JP3207846B2 - 積層型セラミックチップコンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

積層型セラミックチップコンデンサおよびその製造方法

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JP3207846B2 JP27122489A JP27122489A JP3207846B2 JP 3207846 B2 JP3207846 B2 JP 3207846B2 JP 27122489 A JP27122489 A JP 27122489A JP 27122489 A JP27122489 A JP 27122489A JP 3207846 B2 JP3207846 B2 JP 3207846B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、積層型セラミックチップコンデンサ、特に
誘電体層の改良に関する。
<従来の技術> 積層型セラミックチップコンデンサは通常、内部電極
用のペーストと、誘電体層用のペーストとをグリーンシ
ート法や印刷法等により積層し、一体同時焼成して製造
される。
そして内部電極には一般に、PdやPd合金が用いられて
いるが、Pdは高価であるため、比較的安価なNiやNi合金
が使用されつつある。
ところで、内部電極をNiやNi合金で形成する場合は、
大気中で焼成を行うと電極が酸化してしまう。
このため、一般に、脱バインダ後は、NiとNiOの平衡
酸素分圧よりも低い酸素分圧で焼成し、熱処理により誘
電体層を再酸化させている。
そして、誘電体層の還元による絶縁抵抗の低下等を防
止するため、Mnの添加や、Ca置換等も行われている。
<発明が解決しようとする課題> しかし、NiやNi合金製の内部電極を有する積層型チッ
プコンデンサは、大気中で焼成して製造されるPd製の内
部電極を有する積層型チップコンデンサにくらべ、絶縁
抵抗の寿命が圧倒的に短く、信頼性が低いという問題が
ある。
本発明の目的は、NiないしNi合金製内部電極を有する
積層型チップコンデンサの誘電体層を改良することによ
り寿命が長く、信頼性の高い積層型セラミックチップコ
ンデンサ、その製造方法を提供することにある。
<課題を解決するための手段> このような目的は、下記の本発明(1)〜(9)によ
って達成される。
(1)内部電極と誘電体層とを有する積層型セラミック
チップコンデンサであって、 前記誘電体層が原料粉末としてMnO換算で0.005〜2重
量%のMn化合物を含有し、 前記内部電極の材質がNiまたはNi合金であり、 焼結後の加熱処理によりこの内部電極の周囲に、前記
誘電体層の構成元素により、この誘電体層とは異なる組
成の酸化物層が形成され、かつこの酸化物層がMnをMnO
換算で1〜99重量%含有する積層型セラミックチップコ
ンデンサ。
(2)前記酸化物層に、P2O5換算で0.1〜99重量%のP
酸化物が含まれる上記(1)の積層型セラミックチップ
コンデンサ。
(3)前記酸化物層に、Fe2O3換算で0.1〜99重量%のFe
酸化物が含まれる上記(1)の積層型セラミックチップ
コンデンサ。
(4)前記酸化物層がP2O5換算で0.1〜99重量%のP酸
化物を含む層と、MnO換算で1〜99重量%のMn酸化物を
含む層とを有する上記(1)の積層型セラミックチップ
コンデンサ。
(5)前記酸化物層の厚みが0.01〜1μmである上記
(1)〜(4)のいずれかの積層型セラミックチップコ
ンデンサ。
(6)前記P酸化物を含む層の厚みが0.005〜0.995μm
であり、前記Mn酸化物を含む層の厚みが0.005〜0.995μ
mである上記(4)の積層型セラミックチップコンデン
サ。
(7)前記誘電体層が、下記式の誘電体酸化物を含有す
る上記(1)〜(6)のいずれかの積層型セラミックチ
ップコンデンサ。
式[(Ba1-x-yCaxSry)O]・(Ti1-zZrz)O2 {上記式中、0.05≦x≦0.25、0≦y≦0.05、0.05≦z
≦0.20、1.000≦m≦1.020である。} (8)前記誘電体層がさらに、SiO2を含有する上記
(7)に記載の積層型セラミックチップコンデンサ。
(9)MnO換算で0.005〜2重量%のMn化合物およびP2O5
換算で0.05〜5重量%のP化合物を含有する誘電体材料
と、NiまたはNi合金の内部電極材料とを積層し、 次いで、酸素分圧10-8atm以上にて焼成し、 その後、温度900〜1200℃、酸素分圧10-8atm以上にて
熱処理を行って誘電体層を再酸化させ、内部電極の周囲
に、上記(1)〜(8)のいずれかの酸化物層を形成す
ることを特徴とする積層型セラミックチップコンデンサ
の製造方法。
<作用> 本発明の製造方法では、脱バインダ処理後、所定の条
件で焼成し、熱処理を行う。
この焼成および熱処理によりNiないしNi合金製内部電
極の周囲に、誘電体材料あるいは内部電極材料を構成す
る材質の酸化物や別途添加された材料の酸化物から構成
され、誘電体層とは異なる酸化物層が形成される。
そして、このように酸化物層が形成された本発明の積
層型セラミックチップコンデンサでは、従来のものにく
らべ寿命が約2〜5倍に増大し、優れた信頼性が得られ
る。
なお、酸化物層が長寿命化に有効な理由は完全には解
明できていないが、1つには、酸化物層により、焼成時
や負荷時にNiイオンのマイグレーションが抑制されるか
らであろうと考えられる。
<発明の具体的構成> 以下、本発明の具体的構成を詳細に説明する。
第1図には、本発明の積層型セラミックチップコンデ
ンサの好適例が示される。
積層型チップコンデンサ1は、内部電極21、25と、誘
電体層3とが交互に積層され、各内部電極21、25に接続
している1対の外部電極51、55を有するものである。
そして、内部電極21、25の周囲には、誘電体層3とは
異なる組成の酸化物層4が形成される。
本発明では、内部電極21、25は、NiまたはNi合金から
形成され、この場合、Ni合金としては、Niを95重量%以
上含有するNiと、Mn、Co、Al、Cr等の1種以上との合金
であることが好ましい。
これらは、本発明に従い、十分な寿命や信頼性を得る
ことができる。
なお、NiまたはNi合金中には、微量成分として、0.1
重量%以下のP等が含有されていてもよい。
内部電極21、25の厚み等の諸条件は目的や用途に応じ
適宜決定をすればよいが、通常厚みは、1〜5μm、特
に2〜3μm程度である。
誘電体層3の材質としては、種々の誘電体材料を用い
てよいが、酸化チタン系、チタン酸系複合酸化物および
ジルコン酸系複合酸化物あるいはこれらの混合物が好ま
しい。酸化チタン系としては、必要に応じNiO、CuO、Mn
3O4、Al2O3、MgO、SiO2、を含むTiO2等、チタン酸系複
合酸化物としては、BaTiO3、SrTiO3、CaTiO3、MgTiO3
これらの混合物等が挙げられる。
このうち本発明では、チタン酸系複合酸化物、特に下
記式の誘電体酸化物が好ましい。
式[(Ba1-x-yCaxSry)O]・(Ti1-zZrz)O2 この場合、xは0.05〜0.25、特に0.06〜0.10、yは0
〜0.05、特に0〜0.01、zは0.05〜0.20、特に0.15〜0.
20、mは1.000〜1.020、特に1.002〜1.015であることが
好ましい。
そして、さらにSiO2を0.05〜0.25重量%程度含有する
ものが好ましい。
また、Mn酸化物を含有し、さらにAl酸化物、Ni酸化
物、Mg酸化物、Co酸化物、Hf酸化物等が0.5重量%程度
以下含有されてもよい。
誘電体層3の積層数や厚み等の諸条件は、目的や用途
に応じ適宜決定すればよい。
通常積層数は、1〜100程度であり、厚みは、5〜50
μm、特に10〜20μm程度である。
また、誘電体層3のグレインの平均粒子径は、1〜5
μm程度であることが好ましい。
そして、誘電体層3におけるグレイン以外の部分であ
る粒界相は少ないほど好ましい。
なお、粒界相は通常、SiO2やAl2O3等を主成分とする
ガラスないしガラス質で形成される。
酸化物層4の材質は各種酸化物の1種以上を含有する
ものであればよく、そのとき本発明の寿命向上効果が得
られる。
この場合、酸化物層4に、Mn酸化物が含有された上
で、さらにP酸化物およびFe酸化物等から選ばれる1種
ないし2種以上が含まれていると、さらに寿命が延び、
一層優れた信頼性が得られる。
また、これらはチタン酸系複合酸化物、特に前記式の
場合により一層優れた寿命向上効果を与える。
このうち本発明ではMn酸化物が含まれているので特に
高い効果が認められる。
Mn酸化物の含有量はMnO換算で1〜99重量%、より好
ましくは10〜60重量%、特に好ましくは30〜45重量%程
度であることが好ましい。
なお、Mn酸化物と、その他に例えばAl、Si、Ca、Ni、
Fe、Ba、Ti、Zr、P等が、通常、酸化物の形で、含有さ
れる。
Mn酸化物は、通常、後述のように主に誘電体材料に添
加されたMn化合物から酸化物層中に含有される。
また、Si、Ca、Ba、Ti、Zr、P等は、主に誘電体材料
の構成中から供給され、Niは内部電極材料中から供給さ
れ、さらに、Fe、P、Al等は主に内部電極材料および誘
電体材料の不純物等から供給されて酸化物層中に含有さ
れる。
P酸化物の場合、その含有量はP2O5換算で0.1〜99重
量%、より好ましくは3〜30重量%、特に好ましくは15
〜25重量%程度であることが好ましい。
なお、P酸化物を含有する場合、その他に例えばTi、
Ba、Fe、Al、Si、Ca、Zr等が、通常、酸化物の形で含有
される。
P酸化物は、通常、誘電体材料中に不純物として含有
されるかもしくは添加されたP化合物から酸化物層中に
含有される。そして、通常リン酸塩の形で含有される。
また、Ti、Ba、Ca、Zr、Si等は、主に誘電体材料の構
成中から供給され、Mnは、誘電体材料に添加されたMn化
合物から供給され、さらにFe、Al等は主に内部電極材料
および誘電体材料の不純物等から供給されて酸化物層中
に含有される。
これら、MnおよびPの酸化物は、酸化物層中に析出し
たとき、負荷時のNiイオンのマイグレーションを防止す
るバリアー層として働くものであると考えられる。
Fe酸化物の場合、その含有量はFe2O3換算で0.1〜99重
量%、より好ましくは0.5〜30重量%、特に好ましくは
5〜20重量%程度であることが好ましい。
なお、Fe酸化物を含有する場合、その他に例えばAl、
Si、Ca、Ti、Ni、Ba、Zr、P等が、通常、酸化物の形で
含有される。
Fe酸化物は主に内部電極材料および誘電体材料の不純
物等から供給されて酸化物層中に含有される。
また、Si、Ca、Ti、Ba、Zr、Mn等は、主に誘電体材料
の構成中から供給され、Niは、内部電極材料中から供給
され、さらにAl、P等は主に内部電極材料および誘電体
材料の不純物等から供給されて酸化物層中に含有され
る。
ところで誘電体層3を構成するグレイン中には、原料
自体に含まれるFe成分あるいは工程中に含まれてくるFe
成分が含まれていて、寿命短縮の原因となっている。
従って、Fe酸化物の場合は、前記Mn酸化物やP酸化物
とは異なり、酸化物層4に集め、グレイン中のFe成分を
減少させて寿命を向上させるものであると考えられる。
このような酸化物層4の厚みは0.01〜1μm、特に0.
05〜0.2μm程度であることが好ましい。
前記範囲未満では本発明の効果が減少する傾向にあ
り、前記範囲をこえるとコンデンサとしての本来の機能
である蓄電能力を低下させる。つまり容量値の低下をも
たらすだけでなく、破壊電圧の低下、寿命の短縮等、信
頼性も低下する。
また、酸化物層4は、1層構造でもよいが、図示のよ
うに2層構造であれば本発明の寿命はさらに向上する。
2層構造の場合は、一方の層にP酸化物、他方の層に
Mn酸化物を特に高濃度に含むものが好ましい。そして、
Fe酸化物がさらに含まれていれば一層効果的である。
この場合、P酸化物は下層酸化物層41に含まれ、Mn酸
化物は上層酸化物層45に含まれる。このため、下層酸化
物層41が下地層となり1層の場合に比べ容易に酸化物層
45を形成できる。具体的には、酸化物層45を形成でき、
加えて、Mn酸化物の含有量を多くできる。
なお、Fe酸化物は、通常上層酸化物層45に含まれる
が、下層酸化物層41に含まれていてもよい。
上層酸化物層45のMn酸化物の含有量は、MnO換算で1
〜99重量%、好ましくは10〜50重量%、特に好ましくは
25〜40重量%程度であることが好ましい。
また、上層酸化物層45のFe酸化物の含有量は、Fe2O3
換算で0.1〜99重量%、好ましくは0.1〜25重量%、特に
好ましくは5〜15重量%程度であることが好ましい。
なお、さらにTi、Ni、Ca、Ba、Zr、Al、Si、P等が酸
化物の形で含有されていてもよい。
また、下層酸化物層41のP酸化物の含有量は、P2O5
算で0.1〜99重量%、好ましくは3〜30重量%、特に好
ましくは15〜25重量%程度であることが好ましい。
なお、さらに、Ba、Ca、Ti、Zr、Al、Si、Mn、Ni等が
酸化物の形で含有されていてもよい。
この場合、上層酸化物層45の厚みは0.005〜0.995μ
m、特に0.05〜0.2μm程度であることが好ましい。
また、下層酸化物層41の厚みは0.005〜0.995μm、特
に0.05〜0.2μm程度であることが好ましい。
なお、このほか酸化物層4は3層以上の構造であって
もよい。
外部電極51、55には、通常CuやCu合金あるいはNiやNi
合金等を用いる なお、AgやAg−Pd合金等ももちろん使用可能である。
外部電極51、55の厚みは任意であり、目的や用途に応
じ適宜決定すればよいが、通常10〜50μm程度である。
そして、このような積層型チップコンデンサ1の形状
やサイズは、目的や用途に応じ適宜決定すればよい。例
えば直方体状の場合は、通常1.6〜3.2mm×0.8〜1.6mm×
0.6〜1.2mm程度である。
次に、本発明の積層型セラミックチップコンデンサの
製造方法について説明する。
まず、誘電体層3用ペースト、内部電極21、25用ペー
ストおよび外部電極51、55用ペーストをそれぞれ製造す
る。
誘電体層3用のペーストを製造する際に用いる誘電体
の原料粉末としては、通常、酸化チタン系およびチタン
酸系複合酸化物等を構成する酸化物を用いればよく、対
応する酸化物誘電体の組成に応じ、Ti、Ba、Sr、Ca、Zr
等の酸化物を用いればよい。
またこれらは焼成により酸化物になる化合物、例えば
炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、有機金属化合物
等を用いてもよい。
これらの原料粉末は、通常、平均粒子径0.1〜5μm
程度のものが用いられる。
また、焼結助剤ないし鉱化剤としてSiO2を0.05〜0.25
重量%程度含有するものが好ましい。
より好ましくは、Mn化合物に加えP化合物を含有する
ものが好適である。
Mn化合物の含有量は、MnO換算で0.005〜2重量%、特
に0.05〜0.5重量%程度であることが好ましい。
この場合、Mn化合物としては、任意のものを用いるこ
とができる。
例えば、MnO等の酸化物、炭酸塩、シュウ酸塩、水酸
化物、硝酸塩、硫酸塩、有機金属化合物等が挙げられ、
これらを1種以上併用してもよい。
また、P化合物の含有量は、P2O5換算で0.005〜5重
量%、特に0.01〜0.05重量%程度であることが好まし
い。
P化合物としては任意のものを用いることができる。
例えば、P2O5等の酸化物リン酸、Pを含む有機化合物等
が挙げられ、これらを1種以上併用してもよい。
このような原料粉末から誘電体材料を得るには例えば
下記のようにすればよい。
まず出発原料を所定の量比に配合し、例えば、ボール
ミル等により湿式混合する。
次いで、スプレードライヤー等により乾燥させ、その
後仮焼する。
仮焼は、通常800〜1300℃にて、2〜10時間程度、空
気中にて行う。
そして、ジェットミルあるいはボールミル等にて所定
粒径となるまで粉砕する。
なお、前記のMn化合物やP化合物は、仮焼の前に添加
しても後に添加してもよい。
誘電体層3用のペーストを調整する際に用いられる結
合剤、可塑剤、分散剤、溶剤等の添加剤は種々のもので
あってよい。また、ガラスフリットを添加してもよい。
結合剤としては、例えばエチルセルロース、アビエチ
ン酸レジン、ポリビニール・ブチラールなど、 可塑剤としては、例えばアビエチン酸誘導体、ジエチ
ル蓚酸、ポリエチレングリコール、ポリアルキレングリ
コール、フタール酸エステル、フタール酸ジブチルな
ど、 分散剤としては、例えばグリセリン、オクタデシルア
ミン、トリクロロ酢酸、オレイン酸、オクタジエン、オ
レイン酸エチル、モノオレイン酸グリセリン、トリオレ
イン酸グリセリン、トリステアリン酸グリセリン、メン
セーデン油など、 溶剤としては、例えばトルエン、テルピネオール、ブ
チルカルビトール、メチルエチルケトンなどが挙げられ
る。
このペーストを調整する際の誘電体材料の全体に対す
る割合は50〜80重量%程度とし、その他、結合剤は2〜
5重量%、可塑剤は0.1〜5重量%、分散剤は0.1〜5重
量%、溶剤は20〜50重量%程度とする。
そして、これらを混合し、例えば3本ロール等で混練
してペースト(スラリー)とする。
内部電極21、25用のペーストを製造する際に用いる導
体材料としては、NiやNi合金さらにはこれらの混合物を
用いる。
このような導体材料は、球状、リン片状等、その形状
に特に制限はなく、またこれらの形状のものが混合した
ものであってもよい。
また、平均粒子径は0.1〜10μm、さらには0.1〜1μ
m程度のものを用いればよい。
有機質ビヒクルは、バインダーおよび溶剤を含有する
ものである。
バインダーとしては、例えばエチルセルロース、アク
リル樹脂、ブチラール樹脂等公知のものはいずれも使用
可能である。
バインダー含有量は1〜5重量%程度とする。
溶剤としては、例えばテルピネオール、ブチルカルビ
トール、ケロシン等公知のものはいずれも使用可能であ
る。
溶剤含有量は20〜55重量%程度とする。
この他、総計10重量%程度以下の範囲で、必要に応
じ、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エス
テル等の分散剤や、ジオクチルフタレート、ジブチルフ
タレート、ブチルフタリルグリコール酸ブチル等の可塑
剤や、デラミ防止、焼結抑制等の目的で、誘電体、絶縁
体等の各種セラミック粉体等を添加することもできる。
また、有機金属レジネートを添加することも有効であ
る。
外部電極51、55用のペーストは、上記の導体材料粉末
を含有する通常のペーストを用いればよい。
このようにして得られた内部電極21、25用ペースト
と、誘電体3用ペーストは、印刷法、転写法、グリーン
シート法等により、それぞれ交互に積層される。
次に、所定の積層体サイズに切断した後、脱バインダ
処理および焼成を行う。そして、誘電体層3を再酸化さ
せるため、熱処理を行って酸化物層4を形成する。
脱バインダ処理は、通常の条件で行えばよいが、特に
下記の条件で行うことが好ましい。
昇温速度:10〜300℃/時間、 特に50〜100℃/時間 保持温度:600〜1200℃、 特に700〜900℃ 保持時間:0.5〜5時間 特に1〜3時間 酸素分圧:10-4〜10-8atm、 特に10-5〜10-6atm 雰囲気用ガスには、加湿したN2ガス等を用いることが
好適である。
焼成は、酸素分圧10-8atm以下、好ましくは10-8〜10
-12atm、特に好ましくは10-9〜10-11atmにて行う。
前記範囲をこえると、内部電極21、25が酸化する傾向
にあり、またあまり小さすぎると電極材料が異常焼結を
起こし、途切れてしまう傾向にある。
そして、そのほかの焼成条件は下記の条件が好まし
い。
昇温速度:50〜500℃/時間、 特に200〜300℃/時間 保持温度:1250〜1400℃、 特に1300〜1380℃ 保持時間:0.5〜8時間 特に1〜5時間 冷却速度:50〜500℃/時間 特に200〜300℃/時間 雰囲気用ガスには、加湿したN2とH2の混合ガス等を用
いることが好適である。
熱処理は、保持温度ないし最高温度を900〜1200℃、
好ましくは900〜1100℃、特に好ましくは1000〜1100℃
として行う。
前記範囲未満では誘電体材料の酸化が不十分なために
寿命が短くなる傾向にあり、前記範囲をこえると内部電
極のNiが酸化し、容量が低下するだけでなく、誘電体素
地と反応してしまい、寿命も短くなる傾向にある。
また、酸素分圧は、10-8atm以上、好ましくは10-4〜1
0-7atm、特に好ましくは10-5〜10-6atmとする。
前記範囲未満では、誘電体層3や酸化物層4の再酸化
が困難であり、前記範囲をこえると内部電極21、25が酸
化する傾向にある。
そして、そのほかの熱処理条件は下記の条件が好まし
い。
保持時間:0〜6時間、 特に2〜5時間 冷却速度:50〜500℃/時間 特に100〜300℃/時間 雰囲気用ガスには、加湿したN2ガス等を用いることが
好適である。
なお、N2ガスや混合ガス等を加湿するには、例えばウ
ェッター等を使用すればよい。
この場合、水温は5〜75℃程度が好ましい。
また、脱バインダ処理、焼成および熱処理は、それぞ
れを連続して行っても、独立に行ってもよい。
なお、独立に行う場合は、焼成に際しては、脱バイン
ダ処理の保持温度までは、N2ガス雰囲気下で昇温し、ま
た、熱処理の保持温度ないし最高温度まで冷却した後
は、N2ガス雰囲気下で冷却する。
また、熱処理を行う際は、保持温度ないし最高温度ま
では、N2ガス雰囲気下で昇温する。
このようにして得られた焼結体には、例えばバレル研
磨、サンドブラスト等にて端面研磨を施し、外部電極用
ペーストを焼きつけて外部電極51、55を形成する。
そして、必要に応じ、外部電極51、55上のめっき等に
よりパッド層を形成する。
<実施例> 以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明をさらに
詳細に説明する。
実施例1 出発原料 BaCO3:65.28重量% TiO2 :23.72重量% ZrO2 : 7.49重量% CaCO3: 2.88重量% SiO2 : 0.18重量% MnCO3: 0.20重量% 上記の出発原料をアルミナ製ボールミルで16時間湿式
混合した。
次いで、スプレードライヤーで乾燥させた後、空気中
にて、1200℃の温度で、3時間仮焼した。
そして、ボールミルで16時間湿式粉砕し、平均粒子径
1.3μmのチタン酸バリウム系の誘電体材料を得た。
得られた誘電体材料の組成は下記のとおりである。
[(Bi0.92Ca0.08)O]1.004・(Ti0.83Zr0.17)O2 :99.62重量% SiO2: 0.18重量% MnO : 0.20重量% この誘電体材料を用いて、下記に示される配合比に
て、3本ロールにより混練し、スラリー化して誘電体層
用ペーストとした。
誘電体材料 :100重量部 テルピネオール: 28重量 トルエン : 14重量部 分散剤 : 0.2重量部 ラッカー : 36.5重量部 次に下記に示される配合比にて、3本ロールにより混
練し、スラリー化して内部電極用ペーストとした。
Ni :100重量部 テルピネオール: 93重量部 分散剤 : 1重量部 ラッカー : 6重量部 これらのペーストを用い、以下のようにして第1図に
示される積層型セラミックチップコンデンサ1を製造し
た。
まず、誘電体層用ペーストと、内部電極用ペーストを
用いて、印刷法により交互に積層した。
なお誘電体層3の積層数は4である。
次いで所定サイズに切断した後、脱バインダ処理、焼
成および熱処理を連続して下記の条件にて行った。
脱バインダ処理 昇温速度:50℃/時間 保持温度:800℃ 保持時間:2時間 雰囲気用ガス:加湿したN2ガス 酸素分圧:10-6atm 焼成 昇温速度:200℃/時間 保持温度:1320℃ 保持時間:4時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2とH2の混合ガス 酸素分圧:10-10atm 熱処理 保持温度:1100℃ 保持時間:2時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2ガス 酸素分圧:10-5atm なお、それぞれの雰囲気用ガスの加湿には、ウェッタ
ーを用い、水温10〜35℃にて行った。
得られた焼結体の端面をサンドブラストにて研磨した
後、In−Ga合金を塗布して試験用電極を形成した。
このようにして製造した積層型セラミックチップコン
デンサ1のサイズは、3.2mm×1.6mm×1.0mmであり、誘
電体層3の厚みは13μm、内部電極21、25の厚みは2.5
μmである。
そして、誘電体層3のグレインの平均粒子径は、3.1
μmである。
また、走査型電子顕微鏡で観察したところ内部電極2
1、25の周囲に酸化物層4が形成されているのが確認さ
れた。
なお、酸化物層4は1層であり、その厚みは0.11μm
である。
そして、酸化物層4の層組成を走査型透過電子顕微鏡
(STEM)で分析したところ下記のとおりであった。
Mn酸化物(MnO 換算):38.0重量% Al酸化物(Al2O3換算): 0.1重量% Si酸化物(SiO2 換算): 1.4重量% Ca酸化物(CaO 換算): 0.7重量% Ni酸化物(NiO 換算): 9.5重量% Zr酸化物(ZrO2 換算): 0.1重量% Ti酸化物(TiO2 換算):33.9重量% Fe酸化物(Fe2O3換算):10.5重量% P 酸化物(P2O5 換算): 1.4重量% Ba酸化物(BaO 換算): 4.4重量% 次にこのコンデンサに対し、温度200℃、電圧DC200V
にて、加速寿命試験を行ったところ寿命は1.3時間であ
った。
実施例2 下記の焼成、熱処理条件にて、実施例1と同様に積層
型セラミックチップコンデンサを製造した。
焼成 昇温速度:200℃/時間 保持温度:1380℃ 保持時間:2時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2とH2の混合ガス 酸素分圧:10-9atm 熱処理 保持温度:1000℃ 保持時間:2時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2ガス 酸素分圧:10-5atm この場合、誘電体層3の厚みは13μm、グレインの平
均粒子径は3.5μmであり、内部電極21、25の厚みは2.3
μmである。
また、酸化物層4は1層であり、その厚みは0.12μm
である。そして、STEMにより、酸化物層4の層組成を分
析したところ下記のとおりであった。
Fe酸化物(Fe2O3換算):16.3重量% Al酸化物(Al2O3換算): 0.2重量% Si酸化物(SiO2 換算): 0.3重量% Ti酸化物(TiO2 換算): 4.5重量% Mn酸化物(MnO 換算):13.0重量% Ni酸化物(NiO 換算): 8.5重量% P 酸化物(P2O5 換算):14.5重量% Zr酸化物(ZrO2 換算): 2.3重量% Ba酸化物(BaO 換算):40.2重量% また、加速寿命試験を行ったところ寿命は、2.3時間
であった。
実施例3 下記の焼成、熱処理条件にて、実施例1と同様に積層
型セラミックチップコンデンサを製造した。
焼成 昇温速度:200℃/時間 保持温度:1340℃ 保持時間:2時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2とH2の混合ガス 酸素分圧:10-9atm 熱処理 保持温度:1000℃ 保持時間:2時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2ガス 酸素分圧:10-5atm この場合、誘電体層3の厚みは13μm、グレインの平
均粒子径は3μmであり、内部電極21、25の厚みは2.4
μmである。
また、酸化物層4は1層であり、その厚みは0.09μm
である。そして、STEMにより、酸化物層4の層組成を分
析したところ下記のとおりであった。
P 酸化物(P2O5 換算):18.9重量% Al酸化物(Al2O3換算): 0.3重量% Si酸化物(SiO2 換算): 0.1重量% Mn酸化物(MnO 換算): 0.9重量% Ni酸化物(NiO 換算): 0.2重量% Ca酸化物(CaO 換算): 0.4重量% Zr酸化物(ZrO2 換算): 0.1重量% Fe酸化物(Fe2O3換算): 0.2重量% Ti酸化物(TiO2 換算): 2.2重量% Ba酸化物(BaO 換算):76.7重量% また、加速寿命試験を行ったところ寿命は、1.1時間
であった。
実施例4 下記の焼成、熱処理条件にて、実施例1と同様に積層
型セラミックチップコンデンサを製造した。
焼成 昇温速度:200℃/時間 保持温度:1340℃ 保持時間:2時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2とH2の混合ガス 酸素分圧:10-11atm 熱処理 保持温度:1100℃ 保持時間:2時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2ガス 酸素分圧:10-5atm この場合、誘電体層3の厚みは13μm、グレインの平
均粒子径は3.0μmであり、内部電極21、25の厚みは2.4
μmである。
また、酸化物層4は、酸化物層41と酸化物層45の2層
構造であり、その厚みは、下層酸化物層41が0.07μm、
上層酸化物層45が0.08μmである。なお、第2図は、酸
化物層41、45が示される走査型電子顕微鏡写真である。
そして、STEMにより層組成を分析したところ下記のと
おりであった。
下層酸化物層41 P 酸化物(P2O5 換算):21.0重量% Ba酸化物(BaO 換算):71.2重量% Mn酸化物(MnO 換算): 0.7重量% Fe酸化物(Fe2O3換算): 1.9重量% Ni酸化物(NiO 換算): 1.9重量% Ti酸化物(TiO2 換算): 2.8重量% Ca酸化物(CaO 換算): 0.1重量% Zr酸化物(ZrO2 換算): 0.1重量% Si酸化物(SiO2 換算): 0.2重量% Al酸化物(Al2O3換算): 0.1重量% 上層酸化物層45 Mn酸化物(MnO 換算):33.0重量% Ti酸化物(TiO2 換算):37.5重量% Ni酸化物(NiO 換算): 8.0重量% Fe酸化物(Fe2O3換算): 8.0重量% P 酸化物(P2O5 換算): 1.8重量% Ba酸化物(BaO 換算): 5.6重量% Ca酸化物(CaO 換算): 0.1重量% Zr酸化物(ZrO2 換算): 5.0重量% Si酸化物(SiO2 換算): 0.8重量% Al酸化物(Al2O3換算): 0.2重量% なお、下部および上部酸化物層41、45におけるP酸化
物と、Mn酸化物の含有濃度を電子線マイクロアナライザ
ー写真にて確認した。
それを第3図〜第5図に示す。
第3図は、Niを見たマイクロアナライザー写真であ
り、白く見える2本のラインがNi内部電極である。
第4図は、Mnを見たマイクロアナライザー写真であ
り、白く見える4本のライン部分がMnの濃度が高い部分
である。
第5図は、Pを見たマイクロアナライザー写真であ
り、白く見える4本のライン部分がPの濃度が高い部分
である。
なお、各マイクロアナライザー写真は、それぞれ2800
倍に拡大したものである。
また、加速寿命試験を行ったところ寿命は、2.6時間
であった。
比較例1 下記の焼成、熱処理条件にて、実施例1と同様に積層
型セラミックチップコンデンサを製造した。
焼成 昇温速度:200℃/時間 保持温度:1340℃ 保持時間:2時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2とH2の混合ガス 酸素分圧:10-7atm 熱処理 保持温度:1000℃ 保持時間:2時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2ガス 酸素分圧:10-5atm この場合、誘電体層3の厚みは13μm、グレインの平
均粒子径は3.8μmであり、内部電極21、25の厚みは2.5
μmである。
また、走査型電子顕微鏡で観察したところ酸化物層4
は形成されていなかった。
また、加速寿命試験を行ったところ寿命は、0.18時間
であった。
これらの結果より本発明の効果が明らかである。
<発明の効果> 本発明の積層型セラミックチップコンデンサは、寿命
が長い。
このため、優れた信頼性が得られる。
特に酸化物層4に、Mn酸化物、P酸化物およびFe酸化
物から選ばれる1種以上を含むもの、さらには、酸化物
層4が、Mn酸化物を含む層と、P酸化物を含む層の2層
構造であるものは、特に寿命が長く、一層優れた信頼性
が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の積層型セラミックチップコンデンサ
の1例が示される断面図である。 第2図は粒子構造を示す図面代用写真であって、本発明
の積層型セラミックチップコンデンサの下部および上部
酸化物層の存在が示される走査型電子顕微鏡写真であ
る。 第3図は粒子構造を示す図面代用写真であって、本発明
の積層型セラミックチップコンデンサ中のNi濃度分布が
示される電子線マイクロアナライザー写真である。 第4図は粒子構造を示す図面代用写真であって、本発明
の積層型セラミックチップコンデンサ中のMn濃度分布が
示される電子線マイクロアナライザー写真である。 第5図は粒子構造を示す図面代用写真であって、本発明
の積層型セラミックチップコンデンサ中のP濃度分布が
示される電子線マイクロアナライザー写真である。 符号の説明 1……積層型セラミックチップコンデンサ 21、25……内部電極 3……誘電体層 4……酸化物層 41……下層酸化物層 45……上層酸化物層 51、55……外部電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 幸恵 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (72)発明者 西山 貢右 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (72)発明者 阿部 道郎 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (72)発明者 池田 雅昭 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−144813(JP,A) 特開 昭61−147405(JP,A)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部電極と誘電体層とを有する積層型セラ
    ミックチップコンデンサであって、 前記誘電体層が原料粉末としてMnO換算で0.005〜2重量
    %のMn化合物を含有し、 前記内部電極の材質がNiまたはNi合金であり、 焼結後の加熱処理によりこの内部電極の周囲に、前記誘
    電体層の構成元素により、この誘電体層とは異なる組成
    の酸化物層が形成され、かつこの酸化物層がMnをMnO換
    算で1〜99重量%含有する積層型セラミックチップコン
    デンサ。
  2. 【請求項2】前記酸化物層に、P2O5換算で0.1〜99重量
    %のP酸化物が含まれる請求項1の積層型セラミックチ
    ップコンデンサ。
  3. 【請求項3】前記酸化物層に、Fe2O3換算で0.1〜99重量
    %のFe酸化物が含まれる請求項1の積層型セラミックチ
    ップコンデンサ。
  4. 【請求項4】前記酸化物層がP2O5換算で0.1〜99重量%
    のP酸化物を含む層と、MnO換算で1〜99重量%のMn酸
    化物を含む層とを有する請求項1の積層型セラミックチ
    ップコンデンサ。
  5. 【請求項5】前記酸化物層の厚みが0.01〜1μmである
    請求項1〜4のいずれかの積層型セラミックチップコン
    デンサ。
  6. 【請求項6】前記P酸化物を含む層の厚みが0.005〜0.9
    95μmであり、前記Mn酸化物を含む層の厚みが0.005〜
    0.995μmである請求項4の積層型セラミックチップコ
    ンデンサ。
  7. 【請求項7】前記誘電体層が、下記式の誘電体酸化物を
    含有する請求項1〜6のいずれかの積層型セラミックチ
    ップコンデンサ。 式[(Ba1-x-yCaxSry)O]・(Ti1-zZrz)O2 {上記式中、0.05≦x≦0.25、0≦y≦0.05、0.05≦z
    ≦0.20、1.000≦m≦1.020である。}
  8. 【請求項8】前記誘電体層がさらに、SiO2を含有する請
    求項7に記載の積層型セラミックチップコンデンサ。
  9. 【請求項9】MnO換算で0.005〜2重量%のMn化合物およ
    びP2O5換算で0.005〜5重量%のP化合物を含有する誘
    電体材料と、NiまたはNi合金の内部電極材料とを積層
    し、 次いで、酸素分圧10-8atm以下にて焼成し、その後、温
    度900〜1200℃、酸素分圧10-8atm以上にて熱処理を行っ
    て誘電体層を再酸化させ、内部電極の周囲に、請求項1
    〜8のいずれかの酸化物層を形成することを特徴とする
    積層型セラミックチップコンデンサの製造方法。
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