特許文献4)には、包帯基材の少なくとも片面に自着剤としてアクリル系重合体(請求項1)やラテックス(段落[0004]~[0006])を付着させることが記載されている。しかし、このようなエラストマーからなる層を繊維シート表面に形成することは、適用部位に長時間巻き付けたとき、血行阻害や痛み等の不具合を生じることがある。また、エラストマーからなる層は、適用部位に巻き付けたとき、皮膚刺激やアレルギーを誘発するおそれもある。
繊維シートの自着性は、曲面滑り応力によって評価することができる。自着性の観点から、繊維シートは、曲面滑り応力が例えば3N/50mm以上であり、好ましくは5N/50mm以上であり、また曲面滑り応力は、破断強度より大きいことが好ましい。また所望時には、巻き付けた繊維シートを解くことが比較的容易であることから、曲面滑り応力は、好ましくは30N/50mm以下であり、より好ましくは25N/50mm以下である。曲面滑り応力は、引張試験機を用いて、実施例の項に記載の方法に従って測定される(図1~図3)。
繊維シートは、好ましくは手切れ性を有する。本明細書において「手切れ性」とは、手による引張によって破断(切断)することができる性質をいう。繊維シートの手切れ性は、破断強度によって評価することができる。手切れ性の観点から、繊維シートは、シート面内における少なくとも一方向についての破断強度が、好ましくは5~100N/50mm、より好ましくは8~60N/50mm、さらに好ましくは10~40N/50mmである。破断強度が上記範囲であることにより、手で比較的容易に破断(切断)できる良好な手切れ性を付与することができる。破断強度が大きすぎると手切れ性が低下し、例えば片手で繊維シートを切断することが困難になる。また破断強度が小さすぎると、繊維シートの強度が不足して容易に破断し、耐久性及び取扱性が低下する。破断強度は、JIS L 1913「一般不織布試験方法」に準拠する引張試験によって測定される。
上記シート面内における少なくとも一方向は、繊維シートを手で切断する際の引張方向であり、好ましくは上記の第1方向である。この第1方向はMD方向であることができ、繊維シートが例えば包帯のように長さ方向及び幅方向を有する場合には、繊維シートの長さ方向であることが好ましい。すなわち、繊維シートが包帯として使用される場合、包帯をその長さ方向に沿って伸長しながら適用部位へ巻き付けた後に長さ方向に破断させるのが通常であるため、第1方向は、引張方向である長さ方向であることが好ましい。
上記シート面内における少なくとも一方向以外の方向、例えばCD方向や、繊維シートが包帯のように長さ方向及び幅方向を有する場合の幅方向における破断強度は、例えば0.1~300N/50mmであり、好ましくは0.5~100N/50mm、より好ましくは1~20N/50mmである。
手切れ性の観点からも、繊維シートは、非エラストマー素材のみで構成されていることが好ましく、より具体的には繊維のみで構成されていることが好ましい。エラストマーからなる層等を繊維シート表面に形成すると、手切れ性が低下し得る。
繊維シートは、シート面内における少なくとも一方向についての破断伸度が、例えば50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは80%以上である。破断伸度が上記範囲にあることは、繊維シートの伸縮性を高めるうえで有利である。また繊維シートを包帯として使用する場合において、これを関節等の動きの大きい箇所に適用したときの追従性を高めることができる。上記シート面内における少なくとも一方向についての破断伸度は、通常300%以下であり、好ましくは250%以下である。破断伸度もまた、JIS L 1913「一般不織布試験方法」に準拠する引張試験によって測定される。
上記シート面内における少なくとも一方向は、好ましくは上記の第1方向である。この第1方向はMD方向であることができ、繊維シートが例えば包帯のように長さ方向及び幅方向を有する場合には、繊維シートの長さ方向であることが好ましい。
上記シート面内における少なくとも一方向以外の方向、例えばCD方向や、繊維シートが包帯のように長さ方向及び幅方向を有する場合の幅方向における破断伸度は、例えば10~500%であり、好ましくは100~350%である。
繊維シートは、シート面内における少なくとも一方向についての50%伸長後における回復率(50%伸長後回復率)が、好ましくは70%以上(100%以下)、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。50%伸長回復率がこの範囲にあると、伸長に対する追従性が向上し、例えば、包帯として使用した場合に、使用箇所の形状に十分に追従するととものに、重ねた繊維シート同士の摩擦による自着性の向上に有利となる。伸長回復率が過度に小さい場合には、使用箇所が複雑な形状をしていたり、使用中に動いたりした場合、繊維シートがその動きに追従できず、また、体の動きによって変形した箇所が元に戻らず、巻き付けた繊維シート固定が弱くなる。
上記シート面内における少なくとも一方向は、好ましくは上記の第1方向である。この第1方向はMD方向であることができ、繊維シートが例えば包帯のように長さ方向及び幅方向を有する場合には、繊維シートの長さ方向であることが好ましい。
50%伸長後回復率は、JIS L 1913「一般不織布試験方法」に準拠する引張試験において、伸び率が50%に到達した後すぐに荷重を除去したときの、試験後の残留歪み(%)をXとするとき、下記式:
50%伸長後回復率(%)=100-X
で定義される。
上記シート面内における少なくとも一方向以外の方向、例えばCD方向や、繊維シートが包帯のように長さ方向及び幅方向を有する場合の幅方向における50%伸長後回復率は、例えば70%以上(100%以下)であり、好ましくは80%以上である。
繊維シートの目付は、好ましくは30~300g/m2であり、より好ましくは50~200g/m2である。繊維シートの厚みは、例えば0.2~5mm、好ましくは0.3~3mmであり、より好ましくは0.4~2mmである。目付及び厚みがこの範囲にあると、繊維シートの伸縮性と、柔軟性、風合い及びクッション性とのバランスが良好となる。繊維シートの密度(嵩密度)は、上記目付及び厚みに応じた値であることができ、例えば0.03~0.5g/cm3、好ましくは0.04~0.4g/cm3、より好ましくは0.05~0.2g/cm3である。
フラジール形法による繊維シートの通気度は、好ましくは0.1cm3/(cm2・秒)以上、より好ましくは1~500cm3/(cm2・秒)、さらに好ましくは5~300cm3/(cm2・秒)、特に好ましくは10~200cm3/(cm2・秒)である。通気度がこの範囲内にあると、通気性が良好でむれにくいため、包帯等の人体に使用する用途により適する。
(2)繊維シートの構成及び製造方法
繊維シートは、繊維で構成される限り特に制限されず、例えば織布、不織布、ニット(編布)等であることができる。繊維シートの形状は用途に応じて選択できるが、好ましくはテープ状又は帯状(長尺状)のような長さ方向及び幅方向を有する矩形シート状である。繊維シートは、単層構造であってもよいし、2以上の繊維層から構成される多層構造であってもよい。
繊維シートに伸縮性や伸長性を与える手段としては、1)織布、不織布、ニット等の繊維シート基材にギャザー加工を施す方法、2)不織布を構成する繊維の少なくとも一部にコイル状に捲縮した捲縮繊維を用いる方法などを挙げることができる。上述のように、ゴムに代表されるエラストマー等の伸縮性素材からなる糸を繊維シートに織り込んだり、非伸縮性の繊維シート基材にエラストマー等の伸縮性素材からなる層を組み合わせたり、伸縮性素材を含浸させたりする方法は、適用部位に長時間巻き付けたとき、血行阻害や痛みのような不具合を招来する。
繊維シートは、自着性、手切れ性、関節に巻き付けたときの関節の曲げやすさ、関節等の凹凸部位に巻き付けたときの凹凸部位へ沿い性(フィット性)などの観点から、不織布で構成されること、すなわち不織布シートであることが好ましく、コイル状に捲縮した捲縮繊維を含む不織布で構成されることがより好ましく、上記捲縮繊維を含み、かつギャザー加工が施されていない不織布で構成されることがさらに好ましい。特に好ましくは、不織布シートは、上記捲縮繊維のみで構成される。
捲縮繊維を含む不織布で構成される繊維シートは、これを構成する各繊維が実質的に融着することなく、主として、捲縮繊維が互いにそれらの捲縮コイル部で絡み合って拘束又は掛止された構造を有していることが好ましい。また殆ど(大部分)の捲縮繊維(捲縮繊維の軸芯方向)は、シート面に対して略平行に配向していることが好ましい。本願明細書において「面方向に対して略平行に配向している」とは、例えばニードルパンチによる交絡のように、局部的に多数の捲縮繊維(捲縮繊維の軸芯方向)が厚み方向に沿って配向している部分が繰り返し存在しない状態を意味する。
捲縮繊維を含む不織布で構成される繊維シートにおいては、好ましくは、捲縮繊維がシート面内におけるある方向(例えば上記の第1方向、好ましくは長さ方向)に配向しており、隣接又は交差する捲縮繊維同士は、それらの捲縮コイル部で互いに交絡している。また、繊維シートの厚み方向(又は斜め方向)でも、好ましくは、軽度に捲縮繊維同士が交絡している。捲縮繊維同士の交絡は、繊維シートの前駆体である繊維ウェブを収縮させる過程に伴って生じさせることができる。
捲縮繊維(捲縮繊維の軸芯方向)がシート面内におけるある方向に配向し、交絡している不織布は、この方向に良好な伸縮性(伸長性を含む。)を示す。上記ある方向が例えば長さ方向である場合、この伸縮性不織布は、長さ方向に張力を付与すると、交絡した捲縮コイル部が伸長し、かつ元のコイル状に戻ろうとするため、長さ方向において高い伸縮性を示すことができる。また、不織布の厚み方向における捲縮繊維同士の軽度な交絡によって、厚み方向におけるクッション性及び柔軟性を発現することができ、これにより不織布は、良好な肌触り及び風合いを有することができる。さらに、捲縮コイル部は、ある程度の圧力での接触により他の捲縮コイル部と容易に交絡する。この捲縮コイル部の交絡によって自着性を発現させることができる。
捲縮繊維を含む不織布で構成される繊維シートは、捲縮繊維の配向方向(例えば上記の第1方向、好ましくは長さ方向)に張力を付与すると、交絡した捲縮コイル部が弾性変形により伸長し、さらに張力を付与すると、ついには解けるため、切断性(手切れ性)も良好である。
上述のように、繊維シートを構成し得る不織布は、コイル状に捲縮した捲縮繊維を含むことが好ましい。捲縮繊維は、好ましくは、主に不織布の面方向に配向しており、また好ましくは、厚み方向において略均一に捲縮している。捲縮繊維は、熱収縮率(又は熱膨張率)の異なる複数の樹脂が相構造を形成した複合繊維で構成することができる。
捲縮繊維を構成する複合繊維は、複数の樹脂の熱収縮率(又は熱膨張率)の違いに起因して、加熱により捲縮を生じる非対称又は層状(いわゆるバイメタル)構造を有する繊維(潜在捲縮繊維)である。複数の樹脂は通常、軟化点又は融点が異なる。複数の樹脂は、例えば、ポリオレフィン系樹脂(低密度、中密度又は高密度ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリC2-4オレフィン系樹脂等);アクリル系樹脂(アクリロニトリル-塩化ビニル共重合体のようなアクリロニトリル単位を有するアクリロニトリル系樹脂等);ポリビニルアセタール系樹脂(ポリビニルアセタール樹脂等);ポリ塩化ビニル系樹脂(ポリ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-アクリロニトリル共重合体等);ポリ塩化ビニリデン系樹脂(塩化ビニリデン-塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン-酢酸ビニル共重合体等);スチレン系樹脂(耐熱ポリスチレン等);ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂のようなポリC2-4アルキレンアリレート系樹脂等);ポリアミド系樹脂(ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド610、ポリアミド612のような脂肪族ポリアミド系樹脂、半芳香族ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンイソフタルアミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ポリp-フェニレンテレフタルアミドのような芳香族ポリアミド系樹脂等);ポリカーボネート系樹脂(ビスフェノールA型ポリカーボネート等);ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリウレタン系樹脂;セルロース系樹脂(セルロースエステル等)などの熱可塑性樹脂から選択することができる。さらに、これらの各熱可塑性樹脂には、共重合可能な他の単位が含まれていてもよい。
中でも、上記複数の樹脂は、高温水蒸気で加熱処理しても溶融又は軟化して繊維が融着しない点から、軟化点又は融点が100℃以上の非湿熱接着性樹脂(又は耐熱性疎水性樹脂若しくは非水性樹脂)、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂が好ましく、特に、耐熱性や繊維形成性等のバランスに優れる点から、芳香族ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂が好ましい。不織布を構成する複合繊維(潜在捲縮繊維)を高温水蒸気で処理しても該繊維が融着しないよう、少なくとも複合繊維の表面に露出する樹脂は非湿熱接着性繊維であることが好ましい。
複合繊維を構成する複数の樹脂は、熱収縮率が異なっていればよく、同系統の樹脂の組み合わせであっても、異種の樹脂の組み合わせであってもよい。
密着性の観点からは、複合繊維を構成する複数の樹脂は、同系統の樹脂の組み合わせであることが好ましい。同系統の樹脂の組み合わせの場合は通常、単独重合体(必須成分)を形成する成分(A)と、変性重合体(共重合体)を形成する成分(B)との組み合わせが用いられる。すなわち、必須成分である単独重合体に対して、例えば、結晶化度や融点又は軟化点等を低下させる共重合性単量体を共重合させて変性することにより、単独重合体よりも結晶化度を低下させるか又は非晶性とし、単独重合体よりも融点又は軟化点等を低下させてもよい。このように、結晶性、融点又は軟化点を変化させることにより、熱収縮率に差異を設けることができる。融点又は軟化点の差は、例えば、5~150℃、好ましくは40~130℃、より好ましくは60~120℃であることができる。変性に用いられる共重合性単量体の割合は、全単量体に対して、例えば、1~50モル%、好ましくは2~40モル%、さらに好ましくは3~30モル%(特に5~20モル%)である。単独重合体を形成する成分と、変性重合体を形成する成分との質量比は、繊維の構造に応じて選択できるが、例えば、単独重合体成分(A)/変性重合体成分(B)=90/10~10/90、好ましくは70/30~30/70、より好ましくは60/40~40/60である。
潜在捲縮性の複合繊維を製造し易いことから、複合繊維は芳香族ポリエステル系樹脂の組み合わせ、特に、ポリアルキレンアリレート系樹脂(a)と、変性ポリアルキレンアリレート系樹脂(b)との組み合わせであることが好ましい。ポリアルキレンアリレート系樹脂(a)は、芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸のような対称型芳香族ジカルボン酸等)とアルカンジオール成分(エチレングリコールやブチレングリコールのようなC2-6アルカンジオール等)との単独重合体であることができる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)のようなポリC2-4アルキレンテレフタレート系樹脂等が使用され、通常、固有粘度0.6~0.7の一般的なPET繊維に用いられるPETが使用される。
一方、変性ポリアルキレンアリレート系樹脂(b)において、必須成分であるポリアルキレンアリレート系樹脂(a)の融点又は軟化点、結晶化度を低下させる共重合成分としては、例えば、非対称型芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸のようなジカルボン酸成分や、ポリアルキレンアリレート系樹脂(a)のアルカンジオールよりも鎖長の長いアルカンジオール成分及び/又はエーテル結合含有ジオール成分が挙げられる。共重合成分は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。これらの成分のうち、ジカルボン酸成分として、非対称型芳香族ジカルボン酸(イソフタル酸、フタル酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸等)、脂肪族ジカルボン酸(アジピン酸のようなC6-12脂肪族ジカルボン酸)等が汎用され、ジオール成分として、アルカンジオール(1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールのようなC3-6アルカンジオール等)、ポリオキシアルキレングリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールのようなポリオキシC2-4アルキレングリコール等)などが汎用される。これらのうち、イソフタル酸のような非対称型芳香族ジカルボン酸、ジエチレングリコールのようなポリオキシC2-4アルキレングリコール等が好ましい。さらに、変性ポリアルキレンアリレート系樹脂(b)は、C2-4アルキレンアリレート(エチレンテレフタレート、ブチレンテレフタレート等)をハードセグメントとし、(ポリ)オキシアルキレングリコール等をソフトセグメントとするエラストマーであってもよい。
変性ポリアルキレンアリレート系樹脂(b)において、融点又は軟化点を低下させるためのジカルボン酸成分(例えば、イソフタル酸等)の割合は、変性ポリアルキレンアリレート系樹脂(b)を構成するジカルボン酸成分の全量に対して、例えば、1~50モル%、好ましくは5~50モル%、より好ましくは15~40モル%である。また、融点又は軟化点を低下させるためのジオール成分(例えば、ジエチレングリコール等)の割合は、変性ポリアルキレンアリレート系樹脂(b)を構成するジオール成分の全量に対して、例えば、30モル%以下、好ましくは10モル%以下(例えば、0.1~10モル%)である。共重合成分の割合が低すぎると、充分な捲縮が発現せず、捲縮発現後の不織布の形態安定性及び伸縮性が低下する。一方、共重合成分の割合が高すぎると、捲縮発現性能は高くなるが、安定に紡糸することが困難となる。
変性ポリアルキレンアリレート系樹脂(b)は、必要に応じて、トリメリット酸、ピロメリット酸のような多価カルボン酸成分、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトールのようなポリオール成分等を単量体成分として含んでいてもよい。
複合繊維の横断面形状(繊維の長手方向に垂直な断面形状)は、一般的な中実断面形状である丸型断面や異型断面[偏平状、楕円状、多角形状、3~14葉状、T字状、H字状、V字状、ドッグボーン(I字状)等]に限定されず、中空断面状等であってもよいが、通常、丸型断面である。
複合繊維の横断面構造としては、複数の樹脂によって形成された相構造、例えば、芯鞘型、海島型、ブレンド型、並列型(サイドバイサイド型又は多層貼合型)、放射型(放射状貼合型)、中空放射型、ブロック型、ランダム複合型等の構造が挙げられる。中でも、加熱により自発捲縮を発現させ易いことから、相部分が隣り合う構造(いわゆるバイメタル構造)や、相構造が非対称である構造、例えば、偏芯芯鞘型、並列型構造が好ましい。
なお、複合繊維が偏芯芯鞘型のような芯鞘型構造である場合、表面に位置する鞘部の非湿熱性接着性樹脂と熱収縮差を有し捲縮可能である限り、芯部は湿熱接着性樹脂(例えば、エチレン-ビニルアルコール共重合体やポリビニルアルコールのようなビニルアルコール系重合体等)や、低い融点又は軟化点を有する熱可塑性樹脂(例えば、ポリスチレンや低密度ポリエチレン等)で構成されていてもよい。
複合繊維の平均繊度は、例えば0.1~50dtexであり、好ましくは0.5~10dtex、より好ましくは1~5dtexである。繊度が小さすぎると、繊維そのものが製造し難くなることに加え、繊維強度を確保し難い。また、捲縮を発現させる工程において、綺麗なコイル状捲縮を発現させ難くなる。一方、繊度が大きすぎると、繊維が剛直となり、十分な捲縮を発現し難くなる。
複合繊維の平均繊維長は、例えば10~100mmであり、好ましくは20~80mm、より好ましくは25~75mmである。平均繊維長が短すぎると、繊維ウェブの形成が難しくなることに加え、捲縮を発現させたときに捲縮繊維同士の交絡が不十分となり、不織布の強度及び伸縮性の確保が困難となり得る。平均繊維長が長すぎると、均一な目付の繊維ウェブを形成することが難しくなり、また、ウェブ形成時点で繊維同士の交絡が多く発現し、捲縮を発現する際に互いに妨害し合って伸縮性の発現が困難となり得る。平均繊維長が上記範囲にあると、不織布表面で捲縮した繊維の一部が不織布表面に適度に露出するため、不織布の自着性を向上させることができる。さらに、上記範囲の平均繊維長は、良好な手切れ性を得るうえでも有利である。
上記複合繊維は潜在捲縮繊維であり、熱処理を施すことにより、捲縮が発現(又は顕在化)し、略コイル状(螺旋状又はつるまきバネ状)の立体捲縮を有する繊維となる。
加熱前の捲縮数(機械捲縮数)は、例えば0~30個/25mm、好ましくは1~25個/25mm、より好ましくは5~20個/25mmである。加熱後の捲縮数は、例えば30個/25mm以上(例えば、30~200個/25mm)であり、好ましくは35~150個/25mmである。
不織布を構成する捲縮繊維は、上述のように、捲縮発現後において略コイル状の捲縮を有する。この捲縮繊維のコイルで形成される円の平均曲率半径は、例えば10~250μmであり、好ましくは20~200μm、より好ましくは50~160μmである。平均曲率半径は、捲縮繊維のコイルにより形成される円の平均的大きさを表す指標であり、この値が大きい場合は、形成されたコイルがルーズな形状を有し、言い換えれば捲縮数の少ない形状を有していることを意味する。また、捲縮数が少ないと、捲縮繊維同士の交絡も少なくなり、コイル形状の変形に対して形状回復しにくいことになるため、十分な伸縮性能を発現するためには不利となる。平均曲率半径が小さすぎると、捲縮繊維同士の交絡が十分行われず、ウェブ強度を確保することが困難となり、また、コイルの形状が変形する際の応力が大きすぎて破断強度が過度に大きくなり、適度な伸縮性を得ることが難しくなる。
捲縮繊維において、コイルの平均ピッチ(平均捲縮ピッチ)は、例えば0.03~0.5mmであり、好ましくは0.03~0.3mm、より好ましくは0.05~0.2mmである。平均ピッチが過度に大きいと、繊維1本あたりに発現できるコイル捲縮数が少なくなってしまい、十分な伸縮性を発揮できなくなる。平均ピッチが過度に小さいと、捲縮繊維同士の交絡が十分に行われず、不織布の強度を確保することが困難になる。
不織布(繊維ウェブ)には、上記複合繊維に加えて、他の繊維(非複合繊維)が含まれていてもよい。非複合繊維の具体例は、上述の非湿熱接着性樹脂又は湿熱接着性樹脂で構成される繊維の他、セルロース系繊維[例えば、天然繊維(木綿、羊毛、絹、麻な等)、半合成繊維(トリアセテート繊維のようなアセテート繊維等)、再生繊維(レーヨン、ポリノジック、キュプラ、リヨセル(例えば、登録商標名:「テンセル」等)等)]などで構成される繊維を含む。非複合繊維の平均繊度及び平均繊維長は、複合繊維と同様であることができる。非複合繊維は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
複合繊維と非複合繊維との割合(質量比)は、繊維シートの応力緩和率が上述の範囲内となるよう適切に調整されることが好ましい。当該割合は、例えば複合繊維/非複合繊維=50/50~100/0であり、好ましくは60/40~100/0、より好ましくは70/30~100/0、さらに好ましくは80/20~100/0、特に好ましくは90/10~100/0である。非複合繊維を混綿することにより、不織布の強度と伸縮性又は柔軟性とのバランスを調整できる。
不織布(繊維ウェブ)は、慣用の添加剤、例えば、安定剤(熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤等)、抗菌剤、消臭剤、香料、着色剤(染顔料等)、充填剤、帯電防止剤、難燃剤、可塑剤、潤滑剤、結晶化速度遅延剤等を含有していてもよい。添加剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。添加剤は、繊維表面に担持されていてもよく、繊維中に含まれていてもよい。
捲縮繊維を含む不織布で構成される繊維シートは、上記複合繊維(潜在捲縮繊維)を含む繊維をウェブ化する工程(ウェブ化工程)と、繊維ウェブを加熱して複合繊維を捲縮させる工程(加熱工程)とを含む方法によって好適に製造することができる。
ウェブ化工程における繊維ウェブの形成方法としては、慣用の方法、例えば、スパンボンド法、メルトブロー法のような直接法、メルトブロー繊維やステープル繊維等を用いたカード法、エアレイ法のような乾式法等を利用できる。中でも、メルトブロー繊維やステープル繊維を用いたカード法、特にステープル繊維を用いたカード法が汎用される。ステープル繊維を用いて得られるウェブとしては、例えばランダムウェブ、セミランダムウェブ、パラレルウェブ、クロスラップウェブ等が挙げられる。
加熱工程に先立ち、繊維ウェブ中の少なくとも一部の繊維を絡合させる絡合工程を実施してもよい。この絡合工程を実施することにより、次の加熱工程において捲縮繊維が適度に交絡した不織布を得ることができる。絡合方法は、機械的に交絡させる方法であってもよいが、水の噴霧又は噴射(吹き付け)により交絡させる方法が好ましい。水流により繊維を絡合させることは、加熱工程の捲縮による交絡の密度を高めるうえで有利である。噴霧又は噴射させる水は、繊維ウェブの一方の面から吹き付けてもよく、両面から吹き付けてもよいが、強い交絡を効率的に行う点からは、両面から吹き付けることが好ましい。
絡合工程における水の噴出圧力は、繊維交絡が適度な範囲となるように、例えば2MPa以上、好ましくは3~12MPa、より好ましくは4~10MPaである。噴霧又は噴射される水の温度は、例えば5~50℃、好ましくは10~40℃である。
水を噴霧又は噴射する方法としては、簡便性等の観点から、規則的な噴霧域又は噴霧パターンを有するノズル等を用いて水を噴射する方法が好ましい。具体的には、エンドレスコンベア等のベルトコンベアにより移送される繊維ウェブに対して、コンベアベルト上に載置された状態で、水を噴射することができる。コンベアベルトは通水性であってもよく、繊維ウェブの裏側からも通水性のコンベアベルトを通過させて、水を繊維ウェブに噴射してもよい。なお、水の噴射による繊維の飛散を抑制するために、予め少量の水で繊維ウェブを濡らしておいてもよい。
水を噴霧又は噴射するためのノズルは、所定のオリフィスが幅方向に連続的に並んだプレートやダイスを用い、これを供給される繊維ウェブの幅方向にオリフィスが並ぶように配置すればよい。オリフィス列は1列以上あればよく、複数列が並行した配列であってもよい。また、1列のオリフィス列を有するノズルダイを複数台並列に設置してもよい。
上記の絡合工程に先立って、繊維ウェブ中の繊維を面内において偏在化させる工程(偏在化工程)を設けてもよい。この工程を実施することで、繊維ウェブに繊維密度が疎になる領域が形成されるようになるため、絡合工程が水流絡合である場合において、水流を繊維ウェブ内部にまで効率的に噴射することができ、繊維ウェブの表面だけでなく内部においても適度な交絡を実現させやすくなる。
偏在化工程は、繊維ウェブへの低圧力水の噴霧又は噴射により行うことができる。繊維ウェブへの低圧力水の噴霧又は噴射は、連続的であってもよいが、間欠的又は周期的に噴霧することが好ましい。水を間欠的又は周期的に繊維ウェブに噴霧することにより、複数の低密度部と複数の高密度部とを、周期的に交互に形成することができる。
偏在化工程における水の噴出圧力はできるだけ低い圧力が望ましく、例えば0.1~1.5MPa、好ましくは0.3~1.2MPa、より好ましくは0.6~1.0MPaである。噴霧又は噴射される水の温度は、例えば5~50℃、好ましくは10~40℃である。
水を間欠的又は周期的に噴霧又は噴射する方法としては、繊維ウェブに密度の勾配を周期的に交互に形成できる方法であれば特に限定されないが、簡便性等の点から、複数の孔で形成された規則的な噴霧域又は噴霧パターンを有する板状物(多孔板等)を介して水を噴射する方法が好ましい。
加熱工程では、繊維ウェブは高温水蒸気で加熱され、捲縮される。高温水蒸気で処理する方法では、繊維ウェブは、高温又は過熱水蒸気(高圧スチーム)流に晒され、これにより複合繊維(潜在捲縮繊維)にコイル捲縮が生じる。繊維ウェブは通気性を有しているため、一方向からの処理であっても、高温水蒸気が内部にまで浸透し、厚み方向において略均一な捲縮が発現し、均一に繊維同士が交絡する。
繊維ウェブは高温水蒸気処理と同時に収縮する。従って、供給する繊維ウェブは、高温水蒸気に晒される直前では、目的とする不織布の面積収縮率に応じてオーバーフィードされていることが望ましい。オーバーフィードの割合は、目的の不織布の長さに対して、110~300%、好ましくは120~250%である。
繊維ウェブに水蒸気を供給するために、慣用の水蒸気噴射装置を用いることができる。水蒸気噴射装置は、所望の圧力と量で、繊維ウェブ全幅にわたって概ね均一に水蒸気を吹き付け可能な装置であることが好ましい。水蒸気噴射装置は、繊維ウェブの一方の面側のみに設けられてもよいし、繊維ウェブの表と裏を一度に水蒸気処理するために、さらに他方の面側にも設けられてもよい。
水蒸気噴射装置から噴射される高温水蒸気は、気流であるため、水流絡合処理やニードルパンチ処理とは異なり、繊維ウェブ中の繊維を大きく移動させることなく繊維ウェブ内部へ進入する。この繊維ウェブ中への水蒸気流の進入作用によって、水蒸気流が繊維ウェブ内に存在する各繊維の表面を効率的に覆い、均一な熱捲縮を可能にする。また、乾熱処理に比べても、繊維ウェブ内部に対して充分に熱を伝導できるため、面方向及び厚み方向における捲縮の程度が概ね均一になる。
高温水蒸気を噴射するためのノズルも、上記水流絡合のノズルと同様に、所定のオリフィスが幅方向に連続的に並んだプレートやダイスを用い、これを供給される繊維ウェブの幅方向にオリフィスが並ぶように配置すればよい。オリフィス列は1列以上あればよく、複数列が並行した配列であってもよい。また、1列のオリフィス列を有するノズルダイを複数台並列に設置してもよい。
使用する高温水蒸気の圧力は、0.1~2MPa(例えば0.2~1.5MPa)の範囲から選択することができる。水蒸気の圧力が高すぎる場合には、繊維ウェブを形成する繊維が必要以上に動いて地合の乱れを生じたり、繊維が必要以上に交絡したりする場合がある。圧力が弱すぎる場合には、繊維の捲縮発現に必要な熱量を繊維ウェブに付与できなくなったり、水蒸気が繊維ウェブを貫通できず、厚み方向における繊維の捲縮の発現が不均一になったりしやすい。高温水蒸気の温度は、繊維の材質等にもよるが、70~180℃(例えば80~150℃)の範囲から選択することができる。高温水蒸気の処理速度は、200m/分以下(例えば0.1~100m/分)の範囲から選択することができる。
このようにして繊維ウェブ内の複合繊維の捲縮を発現させた後、不織布に水分が残留する場合があるので、必要に応じて不織布を乾燥させる乾燥工程を設けてもよい。乾燥方法としては、シリンダー乾燥機やテンターのような乾燥設備を用いる方法;遠赤外線照射、マイクロ波照射、電子線照射のような非接触法;熱風を吹き付けたり、熱風中を通過させる方法等を挙げることができる。
以上のような繊維シートの製造方法において応力緩和率を上述の範囲に調整する方法としては、例えば、複合繊維と非複合繊維との含有割合を調整する方法;加熱工程で用いる高温水蒸気の条件(特に温度及び/又は圧力)を調整する方法;乾燥工程における乾燥温度を調整する方法などを挙げることができる。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例で得られた繊維シート(包帯)における各物性値は下記の方法により測定した。
〔1〕機械捲縮数(個/25mm)
JIS L 1015「化学繊維ステープル試験方法」(8.12.1)に準じて測定した。
〔2〕平均コイル捲縮数(個/mm)
繊維シートから捲縮繊維(複合繊維)を、コイル捲縮を引き伸ばさないよう注意しながら抜き取り、機械捲縮数の測定と同様に、JIS L 1015「化学繊維ステープル試験方法」(8.12.1)に準じて測定した。
〔3〕平均捲縮ピッチ(μm)
平均コイル捲縮数の測定時に、連続して隣り合うコイル間の距離を測定し、n数=100の平均値として測定した。
〔4〕平均曲率半径(μm)
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、繊維シートの任意の断面を100倍に拡大した写真を撮影した。撮影した断面写真に写っている繊維の中で、1周以上の螺旋(コイル)を形成している繊維について、その螺旋に沿って円を描いたときの円の半径(コイル軸方向から捲縮繊維を観察したときの円の半径)を求め、これを曲率半径(μm)とした。なお、繊維が楕円状に螺旋を描いている場合は、楕円の長径と短径との和の1/2を曲率半径とした。ただし、捲縮繊維が充分なコイル捲縮を発現していない場合や、繊維の螺旋形状が斜めから観察されることにより楕円として写っている場合を排除するために、楕円の長径と短径との比が0.8~1.2の範囲に入る楕円だけを測定対象とした。平均曲率半径(μm)は、n数=100の平均値として求めた。
〔5〕目付(g/m2
JIS L 1913「一般不織布試験方法」に準じて測定した。
〔6〕厚み(mm)及び密度(g/cm3
JIS L 1913「一般不織布試験方法」に準じて繊維シートの厚みを測定し、この値と〔5〕の方法で測定した目付とから密度を算出した。
〔7〕破断強度(N/50mm)及び破断伸度(%)
JIS L 1913「一般不織布試験方法」に準じて測定した。繊維シートの長さ方向(MD方向)及び幅方向(CD方向)のそれぞれについて測定を行った。
〔8〕初期伸長時応力S(N/50mm)、5分後伸長時応力S(N/50mm)及び応力緩和率(%)
JIS L 1913「一般不織布試験方法」に準じて、長さ方向(MD方向)に伸び率50%で伸長した直後の伸長時応力である初期伸長時応力S、及び長さ方向(MD方向)に伸び率50%で伸長し、その状態で5分間保持したときの伸長時応力である5分後伸長時応力Sを測定し、上記定義式に従って応力緩和率を算出した。
〔9〕50%伸長後回復率
JIS L 1913「一般不織布試験方法」に準拠する引張試験を実施し、下記式:
50%伸長後回復率(%)=100-X
に基づいて50%伸長後回復率を求めた。式中、Xは、引張試験において、伸び率が50%に到達した後すぐに荷重を除去したときの、試験後の残留歪み(%)である。50%伸長後回復率は、繊維シートの長さ方向(MD方向)及び幅方向(CD方向)のそれぞれについて測定した。
〔10〕曲面滑り応力(N/50mm)
まず繊維シートを、MD方向が長さ方向となるように50mm幅×600mm長の大きさにカットし、サンプル1とした。次に、図1(a)に示すように、サンプル1の一方の端部を片面粘着テープ2で巻芯3(外径30mm×長さ150mmのポリプロピレン樹脂製パイプロール)に固定した後、このサンプル1のもう一方の端部にワニ口クリップ4(掴み幅50mm、使用にあたり口部内側に0.5mm厚のゴムシートを両面テープで固定した)を使用して、サンプル1の全幅に対し均一に加重が掛かるように150gの錘5を取り付けた。
次に、サンプル1を固定した巻芯3をサンプル1及び錘5が吊り下がるように持ち上げた状態で、錘5が大きく揺れないように巻芯3を5周回転させてサンプル1を巻き上げて錘5を持ち上げた(図1(b)参照)。この状態で、巻芯3に巻き付けたサンプル1の最外周部分における円柱状部分と、巻芯3に巻き付いていないサンプル1の平面状部分との接点(巻芯3へ巻き付いているサンプル1の部分と、錘5の重力によって垂直状になっているサンプル1の部分との境界線)を基点6とし、この基点6が動いてずれることのないように、ゆっくりとワニ口クリップ4及び錘5を取り外した。次に、この基点6から巻芯3に巻き付けたサンプル1に沿って半周(180°)した地点7で、内層のサンプルを傷つけないように、サンプル1の最外周部分をカミソリ刃で切断し、切れ目8を設けた(図2参照)。
このサンプル1における最外層部分と、その下(内層)で巻芯3に巻き付けられている内層部分との間の曲面滑り応力を測定した。この測定には、引張試験機((株)島津製作所製の「オートグラフ」)を用いた。引張試験機の固定側チャック台座に設置した治具9に巻芯3を固定し(図3参照)、サンプル1の端部(ワニ口クリップ4を取り付けていた端部)をロードセル側のチャック10で掴んで引張速度200mm/分にて引張り、切れ目8でサンプル1が外れた(分離した)ときの測定値(引張強度)を曲面滑り応力とした。
1.繊維シートの作製
<実施例1>
潜在捲縮性繊維として、固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレート樹脂〔成分(A)〕と、イソフタル酸20モル%及びジエチレングリコール5モル%を共重合した変性ポリエチレンテレフタレート樹脂〔成分(B)〕とで構成されたサイドバイサイド型複合ステープル繊維〔(株)クラレ製、「ソフィットPN780」、1.7dtex×51mm長、機械捲縮数12個/25mm、130℃×1分熱処理後における捲縮数62個/25mm〕を準備した。このサイドバイサイド型複合ステープル繊維を100質量%用いて、カード法により目付30g/m2のカードウェブとした。
このカードウェブをコンベアネット上で移動させ、径2mmφ、2mmピッチで千鳥状に孔(円形状)のあいた多孔板ドラムとの間を通過させ、この多孔板ドラムの内部からウェブ及びコンベアネットに向かって、0.8MPaでスプレー状に水流を噴射して、繊維の低密度領域と高密度領域とを周期的に形成する偏在化工程を実施した。
次に、このカードウェブを次の水蒸気による加熱工程での収縮を阻害しないように、ウェブを200%程度にオーバーフィードさせながら加熱工程に移送した。
次いで、ベルトコンベアに備えられた水蒸気噴射装置へカードウェブを導入し、この水蒸気噴射装置から0.5MPa、温度約160℃の水蒸気をカードウェブに対し垂直に噴出して水蒸気処理を施し、潜在捲縮繊維のコイル状捲縮を発現させるとともに、繊維を交絡させた。この水蒸気噴射装置は、一方のコンベア内に、コンベアベルトを介して水蒸気をカードウェブに向かって吹き付けるようにノズルが設置されていた。なお、水蒸気噴射ノズルの孔径は0.3mmであり、このノズルがコンベア幅方向に沿って2mmピッチで1列に並べられた装置を使用した。加工速度は8.5m/分であり、ノズルとサクション側のコンベアベルトとの距離は7.5mmとした。最後に、120℃で1分間熱風乾燥させて、伸縮性の繊維シートを得た。
得られた繊維シートの表面及び厚み方向断面を電子顕微鏡(100倍)で観察したところ、各繊維は繊維シートの面方向に対して略平行に配向しており、厚み方向において略均一に捲縮していた。
<実施例2>
熱風乾燥の温度を140℃としたこと以外は実施例1と同様にして、伸縮性の繊維シートを作製した。得られた繊維シートの表面及び厚み方向断面を電子顕微鏡(100倍)で観察したところ、各繊維は繊維シートの面方向に対して略平行に配向しており、厚み方向において略均一に捲縮していた。なお、実施例1、実施例2及び後述する比較例1において、用いたカードウェブの目付は同じである(30g/m2)。
<実施例3>
スパンボンド不織繊維層/メルトブローン不織繊維層/スパンボンド不織繊維層からなる3層構造の市販のポリエステル製スパンボンド不織布(東洋紡績(株)製の「エクーレ3201A」)の一方の面に、市販のポリウレタン製メルトブローン不織布(クラレクラフレックス(株)製の「メルトブローンUC0060」)を1.5倍に伸長しながら130℃の処理温度で熱エンボス接着し、その伸長を緩和させることによってギャザー加工を施して、伸縮性の繊維シートを作製した。
<実施例4>
カードウェブを構成する繊維として、実施例1で用いた潜在捲縮性繊維80質量%と、熱融着性繊維((株)クラレ製「ソフィスタS220」、3.3dtex×51mm長)20質量%とを用いたこと以外は実施例1と同様にして、目付30g/m2のカードウェブを作製し、このカードウェブを用いたこと以外は実施例1と同様にして、伸縮性の繊維シートを作製した。
<比較例1>
熱風乾燥の温度を160℃としたこと以外は実施例1と同様にして、伸縮性の繊維シートを作製した。得られた繊維シートの表面及び厚み方向断面を電子顕微鏡(100倍)で観察したところ、各繊維は繊維シートの面方向に対して略平行に配向しており、厚み方向において略均一に捲縮していた。
2.繊維シートの評価
得られた繊維シートについて下記の評価試験を行った。
(1)巻き締め感評価試験
人差し指の第2関節部に幅2.5cmの繊維シートを30%伸張させながら3周巻き付け、5分経過後の指先の色変化の有無を目視観察するとともに、指先の痛みの有無を確認した。
(2)巻き安定性評価試験
人差し指の第2関節部に幅2.5cmの繊維シートを30%伸張させながら3周巻き付け、5分経過後に人差し指を10回屈伸動作を行い、繊維シートの緩み(ズレ、ハガレ)の有無を確認した。
Figure 0006995461000001
1 サンプル、2 片面粘着テープ、3 巻芯、4 ワニ口クリップ、5 錘、6 基点、7 基点から半周した地点、8 切れ目、9 治具、10 チャック。

Claims (6)

  1. 面内における第1方向に伸び率50%で伸長した直後の伸長時応力を初期伸長時応力S〔N/50mm〕、前記第1方向に伸び率50%で5分間伸長したときの伸長時応力を5分後伸長時応力S〔N/50mm〕とするとき、
    下記式:
    応力緩和率〔%〕=(5分後伸長時応力S/初期伸長時応力S)×100
    で定義される応力緩和率が78.8%以上81.5%以下である、潜在捲縮性繊維をコイル状に捲縮した捲縮繊維のみを含み、前記潜在捲縮性繊維は複合繊維である、繊維シート。
  2. 前記初期伸長時応力Sが2~30N/50mm以下である、請求項1に記載の繊維シート。
  3. 曲面滑り応力が3~30N/50mmである、請求項1又は2に記載の繊維シート。
  4. 長さ方向及び幅方向を有し、
    前記第1方向が前記長さ方向である、請求項1~のいずれか1項に記載の繊維シート。
  5. 不織布シートである、請求項1~のいずれか1項に記載の繊維シート。
  6. 包帯である、請求項1~のいずれか1項に記載の繊維シート。
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