JP3419713B2 - 積層型セラミックチップコンデンサの製造方法 - Google Patents

積層型セラミックチップコンデンサの製造方法

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JP3419713B2
JP3419713B2 JP25205299A JP25205299A JP3419713B2 JP 3419713 B2 JP3419713 B2 JP 3419713B2 JP 25205299 A JP25205299 A JP 25205299A JP 25205299 A JP25205299 A JP 25205299A JP 3419713 B2 JP3419713 B2 JP 3419713B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層型セラミック
チップコンデンサ、特に誘電体層の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】積層型セラミックチップコンデンサは通
常、内部電極用のペーストと、誘電体層用のペーストと
をグリーンシート法や印刷法等により積層し、一体同時
焼成して製造される。
【0003】そして内部電極には一般に、PdやPd合
金が用いられているが、Pdは高価であるため、比較的
安価なNiやNi合金が使用されつつある。
【0004】ところで、内部電極をNiやNi合金で形
成する場合は、大気中で焼成を行うと電極が酸化してし
まう。
【0005】このため、一般に、脱バインダ後は、Ni
とNiOの平衡酸素分圧よりも低い酸素分圧で焼成し、
熱処理により誘電体層を再酸化させている。
【0006】この場合、誘電体材料の緻密化を図るた
め、通常鉱化剤としてSiO2 が加えられる。さらに
は、工程中にAl23 等が混入することが多い。
【0007】これらとBaO、TiO2 等を含むいわゆ
る粒界相成分は、還元雰囲気中で焼成を行うと、絶縁抵
抗の低下をもたらすものと考えられる。
【0008】また、誘電体層の還元による絶縁抵抗の低
下等を防止するため、Mnの添加や、Ca置換等も行わ
れている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、NiやNi合
金製の内部電極を有する積層型チップコンデンサは、大
気中で焼成して製造されるPd製の内部電極を有する積
層型チップコンデンサにくらべ、絶縁抵抗の寿命が圧倒
的に短く、信頼性が低いという問題がある。
【0010】本発明の目的は、NiないしNi合金製内
部電極を有する積層型チップコンデンサの誘電体層を改
良することにより寿命が長く、信頼性の高い積層型セラ
ミックチップコンデンサの製造方法を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(10)のいずれかの構成により達成される。 (1) ニッケルまたはニッケル合金の内部電極材料
と、誘電体材料とを層状に構成し、これを中性または還
元性雰囲気中で焼成し、その後、焼成時より高い酸素分
圧である10-4〜10-7atmの弱還元性雰囲気中で再酸
化処理する積層型セラミックチップコンデンサの製造方
法。 (2) 前記焼成時の酸素分圧が10-7atm以下であ
る、上記(1)の積層型セラミックチップコンデンサの
製造方法。 (3) 前記焼成時の酸素分圧が10-7〜10-12atmで
ある、上記(1)または(2)の積層型セラミックチッ
プコンデンサの製造方法。 (4) 前記再酸化処理の雰囲気用ガスには、加湿した
窒素ガスを用いる上記(1)〜(3)のいずれかの積層
型セラミックチップコンデンサの製造方法。 (5) 前記再酸化処理の保持温度ないし最高温度が、
900℃〜1200℃の範囲の温度条件下で行われる上
記(1)〜(4)のいずれかの積層型セラミックチップ
コンデンサの製造方法。 (6) 前記誘電体材料は、下記式で表わされる組成の
誘電体酸化物を含有し、Y、Gd、Tb、Dy、Zr、
V、Mo、Cd、Tl、SnおよびPの酸化物および/
または焼成により酸化物になる化合物から選ばれる1種
以上を、酸化物換算で、0.005〜0.5重量%含有
する上記(1)〜(5)のいずれかの積層型セラミック
チップコンデンサの製造方法。 式 [(Ba1-x-yCaxSry)O]m・(Ti1-zZrz)O2 {上記式中、0.05≦x≦0.25、0≦y≦0.0
5、0.05≦z≦0.20、1.002≦m≦1.0
20である。} (7) 前記誘電体材料がさらに、Li酸化物および/
または焼成によりLi酸化物になる化合物を含有する上
記(6)の積層型セラミックチップコンデンサの製造方
法。 (8) 前記Li酸化物および/または焼成によりLi
酸化物になる化合物の含有量が、Li酸化物換算で、
0.005〜0.5重量%含有する上記(7)の積層型
セラミックチップコンデンサの製造方法。 (9) 前記誘電体材料がさらに、酸化ケイ素および/
または酸化マンガンを含有する上記(8)の積層型セラ
ミックチップコンデンサの製造方法。 (10) 前記酸化ケイ素の含有量が、0.05〜0.
25重量%であり、前記酸化マンガンの含有量が、0.
01〜0.50重量%である上記(9)の積層型セラミ
ックチップコンデンサの製造方法。
【0012】
【作用および効果】本発明の積層型セラミックチップコ
ンデンサの製造方法には、所定の化合物を添加したチタ
ン酸バリウム系の誘電体材料を用いる。
【0013】そして、脱バインダ処理後、所定の条件で
焼成および熱処理を行って製造される。
【0014】このような本発明の方法で製造された積層
型セラミックチップコンデンサは、従来の無添加のチッ
プコンデンサにくらべ寿命が約2〜10倍に増大し、優
れた信頼性が得られる。
【0015】なお、特公昭60−20851号公報に
は、[(BaxCaySrz)O]k(TinZr1-n)O2 からなる基本成分
と、Li2 OやSiO2 を含有するガラスとを含む誘導
体磁器物質あるいは、さらにMnO2 を添加した誘電体
磁器物質を用いたNi合金製の内部電極を有する積層型
セラミックチップコンデンサが開示されている。
【0016】しかし、本発明の積層型セラミックチップ
コンデンサの製造方法とは焼成あるいは熱処理時の酸素
分圧条件等が異なっている。また、有効な添加物がな
く、アニール温度が低いため、十分な酸化ができない。
【0017】このため、信頼性が低く、寿命の長いチッ
プコンデンサを得ることは困難である。
【0018】加えて、前記公報には、本発明によって得
られる選択的効果、すなわち従来のものにくらべ寿命が
圧倒的に長いという効果は示唆すらされていない。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の方法によって製造
される積層型セラミックチップコンデンサの具体的構成
を詳細に説明する。
【0020】図1および図2には、それぞれ本発明方法
によって得られる積層型セラミックチップコンデンサの
好適例が示される。
【0021】積層型チップコンデンサ1は、内部電極2
1、25と、誘電体層3とが交互に積層され、各内部電
極21、25に接続している1対の外部電極51、55
を有するものである。
【0022】本発明では、内部電極21、25は、Ni
またはNi合金から形成され、この場合、Ni合金とし
ては、Niを95重量%以上含有するNiと、Mn、C
r、Co、Al等の1種以上との合金であることが好ま
しい。
【0023】これらは、本発明に従い、十分な寿命や信
頼性を得ることができる。
【0024】なお、NiまたはNi合金中には、微量成
分として、0.1重量%以下のP等が含有されていても
よい。
【0025】内部電極21、25の厚み等の諸条件は目
的や用途に応じ適宜決定をすればよいが、通常厚みは、
1〜5μm 、特に2〜3μm 程度である。
【0026】誘電体層3は、グレインと粒界相で構成さ
れている。
【0027】誘電体層3の材質は、下記式で表わされる
組成の誘電体酸化物を含有するものである。 式 [(Ba1-x-y CaxSry)O]m・(Ti1-zZrz)O2
【0028】この場合、xは0.05〜0.25、好ま
しくは0.06〜0.10、yは0〜0.05、好まし
くは0〜0.01、zは0.05〜0.20、好ましく
は0.15〜0.20、mは1.002〜1.020、
好ましくは1.002〜1.015である。
【0029】そして、さらに酸化ケイ素および/または
酸化マンガンを含有するものが好ましい。
【0030】この場合酸化ケイ素の含有量は0.05〜
0.25重量%程度、酸化マンガンの含有量は0.01
〜0.50重量%程度が好ましい。
【0031】そして、酸化ケイ素をSiO2 の形で含有
し、酸化マンガンをMnOの形で含有するものが好適で
ある。
【0032】また、Al酸化物、Ni酸化物、Mg酸化
物、Co酸化物、Hf酸化物等が0.5重量%程度以下
含有されてもよい。
【0033】そして、本発明ではさらに、Y、Gd、T
b、Dy、Zr、V、Mo、Zn、Cd、Tl、Snお
よびPの酸化物から選ばれる1種以上が、最も安定な酸
化物であるY23 、Gd23、Tb23、Dy2
3 、ZrO2 、V25、MoO 3、CdO、Tl23
SnO2 およびP25 換算で合計0.005〜0.5
重量%、好ましくは0.01〜0.25重量%、特に好
ましくは0.05〜0.20重量%程度含まれる。
【0034】さらには、前記酸化物に加え、Li酸化物
が含有されてもよい。この場合は、Li2 Oで換算し、
合計量が前記範囲であることが好ましい。
【0035】また、前記酸化物にかえ、Li酸化物のみ
がLi2 O換算で0.005〜0.5重量%、好ましく
は0.01〜0.25重量%、特に好ましくは0.05
〜0.20重量%程度含まれる。
【0036】なお、通常Pはリン酸塩の形で含有され、
P以外は通常、上記の最も安定な酸化物の形で含有され
る。
【0037】そして、Pは誘電体層3中主に粒界相に含
まれ、P以外は主にグレイン中に含まれる。
【0038】なお、上記以外の元素の酸化物および上記
範囲外の添加量では本発明の効果は実現しない。
【0039】誘電体層3の積層数や厚み等の諸条件は、
目的や用途に応じ適宜決定すればよい。
【0040】通常積層数は、1〜100、特に5〜50
程度であり、厚みは、5〜50μm、特に10〜20μm
程度である。
【0041】また、誘電体層3のグレインの平均粒子径
は、1〜5μm 程度であることが好ましい。
【0042】そして、本発明では、誘電体層3を構成す
るグレイン以外の部分である粒界相の面積比が、誘電体
層3の任意の断面にて、2%以下、好ましくは0.5〜
1.5%、特に好ましくは0.5〜1.0%程度である
ことが好ましい。
【0043】前記範囲をこえると寿命が短くなり、信頼
性が低下する傾向にある。
【0044】また、あまり小さくは誘電体層3の形成が
困難であり、誘電体の緻密化が不十分となる傾向にあ
る。
【0045】なお、粒界相の面積比の測定には、走査型
電子顕微鏡を用いて写真を撮り、これから求めればよ
い。
【0046】この粒界相は、通常誘電体材料あるいは内
部電極材料を構成する材質の酸化物や、別途添加された
材質の酸化物、さらには工程中に不純物として混入する
材質の酸化物を成分とし、通常ガラスないしガラス質で
形成されている。
【0047】そして、本発明では、粒界相が、SiO2
を15重量%以上、より好ましくは25〜50重量%程
度、Al23 を15重量%以上、より好ましくは20
〜50重量%程度含有する酸化物相であることが好まし
い。
【0048】さらには、前述したようにP酸化物が0.
05〜1.0重量%、より好ましくは0.1〜0.6重
量%程度含有する酸化物相であることが好ましい。
【0049】このような場合には、本発明の寿命向上効
果はより一層向上する。
【0050】また、粒界相には、その他に、55重量%
以下の範囲で、例えばCa、Fe、Mn、Zr、Ti、
Ba、Ni、Sr等が何らかの酸化物の形で、含有され
てもよい。
【0051】この場合、SiO2 やBa、Ca、Sr、
Ti、Zr、Mn等は、主に誘電体材料の構成中から供
給され、Al23 は、主に工程中に不純物として混入
し、Fe、P等は主に内部電極材料および誘電体材料の
不純物等から供給されて粒界相を形成する。
【0052】また、本発明では、図2に示されるように
内部電極21、25の周囲に誘電体層3とは異なる組成
の酸化物層4が形成されることが好ましい。
【0053】酸化物層4の材質は各種酸化物の1種以上
を含有するものであればよく、そのときさらに優れた寿
命向上効果が得られる。
【0054】この場合、酸化物層4に、Mn酸化物、P
酸化物およびFe酸化物等から選ばれる1種ないし2種
以上が含まれていると、さらに寿命が延び、一層優れた
信頼性が得られる。
【0055】このうち本発明ではMn酸化物が含まれて
いると特に高い効果が認められる。
【0056】Mn酸化物の場合、その含有量はMnO換
算で1〜99重量%、より好ましくは10〜60重量
%、特に好ましくは30〜45重量%程度であることが
好ましい。
【0057】なお、Mn酸化物を含有する場合、その他
に例えばAl、Si、Ca、Ni、Fe、Ba、Ti、
Zr、P等が、通常、酸化物の形で、含有される。
【0058】Mn酸化物やSi、Ca、Ba、Ti、Z
r、P等は、主に誘電体材料の構成中から供給され、N
iは内部電極材料中から供給され、さらに、Fe、P、
Al等は主に内部電極材料および誘電体材料の不純物等
から供給されて酸化物層中に含有される。
【0059】P酸化物の場合、その含有量はP25
算で0.1〜99重量%、より好ましくは3〜30重量
%、特に好ましくは15〜25重量%程度であることが
好ましい。
【0060】なお、P酸化物を含有する場合、その他に
例えばTi、Ba、Fe、Al、Si、Ca、Zr、M
n等が、通常、酸化物の形で含有される。
【0061】P酸化物は、通常、誘電体材料中に不純物
として含有されるかもしくは、添加されたP化合物から
酸化物層中に含有される。そして、通常リン酸塩の形で
含有される。
【0062】また、Ti、Ba、Ca、Zr、Si、M
n等は、主に誘電体材料の構成中から供給され、さらに
Fe、Al等は主に内部電極材料および誘電体材料の不
純物等から供給されて酸化物層中に含有される。
【0063】これら、MnおよびPの酸化物は、酸化物
層中に析出したとき、負荷時のNiイオンのマイグレー
ションを防止するバリアー層として働くものであると考
えられる。
【0064】Fe酸化物の場合、その含有量はFe2
3 換算で0.1〜99重量%、より好ましくは0.5〜
30重量%、特に好ましくは5〜20重量%程度である
ことが好ましい。
【0065】なお、Fe酸化物を含有する場合、その他
に例えばAl、Si、Ca、Ti、Ni、Ba、Zr、
Mn、P等が、通常、酸化物の形で含有される。
【0066】Fe酸化物は主に内部電極材料および誘電
体材料の不純物等から供給されて酸化物層中に含有され
る。
【0067】また、Si、Ca、Ti、Ba、Zr、M
n等は、主に誘電体材料の構成中から供給され、Ni
は、内部電極材料中から供給され、さらにAl、P等は
主に内部電極材料や誘電体材料の不純物等から供給され
て酸化物層中に含有される。
【0068】ところで誘電体層3を構成するグレイン中
には、原料自体に含まれるFe成分あるいは工程中に含
まれてくるFe成分が含まれていて、寿命短縮の原因と
なっている。
【0069】従って、Fe酸化物の場合は、前記Mn酸
化物やP酸化物とは異なり、酸化物層4に集め、グレイ
ン中のFe成分を減少させて寿命を向上させるものであ
ると考えられる。
【0070】このような酸化物層4の厚みは0.01〜
1μm 、特に0.05〜0.2μm程度であることが好
ましい。
【0071】前記範囲未満では本発明の効果が減少する
傾向にあり、前記範囲をこえるとコンデンサとしての本
来の機能である蓄電能力を低下させる。
【0072】つまり容量値の低下をもたらすだけでな
く、破壊電圧の低下、寿命の短縮等、信頼性も低下す
る。
【0073】また、酸化物層4は、1層構造でもよい
が、図2に示されるように2層構造であれば本発明の寿
命はさらに向上する。
【0074】2層構造の場合は、一方の層にP酸化物、
他方の層にMn酸化物を特に高濃度に含むものが好まし
い。そして、Fe酸化物がさらに含まれていれば一層効
果的である。
【0075】この場合、P酸化物は下層酸化物層41に
含まれ、Mn酸化物は上層酸化物層45に含まれる。こ
のため、下層酸化物層41が下地層となり1層の場合に
比べ容易に酸化物層45を形成できる。具体的には、酸
化物層45を形成でき、加えて、Mn酸化物の含有量を
多くできる。
【0076】なお、Fe酸化物は、通常上層酸化物層4
5に含まれるが、下層酸化物層41に含まれていてもよ
い。
【0077】上層酸化物層45のMn酸化物の含有量
は、MnO換算で1〜99重量%、好ましくは10〜5
0重量%、特に好ましくは25〜40重量%程度である
ことが好ましい。
【0078】また、上層酸化物層45のFe酸化物の含
有量は、Fe23 換算で0.1〜99重量%、好まし
くは0.1〜25重量%、特に好ましくは5〜15重量
%程度であることが好ましい。
【0079】なお、さらにTi、Ni、Ca、Ba、Z
r、Al、Si、P等が酸化物の形で含有されていても
よい。
【0080】また、下層酸化物層41のP酸化物の含有
量は、P25 換算で0.1〜99重量%、好ましくは
3〜30重量%、特に好ましくは15〜25重量%程度
であることが好ましい。
【0081】なお、さらに、Ba、Ca、Ti、Zr、
Al、Si、Mn、Ni等が酸化物の形で含有されてい
てもよい。
【0082】この場合、上層酸化物層45の厚みは0.
005〜0.995μm 、特に0.05〜0.2μm 程
度であることが好ましい。
【0083】また、下層酸化物層41の厚みは0.00
5〜0.995μm 、特に0.05〜0.2μm 程度で
あることが好ましい。
【0084】なお、このほか酸化物層4は3層以上の構
造であってもよい。
【0085】そして、酸化物層4には、後述のように誘
電体材料に添加されたLi、V、Ni、Zn、Y、Z
r、Mo、Cd、Sn、Gd、Tb、Dy、Tl等の1
種以上が酸化物の形で含有されていてもよい。
【0086】外部電極51、55には、通常CuやCu
合金あるいはNiやNi合金等を用いる。
【0087】なお、AgやAg−Pd合金等ももちろん
使用可能である。
【0088】外部電極51、55の厚みは任意であり、
目的や用途に応じ適宜決定すればよいが、通常10〜5
0μm 程度である。
【0089】そして、このような積層型チップコンデン
サ1の形状やサイズは、目的や用途に応じ適宜決定すれ
ばよい。例えば直方体状の場合は、通常1.6〜3.2
mm×0.8〜1.6mm×0.6〜1.2mm程度である。
【0090】本発明方法により得られる積層型セラミッ
クチップコンデンサは下記のとおり製造される。
【0091】まず、誘電体層3用ペースト、内部電極2
1、25用ペーストおよび外部電極51、55用ペース
トをそれぞれ製造する。
【0092】誘電体層3用のペーストを製造する際に用
いる誘電体の原料粉末としては、通常、後述される誘電
体酸化物の組成に応じ、Ti、Ba、Sr、Ca、Zr
等の酸化物とを用いればよい。
【0093】この場合、さらに酸化ケイ素および/また
は酸化マンガンを用いればより一層高い効果が得られ
る。
【0094】またこれらは焼成により酸化物になる化合
物、例えば炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、有機
金属化合物等を用いてもよい。
【0095】さらには、酸化物と、焼成により酸化物に
なる化合物とを併用してもよい。
【0096】これらの原料粉末は、通常、平均粒子径
0.1〜5μm 程度のものが用いられる。
【0097】このような原料粉末から誘電体材料を得る
には例えば下記のようにすればよい。
【0098】まず出発原料を所定の量比に配合し、例え
ば、ボールミル等により湿式混合する。
【0099】次いで、スプレードライヤー等により乾燥
させ、その後仮焼し、酸化ケイ素と、酸化マンガンと、
下記式の誘電体酸化物とを得る。
【0100】なお、仮焼は、通常800〜1300℃に
て、2〜10時間程度、空気中にて行う。 式 [(Ba1-x-y CaxSry)O]m・(Ti1-zZrz)O2
【0101】上記において、xは0.05〜0.25、
好ましくは0.06〜0.10、yは0〜0.05、好
ましくは0〜0.01、zは0.05〜0.20、好ま
しくは0.15〜0.20、mは1.002〜1.02
0、好ましくは1.002〜1.015である。
【0102】また、酸化ケイ素の含有量は、0.05〜
0.25重量%、特に0.10〜0.20重量%程度、
酸化マンガンの含有量は、0.005〜2重量%、特に
0.005〜0.5重量%程度が好ましい。
【0103】この場合、酸化ケイ素はSiO2 、酸化マ
ンガンはMnOが好適である。
【0104】なお、酸化ケイ素や酸化マンガンの添加は
仮焼の後に行ってもよい。
【0105】次いで、上記誘電体酸化物に、Y、Gd、
Tb、Dy、Zr、V、Mo、Cd、Tl、Snおよび
Pの酸化物および/または焼成により酸化物になる化合
物から選ばれる1種以上を添加する。
【0106】さらには、Li酸化物および/または焼成
によりLi酸化物になる化合物を添加してもよい。
【0107】または、前記酸化物や化合物にかえ、Li
酸化物および/または焼成によりLi酸化物になる化合
物のみを添加する。
【0108】酸化物になる化合物としては、例えば炭酸
塩、硫酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩、有機金属化合物等が
挙げられ、これらの1種以上を併用してもよい。
【0109】この場合、添加量は、最も安定な酸化物で
あるLi2 O、Y23 、Gd2 3、Tb23、Dy2
3、ZrO2、V25、MoO3、CdO、Tl23 、S
nO 2 およびP25 換算で合計0.005〜0.5重
量%、好ましくは0.01〜0.25重量%、特に好ま
しくは0.05〜0.20重量%程度である。
【0110】前記範囲未満では寿命が短く、信頼性が低
下する傾向にある。
【0111】前記範囲をこえるとコンデンサとしての本
来の機能である蓄電能力を低下させる。つまり容量値の
低下をもたらすだけでなく、破壊電圧の低下、寿命の短
縮等、信頼性も低下する。
【0112】次いで、ジェットミルあるいはボールミル
等にて所定粒径となるまで粉砕し、誘電体材料を得る。
【0113】誘電体層3用のペーストを調整する際に用
いられる結合剤、可塑剤、分散剤、溶剤等の添加剤は種
々のものであってよい。また、ガラスフリットを添加し
てもよい。
【0114】結合剤としては、例えばエチルセルロー
ス、アビエチン酸レジン、ポリビニール・ブチラールな
ど、可塑剤としては、例えばアビエチン酸誘導体、ジエ
チル蓚酸、ポリエチレングリコール、ポリアルキレング
リコール、フタール酸エステル、フタール酸ジブチルな
ど、分散剤としては、例えばグリセリン、オクタデシル
アミン、トリクロロ酢酸、オレイン酸、オクタジエン、
オレイン酸エチル、モノオレイン酸グリセリン、トリオ
レイン酸グリセリン、トリステアリン酸グリセリン、メ
ンセーデン油など、溶剤としては、例えばトルエン、テ
ルピネオール、ブチルカルビトール、メチルエチルケト
ンなどが挙げられる。
【0115】このペーストを調整する際の誘電体材料の
全体に対する割合は50〜80重量%程度とし、その
他、結合剤は2〜5重量%、可塑剤は0.1〜5重量
%、 分散剤は0.1〜5重量%、溶剤は20〜50重量
%程度とする。
【0116】そして、前記誘電体材料とこれらを混合
し、例えば3本ロール等で混練してペースト(スラリ
ー)とする。
【0117】内部電極21、25用のペーストを製造す
る際に用いる導体材料としては、NiやNi合金さらに
はこれらの混合物を用いる。
【0118】このような導体材料は、球状、リン片状
等、その形状に特に制限はなく、またこれらの形状のも
のが混合したものであってもよい。
【0119】また、平均粒子径は0.1〜10μm 、さ
らには0.1〜1μm 程度のものを用いればよい。
【0120】有機質ビヒクルは、バインダーおよび溶剤
を含有するものである。
【0121】バインダーとしては、例えばエチルセルロ
ース、アクリル樹脂、ブチラール樹脂等公知のものはい
ずれも使用可能である。
【0122】バインダー含有量は1〜5重量%程度とす
る。
【0123】溶剤としては、例えばテルピネオール、ブ
チルカルビトール、ケロシン等公知のものはいずれも使
用可能である。
【0124】溶剤含有量は20〜55重量%程度とす
る。
【0125】この他、総計10重量%程度以下の範囲
で、必要に応じ、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリ
ン脂肪酸エステル等の分散剤や、ジオクチルフタレー
ト、ジブチルフタレート、ブチルフタリルグリコール酸
ブチル等の可塑剤や、デラミ防止、焼結抑制等の目的
で、誘電体、絶縁体等の各種セラミック粉体等を添加す
ることもできる。
【0126】また、有機金属レジネートを添加すること
も有効である。
【0127】外部電極51、55用のペーストは、上記
の導体材料粉末を含有する通常のペーストを用いればよ
い。
【0128】このようにして得られた内部電極21、2
5用ペーストと、誘電体3用ペーストは、印刷法、転写
法、グリーンシート法等により、それぞれ交互に積層さ
れる。
【0129】次に、所定の積層体サイズに切断した後、
脱バインダ処理および焼成を行う。そして、誘電体層3
を再酸化させるため、熱処理を行う。
【0130】脱バインダ処理は、通常の条件で行えばよ
いが、特に下記の条件で行うことが好ましい。
【0131】昇温速度:10〜300℃/時間、特に5
0〜100℃/時間 保持温度:600〜1200℃、特に700〜900℃ 保持時間:0.5〜5時間、特に1〜3時間 酸素分圧:10-4〜10-8atm 、特に10-5〜10-6at
m 雰囲気用ガスには、加湿したN2 ガス等を用いることが
好適である。
【0132】焼成は酸素分圧10-7atm 以下、より好ま
しくは、10-7〜10-12 atm にて行うことが好まし
い。
【0133】前記範囲をこえると、内部電極21、25
が酸化する傾向にあり、またあまり小さすぎると電極材
料が異常焼結を起こし、途切れてしまう傾向にある。
【0134】そして、そのほかの焼成条件は下記の条件
が好ましい。 昇温速度:50〜500℃/時間、特に200〜300
℃/時間 保持温度:1250〜1400℃、 特に1300〜1
380℃ 保持時間:0.5〜8時間、特に1〜3時間 冷却速度:50〜500℃/時間、特に200〜300
℃/時間
【0135】雰囲気用ガスには、中性または還元性雰囲
気、特に加湿したN2 とH2 の混合ガス等を用いること
が好適である。
【0136】熱処理は、保持温度ないし最高温度を90
0〜1200℃、より好ましくは、900〜1100
℃、特に好ましくは1000〜1100℃として行うこ
とが好ましい。
【0137】前記範囲未満では誘電体材料の酸化が不十
分なために寿命が短くなる傾向にあり、前記範囲をこえ
ると内部電極のNiが酸化し、容量が低下するだけでな
く、誘電体素地と反応してしまい、寿命も短くなる傾向
にある。
【0138】熱処理の際の酸素分圧は、10-4〜10-7
atm である。
【0139】前記範囲未満では、誘電体層3や酸化物層
4の再酸化が困難であり、前記範囲をこえると内部電極
21、25が酸化する傾向にある。
【0140】そして、そのほかの熱処理条件は下記の条
件が好ましい。 保持時間:0〜6時間、特に2〜5時間 冷却速度:50〜500℃/時間、特に100〜300
℃/時間
【0141】雰囲気用ガスには、中性ないし弱還元性雰
囲気、特に加湿したN2 ガス等を用いることが好適であ
る。
【0142】なお、N2 ガスや混合ガス等を加湿するに
は、例えばウェッター等を使用すればよい。この場合、
水温は5〜75℃程度が好ましい。
【0143】また、脱バインダ処理、焼成および熱処理
は、それぞれを連続して行っても、独立に行ってもよ
い。
【0144】なお、独立に行う場合は、焼成に際して
は、脱バインダ処理の保持温度までは、N2 ガス雰囲気
下で昇温し、また、熱処理の保持温度ないし最高温度ま
で冷却した後は、N2 ガス雰囲気下で冷却する。
【0145】また、熱処理を行う際は、保持温度ないし
最高温度までは、N2 ガス雰囲気下で昇温する。
【0146】このようにして得られた焼結体には、例え
ばバレル研磨、サンドブラスト等にて端面研磨を施し、
外部電極用ペーストを焼きつけて外部電極51、55を
形成する。
【0147】そして、必要に応じ、外部電極51、55
上のめっき等によりパッド層を形成する。
【0148】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明
をさらに詳細に説明する。 実施例1 出発原料 BaCO3 :65.28重量% TiO2 :23.72重量% ZrO2 :7.49重量% CaCO3 :2.88重量% SiO2 :0.18重量% MnCO3 :0.20重量% 上記の出発原料をアルミナ製ボールミルで16時間湿式
混合した。
【0149】次いで、スプレードライヤーで乾燥させた
後、空気中にて、1200℃の温度で、3時間仮焼し、
下記式で表わされる組成の誘電体酸化物と、SiO2
と、MnOとを得た。 [(Ba0.92Ca0.08)O]1.004・(Ti0.83Zr0.17)O2 :99.
52重量% SiO2 :0.18重量% MnO:0.3重量%
【0150】そして、P25 を0.1重量%添加し、
ボールミルで16時間湿式粉砕し、平均粒子径1.4μ
m のチタン酸バリウム系の誘電体材料を得た。
【0151】この誘電体材料を用いて、下記に示される
配合比にて、3本ロールにより混練し、スラリー化して
誘電体層用ペーストとした。 誘電体材料:100重量部 テルピネオール:28重量部 トルエン:14重量部 分散剤:0.2重量部 ラッカー:36.5重量部
【0152】次に下記に示される配合比にて、3本ロー
ルにより混練し、スラリー化して内部電極用ペーストと
した。 Ni:44.6重量% テルピネオール:52重量% エチルセルロース:3重量% ベンゾトリアゾール:0.4重量%
【0153】これらのペーストを用い、以下のようにし
て図1に示される積層型セラミックチップコンデンサ1
を製造した。
【0154】まず、誘電体層用ペーストと、内部電極用
ペーストを用いて、印刷法により交互に積層した。なお
誘電体層3の積層数は20層である。
【0155】次いで所定サイズに切断した後、脱バイン
ダ処理、焼成および熱処理を連続して下記の条件にて行
った。
【0156】脱バインダ処理 昇温速度:50℃/時間 保持温度:800℃ 保持時間:2時間 雰囲気用ガス:加湿したN2 ガス 酸素分圧:10-6atm
【0157】焼成 昇温速度:200℃/時間 保持温度:1340℃ 保持時間:2時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2 とH2 の混合ガス 酸素分圧:10-8atm
【0158】熱処理 保持温度:1000℃ 保持時間:2時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2 ガス 酸素分圧:10-6atm
【0159】なお、それぞれの雰囲気用ガスの加湿に
は、ウェッターを用い、水温5〜75℃にて行った。
【0160】得られた焼結体の端面をサンドブラストに
て研磨した後、In−Ga合金を塗布して、試験用電極
を形成した。
【0161】このようにして製造した積層型セラミック
チップコンデンサ1のサイズは、3.2mm×1.6mm×
1.2mmであり、誘電体層3の厚みは16μm 、内部電
極21、25の厚みは2.5μm である。
【0162】また、誘電体層3のグレインの平均粒子径
は、3.0μm である。
【0163】そして、誘電体層3の断面の走査型電子顕
微鏡写真を撮り、粒界相の面積比を測定したところ1.
8%であり、内部電極21、25の周囲には酸化物層は
形成されていなかった。
【0164】また、走査型透過電子顕微鏡(STEM)
を用いて、粒界相の組成分析を行ったところ下記のとお
りであった。 Si酸化物(SiO2 換算):30.7重量% Al酸化物(A 2O3換算):25.4重量% Mn酸化物(MnO 換算):0.3重量% Fe酸化物(Fe2O3換算):1.3重量% Ni酸化物(NiO 換算):0.8重量% P酸化物(P2O5 換算) :0.3重量% Ba酸化物(BaO 換算):30.1重量% Ti酸化物(TiO2 換算):11.1重量% Ca酸化物(CaO 換算):0.1重量% Zr酸化物(ZrO2 換算):0.1重量%
【0165】また、STEMを用いて、誘電体層3のグ
レインの組成分析を行ったところ下記のとおりであっ
た。 [(Ba0.92Ca0.08)O]1.004・(Ti0.83Zr0.17)O2 :99.
914重量% SiO2 :0.006重量% MnO:0.08重量%
【0166】次にこのコンデンサに対し、温度200
℃、電圧DC200Vにて、加速寿命試験を行ったとこ
ろ寿命は0.8時間であった。
【0167】実施例2 下記の焼成、熱処理条件にて、実施例1と同様に、積層
型セラミックチップコンデンサを製造した。添加物25 :0.1重量%
【0168】焼成 昇温速度:200℃/時間 保持温度:1340℃ 保持時間:2時間 冷却速度:200℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2 とH2 の混合ガス 酸素分圧:10-8atm
【0169】熱処理 保持温度:1000℃ 保持時間:2時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2 ガス 酸素分圧:10-5atm
【0170】この場合、誘電体層3の厚みは16μm 、
グレインの平均粒子径は3.0μm、粒界相の面積比は
1.1%であり、内部電極21、25の厚みは2.5μ
m であり、内部電極の周囲には酸化物層は形成されてい
なかった。
【0171】また、誘電体層3の粒界相と、グレインの
組成は下記のとおりであった。
【0172】粒界相 Si酸化物(SiO2 換算):31.6重量% Al酸化物(A 2O3換算):27.1重量% Mn酸化物(MnO 換算):0.2重量% Fe酸化物(Fe2O3換算):0.9重量% Ni酸化物(NiO 換算):0.9重量% P酸化物(P2O5 換算) :0.1重量% Ba酸化物(BaO 換算):28.8重量% Ti酸化物(TiO2 換算):10.3重量% Zr酸化物(ZrO2 換算):0.1重量%
【0173】グレイン [(Ba0.92Ca0.08)O]1.004・(Ti0.83Zr0.17)O2 :99.
914重量% SiO2 :0.006重量% MnO:0.08重量% そして、加速寿命試験を行ったところ寿命は、1.2時
間であった。
【0174】実施例3 下記の焼成、熱処理条件にて、実施例1と同様に、図2
に示されるように酸化物層4を有する積層型セラミック
チップコンデンサを製造した。添加物25 :0.15重量%
【0175】焼成 昇温速度:200℃/時間 保持温度:1340℃ 保持時間:2時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2 とH2 の混合ガス 酸素分圧:10-11 atm
【0176】熱処理 保持温度:1100℃ 保持時間:3時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2 ガス 酸素分圧:10-5atm
【0177】この場合、誘電体層3の厚みは16μm 、
グレインの平均粒子径は3.4μm、粒界相の面積比は
1.6%であった。そして、内部電極21、25の厚み
は2.4μm であり、酸化物層4は2層で、上層酸化物
層45の厚みは0.05μm、下層酸化物層41の厚み
は0.07μm であった。
【0178】また、誘電体層3の粒界相と、グレインの
組成は下記のとおりであった。
【0179】粒界相 Si酸化物(SiO2 換算):32.4重量% Al酸化物(A 2O3換算):26.3重量% Mn酸化物(MnO 換算):0.2重量% Fe酸化物(Fe2O3換算):0.7重量% Ni酸化物(NiO 換算):0.7重量% P酸化物(P2O5 換算) :0.1重量% Ba酸化物(BaO 換算):28.7重量% Ti酸化物(TiO2 換算):10.8重量% Zr酸化物(ZrO2 換算):0.1重量%
【0180】グレイン [(Ba0.92Ca0.08)O]1.004・(Ti0.83Zr0.17)O2 :99.
914重量% SiO2 :0.006重量% MnO:0.08重量%
【0181】また、STEMにより酸化物層4の層組成
を分析したところ下記のとおりであった。
【0182】下層酸化物層41 Si酸化物(SiO2 換算):0.3重量% Al酸化物(A 2O3換算):0.2重量% Mn酸化物(MnO 換算):0.8重量% Fe酸化物(Fe2O3換算):2.1重量% Ni酸化物(NiO 換算):1.8重量% P酸化物(P2O5 換算) :23.2重量% Ba酸化物(BaO 換算):68.6重量% Ti酸化物(TiO2 換算):2.8重量% Ca酸化物(CaO 換算):0.1重量% Zr酸化物(ZrO2 換算):0.1重量%
【0183】上層酸化物層45 Si酸化物(SiO2 換算):1.7重量% Al酸化物(A 2O3換算):0.3重量% Mn酸化物(MnO 換算):31.6重量% Fe酸化物(Fe2O3換算):8.7重量% Ni酸化物(NiO 換算):7.9重量% P酸化物(P2O5 換算) :2.1重量% Ba酸化物(BaO 換算):3.8重量% Ti酸化物(TiO2 換算):40.0重量% Ca酸化物(CaO 換算):0.1重量% Zr酸化物(ZrO2 換算):3.8重量% そして、加速寿命試験を行ったところ寿命は、1.6時
間であった
【0184】実施例4 下記の焼成、熱処理条件にて、実施例1と同様に、図2
に示されるように酸化物層4を有する積層型セラミック
チップコンデンサを製造した。添加物25 :0.1重量%
【0185】焼成 昇温速度:200℃/時間 保持温度:1340℃ 保持時間:2時間 冷却速度:200℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2 とH2 の混合ガス 酸素分圧:10-9atm
【0186】熱処理 保持温度:1000℃ 保持時間:2時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2 ガス 酸素分圧:10-5atm
【0187】この場合、誘電体層3の厚みは16μm 、
グレインの平均粒子径は3.2μm、粒界相の面積比は
0.9%であった。そして、内部電極21、25の厚み
は2.5μm であり、酸化物層4は1層で、厚みは0.
09μm であった。
【0188】また、誘電体層3の粒界相と、グレインの
組成は下記のとおりであった。
【0189】粒界相 Si酸化物(SiO2 換算):28.4重量% Al酸化物(A 2O3換算):23.1重量% Mn酸化物(MnO 換算):1.2重量% Fe酸化物(Fe2O3換算):0.6重量% Ni酸化物(NiO 換算):0.6重量% P酸化物(P2O5 換算) :0.4重量% Ba酸化物(BaO 換算):31.6重量% Ti酸化物(TiO2 換算):12.5重量% Ca酸化物(CaO 換算):0.6重量% Zr酸化物(ZrO2 換算):1.0重量%
【0190】グレイン [(Ba0.92Ca0.08)O]1.004・(Ti0.83Zr0.17)O2 :99.
914重量% SiO2 :0.006重量% MnO:0.08重量%
【0191】また、酸化物層4の層組成は下記のとおり
であった。 Si酸化物(SiO2 換算):0.1重量% Al酸化物(A 2O3換算):0.2重量% Mn酸化物(MnO 換算):1.1重量% Fe酸化物(Fe2O3換算):0.3重量% Ni酸化物(NiO 換算):0.2重量% P酸化物(P2O5 換算) :19.3重量% Ba酸化物(BaO 換算):75.3重量% Ti酸化物(TiO2 換算):3.1重量% Ca酸化物(CaO 換算):0.3重量% Zr酸化物(ZrO2 換算):0.1重量% そして、加速寿命試験を行ったところ寿命は、1.7時
間であった。
【0192】実施例5 下記の焼成、熱処理条件にて、実施例1と同様に、図2
に示されるように酸化物層4を有する積層型セラミック
チップコンデンサを製造した。添加物25 :0.2重量%
【0193】焼成 昇温速度:200℃/時間 保持温度:1340℃ 保持時間:2時間 冷却速度:200℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2 とH2 の混合ガス 酸素分圧:10-12 atm
【0194】熱処理 保持温度:1100℃ 保持時間:3時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2 ガス 酸素分圧:10-4atm
【0195】この場合、誘電体層3の厚みは16μm 、
グレインの平均粒子径は3.5μm、粒界相の面積比は
0.7%であった。そして、内部電極21、25の厚み
は2.5μm であり、酸化物層4は2層で、上層酸化物
層45の厚みは0.06μm、下層酸化物層41の厚み
は0.09μm であった。
【0196】また、誘電体層3の粒界相と、グレインの
組成は下記のとおりであった。
【0197】粒界相 Si酸化物(SiO2 換算):32.5重量% Al酸化物(A 2O3換算):26.7重量% Mn酸化物(MnO 換算):0.4重量% Fe酸化物(Fe2O3換算):1.0重量% Ni酸化物(NiO 換算):1.0重量% Ba酸化物(BaO 換算):27.0重量% Ti酸化物(TiO2 換算):11.4重量%
【0198】グレイン [(Ba0.92Ca0.08)O]1.004・(Ti0.83Zr0.17)O2 :99.
914重量% SiO2 :0.006重量% MnO:0.08重量% また、酸化物層4の層組成は下記のとおりであった。
【0199】下層酸化物層41 Si酸化物(SiO2 換算):0.2重量% Al酸化物(A 2O3換算):0.1重量% Mn酸化物(MnO 換算):0.6重量% Fe酸化物(Fe2O3換算):2.3重量% Ni酸化物(NiO 換算):2.1重量% P酸化物(P2O5 換算) :24.1重量% Ba酸化物(BaO 換算):67.0重量% Ti酸化物(TiO2 換算):3.3重量% Ca酸化物(CaO 換算):0.2重量% Zr酸化物(ZrO2 換算):0.1重量%
【0200】上層酸化物層45 Si酸化物(SiO2 換算):1.1重量% Al酸化物(A 2O3換算):0.2重量% Mn酸化物(MnO 換算):32.8重量% Fe酸化物(Fe2O3換算):9.8重量% Ni酸化物(NiO 換算):7.2重量% P酸化物(P2O5 換算) :1.9重量% Ba酸化物(BaO 換算):3.4重量% Ti酸化物(TiO2 換算):39.8重量% Ca酸化物(CaO 換算):0.2重量% Zr酸化物(ZrO2 換算):3.6重量%
【0201】なお、下部および上部酸化物層41、45
におけるP酸化物と、Mn酸化物の含有濃度を電子線マ
イクロアナライザー写真にて確認した。それを図3〜図
5に示す。
【0202】図3は、Niを見たマイクロアナライザー
写真であり、白く見える2本のラインがNi内部電極で
ある。
【0203】図4は、Mnを見たマイクロアナライザー
写真であり、白く見える4本のライン部分がMnの濃度
が高い部分である。
【0204】図5は、Pを見たマイクロアナライザー写
真であり、白く見える4本のライン部分がPの濃度が高
い部分である。
【0205】なお、各マイクロアナライザー写真は、そ
れぞれ2350倍に拡大したものである。
【0206】そして、加速寿命試験を行ったところ寿命
は、3.4時間であった。
【0207】実施例6 実施例1において、P25 にかえ、V25 を0.1
重量%添加したほかは同様として誘電体層用ペーストを
得た。そして、焼成、熱処理条件を下記のとおりとした
ほかは実施例1と同様として、積層型セラミックチップ
コンデンサを製造した。
【0208】焼成 昇温速度:200℃/時間 保持温度:1340℃ 保持時間:2時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2 とH2 の混合ガス 酸素分圧:10-9atm
【0209】熱処理 保持温度:1000℃ 保持時間:2時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2 ガス 酸素分圧:10-6atm
【0210】この場合、誘電体層3の厚みは16μm 、
グレインの平均粒子径は3.3μm、粒界相の面積比は
1.7%であり、内部電極21、25の厚みは2.5μ
m であり、内部電極の周囲には酸化物層は形成されてい
なかった。
【0211】また、誘電体層3の粒界相の組成は下記の
とおりであった。
【0212】粒界相 Si酸化物(SiO2 換算):30.2重量% Al酸化物(A 2O3換算):25.6重量% Mn酸化物(MnO 換算):0.7重量% Fe酸化物(Fe2O3換算):0.3重量% Ni酸化物(NiO 換算):0.3重量% P酸化物(P2O5 換算) :0.4重量% Ba酸化物(BaO 換算):29.7重量% Ti酸化物(TiO2 換算):12.0重量% Ca酸化物(CaO 換算):0.2重量% Zr酸化物(ZrO2 換算):0.6重量%
【0213】グレイン また、誘電体層3のグレインは、[(Ba0.92Ca0.08)O]
1.004・(Ti0.83Zr0.17)O2を主成分とし、MnO、Si
2 およびV25 を微量含有していた。そして、加速
寿命試験を行ったところ寿命は、1.0時間であった。
【0214】実施例7 実施例6と同様の誘電体層用ペーストを用い、下記の焼
成、熱処理条件にて、実施例1と同様に積層型セラミッ
クチップコンデンサを製造した。添加物25 :0.1重量%
【0215】焼成 昇温速度:200℃/時間 保持温度:1340℃ 保持時間:2時間 冷却速度:200℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2 とH2 の混合ガス 酸素分圧:10-8atm
【0216】熱処理 保持温度:1000℃ 保持時間:2時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2 ガス 酸素分圧:10-5atm
【0217】この場合、誘電体層3の厚みは16μm 、
グレインの平均粒子径は3.1μm、粒界相の面積比は
0.9%であり、内部電極21、25の厚みは2.5μ
m であり、内部電極の周囲には酸化物層は形成されてい
なかった。
【0218】また、誘電体層3の粒界相の組成は下記の
とおりであった。
【0219】粒界相 Si酸化物(SiO2 換算):31.8重量% Al酸化物(A 2O3換算):27.3重量% Mn酸化物(MnO 換算):0.3重量% Fe酸化物(Fe2O3換算):0.3重量% Ni酸化物(NiO 換算):0.2重量% Ba酸化物(BaO 換算):28.5重量% Ti酸化物(TiO2 換算):11.5重量% Ca酸化物(CaO 換算):0.1重量%
【0220】グレイン また、誘電体層3のグレインは、[(Ba0.92Ca0.08)O]
1.004・(Ti0.83Zr0.17)O2を主成分とし、MnO、Si
2 およびV25 を微量含有していた。そして、加速
寿命試験を行ったところ寿命は、1.4時間であった。
【0221】実施例8 実施例6と同様の誘電体層用ペーストを用い、下記の焼
成、熱処理条件にて、実施例1と同様に、図2に示され
るように酸化物層4を有する積層型セラミックチップコ
ンデンサを製造した。添加物25 :0.1重量%
【0222】焼成 昇温速度:200℃/時間 保持温度:1340℃ 保持時間:2時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2 とH2 の混合ガス 酸素分圧:10-10 atm
【0223】熱処理 保持温度:1100℃ 保持時間:2時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2 ガス 酸素分圧:10-6atm
【0224】この場合、誘電体層3の厚みは16μm 、
グレインの平均粒子径は3.6μm、粒界相の面積比は
1.6%であった。そして、内部電極21、25の厚み
は2.5μm であり、酸化物層4は1層で、厚みは2.
5μm であった。
【0225】また、誘電体層3の粒界相の組成は下記の
とおりであった。
【0226】粒界相 Si酸化物(SiO2 換算):32.5重量% Al酸化物(A 2O3換算):27.9重量% Mn酸化物(MnO 換算):0.6重量% Fe酸化物(Fe2O3換算):0.2重量% Ni酸化物(NiO 換算):0.2重量% Ba酸化物(BaO 換算):27.6重量% Ti酸化物(TiO2 換算):11.0重量%
【0227】グレイン また、誘電体層3のグレインは、[(Ba0.92Ca0.08)O]
1.004・(Ti0.83Zr0.17)O2を主成分とし、MnO、Si
2 およびV25 を微量含有していた。
【0228】また、酸化物層4の層組成は下記のとおり
であった。 Si酸化物(SiO2 換算):1.1重量% Al酸化物(A 2O3換算):0.4重量% Mn酸化物(MnO 換算):32.4重量% Fe酸化物(Fe2O3換算):10.7重量% Ni酸化物(NiO 換算):8.3重量% P酸化物(P2O5 換算) :2.1重量% Ba酸化物(BaO 換算):3.9重量% Ti酸化物(TiO2 換算):40.1重量% Ca酸化物(CaO 換算):0.8重量% Zr酸化物(ZrO2 換算):0.2重量% そして、加速寿命試験を行ったところ寿命は、2.1時
間であった。
【0229】実施例9 実施例6と同様の誘電体層用ペーストを用い、下記の焼
成、熱処理条件にて、実施例1と同様に、図2に示され
るように酸化物層4を有する積層型セラミックチップコ
ンデンサを製造した。添加物25 :0.1重量%
【0230】焼成 昇温速度:200℃/時間 保持温度:1340℃ 保持時間:2時間 冷却速度:200℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2 とH2 の混合ガス 酸素分圧:10-10 atm
【0231】熱処理 保持温度:1100℃ 保持時間:2時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2 ガス 酸素分圧:10-5atm
【0232】この場合、誘電体層3の厚みは16μm 、
グレインの平均粒子径は3.6μm、粒界相の面積比は
0.6%であった。そして、内部電極21、25の厚み
は2.5μm であり、酸化物層4は1層で、厚みは0.
11μm であった。また、誘電体層3の粒界相の組成は
下記のとおりであった。
【0233】粒界相 Si酸化物(SiO2 換算):31.2重量% Al酸化物(A 2O3換算):23.0重量% Mn酸化物(MnO 換算):0.5重量% Fe酸化物(Fe2O3換算):0.1重量% Ba酸化物(BaO 換算):32.3重量% Ti酸化物(TiO2 換算):12.9重量%
【0234】グレイン また、誘電体層3のグレインは、[(Ba0.92Ca0.08)O]
1.004・(Ti0.83Zr0.17)O2を主成分とし、MnO、Si
2 およびV25 を微量含有していた。
【0235】また、酸化物層4の層組成は下記のとおり
であった。 Si酸化物(SiO2 換算):0.9重量% Al酸化物(A 2O3換算):0.2重量% Mn酸化物(MnO 換算):38.3重量% Fe酸化物(Fe2O3換算):11.3重量% Ni酸化物(NiO 換算):9.8重量% P酸化物(P2O5 換算) :2.2重量% Ba酸化物(BaO 換算):7.6重量% Ti酸化物(TiO2 換算):29.2重量% Ca酸化物(CaO 換算):0.3重量% Zr酸化物(ZrO2 換算):0.2重量% そして、加速寿命試験を行ったところ寿命は、4.1時
間であった。
【0236】比較例1 P25 を添加しないで、そのほかは実施例1と同様に
誘電体層用ペーストを得た。そして、焼成、熱処理条件
を下記のとおりとしたほかは実施例1と同様として、積
層型セラミックチップコンデンサを製造した。
【0237】添加物 なし焼成 昇温速度:200℃/時間 保持温度:1340℃ 保持時間:2時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2 とH2 の混合ガス 酸素分圧:10-8atm
【0238】熱処理 保持温度:1000℃ 保持時間:2時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2 ガス 酸素分圧:10-6atm
【0239】この場合、誘電体層3の厚みは16μm 、
グレインの平均粒子径は3.0μm、粒界相の面積比は
2.6%であり、内部電極21、25の厚みは2.5μ
m であり、内部電極の周囲には酸化物層は形成されてい
なかった。また、誘電体層3の粒界相と、グレインの組
成は下記のとおりであった。
【0240】粒界相 Si酸化物(SiO2 換算):29.3重量% Al酸化物(A 2O3換算):24.2重量% Mn酸化物(MnO 換算):0.6重量% Fe酸化物(Fe2O3換算):0.3重量% Ni酸化物(NiO 換算):0.2重量% P酸化物(P2O5 換算) :0.2重量% Ba酸化物(BaO 換算):33.2重量% Ti酸化物(TiO2 換算):11.8重量% Ca酸化物(CaO 換算):0.1重量% Zr酸化物(ZrO2 換算):0.1重量%
【0241】グレイン [(Ba0.92Ca0.08)O]1.004・(Ti0.83Zr0.17)O2 :99.
914重量% SiO2 :0.006重量% MnO:0.08重量% そして、加速寿命試験を行ったところ寿命は、0.34
時間であった。これらの結果より本発明の効果が明らか
である。
【0242】また、実施例1において、P25 にか
え、下記に示される(1)〜(10)の化合物を単独添加した
ほかは同様として各種誘電体層用ペーストを得た。 (1)LiCO3(Li2O換算) :0.1重量% (2)Y23 (Y2O3 換算) :0.1重量% (3)Gd23(Gd2O3 換算):0.1重量% (4)Tb47(Tb2O3 換算):0.1重量% (5)Dy23(Dy2O3 換算):0.1重量% (6)ZrO2(ZrO2換算) :0.1重量% (7)MoO3(MoO3換算) :0.1重量% (8)CdO(CdO 換算) :0.1重量% (9)Tl23(T 2O3 換算):0.1重量% (10)SnO2(SnO2換算) :0.1重量%
【0243】そして、各種誘電体層用ペーストを用いて
積層型セラミックチップコンデンサを製造したところ実
施例1〜9と同等の結果が得られた。なお、2種以上の
化合物を添加した場合も、上記とほぼ同等の結果が得ら
れた。
【0244】
【発明の効果】本発明の積層型セラミックチップコンデ
ンサは、寿命が長い。このため、優れた信頼性が得られ
る。そして、内部電極21、25の周囲に誘電体層3と
は異なる組成の酸化物層4を有する場合や、誘電体層中
の粒界相が少ない場合は、本発明の効果が一層向上す
る。
【0245】さらには、酸化物層4を有し、しかも粒界
相が少ない場合は、より一層寿命が増大する。この場
合、特に酸化物層4に、Mn酸化物、P酸化物およびF
e酸化物から選ばれる1種以上を含むもの、さらには、
酸化物層4が、Mn酸化物を含む層と、P酸化物を含む
層の2層構造であるものは、特に寿命が長く、一層優れ
た信頼性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層型セラミックチップコンデンサの
1例が示される断面図である。
【図2】本発明の積層型セラミックチップコンデンサの
1例が示される断面図である。
【図3】粒子構造を示す図面代用写真であって、本発明
の積層型セラミックチップコンデンサ中のNi濃度分布
が示される電子線マイクロアナライザー写真である。
【図4】粒子構造を示す図面代用写真であって、本発明
の積層型セラミックチップコンデンサ中のMn濃度分布
が示される電子線マイクロアナライザー写真である。
【図5】粒子構造を示す図面代用写真であって、本発明
の積層型セラミックチップコンデンサ中のP濃度の分布
が示される電子線マイクロアナライザー写真である。
【符号の説明】
1 積層型セラミックチップコンデンサ 21、25 内部電極 3 誘電体層 4 酸化物層 41 下層酸化物層 45 上層酸化物層 51、55 外部電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西山 貢右 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (72)発明者 中野 幸恵 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (72)発明者 池田 雅昭 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−182273(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 4/12

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニッケルまたはニッケル合金の内部電極
    材料と、誘電体材料とを層状に構成し、これを中性また
    は還元性雰囲気中で焼成し、その後、焼成時より高い酸
    素分圧である10-4〜10-7atmの弱還元性雰囲気中で
    再酸化処理する積層型セラミックチップコンデンサの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記焼成時の酸素分圧が10-7atm以下
    である、請求項1の積層型セラミックチップコンデンサ
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記焼成時の酸素分圧が10-7〜10
    -12atmである、請求項1または2の積層型セラミックチ
    ップコンデンサの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記再酸化処理の雰囲気用ガスには、加
    湿した窒素ガスを用いる請求項1〜3のいずれかの積層
    型セラミックチップコンデンサの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記再酸化処理の保持温度ないし最高温
    度が、900℃〜1200℃の範囲の温度条件下で行わ
    れる請求項1〜4のいずれかの積層型セラミックチップ
    コンデンサの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記誘電体材料は、下記式で表わされる
    組成の誘電体酸化物を含有し、Y、Gd、Tb、Dy、
    Zr、V、Mo、Cd、Tl、SnおよびPの酸化物お
    よび/または焼成により酸化物になる化合物から選ばれ
    る1種以上を、酸化物換算で、0.005〜0.5重量
    %含有する請求項1〜5のいずれかの積層型セラミック
    チップコンデンサの製造方法。 式 [(Ba1-x-yCaxSry)O]m・(Ti1-zZrz)O2 {上記式中、0.05≦x≦0.25、0≦y≦0.0
    5、0.05≦z≦0.20、1.002≦m≦1.0
    20である。}
  7. 【請求項7】 前記誘電体材料がさらに、Li酸化物お
    よび/または焼成によりLi酸化物になる化合物を含有
    する請求項6の積層型セラミックチップコンデンサの製
    造方法。
  8. 【請求項8】 前記Li酸化物および/または焼成によ
    りLi酸化物になる化合物の含有量が、Li酸化物換算
    で、0.005〜0.5重量%含有する請求項7の積層
    型セラミックチップコンデンサの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記誘電体材料がさらに、酸化ケイ素お
    よび/または酸化マンガンを含有する請求項8の積層型
    セラミックチップコンデンサの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記酸化ケイ素の含有量が、0.05
    〜0.25重量%であり、前記酸化マンガンの含有量
    が、0.01〜0.50重量%である請求項9の積層型
    セラミックチップコンデンサの製造方法。
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