JPH0734236B2 - 自動券売装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜発明の技術分野＞ この発明は、駅等に設置される自動券売装置に関連し、
殊にこの発明は、複数の口座の切符を発売して、利用客
に選択させる方式の自動券売装置に関する。

＜発明の概要＞ この発明の自動券売機は、貨幣の投入前でありかつ口座
選択スイッチの操作前には、全ての口座選択スイッチの
数字表示器を一斉に表示動作させて口座選択スイッチの
操作または貨幣の投入のいずれかが行われるまで待機
し、口座選択スイッチの操作前に貨幣が投入されたとき
は、投入貨幣の累計額以下の金額が割り当てられた口座
選択スイッチの数字表示器を表示動作させて表示動作さ
れたいずれかの口座選択スイッチの操作に待機し、貨幣
の投入前に口座選択スイッチが操作されたときは、操作
された口座選択スイッチの数字表示器を表示動作させて
その口座選択スイッチに割り当てられた固有金額に相当
する貨幣の投入に待機するようにしたものである。

＜発明の背景＞ 従来の自動券売装置には、複数口座にかかる多種類の切
符を発行できる多能式装置が広く使用されている。この
種装置では、接客面に、口座数に対応する数の口座選択
スイッチが配備してあり、殊に最近の装置の場合、各口
座選択スイッチには発光ダイオードより成る数字表示器
が組み込んである。各口座選択スイッチには、その口座
固有の金額が割り当ててあり、貨幣投入前の待機状態下
にあっては、各口座選択スイッチの数字表示器は表示動
作を行わず、無表示状態となっている。このため利用客
は、口座選択スイッチを見て、発売されている口座範囲
を把握できず、切符購入操作に戸惑い、顧客サービスに
欠ける等の問題があった。そこで出願人は、先般、貨幣
の投入前でありかつ口座選択スイッチの操作前に、全て
の口座選択スイッチの数字表示器を一斉に表示動作させ
ることにより、発売されている口座範囲を利用客に把握
できるようにして、利用客のサービスを向上させた自動
券売装置を提案した（特開昭58−72284号）。しかしな
がらこの自動券売装置は、貨幣の投入後に口座選択スイ
ッチが操作されるという、通常の手順を前提して構成さ
れたものであり、利用客が貨幣の投入前に口座選択スイ
ッチを操作したような場合の処理については考慮されて
おらず、利用客のサービス向上が十分にはかられていな
いという問題がある。

＜発明の目的＞ この発明は、口座選択スイッチにおける表示方式を工夫
することによって、切符購入操作の円滑化をはかり且つ
利用客のサービスを向上させた自動券売装置を提供する
ことを目的とする。

＜発明の構成および効果＞ この発明の自動券売装置は、貨幣投入口と、数字表示器
が組み込まれた複数の口座選択スイッチと、前記貨幣投
入口へ投入された貨幣の累計額を計算する演算手段と、
前記演算手段により計算された累計額と各口座選択スイ
ッチに割り当てられた固有金額との大小を比較する比較
手段と、貨幣の投入および口座選択スイッチの操作の有
無を判別し、その判別結果、前記演算手段の演算結果、
および前記比較手段の比較結果に基づきいずれかの口座
選択スイッチの数字表示器を表示動作させる制御手段と
を備えたものであって、前記制御手段は、貨幣の投入前
でありかつ口座選択スイッチの操作前であるとき、全て
の口座選択スイッチの数字表示器を一斉に表示動作させ
て貨幣の投入または口座選択スイッチの操作のいずれか
が行われるまで待機する第１の待機状態を設定し、口座
選択スイッチの操作前に貨幣が投入されたとき、投入貨
幣の累計額以下の金額が割り当てられている口座選択ス
イッチの数字表示器を表示動作させ、表示動作されたい
ずれかの口座選択スイッチの操作に待機する第２の待機
状態を設定し、貨幣の投入前に口座選択スイッチが操作
されたとき、操作された口座選択スイッチの数字表示器
を表示動作させてその口座選択スイッチの割り当てられ
た固有金額に相当する貨幣の投入に待機する第３の待機
状態を設定するようにしている。

この発明によれば、貨幣の投入前であり口座選択スイッ
チの操作前の状態下においては、すべての口座選択スイ
ッチの数字表示器が一斉動作して、各スイッチに割り当
てられたその口座固有の金額を表示しているから、利用
客は口座選択スイッチの表示を見て、発売にかかる口座
範囲を容易に把握でき、しかも貨幣を先に投入しても、
口座選択スイッチを先に操作しても、切符が購入できる
から、利用客にとって切符購入時の操作順序に拘束され
るという煩わしさがない。従って利用客は戸惑うことな
く、迅速且つ円滑に切符の購入操作を行うことができ、
顧客サービスが大幅に向上される。さらに切符購入時の
操作順序が拘束されないから、駅側にとっても、利用客
に対して操作順序を知らしめる必要もない等、幾多の顕
著な効果を奏する。

＜実施例の説明＞ 第１図はこの発明にかかる自動券売装置１を示し、前面
の接客部に発行券種、運賃等を案内表示する案内表示部
２と、投入金額の累計額を表示する投入金額表示部３
と、貨幣を投入するための貨幣投入口４と、内部に発光
ダイオードより成る数字表示器が組み込まれた複数の口
座選択スイッチ５と、切符および釣り銭が放出される受
皿６とが配設されている。

前記各口座選択スイッチ５には、その口座金額に相当す
る固有の金額が割り当てられており、貨幣の投入前であ
りかつ口座選択スイッチ５の操作前の状態下では、全て
の口座選択スイッチ５の数字表示器にそれぞれの固有金
額が一斉表示される。また口座選択スイッチ５の操作前
に利用客が貨幣を投入したときは、投入金額の累計額が
各口座選択スイッチ５の固有金額に達する毎に、対応す
る口座選択スイッチ５の数字表示器がその固有金額を数
字で表示するようになっており、一方、貨幣の投入前に
利用客がいずれか口座選択スイッチ５を先に押操作した
とき、その口座選択スイッチ５の表示状態を維持させ、
それ以外の口座選択スイッチ５は無表示状態とすると共
に、つぎに貨幣の投入があって、その投入金額の累計額
が前記口座選択スイッチ５の固有金額に達したとき、前
記押操作にかかる口座の切符を発行するように構成して
いる。

第２図は、上記自動券売装置の回路構成例を示す。図
中、貨幣処理部７は、投入された貨幣の金種および真偽
を判定すると共に貨幣を金種別に収納し且つ釣り銭の放
出処理を行う。発券部８は、押操作された口座選択スイ
ッチ５に応じた切符を印刷発行する。制御装置９は、コ
ンピュータ回路をもって構成され、メモリ10に対するデ
ータの書込みや読出しを行いつつ、貨幣処理部７および
発券部８の動作を制御して、切符発売に関する各種処理
を実行すると共に、入出力バツフア11を介して案内表示
部２、投入金額表示器３、口座選択スイッチ５の各入出
力動作を制御する。

第３図は、前記メモリ10に設けられるデータ設定エリア
を示し、メモリエリアM₁には投入された貨幣の累計金額
が記憶され、メモリエリアM₂には第４図に例示する口座
料金テーブルがセットされている。

第５図は自動券売装置の動作制御の手順をステップ毎に
符号21〜36で示してある。切符購入操作前は、第６図に
示す如く、全ての口座選択スイッチ５の数字表示器が一
斉動作し、各口座選択スイッチ５にはそれぞれ口座の固
有金額が表示されている（ステップ21）。つぎに利用客
はこの口座選択スイッチ５を見て、購入を希望する口座
の存在を確認し、貨幣投入口４へその口座の固有金額
（例えば240円）若しくはそれ以上の金額の貨幣を投入
することになる。

かくして貨幣の投入があると、ステップ22が“YES"とな
り、ステップ23で投入金額表示器３に、投入金額の累計
額がデジタル表示される。

つぎのステップ24は、投入金額の累計額が口座最低金額
（この実施例の場合、120円）以上であるか否かを判定
している。今仮に投入金額の累計額が100円であると仮
定すると、ステップ24の判定は“NO"となり、つぎにス
テップ25で全ての口座スイッチ５が一旦消灯して無表示
状態となり、つぎのステップ26で貨幣の追加投入に待機
する。そして引き続き貨幣の追加投入が行われると、ス
テップ26が“YES"となってステップ23へ進み、投入金額
表示器３に投入金額の累計額がデジタル表示される。

上記貨幣の追加投入によって投入金額の累計額が口座最
低金額以上になると、ステップ24が“YES"となってステ
ップ27へ進み、その累計額で購入可能な口座が口座選択
スイッチ５の表示動作により利用客に知らされる。すな
わち制御装置９は、貨幣の投入があると、その都度投入
金額の累計額を算出して、その累計額と、各口座選択ス
イッチ５に割り当てられた固有の金額との大小を比較
し、その累計額が各口座選択スイッチ５の固有金額に達
する毎に、その固有金額を対応する口座選択スイッチ５
の数字表示器に表示させる。

今投入金額の累計額が240円であるとすると、第７図に
示す如く、固有金額が120円、150円、180円、210円、24
0円の各口座選択スイッチ5A〜5Eが表示動作を行うもの
である。そして利用客が購入希望口座の口座選択スイッ
チ5Eを押操作すると、ステップ28の「スイッチ操作有り
か？」の判定が“YES"となり、発券部８が押操作にかか
る口座選択スイッチ5Eに応じた口座の切符を印刷発行し
て放出すると共に、第８図に示す如く、押操作にかかる
口座選択スイッチ5Eのみが表示状態を維持し、他の口座
選択スイッチ5A〜5Dの表示が消える（ステップ29,3
0）。

上記動作の流れは、まず貨幣を投入した後に、所望の口
座選択スイッチを押操作した場合であるが、先に所望の
口座選択スイッチを押操作し、しかる後に対応する金額
の貨幣を投入することも可能である。

今第６図に示す切符購入操作前の状態下にあって、利用
客が所望口座の口座選択スイッチ5Eを押操作すると、ス
テップ22の「貨幣投入有か？」の判定が“NO",ステップ
31の「スイッチ操作有か？」の判定が“YES"となってス
テップ32へ進み、押操作にかかる口座選択スイッチ5Eの
みが表示状態を維持し、他の口座選択スイッチの表示が
消える（第８図に示す状態）。

つぎのステップ33は貨幣の投入有無を、またステップ34
は口座選択スイッチ５の操作有無を、それぞれチェック
しており、もし口座選択スイッチ５の再操作があると、
ステップ34が“YES"となって、再操作にかかる口座選択
スイッチ５のみが表示動作し、他の口座選択スイッチは
無表示状態となる（ステップ32）。

つぎにこの状態で貨幣の投入があると、ステップ33が
“YES"となってステップ35へ進み、投入金額表示器３に
投入金額の累計額が表示される。そして累計額が前記押
操作にかかる口座選択スイッチ5Eの固有金額に達する
と、ステップ36の判定が“YES"となってステップ29へ進
み、発券部８による発券処理が実行される。

なお上記の制御手順において、口座選択スイッチ５や投
入金額表示器３の表示動作の制御、投入金額の累計額の
計算、累計額と固有金額との比較等は、第２図の制御装
置９において実行されることは勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明にかかる自動券売装置を示す正面図、
第２図は自動券売装置の回路構成例を示すブロック図、
第３図はメモリのデータ記憶内容を示す説明図、第４図
は口座料金テーブルの一例を示す説明図、第５図は自動
券売装置の制御動作を示すフローチャート、第６図〜第
８図は口座選択スイッチの表示動作を示す説明図であ
る。 ４……紙幣投入口、 ５……口座選択スイッチ、６……放出口 ９……制御装置、10……メモリ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】貨幣投入口と、 数字表示器が組み込まれた複数の口座選択スイッチと、 前記貨幣投入口へ投入された貨幣の累計額を計算する演
   算手段と、 前記演算手段により計算された累計額と各口座選択スイ
   ッチに割り当てられた固有金額との大小を比較する比較
   手段と、 貨幣の投入および口座選択スイッチの操作の有無を判別
   し、その判別結果、前記演算手段の演算結果、および前
   記比較手段の比較結果に基づきいずれかの口座選択スイ
   ッチの数字表示器を表示動作させる制御手段とを備えて
   おり、 前記制御手段は、 貨幣の投入前でありかつ口座選択スイッチの操作前であ
   るとき、全ての口座選択スイッチの数字表示器を一斉に
   表示動作させて貨幣の投入または口座選択スイッチの操
   作のいずれかが行われるまで待機する第１の待機状態を
   設定し、 口座選択スイッチの操作前に貨幣が投入されたとき、投
   入貨幣の累計額以下の金額が割り当てられている口座選
   択スイッチの数字表示器を表示動作させ、表示動作され
   たいずれかの口座選択スイッチの操作に待機する第２の
   待機状態を設定し、 貨幣の投入前に口座選択スイッチが操作されたとき、操
   作された口座選択スイッチの数字表示器を表示動作させ
   てその口座選択スイッチの割り当てられた固有金額に相
   当する貨幣の投入に待機する第３の待機状態を設定する
   ようにした自動券売装置。