JPH0734042Y2 - 嵩物の陸揚・船積兼用機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は、箱物、袋物等の船荷の陸揚げと船積みの両
方を行う陸揚・船積兼用機に関するものである。

〈従来の技術〉 この種の兼用機には、スパイラルコンベヤ式アンローダ
・ローダが使用されており、このアンローダ・ローダ
は、第６図に示すように、岸壁に沿って走行可能なポー
タル１に回転駆動装置２を介して回転フレーム３を立設
し、この回転フレーム３に、先端にスパイラル垂直コン
ベヤ４を有するブームコンベヤ５を上下方向に起伏可能
に取付け、陸側において陸側コンベヤ６をポータル１に
取付け、旋回するブームコンベヤ５と陸側コンベヤ６と
を中継コンベヤ装置７により連結して構成され、船内か
ら地上側設備８へ、あるいは地上側設備から船内へと嵩
物を陸揚げ、船積みしている。

中継コンベヤ装置７は、種々の構造のものがあり、例え
ば第７図に示すように、ブームコンベヤ５にカーブコン
ベヤ50を介して半円リング状のラウンドコンベヤ51を接
続し、陸側コンベヤ６にカーブコンベヤ52を介して接続
した乗継コンベヤ53を、ラウンドコンベヤ51上に設け、
ブームコンベヤ５が旋回しても荷を搬送できるようにさ
れている。

〈この考案が解決しようとする課題〉 しかしながら、従来の陸揚・船積兼用機は岸壁の片側で
の荷役を主として設計され、嵩物の乗継範囲（ラウンド
コンベヤ）は140°程度とされている。そのため、海に
突出した桟橋に設置し、桟橋の両側において荷役を行う
場合には、第８図に示すように二台の陸揚・船積兼用機
を設置している。しかし、桟橋は幅が狭いので、第６図
に示すような陸揚・船積兼用機は使用できず陸側コンベ
ヤの構造を改造した特別な兼用機が二台必要となり、ま
た幅がさらに狭い場合には二台設置できない問題があっ
た。

この考案は前述のような問題点を解消すべくなされたも
ので、その目的は、一台の機械で桟橋の両側において荷
役が行える陸揚・船積兼用機を提供することにある。

〈課題を解決するための手段〉 本考案は、第４図に示すように、本体（ポータル）１に
対して旋回し得るブームコンベヤ５と、本体１に固定さ
れ前記ブームコンベヤ５に中継部９を介して連結された
陸側コンベヤ６を有する陸揚・船積兼用機において、第
１図に示すように、中継部９に旋回中心Ｏを回転中心と
して回転し得るターンテーブルフィーダー10を設け、ブ
ームコンベヤ５および陸側コンベヤ６とターンテーブル
フィーダー10の間に、ブーム側乗継コンベヤ11および陸
側乗継コンベヤ12をその搬送面がターンテーブルフィー
ダー搬送面と面一になるように配設し、各乗継コンベヤ
11,12の先端部に、ターンテーブルフィーダー10から乗
継コンベヤ11,12へ荷を方向転換させるデフレクター13
を設けて構成する。

陸側乗継コンベヤ12はポータル走行方向に配設し、カー
ブコンベヤ14、中継コンベヤ15を介して陸側コンベヤ６
に接続する。桟橋の幅が狭い場合には、第４図に示すよ
うに、陸側コンベヤ６をスパイラル式垂直コンベヤと
し、ポータル１の下方に搬出入路16を配設するのが好ま
しい。

〈作用〉 乗継コンベヤ11あるいは12からの荷はターンテーブルフ
ィーダー10上に移載され、正方向あるいは逆方向に回転
するターンテーブルフィーダー10により下流側の乗継コ
ンベヤまで移送され、ここでデフレクター13により荷が
乗継コンベヤ側へ方向転換され、船内あるいは陸側へ搬
送される。

ターンテーブルフィーダー10は荷を360°移送可能であ
るため、ブームコンベヤ５を180°以上旋回させても荷
の中継を行なうことができ、第５図に示すように、桟橋
17の両側で荷役を行なえる。なお、第１図においてはポ
スト3Aと雨よけカバー18との関係からブームコンベヤ５
の旋回範囲は180°となっているが、ポスト3Aをもっと
偏位させてカバー18の端部をブーム側乗継コンベヤに近
づけるよう配置すれば180°以上の旋回が可能なことは
いうまでもない。

〈実施例〉 これは、第４図、第５図に示すように、幅20数ｍの桟橋
17に二台の陸揚・船積兼用機を配置して桟橋両側の荷役
を行う例である。なお、従来と同一あるいは相当する部
分については同一符号を付する。

第４図に示すように、回転フレーム３のポスト3Aを旋回
中心Ｏから偏心させて配置し、基部3B上に中継部９を設
け、ポータル１に陸側コンベヤとなる垂直コンベヤ６を
固定する。

第１図ないし第３図に示すように、リング状の搬送面10
Aを有するターンテーブルフィーダー10を、その回転中
心が旋回中心Ｏと一致するように、基部3B上にベアリン
グ19を介して回転自在に設置し、ギヤードモータ20によ
り正逆回転させる。

ブーム側乗継コンベヤ11はポスト3Aの二叉フレームの間
に配設されており、その搬送面がターンテーブルフィー
ダー10の搬送面10Aと面一となるように、基部3B上に固
定する。陸側乗継コンベヤ12は、ポータル走行方向に配
設されており、その搬送面がテーブルフィーダー10の搬
送面10Aと面一になるようにポータル１上に支持架台を
介して固定する。11A,12Aはそれぞれ乗継コンベヤ11,12
の両側部に立設された搬送物落下防止用のガイドプレー
トで、その内の片側のデフレクター13に対面するガイド
プレートがターンテーブルフィーダー10の外周まで延設
されている。

デフレクター13は、ターンテーブルフィーダー10の搬送
面10A上に延在して荷の移動を阻止するように、その基
端部が乗継コンベヤ11,12の先端部における側部に軸着
されている。さらに、このデフレクター13はモートルシ
リンダ等適宜の手段により乗継コンベヤ側への傾動量が
調節できるようにされ、荷の方向転換を容易に行えるよ
うにされている。

18は、ターンテーブルフィーダー10の外周を覆うために
設けられた展張格納自在の雨よけカバーである。

なお、実施例では、陸側コンベヤ６は、スパイラルコン
ベヤ等の垂直コンベヤとされ、陸側乗継コンベヤ12との
間がカーブコンベヤ14、中継コンベヤ15で接続されてい
るが、陸側乗継コンベヤ12に直ちに接続される斜設され
たコンベヤでもよい。

〈考案の効果〉 前述のとおり、本考案は、ブームコンベヤと陸側コンベ
ヤを連結する中継部にターンテーブルフィーダーを設
け、このターンテーブルフィーダーの搬送面に面一の搬
送面をもつ２つの乗継コンベヤと、方向転換用のデフレ
クターにより荷の移載を行なうようにしたため、ブーム
コンベヤを180°以上旋回させて荷の搬送を行うことが
でき、一台の陸揚・船積兼用機で桟橋の両側の荷役を行
える。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は、この考案に係る陸揚・船積兼用機の
中継部を示す平面図、部分断面側面図、第３図は第１図
のIII-III線断面図、第４図、第５図は、この考案に係
る陸揚・船積兼用機の設置状態を示す側面図、平面図、
第６図、第７図は従来の陸揚・船積兼用機を示す側面
図、部分平面図、第８図は桟橋に設置する場合の従来例
を示す概略図である。 １……ポータル、２……回転駆動装置、３……回転フレ
ーム、４……スパイラル垂直コンベヤ、５……ブームコ
ンベヤ、６……陸側コンベヤ、７……中継コンベヤ装
置、８……地上側設備、９……中継部、10……ターンテ
ーブルフィーダー、11……ブーム側乗継コンベヤ、12…
…陸側乗継コンベヤ、13……デフレクター、14……カー
ブコンベヤ、15……中継コンベヤ、16……搬出入路、17
……桟橋、18……雨よけカバー、19……ベアリング、20
……ギヤードモータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】本体に対して旋回し得るブームコンベヤ
   と、本体に固定され前記ブームコンベヤに中継部を介し
   て連結された陸側コンベヤを有する陸揚・船積兼用機に
   おいて、 前記中継部に旋回中心を回転中心として回転し得るター
   ンテーブルフィーダーを設け、前記ブームコンベヤおよ
   び陸側コンベヤと前記ターンテーブルフィーダーとの間
   に、ブーム側乗継コンベヤおよび陸側乗継コンベヤをそ
   の搬送面がターンテーブルフィーダー搬送面と面一にな
   るように配設し、各乗継コンベヤの先端部に、ターンテ
   ーブルフィーダーから乗継コンベヤへ荷を方向転換させ
   るデフレクターを設けたことを特徴とする嵩物の陸揚・
   船積兼用機。