JPH0734822A - 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置 - Google Patents

内燃機関の吸排気弁駆動制御装置

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JPH0734822A
JPH0734822A JP18099493A JP18099493A JPH0734822A JP H0734822 A JPH0734822 A JP H0734822A JP 18099493 A JP18099493 A JP 18099493A JP 18099493 A JP18099493 A JP 18099493A JP H0734822 A JPH0734822 A JP H0734822A
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JP
Japan
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shaft
cam
intake
housing
pivot
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JP18099493A
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English (en)
Inventor
Yoshihiko Yamada
吉彦 山田
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ディスクハウジングの一端部を支持する枢軸
側に対する過大な荷重の発生を防止して、摺動摩擦抵抗
を減少させ、摩耗等の発生を防止する。 【構成】 駆動軸21にカムシャフト22との間に揺動
自在に設けられたディスクハウジング34と、該ディス
クハウジング34の支持孔34a内に保持されて偏心動
に伴い駆動軸21とカムシャフト22との角速度を変化
させる環状ディスク29とを備えている。ディスクハウ
ジング34の第1,第2カム孔38,39に有する第
1,第2偏心カム41,43に連結した枢軸40及び制
御シャフト42の各軸心Q1,Q2を、ディスクハウジ
ング34の中心Yを中心点として略同心円上に配置し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の運転状態に
応じて吸気・排気弁の開閉時期を可変制御する吸排気弁
駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の従来の装置としては種々提供さ
れているが、その一つとして例えば図12に記載された
ものがある。
【0003】概略を説明すれば、機関のクランク軸から
スプロケットを介して回転力が伝達される駆動軸1と、
該駆動軸1の外周に相対回転自在に設けられ、かつ気筒
毎に分割形成された複数のカムシャフト2と、該各カム
シャフト2の間に配置され、駆動軸1の軸心Xに対して
略径方向へ揺動自在に設けられた円環状のディスクハウ
ジング3と、該各ディスクハウジング3の内周に有する
支持孔4にベアリングを介して回転自在に支持され、か
つ駆動軸1とカムシャフト2とを一対のピン10,11
を介して連繋しつつディスクハウジング3の揺動に伴い
中心Yが駆動軸1の軸心Xと偏心動する円盤状のディス
ク5とを備えている。
【0004】前記カムシャフト2は、外周に1気筒当た
り2つ設けられた吸気弁13をバルブスプリング14の
ばね力に抗して開作動させる一対のカム2aが一体に設
けられている。
【0005】また、前記ディスクハウジング3は、上部
一端部に略円形状のボス部3aが一体に設けられている
と共に、上部他端部に径方向へ延出されたアーム部3b
が一体に設けられており、前記ボス部3aに穿設された
第1カム孔15aに第1偏心カム16が回転自在に保持
されている一方、アーム部3bの先端部に穿設された第
2カム孔15bに第2偏心カム17が回転自在に保持さ
れている。前記第1偏心カム16は、一端が図外のシリ
ンダヘッド上部に支持された枢軸18によって回転自在
に支持されている一方、第2偏心カム17は、図外のア
クチュエータの制御シャフト19が連結固定されてい
る。尚、第1,第2偏心カム16,17は、その軸心P
1,P2が枢軸18及び制御シャフト19の各軸心Q
1,Q2から所定の偏心量ε1,ε2で偏心している。
【0006】そして、機関運転状態の変化に伴い前記油
圧アクチュエータによって制御シャフト19を、図中反
時計方向へ所定の角度範囲を回動させると、第2偏心カ
ム17が反時計方向へ所定の角度範囲で回動する。した
がって、第1偏心カム16もこれに追従して同方向へ所
定の角度範囲で回動する。このため、各ディスクハウジ
ング3は、第1偏心カム16を揺動支点として駆動軸1
の軸心Xに対して右方向へ所定量揺動し、これに伴いデ
ィスク5も同様に揺動して、その中心Yが駆動軸1の軸
心Xから偏心する。
【0007】依って、駆動軸1の1回転毎に、ディスク
5の角速度が駆動軸1に対して変化し、同時にカムシャ
フト2の外周に一体に有するカム2aの角速度もディス
ク5に対して変化する。したがって、カム2aは駆動軸
1に対して、ディスク5の駆動軸1に対する位相差の2
倍の位相差で回転する。この結果、バルブタイミングを
カムの位相差に応じて可変にすることが可能になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記カムシ
ャフト2は、回転駆動時に各カム2aに対するバルブス
プリングのばね反力に起因して比較的大きな正負の回転
トルク変動が発生している。したがって、斯かる正負の
回転トルクにより前記ディスクハウジング3に径方向と
りわけバルブスプリング14側の下方向に交番荷重Fが
発生しており、この交番荷重Fが第1,第2カム孔15
a,15bの内周面から各偏心カム16,17に伝達さ
れている。このため、該各偏心カム16,17の外周面
と第1,第2カム孔15a,15bの内周面との間に大
きな摺動摩擦抵抗が発生している。特に、ディスクハウ
ジング3(ディスク5)の中心Yに近い位置にある第1
カム孔16側には、アーム部3bによって十分に遠い位
置にある第2カム孔17側よりも大きな摺動摩擦抵抗が
発生する。
【0009】即ち、ディスクハウジング3の中心Yから
制御シャフト19の中心Q2までの長さL2が、枢軸1
8の軸心Q1までの長さL1よりも長尺になっているた
め、ディスクハウジング3の交番荷重Fが F=f1
(枢軸18に作用する力)+f2(制御シャフト19に
作用する力)となり、f1:f2=L1:L2、L2>
L1の関係から f1>f2 となる。
【0010】このため、第1カム孔15aの内周面と第
1偏心カム16の外周面との摺動摩擦抵抗が大きくな
り、該第1偏心カム16の円滑な回転が阻害されるばか
りか、両者15a,16間に摩耗が発生したり、該摩耗
による隙間が発生して、回転時に打音が発生すると共
に、バルブタイミング制御精度が低下する惧れがある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記従来の問
題点に鑑みて案出されたもので、機関によって回転駆動
する駆動軸と、該駆動軸の同軸上に相対回転自在に設け
られて、外周面に吸排気弁を作動させるカムを有するカ
ムシャフトと、前記駆動軸とカムシャフトとの間に介装
されて、一端部を支持する枢軸を支点として略径方向へ
揺動自在に設けられた略円環状のディスクハウジング
と、前記ディスクハウジングの内周に有する支持孔内に
回転自在に支持され、かつ前記駆動軸とカムシャフトと
を連繋しつつディスクハウジングの揺動に伴い中心が駆
動軸の軸心と偏心動するディスクと、前記ディスクハウ
ジングの他端部に設けられて、該ディスクハウジングを
前記枢軸を介して揺動させる作動軸とを備えた吸排気弁
駆動制御装置において、前記枢軸と作動軸の各軸心位置
を、前記ディスクハウジングの中心を中心点とした略同
心円上に設けたことを特徴としている。
【0012】
【作用】前記構成の本発明によれば、ディスクハウジン
グの中心位置から枢軸の軸心と作動軸の軸心までの長さ
が略同一になるため、カムシャフトの正負の回転トルク
変動に起因するディスクハウジングの径方向の交番荷重
は、その分力が枢軸と作動軸に略均一に作用する。
【0013】
【実施例】図1〜図7は請求項1及び2の発明に係る吸
排気弁駆動制御装置を吸気側に適用した一実施例を示
し、図1〜図3の21は図外の機関のクランク軸からス
プロケットを介して回転力が伝達される駆動軸、22は
該駆動軸21の外周に一定の隙間をもって配置され、か
つ駆動軸21の中心Xと同軸上に設けられた中空状のカ
ムシャフトであって、前記駆動軸21は、機関前後方向
に延設されていると共に、軽量化を図るために内部中空
状に形成されている。
【0014】前記カムシャフト22は、シリンダヘッド
20上端部に有するカムブラケット20aに軸受されて
いると共に、外周の所定位置に吸気弁23をバルブスプ
リング24のばね力に抗してバルブリフター25を介し
て開作動させる複数のカム26…が一体に設けられてい
る。また、カムシャフト22は、長手方向の所定位置で
軸直角方向から分割形成されていると共に、一方側の分
割端部にフランジ部27が設けられている。また、この
両分割端部間にスリーブ28と環状ディスク29が配置
されている。前記フランジ部27は、図4にも示すよう
に中空部から半径方向に沿った細長い矩形状の係合溝3
0が形成されており、また、その外周面の円周方向に環
状ディスク29の一側面に摺接する突起面27aが一体
に設けられている。
【0015】前記スリーブ28は、小径な一端部28b
がカムシャフト22の前記他方側の分割端部内に回転自
在に挿入している共に、略中央位置に直径方向に貫通し
た連結軸31を介して駆動軸21に連結固定されてい
る。また、スリーブ28の他端部に設けられたフランジ
部32は、図5にも示すように前記係止溝30と反対側
に半径方向に沿った細長い矩形状の係合溝33が形成さ
れていると共に、外周面に環状ディスク29の他側面に
摺接する突起面28aが一体に設けられている。
【0016】前記環状ディスク29は、略ドーナツ板状
を呈し、内径がカムシャフト22の内径と略同径に形成
されて、駆動軸21の外周面との間に環状の隙間部Sが
形成されていると共に、小巾の外周部29aが環状のデ
ィスクハウジング34の中央に有する支持孔34aの内
周面に金属製の環状ベアリング部材35を介して回転自
在に支持されている。また、直径線上の対向位置に貫通
形成されたピン孔29b,29cには、各係合溝30,
33に係入する一対のピン36,37が設けられてい
る。この各ピン36,37は、互いにカムシャフト軸方
向へ逆向きに突出しており、基部がピン孔29b,29
c内に回転自在に支持されていると共に、先端部の両側
縁に図4及び図5に示すように前記係合溝30,33の
対向内面30a,30b、33a,33bと当接する2
面巾状の平面部36a,36b、37a,37bが形成
されている。
【0017】前記ディスクハウジング34は、図1に示
すように略円環状を呈し、外周の上端両側部に有するボ
ス部34b,34cの一方側に第1カム孔38がカムシ
ャフト22軸方向に貫通形成されていると共に、他方側
に第2カム孔39が貫通形成されている。そして、前記
第1カム孔38内には、枢軸40に回転自在に支持され
た第1偏心カム41が回動自在に保持されている一方、
第2カム孔39内には、制御シャフト42に固定用孔4
3aを介して固定された第2偏心カム43が回動自在に
設けられている。したがって、ディスクハウジング34
は、第1偏心カム41を介して枢軸40に揺動自在に支
持されていると共に、第2偏心カム43によって揺動す
るようになっている。
【0018】具体的に説明すれば、前記枢軸40は、図
2に示すようにその基部がシリンダヘッド20の上端部
に固定されたブラケット44に有する固定孔44a内に
圧入固定されている一方、先端部が第1偏心カム41の
挿通孔41a内に摺動自在に挿通して、該第1偏心カム
41を回動自在に支持している。また、第1偏心カム4
1は、図1に示すようにリング状を呈し、外径が第1カ
ム孔38の内径より若干小さく設定されていると共に、
周方向の肉厚は薄肉部41bと対向する部位が最大厚肉
部41cとなるように漸次変化している。また、その中
心P1が枢軸40の軸心Q1から所定量ε1偏倚してい
る。尚、この第1偏心カム41は、枢軸40の先端部外
周に嵌着されたスナップリング60によって該枢軸40
からの抜け出しが防止されるようになっている。
【0019】更に、前記第2偏心カム43は、第1偏心
カム41と同形及び同一径に設定されていると共に、そ
の回動位置も同一に配置されて、その中心P2が作動軸
である制御シャフト42の軸心Q2から所定量ε2偏倚
しており、第1偏心カム41の偏倚量ε1と同一になっ
ている。また、制御シャフト42は、枢軸40と並行に
機関の前後方向に沿って延設されて、所定部位がシリン
ダヘッド20上の図外の軸受に支持されていると共に、
駆動機構45によって回転制御されるようになってい
る。
【0020】そして、前記枢軸40の軸心Q1と制御シ
ャフト42の軸心Q2は、ディスクハウジング34の中
心Yを中心点とした略同心円上に配置されている。即
ち、中心Yから枢軸40の軸心Q1までの長さL1が、
中心Yから制御シャフト42の軸心Q2までの長さL2
と略等しい長さに設定されている。
【0021】前記駆動機構45は、図6及び図7に示す
ように制御シャフト42の一端部に設けられた油圧アク
チュエータ46と、油圧アクチュエータ46に油圧を給
排する油圧回路47とを備えている。
【0022】前記油圧アクチュエータ46は、シリンダ
ヘッド20にブラケット61を介して固定された筒状ハ
ウジング48と、該筒状ハウジング48内に回転自在に
設けられた2枚羽根の回転ベーン49と、該回転ベーン
49に隔成されて、対角線上に位置する各第1油室5
0,50及び第2油室51,51とを備えており、前記
回転ベーン49が制御シャフト42に連結されている。
【0023】前記油圧回路47は、第1,第2油室5
0,51に油圧を給排する一対の第1,第2油通路52
a,52bと、該両油通路52a,52bの端部に設け
られた4ポート2位置型の電磁切換弁53と、オイルメ
インギャラリ54の上流端に設けられたオイルポンプ5
5と、各油通路52a,52bと適宜連通してオイルパ
ン56内に作動油を戻すドレン通路57と、ポンプ吐出
圧を一定圧に制御するリリーフバルブ58とを備えてい
る。
【0024】更に、前記電磁切換弁53は、機関回転数
や吸入空気量等の信号に基づいて現在の機関運転状態を
検出するコントローラ59からのON−OFF信号によ
って切り換え作動し、OFF信号によってオイルポンプ
55と第1油通路52aとを連通させると共に、第2油
通路52bとドレン通路57を連通させ、ON信号によ
って前述とは逆に連通させるようになっている。
【0025】以下、本実施例の作用について説明する。
まず、機関低速低負荷時には、コントローラ59から電
磁切換弁53にON信号が出力されてオイルポンプ55
から吐出された油圧が第1油室50,50内に流入する
一方、第2油室51,51内の作動油がドレン通路57
からオイルパン56内に排出される。このため、回転ベ
ーン49が図1中反時計方向に回転して制御シャフト4
2を同方向に回転させる。したがって、第2偏心カム4
3は、図8に示すように、破線位置から図中反時計方向
へ回転して、θ角度位置まで回転し、最大厚肉部43c
が図中左側から右側に移動する。
【0026】依って、ディスクハウジング34は、第1
カム孔38及び第1偏心カム41を介して枢軸40を支
点としてe1,e2の量だけ揺動し、環状ディスク29
の中心Yが駆動軸21(カムシャフト22)の中心Xと
偏心する。つまり、第2偏心カム43の回動に伴い第1
偏心カム41も同一方向へ同期回動して、環状ディスク
29の中心Yを駆動軸21の中心Xから図中右方向へ所
定量Eだけ偏心動させる。したがって、スリーブ28側
の係止溝33とピン37並びにカムシャフト21側の係
止溝30とピン36との摺動位置が駆動軸21の1回転
毎に移動し、環状ディスク29の角速度が変化して不等
角速度回転になる。
【0027】即ち、係止溝30とピン36の摺動位置が
駆動軸21の中心Xに接近する場合は、係止溝33とピ
ン37の摺動位置が中心Xから離れる関係になる。この
場合は、環状ディスク29は、駆動軸21に対して角速
度が大きくなり、環状ディスク29に対しカムシャフト
22の角速度も大きくなる。したがって、カムシャフト
22は、駆動軸21に対して、部分的に2重に増速され
た状態になる。
【0028】一方、機関が高速高負荷域に移行した場合
は、コントローラ59から電磁切換弁53にOFF信号
が出力されて、第1油室50,50内の作動油がドレン
通路57から排出されると共に、第2油室51,51内
にオイルポンプ55から油圧が圧送され、回転ベーン4
9が逆に時計方向に回転する。したがって、第2偏心カ
ム43は、図1に示すように時計方向に回転して、原状
位置に戻り、これによってディスクハウジング34も第
1偏心カム41の時計方向の回動を介して元の位置に揺
動し、環状ディスク29の中心Yが駆動軸21の中心X
と合致する。
【0029】依って、この場合は、環状ディスク29と
駆動軸21との間に回転位相は生じず、またカムシャフ
ト22の中心と環状ディスク29の中心Yも合致してい
るため、両者22,29間の回転位相差も生じない。し
たがって、駆動軸21の回転に伴い連結軸31を介して
スリーブ28が同期回転すると共に、スリーブ側の係止
溝33とピン37,環状ディスク29,ピン36,カム
シャフト22側の係止溝30を介してカムシャフト22
も同期回転する。
【0030】この結果、該夫々の角速度の変化に基づき
カムシャフト22及びカム26と駆動軸21との回転位
相差は、図9Aに示すように変化し、バルブタイミング
は同図Bに示すようにバルブリフトを一定のままカムシ
ャフト22の位相差に応じて変化する。
【0031】つまり、カムシャフト22の角速度が相対
的に大きい場合は、駆動軸21に対する回転位相は両者
21,22が等速になるまで進み、やがてカムシャフト
22の角速度が相対的に小さくなると、回転位相は両者
21,22が等速になるまで遅れる。そして、図9Aで
示すように回転位相差の最大,最小点の途中に同位相点
(P点)が存在し、同図の破線で示す回転位相の変化で
は、P点よりも前の吸気弁23の開弁時期が遅れ、P点
より後の閉弁時期は進み、図9Bの破線で示すように弁
の作動角が小さくなる。したがって、前記のように機関
低速低負荷域では、吸気弁23のバルブタイミングが図
9Bの破線で示すように作動角が小さくなり、開時期が
少し遅れ、閉時期が早くなる。これによって、吸排気弁
のバルブオーバラップが小さくなり、燃焼室の残留ガス
が減少し、安定した燃焼により燃費の向上が図れる。ま
た、早い閉時期により、吸気充填効率が向上し、低速ト
ルクを高めることができる。
【0032】一方、高速高負荷域では、図9Bの実線で
示すように作動角が大きくなり、同時期が早くなると共
に、閉時期が遅くなるため、吸気慣性力を利用した吸気
充填効率が向上し、高出力化が図れる。尚、斯る高速高
負荷域において、偏心カム43をさらに時計方向に回動
させて、図1のディスクハウジング34及び環状ディス
ク29を最大右方向に揺動させれば、図9Bの一点鎖線
で示すように吸気弁23の作動角が一層大きくなり、高
出力化を助長することができる。
【0033】このように、本実施例では、機関運転変化
に応じてバルブタイミングを高精度に可変制御できるこ
とは勿論のこと、ディスクハウジング34を、第1,第
2偏心カム41,43を用いて揺動させるようにしたた
め、カムシャフト22の回転トルク変動に起因するディ
スクハウジング34の交番荷重による打音や摩耗等の発
生を防止できる。
【0034】特に、ディスクハウジング34の中心Yか
ら枢軸40の軸心Q1までの長さL1と制御シャフト4
2の軸心Q2までの長さL2が略等しい長さに設定され
ているため、前記ディスクハウジング34に作用する交
番荷重Fは、図1に示すようにその分力f1,f2が枢
軸40と制御シャフト42つまり第1偏心カム41と第
2偏心カム43に略均一に作用する。したがって、第1
偏心カム41の外周面と第1カム孔38の内周面との間
の摺動摩擦抵抗が第2偏心カム43と第2カム孔39の
摺動摩擦抵抗と略同一になり、第1偏心カム41側だけ
の過大な摺動摩擦抵抗の発生が防止される。この結果、
第1偏心カム41の回転作動が円滑になると共に、摩耗
の発生をさらに効果的に防止することができる。
【0035】また、ディスクハウジング34を、前述の
ように2つの偏心カム41,43によって支持している
ため、該両偏心カム41,43の大きさや相対的な取付
位置を環状ディスク29の偏心量や初期偏心位置及び回
転方向などによって自由に設定することが可能になる。
このため、レイアウトの自由度が向上すると共に、装置
のコンパクト化が図れる。また、両偏心カム41,43
で支持するため、ディスクハウジング34や環状ディス
ク29と駆動軸21との製造時における位置決めや所謂
芯出し作業が極めて容易になる。
【0036】図10及び図11は請求項1及び3の発明
に対応する実施例を示し、ディスクハウジング34を一
対のリンクで揺動させるようにしたものである。即ち、
円環状のディスクハウジング34は、略直径線上の両端
ボス部34b,34cに枢軸及び作動軸であるハウジン
グシャフト62,63が軸方向から固定されていると共
に、該ハウジングシャフト62,63に従動側の第1リ
ンク64と駆動側の第2リンク65の各一端部64a,
65aが枢支孔を介して回転自在に支持されている。ま
た、両リンク64,65は、ディスクハウジング34の
両端側に略接線方向に沿って並行に配置され、互いに上
下同方向に配置されている。また、第1リンク64の他
端部64bは、シリンダヘッド20の上端部のブラケッ
トに44固定された支軸66に挿通孔を介して回転自在
に支持されている一方、第2リンク65の他端部65b
は、前記駆動機構45の制御シャフト67に固定用孔を
介して連結固定されている。また、制御シャフト67
は、ディスクハウジング34の前後部がシリンダヘッド
20上端部に固定されたブラケット68a,68bに軸
受されている。また、第1リンク64と第2リンク65
とは、図中矢印で示すように夫々制御シャフト67と支
軸66とを中心に夫々互いに同方向へ回転するように設
定されている。
【0037】そして、前記両ハウジングシャフト62,
63の軸心Q1,Q2は、ディスクハウジング34の中
心Yを中心点とした同心円C上に配置され、該中心Yか
らの夫々の長さL1,L2が同一に設定されている。
【0038】したがって、この実施例では機関高速高負
荷域では、両リンク64,65が図9中破線で示すよう
に互いに左方向へ揺動した位置に保持されてディスク2
9の中心Yと駆動軸21の軸心Xが同心上になってお
り、前述のように弁作動角を大きく制御している。
【0039】一方、機関低速低負荷域に移行すると、油
圧アクチュエータ46により制御シャフト67が図中反
時計方向に回転して第2リンク65を反時計方向に回転
駆動させて、実線で示す角度位置に保持する。このた
め、第1リンク64も支軸66を中心に図中反時計方向
に追従回転して、同一角度位置に保持される。したがっ
て、ディスクハウジング34は、図示位置に揺動して、
ディスク29も同様に揺動して中心Yが駆動軸21の軸
心Xから偏心する。
【0040】依って、この実施例も、ディスクハウジン
グ34の中心Yから両ハウジングシャフト62,63の
軸心Q1,Q2までの長さL1,L2が等しいため、前
述の実施例と同様な作用効果が得られる。また、この実
施例では、単に一対のリンク64,65を用いるだけで
あるから、構造が簡素化され、製造作業能率の向上とコ
ストの低廉化が図れる。
【0041】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、ディスクハウジングの中心から枢軸の軸心及び
作動軸心までの長さを略等しい長さに設定したため、カ
ムシャフトの正負の回転トルク変動に起因してディスク
ハウジングに発生する交番荷重が、枢軸と作動軸に略均
一に作用する。したがって、枢軸側の摺動摩擦抵抗が従
来に比較して十分に小さくなり、この結果、ディスクハ
ウジングの常時円滑な揺動が得られ、バルブタイミング
の制御応答性が向上する。また、枢軸側の摺動摩擦抵抗
の減少により摩耗の発生も防止され、作動時の打音等の
発生が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1及び2の発明の一実施例を示す図3の
A−A線断面図。
【図2】本実施例の要部を示す平面図。
【図3】本実施例の要部を示す部分断面図。
【図4】図2のB−B線断面図。
【図5】図2のC−C線断面図。
【図6】本実施例に供される駆動機構を示す概略図。
【図7】同駆動機構の要部平面図。
【図8】本実施例の作用を示す図3のA−A線断面図。
【図9】本実施例の駆動軸とカムシャフトとの回転位相
差とバルブタイミングの特性図。
【図10】請求項1及び3の発明の実施例を示す図11
のD−D線断面図。
【図11】本実施例の要部を示す平面図。
【図12】従来の吸排気弁駆動制御装置の断面図。
【符号の説明】
21…駆動軸 22…カムシャフト 23…吸気弁 29…環状ディスク 34…ディスクハウジング 34a…支持孔 34b,34c…ボス部 40…枢軸 41,43…第1,第2偏心カム 42…制御シャフト 46…油圧アクチュエータ 62…ハウジングシャフト(枢軸) 63…ハウジングシャフト(作動軸) 64,65…第1,第2リンク

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関によって回転駆動する駆動軸と、該
    駆動軸の同軸上に相対回転自在に設けられて、外周面に
    吸排気弁を作動させるカムを有するカムシャフトと、前
    記駆動軸とカムシャフトとの間に介装されて、一端部を
    支持する枢軸を支点として略径方向へ揺動自在に設けら
    れた略円環状のディスクハウジングと、前記ディスクハ
    ウジングの内周に有する支持孔内に回転自在に支持さ
    れ、かつ前記駆動軸とカムシャフトとを連繋しつつディ
    スクハウジングの揺動に伴い中心が駆動軸の軸心と偏心
    動するディスクと、前記ディスクハウジングの他端部に
    設けられて、該ディスクハウジングを前記枢軸を介して
    揺動させる作動軸とを備えた吸排気弁駆動制御装置にお
    いて、前記枢軸と作動軸の各軸心位置を、前記ディスク
    ハウジングの中心を中心点とした略同心円上に設けたこ
    とを特徴とする内燃機関の吸排気弁駆動制御装置。
  2. 【請求項2】 前記ディスクハウジングの一端部と枢軸
    との間に、第1偏心カムを設ける一方、ディスクハウジ
    ングの他端部と作動軸との間に第2偏心カムを設け、ア
    クチュエータから前記作動軸に伝達された回転力により
    第2偏心カムを回転させて、第1偏心カムの追従回転を
    得てディスクハウジングを揺動させたことを特徴とする
    請求項1記載の内燃機関の吸排気弁駆動制御装置。
  3. 【請求項3】 前記枢軸に、一端部がシリンダヘッド上
    部に支持された第1リンクの他端部を連結する一方、前
    記作動軸に、一端部がアクチュエータに接続された第2
    リンクの他端部を連続し、前記アクチュエータにより第
    2リンクを回転させて、第1リンクの追従回転を得てデ
    ィスクハウジングを揺動させたことを特徴とする請求項
    1記載の内燃機関の吸排気弁駆動制御装置。
JP18099493A 1993-07-22 1993-07-22 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置 Pending JPH0734822A (ja)

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