JPH0734836A - 2サイクルエンジンの潤滑構造 - Google Patents

2サイクルエンジンの潤滑構造

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JPH0734836A
JPH0734836A JP18405393A JP18405393A JPH0734836A JP H0734836 A JPH0734836 A JP H0734836A JP 18405393 A JP18405393 A JP 18405393A JP 18405393 A JP18405393 A JP 18405393A JP H0734836 A JPH0734836 A JP H0734836A
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JP
Japan
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oil
piston
cylinder
engine
chamber
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JP18405393A
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English (en)
Inventor
Tatsuyuki Masuda
達之 桝田
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/02Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
    • F02B2075/022Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
    • F02B2075/025Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle two

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  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構造によって、ピストン摺動面全体を
確実に潤滑できる2サイクルエンジンの潤滑構造を提供
する。 【構成】 ピストン摺動面に潤滑油を供給する2サイク
ルエンジンの潤滑構造において、シリンダブロック2に
オイル孔2e,2fをシリンダボアに開口するよう形成
し、ピストン7の外表面の上記オイル孔2e,2fに対
向する部分にオイル溝43,44を凹設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2サイクルエンジンの
ピストン摺動面の潤滑構造に関し、詳細にはシリンダボ
アに開口したオイル孔の数量が少ない場合にもピストン
摺動面を確実に潤滑できるようにしたオイル供給構造の
改善に関する。
【0002】
【従来の技術】2サイクルエンジンにおけるピストン摺
動面の潤滑構造として、従来、例えば図13,図14に
示すものがある。このエンジンは、シリンダブロック6
1のシリンダボア内にスリーブ62を圧入したタイプの
ものであり、該スリーブ62の外周面にオイル溝62b
を凹設し、該オイル溝62bに外部オイル導入孔61a
を接続形成する。また上記オイル溝62bからピストン
摺動面に開口するオイル孔62aを適宜箇所(この例の
場合は4箇所)に形成した構成になっている。また上記
オイル溝62b,オイル孔62aは気筒軸方向に複数組
設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記スリーブ圧入タイ
プのエンジンの場合は、スリーブ62の外周面にオイル
溝62bを形成できるので、ピストン摺動面に開口する
オイル孔62aの数を自由に設定でき、外部オイル導入
孔61aを小数箇所に設けながらピストン摺動面全体を
確実に潤滑できる。
【0004】ところがスリーブを有しないタイプのエン
ジンには上記従来構造は採用できない。また外部からピ
ストン摺動面に開口させるオイル孔の数を増加するにし
ても限度があり、ピストン摺動面の確実な潤滑を行うの
は困難である。
【0005】本発明は上記従来の問題点を解消するため
になされたもので、簡単な構造によって、ピストン摺動
面全体を確実に潤滑できる2サイクルエンジンの潤滑構
造を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ピス
トン摺動面に潤滑油を供給する2サイクルエンジンの潤
滑構造において、シリンダブロックにオイル孔をシリン
ダボアに開口するよう形成し、ピストンの外表面の上記
オイル孔に対向する部分にオイル溝を凹設したことを特
徴としている。
【0007】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、オイル孔がピストンピンと直交する方向に一対形成
されており、該両オイル孔が気筒軸線を挟んでピストン
ピン方向に偏位した位置で、かつ下死点位置のピストン
リング高さに位置しており、上記オイル溝が上記オイル
孔に対向し気筒軸方向に延びる縦溝と、該縦溝の少なく
とも一方の端部からピストン周方向に延びる横溝とから
構成されていることを特徴としている。
【0008】
【作用】請求項1の発明に係る2サイクルエンジンの潤
滑構造によれば、ピストン外周面の、ピストン摺動面に
開口するオイル孔に対向する部分にオイル溝を凹設した
ので、上記オイル孔の数を増加することなく潤滑油をピ
ストン摺動面全体に拡散させることができ、それだけ潤
滑性が向上する。
【0009】また請求項2の発明によれば、オイル溝を
オイル孔に対向する縦溝とこれからピストン外周に沿っ
て延びる横溝とで構成したので、オイル孔から供給され
た潤滑油をより確実にピストン摺動面に拡散させること
ができ、潤滑性がより向上する。
【0010】またオイル孔をピストンピン方向に偏位さ
せて配置したので、ピストン側圧の最も高い部分を避け
てオイル溝を形成することができ、オイル溝を凹設する
場合のピストンの強度確保上有利である。
【0011】
【実施例】以下本発明の実施例を添付図面に基づいて説
明する。図1ないし図12は本発明の一実施例による2
サイクルディーゼルエンジンの潤滑構造を説明するため
の図であり、図1,図2は本実施例エンジンの断面正面
図,断面側面図、図3,図4は図1のIII-III 線断面
図,IV-IV 線断面図、図5は図2のV-V 線断面図、図6
はホットプラグ回りの断面正面図、図7は図6のVII-VI
I 線断面図、図8,図9はピストンの側面図,断面正面
図、図10はクランクピン部分の拡大断面図、図11,
図12には本実施例エンジンの正面図,平面図である。
【0012】これらの図において、1は水冷式並列3気
筒2サイクルディーゼルエンジンであり、該エンジン1
のシリンダブロック2の下側合面2aにはクランクケー
ス3が取り付けられ、シリンダブロック2の下部とクラ
ンクケース3とで各気筒毎のクランク室4が3組構成さ
れている。また上記シリンダブロック2の上側合面2b
にはシリンダヘッド5が載置され、ヘッドボルト6によ
って締結固定されている。
【0013】上記シリンダブロック2には3つのシリン
ダボア2cが並列に形成されており、該各シリンダボア
2c内にはピストン7が摺動自在に挿入配置されてい
る。該ピストン7の上面,上記シリンダヘッド5の合面
5a,上記シリンダボア2c,及び後述するホットプラ
グ21の下面21cにより囲まれた空間が主燃焼室8と
なっている。また上記ピストン7にはコンロッド9の小
端部9aがピストンピン10,ニードル軸受11を介し
て連結されており、該コンロッド9の大端部9bはクラ
ンク軸12のクランクピン13にニードル軸受14を介
して連結されている。
【0014】上記クランク軸12は軸受46,39によ
って軸支されている。上記気筒間を軸支する軸受39
は、図10に示すように、保持器39aによって多数の
ニードル39bを保持した構造のものである。なお39
dはクランク室間をシールするシール部材である。そし
て上記保持器39aにはオイル導入孔39cが形成され
ており、該導入孔39cはシリンダブロック2側に形成
されたオイル通路2dを介して潤滑油ポンプ45に接続
されている。なお、42は上記潤滑油ポンプ45の運転
制御を行うECUであり、これはエンジン運転時間,負
荷等に応じて求められたオイル消費量が上記潤滑油ポン
プ45の1回当たりの吐出量に達した時点で該ポンプ4
5に駆動信号を出力する。
【0015】上記クランク軸12のクランクピン13部
分には上記軸受39部分に連通するオイル導入通路13
aがクランク軸方向に斜め上方に形成されている。該オ
イル導入通路13aから分岐した分岐通路13bは上記
コンロッド9の大端部9bのニードル軸受14部分に連
通している。なお上記ニードル軸受14は多数のニード
ル14を保持器14bで保持した構造のものである。ま
た上記クランクピン13,及びコンロッド大端部9b
の、上記ニードル14転動面(図10に破線で示す部
分)には浸炭焼き入れが施されており、また大端部9b
のクランクピン方向端面9cには銀めっきが施されてお
り、さらに上記保持器14bには浸炭焼き入れ及び銀め
っきが施されている。
【0016】そして上記オイル導入通路13aの開口部
はボール40で閉塞されており、上記分岐通路13bは
このボール40の直近部分からコンロッド軸線に対して
斜めに分岐し、上記ニードル軸受14の端部に開口して
いる。なお、図10に二点鎖線で示すように、従来装置
の分岐通路13b′は、クランクピン13の長手方向中
央付近、つまりボール40から離れた位置から分岐し、
コンロッド軸線と平行に延び、ニードル軸受14の中央
付近に開口していた。
【0017】本実施例では、潤滑油は、ポンプ45から
軸受39部分に供給され、ここから遠心力によってオイ
ル導入通路13a内を移動し、分岐通路13bから軸受
14に供給される。
【0018】上記シリンダブロック2の下部には、吸気
開口15aが上記各クランク室4に連通するように3組
形成されており、該各吸気開口15aには全気筒共通の
吸気マニホールド16aが接続されている。そして各ク
ランク室4と上記吸気マニホールド16aとは、各クラ
ンク室4の底部に開口するオイル戻し孔51,ホース5
2を介して連通されている。これにより、クランク室4
内に溜まったオイルを吸気マニホールド16a内に戻す
ようになっている。
【0019】また上記各吸気開口15aにはリードバル
ブ17が配設されている。このリードバルブ17は、バ
ルブボディ17aに形成された開口17bを弁板17c
によって開閉する構造のものである。このリードバルブ
17は、上記ピストン7の上昇によってクランク室4内
が負圧になると自動的に開いて空気をクランク室4内に
導入し、下降によって正圧になると閉じて空気の吹き返
しを防止する。
【0020】また上記シリンダブロック2の上記吸気開
口15aと反対側には掃気調整開口15bが上記各クラ
ンク室4に連通するように形成されている。該各掃気調
整開口15bには共通の掃気チャンバ16bが接続され
ており、該掃気チャンバ16bの接続開口部分には掃気
制御弁16cが配設されている。該掃気制御弁16cを
開くと該接続開口に連なるクランク室4が掃気チャンバ
16b内に連通してクランク室容積が実質的に拡大され
て掃気圧が低下し、内部EGRガスが増加して燃焼温度
が低下する。また上記掃気制御弁16cを閉じると通常
のクランク室容積となり、掃気が十分に行われる。
【0021】また上記シリンダブロック2の上部には、
各気筒毎に1組の排気ポート18が形成されている。こ
の排気ポート18は、主排気口18aをシリンダ外部接
続口に導出する主排気ポート18bと、上記主排気口1
8aの上側に開口する一対の副排気口18cを外部に導
出し、途中で上記主排気ポート18bに合流する副排気
ポート18dとで構成されている。
【0022】上記各副排気ポート18dは、排気制御装
置19によって開閉制御される。この排気制御装置19
は、排気タイミング,圧縮比を変化させるためのもので
あり、上記シリンダブロック2の副排気ポート18dを
横切るように挿入配置され、上記各副排気ポート18d
を開閉する3本の排気弁体19aと、該排気弁体19a
を開閉駆動する駆動機構19bとを備えている。上記各
排気弁体19aは丸棒に円弧状の弁部を形成してなるも
のであり、それぞれ係止部によって互いに連結されてい
る。上記駆動機構19bは上記排気弁体19aの外端部
に駆動軸を連結し、該駆動軸に歯車列を介して駆動モー
タを連結した構造のものである。
【0023】また上記シリンダブロック2の上記主排気
口18aの両隣には、一対の主掃気口18eが、また上
記主排気口18aと対向位置には対向掃気口18fがそ
れぞれ形成されており、これらの各掃気口18e,18
fは掃気ポートを介して該気筒用クランク室4に連通し
ている。
【0024】また上記シリンダブロック2には、ピスト
ン摺動面に潤滑油を供給するためのオイル孔2e,2f
が各気筒毎に一対形成されている。該両オイル孔2e,
2fはピストンピン10と直角方向にシリンダブロック
2を貫通しており、気筒軸A方向に見ると(図4参
照)、該気筒軸Aを挟んでピストンピン方向(クランク
軸方向)に偏位しており、またクランク軸方向にみると
(図1参照)、下死点に位置するピストン7のピストン
リング間に位置している。そして上記各オイル孔2e,
2fはオイル供給通路41を介して上記潤滑油ポンプ4
5に接続されている。
【0025】さらにまた上記ピストン7の外周面には、
上記オイル孔2e,2fから供給された潤滑油をピスト
ン摺動面全体に均等に拡散させるための拡散溝(オイル
溝)43,44が一対づつ凹設されている。この拡散溝
43,44は、上記オイル孔2e,2fと対向する縦溝
43a,44aと、該各縦溝の上,下端部から斜めに延
びる横溝43b,44bとを有している。
【0026】また上記ピストン7の頂面には断熱性,耐
熱性の高いセラミック層7bが溶射により形成されてい
る(図9(a)参照)。なお同図(b)に示すように鋳
ぐるみによってセラミック層7cを形成してもよい。こ
れによりピストン頂部の温度を低下できるので、ピスト
ンリングを比較的頂面近傍に配設でき、その結果、リン
グスティックを回避しながら圧縮圧力を向上できる。ち
なみに従来は、ピストン頂部の温度が高く、リングステ
ィックが発生し易い問題があり、これを回避するために
ピストンリングを比較的下方に配設していた。そのため
圧縮圧力が犠牲になっていたが、本実施例ではこのよう
な問題を回避できる。
【0027】また上記クランクケース3の底壁3aの周
縁には下側が開口した箱状のボス部3bが突設されてお
り、該ボス部3bに上側が開口した箱状のバランサカバ
ー26を装着することによりバランサ室27が形成され
ている。このバランサ室27内にはバランサ軸28がク
ランク軸12と平行に配置され、その両端部が軸受29
を介して上記ボス部3bとバランサカバー26との合面
で軸支されている。
【0028】上記バランサ軸28の一端は上記バランサ
室27から外方に突出しており、該突出部が歯車30
a,30bを介して上記クランク軸12で同速回転駆動
されている。またこれらの歯車30a,30bは、上記
シリンダブロック2,クランクケース3,バランサカバ
ー26の端面をギヤカバー31で囲んでなるギヤ室32
内に位置しており、該ギヤ室32は上部,下部連通孔2
7a,27bによって上記バランサ室27内に連通して
いる。
【0029】また図5に示すように、上記ギヤ室32内
は上記歯車30aに沿う形状の隔壁32aによって大,
小油溜まり32b,32cに画成されており、該両油溜
まり32b,32cは上記隔壁32aの下縁に形成され
た連通孔32dによって連通している。本実施例エンジ
ンの回転休止時には、潤滑油の油面は大,小油溜まり3
2b,32c共にL1であるのに対し、エンジン回転時
には、潤滑油は歯車の回転によって小油溜まり32c側
に飛ばされることから、大,小油溜まり32b,32c
の油面はそれぞれL2,L3となる。これによりエンジ
ン回転時には下部の歯車30aの下縁のみが潤滑油に接
することとなり、回転抵抗が低減されるとともに、小油
溜まり32cが冷却室として機能することから潤滑油の
異常温度上昇を回避できる。
【0030】ここで本実施例エンジン1は、2サイクル
ディーゼルエンジンであり、ブレーキマスタバック用の
吸気負圧が十分でないことから、クランク軸で駆動され
るオルタネータ34aと同軸に負圧発生用ベーンポンプ
(真空ポンプ)34aを設けており、該ベーンポンプ3
4aに上述の潤滑油ポンプ45と別個に設けられたオイ
ルポンプ36から潤滑油を供給している。従って本実施
例では、ブレーキマスタバックから吸引した空気と上記
潤滑油との混合体が発生する。
【0031】そこで本実施例では、上記バランサ室27
を上記混合体から潤滑油を分離するためのブリーザ室に
兼用しており、そのために以下の構造を採用している。
上記ベーンポンプ34bの吐出口を混合体通路37で上
記ギヤ室32に連通接続し、かつ該ギヤ室32のオイル
溜まり部分に形成された戻り口をオイル通路38によっ
て上記オイルポンプ36に接続する。
【0032】上記ベーンポンプ34bから吐出された混
合体はギヤ室32内に導入され、ここで潤滑油の大部分
は落下し、残りの潤滑油の混じった混合体は上部連通孔
27aを介してバランサ室27内に流入し、ここで潤滑
油は落下分離され、下部連通孔27bからギヤ室32の
オイル溜まり部分に戻る。また上記潤滑油の分離された
空気は空気排出口27cから図示しないブリーザホース
を介して吸気マニホールド16a内に供給され、あるい
は大気に放出される。
【0033】上記シリンダヘッド5の合面5a側部分に
は、燃焼凹部20が形成されており、該燃焼凹部20は
主燃焼室8に開口する円筒状のプラグ保持部20aとこ
れに続く球状の燃焼室20bとで構成されている。ここ
で上記燃焼凹部20は、シリンダ軸方向に見ると、上記
主,副排気口18a,18c側寄りで、かつ主燃焼室8
内に位置している。
【0034】そして上記燃焼凹部20のプラグ保持部2
0a内にホットプラグ21が上記合面5a側から挿入さ
れて固定されている。このホットプラグ21は耐熱鋼
(例えばSUH3)製の円柱状のものであり、その上面
に上記燃焼室20bとで副燃焼室22を形成する凹部2
1aが形成されている。また上記ホットプラグ21には
上記副燃焼室22を上記主燃焼室8に連通する連絡孔2
1bが形成されている。
【0035】上記連絡孔21bは上記副燃焼室22から
上記主燃焼室8の略中央部に向かうように傾斜してお
り、該連絡孔21bの下端開口は上記ピストン7の上面
に形成された頂面凹部7aの入口付近に対向している
(図6,7参照)。また上記ホットプラグ21の下面2
1cはシリンダヘッド5の合面5aから寸法aだけ若干
突出している。このホットプラグ21の下面21cを下
方に突出させたことにより、圧縮行程時にピストン7の
上昇に伴って空気が上記突出部によって加圧され、つま
り上記突出部がマスキングの作用を果たし、空気が上記
頂面凹部7a内に流れ込むように整流される。なお、上
記突出寸法aは概ね0.1 〜0.3mm 程度に設定されてい
る。
【0036】また上記副燃焼室22内にはインジェクタ
25a,グープラグ25bが挿入されており、上記イン
ジェクタ25aは上記連絡孔21bと略平行に、また上
記グロープラグ25bはシリンダ軸と略平行になってい
る。上記インジェクタ25aは、燃焼供給パイプ25c
を介して燃料供給ポンプ25dに連通されている。ここ
で上記各燃料パイプ25cは、ポンプからインジェクタ
までの距離が同一となるように屈曲されて配索されてい
る。
【0037】ここで上記ホットプラグ21は以下の構造
によって上記プラグ保持部20a内に固定されている。
即ち、固定ボルト23を主燃焼室8側から外方に貫通挿
入し、外方突出部にシール用ガスケット53を介在させ
て袋ナット24を螺装してシリンダヘッド5に固定す
る。そして該固定ボルト23のフランジ部23aで上記
ホットプラグ21の段部21dを支持するとともに、そ
の切欠部23bで回り止めする。さらに固定ボルト23
の大径部23cを上記プラグ保持部20aとホットプラ
グ21の外周壁との境界部に貫通挿入する。
【0038】また、上記ホットプラグ21の外周面とプ
ラグ保持部20aの内周面との間,及び該ホットプラグ
21の上端面と燃焼室20bの段部との間には、それぞ
れ断熱隙間a1,a2が形成されている。これらの断熱
隙間a1,a2は、ホットプラグ21側からシリンダヘ
ッド5側への熱伝導を抑制するためのものであり、上記
断熱隙間a1は概ね0.5mm に、上記断熱隙間a2は概ね
1.0 mmに設定されている。
【0039】次に本実施例の作用効果について説明す
る。本実施例のディーゼルエンジンによれば、燃焼凹部
20のプラグ保持部20aの内面とホットプラグ21の
外面との対向面間に断熱隙間a1,a2を設けたので、
極めて簡単な構造によってホットプラグ21からシリン
ダヘッド5への熱伝導を抑制でき、従ってそれだけ副燃
焼室22内の温度を高温に保持でき、着火性,燃焼安定
性を改善できる。またこの場合に、ホットプラグ21は
材質変更を必要としないから、従来と同様に耐熱性の高
い材料を採用でき、従って従来同様の耐熱性を確保しな
がら上記断熱効果を高めることが可能である。
【0040】また本実施例では、ホットプラグ21の下
面21cをシリンダヘッド5の合面5aから寸法aだけ
突出させたので、該突出部がマスキングの作用を果た
し、燃焼室内の空気をピストン7の頂面凹部7a内に効
率良く流入させることができ、この点からも燃焼性を改
善できる。
【0041】さらにまた、本実施例では、ホットプラグ
21を固定ボルト23によって燃焼凹部20内に固定す
るようにしたので、ホットプラグ21の配置位置上の制
約がなくなり、燃焼上有利な位置に配置できる。ちなみ
に従来装置では、ホットプラグをシリンダ外周近傍に位
置させ、シリンダ壁部によってホットプラグを支持する
構造、及びシリンダヘッドを上,下2分割し、ホットプ
ラグを下側分割体に外方から挿入する構造を採用してい
た。そのため前者の場合はホットプラグの配置位置上の
制約があり、後者の場合は構造複雑化,シール面積増大
の問題があったが、本実施例ではこのような問題を回避
できる。
【0042】また本実施例では、クランクピン13,コ
ンロッド大端部9bの潤滑に当たって、上記分岐通路1
3bをボール40の直近から分岐させたので、エンジン
運転開始後直ちにニードル軸受14部分に潤滑油を供給
することができる。ちなみに、従来装置では、図10に
二点鎖線で示すように、分岐通路13b′がボール40
から離れた位置から分岐していたので、エンジン運転開
始時においては、遠心力でオイル導入通路13a内を移
動した潤滑油の大部分は、上記分岐通路13b′の分岐
部とボール40との間のデッド空間内に溜まり、該空間
を充満させた後分岐通路13b′を通って軸受14に供
給される。なお、上記空間内に溜まったオイルはエンジ
ン停止時、その角度位置の如何によっては落下流出する
ので、エンジン運転開始の度に上記潤滑油がほとんど供
給されない時間が生じる。
【0043】これに対して本実施例では上記分岐通路1
3bをボール40の直近から分岐させたので、上記デッ
ド空間がほとんど無く、従ってオイル導入通路13a内
を移動した潤滑油はエンジン回転開始後直ちにニードル
軸受14に供給される。
【0044】また本実施例では、ピストン摺動面の潤滑
に当たって、ピストン7の外表面に、オイル孔2e,2
fに対向する縦溝43a,44a及びこれに続く横溝4
3b,44bを形成したので、オイル孔数を少なくしな
がらピストン摺動面の潤滑を確実に行うことができる。
この場合、エンジンを長期に停止した場合にも潤滑油が
上記溝内に溜まっていることから、エンジン長期停止後
の運転開始時にも潤滑性を向上できる。
【0045】また上記オイル孔2e,2fをクランク軸
方向に偏位させたので、縦溝43a,44aの形成位置
をピストン側圧の最も高い位置(図4の直線B上位置)
からずらすことができ、ピストン強度上有利である。
【0046】さらにまた本実施例では、ブレーキマスタ
バック35用負圧の発生に当たって、ベーンポンプ34
bを採用した。従って該ベーンポンプからの空気と潤滑
油との混合体が発生するので、該空気と潤滑油とを分離
する必要が生じる。そこで本実施例では、ベーンポンプ
34bの吐出口とバランサ軸用ギヤ室32とを接続し、
さらに該ギヤ室32とバランサ室27とを連通させたの
で、上記ギヤ室32及びバランサ室27をブリーザ室に
兼用することができ、別個にブリーザ室を設ける必要が
ない。また、上記ベーンポンプ34b用オイルポンプ3
6からの潤滑油によってクランク軸12の端部の軸受4
6も潤滑するようにしたので、潤滑系が簡素になってい
る。
【0047】なお上記実施例では、スリーブを有しない
タイプのエンジンの場合を説明したが、本発明はスリー
ブ圧入タイプのエンジンにも適用可能である。また上記
実施例では、2サイクルディーゼルエンジンの場合を説
明したが、本発明は2サイクルガソリンエンジンにも勿
論適用でき、特に、筒内噴射式エンジンの場合に効果的
である。
【0048】
【発明の効果】請求項1の発明に係る2サイクルエンジ
ンの潤滑構造によれば、ピストン外周面にオイル溝をオ
イル孔に対向するように凹設したので、上記オイル孔の
数を増加することなく潤滑油をピストン摺動面全体に拡
散させることができ、それだけ潤滑性を向上できる効果
がある。
【0049】また請求項2の発明によれば、オイル溝を
オイル孔に対向する縦溝とこれからピストン外周に沿っ
て延びる横溝とで構成したので、オイル孔から供給され
た潤滑油をより確実にピストン摺動面に拡散させること
ができ、潤滑性をより向上できる効果があり、またオイ
ル孔をピストンピン方向に偏位させて配置したので、ピ
ストン側圧の最も高い部分を避けてオイル溝を形成する
ことができ、オイル溝を凹設する場合のピストンの強度
確保上有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による潤滑構造を備えた2サ
イクルディーゼルエンジンの断面正面図である。
【図2】上記実施例エンジンの断面側面図である。
【図3】図1のIII-III 線断面図である。
【図4】図1のIV-IV 線断面図である。
【図5】図2のV-V 線断面図である。
【図6】上記実施例の要部拡大断面図である。
【図7】図6のVII-VII 線断面図である。
【図8】上記実施例のピストンの側面図である。
【図9】上記実施例のピストンの断面正面図である。
【図10】上記実施例のクランクピン部分の拡大断面図
である。
【図11】上記実施例エンジンの正面図である。
【図12】上記実施例エンジンの平面図である。
【図13】従来の潤滑構造の問題点を説明するたの断面
平面図である。
【図14】図13のXIV-XIV 線断面図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 シリンダブロック 2e,2f オイル孔 2c シリンダボア 7 ピストン 10 ピストンピン 43,44 拡散溝(オイル溝) 43a,44a 縦溝 43b,44b 横溝 A 気筒軸線

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストン摺動面に潤滑油を供給する2サ
    イクルエンジンの潤滑構造において、シリンダブロック
    にオイル孔をシリンダボアに開口するよう形成し、ピス
    トンの外表面の上記オイル孔に対向する部分にオイル溝
    を凹設したことを特徴とする2サイクルエンジンの潤滑
    構造。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記オイル孔がピス
    トンピンと直交する方向に一対形成されており、該両オ
    イル孔が気筒軸線を挟んでピストンピン方向に偏位した
    位置で、かつ下死点位置のピストンリング高さに位置し
    ており、上記オイル溝が上記オイル孔に対向し気筒軸方
    向に延びる縦溝と、該縦溝の少なくとも一方の端部から
    ピストン周方向に延びる横溝とから構成されていること
    を特徴とする2サイクルエンジンの潤滑構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN116950798A (zh) * 2023-09-18 2023-10-27 江苏中奕和创智能科技有限公司 一种发电机组的发动机用密封结构

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