JP3207847B2 - 積層型セラミックチップコンデンサ - Google Patents

積層型セラミックチップコンデンサ

Info

Publication number
JP3207847B2
JP3207847B2 JP27122689A JP27122689A JP3207847B2 JP 3207847 B2 JP3207847 B2 JP 3207847B2 JP 27122689 A JP27122689 A JP 27122689A JP 27122689 A JP27122689 A JP 27122689A JP 3207847 B2 JP3207847 B2 JP 3207847B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxide
weight
multilayer ceramic
chip capacitor
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP27122689A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03133116A (ja
Inventor
道郎 阿部
武史 野村
成和 住田
貢右 西山
幸恵 中野
雅昭 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=17497108&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3207847(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP27122689A priority Critical patent/JP3207847B2/ja
Priority to DE69027394T priority patent/DE69027394T2/de
Priority to EP94112039A priority patent/EP0623940B1/en
Priority to EP90119856A priority patent/EP0423738B1/en
Priority to DE69034034T priority patent/DE69034034T2/de
Priority to US07/599,414 priority patent/US5097391A/en
Publication of JPH03133116A publication Critical patent/JPH03133116A/ja
Publication of JP3207847B2 publication Critical patent/JP3207847B2/ja
Application granted granted Critical
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inorganic Insulating Materials (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Ceramic Capacitors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、積層型セラミックチップコンデンサ、特に
誘電体層の改良に関する。
<従来の技術> 積層型セラミックチップコンデンサは通常、内部電極
用のペーストと、誘電体層用のペーストとをグリーンシ
ート法や印刷法等により積層し、一体同時焼成して製造
される。
そして内部電極には一般に、PdやPd合金が用いられて
いるが、Pdは高価であるため、比較的安価なNiやNi合金
が使用されつつある。
ところで、内部電極をNiやNi合金で形成する場合は、
大気中で焼成を行うと電極が酸化してしまう。
このため、一般に、脱バインダ後は、NiとNiOの平衡
酸素分圧よりも低い酸素分圧で焼成し、熱処理により誘
電体層を再酸化させている。
この場合、誘電体材料の緻密化を図るため、通常鉱化
剤としてSiO2が加えられる。さらには、工程中にAl2O3
等が混入することが多い。
これらとBaO、TiO2等を含むいわゆる粒界相成分は、
還元雰囲気中で焼成を行うと、絶縁抵抗の低下をもたら
すものと考えられる。
また、誘電体層の還元による絶縁抵抗の低下等を防止
するため、Mnの添加や、Ca置換等も行われている。
<発明が解決しようとする課題> しかし、NiやNi合金製の内部電極を有する積層型チッ
プコンデンサは、大気中で焼成して製造されるPd製の内
部電極を有する積層型チッコンデンサにくらべ、絶縁抵
抗の寿命が圧倒的に短く、信頼性が低いという問題があ
る。
本発明の目的は、NiないしNi合金製内部電極を有する
積層型チップコンデンサの誘電体層を改良することによ
り寿命が長く、信頼性の高い積層型セラミックチップコ
ンデンサを提供することにある。
<課題を解決するための手段> このような目的は、下記の本発明(1)〜(10)によ
って達成される。
(1)内部電極と誘電体層とを有する積層型セラミック
チップコンデンサであって、 下記式で表わされる組成の誘電体酸化物を含有し、
Y、Gd、Tb、Dy、Zr、V、Mo、Cd、Tl、SnおよびPの酸
化物および/または焼成により酸化物になる化合物から
選ばれる1種以上を、酸化物換算で、0.005〜0.5重量%
添加した誘電体材料と、NiまたはNi合金の内部電極材料
とを積層して焼成したものであり、 前記誘電体材料により形成された誘電体層はグレイン
と粒界相で構成され、この誘電体層の断面での粒界相の
面積比が2%以下である積層型セラミックチップコンデ
ンサ。
式 [(Ba1-x-yCaxSry)O]・(Ti1-zZrz)O2 {上記式中、0.05≦x≦0.25、0≦y≦0.05、0.05≦z
≦0.20、1.002≦m≦1.020である。} (2)前記誘電体がさらに、Li酸化物および/または焼
成によりLi酸化物になる化合物を含有する上記(1)に
記載の積層型セラミックチップコンデンサ。
(3)酸素分圧10-7atm以下にて焼成し、温度900〜1200
℃、酸素分圧10-4〜10-8atmにて熱処理を行ったもので
ある上記(1)または(2)に記載の積層型セラミック
チップコンデンサ。
(4)内部電極と誘電体層とを有する積層型セラミック
チップコンデンサであって、 下記式で表わされる組成の誘電体酸化物を含有し、Li
酸化物および/または焼成によりLi酸化物になる化合物
を酸化物換算で、0.005〜0.5重量%添加した誘電体材料
と、NiまたはNi合金の内部電極材料とを積層して、酸素
分圧10-7atm以下にて焼成し、温度900〜1200℃、酸素分
圧10-4〜10-8atmにて熱処理を行ったものであり、 前記材料により形成された誘電体層は、グレインと粒
界相で構成され、前記誘電体層の断面での粒界相の面積
比が2%以下である積層型セラミックチップコンデン
サ。
式 [(Ba1-x-yCaxSry)O]・(Ti1-zZrz)O2 {上記式中、0.05≦x≦0.25、0≦y≦0.05、0.05≦z
≦0.20、1.002≦m≦1.020である。} (5)前記誘電体材料がさらに、酸化ケイ素および/ま
たは酸化マンガンを含有する上記(1)〜(4)のいず
れかに記載の積層型セラミックチップコンデンサ。
(6)前記酸化ケイ素の含有量が、0.05〜0.25重量%で
あり、前記酸化マンガンの含有量が、0.01〜0.50重量%
である上記(5)に記載の積層型セラミックチップコン
デンサ。
(7)前記粒界相が、Al2O3、SiO2および/またはP酸
化物を含有する酸化物相である上記(1)〜(6)のい
ずれかに記載の積層型セラミックチップコンデンサ。
(8)前記内部電極の周囲に前記誘電体層とは異なる組
成の酸化物層を形成した上記(1)〜(7)のいずれか
に記載の積層型セラミックチップコンデンサ。
(9)前記酸化物層に、Mn、PおよびFeの酸化物から選
ばれる1種以上が含まれる上記(8)に記載の積層型セ
ラミックチップコンデンサ。
(10)前記酸化物層がP酸化物を含む層と、Mn酸化物を
含む層とを有する上記(8)に記載の積層型セラミック
チップコンデンサ。
<作用> 本発明の積層型セラミックチップコンデンサには、所
定の化合物を添加したチタン酸バリウム形の誘電体材料
を用いる。
そして、脱バインダ処理後、所定の条件で焼成および
熱処理を行って製造される。
このような本発明の積層型セラミックチップコンデン
サは、従来の無添加のチップコンデンサにくらべ寿命が
約2〜10倍に増大し、優れた信頼性が得られる。
なお、特公昭60−20851号公報には、{(BaxCaySrz
O}(TinZr1-n)O2からなる基本成分と、Li2OやSiO2
を含有するガラスとを含む誘導体磁器物質あるいは、さ
らにMnO2を添加した誘電体磁器物質を用いたNi合金製の
内部電極を有する積層型セラミックチップコンデンサが
開示されている。
しかし、Liを単独添加した本発明の積層型セラミック
チップコンデンサとは焼成あるいは熱処理時の酸素分圧
が異なる。
このため、寿命の長いチップコンデンサを得ることは
困難である。
加えて、前記公報には、本発明によって得られる選択
的効果、すなわち従来のものにくらべ寿命が圧倒的に長
いという効果は示唆すらされていない。
<発明の具体的構成> 以下、本発明の具体的構成を詳細に説明する。
第1図および第2図には、それぞれ本発明の積層型セ
ラミックチップコンデンサの好適例が示される。
積層型チップコンデンサ1は、内部電極21、25と、誘
電体層3とが交互に積層され、各内部電極21、25に接続
している1対の外部電極51、55を有するものである。
本発明では、内部電極21、25は、NiまたはNi合金から
形成され、この場合、Ni合金としては、Niを95重量%以
上含有するNiと、Mn、Cr、Co、Al等の1種以上との合金
であることが好ましい。
これらは、本発明に従い、十分な寿命や信頼性を得る
ことができる。
なお、NiまたはNi合金中には、微量成分として、0.1
重量%以下のP等が含有されていてもよい。
内部電極21、25の厚み等の諸条件は目的や用途に応じ
適宜決定をすればよいが、通常厚みは、1〜5μm、特
に2〜2μm程度である。
誘電体層3は、グレインと粒界相で構成されている。
誘電体層3の材質は、下記式で表わされる組成の誘電
体酸化物を含有するものである。
式 [(Ba1-x-yCaxSry)O]・(Ti1-zZrz)O2 この場合、xは0.05〜0.25、好ましくは0.06〜0.10、
yは0〜0.05、好ましくは0〜0.01、zは0.05〜0.20、
好ましくは0.15〜0.20、mは1.002〜1.020、好ましくは
1.002〜1.015である。
そして、さらに酸化ケイ素および/または酸化マンガ
ンを含有するものが好ましい。
この場合酸化ケイ素の含有量は0.05〜0.25重量%程
度、 酸化マンガンの含有量は0.01〜0.50重量%程度が好ま
しい。
そして、酸化ケイ素をSiO2の形で含有し、酸化マンガ
ンをMnOの形で含有するものが好適である。
また、Al酸化物、Ni酸化物、Mg酸化物、Co酸化物、Hf
酸化物等が0.5重量%程度以下含有されてもよい。
そして、本発明ではさらに、Y、Gd、Tb、Dy、Zr、
V、Mo、Cd、Tl、SnおよびPの酸化物から選ばれる1種
以上が、最も安定な酸化物であるY2O3、Gd2O3、Tb2O3
Dy2O3、ZrO2、V2O5、MoO3、CdO、Tl2O3、SnO2およびP2O
5換算で合計0.005〜0.5重量%、好ましくは0.01〜0.25
重量%、特に好ましくは0.05〜0.20重量%程度含まれ
る。
さらには、前記酸化物を加え、Li酸化物が含有されて
もよい。この場合は、Li2Oで換算し、合計量が前記範囲
であることが好ましい。
また、前記酸化物にかえ、Li酸化物のみがLi2O換算で
0.005〜0.5重量%、好ましくは0.01〜0.25重量%、特に
好ましくは0.05〜0.20重量%程度含まれる。
なお、通常Pはリン酸塩の形で含有され、P以外は通
常、上記の最も安定な酸化物の形で含有される。
そして、Pは誘電体層3中主に粒界相に含まれ、P以
外は主にグレイン中に含まれる。
なお、上記以外の元素の酸化物および上記範囲外の添
加量では本発明の効果は実現しない。
誘電体層3の積層数や厚み等の諸条件は、目的や用途
に応じ適宜決定すればよい。
通常積層数は、1〜100、特に5〜50程度であり、厚
みは、5〜50μm、特に10〜20μm程度である。
また、誘電体層3のグレインの平均粒子径は、1〜5
μm程度であることが好ましい。
そして、本発明では、誘電体層3を構成するグレイン
以外の部分である粒界相の面積比が、誘電体層3の任意
の断面にて、2%以下、好ましくは0.5〜1.5%、特に好
ましくは0.5〜1.0%程度である。
前記範囲をこえると寿命が短くなり、信頼性が低下す
る傾向にある。
また、あまり小さくは誘電体層3の形成が困難であ
り、誘電体の緻密化が不十分となる傾向にある。
なお、粒界相の面積比の測定には、走査型電子顕微鏡
を用いて写真を撮り、これから求めればよい。
この粒界相は、通常誘電体材料あるいは内部電極材料
を構成する材質の酸化物や、別途添加された材質の酸化
物、さらには工程中に不純物として混入する材質の酸化
物を成分とし、通常ガラスないしガラス質で形成されて
いる。
そして、本発明では、粒界相が、SiO2を15重量%以
上、より好ましくは25〜50重量%程度、Al2O3を15重量
%以上、より好ましくは20〜50重量%程度含有する酸化
物相であることが好ましい。
さらには、前述したようにP酸化物が0.05〜1.0重量
%、より好ましくは0.1〜0.6重量%程度含有する酸化物
相であることが好ましい。
このような場合には、本発明の寿命向上効果はより一
層向上する。
また、粒界相には、その他に、55重量%以下の範囲
で、例えばCa、Fe、Mn、Zr、Ti、Ba、Ni、Sr等が何らか
の酸化物の形で、含有されてもよい。
この場合、SiO2やBa、Ca、Sr、Ti、Zr、Mn等は、主に
誘電体材料の構成中から供給され、Al2O3は、主に工程
中に不純物として混入し、Fe、P等は主に内部電極材料
および誘電体材料の不純物等から供給されて粒界相を形
成する。
また、本発明では、第2図に示されるように内部電極
21、25の範囲に誘電体層3とは異なる組成の酸化物層4
が形成されることが好ましい。
酸化物層4の材質は各種酸化物の1種以上を含有する
ものであればよく、そのときさらに優れた寿命向上効果
が得られる。
この場合、酸化物層4に、Mn酸化物、P酸化物および
Fe酸化物等から選ばれる1種ないし2種以上が含まれて
いると、さらに寿命が延び、一層優れた信頼性が得られ
る。
このうち本発明ではMn酸化物が含まれていると特に高
い効果が認められる。
Mn酸化物の場合、その含有量はMnO換算で1〜99重量
%、より好ましくは10〜60重量%、特に好ましくは30〜
45重量%程度であることが好ましい。
なお、Mn酸化物を含有する場合、その他に例えばAl、
Si、Ca、Ni、Fe、Ba、Ti、Zr、P等が、通常、酸化物の
形で、含有される。
Mn酸化物やSi、Ca、Ba、Ti、Zr、P等は、主に誘電体
材料の構成中から供給され、Niは内部電極材料中から供
給され、さらに、Fe、P、Al等は主に内部電極材料およ
び誘電体材料の不純物等から供給されて酸化物層中に含
有される。
P酸化物の場合、その含有量はP2O5換算で0.1〜99重
量%、より好ましくは3〜30重量%、特に好ましくは15
〜25重量%程度であることが好ましい。
なお、P酸化物を含有する場合、その他に例えばTi、
Ba、Fe、Al、Si、Ca、Zr、Mn等が、通常、酸化物の形で
含有される。
P酸化物は、通常、誘電体材料中に不純物として含有
されるかもしくは、添加されたP化合物から酸化物層中
に含有される。そして、通常リン酸塩の形で含有され
る。
また、Ti、Ba、Ca、Zr、Si、Mn等は、主に誘電体材料
の構成中から供給され、さらにFe、Al等は主に内部電極
材料および誘電体材料の不純物等から供給されて酸化物
層中に含有される。
これら、MnおよびPの酸化物は、酸化物層中に析出し
たとき、負荷時のNiイオンのマイグレーションを防止す
るバリアー層として働くものであると考えられる。
Fe酸化物の場合、その含有量はFe2O3換算で0.1〜99重
量%、より好ましくは0.5〜30重量%、特に好ましくは
5〜20重量%程度であることが好ましい。
なお、Fe酸化物を含有する場合、その他に例えばAl、
Si、Ca、Ti、Ni、Ba、Zr、Mn、P等が、通常、酸化物の
形で含有される。
Fe酸化物は主に内部電極材料および誘電体材料の不純
物等から供給されて酸化物層中に含有される。
また、Si、Ca、Ti、Ba、Zr、Mn等は、主に誘電体材料
の構成中から供給され、Niは、内部電極材料中から供給
され、さらにAl、P等は主に内部電極材料や誘電体材料
の不純物等から供給されて酸化物層中に含有される。
ところで誘電体層3を構成するグレイン中には、原料
自体に含まれるFe成分あるいは工程中に含まれてくるFe
成分が含まれていて、寿命短縮の原因となっている。
従って、Fe酸化物の場合は、前記Mn酸化物やP酸化物
とは異なり、酸化物層4に集め、クレイン中のFe成分を
減少させて寿命を向上させるものであると考えられる。
このような酸化物層4の厚みは0.01〜1μm、特に0.
05〜0.2μm程度であることが好ましい。
前記範囲未満では本発明の効果が減少する傾向にあ
り、前記範囲をこえるとコンデンサとしての本来の機能
である蓄電能力を低下させる。
つまり容量値の低下をもたらすだけでなく、破壊電圧
の低下、寿命の短縮等、信頼性も低下する。
また、酸化物層4は、1層構造でもよいが、第2図に
示されるように2層構造であれば本発明の寿命はさらに
向上する。
2層構造の場合は、一方の層にP酸化物、他方の層に
Mn酸化物を特に高濃度に含むものが好ましい。そして、
Fe酸化物がさらに含まれていれば一層効果的である。
この場合、P酸化物は下層酸化物層41に含まれ、Mn酸
化物は上層酸化物層45に含まれる。このため、下層酸化
物層41が下地層となり1層の場合に比べ容易に酸化物層
45を形成できる。具体的には、酸化物層45を形成でき、
加えて、Mn酸化物の含有量を多くできる。
なお、Fe酸化物は、通常上層酸化物層45に含まれる
が、下層酸化物層41に含まれていてもよい。
上層酸化物層45のMn酸化物の含有量は、MnO換算で1
〜99重量%、好ましくは10〜50重量%、特に好ましくは
25〜40重量%程度であることが好ましい。
また、上層酸化物層45のFe酸化物の含有量は、Fe2O3
換算で0.1〜99重量%、好ましくは0.1〜25重量%、特に
好ましくは5〜15重量%程度であることが好ましい。
なお、さらにTi、Ni、Ca、Ba、Zr、Al、Si、P等が酸
化物の形で含有されていてもよい。
また、下層酸化物層41のP酸化物の含有量は、P2O5
算で0.1〜99重量%、好ましくは3〜30重量%、特に好
ましくは15〜25重量%程度であることが好ましい。
なお、さらに、Ba、Ca、Ti、Zr、Al、Si、Mn、Ni等が
酸化物の形で含有されていてもよい。
この場合、上層酸化物層45の厚みは0.005〜0.995μ
m、特に0.05〜0.2μm程度であることが好ましい。
また、下層酸化物層41の厚みは0.005〜0.995μm、特
に0.05〜0.2μm程度であることが好ましい。
なお、このほか酸化物層4は3層以上の構造であって
もよい。
そして、酸化物層4には、後述のように誘電体材料に
添加されたLi、V、Ni、Zn、Y、Zr、Mo、Cd、Sn、Gd、
Tb、Dy、Tl等の1種以上が酸化物の形で含有されていて
もよい。
外部電極51、55には、通常CuやCu合金あるいはNiやNi
合金等を用いる。
なお、AgやAg−Pd合金等ももちろん使用可能である。
外部電極51、55の厚みは任意であり、目的や用途に応
じ適宜決定すればよいが、通常10〜50μm程度である。
そして、このような積層型チップコンデンサ1の形状
やサイズは、目的や用途に応じ適宜決定すればよい。例
えば直方体状の場合は、通常1.6〜3.2mm×0.8〜1.6mm×
0.6〜1.2mm程度である。
本発明の積層型セラミックチップコンデンサは下記の
とおり製造される。
まず、誘電体層3用ペースト、内部電極21、25用ペー
ストおよび外部電極51、55用ペーストをそれぞれ製造す
る。
誘電体層3用のペーストを製造する際に用いる誘電体
の原料粉末としては、通常、後述される誘電体酸化物の
組成に応じ、Ti、Ba、Sr、Ca、Zr等の酸化物とを用いれ
ばよい。
この場合、さらに酸化ケイ素および/または酸化マン
ガンを用いればより一層高い効果が得られる。
またこれらは焼成により酸化物になる化合物、例えば
炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、有機金属化合物
等を用いてもよい。
さらには、酸化物と、焼成により酸化物になる化合物
とを併用してもよい。
これらの原料粉末は、通常、平均粒子径0.1〜5μm
程度のものが用いられる。
このような原料粉末から誘電体材料を得るには例えば
下記のようにすればよい。
まず出発原料を所定の量比に配合し、例えば、ボール
ミル等により湿式混合する。
次いで、スプレードライヤー等により乾燥させ、その
後仮焼し、酸化ケイ素と、酸化マンガンと、下記式の誘
電体酸化物とを得る。
なお、仮焼は、通常800〜1300℃にて、2〜10時間程
度、空気中にて行う。
式 [(Ba1-x-yCaxSry)O]・(Ti1-zZrz)O2 上記において、xは0.05〜0.25、好ましくは0.06〜0.
10、yは0〜0.05、好ましくは0〜0.01、zは0.05〜0.
20、好ましくは0.15〜0.20、mは1.000〜1.020、好まし
くは1.002〜1.015である。
また、酸化ケイ素の含有量は、0.05〜0.25重量%、特
に0.10〜0.20重量%程度、酸化マンガンの含有量は、0.
005〜2重量%、特に0.005〜0.5重量%程度が好まし
い。
この場合、酸化ケイ素はSiO2、酸化マンガンはMnOが
好適である。
なお、酸化ケイ素や酸化マンガンの添加は仮焼の後に
行ってもよい。
次いで、上記誘電体酸化物に、Y、Gd、Tb、Dy、Zr、
V、Mo、Cd、Tl、SnおよびPの酸化物および/または焼
成により酸化物になる化合物から選ばれる1種以上を添
加する。
さらには、Li酸化物および/または焼成によりLi酸化
物になる化合物を添加してもよい。
または、前記酸化物や化合物にかえ、Li酸化物および
/または焼成によりLi酸化物になる化合物のみを添加す
る。
酸化物になる化合物としては、例えば炭酸塩、硫酸
塩、シュウ酸塩、硝酸塩、有機金属化合物等が挙げら
れ、これらの1種以上を併用してもよい。
この場合、添加量は、最も安定な酸化物であるLi2O、
Y2O3、Gd2O3、Tb2O3、Dy2O3、ZrO2、V2O5、MoO3、CdO、
Tl2O3、SnO2およびP2O5換算で合計0.005〜0.5重量%、
好ましくは0.01〜0.25重量%、特に好ましくは0.05〜0.
20重量%程度である。
前記範囲未満では寿命が短く、信頼性が低下する傾向
にある。
前記範囲をこえるとコンデンサとしての本来の機能で
ある蓄電能力を低下させる。つまり容量値の低下をもた
らすだけでなく、破壊電圧の低下、寿命の短縮等、信頼
性も低下する。
次いで、ジェットミルあるいはボールミル等にて所定
粒径となるまで粉砕し、誘電体材料を得る。
誘電体層3用のペーストを調整する際に用いられる結
合剤、可塑剤、分散剤、溶剤等の添加剤は種々のもので
あってよい。また、ガラスフリットを添加してもよい。
結合剤としては、例えばエチルセルロース、アビエチ
ン酸レジン、ポリビニール・ブチラールなど、 可塑剤としては、例えばアビエチン酸誘導体、ジエチ
ル蓚酸、ポリエチレングリコール、ポリアルキレングリ
コール、フタール酸エステル、フタール酸ジブチルな
ど、 分散剤としては、例えばグリセリン、オクタデシルア
ミン、トリクロロ酢酸、オレイン酸、オクタジエン、オ
レイン酸エチル、モノオレイン酸グリセリン、トリオレ
イン酸グリセリン、トリステアリン酸グリセリン、メン
セーデン油など、 溶剤としては、例えばトルエン、テルピネオール、ブ
チルカルビトール、メチルエチルケトンなどが挙げられ
る。
このペーストを調整する際の誘電体材料の全体に対す
る割合は50〜80重量%程度とし、その他、結合剤は2〜
5重量%、可塑剤は0.1〜5重量%、分散剤は0.1〜5重
量%、溶剤は20〜50重量%程度とする。
そして、前記誘電体材料とこれらを混合し、例えば3
本ロール等で混練してペースト(スラリー)とする。
内部電極21、25用のペーストを製造する際に用いる導
体材料としては、NiやNi合金さらにはそれらの混合物を
用いる。
このような導体材料は、球状、リン片状等、その形状
に特に制限はなく、またこれらの形状のものが混合した
ものであってもよい。
また、平均粒子径は0.1〜10μm、さらには0.1〜1μ
m程度のものを用いればよい。
有機質ビヒクルは、バインダーおよび溶剤を含有する
ものである。
バインダーとしては、例えばエチルセルロース、アク
リル樹脂、ブチラール樹脂等公知のものはいずれも使用
可能である。
バインダー含有量は1〜5重量%程度とする。
溶剤としては、例えばテルピオネール、ブチルカルビ
トール、ケロシン等公知のものはいずれも使用可能であ
る。
溶剤含有量は20〜55重量%程度とする。
この他、総計10重量%程度以下の範囲で、必要に応
じ、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エス
テル等の分散剤や、ジオクチルフタレート、ジブチルフ
タレート、ブチルフタリルグリコール酸ブチル等の可塑
剤や、デラミ防止、焼結抑制等の目的で、誘電体、絶縁
体等の各種セラミック粉体等を添加することもできる。
また、有機金属レジネートを添加することも有効であ
る。
外部電極51、55用のペーストは、上記の導体材料粉末
を含有する通常のペーストを用いればよい。
このようにして得られた内部電極21、25用ペースト
と、誘電体3用ペーストは、印刷法、転写法、グリーン
シート法等により、それぞれ交互に積層される。
次に、所定の積層体サイズに切断した後、脱バインダ
処理および焼成を行う。そして、誘電体層3を再酸化さ
せるため、熱処理を行う。
脱バインダ処理は、通常の条件で行えばよいが、特に
下記の条件で行うことが好ましい。
昇温速度:10〜300℃/時間、 特に50〜100℃/時間 保持温度:600〜1200℃、 特に700〜900℃ 保持時間:0.5〜5時間 特に1〜3時間 酸素分圧:10-4〜10-8atm、 特に10-5〜10-6atm 雰囲気用ガスには、加湿したN2ガス等を用いることが
好適である。
焼成は酸素分圧10-7atm以下、より好ましくは、10-7
〜10-12atmにて行うことが好ましい。
前記範囲をこえると、内部電極21、25が酸化する傾向
にあり、またあまり小さすぎると電極材料が異常焼結を
起こし、途切れてしまう傾向にある。
そして、そのほかの焼成条件は下記の条件が好まし
い。
昇温速度:50〜500℃/時間、 特に200〜300℃/時間 保持温度:1250〜1400℃、 特に1300〜1380℃ 保持時間:0.5〜8時間 特に1〜3時間 冷却速度:50〜500℃/時間、 特に200〜300℃/時間 雰囲気用ガスには、加湿したN2とH2の混合ガス等を用
いることが好適である。
熱処理は、保持温度ないし最高温度を900〜1200℃、
より好ましくは、900〜1100℃、特に好ましくは1000〜1
100℃として行うことが好ましい。
前記範囲未満では誘電体材料の酸化が不十分なために
寿命が短くなる傾向にあり、前記範囲をこえると内部電
極のNiが酸化し、容量が低下するだけでなく、誘電体素
地と反応してしまい、寿命も短くなる傾向にある。
熱処理の際の酸素分圧は、10-8atm以上、より好まし
くは10-4〜10-7atmが好ましい。
前記範囲未満では、誘電体層3が酸化物層4の再酸化
が困難であり、前記範囲をこえると内部電極21、25が酸
化する傾向にある。
そして、そのほかの熱処理条件は下記の条件が好まし
い。
保持時間:0〜6時間、 特に2〜5時間 冷却速度:50〜500℃/時間 特に100〜300℃/時間 雰囲気用ガスには、加湿したN2ガス等を用いることが
好適である。
なお、N2ガスや混合ガス等を加湿するには、例えばウ
ェッター等を使用すればよい。
この場合、水温は5〜75℃程度が好ましい。
また、脱バインダ処理、焼成および熱処理は、それぞ
れを連続して行っても、独立に行ってもよい。
なお、独立に行う場合は、焼成に際しては、脱バイン
ダ処理の保持温度までは、N2ガス雰囲気下で昇温し、ま
た、熱処理の保持温度ないし最高温度まで冷却した後
は、N2ガス雰囲気下で冷却する。
また、熱処理を行う際は、保持温度ないし最高温度ま
では、N2ガス雰囲気下で昇温する。
このようにして得られた焼結体には、例えばバレル研
磨、サンドブラスト等にて端面研磨を施し、外部電極用
ペーストを焼きつけて外部電極51、55を形成する。
そして、必要に応じて、外部電極51、55上のめっき等
によりパッド層を形成する。
<実施例> 以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明をさらに
詳細に説明する。
実施例1 出発原料 BaCO3:65.28重量% TiO2 :23.72重量% ZrO2 : 7.49重量% CaCO3: 2.88重量% SiO2 : 0.18重量% MnCO3: 0.20重量% 上記の出発原料をアルミナ製ボールミルで16時間湿式
混合した。
次いで、スプレードライヤーで乾燥させた後、空気中
にて、1200℃の温度で、3時間仮焼し、下記式で表わさ
れる組成の誘電体酸化物と、SiO2と、MnOとを得た。
[(Ba0.92Ca0.08)O]1.004・(Ti0.83Zr0.17)O2 :99.52重量% SiO2:0.18重量% MnO :0.3重量% そして、P2O5を0.1重量%添加し、ボールミルで16時
間湿式粉砕し、平均粒子径1.4μmのチタン酸バリウム
系の誘電体材料を得た。
この誘電体材料を用いて、下記に示される配合比に
て、3本ロールにより混練し、スラリー化して誘電体層
用ペーストとした。
誘電体材料 :100重量部 テルピネオール: 28重量部 トルエン : 14重量部 分散剤 : 0.2重量部 ラッカー : 36.5重量部 次に下記に示される配合比にて、3本ロールにより混
練し、スラリー化して内部電極用ペーストとした。
Ni :44.6重量% テルピネオール :52重量% エチルセルロース : 3重量% ベンゾトリアゾール: 0.4重量% これらのペーストを用い、以下のようにして第1図に
示される積層型セラミックチップコンデンサ1を製造し
た。
まず、誘電体層ペーストと、内部電極用ペーストを用
いて、印刷法により交互に積層した。
なお誘電体層3の積層数は20層である。
次いで所定サイズに切断した後、脱バインダ処理、焼
成および熱処理を連続して下記の条件にて行った。
脱バインダ処理 昇温速度:50℃/時間 保持温度:800℃ 保持時間:2時間 雰囲気用ガス:加湿したN2ガス 酸素分圧:10-6atm 焼成 昇温速度:200℃/時間 保持温度:1340℃ 保持時間:2時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2とH2の混合ガス 酸素分圧:10-8atm 熱処理 保持温度:1000℃ 保持時間:2時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2ガス 酸素分圧:10-6atm なお、それぞれの雰囲気用ガスの加湿には、ウェッタ
ーを用い、水温5〜75℃にて行った。
得られた焼結体の端面をサンドブラストにて研磨した
後、In−Ga合金を塗布して、試験用電極を形成した。
このようにして製造した積層型セラミックチップコン
デンサ1のサイズは、3.2mm×1.6mm×1.2mmであり、誘
電体層3の厚みは16μm、内部電極21、25の厚みは2.5
μmである。
また、誘電体層3のグレインの平均粒子径は、3.0μ
mである。
そして、誘電体層3の断面の走査型電子顕微鏡写真を
撮り、粒界相の面積比を測定したところ1.8%であり、
内部電極21、25の周囲には酸化物層は形成されていなか
った。
また、走査型透過電子顕微鏡(STEM)を用いて、粒界
相の組成分析を行ったところ下記のとおりであった。
Si酸化物(SiO2 換算):30.7重量% Al酸化物(Al2O3換算):25.4重量% Mn酸化物(MnO 換算):0.3重量% Fe酸化物(Fe2O3換算):1.3重量% Ni酸化物(NiO 換算):0.8重量% P酸化物(P2O5 換算):0.3重量% Ba酸化物(BaO 換算):30.1重量% Ti酸化物(TiO2 換算):11.1重量% Ca酸化物(CaO 換算):0.1重量% Zr酸化物(ZrO2 換算):0.1重量% また、STEMを用いて、誘電体層3のグレインの組成分
析を行ったところ下記のとおりであった。
[(Ba0.92Ca0.08)O]1.004・(Ti0.83Zr0.17)O2 :99.914重量% SiO2:0.006重量% MnO :0.08重量% 次にこのコンデンサに対し、温度200℃、電圧DC200V
にて、加速寿命試験を行ったところ寿命は0.8時間であ
った。
実施例2 下記の焼成、熱処理条件にて、実施例1と同様に、積
層型セラミックチップコンデンサを製造した。
添加物 P2O5:0.1重量% 焼成 昇温速度:200℃/時間 保持温度:1340℃ 保持時間:2時間 冷却速度:200℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2とH2の混合ガス 酸素分圧:10-8atm 熱処理 保持温度:1000℃ 保持時間:2時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2ガス 酸素分圧:10-5atm この場合、誘電体層3の厚みは16μm、グレインの平
均粒子径は3.0μm、粒界相の面積比は1.1%であり、内
部電極21、25の厚みは2.5μmであり、内部電極の周囲
には酸化物層は形成されていなかった。
また、誘電体層3の粒界相と、グレインの組成は下記
のとおりであった。
粒界相 Si酸化物(SiO2 換算):31.6重量% Al酸化物(Al2O3換算):27.1重量% Mn酸化物(MnO 換算):0.2重量% Fe酸化物(Fe2O3換算):0.9重量% Ni酸化物(NiO 換算):0.9重量% P酸化物(P2O5 換算):0.1重量% Ba酸化物(BaO 換算):28.8重量% Ti酸化物(TiO2 換算):10.3重量% Zr酸化物(ZrO2 換算):0.1重量% グレイン [(Ba0.92Ca0.08)O]1.004・(Ti0.83Zr0.17)O2 :99.914重量% SiO2:0.006重量% MnO :0.08重量% そして、加速寿命試験を行ったところ寿命は、1.2時
間であった。
実施例3 下記の焼成、熱処理条件にて、実施例1と同様に、第
2図に示されるように酸化物層4を有する積層型セラミ
ックチップコンデンサを製造した。
添加物 P2O5:0.15重量% 焼成 昇温速度:200℃/時間 保持温度:1340℃ 保持時間:2時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2とH2の混合ガス 酸素分圧:10-11atm 熱処理 保持温度:1100℃ 保持時間:3時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2ガス 酸素分圧:10-5atm この場合、誘電体層3の厚みは16μm、グレインの平
均粒子径は3.4μm、粒界相の面積比は1.6%であった。
そして、内部電極21、25の厚みは2.4μmであり、酸化
物層4は2層で、上層酸化物層45の厚みは0.05μm、下
層酸化物層41の厚みは0.07μmであった。
また、誘電体層3の粒界相と、グレインの組成は下記
のとおりであった。
粒界相 Si酸化物(SiO2 換算):32.4重量% Al酸化物(Al2O3換算):26.3重量% Mn酸化物(MnO 換算):0.2重量% Fe酸化物(Fe2O3換算):0.7重量% Ni酸化物(NiO 換算):0.7重量% P酸化物(P2O2 換算):0.1重量% Ba酸化物(BaO 換算):28.7重量% Ti酸化物(TiO2 換算):10.8重量% Zr酸化物(ZrO2 換算):0.1重量% グレイン [(Ba0.92Ca0.08)O]1.004・(Ti0.83Zr0.17)O2 :99.914重量% SiO2:0.006重量% MnO :0.08重量% また、STEMにより酸化物層4の層組成を分析したとこ
ろ下記のとおりであった。
下層酸化物層41 Si酸化物(SiO2 換算):0.3重量% Al酸化物(Al2O3換算):0.2重量% Mn酸化物(MnO 換算):0.8重量% Fe酸化物(Fe2O3換算):2.1重量% Ni酸化物(NiO 換算):1.8重量% P酸化物(P2O5 換算):23.2重量% Ba酸化物(BaO 換算):68.6重量% Ti酸化物(TiO2 換算):2.8重量% Ca酸化物(CaO 換算):0.1重量% Zr酸化物(ZrO2 換算):0.1重量% 上層酸化物層45 Si酸化物(SiO2 換算):1.7重量% Al酸化物(Al2O3換算):0.3重量% Mn酸化物(MnO 換算):31.6重量% Fe酸化物(Fe2O3換算):8.7重量% Ni酸化物(NiO 換算):7.9重量% P酸化物(P2O5 換算):2.1重量% Ba酸化物(BaO 換算)3.8重量% Ti酸化物(TiO2 換算):40.0重量% Ca酸化物(CaO 換算):0.1重量% Zr酸化物(ZrO2 換算):3.8重量% そして、加速寿命試験を行ったところ寿命は、1.6時
間であった 実施例4 下記の焼成、熱処理条件にて、実施例1と同様に、第
2に示されるように酸化物層4を有する積層型セラミッ
クチップコンデンサを製造した。
添加物 P2O5:0.1重量% 焼成 昇温速度:200℃/時間 保持温度:1340℃ 保持時間:2時間 冷却速度:200℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2とH2の混合ガス 酸素分圧:10-9atm 熱処理 保持温度:1000℃ 保持時間:2時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2ガス 酸素分圧:10-5atm この場合、誘電体層3の厚みは16μm、グレインの平
均粒子径は3.2μm、粒界層の面積比は0.9%であった。
そして、内部電極21、25の厚みは2.5μmであり、酸化
物層4は1層で、厚みは0.09μmであった。
また、誘電体層3の粒界相と、グレインの組成は下記
のとおりであった。
粒界相 Si酸化物(SiO2 換算):28.4重量% Al酸化物(Al2O3換算):23.1重量% Mn酸化物(MnO 換算)1.2重量% Fe酸化物(Fe2O3換算):0.6重量% Ni酸化物(NiO 換算):0.6重量% P酸化物(P2O5 換算):0.4重量% Ba酸化物(BaO 換算):31.6重量% Ti酸化物(TiO2 換算):12.5重量% Ca酸化物(CaO 換算):0.6重量% Zr酸化物(ZrO2 換算):1.0重量% グレイン [(Ba0.92Ca0.08)O]1.004・(Ti0.83Zr0.17)O2 :99.914重量% SiO2:0.006重量% MnO :0.08重量% また、酸化物層4の層組成は下記のとおりであった。
Si酸化物(SiO2 換算):0.1重量% Al酸化物(Al2O3換算):0.2重量% Mn酸化物(MnO 換算):1.1重量% Fe酸化物(Fe2O3換算):0.3重量% Ni酸化物(NiO 換算):0.2重量% P酸化物(P2O5 換算):19.3重量% Ba酸化物(BaO 換算):75.3重量% Ti酸化物(TiO2 換算):3.1重量% Ca酸化物(CaO 換算):0.3重量% Zr酸化物(ZrO2 換算):0.1重量% そして、加速寿命試験を行ったところ寿命は、1.7時
間であった。
実施例5 下記の焼成、熱処理条件にて、実施例1と同様に、第
2図に示されるように酸化物層4を有する積層型セラミ
ックチップコンデンサを製造した。
添加物 P2O5:0.2重量% 焼成 昇温速度:200℃/時間 保持温度:1340℃ 保持時間:2時間 冷却速度:200℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2とH2の混合ガス 酸素分圧:10-12atm 熱処理 保持温度:1100℃ 保持時間:3時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2ガス 酸素分圧:10-4atm この場合、誘電体層3の厚みは16μm、グレインの平
均粒子径は3.5μm、粒界相の面積比は0.7%であった。
そして、内部電極21、25の厚みは2.5μmであり、酸化
物層4は2層で、上層酸化物層45の厚みは0.06μm、下
層酸化物層41の厚みは0.09μmであった。
また、誘電体層3の粒界相と、グレインの組成は下記
のとおりであった。
粒界相 Si酸化物(SiO2 換算):32.5重量% Al酸化物(Al2O3換算):26.7重量% Mn酸化物(MnO 換算)0.4重量% Fe酸化物(Fe2O3換算):1.0重量% Ni酸化物(NiO 換算):1.0重量% Ba酸化物(BaO 換算):27.0重量% Ti酸化物(TiO2 換算):11.4重量% グレイン [(Ba0.92Ca0.08)O]1.004・(Ti0.83Zr0.17)O2 :99.914重量% SiO2:0.006重量% MnO :0.08重量% また、酸化物層4の層組成は下記のとおりであった。
下層酸化物層41 Si酸化物(SiO2 換算):0.2重量% Al酸化物(Al2O3換算):0.1重量% Mn酸化物(MnO 換算):0.6重量% Fe酸化物(Fe2O3換算):2.3重量% Ni酸化物(NiO 換算):2.1重量% P酸化物(P2O5 換算):24.1重量% Ba酸化物(BaO 換算):67.0重量% Ti酸化物(TiO2 換算):3.3重量% Ca酸化物(CaO 換算):0.2重量% Zr酸化物(ZrO2 換算):0.1重量% 上層酸化物層45 Si酸化物(SiO2 換算):1.1重量% Al酸化物(Al2O3換算):0.2重量% Mn酸化物(MnO 換算):32.8重量% Fe酸化物(Fe2O3換算):9.8重量% Ni酸化物(NiO 換算):7.2重量% P酸化物(P2O5 換算):1.9重量% Ba酸化物(BaO 換算):3.4重量% Ti酸化物(TiO2 換算):39.8重量% Ca酸化物(CaO 換算):0.2重量% Zr酸化物(ZrO2 換算):3.6重量% なお、下部および上部酸化物層41、45におけるP酸化
物と、Mn酸化物の含有濃度を電子線マイクロアナライザ
ー写真にて確認した。
それを第3図〜第5図に示す。
第3図は、Niを見たマイクロアナライザー写真であ
り、白く見える2本のラインがNi内部電極である。
第4図は、Mnを見たマイクロアナライザー写真であ
り、白く見える4本のライン部分がMnの濃度が高い部分
である。
第5図は、Pを見たマイクロアナライザー写真であ
り、白く見える4本のライン部分がPの濃度が高い部分
である。
なお、各マイクロアナライザー写真は、それぞれ2350
倍に拡大したものである。
そして、加速寿命試験を行ったところ寿命は、3.4時
間であった。
実施例6 実施例1において、P2O5にかえ、V2O5を0.1重量%添
加したほかは同様として誘電体層用ペーストを得た。
そして、焼成、熱処理条件を下記のとおりとしたほか
は実施例1と同様として、積層型セラミックチップコン
デンサを製造した。
焼成 昇温速度:200℃/時間 保持温度:1340℃ 保持時間:2時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2とH2の混合ガス 酸素分圧:10-9atm 熱処理 保持温度:1000℃ 保持時間:2時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2ガス 酸素分圧:10-6atm この場合、誘電体層3の厚みは16μm、グレインの平
均粒子径は3.3μm、粒界相の面積比は1.7%であり、内
部電極21、25の厚みは2.5μmであり、内部電極の周囲
には酸化物層は形成されていなかった。
また、誘電体層3の粒界相の組成は下記のとおりであ
った。
粒界相 Si酸化物(SiO2 換算):30.2重量% Al酸化物(Al2O3換算):25.6重量% Mn酸化物(MnO 換算):0.7重量% Fe酸化物(Fe2O3換算):0.3重量% Ni酸化物(NiO 換算):0.3重量% P酸化物(P2O5 換算):0.4重量% Ba酸化物(BaO 換算):29.7重量% Ti酸化物(TiO2 換算):12.0重量% Ca酸化物(CaO 換算):0.2重量% Zr酸化物(ZrO2 換算):0.6重量% グレイン また、誘電体層3のグレインは、 [(Ba0.92Ca0.08)O]1.004・(Ti0.83Zr0.17)O2
主成分とし、MnO、SiO2およびV2O5を微量含有してい
た。
そして、加速寿命試験を行ったところ寿命は、1.0時
間であった。
実施例7 実施例6と同様の誘電体層用ペーストを用い、下記の
焼成、熱処理条件にて、実施例1と同様に積層型セラミ
ックチップコンデンサを製造した。
添加物 V2O5:0.1重量% 焼成 昇温速度:200℃/時間 保持温度:1340℃ 保持時間:2時間 冷却速度:200℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2とH2の混合ガス 酸素分圧:10-8atm 熱処理 保持温度:1000℃ 保持時間:2時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2ガス 酸素分圧:10-5atm この場合、誘電体層3の厚みは16μm、グレインの平
均粒子径は3.1μm、粒界相の面積比は0.9%であり、内
部電極21、25の厚みは2.5μmであり、内部電極の周囲
には酸化物層は形成されていなかった。
また、誘電体層3の粒界相の組成は下記のとおりであ
った。
粒界相 Si酸化物(SiO2 換算):31.8重量% Al酸化物(Al2O3換算):27.3重量% Mn酸化物(MnO 換算):0.3重量% Fe酸化物(Fe2O3換算):0.3重量% Ni酸化物(NiO 換算):0.2重量% Ba酸化物(BaO 換算):71.5重量% Ti酸化物(TiO2 換算):11.5重量% Ca酸化物(CaO 換算):0.1重量% グレイン また、誘電体層3のグレインは、 [(Ba0.92Ca0.08)O]1.004・(Ti0.83Zr0.17)O2
主成分とし、MnO、SiO2およびV2O5を微量含有してい
た。
そして、加速寿命試験を行ったところ寿命は、1.4時
間であった。
実施例8 実施例6と同様の誘電体層用ペーストを用い、下記の
焼成、熱処理条件にて、実施例1と同様に、第2図に示
されるように酸化物層4を有する積層型セラミックチッ
プコンデンサを製造した。
添加物 V2O5:0.1重量% 焼成 昇温速度:200℃/時間 保持温度:1340℃ 保持時間:2時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2とH2の混合ガス 酸素分圧:10-10atm 熱処理 保持温度:1100℃ 保持時間:2時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2ガス 酸素分圧:10-6atm この場合、誘電体層3の厚みは16μm、グレインの平
均粒子径は3.6μ、粒界相の面積比は1.6%であった。そ
して、内部電極21、25の厚みは2.5μmであり、酸化物
層4は1層で、厚みは2.5μmであった。
また、誘電体層3の粒界相の組成は下記のとおりであ
った。
粒界相 Si酸化物(SiO2 換算):32.5重量% Al酸化物(Al2O3換算):27.9重量% Mn酸化物(MnO 換算):0.6重量% Fe酸化物(Fe2O3換算):0.2重量% Ni酸化物(NiO 換算):0.2重量% Ba酸化物(BaO 換算):27.6重量% Ti酸化物(TiO2 換算):11.0重量% グレイン また、誘電体層3のグレインは、 [(Ba0.92Ca0.08)O]1.004・(Ti0.83Zr0.17)O2
主成分とし、MnO、SiO2およびV2O5を微量含有してい
た。
また、酸化物層4の層組成は下記のとおりであった。
Si酸化物(SiO2 換算):1.1重量% Al酸化物(Al2O3換算):0.4重量% Mn酸化物(MnO 換算):32.4重量% Fe酸化物(Fe2O3換算):10.7重量% Ni酸化物(NiO 換算):8.3重量% P酸化物(P2O5 換算):2.1重量% Ba酸化物(BaO 換算):3.9重量% Ti酸化物(TiO2 換算):40.1重量% Ca酸化物(CaO 換算):0.8重量% Zr酸化物(ZrO2 換算):0.2重量% そして、加速寿命試験を行ったところ寿命は、2.1時
間であった。
実施例9 実施例6と同様の誘電体層用ペーストを用い、下記の
焼成、熱処理条件にて、実施例1と同様に、第2図に示
されるように酸化物層4を有する積層型セラミックチッ
プコンデンサを製造した。
添加物 V2O5:0.1重量% 焼成 昇温速度:200℃/時間 保持温度:1340℃ 保持時間:2時間 冷却速度:200℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2とH2の混合ガス 酸素分圧:10-10atm 熱処理 保持温度:1100℃ 保持時間:2時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2ガス 酸素分圧:10-5atm この場合、誘電体層3の厚みは16μm、グレインの平
均粒子径は3.6μm、粒界相の面積比は0.6%であった。
そして、内部電極21、25の厚みは2.5μmであり、酸化
物層4は1層で、厚みは0.11μmであった。
また、誘電体層3の粒界相の組成は下記のとおりであ
った。
粒界相 Si酸化物(SiO2 換算):31.2重量% Al酸化物(Al2O3換算):23.0重量% Mn酸化物(MnO 換算):0.5重量% Fe酸化物(Fe2O3換算):0.1重量% Ba酸化物(BaO 換算):32.3重量% Ti酸化物(TiO2 換算):12.9重量% グレイン また、誘電体層3のグレインは、 [(Ba0.92Ca0.08)O]1.004・(Ti0.83Zr0.17)O2
主成分とし、MnO、SiO2およびV2O5を微量含有してい
た。
また、酸化物相4の層組成は下記のとおりであった。
Si酸化物(SiO2 換算):0.9重量% Al酸化物(Al2O3換算):0.2重量% Mn酸化物(MnO 換算):38.3重量% Fe酸化物(Fe2O3換算):11.3重量% Ni酸化物(NiO 換算):9.8重量% P酸化物(P2O5 換算):2.2重量% Ba酸化物(BaO 換算):7.6重量% Ti酸化物(TiO2 換算):29.2重量% Ca酸化物(CaO 換算):0.3重量% Zr酸化物(ZrO2 換算):0.2重量% そして、加速寿命試験を行ったところ寿命は、4.1時
間であった。
比較例1 P2O5を添加しないで、そのほかは実施例1と同様に誘
電体層用ペーストを得た。
そして、焼成、熱処理条件を下記のとおりとしたほか
は実施例1と同様として、積層型セラミックチップコン
デンサを製造した。
添加物 なし 焼成 昇温速度:200℃/時間 保持温度:1340℃ 保持時間:2時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2とH2の混合ガス 酸素分圧:10-8atm 熱処理 保持温度:1000℃ 保持時間:2時間 冷却速度:300℃/時間 雰囲気用ガス:加湿したN2ガス 酸素分圧:10-6atm この場合、誘電体層3の厚みは16μm、グレインの平
均粒子径は3.0μm、粒界相の面積比は2.6%であり、内
部電極21、25の厚みは2.5μmであり、内部電極の周囲
には酸化物層は形成されていなかった。
また、誘電体層3の粒界相と、グレインの組成は下記
のとおりであった。
粒界相 Si酸化物(SiO2 換算):29.3重量% Al酸化物(Al2O3換算):24.2重量% Mn酸化物(MnO 換算):0.6重量% Fe酸化物(Fe2O3換算):0.3重量% Ni酸化物(NiO 換算):0.2重量% P酸化物(P2O5 換算):0.2重量% Ba酸化物(BaO 換算):33.2重量% Ti酸化物(TiO2 換算):11.8重量% Ca酸化物(CaO 換算):0.1重量% Zr酸化物(ZrO2 換算):0.1重量% グレイン [(Ba0.92Ca0.08)O]1.004・(Ti0.83Zr0.17)O2 :99.914重量% SiO2:0.006重量% MnO :0.08重量% そして、加速寿命試験を行ったところ寿命は、0.34時
間であった。
これらの結果より本発明の効果が明らかである。
また、実施例1において、P2O5にかえ、下記に示され
る〜の化合物を単独添加したほかは同様として各種
誘電体層用ペーストを得た。
LiCO3(Li2O換算) :0.1重量% Y2O3(Y2O3換算) :0.1重量% Gd2O3(Gd2O3換算):0.1重量% Tb4O7(Tb2O3換算):0.1重量% Dy2O3(Dy2O3換算):0.1重量% ZrO3(ZrO2換算) :0.1重量% MoO3(MoO3換算) :0.1重量% CdO(CdO換算) :0.1重量% Tl2O3(T2O3換算) :0.1重量% SnO2(SnO2換算) :0.1重量% そして、、各種誘電体層用ペーストを用いて積層型セ
ラミックチップコンデンサを製造したところ実施例1〜
9と同等の結果が得られた。
なお、2種以上の化合物を添加した場合も、上記とほ
ぼ同等の結果が得られた。
<発明の効果> 本発明の積層型セラミックチップコンデンサは、寿命
が長い。
このため、優れた信頼性が得られる。
そして、内部電極21、25の周囲に誘電体層3とは異な
る組成の酸化物層4を有する場合や、誘電体層中の粒界
相が少ない場合は、本発明の効果が一層向上する。
さらには、酸化物層4を有し、しかも粒界相が少ない
場合は、より一層寿命が増大する。
この場合、特に酸化物層4に、Mn酸化物、P酸化物お
よびFe酸化物から選ばれる1種以上を含むもの、さらに
は、酸化物層4が、Mn酸化物を含む層と、P酸化物を含
む層の2層構造であるものは、特に寿命が長く、一層優
れた信頼性が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、それぞれ本発明の積層型セラミ
ックチップコンデンサの1例が示される断面図である。 第3図は粒子構造を示す図面代用写真であって、本発明
の積層型セラミックチップコンデンサ中のNi濃度分布が
示される電子線マイクロアナライザー写真である。 第4図は粒子構造を示す図面代用写真であって、本発明
の積層型セラミックチップコンデンサ中のMn濃度分布が
示される電子線マイクロアナライザー写真である。 第5図は粒子構造を示す図面代用写真であって、本発明
の積層型セラミックチップコンデンサ中のP濃度の分布
が示される電子線マイクロアナライザー写真である。 符号の説明 1……積層型セラミックチップコンデンサ 21、25……内部電極 3……誘電体層 4……酸化物層 41……下層酸化物層 45……上層酸化物層 51、55……外部電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 住田 成和 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (72)発明者 西山 貢右 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (72)発明者 中野 幸恵 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (72)発明者 池田 雅昭 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−147404(JP,A) 特開 昭61−101459(JP,A) 特開 昭61−19005(JP,A) 特開 昭61−144813(JP,A)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部電極と誘電体層とを有する積層型セラ
    ミックチップコンデンサであって、 下記式で表わされる組成の誘電体酸化物を含有し、Y、
    Gd、Tb、Dy、Zr、V、Mo、Cd、Tl、SnおよびPの酸化物
    および/または焼成により酸化物になる化合物から選ば
    れる1種以上を、酸化物換算で、0.005〜0.5重量%添加
    した誘電体材料と、NiまたはNi合金の内部電極材料とを
    積層して焼成したものであり、 前記誘電体材料により形成された誘電体層はグレインと
    粒界相で構成され、この誘電体層の断面での粒界相の面
    積比が2%以下である積層型セラミックチップコンデン
    サ。 式 [(Ba1-x-yCaxSry)O]・(Ti1-zZrz)O2 {上記式中、0.05≦x≦0.25、0≦y≦0.05、0.05≦z
    ≦0.20、1.002≦m≦1.020である。}
  2. 【請求項2】前記誘電体材料がさらに、Li酸化物および
    /または焼成によりLi酸化物になる化合物を含有する請
    求項1の積層型セラミックチップコンデンサ。
  3. 【請求項3】酸素分圧10-7atm以下にて焼成し、温度900
    〜1200℃、酸素分圧10-4〜10-8atmにて熱処理を行った
    ものである請求項1または2の積層型セラミックチップ
    コンデンサ。
  4. 【請求項4】内部電極と誘電体層とを有する積層型セラ
    ミックチップコンデンサであって、 下記式で表わされる組成の誘電体酸化物を含有し、Li酸
    化物および/または焼成によりLi酸化物になる化合物を
    酸化物換算で、0.005〜0.5重量%添加した誘電体材料
    と、NiまたはNi合金の内部電極材料とを積層して、酸素
    分圧10-7atm以下にて焼成し、温度900〜1200℃、酸素分
    圧10-4〜10-8atmにて熱処理を行ったものであり、 前記材料により形成された誘電体層は、グレインと粒界
    相で構成され、前記誘電体層の断面での粒界相の面積比
    が2%以下である積層型セラミックチップコンデンサ。 式 [(Ba1-x-yCaxSry)O]・(Ti1-zZrz)O2 {上記式中、0.05≦x≦0.25、0≦y≦0.05、0.05≦z
    ≦0.20、1.002≦m≦1.020である。}
  5. 【請求項5】前記誘電体材料がさらに、酸化ケイ素およ
    び/または酸化マンガンを含有する請求項1〜4のいず
    れかの積層型セラミックチップコンデンサ。
  6. 【請求項6】前記酸化ケイ素の含有量が、0.05〜0.25重
    量%であり、前記酸化マンガンの含有量が、0.01〜0.50
    重量%である請求項5の積層型セラミックチップコンデ
    ンサ。
  7. 【請求項7】前記粒界相が、Al2O3、SiO2および/また
    はP酸化物を含有する酸化物相である請求項1〜6のい
    ずれかの積層型セラミックチップコンデンサ。
  8. 【請求項8】前記内部電極の周囲に前記誘電体層とは異
    なる組成の酸化物層を形成した請求項1〜7のいずれか
    の積層型セラミックチップコンデンサ。
  9. 【請求項9】前記酸化物層に、Mn、PおよびFeの酸化物
    から選ばれる1種以上が含まれる請求項8の積層型セラ
    ミックチップコンデンサ。
  10. 【請求項10】前記酸化物層がP酸化物を含む層と、Mn
    酸化物を含む層とを有する請求項8の積層型セラミック
    チップコンデンサ。
JP27122689A 1989-10-18 1989-10-18 積層型セラミックチップコンデンサ Expired - Lifetime JP3207847B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27122689A JP3207847B2 (ja) 1989-10-18 1989-10-18 積層型セラミックチップコンデンサ
DE69034034T DE69034034T2 (de) 1989-10-18 1990-10-16 Keramischer Mehrschicht-Chipkondensator und Verfahren zu seiner Herstellung
EP94112039A EP0623940B1 (en) 1989-10-18 1990-10-16 Ceramic multilayer chip capacitor and method for making
EP90119856A EP0423738B1 (en) 1989-10-18 1990-10-16 Ceramic multilayer chip capacitor and method for making
DE69027394T DE69027394T2 (de) 1989-10-18 1990-10-16 Keramischer Mehrschicht-Chipkondensator und Verfahren zu seiner Herstellung
US07/599,414 US5097391A (en) 1989-10-18 1990-10-18 Ceramic multilayer chip capacitor and method for making

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27122689A JP3207847B2 (ja) 1989-10-18 1989-10-18 積層型セラミックチップコンデンサ

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25205299A Division JP3419713B2 (ja) 1999-09-06 1999-09-06 積層型セラミックチップコンデンサの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03133116A JPH03133116A (ja) 1991-06-06
JP3207847B2 true JP3207847B2 (ja) 2001-09-10

Family

ID=17497108

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27122689A Expired - Lifetime JP3207847B2 (ja) 1989-10-18 1989-10-18 積層型セラミックチップコンデンサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3207847B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5319517A (en) * 1992-03-27 1994-06-07 Tdk Corporation Multilayer ceramic chip capacitor
JP2779891B2 (ja) * 1993-10-29 1998-07-23 岡谷電機産業株式会社 複合誘電体フィルムの製造方法
US6291380B1 (en) 1999-03-15 2001-09-18 Rohm Co., Ltd. Dielectric ceramic and capacitor using the same
JP2005104770A (ja) 2003-09-30 2005-04-21 Tdk Corp 誘電体磁器組成物および電子部品
KR100519821B1 (ko) 2003-12-18 2005-10-10 삼성전기주식회사 적층 세라믹 콘덴서용 유전체 조성물, 적층 세라믹콘덴서, 및 적층 세라믹 콘덴서의 제조방법
JP5167579B2 (ja) * 2005-07-12 2013-03-21 Tdk株式会社 誘電体磁器組成物及び電子部品
JP2017228731A (ja) * 2016-06-24 2017-12-28 京セラ株式会社 積層型電子部品
JP7279615B2 (ja) * 2019-11-05 2023-05-23 株式会社村田製作所 積層セラミックコンデンサ
JP7351205B2 (ja) * 2019-12-12 2023-09-27 Tdk株式会社 誘電体組成物および電子部品

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03133116A (ja) 1991-06-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3568030B2 (ja) 誘電体磁器組成物の製造方法と誘電体層含有電子部品の製造方法
JP5275918B2 (ja) 積層型セラミック電子部品
JP4299827B2 (ja) 誘電体磁器組成物、電子部品および積層セラミックコンデンサ
JP5434407B2 (ja) セラミック電子部品およびその製造方法
EP1536438B1 (en) Multilayer ceramic capacitor
JP2008042150A (ja) 積層セラミックコンデンサ
CN107793148B (zh) 电介质组合物和层叠电子部件
JP4480367B2 (ja) 誘電体磁器およびその製法、並びに積層型電子部品およびその製法
JP7351205B2 (ja) 誘電体組成物および電子部品
US9922766B2 (en) Ceramic electronic component
CN112992538B (zh) 电介质组合物及电子部件
US20060232910A1 (en) Y5V dielectric composition
US10141113B2 (en) Ceramic electronic component
JP3640273B2 (ja) 積層型バリスタ
JP3207847B2 (ja) 積層型セラミックチップコンデンサ
JP3419713B2 (ja) 積層型セラミックチップコンデンサの製造方法
JP2787746B2 (ja) 積層型セラミックチップコンデンサ
JP2006310646A (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP3134024B2 (ja) 積層型セラミックチップコンデンサ
JP3207846B2 (ja) 積層型セラミックチップコンデンサおよびその製造方法
US7820578B2 (en) Dielectric ceramic composition and method of production thereof
JP4487371B2 (ja) 誘電体組成物およびこれを用いたセラミックコンデンサ
US6479419B2 (en) Electronic device, dielectric ceramic composition, and method for producing same
JP2005347288A (ja) 積層セラミックコンデンサの製造方法
JP3586148B2 (ja) 非還元性誘電体磁器材料およびその製造方法ならびに積層磁器コンデンサ

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080706

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090706

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090706

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100706

Year of fee payment: 9

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100706

Year of fee payment: 9