JPH06248016A - 弗素系重合体の製造法 - Google Patents

弗素系重合体の製造法

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JPH06248016A
JPH06248016A JP6286493A JP6286493A JPH06248016A JP H06248016 A JPH06248016 A JP H06248016A JP 6286493 A JP6286493 A JP 6286493A JP 6286493 A JP6286493 A JP 6286493A JP H06248016 A JPH06248016 A JP H06248016A
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JP
Japan
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polymerization
fluorine
fluoroolefin
monomer
perfluoroalkene
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JP6286493A
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English (en)
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Atsushi Funaki
篤 船木
Kazuo Kato
一雄 加藤
Teruo Takakura
輝夫 高倉
Kazuya Oharu
一也 大春
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】フルオロオレフィン単位を主構成単位として含
有する弗素系重合体を製造するにあたり、重合媒体とし
てヘキサフルオロプロピレンの2量体中の二重結合に弗
素を付加して得られる化合物などを用いる弗素系重合体
の製造法。 【効果】環境破壊をもたらすことの少ない重合媒体を用
い、耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性などの良好な弗素系重
合体が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は弗素系重合体の新規な製
法に関し、詳しくは、環境破壊をもたらすことの少ない
重合媒体を用いて耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性などの良
好な弗素系重合体を効率よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、弗素系重合体は耐熱性、耐溶剤
性、耐薬品性などに優れた高分子材料であることから、
その特徴を生かして種々の用途に利用されている。
【0003】弗素系重合体の製法としては、溶液重合
法、懸濁重合法、乳化重合法が知られている。溶液重合
法や懸濁重合法の重合媒体としては、クロロフルオロカ
ーボンなどの不活性溶媒が、高分子量の共重合体を与え
ることや重合速度などの点から通常用いられている。該
クロロフルオロカーボンの具体例としては、トリクロロ
フルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、トリクロ
ロトリフルオロエタン、ジクロロテトラフルオロエタン
などが挙げられるが、取扱いの点からトリクロロトリフ
ルオロエタンが主に用いられている。
【0004】ところで、近年、オゾン層破壊が地球規模
の環境破壊問題として国際的に取りあげられ、その原因
物質としてクロロフルオロカーボンが指摘され、世界的
に全廃の方向に向かっている。このため弗素系重合体を
製造する際に用いるクロロフルオロカーボンの使用を停
止する必要が生じてきている。
【0005】このクロロフルオロカーボンの代替品とし
ては、水素原子を含むハイドロフルオロカーボンが、小
さなオゾン破壊係数を有するため提案されている。しか
し、従来、C−H結合を有する物質は、フルオロオレフ
ィンに対して連鎖移動性を示すことが知られており、水
素原子を含むハイドロクロロフルオロカーボンを、高分
子量のフルオロオレフィン系重合体の製造の際の重合媒
体として使用することは困難であると考えられていた。
その他の重合媒体としての代替品として、t−ブタノー
ル(特公昭52−24073号公報)などが知られてい
るが、充分に高い分子量のものを得るためには、高圧で
重合する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、重合速度が速くて、弗素系重合体の分子
量を充分に高めることができ、かつオゾン破壊係数の大
きなクロロフルオロカーボンを使用することなく耐熱
性、耐溶剤性、耐薬品性に優れる弗素系重合体を効率よ
く製造する方法を提供することを目的としてなされたも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意研究を重
ね、テトラフルオロエチレン(TFE)またはヘキサフ
ルオロプロピレン(HFP)をアニオン的にオリゴメル
化して得られるパーフルオロアルケンの二重結合に弗素
を付加して得られるフルオロアルカン(以下単に「パー
フルオロアルケンの弗素付加体」という)は連鎖移動性
が少なく、これを重合媒体として用いることにより、上
記目的を達成し得ることを見出した。
【0008】すなわち、本発明は、重合媒体中における
重合によってフルオロオレフィン単位を主構成単位とし
て含有する弗素系重合体を製造するにあたり、前記重合
媒体として、パーフルオロアルケンの弗素付加体を用い
ることを特徴とする弗素系重合体の製造法である。
【0009】本発明におけるフルオロオレフィン単位を
主構成単位として含有する弗素系重合体は、パーフルオ
ロアルケンの弗素付加体中でフルオロオレフィン単量体
を単独で重合させるか、またはフルオロオレフィン単量
体と共重合するフルオロオレフィン単量体以外の下記単
量体を共重合して製造される。
【0010】本発明にて用いられるフルオロオレフィン
単量体は、分子中に少なくとも1個の弗素原子を有する
オレフィンであり、好ましくは、重合性および得られる
重合体の性質の点から、炭素2または3のフルオロオレ
フィン単量体である。
【0011】このようなフルオロオレフィン単量体の具
体例としては、TFE、CF2 =CFCl、CF2 =C
2 などのフルオロエチレン系、HFP、CF2 =CH
CF3 などのフルオロプロピレン系である。これらのフ
ルオロオレフィン単量体は、それぞれ単独で用いてもよ
いし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0012】またこれらのフルオロオレフィン単量体と
共重合する単量体としてCF3 (CF23 CH=CH
2 やCF3 (CF23 CF=CH2 などのパーフルオ
ロアルキル基の炭素数が4〜12の(パーフルオロアル
キル)エチレン系、Rf (OCFXCF2m OCF=
CF2 (式中、Rf は炭素数1〜6のパーフルオロアル
キル基、Xは弗素原子またはトリフルオロメチル基、m
は1〜6の整数を表す。)などのパーフルオロビニルエ
ーテル系、CH3 OC(=O)CF2 CF2 CF2 OC
F=CF2 やFSO2 CF2 CF2 OCF(CF3 )C
2 OCF=CF2 などの容易にカルボン酸基やスルホ
ン酸基に変換可能な基を有するビニルエーテルなどと組
み合わせて用いることもできる。また、エチレン、プロ
ピレン、イソブチレンなどのオレフィン系単量体と組み
合わせてもよい。
【0013】本発明でのパーフルオロアルケンの弗素付
加体としては、TFEの3量体、4量体、5量体、また
はHFPの2量体、3量体の二重結合に電解弗素化等に
より弗素を付加して得られる化合物が好適であり、これ
らのパーフルオロアルケンの弗素付加体の混合物でもよ
い。
【0014】本発明では、重合媒体としてパーフルオロ
アルケンの弗素付加体に水などの不活性溶媒を含有させ
て用いることもできる。重合媒体の使用量は、重合させ
るべき単量体の種類により変化し得るものであるが、単
量体全量の重量に対して、3〜100倍量、好ましくは
5〜50倍量である。
【0015】本発明では、重合形式として溶液重合法お
よび懸濁重合法のいずれの形式も採用できるし、また使
用する重合開始剤は重合形式に応じて従来慣用されてい
るもののうちから適宜選択できる。例えば、ジ(クロロ
フルオロアシル)パーオキシド、ジ(パーフルオロアシ
ル)パーオキシド、ジ(ω−ハイドロパーフルオロアシ
ル)パーオキシド、t−ブチルパーオキシイソブチレー
ト、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートなどの有
機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化
合物が挙げられる。重合開始剤の使用量は、種類、重合
反応条件などに応じて適宜変更可能であるが、通常は重
合させるべき単量体全体に対して、0.005〜5重量
%、特に0.05〜0.5重量%程度が採用される。
【0016】本発明の重合反応に際しては、広い範囲の
反応条件が特に限定されることなく採用し得る。例え
ば、重合反応温度は、重合開始源の種類などにより最適
値が選定され得るが、通常は0〜100℃程度、特に3
0〜90℃程度が採用され得る。また、反応圧力も適宜
選定可能であるが、通常は2〜100kg/cm2 、特
に5〜20kg/cm2 程度を採用するのが望ましい。
本発明においては、過大の反応圧力を要することなく重
合を有利に行い得るのであるが、さらに高い圧力も採用
できるとともに、減圧条件でも可能である。また、本発
明は、回分式、連続式など適宜操作によって行い得る。
【0017】本発明における重合において、重合体の分
子量をコントロールする目的で連鎖移動性を有する化合
物を通常添加するが、この化合物はパーフルオロアルケ
ンの弗素付加体に可溶である必要がある。しかし、連鎖
移動定数の大きな化合物は分子量調節の容易さを考慮す
るとわずかでもパーフルオロアルケンの弗素付加体に溶
解すればよい。また小さいオゾン破壊係数を有すること
が望ましい。これらの要求に合う化合物は、例えば、ヘ
キサンなどのハイドロカーボン類、CF22などのハ
イドロフルオロカーボン類、CF3 CF2 CHCl2
どのハイドクロロフルオロカーボン類、アセトンなどの
ケトン類、メタノール、エタノールなどのアルコール
類、またはメチルメルカプタンなどのメルカプタン類な
どである。添加量は用いる化合物の連鎖移動定数の大き
さにより変わり得るが、重合媒体に対して0.01重量
%程度から50重量%程度が採用され得る。
【0018】
【実施例】
[合成例1]2リットルのオートクレーブにスプレード
ライKF40gとアセトニトリル300gを入れ、70
℃にする。そこにHFPガスを反応器内圧が5kg/c
2になるようにフィードを続け、1.6kgフィード
したところで反応を終了した。生成物をガスクロマトグ
ラフ分析したところ、CF3 CF(CF3 )CF=CF
CF3 :(CF32 C=CFCF2 CF3 :(CF
32 CFCF=C(CF3 )CF(CF32 :(C
32 C=C(CF3 )CF2 CF(CF32 =9
1:3:1.5:1.5の割合であった。蒸留により沸
点47〜48℃のHFP2量体[CF3 CF(CF3
CF=CFCF3 :(CF32 C=CFCF2 CF3
=97:3]の混合物を得た。
【0019】次に還流冷却器と2.5mmの間隔のニッ
ケル電極を備えた2リットルのステンレス製電解槽に無
水弗化水素1500gと、前記HFP2量体の混合物3
00gを入れ、5℃で平均0.5A/dm2 の電流密
度、5.0〜6.0Vの電圧範囲で10時間電気分解し
た。無水弗化水素不溶部をわけ取り、カセイソーダ水溶
液で洗浄し蒸留することにより沸点57℃のパーフルオ
ロ−2−メチルペンタンを170g得た。
【0020】[実施例1]内容積1.2リットルのステ
ンレス製反応容器を脱気し、合成例1で得たパーフルオ
ロ−2−メチルペンタン1300g、(パーフルオロブ
チル)エチレン1.8g、TFE85g、エチレン5.
9gを仕込んだ。温度を50℃に保持して、重合開始剤
としてジ(パーフルオロブチリル)パーオキシドの1重
量%パーフルオロヘキサン溶液を仕込み、反応を開始さ
せた。反応中、系内にTFEとエチレンの混合ガス(モ
ル比C24 /C24 =53/47)を導入し、反応
圧力を9.7kg/cm2 に保持した。
【0021】重合開始剤は重合速度がほぼ一定になるよ
うに断続的に仕込み、合計で14cc仕込んだ。3時間
後に82gの白色共重合体がスラリー状態として得られ
た。該共重合体は融点273℃、熱分解開始点357℃
であり、300℃の成形温度で良好な圧縮成形品を与え
た。成形品についての引張強度は435kg/cm2
引張伸度は450%であった。
【0022】[実施例2]内容積1.2リットルのステ
ンレス製反応容器を脱気し、合成例1で得たパーフルオ
ロ−2−メチルペンタン1400g、パーフルオロプロ
ピルビニルエーテル32g、TFE80gを仕込んだ。
温度を50℃に保持して、重合開始剤としてジ(パーフ
ルオロブチリル)パーオキシドの1重量%パーフルオロ
ヘキサン溶液を仕込み、反応を開始させた。反応中、系
内にTFEを導入し、反応圧力を5.1kg/cm2
保持した。
【0023】重合開始剤は重合速度がほぼ一定になるよ
うに断続的に仕込み、合計で7cc仕込んだ。3.5時
間後に77gの白色共重合体がスラリー状態として得ら
れた。該共重合体は融点305℃、熱分解開始点455
℃であり、340℃の成形温度で良好な圧縮成形品を与
えた。成形品についての引張強度は425kg/cm
2 、引張伸度は320%であった。
【0024】[実施例3]パーフルオロプロピルビニル
エーテル32gのかわりにHFP400gを仕込み、合
成例1で得たパーフルオロ−2−メチルペンタンの仕込
み量を1400gのかわりに1000gとする以外は実
施例2と同様な方法で重合を行い、2.5時間後に32
gの白色共重合体がスラリー状態として得られた。該共
重合体は融点295℃、熱分解開始点432℃であり、
340℃の成形温度で良好な圧縮成形品を与えた。成形
品についての引張強度は350kg/cm2 、引張伸度
は320%であった。
【0025】[比較例1]内容積1.2リットルのステ
ンレス製反応容器に、脱酸素水500g、t−ブタノー
ル200g、ジコハク酸過酸化物0.65gを仕込む。
温度を65℃に保持して反応を行った。反応中、系内に
TFEとエチレンの混合ガス(モル比TFE/C24
=53/47)を導入し、反応圧力を9kg/cm2
保持する。4時間後に24.6gの白色共重合体が得ら
れた。該共重合体は、融点269℃、熱分解開始温度3
61℃であった。300℃で圧縮成形した成形品は、分
子量が低く脆いものであった。
【0026】[参考例1]合成例1で得たパーフルオロ
アルケンの弗素付加体混合物を仕込むかわりに1,1,
2−トリクロロトリフルオロエタンを1255g仕込
み、連鎖移動剤として1,1−ジクロロ−2,2,3,
3,3−ペンタフルオロプロパンを13.5g仕込む以
外は実施例1と同じ方法で重合を行い、2時間半後に3
5gの白色共重合体がスラリー状態として得られた。該
共重合体は融点274℃、熱分解開始点350℃であ
り、300℃の成形温度で良好な圧縮成形品を与えた。
成形品についての引張強度は430kg/cm2 、引張
伸度は470%であった。
【0027】
【発明の効果】本発明の方法によれば、オゾン破壊効果
がはるかに低く、従来のトリクロロトリフルオロエタン
溶媒を用いた場合に匹敵する効率で所望の弗素系重合体
を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大春 一也 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合媒体中における重合によってフルオロ
    オレフィン単位を主構成単位として含有する弗素系重合
    体を製造するにあたり、前記重合媒体としてテトラフル
    オロエチレンまたはヘキサフルオロプロピレンをアニオ
    ン的にオリゴメル化して得られるパーフルオロアルケン
    の二重結合に弗素を付加して得られるフルオロアルカン
    を用いることを特徴とする弗素系重合体の製造法。
  2. 【請求項2】弗素系重合体が、テトラフルオロエチレン
    /エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン/パーフ
    ルオロアルキルビニルエーテル共重合体またはテトラフ
    ルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体で
    ある請求項1の製造法。
JP6286493A 1993-02-26 1993-02-26 弗素系重合体の製造法 Pending JPH06248016A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008024602A1 (en) * 2006-08-24 2008-02-28 3M Innovative Properties Company Process for producing fluoropolymers
US8212064B2 (en) 2008-05-14 2012-07-03 E.I. Du Pont De Nemours And Company Ethylene tetrafluoroethylene intermediates
US8318877B2 (en) 2008-05-20 2012-11-27 E.I. Du Pont De Nemours And Company Ethylene tetrafluoroethylene (meth)acrylate copolymers
CN105837398A (zh) * 2016-06-27 2016-08-10 浙江诺亚氟化工有限公司 一种全氟-2-甲基-2-戊烯的工业化生产方法及生产装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008024602A1 (en) * 2006-08-24 2008-02-28 3M Innovative Properties Company Process for producing fluoropolymers
US8212064B2 (en) 2008-05-14 2012-07-03 E.I. Du Pont De Nemours And Company Ethylene tetrafluoroethylene intermediates
US8318877B2 (en) 2008-05-20 2012-11-27 E.I. Du Pont De Nemours And Company Ethylene tetrafluoroethylene (meth)acrylate copolymers
CN105837398A (zh) * 2016-06-27 2016-08-10 浙江诺亚氟化工有限公司 一种全氟-2-甲基-2-戊烯的工业化生产方法及生产装置

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