JPH0734412B2 - 半導体磁器コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

半導体磁器コンデンサ及びその製造方法

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JPH0734412B2
JPH0734412B2 JP17663286A JP17663286A JPH0734412B2 JP H0734412 B2 JPH0734412 B2 JP H0734412B2 JP 17663286 A JP17663286 A JP 17663286A JP 17663286 A JP17663286 A JP 17663286A JP H0734412 B2 JPH0734412 B2 JP H0734412B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、半導体磁器コンデンサ、特に粒界絶縁形半導
体磁器コンデンサに適したSrTiO3−Y2O3−Nb2O5系半導
体磁器コンデンサおよびその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
受動電子部品としての半導体磁器コンデンサは表面層形
として還元再酸化型があり、また粒界層形として粒界絶
縁形に大別される。
還元再酸化型半導体コンデンサは半導体化剤を添加した
BaTiO3系またはSrTiO3系成形体を大気中で焼成して誘電
体セラミックを作り、これを還元性雰囲気中で熱処理し
半導体磁器を作る。こうして得られた半導体磁器を酸素
雰囲気中または大気中で熱処理するとその表面部から酸
素が拡散し酸素欠陥を満して表面層のみが誘電体層(再
酸化層)として、内部が半導体のままの複合セラミック
が形成され、その両面に電極を焼付け形成すると、表面
層の厚みによって静電容量が設定されるし、また厚みを
大きくすることによって定格電圧を高くすることも可能
な小型・大容量の半導体コンデンサが得られる。
堰層容量形半導体コンデンサは半導体化剤を含有する主
としてBaTiO3系の成形体を大気中で焼成しこれに銅等の
金属を蒸着させ、その上に銀等の電極(酸化物がp形の
半導体となり易い金属)を塗布し、これを大気中の雰囲
気で熱処理し、その表面に0.3〜3μ程度の堰層を形成
する。即ち表面は堰層絶縁体に外部電極を設け、内部は
半導体のままのコンデンサ素子ができる。この形のコン
デンサは堰層が極めて薄いため耐電圧は低いが静電容量
が大きく低電圧大容量コンデンサとして適している。
粒界絶縁型磁器コンデンサは、半導体化剤を添加したBa
TiO3またはSrTiO3系成形体を還元性雰囲気中で焼成し得
られた磁器の表面に金属酸化物、例えばBi2Oを塗布し大
気中で熱処理を行なう。この熱処理によって金属イオン
が磁器の内部に浸透して粒界にこれらの金属イオンを間
溶した絶縁層を形成する。結晶粒子内部はすでに半導体
化剤元素をドープした原子価制御形の半導体として残
る。このようにして粒界層内部だけが絶縁層に変わり、
これが半導体磁器内部でこれ等の半導体を内包した絶縁
性粒界層が上下縦横左右にマトリックス状に連結され一
種の海綿状の誘電体が形成され、電極を焼付してコンデ
ンサとなる。
これらの各種半導体磁器コンデンサは小型大容量が得ら
れることのほかに電圧特性、誘電体損失、周波数特性に
おいてバイパス用にしか使用出来なかったが、最近の製
造技術の進歩、特性改善に伴ってSrTiO3系を主成分とす
る半導体磁器コンデンサはカップリングを始め種々の信
号回路、パルス回路から半導体の雑音防止にいたるいろ
いろな用途に使用面が拡大されている。
しかし、これら各種半導体磁器コンデンサは表1に示し
てあるように、表面層形の中で還元再酸化型は絶縁抵抗
が粒界絶縁形に比べて小さく、誘電体損失が大きいとい
う欠点がある。また堰層容量形は、絶縁破壊電圧が60〜
80V程度と低く、絶縁抵抗が小さく、誘電体損失が大き
いという還元再酸化形と同様の欠点を持っている。
また、原子価補償形も前記のものと同様である。これら
の表面層形はBaTiO3系を主成分としており、コンデンサ
のメカニズム上素地の厚み分だけCs≧5nF/mm2の大容量
はいずれも得られない。
また粒界絶縁形では、表面層形のBaTiO3系よりもSrTiO3
系は絶縁抵抗が大きく、誘電体損失が小さく良好である
が、Caは3.0nF/mm2程度で、Cs≧5nF/mm2の大容量品は得
られていない。
表面層形半導体磁器コンデンサはCが厚みの大きさtに
逆比例しないためεを求められないが以下の関係式に
よって求めることができる。
Vb〔Volt〕=Eb・t …(2) (1)(2)より ε・Eb〔Volt/mm〕=1.13×105Cs・Vb 表1のε・Eb積は上式により計算したものである。
また、従来、この種の半導体磁器コンデンサの電極形成
方法としては、一般に、銀粉末とガラス粉末と有機ビヒ
クルとからなる銀ペーストを磁器表面に塗布焼付けする
か、またはニッケル無電解メッキを行なう方法が取られ
てきた。
上記する従来の電極形成方法の内、銀ペーストの焼付け
方法は、例えば磁器コンデンサの場合には、所望の静電
容量、誘電正接(tanδ)、電極の引張り強度及び半田
付け性に優れた電極を有する磁器コンデンサを提供する
ことができる。しかしながら、銀は貴金属であって高価
であり、必然的に磁器コンデンサのコストも高くなる。
しかも、銀は金属マイグレーションを起し易いという欠
点も有している。
一方、ニッケル無電解メッキ方法では、まず磁器素体表
面をフッ化アンモニウムと硝酸との混合溶液で粗面化処
理を行ない、次に塩化スズ溶液及び塩化パラジウム溶液
処理を行なった後、ニッケル無電解メッキ液に浸漬する
ことにより、ニッケル無電解メッキ層を形成し、更に所
望の電極部分にレジストを塗布し、硝酸等のエッチング
液に浸漬して不要なニッケル層を除去する工程を経なけ
ればならない。このため、電極形成工程において、各種
の酸等に磁器が浸触され、磁器表面の変質が生じ易く、
更に洗浄不良等によるメッキ液その他の残留物により信
頼性が悪化すると言う欠点があった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は、半導体磁器コンデンサでも特に粒界絶縁形半
導体磁器コンデンサにおいて、大きな誘電率を持ち、絶
縁抵抗が大きく、しかも、従来の銀電極に比べ低コスト
で、半田付性及び電極引張り強度に優れ、しかも金属マ
イグレーション等を発生することのない高信頼度の電極
を有する半導体磁器コンデンサおよびこの半導体磁器コ
ンデンサを製造するのに好適な製造方法を提供すること
を目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
このような問題点を改善し、その目的を達成するための
手段としてまず半導体磁器組成物として、(100−x−
y)・SrTiO3を主成分とし、副成分としてx・Y2O3及び
y・Nb2O5をそれぞれ0.1〜0.4mol%含有することを特徴
とする(100−x−y)・SrTiO3+x・Y2O3+y・Nb2O5
系半導体磁器組成物を用いる。
また、上記主成分に対してマンガンをMnOに換算して0.0
2〜0.2mol%含有すること、さらにまた、上記主成分に
対してSiO2を0.01〜0.1mol%含有することを特徴とした
半導体磁器組成物を用いる。
次にこの半導体磁器表面に亜鉛を主成分とする第1導電
層を焼付け形成し、該第1導電層の上に銅を主成分とす
る第2導電層を焼付け形成して半導体磁器コンデンサと
するものである。
次に、この半導体磁器コンデンサを製造するための本発
明に係る製造方法は、この半導体磁器表面に亜鉛粉末を
主成分とする導電ペーストを塗布して焼成することによ
り第1導電層を形成した後、該第1導電層の上に銅粉末
を主成分とする導電ペーストを塗布して中性または還元
性雰囲気中で焼成することにより第2導電層を形成する
ことを特徴とする。
第1図に例示する如く、半導体磁器1の表面に、亜鉛を
主成分とする第1導電層2を焼付け形成し、更にこの第
1導電層2の表面に銅を主成分とする第2導電層の3を
焼付け形成するのである。
上述の如く、半導体磁器1の表面に亜鉛を主成分とする
第1導電層2を設ける電極構造であると、次のような効
果が得られることが解った。
(イ)静電容量、誘電正接(tanδ)、絶縁抵抗、電極
の引張り強度に優れている。
(ロ)亜鉛は、銀と異なって、金属マイグレーションを
発生しない。このため、信頼性の高い磁器コンデンサを
提供することができる。
(ハ)亜鉛は銀に比べて材料コストが1/200と安価であ
るから、コストの安価な磁器コンデンサを提供すること
ができる。
更にこの第1導電層2の上に銅を主成分とする第2導電
層3を焼付け形成したことにより、次のような効果をも
併せ得ることができる。
(ニ)第1導電層2は亜鉛を主成分とするもので成り、
半田付け性は良く無いが、この第1導電層2の上に半田
付け性の良好な銅を主成分とする第2導電層3を焼付け
形成することにより、半田付け性を向上させることがで
きる。
(ホ)この第2導電層3はコストが銀の約1/50の安価な
銅を主成分とするから、コストダウンが達成できる。
(ヘ)第2導電層3は銅を主成分とするから、銀の場合
と異なって、金属マイグレーションを発生せず、信頼性
が向上する。
更に、前記第1導電層2は、亜鉛を主成分とし、これに
Ag,Al,Cuの中から選ばれた少なくとも一種以上の金属及
び/または金属酸化物を含有させると、上記作用効果を
向上させるのに効果があることが解った。また第2導電
層3の場合も、銅を主成分とし、これに金属酸化物を含
有させると、同様の効果が得られることが解った。
〔実施例〕
出発原料としてSrCO3,TiO2,MnCO3,SiO2および半導体
化剤としてY2O3,Nb3O5を用い、第2表または第3表に
示した配合組成比となるように秤量し、これらの原料配
合物を合成樹脂ボールミルで、玉石を入れて湿式混合攪
拌を20時間行う。その後脱水乾燥し、1200℃,昇降温度
200℃/hr安定化2時間で仮焼成し、化学反応を行わせ
た。これを再びボールミルで水,玉石を入れて16時間粉
砕混合する。これを脱水乾燥して2重量%の有機結合剤
としてPVAを添加し、造粒整粒を行い顆粒粉末としこの
粉末を約3ton/icm2の成型圧力で10φ×0.5t mmの円板状
に成形する。この成形物を800℃で1時間脱バインダ
し、これを還元気流中(H2+N2雰囲気)において1450℃
で約2時間本焼成して半導体化する。こうして得られた
半導体磁器素子は8.5φ×0.4t mmとなっており、これの
両面に拡散物質としてBi2O3−CuO系フリットペーストを
3mgスクリーン印刷で塗布し、これを空気中で1150℃で
2時間焼成して結晶粒界に絶縁層の形成された半導体磁
器とする。
このようにして得られた各試料の電気的特性を測定した
結果を第2表および第3表に示す。ここで誘電率ε
よび誘電体損失tanδは周波数1kHzで測定した。絶縁抵
抗は50Vを印加して室温20℃で測定した。
(亜鉛ペーストの調製) 平均粒径2.5μmの亜鉛粉末を100重量部とし、これに対
して表4に示す混合割合で325メッシュ通過する粒径
の、B2O3−SiO2−ZnO(25,10,65wt%)のガラス粉末、
銀微粉末もしくは金属酸化物粉末及び有機バインダとし
て、エチルセルロースとブチカルビトールから成る有機
ビヒクルを加え、混合攪拌して亜鉛ペーストを調製し
た。
(第1導電層の形成) 次に前記のようにして製造された半導体磁器に亜鉛ペー
ストによる第1導電層を形成するため、200メッシュの
テトロン製スクリーンを使用して、第2図に示すよう
に、半導体磁器1の主面1aに亜鉛ペースト2を印刷塗布
した。次にこれを乾燥炉に入れて125℃の温度条件で約1
0分間乾燥処理を行なった。
次に、半導体磁器1の他方の主面1bにも同様の手段によ
って亜鉛ペースト2を印刷塗布し乾燥させた後、ステン
レス製網に載せてバッチ炉内に送り込み、約700℃の温
度で10分間焼成した。この際、昇温及び降温を含めて、
合計60分の処理時間となった。これにより、第2図に示
した如く半導体磁器1の主面1a,1bに直径約7.5mmの、亜
鉛を主成分とする第1導電層2が形成される。
(銅ペーストの調製) 平均粒径0.5μmの銅粉末100重量部と、325メッシュを
通過する粒径のB2O3−PbO(50,50wt%)系ガラス粉末を
表3の割合で混合し、更に金属線酸化物粉末、及び、有
機バインダとして、エチルセルロースとブチルカルビト
ールから成る有機ビヒクルを加え、混合攪拌して銅ペー
ストを調製した。
(第2導電層の形成) 次に上記の銅ペーストを前記第1導電層2の表面に亜鉛
ペーストと同様の手段によって印刷塗布して乾燥させ
た。この後、N2(90%)+H2(10%)の還元性気流中
で、360℃の温度で20分間焼成して、焼付け処理を行な
い、第3図に示すように、第1導電層2の表面に銅を主
成分とする直径約5mmの第2導電層3を形成した。これ
により、半導体磁器1の両面に亜鉛を主成分とする第1
導電層2を形成し、この第1導電層2の上に銅を主成分
とする第2導電層3を形成した本発明に係る半導体磁器
コンデンサが得られる。
上記のようにして得られた半導体磁器コンデンサの特性
を以下に示す。
(1)半導体磁器組成 まずはじめにこのようにして得られた半導体磁器コンデ
ンサの半導体磁器組成別の電気特性を表−2及び表−3
に示す。
第2表より明らかなように、本発明の範囲内のものは、
誘電率εが約115000以上の高い値を示し誘電体損失ta
nδは0.35〜0.86%の極めて小さな値を示している。次
に組成比の限定理由を述べる。
副成分Y2O3およびNb2O5の単独添加では誘電率ε、直
流破壊電圧Ebが共に高い値を得ることができない(試料
No.1,2,3,7,11,23)。またY2O3とNb2O5の複合添加にお
いても各0.1mol%未満ではε,Ebのアップ効果が顕著
でない(試料No.4,5,6,12,27)。Y2O3が0.4mol%を越え
るとεが低くなる(試料No.27,28,29)。Nb2O5が0.4m
ol%を越えるとEbが低くなる(試料No.6,22,29)。MnO
が0.02mol%未満では絶縁抵抗I・Rのアップ効果が顕
著でない(試料No.14,15)。MnOが0.2mol%を越えると
誘電体損失tanδが高くなり、εが低くなる(試料No.
20)。
第3表より明らかなように、SiO2が0.01mol%未満ではS
rO/TiO2比の適正範囲(0.002)が狭い(試料No.30,31,3
2,33,34,35,36,37)。SiO2が0.10mol%を越えるとε
が低くなる(試料No.50,51)。SiO2が0.01〜0.1mol%の
範囲内のときはSrO/TiO2比の適正範囲(0.004,0.006)
が広くなる。
(2)電極の検討 次に(1)で得られた半導体磁器コンデンサの電極の評
価を行うため誘電率ε、誘電正接tanδ、半田付け性
及び引張り強度Tの測定を行った。その測定結果を表−
4に示す。
本発明に係る半導体磁器コンデンサの電極の良否の判断
基準を決めるため、本実施例と同一の組成及び形状に成
るSrTiO3系半導体磁器を作成し、この半導体磁器の主面
に公知の方法によって銀ペーストを焼付けして、銀電極
を形成することにより、銀電極構造SrTiO3系半導体磁器
コンデンサ(以下従来コンデンサと称する)を作成し、
実施例と同様の方法により、誘電率ε、誘電正接tan
δ(%)、半田付け性を引張り強度T(kg)を測定した
ところ、誘電率ε=75,000、誘電正接tanδ=0.5
(%)、半田付け性は良、引張り強度T=1.4(kg)で
あった。そこで、この従来コンデンサの特性を考慮し、
誘電率εが100,000以上で、誘電正接tanδが1.0
(%)以下であり、半田付け性が従来コンデンサと同程
度以上で、引張り強度Tが0.5(kg)以上の特性を有す
るものを、良否の判断基準とした。
更に本発明に係る上記実施例との比較のため、亜鉛を主
成分とする第1導電層2は有するが、第2導電層3を設
けない状態(第2図の構造)で特性を測定したところ、
誘電率ε、誘電正接tanδ(%)は本発明の上記実施
例と同様であったが、半田付けは不可であり、引張出し
強度T(kg)を測定することができなかった。
表−4から明らかなように試料番号4〜26の試料が良品
基準以上にあり、従来コンデンサと比較し、誘電率ε
及び引張り強度T(kg)が大きくなっている。従って、
本発明によれば、磁器コンデンサの小型化が可能であ
る。
しかも、亜鉛粉末のコストは従来コンデンサに使用する
銀粉末のコストの約1/200であり、銅粉末も同じく約1/5
0であるから、大幅なコストダウンが可能である。さら
に、第1及び第2図導電層2,3の形成において、何れの
場合もスクリーン印刷方法等を採用することができ、磁
器がメッキ液等に侵されることがないので、メッキ液の
残留による信頼性の低下もなく、高信頼性の磁器コンデ
ンサを量産することが可能である。
以上、実施例により本発明の内容を具体的に説明した
が、これ以外の種々の実験結果により、次のことが確認
された。
(a)平均粒径が5μm、10μm、30μmの亜鉛粉末を
用いた場合も上記実施例と同様の結果が得られた。
(b)平均粒径が0.1μm0.3μm、1μm、5μm、10
μmの銅粉末を使用した場合にも実施例と同様の結果が
得られた。
(c)亜鉛ペースト及び銅ペーストに使用するガラス粉
末として、軟化点330℃〜800℃の種種のガラス粉末を使
用しても、上記実施例と同様の結果が得られた。即ち、
PbO−B2O3系、PbO−B2O3−SiO2系、ZnO−B2O3−BiO2
等のように、PbO,ZnO,Bi2O3,BaO,B2O3,SiO2,ZrO2,Ti
O2,Al2O3,CaOの群から選ばれた二種以上の金属酸化物
から成る軟化点330℃〜800℃の範囲の公知のガラスフリ
ットで、同様の結果が得られた。
(d)亜鉛ペーストを用いて第1導電層を焼付け形成す
る際の温度は、亜鉛の融点(419.5℃)からその融点(9
30℃)の範囲、特に500℃〜900℃の範囲が好ましい。焼
け温度が亜鉛の融点(419.5℃)以下では実用的な導電
層が形成できず、引張り強度が極端に低下する。また沸
点(930℃)以上では亜鉛の酸化が進み電気抵抗が高く
なり、実用に向かない。
(e)鋼ペーストを用いて第2導電層を形成する際の焼
付け温度は200℃〜800℃の範囲、特に250℃〜500℃の範
囲が好ましい。200℃以下では第1導電層と第2導電層
との間の接合が不充分になり、電極引張り強度が低下す
る。800℃以上では半導体磁器表面が還元され特性の劣
化を招く。
〔発明の効果〕
以上のように本発明の半導体磁器コンデンサは(100−
x−y)・SrTiO3+x・Y2O3+y・Nb2O5系半導体磁器
組成物に、副成分としてY2O3およびNb2O5を複合添加
(0.1≦x≦0.4,0.1≦y≦0.4)することにより誘電率
ε,直流破壊電圧Eb及びε・Eb積の高い半導体磁器
コンデンサが得られる。
また周波数特性、温度特性および誘電体損失も良好であ
る。さらにMnOを0.02〜0.2mol%添加することにより絶
縁抵抗の高い半導体磁器が得られた。さらにまたSiO2
0.01〜0.1mol%添加することによりSrO/TiO2比の適正範
囲を拡大することができるので製造作業が容易となり量
産が可能で製造コストの低下を図ることができる。
よって従来のバイパス用以外のカップリング、種々の信
号回路、パルス回路から雑音防止用にいたるまでの用途
に広がった。
また、本発明の半導体磁器コンデンサは、亜鉛を主成分
とする第1導電層を焼付け形成し、該第1導電層の上に
銅を主成分とする第2導電層を焼け形成したことを特徴
とするから、従来の銀電極に比べて高誘電率のため小形
が可能となり即ち従来8φ素地で105pFのものが7φ素
地で製作できるようになった。また低コストで、電気的
諸特性、半田付け性及び電極引張り強度に優れ、しかも
金属マイグレーション等を発生することのない高信頼度
の電極を有する半導体磁器コンデンサを提供することが
できる。
また、本発明に係る製造方法は、磁器表面に亜鉛粉末を
主成分とする導電ペーストを塗布して焼成することによ
り第1導電層を形成した後、該第1導電層の上に鋼粉末
を主成分とする導電ペーストを塗布して中性雰囲気また
は還元性雰囲気中で焼成することにより第2導電層を形
成することを特徴とするから、第1導電層及び第2導電
層とも、導電ペーストの塗布、焼付けという方法により
形成でき、無電解メッキや電解メッキの場合と異なっ
て、薬品またはメッキ液等による磁器素体の変質及び信
頼性の低下を招くことがない。このため、本発明によれ
ば、製造工程での信頼性の低下を招くことなく、低コス
トで、前述の半導体磁器コンデンサを量産することがで
き工業上の利益は多大である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例に係わる半導体磁器コンデン
サの断面図、第2図は第1導電層を形成した半導体磁器
コンデンサの正面図、第3図は第2図の半導体磁器コン
デンサに第2導電層を形成した状態を示す正面図であ
る。 1…半導体磁器、2…第1導電層、3…第2導電層、1
a,1b…主面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古川 喜代志 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 藤原 忍 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 及川 泰伸 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】SrTiO3系半導体磁器の表面に亜鉛粉末を主
    成分とする第1導電層を焼付け形成し、該第1導電層の
    上に銅を主成分とする第2導電層を焼付け形成したこと
    を特徴とする半導体磁器コンデンサ。
  2. 【請求項2】上記SrTiO3系半導体磁器の組成を(100−
    x−y)・SrTiO3を主成分とし、副成分としてx・Y2O3
    及びy・Nb2O5をそれぞれ0.1〜0.4mol%含有する(100
    −x−y)・SrTiO3+x・Y2O3+y・Nb2O5としたこと
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の半導体磁器コ
    ンデンサ。
  3. 【請求項3】上記主成分に対しマンガンをMnOに換算し
    て0.02〜0.2mol%含有することを特徴とする特許請求の
    範囲第2項記載の半導体磁器コンデンサ。
  4. 【請求項4】上記主成分に対しSiO2を0.01〜0.1mol%含
    有することを特徴とする特許請求の範囲第2項又は第3
    項記載の半導体磁器コンデンサ。
  5. 【請求項5】上記主成分および副成分からなる組成を成
    形焼結してなる半導体磁器の粉界にBiが偏在しているこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1〜4項のいずれか1
    項に記載の半導体磁器コンデンサ。
  6. 【請求項6】上記第1導電層はAg,Al,Cuの中から選ばれ
    た少なくとも一種以上の金属及び/または金属酸化物を
    含有することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    半導体磁器コンデンサ。
  7. 【請求項7】上記第2導電層は金属酸化物を含有するこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の半導体磁器
    コンデンサ。
  8. 【請求項8】半導体磁器表面に亜鉛粉末を主成分とする
    導電ペーストを塗布して焼成することにより第1導電層
    を形成した後、該第1導電層の上に銅粉末を主成分とす
    る導電ペーストを塗布して中性または還元性雰囲気中で
    焼成することにより第2導電層を形成することを特徴と
    する半導体磁器コンデンサの製造方法。
  9. 【請求項9】上記第1導電層を形成するための前記導電
    ペーストは、亜鉛粉末,ガラス粉末及び有機ビヒクルを
    含有することを特徴とする特許請求の範囲第8項記載の
    半導体磁器コンデンサの製造方法。
  10. 【請求項10】上記第1導電層を形成するための前記導
    電ペーストは亜鉛粉末とガラス粉末とを含有し、更に、
    Ag,Al,Cuの中から選ばれた少なくとも一種以上の金属粉
    末及び/または金属酸化物を含有することを特徴とする
    特許請求の範囲第8項記載の半導体磁器コンデンサの製
    造方法。
  11. 【請求項11】上記第2導電層を形成するための導電ペ
    ーストは銅粉末、ガラス粉末及び有機ビヒクルを含有す
    ることを特徴とする特許請求の範囲第8項、第9項また
    は第10項記載の半導体磁器コンデンサの製造方法。
  12. 【請求項12】上記第2導電層を形成するための前記導
    電ペーストは銅粉末、ガラス粉末及び金属酸化物粉末を
    含有することを特徴とする特許請求の範囲第8項、第9
    項または第10項記載の半導体磁器コンデンサの製造方
    法。
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