JPH0734414B2 - 半導体磁器コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

半導体磁器コンデンサ及びその製造方法

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JPH0734414B2
JPH0734414B2 JP18338386A JP18338386A JPH0734414B2 JP H0734414 B2 JPH0734414 B2 JP H0734414B2 JP 18338386 A JP18338386 A JP 18338386A JP 18338386 A JP18338386 A JP 18338386A JP H0734414 B2 JPH0734414 B2 JP H0734414B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電子機械や機器中の受動電子部品としての半導
体磁器コンデンサ、特に粒界絶縁形半導体磁器コンデン
サ、およびその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
受動電子部品としての半導体磁器コンデンサは表面層形
として還元再酸化型、堰層容量型があり、また粒界層形
として粒界絶縁形に大別される。
還元再酸化型半導体コンデンサは半導体化剤を添加した
BaTiO3系またはSrTiO3系成形体を大気中で焼成して誘電
体セラミックを作り、これを還元性雰囲気中で熱処理し
半導体磁器を作る。こうして得られた半導体磁器を酸化
雰囲気中または大気中で熱処理するとその表面部から酸
素が拡散し酸素欠陥を満して表面層のみが誘電体層(再
酸化層)として、内部が半導体のままの複合セラミック
が形成され、その両面に電極を焼付け形成すると、表面
層の厚みによって静電容量が設定されるし、また厚みを
大きくすることによって定格電圧を高くすることも可能
な小型・大容量の半導体コンデンサが得られる。
堰層容量形半導体コンデンサは半導体化剤を含有する主
としてBaTiO3系の成形体を大気中に焼成しこれに銅等の
金属を蒸着させ、その上に銀等の電極(酸化物がp形の
半導体となり易い金属)を塗布し、これを大気中の雰囲
気で熱処理し、その表面に0.3〜3μ程度の堰層を形成
する。即ち表面は堰層絶縁体に該部電極を設け、内部は
半導体のままのコンデンサ素子ができる。この形のコン
デンサは堰層が極めて薄いため耐電圧は低いが静電容量
が大きく低電圧大容量コンデンサとして適している。
粒界絶縁型磁器コンデンサは、半導体化剤を添加したBa
TiO3またはSrTiO3系成形体を還元性雰囲気中で焼成し得
られた磁器の表面に金属酸化物、例えばBi2Oを塗布し大
気中で熱処理を行なう。この熱処理によって金属イオン
が磁器の内部に浸透して粒界にこれらの金属イオンを間
溶した絶縁層を形成する。結晶粒子内部はすでに半導体
化剤元素をドープした原子価制御形の半導体として残
る。このようにして粒界層内部だけが絶縁層に変わり、
これが半導体磁器内部でこれ等の半導体を内包した絶縁
性粒界層が上下縦横左右にマトリックス状に連結され一
種の海綿状の誘電体が形成され、電極を焼付してコンデ
ンサとなる。
これらの各種半導体磁器コンデンサは小型大容量が得ら
れることのほかに電圧特性、誘電体損失、周波数特性に
おいてバイパス用にしか使用出来なかったが、最近の製
造技術の進歩、特性改善に伴ってSrTiO3系を主成分とす
る半導体磁器コンデンサはカップリングを始め種々の信
号回路、パルス回路から半導体の雑音防止にいたるいろ
いろな用途に使用面が拡大されている。
しかし、これら各種半導体磁器コンデンサは表1に示し
てあるように、表面層形の中で還元再酸化型は絶縁抵抗
が粒界絶縁形に比べて小さく、誘電体損失が大きいとい
う欠点がある。また堰層容量形は、絶縁破壊電圧が60〜
80V程度と低く、絶縁抵抗が小さく、誘電体損失が大き
いという還元再酸化形と同様の欠点を持っている。
また、原子価補償形も前記のものと同様である。これら
の表面層形はBaTiO3系を主成分としており、コンデンサ
のメカニズム上素地の厚み分だけCs≧5nF/mm2の大容量
はいずれも得られない。
また、粒界絶縁形では、表面層形のBaTiO3系よりもSrTi
O3系は絶縁抵抗が大きく、誘電体損失が小さく良好であ
るが、Csは2.5nF/mm2程度で、Cs≧5nF/mm2の大容量品は
得られていない。
表面層形半導体磁器コンデンサはCが厚みの大きさtに
逆比例しないためεを求められないが以下の関係式に
よって求めることができる。
Vb〔Volt〕=Eb・t …(2) (1)(2)より ε・Eb〔Volt/mm〕=1.13×105Cs・Vb 表1のε・Eb積は上式により計算したものである。
また、従来、この種の半導体磁器電子部品の電極形成方
法としては、一般に、銀粉末とガラス粉末と有機ビヒク
ルとからなる銀ペーストを磁器表面に塗布焼付けする
か、またはニッケル無電解メッキを行なう方法が取られ
てきた。
上記する従来の電極形成方法の内、銀ペースの焼付け方
法は、例えば磁器コンデンサの場合には、所望の静電容
量、誘電正接(tan δ)、電極の引張り強度及び半田付
け性に優れた電極を有する磁器コンデンサを提供するこ
とができる。しかしながら、銀は貴金属であって高価で
あり、必然的に磁器電子部品のコストも高くなる。しか
も、銀は金属マイグレーションを起し易いという欠点を
有している。
一方、ニッケル無電解メッキ方法では、まず磁器素体表
面をフッ化アンモニウムと硝酸との混合溶液で粗面化処
理を行ない、次に塩化スズ溶液及び塩化パラジウム溶液
処理を行なった後、ニッケル無電解メッキ液に浸漬する
ことにより、ニッケル無電解メッキ層を形成し、更に所
望の電極部分にレジストを塗布し、硝酸等のエッチング
液に浸漬して不要なニッケル層を除去する工程を経なけ
ればならない。このため、電極形成工程において、各種
の酸等に磁器が浸触され、磁器表面の変質が生じ易く、
さらに洗浄不良等によるメッキ液その他の残留物により
信頼性が悪化すると言う欠点があった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は半導体磁器コンデンサでも特に粒界絶縁形半導
体磁器コンデンサにおいて、大きな誘導電率を持ち、絶
縁抵抗が大きく、しかも、従来の銀電極に比べ低コスト
で、半田付性及び電極引張り強度に優れ、しかも金属マ
イグレーション等を発生することのない高信頼度の電極
を有する半導体磁器コンデンサおよびこの半導体磁器コ
ンデンサを製造するのに好適な製造方法を提供すること
を目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
このような問題点を改善し、その目的を達成するための
手段としてまず、半導体磁器の組成物としては、(Sr
100-XBaX)TiO3を主成分とし、副成分としてCaTiO3を3
〜17mol%含有することを特徴とする(100−y)(Sr
100-XBaX)TiO3+y・CaTiO3系半導体磁器組成物を用い
る。ただし、ここで、x,yは30≦x≦60,3≦y≦17のモ
ル%である。
また本発明の実施例の1つとして上記主成分に対してマ
ンガンをMnOに換算して0.005〜0.3モル%含有する半導
体磁器を用いる。
次にこの半導体磁器表面にアルミニウムを主成分とする
第1導電層を焼付け形成し、該第1導電層の上に銅を主
成分とする第2導電層を焼付け形成して半導体磁器コン
デンサとするものである。
次に、この半導体磁器コンデンサを製造するための本発
明に係る製造方法は、この半導体磁器表面にアルミニウ
ム粉末を主成分とする導電ペーストを塗布して焼成する
ことにより第1導電層を形成した後、該第1導電層の上
に銅粉末を主成分とする導電ペーストを塗布して中性ま
たは還元性雰囲気中で焼成することにより第2導電層を
形成することを特徴とする。
第1図に例示する如く、半導体磁器1の表面に、アルミ
ニウムを主成分とする第1導電層2を焼付け形成し、更
にこの第1導電層2の表面に銅を主成分とする第2導電
層3を焼付け形成するのである。
上述の如く、半導体磁器1の表面にアルミニウムを主成
分とする第1導電層2を設ける電極構造であると、次の
ような効果が得られることが解った。
(イ)静電容量、誘電正接(tan δ)、絶縁抵抗、電極
の引張り強度に優れている。
(ロ)アルミニウムは、銀と異なって、金属マイグレー
ションを発生しない。このため、信頼性の高い磁器電子
部品を提供することができる。
(ハ)アルミニウムは銀に比べて材料コストが1/100と
安価であるから、コストの安価な磁器電子部品を提供す
ることができる。
更にこの第1導電層2の上に銅を主成分とする第2導電
層3を焼付け形成したことにより、次のような効果をも
併せ得ることができる。
(ニ)第1導電層2はアルミニウムを主成分とするもの
で成り、半田付け性は良く無いが、この第1導電層2の
上に半田付け性の良好な銅を主成分とする第2導電層3
を焼付け形成することにより、半田付け性を向上させる
ことができる。
(ホ)この第2導電層3はコストが銀の約1/50の安価な
銅を主成分とするから、コストダウンが達成できる。
(ヘ)第2導電層3は銅を主成分とするから、銀の場合
と異なって、金属マイグレーションを発生せず、信頼性
が向上する。
更に、前記第1導電層2は、アルミニウムを主成分と
し、これにAg,Zn,Cuの中から選ばれた少なくとも一種以
上の金属及び/または金属酸化物を含有させると、上記
作用効果を向上させるのに効果があることが解った。ま
た第2導電層3の場合にも、銅を主成分とし、これに金
属酸化物を含有させると、同様の効果が得られることが
解った。
〔実施例〕
(半導体磁器の作成) 本発明を実施例によって詳細する。まず純度98%以上の
工業用原料のSrCO3,BaCO3,CaCO3,TiO2,MnCO3および
高純度の半導体化剤としてY2O3,Ce2O3,La2O3,Dy
2O3,Nb2O5,Ta2O5,Sb2O3,WO3等のうち一種以上を準
備し、表2に示した配合組成比になるように秤量し、こ
れらをボールミルで20時間回転攪拌する。その後脱水乾
燥し、1200℃で仮焼成し粗粉砕後、更にボールミルで16
時間回転粉砕混合する。これを脱水乾燥して2重量%の
有機結合剤を添加し、造粒整粒を行ない顆粒粉末とし、
この粉末を約3トン/cm2の成形圧力で円板状に成形す
る。この試料を還元気流中(H2+N2雰囲気)において14
80℃で約2時間焼成して半導体化する。
こうして得られた半導体磁器素子は直径9mm、厚さ0.5mm
でこの磁器素子の両面に拡散物質としてBi2O3−CuO系フ
リットペーストを3.5mgスクリーン印刷で塗布し、これ
を空気中で1050℃の温度で2時間焼成して結晶粒界に絶
縁層の形成された半導体磁器とする。
(アルミニウムペーストの調製) 平均粒径10μmのアルミニウム粉末を100重量部とし、
これに対して表3に示す混合割合で325メッシユを通過
する粒径の、B2O3−SiO2−ZnO(25,10,65wt%)のガラ
ス粉末、銀微粉末もしくは金属酸化物粉末、及び有機バ
インダとして、エチルセルロースとブチルカルビトール
から成る有機ビヒクルを加え、混合攪拌してアルミニウ
ムペーストを調製した。
(第1導電層の形成) 次に前記のようにして製造された半導体磁器にアルミニ
ウムペーストによる第1導電層を形成するため、200メ
ッシュのテトロン製スクリーンを使用して、第2図に示
すように、半導体磁器1の主面1aにアルミニウムペース
ト2を印刷塗布した。次にこれを乾燥炉に入れて125℃
の温度条件で約10分間処理を行なった。
次に、半導体磁器1の他方の主面1bにも同様の手段によ
ってアルミニウムペースト2を印刷塗布し乾燥させた
後、ステンレス製網に載せてバッチ炉内に送り込み、約
900℃の温度で10分間焼成した。この際、昇温及び降温
を含めて、合計60分の処理時間となった。これにより、
第2図に示した如く半導体磁器1の主面1a,1bに直径約
7.5mmの、アルミニウムを主成分とする第1導電層2が
形成される。
(銅ペーストの調製) 平均粒径0.5μmの銅粉末100重量部と、325メッシュを
通過する粒径のB2O3−PbO(50,50wt%)系ガラス粉末を
表3の割合で混合し、更に金属酸化物粉末、及び、有機
バインダとして、エチルセルロースとブチルカルビトー
ルから成る有機ビヒクルを加え、混合攪拌して銅ペース
トを調製した。
(第2導電層の形成) 次に上記の銅ペーストを前記第1導電層2の表面にアル
ミニウムペーストと同様の手段によって印刷塗布して乾
燥させた。この後、N2(90%)+H2(10%)の還元性気
流中で、360℃の温度で20分間焼成して、焼付け処理を
行ない、第3図に示すように、第1導電層2の表面に銅
を主成分とする直径約5mmの第2導電層3を形成した。
これにより、半導体磁器1の両面にアルミニウムを主成
分とする第1導電層2を形成し、この第1導電層2の上
に銅を主成分とする第2導電層3を形成した本発明に係
る半導体磁器コンデンサが得られる。
上記のようにして得られた半導体磁器コンデンサの特性
を以下に示す。
(1)半導体磁器組成 まずはじめにこのようにして得られた半導体磁器コンデ
ンサの半導体磁器組成別の電気特性を表−2に示す。
表−2において試料No.1,2,6,11,13は本発明の範囲外の
ものであって比較のために示した。表−2より明らかな
ように、限定範囲内のものは、いずれも、誘電率ε
大きく、誘電正接tanδが小さく、かつ絶縁抵抗IRが大
きく、直流破壊電圧値Ebが大きい。次に組成比の限定理
由を述べる。
(1−y)・(Sr1-XBaX)TiO3+y・CaTiO3系の式にお
いて、BaTiO3が30モル%以下になると直流破壊電圧Ebが
小さくなり実用的でない。更に60モル%を超えると誘電
体損失tanδが大きくなって実用的でない。
第4図はCaTiO3の添加量による絶縁抵抗IRと誘電率ε
の変化を示しており、矢印の部分が本発明の範囲であ
る。これにより明らかな如く、CaTiO3が3モル%以下だ
と絶縁抵抗の劣化が大きくなり、信頼性(高温負荷)が
悪くなり実用的でない。また一方、17モル%以上になる
と誘電率が小さくなり実用的でない。MoOが0.005モル%
以上で絶縁抵抗IRが格段に向上し、実用的である。また
MnOが0.3モル%以上では誘電率εが小さくなり実用的
でない。
なおLaを使用したときCeと同様であり、SbはWと同様で
ある。
(2)電極の検討 次に(1)で得られた半導体磁器コンデンサの電極の評
価を行うため誘電率ε、誘電正接tanδ、半田付け性
及び引張り強度Tの測定を行った。その測定結果を表−
3に示す。
本発明に係る半導体磁器コンデンサの電極の良否の判断
基準を決めるため、本実施例と同一の組成及び形状に成
るSrTiO3−BaTiO3−CaTiO3系半導体磁器を作成し、この
半導体磁器の主面に公知の方法によって銀ペーストを焼
付けして、銀電極を形成することにより、銀電極構造Sr
TiO3−BaTiO3−CaTiO3系半導体磁器コンデンサ(以下従
来コンデンサと称する)を作成し、実施例と同様の方法
により、誘電率ε、誘電正接tan δ(%)、半田付け
性及び引張り強度T(kg)を測定したところ、誘電率ε
=90,000、誘電正接tan δ=1.4(%)、半田付け性
は良、引張り強度T=1.5(kg)であった。そこで、こ
の従来コンデンサの特性を考慮し、誘電率εが90,000
以上で、誘電正接tanδが5.0(%)以下であり、半田付
け性が従来コンデンサと同程度以上で、引張り強度Tが
0.5(kg)以上の特性を有するものを、良否の判断基準
とした。
更に本発明に係る上記実施例との比較のため、アルミニ
ウムを主成分とする第1導電層2は有するが、第2導電
層3を設けない状態(第2図の構造)で特性を測定した
ところ、誘電率ε、誘電正接tanδ(%)は本発明の
上記実施例と同様であったが、半田付けは不可であり、
引張り強度T(kg)を測定することができなかった。
表−3から明らかなようにすべての試料が良否基準以上
にあり、従来コンデンサと比較し、誘電率ε及び引張
り強度T(kg)が大きくなっている。従って、本発明に
よれば、磁器コンデンサの小型化が可能である。
しかも、アルミニウム粉末のコストは従来コンデンサに
使用する銀粉末のコストの約1/100であり、銅粉末も同
じく約1/50であるから、大幅なコストダウンが可能であ
る。更に、第1及び第2導電層2,3の形成において、何
れの場合もスクリーン印刷方法等を採用することがで
き、磁器がメッキ液等に侵されることがないので、メッ
キ液の残留による信頼性の低下もなく、高信頼性の磁器
コンデンサを量産することが可能である。
以上、実施例により本発明の内容を具体的に説明した
が、これ以外の種々の実験結果により、次のことが確認
された。
(a)平均粒径が5μm、10μm、30μmのアルミニウ
ム粉末を用いた場合にも上記実施例と同様の結果が得ら
れた。
(b)平均粒径が0.1μm、0.3μm、1μm、5μm、
10μmの銅粉末を使用した場合にも実施例と同様の結果
が得られた。
(c)アルミニウムペースト及び銅ペーストに使用する
ガラス粉末として、軟化点330℃〜800℃の種々のガラス
粉末を使用しても、上記実施例と同様の結果が得られ
た。即ち、PbO−B2O3系、PbO−B2O3−SiO2系、ZnO−B2O
3−SiO2系等のように、PbO,ZnO,Bi2O3,BaO,B2O3,Si
O2,ZrO2,Al2O3,CaO,SrOの群から選ばれた二種以上の
金属酸化物から成る軟化点330℃〜800℃の範囲の公知の
ガラスフリットで、同様の結果が得られた。
(d)アルミニウムペーストを用いて第1導電層を焼付
け形成する際の温度は、アルミニウムの融点(660.2
℃)からその沸点(2060℃)の範囲、特に800℃〜1200
℃の範囲が好ましい。焼付け温度がアルミニウムの融点
(660.2℃)以下では実用的な導電層が形成できず、引
張り強度が極端に低下する。また沸点(約2060℃)以上
ではアルミニウムの酸化が進み電気抵抗が高くなり、実
用に向かない。
(e)銅ペーストを用いて第2導電層を形成する際の焼
付け温度は200℃〜800℃の範囲、特に250℃〜500℃の範
囲が好ましい。200℃以下では第1導電層と第2導電層
との間の接合が不充分になり、電極引張り強度が低下す
る。
800℃以上では半導体磁器表面が還元され特性の劣化を
招く。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明の半導体磁器コンデンサは小型大
容量で、誘電正接tan δが小さく、絶縁抵抗が大きいと
いう優れた特性を持つので、従来のバイパス用以外のカ
ップリング、種々の信号回路、パルス回路から雑音防止
用にいたるまでの用途に広がった。
また、本発明の半導体磁器コンデンサは、アルミニウム
を主成分とする第1導電層を焼付け形成し、該第1導電
層の上に銅を主成分とする第2導電層を焼付け形成した
ことを特徴とするから、従来の銀電極に比べて低コスト
で、電気的諸特性、半田付け性及び電極引張り強度に優
れ、しかも金属マイグレーション等を発生することない
高信頼度の電極を有する半導体磁器コンデンサを提供す
ることができる。
また、本発明に係る製造方法は、磁器表面にアルミニウ
ム粉末を主成分とする導電ペーストを塗布して焼成する
ことにより第1導電層を形成した後、該第1導電層の上
に銅粉末を主成分とする導電ペーストを塗布して中性雰
囲気または還元性雰囲気中で焼成することにより第2導
電層を形成することを特徴とするから、第1導電層及び
第2導電層とも、導電ペーストの塗布、焼付けという方
法により形成でき、無電解メッキや電解メッキの場合と
異なって、薬品またはメッキ液等による磁器素体の変質
及び信頼性の低下を招くことがない。このため、本発明
によれば、製造工程での信頼性の低下を招くことなく、
低コストで、前述の磁器電子部品を量産することができ
工業上の利益は多大である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例に係わる半導体磁器コンデン
サの断面図、第2図は第1導電層を形成した半導体磁器
コンデンサの正面図、第3図は第2図の半導体磁器コン
デンサに第2導電層を形成した状態を示す正面図、第4
図は本発明の実施例におけるCaTiO3の添加量別の絶縁抵
抗値と誘電率の関係説明図である。 1……半導体磁器、2……第1導電層、3……第2導電
層、1a,1b……主面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野 秀一 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 板垣 秋一 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(Sr,Ba,Ca)TiO3系半導体磁器の表面にアル
    ミニウム粉末を主成分とする第1導電層を焼付け形成
    し、該第1導電層の上に銅を主成分とする第2導電層を
    焼付け形成したことを特徴とする半導体磁器コンデン
    サ。
  2. 【請求項2】前記(Sr,Ba,Ca)TiO3系半導体磁器の組成
    を、(Sr100-X,BaX)TiO3を主成分とし、副成分としてCaT
    iO3を3〜17mol%含有する(100−y)・(Sr100-X,BaX)
    TiO3+y・CaTiO3,ただし、x,yはそれぞれ、30≦x≦6
    0,3≦y≦17mol%としたことを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の半導体磁器コンデンサ。
  3. 【請求項3】前記主成分に対しマンガンMnOに換算して
    0.005〜0.3mol%含有することを特徴とする特許請求の
    範囲第2項記載の半導体磁器コンデンサ。
  4. 【請求項4】前記主成分にY,Ce,La,Dy,Nb,Ta,W,Sb等の
    3価,5価,6価の元素を半導体化剤として含有することを
    特徴とする特許請求の範囲第2項または第3項記載の半
    導体磁器コンデンサ。
  5. 【請求項5】前記主成分からなる組成を成形焼結してな
    る半導体磁器の結晶粉界にBiが偏在していることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項〜第4項記載の半導体磁器
    コンデンサ。
  6. 【請求項6】前記第1導電層はAg,Zn,Cuの中から選ばれ
    た少なくとも一種以上の金属及び/または金属酸化物を
    含有することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    半導体磁器コンデンサ。
  7. 【請求項7】前記第2導電層は金属酸化物を含有するこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の半導体磁器
    コンデンサ。
  8. 【請求項8】半導体磁器表面にアルミニウム粉末を主成
    分とする導電ペーストを塗布して焼成することにより第
    1導電層を形成した後、該第1導電層の上に銅粉末を主
    成分とする導電ペーストを塗布して中性または還元性雰
    囲気中で焼成することにより第2導電層を形成すること
    を特徴とする半導体磁器コンデンサの製造方法。
  9. 【請求項9】前記第1導電層を形成するための前記導電
    ペーストは、アルミニウム粉末,ガラス粉末及び有機ビ
    ヒクルを含有することを特徴とする特許請求の範囲第8
    項記載の半導体磁器コンデンサの製造方法。
  10. 【請求項10】前記第1導電層を形成するための前記導
    電ペートはアルミニウム粉末とガラス粉末とを含有し、
    更に、Ag,Zn,Cuの中から選ばれた少なくとも一種以上の
    金属粉末及び/または金属酸化物を含有することを特徴
    とする特許請求の範囲第8項記載の半導体磁器コンデン
    サの製造方法。
  11. 【請求項11】前記第2導電層を形成するための導電ペ
    ーストは銅粉末、ガラス粉末及び有機ビヒクルを含有す
    ることを特徴とする特許請求の範囲第8項、第9項また
    は第10項記載の半導体磁器コンデンサの製造方法。
  12. 【請求項12】前記第2導電層を形成するための前記導
    電ペーストは銅粉末、ガラス粉末及び金属酸化物粉末を
    含有することを特徴とする特許請求の範囲第8項、第9
    項または第10項記載の半導体磁器コンデンサの製造方
    法。
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