JPH0734413B2 - 半導体磁器コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

半導体磁器コンデンサ及びその製造方法

Info

Publication number
JPH0734413B2
JPH0734413B2 JP17663386A JP17663386A JPH0734413B2 JP H0734413 B2 JPH0734413 B2 JP H0734413B2 JP 17663386 A JP17663386 A JP 17663386A JP 17663386 A JP17663386 A JP 17663386A JP H0734413 B2 JPH0734413 B2 JP H0734413B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive layer
semiconductor
powder
main component
semiconductor ceramic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP17663386A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6333808A (ja
Inventor
秀一 小野
秋一 板垣
正博 矢作
喜代志 古川
忍 藤原
泰伸 及川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP17663386A priority Critical patent/JPH0734413B2/ja
Priority to DE8787110807T priority patent/DE3785506T2/de
Priority to EP87110807A priority patent/EP0255072B1/en
Priority to CN 90103957 priority patent/CN1014661B/zh
Priority to CN 90108581 priority patent/CN1050464A/zh
Priority to CN87105776A priority patent/CN1011838B/zh
Priority to KR1019870008286A priority patent/KR920003225B1/ko
Priority to US07/079,018 priority patent/US4799127A/en
Publication of JPS6333808A publication Critical patent/JPS6333808A/ja
Priority to US07/272,139 priority patent/US4854936A/en
Priority to KR1019920000021A priority patent/KR920009172B1/ko
Publication of JPH0734413B2 publication Critical patent/JPH0734413B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、半導体磁器コンデンサ、特に粒界絶縁形半導
体磁器コンデンサに適したSrTiO3−Y2O3−Nb2O5系半導
体磁器コンデンサおよびその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
受動電子部品としての半導体磁器コンデンサは表面層形
として還元再酸化型、堰層容量型があり、また粒界層形
として粒界絶縁形に大別される。
還元再酸化型半導体コンデンサは半導体化剤を添加した
BaTiO3系またはSrTiO3系成形体を大気中で焼成して誘電
体セラミックを作り、これを還元性雰囲気中で熱処理し
半導体磁器を作る。こうして得られた半導体磁器を酸素
雰囲気中または大気中で熱処理するとその表面部から酸
素が拡散し酸素欠陥を満して表面層のみが誘電体層(再
酸化層)として、内部が半導体のままの複合セラミック
が形成され、その両面に電極を焼付け形成すると、表面
層の厚みによって静電容量が設定されるし、また厚みを
大きくすることによって定格電圧を高くすることも可能
な小型、大容量の半導体コンデンサが得られる。
堰層容量形半導体コンデンサは半導体化剤を含有する主
としてBaTiO3系の成形体を大気中で焼成しこれに銅等の
金属を蒸着させ、その上に銀等の電極(酸化物がp形の
半導体となり易い金属)を塗布し、これを大気中に雰囲
気で熱処理し、その表面に0.3〜3μ程度の堰層を形成
する。即ち表面は堰層絶縁体に該部電極を設け、内部は
半導体のままのコンデンサ素子ができる。この形のコン
デンサは堰層が極めて薄いため耐電圧は低いが静電容量
が大きく低電圧大容量コンデンサとして適している。
粒界絶縁型磁器コンデンサは、半導体化剤を添加したBa
TiO3またはSrTiO3系成形体を還元性雰囲気中で焼成し得
られた磁器の表面に金属酸化物、例えばBi2Oを塗布し大
気中で熱処理を行なう。この熱処理によって金属イオン
が磁器の内部に浸透して粒界にこれらの金属イオンを間
溶した絶縁層を形成する。結晶粒子内部はすでら半導体
化剤元素をドープした原子価制御形の半導体として残
る。このようにして粒界層内部だけが絶縁層に変わり、
これが半導体磁器内部でこれ等の半導体を内包した絶縁
性粒界層が上下縦横左右にマトリックス状に連結され一
種の海綿状の誘電体が形成され、電極を焼付してコンデ
ンサとなる。
これらの各種半導体磁器コンデンサは小型大容量が得ら
れることのほかに電圧特性、誘電体損失、周波数特性に
おいてバイパス用にしか使用出来なかったが、最近の製
造技術の進歩、特性改善に伴ってSrTiO3系を主成分とす
る半導体磁器コンデンサはカップリングを始め種々の信
号回路、パルス回路から半導体の雑音防止にいたるいろ
いろな用途に使用面が拡大されている。
しかし、これら各種半導体磁器コンデンサは表1に示し
てあるように、表面層形の中で還元再酸化型は絶縁抵抗
が粒界絶縁形に比べて小さく、誘電体損失が大きいとい
う欠点がある。また堰層容量形は、絶縁破壊電圧が60〜
80V程度と低く、絶縁抵抗が小さくま、誘電体損失が大
きいという還元再酸化形と同様の欠点を持っている。
また、原子価補償形も前記のものと同様である。これら
の表面層形はBaTiO3系を主成分としており、コンデンサ
のメカニズム上素地の厚み分だけCs≧5nF/mm2の大容量
はいずれも得られない。
また、粒界絶縁形では、表面層形のBaTiO3系よりもSrTi
O3系は絶縁抵抗が大きく、誘電体損失が小さく良好であ
るが、Csは3.0nF/mm2程度で、Cs≧5nF/mm2の大容量品は
得られていない。
表面層形半導体磁器コンデンサはCが厚みの大きさtに
逆比例しないためεを求められないが以下の関係式に
よって求めることができる。
Vb〔Volt〕=Eb・t …(2) (1)(2)より ε・Eb〔Volt/mm〕=1.13×105Cs・Vb 表1のε・Eb積は上式により計算したものである。
また、従来、この種の半導体磁器コンデンサの電極形成
方法としては、一般に、銀粉末とガラス粉末と有機ビヒ
クルとからなる銀ペーストを磁器表面に塗布焼付けする
か、またはニッケル無電解メッキを行なう方法が取られ
てきた。
上記する従来の電極形成方法の内、銀ペースの焼付け方
法は、例えば磁器コンデンサの場合には、所望の静電容
量、誘電正接(tan δ)、電極の引張り強度及び半田付
け性に優れた電極を有する磁器コンデンサを提供するこ
とができる。しかしながら、銀は貴金属であって高価で
あり、必然的に磁器コンデンサのコストも高くなる。し
かも、銀は金属マイグレーションを起し易いという欠点
も有している。
一方、ニッケル無電解メッキ方法では、まず磁器素体表
面をフッ化アンモニウムと硝酸との混合溶液で粗面化処
理を行ない、次に塩化スズ溶液及び塩化パラジウム溶液
処理を行なった後、ニッケル無電解メッキ液に浸漬する
ことにより、ニッケル無電解メッキ層を形成し、更に所
望の電極部分にレジストを塗布し、硝酸等のエッチング
液に浸漬して不要なニッケル層を除去する工程を経なけ
ればならない。このため、電極形成工程において、各種
の酸等に磁器が浸触され、磁器表面の変質が生じ易く、
さらに洗浄不良等によるメッキ液その他の残留物により
信頼性が悪化すると言う欠点があった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は、半導体磁器コンデンサでも特に粒界絶縁形半
導体磁器コンデンサにおいて、大きな誘導電率を持ち、
絶縁抵抗が大きく、しかも、従来の銀電極に比べ低コス
トで、半田付性及び電極引張り強度に優れ、しかも金属
マイグレーション等を発生することのない高信頼度の電
極を有する半導体磁器コンデンサおよびこの半導体磁器
コンデンサを製造するのに好適な製造方法を提供するこ
とを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
このような問題点を改善し、その目的を達成するための
手段としてまず半導体磁器組成物として、(100−x−
y)・SrTiO3を主成分とし、副成分としてx・Y2O3およ
びy・Nb2O5をそれぞれ0.1〜0.4mol%含有することを特
徴とする(100−x−y)・SrTiO3+x・Y2O3+y・Nb2
O5系半導体磁器組成物を用いる。
また、上記主成分に対しマンガンMnOに換算して0.02〜
0.2mol%含有すること、さらにまた、上記主成分に対し
SiO2を0.01〜0.1mol%含有することを特徴とした半導体
磁器組成物を用いる。
次にこの半導体磁器表面にアルミニウムを主成分とする
第1導電層を焼付け形成し、該第1導電層の上に銅を主
成分とする第2導電層を焼付け形成して半導体磁器コン
デンサとするものである。
次に、この半導体磁器コンデンサを製造するための本発
明に係る製造方法は、この半導体磁器表面にアルミニウ
ム粉末を主成分とする導電ペーストを塗布して焼成する
ことにより第1導電層を形成した後、該第1導電層の上
に銅粉末を主成分とする導電ペーストを塗布して中性ま
たは還元性雰囲気中で焼成することにより第2導電層を
形成することを特徴とする。
第1図に例示する如く、半導体磁器1の表面に、アルミ
ニウムを主成分とする第1導電層2を焼付け形成し、更
にこの第1導電層2の表面に銅を主成分とする第2導電
層3を焼付け形成するのである。
上述の如く、半導体磁器1の表面にアルミニウムを主成
分とする第1導電層2を設ける電極構造であると、次の
ような効果が得られることが解った。
(イ)静電容量、誘電正接(tan δ)、絶縁抵抗、電極
の引張り強度に優れている。
(ロ)アルミニウムは、銀と異なって、金属マイグレー
ションを発生しない。このため、信頼性の高い磁器コン
デンサを提供することができる。
(ハ)アルミニウムは銀に比べて材料コストが1/100と
安価であるから、コストの安価な磁器コンデンサを提供
することができる。
更にこの第1導電層2の上に銅を主成分とする第2導電
層3を焼付け形成したことにより、次のような効果をも
併せ得ることができる。
(ニ)第1導電層2はアルミニウムを主成分とするもの
で成り、半田付け性は良く無いが、この第1導電層2の
上に半田付け性の良好な銅を主成分とする第2導電層3
を焼付け形成することにより、半田付け性を向上させる
ことができる。
(ホ)この第2導電層3はコストが銀の約1/50の安価な
銅を主成分とするから、コストダウンが達成できる。
(ヘ)第2導電層3は銅を主成分とするから、銀の場合
と異なって、金属マイグレーションを発生せず、信頼性
が向上する。
更に、前記第1導電層2は、アルミニウムを主成分と
し、これにAg,Zn,Cuの中から選ばれた少なくとも一種以
上の金属及び/または金属酸化物を含有させると、上記
作用効果を向上させるのに効果があることが解った。ま
た第2導電層3の場合にも、銅を主成分とし、これに金
属酸化物を含有させると、同様の効果が得られることが
解った。
〔実施例〕
出発原料としてSrCO3,TiO2,MnCO3,SiO2および半導体
化剤としてY2O3,Nb2O5を用い、第2表または第3表に
示した配合組成比となるように秤量し、これらの原料配
合物を合成樹脂ボールミルで、水,玉石を入れて湿式混
合攪拌を20時間行う。その後脱水乾燥し、1200℃,昇降
温度200℃/hr安定化2時間で仮焼成し、化学反応を行わ
せた。これを再びボールミルで水,玉石を入れて16時間
粉砕混合する。これを脱水乾燥して2重量%の有機結合
剤としてPVAを添加し、造粒整粒を行い顆粒粉末としこ
の粉末を約3ton/cm2の成型圧力で10φ×0.5t mmの円板
状に成形する。この成形物を800℃で1時間脱バインダ
し、これを還元気流中(H2+N2雰囲気)において1450℃
で約2時間本焼成して半導体化する。こうして得られた
半導体磁器素子は8.5φ×0.4t mmとなっており、これの
両面に拡散物質としてBi2O3−CuO系フリットペーストを
3mgスクリーン印刷で塗布し、これを空気中で1150℃で
2時間焼成して結晶粒界に絶縁層の形成された半導体磁
器とする。
このようにして得られた各試料の電気的特性を測定した
結果を第2表および第3表に示す。ここで誘電率ε
よび誘電体損失tan δは周波数1kHzで測定した。絶縁抵
抗は50Vを印加して室温20℃で測定した。
(アルミニウムペーストの調製) 平均粒径10μmのアルミニウム粉末を100重量部とし、
これに対して表4に示す混合割合で325メッシユを通過
する粒径の、B2O3−SiO2−ZnO(25,10,65wt%)のガラ
ス粉末、銀微粉末もしくは金属酸化物粉末、及び有機バ
インダとして、エチルセルロースとブチルカルビトール
から成る有機ビヒクルを加え、混合攪拌してアルミニウ
ムペーストを調製した。
(第1導電層の形成) 次に前記のようにして製造された半導体磁器にアルミニ
ウムペーストによる第1導電層を形成するため、200メ
ッシュのテトロン製スクリーンを使用して、第2図に示
すように、半導体磁器1の主面1aにアルミニウムペース
ト2を印刷塗布した。次にこれを乾燥炉に入れて125℃
の温度条件で約10分間処理を行なった。
次に、半導体磁器1の他方の主面1bにも同様の手段によ
ってアルミニウムペースト2を印刷塗布し乾燥させた
後、ステンレス製網に載せてバッチ炉内に送り込み、約
900℃の温度で10分間焼成した。この際、昇温及び降温
を含めて、合計60分の処理時間となった。これにより、
第2図に示した如く半導体磁器1の主面1a,1bに直径約
7.5mmの、アルミニウムを主成分とする第1導電層2が
形成される。
(銅ペーストの調製) 平均粒径0.5μmの銅粉末100重量部と、325メッシュを
通過する粒径のB2O3−PbO(50,50wt%)系ガラス粉末を
表4の割合で混合し、更に金属酸化物粉末、及び、有機
バインダとして、エチルセルロースとブチルカルビトー
ルから成る有機ビヒクルを加え、混合攪拌して銅ペース
トを調製した。
(第2導電層の形成) 次に上記の銅ペーストを前記第1導電層2の表面にアル
ミニウムペーストと同様の手段によって印刷塗布して乾
燥させた。この後、N2(90%)+H2(10%)の還元性気
流中で、360℃の温度で20分間焼成して、焼付け処理を
行ない、第3図に示すように、第1導電層2の表面に銅
を主成分とする直径約5mmの第2導電層3を形成した。
これにより、半導体磁器1の両面にアルミニウムを主成
分とする第1導電層2を形成し、この第1導電層2の上
に銅を主成分とする第2導電層3を形成した本発明に係
る半導体磁器コンデンサが得られる。
上記のようにして得られた半導体磁器コンデンサの特性
を以下に示す。
(1)半導体磁器組成 まずはじめにこのようにして得られた半導体磁器コンデ
ンサの半導体磁器組成別の電気特性を表−2及び表−3
に示す。
第2表より明らかなように、本発明の範囲内のものは、
誘導率εが約110000以上の高い値を示し誘電体損失ta
nδは0.38〜0.92%の極めて小さな値を示している。次
に組成比の限定理由を述べる。
副成分Y2O3およびNb2O5の単独添加では誘電率ε、直
流破壊電圧Ebが共に高い値を得ることができない(試料
No.1,2,3,7,11,23)。また、Y2O3とNb2O5の複合添加に
おいても各0.1mol%未満ではε,Ebのアップ効果が顕
著でない(試料No.4,5,6,12,27)。Y2O3が0.4mol%を越
えるとεが低くなる(試料No.27,28,29)。Nb2O5が0.
4mol%を越えるとEbが低くなる(試料No.6,22,29)。Mn
Oが0.02mol%未満では絶縁抵抗I・Rのアップ効果が顕
著でない(試料No.14,15)。MnOが0.2mol%を越えると
誘電体損失tanδが高くなり、εが低くなる(試料No.
20)。
第3表より明らかなように、SiO2が0.01mol%未満ではS
rO/TiO2比の適正範囲(0.002)が狭い(試料No.30,31,3
2,33,34,35,36,37)。SiO2が0.10mol%を越えるとε
が低くなる(試料No.50,51)。SiO2が0.01〜0.1mol%の
範囲内のときはSrO/TiO2比の適正範囲(0.004,0.006)
が広くなる。
(2)電極の検討 次に(1)で得られた半導体磁器コンデンサの電極の評
価を行うため誘電率ε、誘電正接tanδ、半田付け性
及び引張り強度Tの測定を行った。その測定結果を表−
4に示す。
本発明に係る半導体磁器コンデンサの電極の良否の判断
基準を決めるため、本実施例と同一の組成及び形状に成
るSrTiO3系半導体磁器を作成し、この半導体磁器の主面
に公知の方法によって銀ペーストを焼付けして、銀電極
を形成することにより、銀電極構造SrTiO3系半導体磁器
コンデンサ(以下従来コンデンサと称する)を作成し、
実施例と同様の方法により、誘電率ε、誘電正接tan
δ(%)、半田付け性及び引張り強度T(kg)を測定し
たところ、誘電率ε=75,000、誘電正接tan δ=0.4
(%)、半田付け性は良、引張り強度T=1.3(kg)で
あった。そこで、この従来コンデンサの特性を考慮し、
誘電率εが100,000以上で、誘電正接tanδが1.0
(%)以下であり、半田付け性が従来コンデンサと同程
度以上で、引張り強度Tが0.5(kg)以上の特性を有す
るものを、良否の判断基準とした。
更に本発明に係る上記実施例との比較のため、アルミニ
ウムを主成分とする第1導電層2は有するが、第2導電
層3を設けない状態(第2図の構造)で特性を測定した
ところ、誘電率ε、誘電正接tanδ(%)は本発明の
上記実施例と同様であったが、半田付けは不可であり、
引張り強度T(kg)を測定することができなかった。
表−4から明らかなように試料番号4〜26の試料が良品
基準以上にあり、従来コンデンサと比較し、誘電率ε
及び引張り強度T(kg)が大きくなっている。従って、
本発明によれば、磁器コンデンサの小型化が可能であ
る。
しかも、アルミニウム粉末のコストは従来コンデンサに
使用する銀粉末のコストの約1/100であり、銅粉末も同
じく約1/50であるから、大幅なコストダウンが可能であ
る。更に、第1及び第2導電層2,3の形成において、何
れの場合もスクリーン印刷方法等を採用することがで
き、磁器がメッキ液等に侵されることがないので、メッ
キ液の残留による信頼性の低下もなく、高信頼性の磁器
コンデンサを量産することが可能である。
以上、実施例により本発明の内容を具体的に説明した
が、これ以外の種々の実験結果により、次のことが確認
された。
(a)平均粒径が5μm、10μm、30μmのアルミニウ
ム粉末を用いた場合にも上記実施例と同様の結果が得ら
れた。
(b)平均粒径が0.1μm、0.3μm、1μm、5μm、
10μmの銅粉末を使用し場合にも実施例と同様の結果が
得られた。
(c)アルミニウムペースト及び銅ペーストに使用する
ガラス粉末として、軟化点330℃〜800℃の種々のガラス
粉末を使用しても、上記実施例と同様の結果が得られ
た。即ち、PbO−B2O3系、PbO−B2O3−SiO2系、ZnO−B2O
3−SiO2系等のように、PbO,ZnO,Bi2O3,BaO,B2O3,Si
O2,ZrO2,TiO2,Al2O3,CaO,SrOの群から選ばれた二種
以上の金属酸化物から成る軟化点330℃〜800℃の範囲の
公知のガラスフリットで、同様の結果が得られた。
(d)アルミニウムペーストを用いて第1導電層を焼付
け形成する際の温度は、アルミニウムの融点(660.2
℃)からその沸点(約2060℃)の範囲、特に800℃〜120
0℃の範囲が好ましい。焼付け温度がアルミニウムの融
点(660.2℃)以下では実用的な導電層が形成できず、
引張り強度が極端に低下する。また沸点(約2060℃)以
上ではアルミニウムの酸化が進み電気抵抗が高くなり、
実用に向かない。
(e)銅ペーストを用いて第2導電層を形成する際の焼
付け温度は200℃〜800℃の範囲、特に250℃〜500℃の範
囲が好ましい。200℃以下では第1導電層と第2導電層
との間の接合が不充分になり、電極引張り強度が低下す
る。
800℃以上では半導体磁器表面が還元され特性の劣化を
招く。
〔発明の効果〕
以上のように本発明の半導体磁器コンデンサは(100−
x−y)・SrTiO3+x・Y2O3+y・Nb2O2系半導体磁器
組成物に、副成分としてY2O3およびNb2O5を複合添加
(0.1≦x≦0.4,0.1≦y≦0.4)することにより誘電率
ε,直流破壊電圧Ebおよびε・Eb積の高い半導体磁
器コンデンサが得られる。
また周波数特性、温度特性および誘電体損失も良好であ
る。さらにMnOを0.02〜0.2mol%添加することにより絶
縁抵抗の高い半導体磁器が得られた。さらにまたSiO2
0.01〜0.1mol%添加することによりSrO/TiO2比の適正範
囲を拡大することができるので製造作業が容易となり量
産が可能で製造コストの低下を図ることができる。
よって従来のバイパス用以外のカップリング、種々の信
号回路、パルス回路から雑音防止用にいたるまでの用途
に広がった。
また、本発明の半導体磁器コンデンサは、アルミニウム
を主成分とする第1導電層を焼付け形成し、該第1導電
層の上に銅を主成分とする第2導電層を焼付け形成した
ことを特徴とするから、従来の銀電極に比べて高誘電率
のため小形が可能となり即ち従来8φ素地で105pFのも
のが7φ素地で製作できるようになった。また低コスト
で、電気的諸特性、半田付け性及び電極引張り強度に優
れ、しかも金属マイグレーション等を発生することない
高信頼度の電極を有する半導体磁器コンデンサを提供す
ることができる。
また、本発明に係る製造方法は、磁器表面にアルミニウ
ム粉末を主成分とする導電ペーストを塗布して焼成する
ことにより第1導電層を形成した後、該第1導電層の上
に銅粉末を主成分とする導電ペーストを塗布して中性雰
囲気または還元性雰囲気中で焼成することにより第2導
電層を形成することを特徴とするから、第1導電層及び
第2導電層とも、導電ペーストの塗布、焼付けという方
法により形成でき、無電解メッキや電解メッキの場合と
異なって、薬品またはメッキ液等による磁器素体の変質
及び信頼性の低下を招くことがない。このため、本発明
によれば、製造工程での信頼性の低下を招くことなく、
低コストで、前述の半導体磁器コンデンサを量産するこ
とができ工業上の利益は多大である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例に係わる半導体磁器コンデン
サの断面図、第2図は第1導電層を形成した半導体磁器
コンデンサの正面図、第3図は第2図の半導体磁器コン
デンサに第2導電層を形成した状態を示す正面図であ
る。 1……半導体磁器、2……第1導電層、3……第2導電
層、1a,1b……主面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古川 喜代志 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 藤原 忍 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 及川 泰伸 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】SrTiO3系半導体磁器の表面にアルミニウム
    粉末を主成分とする第1導電層を焼付け形成し、該第1
    導電層の上に銅を主成分とする第2導電層を焼付け形成
    したことを特徴とする半導体磁器コンデンサ。
  2. 【請求項2】上記SrTiO3系半導体磁器の組成を(100−
    x−y)・SrTiO3を主成分とし、副成分としてx・Y2O3
    およびy・Nb2O5をそれぞれ0.1〜0.4mol%含有する(10
    0−x−y)・SrTiO3+x・Y2O3+y・Nb2O5としたこと
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の半導体磁器コ
    ンデンサ。
  3. 【請求項3】上記主成分に対しマンガンMnOに換算して
    0.02〜0.2mol%含有することを特徴とする特許請求の範
    囲第2項記載の半導体磁器コンデンサ。
  4. 【請求項4】上記主成分に対しSiO2を0.01〜0.1mol%含
    有することを特徴とする特許請求の範囲第2項又は第3
    項記載の半導体磁器コンデンサ。
  5. 【請求項5】上記主成分および副成分からなる組成を成
    形焼結してなる半導体磁器の粉界にBiが偏在しているこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1〜4項のいずれか1
    項に記載の半導体磁器コンデンサ。
  6. 【請求項6】上記第1導電層はAg,Zn,Cuの中から選ばれ
    た少なくとも一種以上の金属及び/または金属酸化物を
    含有することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    半導体磁器コンデンサ。
  7. 【請求項7】上記第2導電層は金属酸化物を含有するこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の半導体磁器
    コンデンサ。
  8. 【請求項8】半導体磁器表面にアルミニウム粉末を主成
    分とする導電ペーストを塗布して焼成することにより第
    1導電層を形成した後、該第1導電層の上に銅粉末を主
    成分とする導電ペーストを塗布して中性または還元性雰
    囲気中で焼成することにより第2導電層を形成すること
    を特徴とする半導体磁器コンデンサの製造方法。
  9. 【請求項9】上記第1導電層を形成するための上記導電
    ペーストは、アルミニウム粉末,ガラス粉末及び有機ビ
    ヒクルを含有することを特徴とする特許請求の範囲第8
    項記載の半導体磁器コンデンサの製造方法。
  10. 【請求項10】上記第1導電層を形成するための前記導
    電ペートはアルミニウム粉末とガラス粉末とを含有し、
    更に、Ag,Zn,Cuの中から選ばれた少なくとも一種以上の
    金属粉末及び/または金属酸化物を含有することを特徴
    とする特許請求の範囲第8項記載の半導体磁器コンデン
    サの製造方法。
  11. 【請求項11】上記第2導電層を形成するための導電ペ
    ーストは銅粉末、ガラス粉末および有機ビヒクルを含有
    することを特徴とする特許請求の範囲第8項、第9項ま
    たは第10項記載の半導体磁器コンデンサの製造方法。
  12. 【請求項12】上記第2導電層を形成するための上記導
    電ペーストは銅粉末、ガラス粉末及び金属酸化物粉末を
    含有することを特徴とする特許請求の範囲第8項、第9
    項または第10項記載の半導体磁器コンデンサの製造方
    法。
JP17663386A 1986-07-29 1986-07-29 半導体磁器コンデンサ及びその製造方法 Expired - Lifetime JPH0734413B2 (ja)

Priority Applications (10)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17663386A JPH0734413B2 (ja) 1986-07-29 1986-07-29 半導体磁器コンデンサ及びその製造方法
DE8787110807T DE3785506T2 (de) 1986-07-29 1987-07-25 Halbleitende keramische zusammensetzung, sowie kondensator aus halbleitender keramik.
EP87110807A EP0255072B1 (en) 1986-07-29 1987-07-25 Semiconductive ceramic composition and semiconductive ceramic capacitor
CN87105776A CN1011838B (zh) 1986-07-29 1987-07-28 一种钛酸锶系半导体陶瓷组合物及所制造的电容器
CN 90108581 CN1050464A (zh) 1986-07-29 1987-07-28 一种钛酸锶系半导体陶瓷电容器的制造方法
CN 90103957 CN1014661B (zh) 1986-07-29 1987-07-28 制造半导体陶瓷电容器的方法
KR1019870008286A KR920003225B1 (ko) 1986-07-29 1987-07-29 반도체 세라믹 조성물
US07/079,018 US4799127A (en) 1986-07-29 1987-07-29 Semiconductive ceramic composition and semiconductor ceramic capacitor
US07/272,139 US4854936A (en) 1986-07-29 1988-11-15 Semiconductive ceramic composition and semiconductive ceramic capacitor
KR1019920000021A KR920009172B1 (ko) 1986-07-29 1992-01-04 반도체 세라믹 축전기 및 그 제조방법

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17663386A JPH0734413B2 (ja) 1986-07-29 1986-07-29 半導体磁器コンデンサ及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6333808A JPS6333808A (ja) 1988-02-13
JPH0734413B2 true JPH0734413B2 (ja) 1995-04-12

Family

ID=16016992

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17663386A Expired - Lifetime JPH0734413B2 (ja) 1986-07-29 1986-07-29 半導体磁器コンデンサ及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0734413B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9089187B2 (en) 2009-09-11 2015-07-28 Ykk Corporation Fastener stringer for concealed slide fastener

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6333808A (ja) 1988-02-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR920003225B1 (ko) 반도체 세라믹 조성물
KR100444230B1 (ko) 내환원성 유전체 자기 조성물
EP0125730B1 (en) Copper metallization for dielectric materials
US4528613A (en) Ceramic glass material, capacitor made therefrom and method of making the same
JPH113834A (ja) 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法
US20030064873A1 (en) Conductive paste for terminal electrodes of monolithic ceramic electronic component, method for making monolithic ceramic electronic component, and monolithic ceramic electronic component
KR920003027B1 (ko) 반도전성 세라믹 조성물
JPS63927B2 (ja)
JP3471839B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JPH01273305A (ja) セラミック多層コンデンサおよびその製造方法
US3824127A (en) Disc capacitor silver compositions
JPH0552602B2 (ja)
JPH11340090A (ja) 粒界絶縁型積層セラミックコンデンサの製造方法
JPH0734413B2 (ja) 半導体磁器コンデンサ及びその製造方法
JPH0734412B2 (ja) 半導体磁器コンデンサ及びその製造方法
JP2618019B2 (ja) メッキ下地用導電性塗料およびそれを用いるメッキ方法
JPH1012043A (ja) 導電性組成物および粒界絶縁型半導体磁器コンデンサ
JPH0734414B2 (ja) 半導体磁器コンデンサ及びその製造方法
JPH0528448B2 (ja)
JPH0945581A (ja) 積層型コンデンサ
KR920009172B1 (ko) 반도체 세라믹 축전기 및 그 제조방법
JPH065655B2 (ja) 半導体磁器コンデンサ及びその製造方法
KR940008185B1 (ko) 적층 세라믹 콘덴서의 내부 전극용 팔라듐 페이스트
JPH0377647B2 (ja)
US4769354A (en) Type I dielectric composition based on neodymium titanate