JPH0734984Y2 - 組立住宅のドーマ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は組立住宅の三角ドーマに関する。

〔従来の技術〕

組立住宅のドーマとして、三角形状の枠体に側面板が添
着された左右の側壁下地板を、主屋根軸組の梁行方向に
沿って、所定の間隔で配置された一対の母屋材上にそれ
ぞれ対峙して立設し、該両側壁下地板の上端に、屋根形
状の枠体に天面板が添着されたドーマ屋根を載置固定
し、それら両側壁下地板とドーマ屋根の開口にドーマ妻
壁を装着したものが知られている（実公昭64−4971号公
報）。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記のドーマは、構成部材の点数が多く施工が煩雑で作
業性に劣る不満がある。また、主屋根軸組の母屋材を利
用する関係上、主屋根を屋根パネルとした組立住宅の場
合、例えば、母屋材の替わりに屋根パネルの縦框や縦桟
を利用して両側壁下地板を立設しようとすると、ドーマ
の寸法に合わせてそのドーマ専用の屋根パネルを特別設
計で製作したり、屋根パネルに合わせてドーマの寸法を
決めたりする必要が生じ、甚だ不都合である。

本考案は、屋根パネルの加工を最小限度に抑えることが
可能で工場生産が容易な上、構成部材の点数が少なく施
工も容易なドーマを提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するため、本考案は、主屋根に形成さ
れた開口部をドーマ屋根で覆い、該ドーマ屋根と主屋根
によって形成された開口にドーマ妻壁を取り付けたドー
マにおいて、上記開口部は、主屋根を構成して葺設され
た２枚の屋根パネルの相互に隣接する内側の下隅を、該
屋根パネルの縦框と下框を残して三角状に切り欠きその
斜辺部分に斜桟を設けて形成し、上記ドーマ屋根は、一
辺に谷隅結合材を、また他の一辺に結合棟木を取り付け
た三角形状の左右一対のドーマパネルを、それらの谷隅
結合材を上記斜桟と上記屋根パネルの下に葺設された他
の屋根パネルに接合するとともに、互いの結合棟木を相
互に接合して一体に設け、また、上記ドーマ妻壁は、三
角形状に形成するとともに、下辺を上記開口部の上記下
框に、また他の２辺を上記ドーマパネルの内面にそれぞ
れ接合して一体に固着した構成としたものである。

〔作用〕

開口部を有する左右一対の屋根パネルと、左右一対のド
ーマパネル、およびドーマ妻壁は、通常、工場で製作
し、組立住宅の建築に際して現場に運んで組み立てる。

屋根パネルに対する開口部の開設は、屋根パネルの下隅
を、縦框と下框を残して三角状に切り欠き、その斜辺に
沿って斜桟を設けるだけであるので、非常に簡単であ
る。また、切欠き度合を変えて斜桟の位置を変えるだけ
で、大小様々なドーマに対応することができるので、屋
根パネルの基本構造を変える必要がない。

また、ドーマの組立に際しては、ドーマパネルの谷隅結
合材を屋根パネルの斜桟と該屋根パネルの下に葺設され
た他の屋根パネルに接合し、互いの結合棟木を相互に接
合して左右一対のドーマパネルを一体に組み立てるとと
もに、ドーマ妻壁を上記ドーマパネルの開口に嵌め付け
てその下辺を下框に、また他の二辺をドーマパネルの内
面に接合するだけでよいので、組立が容易であり、しか
も全体が三角状に組み立てられるので強い組立強度が得
られる。

〔実施例〕

第１図ないし第４図は本考案の一実施例を示すもので、
図中符号１及び２は屋根パネルである。これらの屋根パ
ネル1,2は、葺設されて主屋根３を構成するものであ
り、相互に隣接する内側の下隅を、縦框1a,2aと下框1b,
2bを残して三角状に切り欠き、その斜辺に沿って斜桟1
c,2cを設けて縦框1a,2aと下框1b,2b、及び斜桟1c,2cに
よって三角状の開口部4,4を形成して製作されている。

また、符号５及び６はドーマパネルであって、三角状に
形成されており、一辺に重ね屋根用谷隅結合材5a,6a
を、また他の一辺に結合棟木5b,6bをそれぞれ有する。
ドーマパネル5,6は、上記谷隅結合材5a,6aを斜桟1c,2c
と上記屋根パネル1,2の下に葺設された他の屋根パネル
7,8に接合し、かつ上記結合棟木5b,6bを相互に接合して
一体に設けられ、ドーマ屋根９を構成する。上記結合棟
木5b,6bはドーマ屋根９の組立状態において水平であ
り、またドーマパネル5,6の下部は屋根パネル1,2の下框
1b,2bの下方に延びている。

なお、ドーマパネル5,6は、長形状のパネルを斜めに切
断した主体部Ａに、切落し部分の隅部を斜めに切断した
三角状の切使部Ｂを一体に接合して製作されている。

また符号10は三角状のドーマ妻壁であり、その下辺は結
合桁10aによって形成されている。このドーマ妻壁10
は、屋根パネル1,2とドーマパネル5,6によって形成され
た開口に嵌め付けられ、結合桁10aを開口部4,4の上記下
框1b,2bに接合するとともに、他の二辺10b,10bを上記ド
ーマパネル5,6の内面に接合している。ドーマ妻壁10に
は、換気ドーマの場合には換気口（図示せず）が、また
採光ドーマ場合は採光窓（図示せず）が、要求される条
件にしたがって設けられる。

なお、ドーマパネル5,6によって構成されたドーマ屋根
９の上には、従来同様に、防水材を介して屋根材が葺設
される。屋根パネル1,2、ドーマパネル5,6、およびドー
マ妻壁10の縦框1a,2aや結合棟木5b,6b等の各種接合部材
の接合には釘や接着剤等の周知の接合手段が用いられ
る。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案に係る組立住宅のドーマに
おいては、主屋根の開口部は、主屋根を構成して葺設さ
れる２枚の屋根パネルの相互に隣接する内側の下隅を、
該屋根パネルの縦框と下框を残して三角状に切り欠きそ
の斜辺部分に斜桟を設けて形成するので、開口部の加工
が容易である。しかも、屋根パネルの基本構造を変える
ことなく斜桟の位置を変えるだけで、大小様々なドーマ
に対応することができ、したがってドーマの寸法に合わ
せて特別設計の屋根パネルを製作したり、逆に屋根パネ
ルに合わせてドーマの寸法を決定する必要がない。

また、ドーマ屋根は、一辺に谷隅結合材を、また他の一
辺に結合棟木を取り付けた三角形状の左右一対のドーマ
パネルを、それらの谷隅結合材を上記斜桟と上記屋根パ
ネルの下に葺設された他の屋根パネルに接合するととも
に、互いの結合棟木を相互に接合して組み立て、また、
ドーマ妻壁は、上記ドーマパネルの開口に嵌め込んでそ
の下辺を屋根パネルの開口部の下框に、また他の２辺を
上記ドーマパネルの内面にそれぞれ接合して組み立てる
ものであるから、その組立がきわめて容易である。その
上、全体が三角状に組み立てられるので、強い組立強度
が得られる効果がある。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図は本
考案に係るドーマの外観図、第２図はドーマの分解状態
を示す外観図、第３図はドーマの断面図、第４図は本考
案に係るドーマを設けた組立住宅の外観図である。 1,2……屋根パネル、1a,2a……縦框、1b,2b……下框、1
c,2c……斜桟、３……主屋根、４……開口部、5,6……
ドーマパネル、5a,6a……谷隅結合材、5b,6b……結合棟
木、7,8……屋根パネル、９……ドーマ屋根、10……ド
ーマ妻壁、10a……結合桁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】主屋根に形成された開口部をドーマ屋根で
   覆い、該ドーマ屋根と主屋根によって形成された開口に
   ドーマ妻壁を取り付けたドーマにおいて、上記開口部
   は、主屋根を構成して葺設された２枚の屋根パネルの相
   互に隣接する内側の下隅を、該屋根パネルの縦框と下框
   を残して三角状に切り欠きその斜辺部分に斜桟を設けて
   形成され、上記ドーマ屋根は、一辺に谷隅結合材を、ま
   た他の一辺に結合棟木を取り付けた三角形状の左右一対
   のドーマパネルを、それらの谷隅結合材を上記斜桟と上
   記屋根パネルの下に葺設された他の屋根パネルに接合す
   るとともに、互いの結合棟木を相互に接合して一体に設
   けられ、また、上記ドーマ妻壁は、三角形状に形成され
   るとともに、下辺を上記開口部の上記下框に、また他の
   ２辺を上記ドーマパネルの内面にそれぞれ接合して一体
   に固着されたことを特徴とする組立住宅のドーマ。