JPH07335239A - 接合体の製造方法 - Google Patents

接合体の製造方法

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JPH07335239A
JPH07335239A JP6148787A JP14878794A JPH07335239A JP H07335239 A JPH07335239 A JP H07335239A JP 6148787 A JP6148787 A JP 6148787A JP 14878794 A JP14878794 A JP 14878794A JP H07335239 A JPH07335239 A JP H07335239A
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JP
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separator
pressure
electrode
joined
laminated body
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JP6148787A
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Inventor
Shinji Kawasaki
真司 川崎
Shigenori Ito
重則 伊藤
Makoto Murai
真 村井
Yasufumi Aihara
靖文 相原
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NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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  • Fuel Cell (AREA)
  • Ceramic Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】固体電解質セルのセパレータと電極との接合体
を製造する。焼成時の線収縮率差が5%以下であるセパ
レータのグリーン成形体1と電極のグリーン成形体4と
の間に接合材3を挟んで積層体12を製造し、積層体1
2を加圧成形し、次いで加圧成形体を一体焼成すること
によって接合体を製造する。特に、積層体12に中空部
2が設けられており、積層体の中空部12を含む全表面
を弾性材料5A、5Bで被覆し、次いで積層体12をコ
ールドアイソスタティックプレス法によって加圧成形
し、この加圧成形体を一体焼成することによって、接合
体を製造する。 【効果】セパレータと空気極との接合界面における微視
的な接合不良を、顕著に低減することができ、特に中空
部を有する共焼結体を容易に製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二種のセラミックス材
の接合体を製造する方法に関するものであり、例えば、
固体電解質型燃料電池(SOFC)のセパレータと電極
との接合体を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】固体電解質型燃料電池は、1000°C
等の高温で作動するため電極反応が極めて活発で、高価
な白金などの貴金属触媒を全く必要とせず、分極が小さ
く、出力電圧も比較的高いため、エネルギー変換効率が
他の燃料電池に比べて著しく高い。更に、構造材は全て
固体から構成されるため、安定かつ長寿命である。固体
電解質型燃料電池は、いわゆる平板型と円筒型とに大別
される。平板型の固体電解質型燃料電池においては、い
わゆるセパレータと発電層とを交互に積層することによ
り、発電用のスタックを構成する。
【0003】特開平5─54897号公報においては、
燃料極と空気極とをそれぞれ形成して発電層を作成し、
またインターコネクターを作成し、この発電層とインタ
ーコネクターとの間に、セラミックス粉末と有機バイン
ダーとを含有する薄膜を挟み、これを熱処理することに
より、発電層とインターコネクターとを接合している。
また、特開平6─68885号公報においては、インタ
ーコネクターのグリーン成形体と空気極側ディストリビ
ューターのグリーン成形体とを積層し、この積層体を一
体焼結させることにより、インターコネクターとディス
トリビューターとを接合することが記載されている。こ
の方法においては、両者のグリーン成形体の間に、両者
と熱収縮挙動が極端に異なる材料を塗布することによ
り、グリーン成形体間の応力を緩和する応力緩和層を形
成している。この応力緩和層は、焼成収縮時に細かく破
壊し、これによって応力が緩和される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、発電層とイン
ターコネクターとの間に、セラミックス粉末と有機バイ
ンダーとを含有する薄膜を挟み、これを熱処理する接合
方法では、接合体の界面を電子顕微鏡等で微視的に観察
すると、切れ目無く接合している部分もあるが、接合界
面が切れ目として明瞭に観察できる部分も多く残留して
おり、接合状態に改善の余地があることが判明してき
た。
【0005】特に、前記した特開平5─54897号公
報においては、発電層とセパレータとを接合している
が、本発明者は、自立型の空気極とセパレータとを接合
し、次いで空気極の表面に固体電解質膜及び燃料極膜を
順次形成することを試みていた。しかし、自立型の空気
極とセパレータとの間に前記薄膜を挟み、焼結させてみ
ても、やはり前記したように、接合界面が切れ目として
明瞭に観察できる部分が多く残留していた。そして、本
発明者は、この接合体の空気極の上にプラズマ溶射法に
よって固体電解質膜を形成することを試みたが、このプ
ラズマ溶射の際の衝撃によって、セパレータと空気極と
が剥離することがあった。これも、前記した接合界面の
状態が不良であることに起因するものと考えられる。ま
た、接合強度が低い不良品が発生することもあり、改善
が必要とされていた。
【0006】特開平6─68885号公報においては、
インターコネクターのグリーン成形体と空気極側ディス
トリビューターのグリーン成形体との間に、応力緩和層
を形成しているが、この方法は適用できなかった。なぜ
なら、自立型の空気極とセパレータとの各グリーン成形
体の間に、これらと熱収縮挙動が極端に異なる材料のグ
リーンシートを挟み、一体焼結させても、セパレータと
空気極との接合状態は不良であり、これら両者の接合界
面を微視的に見ると接合していないからである。
【0007】本発明の課題は、固体電解質型燃料電池の
セパレータと空気極との接合体を製造するのに際して、
両者の接合界面の接合状態を良好にすることであり、こ
れによって、接合強度が低い不良品が発生したり、後に
固体電解質膜、燃料極膜等を空気極上に形成する段階
に、この接合界面が剥離したりするのを、防止すること
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、固体電解質セ
ルのセパレータと電極との接合体を製造する方法であっ
て、焼成時の線収縮率差が5%以下であるセパレータの
グリーン成形体と電極のグリーン成形体との間に接合材
を挟んで積層体を製造し、この積層体を加圧成形し、次
いでこの加圧成形体を一体焼成することによってセパレ
ータと電極とを接合する方法に係るものである。
【0009】本発明者は、特開平5─54897号公報
と特開平6─68885号公報に記載された方法を応用
して、セパレータのグリーン成形体と電極のグリーン成
形体との間に接合材を挟んで積層体を製造し、この積層
体を共焼結させることを試みた。しかし、この方法によ
っても、やはり界面に微視的に見てかなりの接合不良が
見られた。
【0010】そこで、両者のグリーン成形体の線収縮率
差を5%以内に抑制すると共に、一旦積層体を製造した
後、この積層体を加圧成形し、加圧成形体を共焼結させ
ると、両者の界面における接合不良が顕著に減少するこ
とを確認し、本発明に到達した。
【0011】両者のグリーン成形体の線収縮率差が5%
を越えると、接合ができたとしても、接合体にかなり大
きな反りが生じ、しかも内部応力をこの反りによって緩
和することができず、両者の剥離が特に接合体の端部に
おいて発生した。これが5%以内であれば、接合体の剥
離は発生しなかったが、しかし接合体の反りの絶対量が
大きいので、接合体を多数積み重ねて発電装置を構成す
ることが、困難になる傾向があった。両者のグリーン成
形体の線収縮率差を2%以内に抑えれば、こうした反り
による問題もほとんど生じなくなるので、特に好まし
い。
【0012】両者のグリーン成形体の線収縮率差は、セ
ラミックス材料中の粉末の粒径を調整することによっ
て、接近させることができる。本発明においてセパレー
タと接合すべき電極は、空気極及び燃料極の双方を含む
が、空気極の方が、より一層好適である。しかも、自立
型(自己支持型)の空気極とセパレータとを接合するこ
とが、特に好適である。なぜなら、空気極及びセパレー
タの各グリーン成形体の接合体を加圧成形するのに際し
て、自立型の空気極の方が、厚さが大きく、強度が大き
いので、取扱易いからである。
【0013】また、線収縮率差を調整する上で、セパレ
ータのグリーン成形体の相対密度は、55〜70%とす
ることが好ましく、セパレータの相対密度は94%以上
とすることが好ましい。更に、同じ観点から、空気極の
グリーン成形体の相対密度は40〜55%とすることが
好ましく、空気極の相対密度は60〜80%とすること
が好ましい。
【0014】セパレータの材料はランタンを含有するペ
ロブスカイト型複合酸化物であることが好ましく、ラン
タンクロマイトであることが更に好ましい。耐熱性、耐
酸化性、耐還元性を有しているからである。また、空気
極の材料はランタンを含有するペロブスカイト型複合酸
化物であることが好ましく、ランタンマンガナイト又は
ランタンコバルタイトであることが更に好ましく、ラン
タンマンガナイトが一層好ましい。ランタンクロマイト
及びランタンマンガナイトは、ストロンチウム、カルシ
ウム、クロム(ランタンマンガナイトの場合)、コバル
ト、鉄、アルミニウム等をドープしたものであってよ
い。これらの各グリーン成形体は、前記材料以外に、有
機バインダー、造孔剤等の添加剤を含有させることが好
ましい。
【0015】セパレータ及び空気極の接合材が、セパレ
ータの材料と電極の材料との少なくとも一方を含有して
いる場合には、両者が一層接合し易くなる。特に、空気
極の材料がランタンを含有するペロブスカイト型複合酸
化物であり、接合材がランタンクロマイトである場合に
は、ランタンクロマイト中のクロム成分が空気極中に拡
散していくので、接合材中のランタンクロマイト成分の
組成がクロム欠損状態となり、接合材が焼結し易くなる
ので、接合強度が特に向上する。ただし、この場合に
は、クロムの拡散を進行させるために、1450℃以上
の温度で焼結することが必要である。
【0016】接合材は、接合の主原料(好ましくは上記
したセパレータの材料と電極の材料との少なくとも一
方)に、有機バインダーと水とを混合して作成したペー
ストが好ましい。有機バインダーとしては、粉末の性
状、溶媒、分散材によって異なるが、ポリメチルアクリ
レート、ニトロセルロース、ポリビニルアルコール、メ
チルセルロース、ワックス、アクリル酸ポリマー、メタ
クリル酸ポリマー等を例示することができる。
【0017】積層体を加圧成形するのに先立って、乾燥
することが好ましく、この乾燥工程を実施することによ
って、積層体を加圧成形した際、接合材が両グリーン成
形体とほぼ同じくらいにまで緻密化するため、焼成時の
接合材の収縮率が両グリーン成形体の収縮率とほぼ等し
くなり、焼成後の接合界面の状態が非常に良好となる。
ただし、この乾燥工程において、電極のグリーン成形体
に反りが生じやすく、この反りが原因でグリーン成形体
間に剥離が生じやすい。しかし、乾燥工程において、特
に積層体を加圧しながら乾燥を行うことにより、この電
極のグリーン成形体の反りを抑制することができる。
【0018】特に、本発明者が発見したところでは、こ
の乾燥工程において、環状の弾性部材を積層体の周面に
沿って掛けることにより、積層体を加圧することが特に
好ましい。なぜなら、各グリーン成形体の外周面の形状
に、寸法のずれや凹凸等が存在している場合でも、環状
の弾性部材によって、積層体の全周面からほぼ等方的に
圧力を加えることができるからである。これによって、
無理な加圧力によって、未だ強度の低い積層体が、変
形、破損するのを防止することができる。
【0019】積層体を加圧成形する際の圧力は、積層体
の各グリーン成形体の密着性を高めるという観点から、
100kgf/cm2 以上、更には500kgf/cm
2 以上とすることが好ましく、加圧力の上限は、実用的
には10tf/cm2 以下とすることができる。加圧成
形方法としては、一軸プレス法やコールドアイソスタテ
ィックプレス法を採用することが好ましい。
【0020】ただし、積層体の中に中空部が形成されて
いる場合には、新たな問題があった。即ち、積層体を構
成する各グリーン成形体がいずれも平板である場合に
は、一軸プレス法によって大きな加圧力を加えることも
可能であるが、積層体の中に中空部が形成されている場
合には、加圧力が大きくなると、積層体が中空部の方へ
と向かって破壊した。
【0021】特に、本発明者は、全体として平板形状の
接合体の中に、溝状の中空部を設け、この中空部を酸化
ガス流路又は燃料ガス流路として使用することを、検討
していた。こうした構成を採用することによって、酸化
ガス又は燃料ガスのディストリビューターを不要にする
ことができる。しかし、一軸加圧成形法にる場合には、
100kgf/cm2 を越える圧力を加えると、積層体
が破損することがあった。
【0022】本発明者は、この問題を解決するために、
積層体を液状ラテックス中に投入し、積層体の外側表面
だけでなく、中空部に露出した内面にも液状ラテックス
を付着させ、次いで積層体を乾燥させ、この中空部を含
む全表面を弾性材料で被覆し、この積層体をコールドア
イソスタティックプレス法によって加圧成形してみた。
この結果、500kgf/cm2 以上の大きな圧力を加
えても、積層体が破壊せず、しかも、セパレータと電極
との間の密着性を十分に高めることができ、結果的に、
共焼結体において、セパレータと電極との界面を切れ目
無く接合させることに成功した。
【0023】更に、この方法は、固体電解質型燃料電池
のセパレータや電極以外のセラミックス材料について
も、良好に適用可能であることが判った。即ち、本発明
に係る接合体の製造方法は、焼成時の線収縮率差が5%
以下である第一のセラミックス材のグリーン成形体と第
二のセラミックス材のグリーン成形体との間に接合材を
挟んで積層体を製造し、この際積層体に中空部が設けら
れており、この積層体の中空部を含む全表面を弾性材料
で被覆し、次いでこの積層体をコールドアイソスタティ
ックプレス法によって加圧成形し、この加圧成形体を一
体焼成することによって第一のセラミックス材と前記第
二のセラミックス材とを接合させることを特徴としてい
る。
【0024】更に、本発明によって、固体電解質セルを
製造するには、焼成時の線収縮率差が5%以下であるセ
パレータのグリーン成形体と電極のグリーン成形体との
間に接合材を挟んで積層体を製造し、この積層体を加圧
成形し、次いでこの加圧成形体を一体焼成することによ
って接合体を製造し、次いでこの接合体の電極の上に、
固体電解質膜と他方の電極膜とを順次形成することがで
きる。この固体電解質膜は、生産性の高い溶射法、特に
プラズマ溶射法によって形成することが好ましい。
【0025】特に、接合体の中に中空部をガス流路とし
て形成した場合には、固体電解質膜とセパレータとを互
いに接触させ、連続させることにより、中空部の気密性
を保持することが必要である。
【0026】
【実施例】図1は、本実施例で製造するセパレータのグ
リーン成形体1を示す平面図であり、図2(a)は、セ
パレータのグリーン成形体1と空気極のグリーン成形体
4との積層体12を示す正面図であり、図2(b)は、
積層体12を示す側面図であり、図3は、積層体12の
全表面に弾性被覆膜5A及び5Bを形成した状態を示す
正面図であり、図4は、固体電解質セルを示す正面図で
ある。
【0027】グリーン成形体1は、例えば平面的に見て
長方形であり、四角柱状の隔壁1a及び1bが設けられ
ており、隔壁1aと1bとの間、隔壁1bと1bとの間
に、それぞれ溝状の酸化ガス流路が設けられている。こ
のグリーン成形体1を、図2(a)に示すように設置
し、グリーン成形体1の各隔壁1a及び1bの上側面1
e、1fに、それぞれ接合材3を塗布し、この上に、空
気極のグリーン成形体4を設置する。
【0028】これにより、グリーン成形体1と4とを一
体化し、積層体12を作成する。グリーン成形体4の下
側面4cと隔壁1a、1bの上側面1e、1fとの間に
接合材3を充填し、グリーン成形体4の側面4bとグリ
ーン成形体1の側面1cとをほぼ段差がないように連続
させる。この結果、四角柱形状の酸化ガス流路2の端部
2a、2bがグリーン成形体1の端面1d側に開放され
る。
【0029】そして、図2(b)に示すように、環状の
弾性体7(例えばゴム)を、所定個数、積層体12の側
面方向に掛け、弾性体7をグリーン成形体4の上側面4
a、側面4b、グリーン成形体1の側面1c及びその底
面に接触させ、積層体12の全体を弾性的に押圧する。
この状態で積層体12を十分乾燥する。こ乾燥は、10
0℃以下の温度で加熱したり、及び/又は送風すること
によって、実施する。
【0030】次いで、この積層体12を液状ラテックス
等の弾性材料の中に入れ、液状ラテックス等を付着さ
せ、次いで乾燥する。これにより、図3に示すように、
積層体12の外側表面の全体に弾性被膜5Aが形成さ
れ、かつ、積層体12の中空部2に面する表面に、弾性
被膜5Bが形成される。次いで、この積層体をコールド
アイソスタティックプレス法によって加圧成形し、加圧
成形体を製造し、この加圧成形体を焼成することによっ
て、図4に示す接合体20を製造する。この焼成温度
は、セラミックス材料の種類によって、選択する。
【0031】図4の接合体20においては、空気極14
の下側面14cと隔壁21a、21bの上側面21e、
21fとが接合されており、空気極14の側面14bと
グリーン成形体21の側面21cとが段差なく連続して
おり、四角柱形状の酸化ガス流路2の端部2a、2b
が、セパレータ21の端面21d側に開放される。
【0032】次いで、緻密質の固体電解質膜8を、空気
極14の上側面14a、側面14b及びセパレータ21
の側面21cの上部を覆うように形成する。この結果、
酸化ガス流路2の気密性が、その開口2a、2bの部分
を除いて、保持される。固体電解質膜8の上に燃料極膜
9を形成する。
【0033】固体電解質膜の材料としては、イットリア
安定化ジルコニア又はイットリア部分安定化ジルコニア
が好ましいが、他の材料を使用することもできる。燃料
極の材料としては、ニッケル、ニッケル─ジルコニアサ
ーメットが好ましい。
【0034】以下、更に具体的な実験結果について述べ
る。 (実験1)図4に示すような形状のセパレータ21をラ
ンタンクロマイトによって形成し、空気極14をランタ
ンマンガナイトによって形成した。このランタンクロマ
イト及びランタンマンガナイトを等量毎含有するペース
トからなる接合材をセパレータ21と空気極14との間
に挟み、1550℃で熱処理し、接合体を製造した。
【0035】こうして得られた接合体について、接合体
の接合界面が露出するように接合体を切断し、この切断
面を研磨加工し、この研磨面を走査型電子顕微鏡写真に
よって撮影した。この際、接合界面付近に、セパレータ
と空気極との境界線が見える部分と、こうした境界線が
見えない部分とに、明瞭に区分することができた。この
接合界面の全長を顕微鏡写真から測定し、かつ境界面が
見えない部分の長さを測定し、この割合を算出した。境
界線が見えない部分の長さの比率を、「接合割合」とし
て表示する。
【0036】図6は、×50で撮影した、セパレータと
空気極との接合界面のセラミックス組織を示す走査型電
子顕微鏡写真であり、図7は、×1000で撮影した、
セパレータと空気極との接合界面のセラミックス組織を
示す走査型電子顕微鏡写真である。これらの写真からも
明らかなように、本実験の試料においては、セパレータ
と空気極とは接合せず、接合割合は0%であった。
【0037】(実験2)図1〜図4を参照しつつ説明し
た前記方法に従って、表1に示す試験A〜Gの各例の接
合体を製造した。グリーン成形体1の材料は、ランタン
クロマイトであり、グリーン成形体4の材料は、ランタ
ンマンガナイトであり、両者共に押出成形法によって製
造した。この際、両者の焼成時の線収縮率差は、各々の
材料の粒径、組成及び増孔剤の添加量を変化させること
によって、調整した。線収縮率差を表1に示す。
【0038】接合材3としては、グリーン成形体1の材
料と4の材料とを等量毎混合し、メチルセルロースと水
を加えたものを使用した。環状の弾性体7としてはゴム
を使用した。乾燥工程は、60℃で15時間実施した。
積層体12を液状ラテックスに3回繰り返して浸漬し
た。この積層体12を、表1に示す加圧圧力でコールド
アイソスタティックプレス法によって加圧し、加圧成形
体を、表1に示す焼成温度で共焼結させ、接合体20を
製造した。
【0039】この接合体20の前記「接合割合」と反り
とを測定し、表1に示した。この「反り」を、図5に模
式的に示す方法で測定した。即ち、試験試料11を平坦
な台10の上に静置し、試料11の中央部分において、
台12の表面からの試料11の高さlを測定した。ただ
し、各試料の長さは50mmである。
【0040】
【表1】
【0041】試験Aにおいては、極めて接合状態が良好
であり、微視的に検査してみても、接合不良な部分はほ
とんど見られなかった。試験Bにおいては、前記線収縮
率差2%にまで上昇させているが、反りは0.2mmで
あり、やはり接合不良な部分はほとんど見られなかっ
た。また、この程度の反りは、セルの長さを50cm程
度にまで大きくしたとしても、セルを積み重ねて発電装
置を構成するのに際して、障害とはならない。
【0042】試験Cにおいては、線収縮率差を5%にま
で上昇させているが、反りは0.6mmに止まってい
る。しかし、接合割合は、この反りの影響によって若干
低下していた。試験Dにおいては、焼成温度を1500
℃にまで低下させたが、依然96%の接合割合が得られ
た。試験Eにおいては、焼成温度を1450℃にまで低
下させたが、依然90%の接合割合が得られた。一般に
ランタンクロマイトの焼結温度は非常に高く、1500
℃程度では十分に焼結しないが、これらの試験において
は、ランタンクロマイト中のクロム成分が空気極の方へ
と拡散し、接合部分の焼結が進行したものと考えられ
る。
【0043】試験Fにおいては、加圧力を2500kg
f/cm2 にし、試験Gにおいては、加圧力を500k
gf/cm2 にしたが、接合割合には若干の低下が確認
された。なお、接合割合が97%である試験Bについて
顕微鏡写真を例示する。図8は、×50で撮影した、セ
パレータと空気極との接合界面のセラミックス組織を示
す走査型電子顕微鏡写真であり、図9は、×1000で
撮影した、セパレータと空気極との接合界面のセラミッ
クス組織を示す走査型電子顕微鏡写真である。これらの
写真からも明らかなように、本試験Bの試料において
は、セパレータと空気極との接合状態が良好である。
【0044】(実験3)実験2の試験Aと同様にして、
接合体20の試料を製造した。ただし、前記線収縮率差
を7%とした。この結果、接合体の反りが1.0mmに
達し、接合割合が72%にまで急激に減少した。従っ
て、前記線収縮率差を5%以内にすることが必要であ
る。
【0045】(実験4)実験2の試験Aと同様にして、
接合体20の試料を製造した。ただし、焼成温度を14
00℃に低下させた。この結果、接合材が焼結せず、セ
パレータと空気極とは接合せず、接合割合は0%であっ
た。
【0046】(実験5)実験2の試料Aと同様の材料、
焼成温度等を使用して実験した。ただし、積層体を一軸
プレス法によって加圧成形した。この加圧力を100k
gf/cm2 とすると、セパレータと空気極とは接合し
たが、接合界面の状態は微視的に見ると不均一であり、
接合割合は60%であった。また、一軸プレス法によっ
て100kgf/cm2 を越える成形圧力を加えると、
中空部2の方へと向かって積層体が破壊した。
【0047】(実験6)実験2の試験Aと同様にして、
接合体20の試料を製造した。ただし、積層体を乾燥さ
せるのに際し、弾性体7で積層体を加圧することはせ
ず、そのまま乾燥機中に入れ、乾燥した。すると、空気
極のグリーン成形体が反り、一部の積層部分を除いてセ
パレータと空気極とが剥離してしまった。乾燥後は、再
び積層体が真っ直ぐになったので、そのまま積層体をラ
バーコートしてコールドアイソスタティックプレス法に
よって7000kgf/cm2 で加圧成形し、1550
℃で焼成した。これによってセパレータと空気極とは接
合したが、接合割合は80%であり、実験2の試験Aの
場合に比べると大きく低下した。
【0048】(実験7)前記した各実験の接合体につい
て、プラズマ溶射方法によって固体電解質膜8を形成し
た。この結果、接合割合が90%以上である接合体にお
いては、接合体の剥離やシール状態の不良はまったく発
生しなかった。また、接合割合が90%未満である接合
体においては、シール不良が発生することがあった。こ
うしたシール不良は、酸化ガスや燃料ガスの漏れによる
開放端電圧の低下をもたらす。また、接合割合が60%
以上の接合体を使用した場合には、プラズマ溶射段階に
おいて、セパレータと空気極との分離は発生しなかった
が、これが60%未満の接合体を使用した場合には、セ
パレータと空気極との分離が発生した。
【0049】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、セ
パレータと空気極との接合界面における微視的な接合不
良を、顕著に低減することができる。また、特に中空部
を有する共焼結体を容易に製造することができ、特にセ
ラミックス同士の接合界面における微視的な接合不良
を、顕著に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で製造するセパレータのグリー
ン成形体1を示す平面図である。
【図2】(a)は、セパレータのグリーン成形体1と空
気極のグリーン成形体4との積層体12を、酸化ガス流
路2の開口側から見た正面図であり、(b)は、積層体
12に環状の弾性体7を掛けた状態を示す側面図であ
る。
【図3】積層体12の全表面に弾性被覆膜5A及び5B
を形成した状態を示す正面図である。
【図4】接合体の上に更に固体電解質膜8及び燃料電極
膜9を形成した状態を示す正面図である。
【図5】各試験試料11の反りを測定するための方法を
模式的に示す模式的断面図である。
【図6】比較試験試料について、×50で撮影した、セ
パレータと空気極との接合界面のセラミックス組織を示
す走査型電子顕微鏡写真である。
【図7】図6と同じ試験試料について、×1000で撮
影した、セパレータと空気極との接合界面のセラミック
ス組織を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図8】本発明に係る試験Bの試料について、×50で
撮影した、セパレータと空気極との接合界面のセラミッ
クス組織を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図9】図8と同じ試験試料について、×1000で撮
影した、セパレータと空気極との接合界面のセラミック
ス組織を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 セパレータのグリーン成形体 1a、1b 隔壁
2酸化ガス流路(中空部) 3 接合材 4
空気極のグリーン成形体 4c グリーン成形体4の
下側面(接合面) 5A、5B 弾性被膜 7 環
状の弾性体 11 反りを測定するための試料 1
2 積層体 14 空気極 20 接合体 2
1 セパレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相原 靖文 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固体電解質セルのセパレータと電極との接
    合体を製造する方法であって、焼成時の線収縮率差が5
    %以下である前記セパレータのグリーン成形体と前記電
    極のグリーン成形体との間に接合材を挟んで積層体を製
    造し、この積層体を加圧成形し、次いでこの加圧成形体
    を一体焼成することによって前記セパレータと前記電極
    との接合体を製造することを特徴とする、接合体の製造
    方法。
  2. 【請求項2】前記接合材が、前記セパレータの材料と前
    記電極の材料との少なくとも一方を含有していることを
    特徴とする、請求項1記載の接合体の製造方法。
  3. 【請求項3】前記電極が、ランタンを含有するペロブス
    カイト型複合酸化物からなる空気極であり、前記セパレ
    ータがランタンを含有するペロブスカイト型複合酸化物
    からなり、前記接合材がランタンクロマイトを含有して
    おり、前記加圧成形体を1450℃以上の温度で一体焼
    成することを特徴とする、請求項1又は2記載の接合体
    の製造方法。
  4. 【請求項4】前記積層体を加圧成形するのに先立って、
    前記積層体に圧力を加えつつ乾燥することを特徴とす
    る、請求項1〜3のいずれか一つの項に記載の接合体の
    製造方法。
  5. 【請求項5】第一のセラミックス材と第二のセラミック
    ス材との接合体を製造する方法であって、焼成時の線収
    縮率差が5%以下である前記第一のセラミックス材のグ
    リーン成形体と前記第二のセラミックス材のグリーン成
    形体との間に接合材を挟んで積層体を製造し、この際積
    層体に中空部が設けられており、この積層体の前記中空
    部を含む全表面を弾性材料で被覆し、次いでこの積層体
    をコールドアイソスタティックプレス法によって加圧成
    形し、この加圧成形体を一体焼成することによって前記
    第一のセラミックス材と前記第二のセラミックス材との
    接合体を製造することを特徴とする、接合体の製造方
    法。
  6. 【請求項6】第一のセラミックス材と第二のセラミック
    ス材との接合体を製造する方法であって、焼成時の線収
    縮率差が5%以下である前記第一のセラミックス材のグ
    リーン成形体と前記第二のセラミックス材のグリーン成
    形体との間に接合材を挟んで積層体を製造し、環状の弾
    性部材を前記積層体の周面に沿って掛けた状態でこの積
    層体を乾燥させ、次いでこの積層体を加圧成形し、この
    加圧成形体を一体焼成することによって前記第一のセラ
    ミックス材と前記第二のセラミックス材との接合体を製
    造することを特徴とする、接合体の製造方法。
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WO2001049485A1 (en) * 1999-12-30 2001-07-12 Ceramic Fuel Cells Limited Laminated structure and method of forming same
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