JPH0733805A - エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体の製造方法 - Google Patents
エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体の製造方法Info
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Abstract
と、重合媒体、単量体および重合開始剤の仕込みを連続
または断続的に行い、重合が進行する場の共重合体濃度
が重合媒体に対して0.01〜0.15g/ccとなる
ように重合させる、エチレン−テトラフルオロエチレン
系共重合体の製法。 【効果】本発明によれば、高温の力学特性、耐熱性、耐
溶剤性、耐薬品性に優れるETFE類を経済的に効率よ
く製造することができる。
Description
ロエチレン共重合体(以下、ETFEと略す)などのエ
チレン−テトラフルオロエチレン系共重合体(以下、E
TFE類と略す)の新規な製造方法に関し、詳しくは特
定の重合開始剤、重合媒体を用い、重合中の共重合体濃
度をある範囲内にすることにより、高温での力学的特
性、耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性などの良好なETFE
類を効率よく製造する方法に関する。
性などに優れた高分子材料であることから、その特徴を
生かして種々の用途に利用されている。
法や懸濁重合法、乳化重合法が知られており、溶液重合
法や懸濁重合法の重合媒体としては、クロロフルオロカ
ーボンなどの不活性溶媒が、高分子量の共重合体を与え
ることや重合速度などの点から、通常用いられている。
クロロフルオロカーボンの具体例としては、トリクロロ
フルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、トリクロ
ロトリフルオロエタン、ジクロロテトラフルオロエタン
などが例示できるが、取扱いの点からトリクロロトリフ
ルオロエタンが主に用いられている。
どのクロロフルオロカーボンはオゾン破壊の問題で将来
的に使用できなくなっている。その代替品としてパーフ
ルオロカーボンやハイドロフルオロカーボンが提案され
ている。ところがパーフルオロカーボンやハイドロフル
オロカーボンは、トリクロロトリフルオロエタンに比べ
ETFEとの親和性が乏しく、共重合体濃度を上げてい
くとスラリーが砂状になるとともに得られた共重合体の
分子量分布がブロードとなり高温での力学的物性が劣っ
てしまうことがわかった。
事情のもとで、高温での力学的物性、耐熱性、耐溶剤
性、耐薬品性に優れるETFE類を経済的に効率よく製
造する方法を提供することを目的としてなされたもので
ある。
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の重合開
始剤、特定のハイドロフルオロカーボンを用い、重合中
の共重合体濃度をある範囲内にすることによりその目的
を達成し得ることを見出した。
量体の重合によってETFE類を製造するにあたり、重
合媒体として炭素数3〜10のハイドロフルオロカーボ
ン(ただし、1≦水素原子数≦フッ素原子数)を用い、
生成する共重合体の一部抜き出しと原料単量体の仕込み
を連続または断続的に行い、重合が進行する場の共重合
体濃度がハイドロフルオロカーボンに対して0.01〜
0.15g/ccとなるように重合させることを特徴と
する、ETFE類の製造方法を提供するものである。
合法および懸濁重合法のいずれの形式も採用できる。ま
た使用する重合開始剤は、フッ素系やハイドロカーボン
系の有機過酸化物やアゾ化合物を用いることができる
が、フッ素系やハイドロカーボン系の有機過酸化物が共
重合体の熱安定性の面で好ましい。フッ素系の有機過酸
化物として、例えば、(ClCF2(CF2)n COO)2
などのジ−(クロロフルオロアシル)−パーオキサイ
ド、( CF3(CF2)n COO)2 、(CF3 CF2CF2
(CF(CF3)CF2 O)nCF(CF3)COO)2 など
のジ−(パーフルオロアシル)−パーオキサイド、(H
CF2(CF2)n COO)2 などのジ−(ω−ハイドロパ
ーフルオロアシル)−パーオキサイドなどが例示される
(ここでnは0または1〜8の整数)。ハイドロカーボ
ン系の有機過酸化物として、例えば、アセチルパーオキ
サイド、イソブチリルパーオキサイドなどのジアシルパ
ーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネー
ト、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネートなどの
パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソ
ブチレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブ
チルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート
などのパーオキシエステルなどが挙げられる。重合開始
剤の使用量は、種類、共重合反応条件などに応じて、適
宜変更可能であるが、通常は重合させるべき単量体全体
に対して、0.005〜5重量%、特に0.05〜0.
5重量%程度が採用される。
ッ素と、少なくとも1個以上で多くともフッ素の数に等
しい数の水素と、3〜10個の炭素だけで構成される飽
和有機化合物である。炭素の数が2個以下だと沸点が低
すぎ、重合圧力が上昇してしまい、また11個以上だと
沸点が高すぎてしまい重合後ポリマーと重合媒体を分離
することが難しくなり、製造上不利である。フッ素の数
以上に水素が存在するとその水素が連鎖移動してしま
い、望ましくない。特に望ましい重合媒体はC4F4 H4
、C4 F8 H2 、C5 F11H、C5 F10H2 、C6 F
13H、C6 F12H2 またはC6 F9 H5 で、具体的には
1,1,2,2−テトラフルオロシクロブタン、CF2
HCF2 CF2 CF2 H、CF3 CFHCF2 CF2 C
F3 、CF 3 CF2 CF2 CF2 CF2 H、CF3 CF
2 CFHCF2 CF3 、CF3 CFHCFHCF2 CF
3 、CF2 HCF2 CF2 CF2 CF2 H、CF2 HC
FHCF2 CF2 CF3 、CF3 CF2 CF2 CF2 C
F2 CF2 H、CF3 CH(CF3 )CF2 CF2 CF
3 、CF3 CF(CF3 )CFHCF2 CF3 、CF3
CF(CF3 )CFHCFHCF3 、CF3 CH(CF
3 )CFHCF2 CF3 、CF2 HCF2 CF2 CF2
CF2 CF2 H、CF3 CF2 CF2 CF2 CH2 CH
3 などである。
重合体濃度がハイドロフルオロカーボンに対して0.0
1〜0.15g/ccとなるように連続あるいは断続的
に生成する共重合体を一部抜き出すとともに、連続ある
いは断続的に原料の単量体を仕込むことが必要である。
抜き出す生成共重合体は通常重合媒体を含むスラリー状
のものであり、原料の単量体とともに重合媒体を同時に
あるいは随時仕込むことが好ましい。また、重合開始
剤、特に半減期の短い重合開始剤は連続的あるいは断続
的に仕込むことが好ましい。共重合体濃度が0.01g
/cc以下の重合では得られる共重合体の分子量をコン
トロールすることが難しいとともに生産性が悪く好まし
くない。また、共重合体濃度0.15g/cc以上の重
合では、スラリーが砂状となり得られた共重合体の分子
量分布が広くなり、高温の力学的物性が劣ってしまう。
好ましい共重合体濃度は0.02〜0.08g/ccで
ある。ここで、共重合体濃度とは重合が進行している場
の重合媒体量に対する生成共重合体の量を意味する。バ
ッチ反応の場合には、重合始めと重合終りの生成共重合
体の平均分子量の差が大きいため、最終的に得られる共
重合体の分子量分布が広くなり、高温の力学的物性が劣
ることになる。
チレン/エチレンの仕込みモル比30/70〜95/
5、特に40/60〜90/10で前記ハイドロフルオ
ロカーボンの中でテトラフルオロエチレンとエチレンを
共重合させ、ETFEを製造できる。
フルオロエチレン、エチレンの他に少量の共単量体をさ
らに共重合させたものが挙げられる。これらの共単量体
としてはCF2 =CFCl、CF2 =CH2 などのフル
オロエチレン類、CF2 =CFCF3 、CF2 =CHC
F3 などのフルオロプロピレン類、CF3 CF2 CF2
CF2 CH=CH2 やCF3 CF2 CF2 CF2 CF=
CH2 などのパーフルオロアルキル基の炭素数が4〜1
2の(パーフルオロアルキル)エチレン類、Rf (OC
FXCF2 )m OCF=CF2 (式中Rf は炭素数1〜
6のパーフルオロアルキル基、Xはフッ素原子またはト
リフルオロメチル基、mは1〜5の整数を表す。)など
のパーフルオロビニルエーテル類、CH3 OC(=O)
CF2 CF2 CF2 OCF=CF2 やFSO2 CF2 C
F2 OCF(CF3 )CF2 OCF=CF2 などの容易
にカルボン酸基やスルホン酸基に変換可能な基を有する
ビニルエーテル類などが単独でまたは2種以上組み合わ
せて用いることもできる。また、プロピレン、イソブチ
レンなどのオレフィン系単量体と組み合わせてもよい。
これらの共単量体の共重合割合は、通常ETFEに対し
て30モル%以下、特に0.1〜15モル%程度の使用
量にて採用されるのが望ましい。
イドロフルオロカーボンに水などの不活性溶媒を含有さ
せて用いることもできる。この場合、共重合体濃度は水
を除いたハイドロフルオロカーボンの量に対する共重合
体の量として計算される。重合媒体の使用量は、重合さ
せるべき単量体の種類により変化し得るものであるが、
単量体全体の重量に対して、3〜100倍量、好ましく
は5〜50倍量である。
子量をコントロールする目的で連鎖移動性を有する化合
物を通常添加するが、この化合物は重合媒体に可溶であ
る必要がある。しかし、連鎖移動定数の大きな化合物は
分子量調節の容易さを考慮するとわずかでも重合媒体に
溶解すればよい。また小さいオゾン破壊係数を有するこ
とが望ましい。これらの要求に合う化合物は、例えば、
ヘキサンなどのハイドロカーボン類、CF2 H2 などの
ハイドロフルオロカーボン類、CF3 CF2 CHCl2
などのハイドクロロフルオロカーボン類、アセトンなど
のケトン類、メタノール、エタノールなどのアルコール
類、あるいはメチルメルカプタンなどのメルカプタン類
などである。添加量は用いる化合物の連鎖移動定数の大
きさにより変わり得るが、重合媒体に対して0.01重
量%程度から50重量%程度が採用され得る。
反応条件が特に限定されることなく採用し得る。例え
ば、重合反応温度は、重合開始源の種類などにより最適
値が選定され得るが、通常は0〜100℃程度、特に3
0〜90℃程度が採用され得る。また、反応圧力も適宜
選定可能であるが、通常は2〜100kg/cm2 、特
に5〜20kg/cm2 程度を採用するのが望ましい。
本発明においては、過大の反応圧力を要することなく重
合を有利に行い得るのであるが、更に高い圧力を採用す
ることも可能である。
テスターにより、温度300℃、荷重30kgで内径1
mm、ランド長さ2mmのノズルより流出するポリマー
の単位時間(秒)あたりの容量(mm3 )を測定したも
のである。
し、重合媒体としてCF3 CF( CF3)CFHCFHC
F3 を1300g、連鎖移動剤としてメタノールを1.
8gを仕込み、テトラフルオロエチレン85g、エチレ
ン5.9g、(パーフルオロブチル)エチレン1.8g
を仕込んだ。温度を50℃に保持して、重合開始剤とし
てパーフルオロブチリルパーオキサイドの5重量%1,
1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン
溶液3mlを仕込み反応を開始させた。
エチレン、(パーフルオロブチル)エチレンの混合ガス
(モル比 53/47/0.7)を導入し、反応圧力を
保持した。反応の進行が遅くなったら重合開始剤溶液を
適宜追加仕込みして反応を進行させた。混合ガスの導入
量が50gとなったところで反応容器の底よりスラリー
を400cc抜き出し、反応容器にCF3 CF( CF3)
CFHCFHCF3 を600g圧入し、テトラフルオロ
エチレン、エチレン、(パーフルオロブチル)エチレン
混合ガス(モル比 80/20/0.7)を初めの重合
圧力になるまで仕込み、重合開始剤溶液を追加仕込みし
て重合を再開させた。
0.7の混合ガスを導入して反応圧力を保持した。混合
ガスがさらに50g導入された時点で冷却、未反応ガス
をパージし、75gの白色共重合体がスラリー状態とし
て得られた。この共重合体は融点270℃、熱分解開始
点350℃、容量流速67であり、300℃の成形温度
で着色の無い良好な圧縮成形品を与えた。成形品につい
ての引張強度は453kg/cm2 、引張伸度は470
%であり、180℃での引張強度は88kg/cm2 、
引張伸度は460%であった。得られた成形品を250
℃で3日間保持しても着色はほとんどみられなかった。
をAlCl3 /CFCl3 を触媒にして得られた付加物
を、Pd/C触媒を用いて水素添加して得られた化合物
であるCF3 CF2 CFHCFHCF3 を1300g仕
込んだ以外は実施例1と同様な方法で重合を行った。
4.5時間後に80gの白色共重合体がスラリー状態と
して得られた。該共重合体は融点268℃、熱分解開始
点345℃、容量流速36であり、300℃の成形温度
で着色の無い良好な圧縮成形品を与えた。成形品につい
ての引張強度は430kg/cm2 、引張伸度は470
%であり、180℃での引張強度は93kg/cm2 、
引張伸度は460%であった。得られた成形品を250
℃で3日間保持しても着色はほとんどみられなかった。
し、重合媒体としてCF3 CF( CF3)CFHCFHC
F3 を1300g、連鎖移動剤としてメタノールを2.
2gを仕込み、テトラフルオロエチレン85g、エチレ
ン5.9g、(パーフルオロブチル)エチレン1.8g
を仕込んだ。温度を50℃に保持して、重合開始剤とし
てパーフルオロブチリルパーオキサイドの5重量%1,
1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン
溶液3ccを仕込み反応を開始させた。反応中、系内に
テトラフルオロエチレン、エチレン、(パーフルオロブ
チル)エチレンの混合ガス(モル比 53/47/0.
7)を導入し、反応圧力を保持した。反応の進行が遅く
なったら重合開始剤溶液を適宜追加仕込みして反応を進
行させた。混合ガスが100g導入された時点で冷却、
未反応ガスをパージし、110gの白色共重合体が砂の
ようなスラリー状態として得られた。該共重合体は融点
268℃、熱分解開始点345℃、容量流速52であ
り、300℃の成形温度で着色の無い良好な圧縮成形品
を与えた。成形品についての引張強度は453kg/c
m2 、引張伸度は470%であった。180℃での引張
強度は68kg/cm2 、引張伸度は400%であり、
実施例1で得られた共重合体よりも180℃での引張強
度、伸度が低かった。
性、耐溶剤性、耐薬品性に優れるETFE類を経済的に
効率よく製造することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】重合媒体中における単量体の重合によって
エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体を製造す
るにあたり、重合媒体として炭素数3〜10のハイドロ
フルオロカーボン(ただし、1≦水素原子数≦フッ素原
子数)を用い、生成する共重合体の一部抜き出しと原料
単量体の仕込みを連続または断続的に行い、重合が進行
する場の共重合体濃度がハイドロフルオロカーボンに対
して0.01〜0.15g/ccとなるように重合させ
ることを特徴とする、エチレン−テトラフルオロエチレ
ン系共重合体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20292793A JP3272494B2 (ja) | 1993-07-23 | 1993-07-23 | エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体の製造方法 |
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JP20292793A JP3272494B2 (ja) | 1993-07-23 | 1993-07-23 | エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0733805A true JPH0733805A (ja) | 1995-02-03 |
JP3272494B2 JP3272494B2 (ja) | 2002-04-08 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002348302A (ja) * | 2001-05-23 | 2002-12-04 | Asahi Glass Co Ltd | エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体の製造方法 |
-
1993
- 1993-07-23 JP JP20292793A patent/JP3272494B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2002348302A (ja) * | 2001-05-23 | 2002-12-04 | Asahi Glass Co Ltd | エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体の製造方法 |
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