JP3886020B2 - セラミックス積層焼結体の製造方法およびグリーン成形体の積層体 - Google Patents

セラミックス積層焼結体の製造方法およびグリーン成形体の積層体 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、セラミックスの多孔体と緻密体との積層焼結体を製造する方法およびこれに使用できるグリーン成形体の積層体に関するものであり、例えば、固体電解質型燃料電池(SOFC)や固体電解質水蒸気電解セル(SOE)のセパレータと電極との接合体を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
固体電解質型燃料電池は、いわゆる平板型と円筒型とに大別される。平板型の固体電解質型燃料電池においては、いわゆるセパレータと発電層とを交互に積層することにより、発電用のスタックを構成する。特開平5─54897号公報においては、燃料極と空気極とをそれぞれ形成して発電層を作成し、またインターコネクターを作成し、この発電層とインターコネクターとの間に、セラミックス粉末と有機バインダーとを含有する薄膜を挟み、これを熱処理することにより、発電層とインターコネクターとを接合している。また、特開平6─68885号公報においては、インターコネクターのグリーン成形体と空気極側ディストリビューターのグリーン成形体とを積層し、この積層体を一体焼結させることにより、インターコネクターとディストリビューターとを接合することが記載されている。この方法においては、両者のグリーン成形体の間に、両者と熱収縮挙動が極端に異なる材料を塗布することにより、グリーン成形体間の応力を緩和する応力緩和層を形成している。この応力緩和層は、焼成収縮時に細かく破壊し、これによって応力が緩和される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、発電層とインターコネクターとの間に、セラミックス粉末と有機バインダーとを含有する薄膜を挟み、これを熱処理する接合方法では、接合体の界面を電子顕微鏡等で微視的に観察すると、切れ目無く接合している部分もあるが、接合界面が切れ目として明瞭に観察できる部分も多く残留しており、接合状態に改善の余地があることが判明してきた。
【0004】
特に、前記した特開平5─54897号公報においては、発電層とセパレータとを接合しているが、本発明者は、自立型の空気極とセパレータとを接合し、次いで空気極の表面に固体電解質膜及び燃料極膜を順次形成することを試みていた。しかし、自立型の空気極とセパレータとの間に前記薄膜を挟み、焼結させてみても、やはり前記したように、接合界面が切れ目として明瞭に観察できる部分が多く残留していた。そして、本発明者は、この接合体の空気極の上にプラズマ溶射法によって固体電解質膜を形成することを試みたが、このプラズマ溶射の際の衝撃によって、セパレータと空気極とが剥離することがあった。これも、前記した接合界面の状態が不良であることに起因するものと考えられる。また、接合強度が低い不良品が発生することもあり、改善が必要とされていた。
【0005】
特開平6─68885号公報においては、インターコネクターのグリーン成形体と空気極側ディストリビューターのグリーン成形体との間に、応力緩和層を形成しているが、この方法は適用できなかった。なぜなら、自立型の空気極とセパレータとの各グリーン成形体の間に、これらと熱収縮挙動が極端に異なる材料のグリーンシートを挟み、一体焼結させても、セパレータと空気極との接合状態は不良であり、これら両者の接合界面を微視的に見ると接合していないからである。
【0006】
本発明の課題は、セラミックスの多孔体と緻密体とを接合するのに際して、焼結の際に両者の剥離を防止し、両者の接合界面の接合状態を良好にし、強固に接合できるようにすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、セラミックスの多孔体とセラミックスの緻密体との積層焼結体を製造するのに際して、多孔体のグリーン成形体と緻密体のグリーン成形体との積層体であって、多孔体のグリーン成形体に造孔材としてカーボンおよび有機化合物が含有されている積層体を得、この積層体を一体焼成することによって、多孔体と緻密体との積層焼結体を製造することを特徴とする。
【0008】
ここで、多孔体のグリーン成形体と緻密体のグリーン成形体を別個に製造し、各グリーン成形体を積層してグリーン成形体の積層体を得、この積層体を加圧成形して加圧成形体を得、この加圧成形体を一体焼成することができる。
【0009】
または、積層体を押出成形によって1工程で製造することができる。この態様においては、多孔体のグリーン成形体を構成する坏土と、緻密体のグリーン成形体を構成する坏土とを、それぞれ一つの口金中へと連続的に供給することによって、多孔体のグリーン成形体と緻密体のグリーン成形体とが互いに接合された状態で積層体を前記口金から押出成形する。次いで、この積層体を一体焼成することを特徴とする。
【0010】
本発明者は、特開平5─54897号公報と特開平6─68885号公報に記載された方法を応用して、セパレータのグリーン成形体と電極のグリーン成形体との間に接合材を挟んで積層体を製造し、この積層体を共焼結させることを試みた。しかし、この方法によっても、やはり界面に微視的に見てかなりの接合不良が見られた。
【0011】
そこで、本発明者は、特願平6─148787号明細書において、両者のグリーン成形体の線収縮率差を5%以内に抑制すると共に、一旦積層体を製造した後、この積層体を加圧成形し、加圧成形体を共焼結させる技術を開示した。これによって、両者の界面における接合不良が顕著に減少することを確認した。
【0012】
本発明者は、更に研究を進めた結果、加圧成形後における多孔体の成形体に対して熱を加えたときの寸法の挙動がきわめて重要であることを見いだした。即ち、緻密体のグリーン成形体には、通常バインダーを添加し、多孔体のグリーン成形体には、通常バインダーと造孔材とを添加する。ここで、造孔材の量が少ないと、多孔体の相対密度が上昇し、気孔率が低下してくるので、多孔体として要求される機能が損なわれることになる。例えば固体電解質型燃料電池の空気極の場合には、良好な発電効率を得るためには、その気孔率を20%以上とすることが好ましいが、このためにはグリーン成形体において造孔材を10%程度は添加しなければならない。
【0013】
ここで、緻密体と多孔体との各グリーン成形体の積層体を加圧成形し、この加圧成形体を一体焼成させるときに、温度を上昇させる段階で、各加圧成形体中のバインダーおよび造孔材が飛散し、いわゆる脱脂過程が進行する。この過程で、各加圧成形体の寸法が変化してくる。
【0014】
しかし、上記のように多孔体の加圧成形体中に添加する造孔材の量を多くすると、一般に脱脂工程で造孔材が飛散してくるために、加圧成形体の寸法が収縮してくる。この一方、緻密体の方には造孔材が添加されていないので、このような寸法の収縮は見られない。この結果、緻密体と多孔体との各加圧成形体が、温度上昇の過程で剥離することがあった。更に、この後に引き続いて温度を上昇させて、例えば1450℃以上の温度で一体焼成を行っても、やはり緻密体と多孔体との間での剥離は解消されないことを発見した。
【0015】
本発明者は、この知見に基づいて、特に脱脂過程の進行時における各加圧成形体の寸法の挙動について詳細に検討したが、この結果、多孔体のグリーン成形体中に、造孔材として有機化合物とカーボンとを共に含有させることによって、造孔材の添加量を増大させても、脱脂過程時における加圧成形体の寸法の収縮が抑制され、緻密体の加圧成形体の寸法の挙動に接近することを見いだした。この結果、一体焼成の後でも、多孔体と緻密体との界面には剥離が発生せず、両者が強固に接合されることを確認し、本発明に到達した。
【0016】
更に、本発明者は、他の製造方法についても検討を重ねてきたが、この過程で、多孔体のグリーン成形体を構成する坏土と、緻密体のグリーン成形体を構成する坏土とを、それぞれ一つの口金中へと連続的に供給することによって、多孔体のグリーン成形体と緻密体のグリーン成形体とが互いに接合された状態で積層体を口金から押出成形し、次いでこの積層体を一体焼成することを想到した。こうした製造方法によれば、口金の形状を変更することによって、種々の横断面形状を有する積層体を製造することができる。こうした横断面の形状としては、例えば、円形、楕円形、多角形、複数の通路を有する積層体を例示することができる。また、特に押出方法を利用することによって、長い製品(例えば長さ1000mm以上)を製造できるようになった。
【0017】
更に、この方法によれば、押出成形の過程で多孔体のグリーン成形体と緻密体のグリーン成形体との接合界面が強固に密着する上に、前記したような加圧工程を必要としないために、製造工程数を著しく減らすことができる。しかも、最終的なセラミックス積層体において、前記したような加圧成形を利用した場合と同等以上の密着強度および電気伝導特性が得られることを確認した。
【0018】
本発明のこの態様においては、口金の入口の断面積が出口の断面積よりも小さな口金を使用することが好ましく、これによって口金の出口側で前記の各グリーン成形体を一層強固に密着させることができる。また、口金の出口側通路の長さを1としたときに、口金の入口側通路の長さを2以上とすることが好ましく、3〜5とすることが一層好ましい。
【0019】
口金の入口の形状を円形とすることによって、口金を製造するための加工が容易になる。また、口金の入口の形状は、坏土が進入し易いように適宜に変更する。口金中で各坏土を押し出すための押出機構としては、プランジャー、真空土練機などを使用できる。
【0020】
坏土として水系バインダーを使用すると、有機溶剤を使用した場合のように排気処理を行う必要がないので、その分設備を簡単にできるし、口金から押し出された積層体が曲がりにくくなる。この場合には、水分量を10〜20重量%とすることが一層好ましい。また、水系バインダーとしては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース等を例示できる。
【0021】
また、前記の積層体を押し出す際には、積層体が曲がりやすいという問題があることが判明してきた。即ち、相対的に硬い方の坏土は、押出の際の流動速度が遅く、相対的に軟らかい坏土の方は、押出の際の流動速度が早くなる傾向がある。この流動速度の相違のために、口金から積層体の先端の方へと向かって積層体が曲がり変形し、あるいは反ってくるという現象が生じた。また、こうした各坏土の流動速度の相違によって、各グリーン成形体の界面の位置がずれるという現象も生じた。
【0022】
積層体の曲がりを防止し、積層体が真っ直ぐに押し出されるようにし、各グリーン成形体の界面の位置がずれないようにするためには、緻密体用の坏土の硬度と、多孔体用の坏土の硬度とを、それぞれ10〜14とすることが好ましく、各坏土の硬度の差を2以下とすることが好ましい。ここで言う硬度とは、NGK粘土硬度計の規格によって測定したものである。
【0023】
ただし、こうした硬度の微調整を行うことは、実際の製造装置および坏土においては困難な場合も多い。そこで、多孔体のグリーン成形体を構成する坏土と、緻密体のグリーン成形体を構成する坏土とを、一つの口金中へと連続的に供給するのに際して、第一の押出機構から、多孔体のグリーン成形体を構成する坏土を口金へと向かって押出し、第二の押出機構から、緻密体のグリーン成形体を構成する坏土を口金へと向かって押出すことができる。これによって第一の押出機構と第二の押出機構との押出速度や押出圧力を機械的に調整し、積層体の曲がり等を防止することが可能になった。具体的には、例えば緻密体用の坏土の口金からの流動速度が大きい場合には、緻密体用の坏土を押し出す第二の押出機構の押出速度を小さくし、圧力を小さくすることによって、緻密体用の坏土の流動速度を小さくすることができる。
【0024】
本発明について、図1、2を参照しつつ、更に説明する。図1、図2は、それぞれ、後述するような特定の組成を有する多孔体の成形体について、その温度を上昇させたときの室温時と比べた熱膨張率と、温度との関係を示すグラフである。図1のグラフZにおいては、グリーン成形体中にバインダーのみを添加し、造孔材を添加していない。このため、600℃までほぼ単調に寸法が増大している。グラフEにおいては、グリーン成形体の材質を100重量部としたとき、セルロースを3.0重量部添加したが、500℃以上の温度範囲で加圧成形体の寸法が、グラフZの場合に比べて減少している。
【0025】
グラフDにおいては、セルロースを12.0重量部添加したが、この傾向が更に顕著であり、既に300℃近辺から成形体の寸法の収縮が始まっている。グラフCにおいては、セルロースを17.0重量部添加したが、この傾向が一層顕著であり、既に100℃近辺から成形体の収縮が始まっている。このように、セルロースのような繊維状高分子化合物や、アクリルパウダーのような有機樹脂からなる有機化合物の造孔材は、加圧後の成形体の寸法を減少させるような挙動を示すことを見いだした。
【0026】
図2におけるグラフZおよびグラフDは、図1に示したものと同じである。図2におけるグラフGは、セルロースを12.0重量部添加すると共に、カーボンを4.0重量部添加した例である。この例では、特に造孔材の飛散が進行する500℃〜600℃の範囲において、セルロースの添加量が12.0重量部であるグラフDと比較して、顕著に加圧成形体の熱膨張率が大きくなっており、造孔材の飛散による収縮が緩和されていた。なお、グラフFは、セルロースを14重量部添加すると共に、カーボンを2重量部添加した例である。
【0027】
しかも、グラフGの実施例においては、グラフDの例と比較して、造孔材の添加量は4.0重量部も増大しているのであり、従って多孔体の相対密度も減少させることができる。このように、本発明によって、多孔体の熱膨張率を緻密体の熱膨張率に近づければ、多孔体と緻密体との界面における剥離を防止して、接合強度を向上させることができ、しかも同時に多孔体の相対密度を減少させることができるのである。言い換えると、多孔体と緻密体との相対密度の差を、両者の剥離を招くことなしに、従来の接合方法よりもはるかに増大させることができる。
【0028】
本発明者は、緻密体のグリーン成形体の方にも、セルロースおよび/またはカーボン、特にセルロースを含有させることも想到した。これによって、緻密体の方の温度上昇時における寸法ないし熱膨張率を若干減少させることができる。多孔体のグリーン成形体において有機化合物の量がカーボンの量よりも多い場合には多孔体は若干熱収縮するので、特にこの場合に、緻密体の寸法を多孔体の寸法と一致させ易くなった。
【0029】
【発明の実施形態】
本発明においては、多孔体と緻密体との剥離を防止するという観点から、加圧成形体または前記積層体において、多孔体の成形体の室温のときの寸法に対する600℃のときの熱膨張率と、緻密体の成形体の室温のときの寸法に対する600℃のときの熱膨張率との差を1.0%以下とすることが好ましく、0.5%以下とすることが一層好ましい。ただし、この差が0.1%以下の領域では、接合体の強度や歩留りにほとんど差が見られなかった。
【0030】
また、本発明において、各グリーン成形体の積層体を加圧成形する態様においては、この加圧成形後の積層体の寸法の収縮率を3%以上とすることによって、接合体の強度や歩留りが一層向上することを見いだした。この目的のためには、緻密体のグリーン成形体にも若干量のセルロースおよび/またはカーボンを添加することが好ましい。これらの造孔材の添加量は2%以下とすることが好ましい。
【0031】
また、本発明においては、緻密体の相対密度が90%以上であり、前記多孔体の相対密度が80%以下である組み合わせについて、最終的な積層焼結体を高い歩留りで製造することができる。緻密体の相対密度は最高100%である。また、多孔体の相対密度は、その強度の観点からは、通常40%以上とすることが好ましい。
【0032】
また、多孔体の相対密度と緻密体の相対密度との差が20%以上である接合体について、本発明は特に有効である。
【0033】
多孔体のグリーン成形体は、多孔体の主原料に、有機バインダーと造孔材と水とを混合した混合物を成形した成形体が好ましい。この有機バインダーとしては、ポリメチルアクリレート、ニトロセルロース、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、スターチ、ワックス、アクリル酸ポリマー、メタクリル酸ポリマー等を例示することができる。この主原料の重量を100重量部としたとき、有機化合物の含有割合とカーボンの含有割合との総和は10重量部以上とすることが好ましく、これによって多孔体の相対密度を顕著に減少させることができる。また、主原料の重量を100重量部としたとき、有機バインダーの添加量は0.5〜5重量部とすることが好ましい。
【0034】
緻密体のグリーン成形体は、緻密体の主原料に、有機バインダーと水とを混合した混合物を成形した成形体が好ましい。この有機バインダーとしては、前述のものを使用できる。この主原料の重量を100重量部としたとき、有機バインダーの添加量は0.5〜5重量部とすることが好ましい。また、前述したように緻密体のグリーン成形体中にセルロースおよび/またはカーボンを添加する場合には、これらの含有割合は2重量部以下とすることが好ましい。
【0035】
本発明の積層焼結体においては、多孔体と緻密体との界面の接合状態が特に良好となる。従って、本発明は、導電性の多孔体と緻密体との積層焼結体に対して特に好適に使用することができる。この導電性材料の用途は特に限定しないが、好適な態様においては、多孔体が固体電解質型燃料電池の電極であり、緻密体が固体電解質型燃料電池のセパレータである。
【0036】
本発明においてセパレータと一体化するべき電極は、空気極及び燃料極の双方を含むが、空気極の方が、より一層好適である。しかも、自立型(自己支持型)の空気極とセパレータとを接合することが、特に好適である。なぜなら、空気極及びセパレータの各グリーン成形体の積層体を成形するのに際して、自立型の空気極及びセパレータの方が、厚さが大きく、強度が大きいので、取扱い易いからである。
【0037】
セパレータの材料は、ランタンを含有するペロブスカイト型複合酸化物であることが好ましく、ランタンクロマイトであることが更に好ましい。耐熱性、耐酸化性、耐還元性を有しているからである。また、空気極の材料はランタンを含有するペロブスカイト型複合酸化物であることが好ましく、ランタンマンガナイト又はランタンコバルタイトであることが更に好ましく、ランタンマンガナイトが一層好ましい。ランタンクロマイト及びランタンマンガナイトは、ストロンチウム、カルシウム、クロム(ランタンマンガナイトの場合)、コバルト、鉄、ニッケル、アルミニウム等をドープしたものであってよい。
【0038】
ここで、積層体を加圧成形する態様においては、各グリーン成形体の間に接合材を塗布したり、印刷したりすることが好ましい。この場合に、セパレータ及び空気極の接合材が、セパレータの材料と電極の材料との少なくとも一方を含有している場合には、両者が一層接合し易くなる。特に、空気極の材料がランタンを含有するペロブスカイト型複合酸化物であり、接合材がランタンクロマイトを含有している場合には、ランタンクロマイト中のクロム成分が空気極中に拡散していくので、接合材中のランタンクロマイト成分の組成がクロム欠損状態となり、接合材が焼結し易くなるので、接合強度が特に向上する。ただし、この場合には、クロムの拡散を進行させるために、1450℃以上の温度で焼結することが必要である。
【0039】
脱脂工程は、焼成工程とは別にすることもできるが、焼成時の温度上昇の過程で前記加圧成形体または積層体の脱脂を行うことが好ましい。上記の固体電解質型燃料電池用の加圧成形体または積層体においては、焼成温度は、通常は1300℃〜1700℃とする。
【0040】
前記のような接合材は、接合の主原料に、有機バインダーと水とを混合して作製したペーストが好ましい。水の代わりに有機溶剤を用いても良い。有機バインダーとしては、ポリメチルアクリレート、ニトロセルロース、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ワックス、アクリル酸ポリマー、メタクリル酸ポリマー等を例示することができる。
【0041】
積層体を加圧成形する態様においては、他の加圧成形に先立って、積層体を乾燥することが好ましい。この乾燥工程を実施することによって、積層体を加圧成形した際、接合材が両加圧成形体とほぼ同じくらいにまで緻密化するため、焼成時の接合材の収縮率が両加圧成形体の収縮率とほぼ等しくなり、焼成後の接合界面の状態が非常に良好となる。ただし、この乾燥工程において、多孔体のグリーン成形体に反りが生じやすく、この反りが原因でグリーン成形体間に剥離が生じやすい。しかし、乾燥工程において、特に積層体を加圧しながら乾燥を行うことにより、多孔体のグリーン成形体の反りを抑制することができる。
【0042】
特に、本発明者が発見したところでは、この乾燥工程において、環状の弾性部材を積層体の周面に沿って掛けることにより、積層体を加圧することが特に好ましい。なぜなら、各グリーン成形体の外周面の形状に、寸法のずれや凹凸等が存在している場合でも、環状の弾性部材によって、積層体の全周面からほぼ等方的に圧力を加えることができるからである。これによって、無理な加圧力によって、未だ強度の低い積層体が、変形、破損するのを防止することができる。
【0043】
積層体を加圧成形する際の圧力は、積層体の各グリーン成形体の密着性を高めるという観点から、100kgf/cm2 以上、更には500kgf/cm2 以上とすることが好ましく、加圧力の上限は、実用的には10tf/cm2 以下とすることができる。加圧成形方法としては、一軸プレス法やコールドアイソスタティックプレス法を採用することが好ましい。
【0044】
ただし、積層体に中空部が設けられている場合には、積層体の中空部を含む全表面を弾性材料で被覆し、次いでこの積層体をコールドアイソスタティックプレス法(CIP法)によって加圧成形することが好ましい。
【0045】
即ち、積層体の中に中空部が形成されている場合には、新たな問題があった。積層体を構成する各グリーン成形体がいずれも平板である場合には、一軸プレス法によって大きな加圧力を加えることも可能であるが、積層体の中に中空部が形成されている場合には、加圧力が大きくなると、積層体が中空部の方へと向かって破壊した。
【0046】
本発明者は、この問題を解決するために、積層体を液状ラテックス中に投入し、積層体の外側表面だけでなく、中空部に露出した内面にも液状ラテックスを付着させ、次いで積層体を乾燥させ、この中空部を含む全表面を弾性材料で被覆し、この積層体をCIP法によって加圧成形してみた。この結果、500kgf/cm2 以上の大きな圧力を加えても、積層体が破壊せず、しかも、緻密体と多孔体との間の密着性を十分に高めることができ、結果的に、共焼結体において、両者の界面を切れ目なく接合させることに成功した。
【0047】
以下、主として固体電解質型燃料電池の空気極とセパレータとの接合について、本発明を適用した実施例を説明する。図3(a)は、本実施例で製造するセパレータのグリーン成形体1を示す平面図であり、図3(b)は、空気極のグリーン成形体4を示す正面図である。グリーン成形体1は、例えば平面的に見て長方形である。その長辺に沿って、四角柱状の外周隔壁1aが2列互いに平行に形成されており、これらの間に2列の隔壁1bが設けられている。外周隔壁1aと隔壁1bとの間、隔壁1bと1bとの間に、それぞれ溝状の酸化ガス流路2が設けられている。空気極のグリーン成形体4は、略平板形状であり、平面的に見るとグリーン成形体4とほぼ同様な形状をしている。
【0048】
図4(a)は、セパレータのグリーン成形体1と空気極のグリーン成形体4との積層体5を示す正面図であり、図4(b)は、積層体5を示す側面図であり、図5は、積層体5の全表面に弾性被覆膜7A及び7Bを形成した状態を示す正面図である。
【0049】
グリーン成形体1と4とを、図4(a)に示すように積層し、積層体5を得る。この際、グリーン成形体1の各隔壁1a及び1bの上側面1e、1fに、それぞれ接合材3を塗布し、接合材3の上に、空気極のグリーン成形体4を設置し、グリーン成形体4の下側面4cを接触させる。
【0050】
積層体5においては、グリーン成形体4の下側面4cと隔壁1a、1bの上側面1e、1fとの間に、接合材3が充填されており、グリーン成形体4の側面4bとグリーン成形体1の側面1cとが、ほぼ段差がないように連続している。この結果、四角柱形状の酸化ガス流路2の端部2a、2b(図3(a)参照)が、グリーン成形体1の端面1d側に向かって開放される。
【0051】
そして、図4(b)に示すように、環状の弾性体(例えばゴム)6を、所定個数(本実施例においては3本)、積層体5の側面方向に掛ける。この弾性体6を、グリーン成形体4の上側面4a、側面4b、グリーン成形体1の側面1c及びその底面に接触させ、これによって積層体5の全体を弾性的に押圧する。この状態で積層体5を十分乾燥する。この乾燥は、積層体5を100℃以下の温度で加熱したり、及び/又は送風することによって、実施する。
【0052】
次いで、この積層体5を、液状ラテックス等の弾性材料の中に入れ、液状ラテックス等を付着させ、次いで乾燥する。これにより、図5に示すように、積層体5の外側表面の全体に弾性被膜7Aが形成され、かつ、積層体5の中空部2に面する表面に、弾性被膜7Bが形成される。
【0053】
次いで、この積層体をコールドアイソスタティックプレス法によって加圧成形し、加圧成形体を製造し、この加圧成形体を焼成することによって、図6に示す接合体10を製造する。この焼成温度は、セラミックス材料の種類によって、選択する。
【0054】
図6の接合体10においては、空気極9の下側面9cと、セパレータ8の隔壁8a、8bの上側面8e、8fとが接合されており、空気極9の側面9bとセパレータ8の側面8cとが段差なく連続しており、四角柱形状の酸化ガス流路15の端部が、セパレータ8の端面8d側に開放される。
【0055】
次いで、図7に示すように、緻密質の固体電解質膜11を接合体10上に形成する。この際、固体電解質膜11の本体部分11aは、空気極9の上側面9a上に形成する。この本体部分11aの両側に延在部11bを形成し、延在部11bによって、空気極9の側面9b及びセパレータ8の側面8cの上部を覆う。この結果、酸化ガス流路15の気密性が、その開口の部分を除いて保持される。固体電解質膜11の上に燃料極膜12を形成し、固体電解質型燃料電池の単電池を得る。
【0056】
固体電解質膜の材料としては、イットリア安定化ジルコニア又はイットリア部分安定化ジルコニアが好ましいが、他の材料を使用することもできる。燃料極の材料としては、ニッケル、ニッケル─ジルコニアサーメットが好ましい。
【0057】
図8〜図12は、前記積層体を一体に押出成形する態様を例示するための模式図である。この好適な態様においては、図8に示すように、例えば円柱形状の坏土37を使用する。坏土37は、断面半円形状の多孔体用の坏土37aと、断面半円形状の緻密体用の坏土37bとからなっている。プランジャー13の軸14を矢印41の方向へと移動させ、この坏土37を矢印42のように口金17へと押し出す。口金17は、入口部分17aと出口部分17bとからなり、入口通路17cの方が出口通路17dの方よりも、通路の断面積が大きくなっている。坏土を矢印43のように押出成形することによって、例えば平板形状の積層体18を製造する。積層体18は、多孔体のグリーン成形体19と、緻密体のグリーン成形体20とからなっている。
【0058】
ここで、口金の出口部分の通路の形態を変更することによって、種々の横断面形状を有する積層体を製造することができる。例えば、図10(a)に示すような形状の積層体26を製造するためには、図9(a)および(b)に示す押出成形型を使用できる。口金24は、入口部分24aと出口部分24bとを備えており、入口通路24cの横断面は円形であり、出口通路24dの横断面は略長方形である。出口通路24dの中に所定個数の穴形成部材25が形成されている。この口金24は、横断面が円形の成形胴22に取り付けられており、この成形胴22の通路23に前記の坏土37が収容されている。
【0059】
プランジャー13の軸14を口金の方向へと向かって移動させ、坏土37を口金24へと押し出す。本例では、各穴形成部材25が、坏土37aと37bとの境界領域に位置するようにした。これによって、図10(a)に示す形状の積層体26を得ることができる。
【0060】
この積層体26においては、多孔体(例えば自己支持型の空気極)のグリーン成形体28と、緻密体(例えばセパレーター)のグリーン成形体27とが互いに密着している。グリーン成形体28は平板形状である。グリーン成形体27は、例えば平面的に見て長方形であり、その長辺に沿って、四角柱状の外周隔壁27aが2列互いに平行に形成されており、外周周壁27aの間に、例えば2列の隔壁27bが設けられている。外周隔壁27aと隔壁27bとの間、隔壁27bと27bとの間に、それぞれ溝状の酸化ガス流路15が設けられている。
【0061】
グリーン成形体27の各隔壁27a、27bの上側面27e、27fが、グリーン成形体28の下側面28aに対して密着している。グリーン成形体27の側面27cとグリーン成形体28の側面28bとが、ほぼ段差がないように連続している。
【0062】
この積層体を焼成することによって、図10(b)に示すような積層焼結体29を製造できる。積層焼結体29においては、空気極31の下側面31cと、セパレータ30の隔壁30a、30bの上側面30e、30fとが互いに強固に接合されており、空気極31の側面31bとセパレータ30の側面30cとが段差なく連続しており、四角柱形状の酸化ガス流路15の端部が、セパレータ30の端面30d側に開放されている。
【0063】
緻密質の固体電解質膜11がこの積層焼結体29の上に形成されている。固体電解質膜11の本体部分11aは、空気極31の上側面31a上に形成されている。本体部分11aの両側に延在部11bがそれぞれ形成されており、各延在部11bによって、空気極31の側面31b及びセパレータ30の側面30cの上部が被覆されている。この結果、酸化ガス流路15の気密性が、その開口の部分を除いて保持されている。固体電解質膜11の上に燃料極膜12が形成されている。
【0064】
図11の態様においては、多孔体のグリーン成形体32Aと緻密体のグリーン成形体32Bとを使用する。各グリーン成形体の形状は、例えば円柱形状とする。プランジャー13Aの軸14Aを矢印41Aの方向へと移動させ、坏土32Aを矢印42Aのように口金33へと押し出す。これと同時に、プランジャー13Bの軸14Bを矢印41Bの方向へと移動させ、坏土32Bを矢印42Bのように口金33へと押し出す。口金33は、入口部分33aと出口部分33bとからなる。入口部分33aにおいては、2つの入口通路34A、34Bが形成されており、両者の間に隔壁35が設けられている。各入口通路の横断面はそれぞれ円形である。出口部分33b中の出口通路33dの横断面は長方形である。
【0065】
坏土を矢印43のように押出成形することによって、例えば平板形状の積層体18を製造する。積層体18は、多孔体のグリーン成形体19と、緻密体のグリーン成形体20とからなっている。なお、21は界面である。本実施形態においては、第一のプランジャー13Aと第二のプランジャー13Bとの各押出速度や圧力を、積層体18の曲がりが発生しないように調整する。
【0066】
図11の装置においても、やはり口金の出口部分の通路の形態を変更することによって、種々の横断面形状を有する積層体を製造することができる。例えば、前記のような積層体26を製造するためには、図12に示す押出成形型を使用できる。口金36は、入口部分36aと出口部分36bとを備えている。入口部分36a中には、2つの入口通路34A、34Bが設けられており、各入口通路は隔壁35によって隔離されている。各入口通路の横断面は円形であり、出口通路36dの横断面は略長方形である。出口通路36dの中に所定個数の穴形成部材37が形成されている。
【0067】
この口金36には、横断面が円形の一対の成形胴22A、22Bが取り付けられており、各成形胴の通路23A、23Bに各坏土32A、32Bが収容されている。各プランジャー13A、13Bの各軸14A、14Bを口金の方向へと向かって移動させ、坏土32A、32Bを口金36へと押し出す。各坏土32A、32Bは、それぞれ、各入口通路34A、34B内へと導入される。
【0068】
【実施例】
以下、更に具体的な実験結果について述べる。
〔空気極のグリーン成形体への造孔材の添加と寸法の挙動〕
(実験1−1)
平均粒径3μmのランタンマンガナイト粉末100重量部と、メチルセルロース3重量部とを混合し、この混合物を混練機内に収容し、水14重量部を添加して混練した。こうして得た混練物を、真空土練機に投入し、図3(b)に示すようなグリーン成形体4を得た。このグリーン成形体の寸法は、縦30mm、横30mm、厚さ3mmとした。このグリーン成形体を恒温恒湿機内で乾燥させた。このグリーン成形体を真空パックし、7tf/cm2 の成形圧力でコールドアイソスタティックプレス法で成形し、加圧成形体を得た。
【0069】
この基準用の加圧成形体の温度を、室温から600℃まで40℃/時間の速度で上昇させ、この間の室温時の寸法と比べた熱膨張率を測定した。この結果を、図1のグラフZに示す。この加圧成形体の寸法は、室温からほぼ単調に上昇していた。
【0070】
(実験1−2)
実験1−1において、上記の混合物中に3.0重量部のセルロースを添加し、上記と同様の実験を行った。この結果を図1のグラフEに示す。特に500℃以上の温度範囲では、グラフEの方が熱膨張率が減少している。
【0071】
(実験1−3)
実験1−1において、上記の混合物中に12.0重量部のセルロースを添加し、上記と同様の実験を行った。この結果を図1のグラフDに示す。約300℃近辺から、既に熱膨張率が負に転じていた。
【0072】
(実験1−4)
実験1−1において、上記の混合物中に17.0重量部のセルロースを添加し、上記と同様の実験を行った。この結果を図1のグラフCに示す。約100℃近辺から、既に熱膨張率が負に転じており、顕著な熱収縮を示した。
【0073】
(実験1−5、1−6)
実験1−1において、上記の混合物中に12.0重量部のセルロースおよび4.0重量部のカーボン粉末を添加し、上記と同様の実験を行った。この結果を図2のグラフGに示す。また、14.0重量部のセルロースおよび2.0重量部のカーボン粉末を添加した場合についての結果をグラフFに示す。特に450℃以上の温度範囲では、グラフGの方がグラフDに比べて熱膨張率が大きく、特に600℃近辺では熱膨張率が正の値に転じていることが注目される。
【0074】
〔セパレータのグリーン成形体1と空気極のグリーン成形体4との接合実験〕
平均粒径3μmのランタンマンガナイト粉末100重量部と、メチルセルロース3重量部と、カーボン17重量部とを混合し、この混合物を混練機内に収容し、水14重量部を添加して混練した。こうして得た混練物を、真空土練機に投入し、図3(b)に示すグリーン成形体4を得た。このグリーン成形体の寸法は、縦70mm、横30mm、厚さ3mmとした。このグリーン成形体を恒温恒湿機内で乾燥させ、表1に示す試料番号Aを得た。これと同様にして、表1に示す試料番号B〜Hの各試料を作成した。
【0075】
また、平均粒径3μmのランタンクロマイト粉末100重量部と、メチルセルロース3重量部とを混合し、この混合物を混練機内に収容し、水14重量部を添加して混練した。こうして得た混練物を、真空土練機に投入して押し出し用坏土を製造し、これを押し出し成形機に投入して、図3(a)に示すグリーン成形体1を得た。グリーン成形体1の寸法は、縦70mm、横30mm、厚さ6mmとした。このグリーン成形体を恒温恒湿機内で乾燥させ、表1に示す試料番号Iを得た。これと同様にして、試料番号Jの試料を作成した(Jは造孔剤を含むため厳密には緻密体とはいえないが便宜上、緻密体と呼ぶことにする)
【0076】
各グリーン成形体1または4を真空パックし、7tf/cm2 の成形圧力でコールドアイソスタティックプレス法で成形した。この加圧成形体から、縦5mm、横5mm、長さ50mmの棒状の試料を切り出し、600℃での熱膨張率を測定した。この結果を表1に示す。
【0077】
【表1】
Figure 0003886020
【0078】
前記のランタンマンガナイト粉末50重量部と前記のランタンクロマイト粉末50重量部とメチルセルロース1重量部とを混合し、この混合物を乳鉢内に入れ、水を加えながら攪拌し、ペースト状の接合材3を製造した。各グリーン成形体1と4との各接合面をサンドペーパーによって研磨し、この研磨面に接合材3を塗布し、100℃で乾燥し、両者を一体化させた。この際、環状の弾性体6としてはゴムを使用した。この積層体5を液状ラテックスに3回繰り返して浸漬し、真空パックし、7tf/cm2 の圧力でコールドアイソスタティックプレス法によって加圧した。
【0079】
ただし、空気極のグリーン成形体4およびセパレータのグリーン成形体1としては、それぞれ表2に示す各組み合わせのグリーン成形体を採用した。これによって、表2に示す各接合実験番号の加圧成形体を、各番号についてそれぞれ10個ごと製造した。また、表2には、各加圧成形体の600℃での熱膨張率の差を示す。
【0080】
各接合実験番号について、それぞれ5個を電気炉内に設置し、40℃/時間の上昇速度でその温度を600℃まで上昇させた。そして、各加圧成形体を室温まで冷却し、各成形体の界面の状態を観察した。そして、この界面に剥離が見られなかったものの割合を、「脱脂体の歩留り」として表2に示した。
【0081】
また、各接合実験番号について、それぞれ5個を電気炉内に設置し、40℃/時間の上昇速度でその温度を1600℃まで上昇させ、1600℃で3時間保持し、次いで100℃/時間の速度で室温まで冷却させた。そして、各焼成体の界面の状態を観察した。この界面に剥離が見られなかったものの割合を、「焼成体の歩留り」として表2に示した。
【0082】
また、こうして得られた各接合体の電気伝導度を、空気中、1000℃で測定したところ、表2に示す結果(平均値)を得た。また、これらの各接合体を接合面に沿って切り出し、空気極とセパレータとの各相対密度を測定した。
【0083】
【表2】
Figure 0003886020
【0084】
接合実験番号6、7、8、9、10、11が本発明の範囲内のものである。接合実験番号1では、600℃での熱膨張率が3.41%と大きく、脱脂体の歩留りが0%であった。これは、グリーン成形体4中にカーボンのみを添加したことによって、その熱膨張率が大きくなったためである。接合実験番号2では、グリーン成形体4中へのカーボンの添加量を3重量部に減らしており、これによってグリーン成形体1と4との600℃での熱膨張率差を、僅か0.01%とした。これによって接合体の剥離は生じなくなったが、その代わりに空気極の相対密度が86%にもなり、十分に高い気孔率を得ることができない。
【0085】
接合実験番号3では、セルロースを17重量部添加しているが、600℃での熱膨張率差は1%を越えており、脱脂体および焼成体の歩留りが顕著に低下した。接合実験番号4では、セルロースの添加量を12%まで減らしているが、やはり焼成体の歩留りは不十分である。接合実験番号5では、セルロースの添加量を3重量部まで減少させており、この結果接合体の剥離は発生しなくなったが、空気極の相対密度が85%にまで上昇してきた。
【0086】
接合体6、7、8においては、空気極のグリーン成形体4中に造孔材としてカーボンとセルロースとの双方を添加することによって、接合体の剥離を防止しつつ、かつ空気極の相対密度を80%未満にまで減少させることに成功した。接合実験番号9、10、11においても同様の結果を得た。
【0087】
〔セパレータのグリーン成形体1と空気極のグリーン成形体4との接合実験〕
平均粒径7μmのランタンマンガナイト粉末100重量部と、ポリビニルアルコール4重量部と、カーボン粉末5重量部と、セルロース粉末15重量部と、水21重量部とを混練機内で混練した。こうして得た混練物を、真空土練機に投入し、直径50mm、長さ300mmの押し出し用坏土を製造し、これを押し出し成形し、グリーン成形体4を得た。このグリーン成形体の寸法は、縦70mm、横30mm、厚さ3mmとした。このグリーン成形体を恒温恒湿機内で乾燥させ、表3に示すグリーン成形体Kを得た。
【0088】
平均粒径2μmのランタンクロマイト粉末100重量部と、ポリビニルアルコール4重量部とを混合し、この混合物を混練機内に収容し、水14重量部を添加して混練した。この混練物を、真空土練機に投入して押し出し用坏土を製造し、これを押し出し成形機に投入してグリーン成形体1を得た。グリーン成形体1の寸法は、縦70mm、横30mm、厚さ6mmとした。このグリーン成形体を恒温恒湿機内で乾燥させ、表3に示すグリーン成形体Lを得た。これと同様にして、前記混合物にセルロース粉末を0.5重量部添加し、グリーン成形体Mを得た。更に、これと同様にして、前記混合物にセルロース粉末を1.0重量部添加し、グリーン成形体Nを得た。
【0089】
各グリーン成形体について、5tf/cm2 の圧力でコールドアイソスタティックプレスしたときの収縮率を測定し、表3に示した。即ち、グリーン成形体Kは、カーボンおよびセルロースが合計で20重量部含有されているので、その収縮率は9.4%と高い。グリーン成形体Lは造孔材を含有していないので、3.8%の収縮率を示しており、成形体Mにおいては0.5重量部のセルロース粉末を添加したことによって、収縮率が5.1%に上昇し、成形体Nにおいては1.0重量部のセルロース粉末を添加したことによって、収縮率が6.6%に上昇した。
【0090】
接合材3として前述のペーストを使用し、これらの各グリーン成形体および接合材を使用して、表3に示す各接合実験21〜24を実施した。接合実験番号21、22、23においては、まずグリーン成形体Kを予め加圧してある程度まで収縮させ、この成形体を5tf/cm2 の圧力でコールドアイソスタティックプレスしたときの収縮率が約3.8%となるようにした。このように積層体をCIPするときに、各グリーン成形体の収縮率を予め調整しておかないと、CIP後の加圧成形体に反りが発生する。
【0091】
このように予備成形したグリーン成形体Kと、各グリーン成形体L、M、Nとの間に接合材3を介在させ、前記したようにして5tf/cm2 の圧力でコールドアイソスタティックプレス成形した。各例について加圧成形体を10個ごと製造した。これらの試料について、前記したように、600℃での熱膨張率差、脱脂体の歩留り、焼成体の歩留り、空気極の相対密度、セパレータの相対密度をそれぞれ測定し、結果を表3に示す。
【0092】
また、接合実験番号24においては、グリーン成形体KとLとを、それぞれ別々に5tf/cm2 の圧力でCIP成形した。この後に各加圧成形体を積層し、両者の間に接合材3を介在させ、5tf/cm2 の圧力でCIP成形した。この加圧成形体を10個製造した。この積層体について、前記した測定を行い、その結果を表3に示した。
【0093】
【表3】
Figure 0003886020
【0094】
本発明内の接合実験番号21では、各グリーン成形体の600℃での熱膨張率差が0.35%であるが、脱脂体の歩留り、焼成体の歩留り共に80%であった。ただし、空気極の相対密度は64%であり、セパレータの相対密度は95%であり、両者の差は30%以上にも及んでいる。接合実験番号22では、セパレータのグリーン成形体Mにも若干量のセルロースを添加することによって、その収縮率を5.1%に上昇させ、これによってCIP時の積層体の収縮率を5.1%にすることができた。これによって、脱脂体の歩留り、焼成体の歩留り共に大きく向上した。また、このコールドアイソスタティックプレス時の積層体の収縮率は、両者の目的とする相対密度により、両者の造孔材を増減することによっても、コントロール可能である。
【0095】
本発明内の接合実験番号23では、更に脱脂体の歩留り、焼成体の歩留り共に大きく向上した。本発明外の接合実験番号24では、積層体をCIP成形する段階では、もはや積層体が収縮しない。このように、積層体をCIP成形の段階で収縮させないと、各成形体の接合を行うことはできない。
【0096】
〔積層体を一体に押出成形する態様についての実験例〕
平均粒径3.8μmのLa0.80Ca0.20Mn0.95Co0.053 粉末100重量部にメチルセルロール、セルロースおよびカーボンを混合した。各成分の混合割合を表4に示す(各成分の混合割合を重量部単位で示す。)。混練機を用い、前記の混合物に水30重量部を加え、1時間混練し、混練物を得た。この混練物を、真空土練機を用いて成形し、坏土37aを製造した。この坏土の横断面は直径50mmの半円形状であり、長さは100mmであった。各坏土の試料番号をP、Q、Rとした。
【0097】
一方、平均粒径4μmのLa0.80Ca0.20Cr0.96Co0.043 粉末100重量部にメチルセルロース3.5重量部を混合した。混練機を用い、前記混合物に水14重量部を加え、1時間混練し、混練物を得た。この混練物を真空土練機を用いて成形し、坏土37bを製造した。この坏土の横断面は直径50mmの半円形状であり、長さは100mmであった。この試料番号をSとした。また、上記において、メチルセルロース3.5重量部に加えて、更にセルロース1重量部を添加して坏土を製造し、この試料番号をTとした(Tは造孔剤を含むため厳密には緻密体とはいえないが便宜上、緻密体と呼ぶことにする)
【0098】
図9(a)および(b)に示す口金を使用し、前記の各坏土を使用して各積層体を製造した。ただし、シリンダーの内径を直径52mmとし、口金の出口の断面寸法を30mm×8mmとした。図9(a)に示すようにして押出成形を実施し、長さ500mmの積層体を作成し、この積層体を恒温恒湿槽に入れて乾燥した。
【0099】
この乾燥試料の各層からそれぞれ寸法2mm×2mm×50mmの角棒を切り出し、各試料についてそれぞれ室温〜600℃における熱膨張率を測定し、この結果を表4に示した。また、前記の乾燥試料の各層からそれぞれ寸法20mm×20mm×2mmの角板を切り出し、各試料をそれぞれ電気炉内にセットし、40℃/時間の速度で温度を1600℃まで上昇させ、1600℃に4時間保持した。この後、100℃/時間の速度で室温まで冷却した。この焼成工程による試料の寸法の焼成収縮率(%)と気孔率(%)とを測定し、これらの結果を表4に示した。
【0100】
【表4】
Figure 0003886020
【0101】
各積層体において、各坏土の組み合わせを、表5に示すように変更した。各積層体について、各グリーン成形体の600℃での熱膨張率の差を表5に示す。また、各積層体において、各グリーン成形体の焼成収縮率の差を表5に示す。乾燥後の各積層体を電気炉内に設置し、40℃/時間の速度で温度を600℃まで上昇させ、100℃/時間の速度で室温まで冷却した。そして、各積層体の脱脂体について界面の剥離や接合不良の有無を観察した。界面に不良が見られなかったものを合格とし、脱脂工程の歩留りを測定し、表5に示した。
【0102】
また、乾燥後の各積層体を電気炉内に設置し、40℃/時間の速度で温度を1600℃まで上昇させ、1600℃で4時間保持し、100℃/時間の速度で室温まで冷却した。そして、各積層焼結体について、界面の剥離やクラックの有無を観察した。界面の接合不良やクラックが見られなかったものを合格とし、焼成体の歩留りを測定し、表5に示した。
【0103】
【表5】
Figure 0003886020
【0104】
実験番号25、26、28、29が本発明内のものである。試料番号P、Q、Rから明白なように、カーボンの添加量を増大させることによって600℃での成形体の熱膨張率が0に近づいている。そして、実験番号25、28、29においては特に好適な特性が得られた。また、実験番号26と27とを比較しても、カーボンの添加によって脱脂体を接合界面の剥離なしに製造可能になることが判った。
【0105】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、セラミックスの多孔体と緻密体との積層焼結体を製造するのに際して、焼結の際に両者の剥離を防止し、両者の界面の接合状態を良好にし、界面における剥離を防止し、強固に一体化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】特定の組成を有する多孔体の加圧成形体について、その温度を上昇させたときの室温時と比べた熱膨張率と、温度との関係を示すグラフである。
【図2】特定の組成を有する多孔体の加圧成形体について、その温度を上昇させたときの室温時と比べた熱膨張率と、温度との関係を示すグラフである。
【図3】(a)は、本発明の実施例で製造するセパレータのグリーン成形体1を示す平面図であり、(b)は、本発明の実施例で製造する空気極のグリーン成形体4を示す平面図である。
【図4】(a)は、セパレータのグリーン成形体1と空気極のグリーン成形体4との積層体5を、酸化ガス流路2の開口側から見た正面図であり、(b)は、積層体5に環状の弾性体6を掛けた状態を示す側面図である。
【図5】積層体5の全表面に弾性被覆膜7A及び7Bを形成した状態を示す正面図である。
【図6】本発明によって製造した接合体10を示す正面図である。
【図7】図6の接合体10に更に固体電解質膜11及び燃料電極膜12を形成した状態を示す正面図である。
【図8】本発明の他の態様に従って、一つの押出成形用口金17中へと多孔体用の坏土37aと多孔体用の坏土37bとを同時に供給することによって、積層体18を押出成形している状態を示す模式図である。
【図9】(a)は、本発明の更に他の態様に従って、一つの押出成形用口金24中へと多孔体用の坏土37aと緻密体用の坏土37bとを同時に供給することによって、積層体を押出成形している状態を示す模式図であり、(b)は、口金24の外観を示す斜視図である。
【図10】(a)は、図9の装置によって製造できる積層体26を示す正面図であり、(b)は、(a)の積層体を焼成して得た積層焼結体29を利用した固体電解質型燃料電池素子を示す正面図である。
【図11】本発明の更に他の態様に従って、一つの押出成形用口金33中へと、多孔体用の坏土32Aと緻密体用の坏土32Bとを、別個の押出機構によって供給することによって、積層体18を押出成形している状態を示す模式図である。
【図12】図11の装置を具体化した一例を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1、27 セパレータのグリーン成形体 2、15 酸化ガス流路 3 接合材 4、28 空気極のグリーン成形体 5、26 積層体 6 環状の弾性体 7A、7B 弾性被覆膜 8、30 セパレータ
9、31 空気極 10 接合体 11 固体電解質膜 12 燃料電極膜 18 積層体 19 多孔体のグリーン成形体 20 緻密体のグリーン成形体 24、33、36 口金 29 積層焼結体 A グリーン成形体中にバインダーのみを添加し、造孔材を添加していない場合のグラフ
B セルロースを1.0重量部添加したときのグラフ C セルロースを4.5重量部添加したときのグラフ D セルロースを6.0重量部添加したときのグラフ E セルロースを4.5重量部とカーボンを1.5重量部添加したときのグラフ

Claims (11)

  1. セラミックスの固体電解質型燃料電池の電極とセラミックスの固体電解質型燃料電池のセパレータとの積層焼結体を製造するのに際して、前記電極のグリーン成形体と前記セパレータのグリーン成形体との積層体を得、この積層体を脱脂および一体焼成することによって前記電極と前記セパレータとの積層焼結体を製造し、造孔材としてカーボンおよび有機化合物の双方を前記電極のグリーン成形体に含有させることによって、前記電極の寸法挙動と前記セパレータのそれとを近接させ、前記電極の相対密度を74%以下にしつつ、脱脂体の歩留まり80%以上になるようにした、
    ことを特徴とするセラミックス積層焼結体の製造方法。
  2. 前記電極のグリーン成形体と前記セパレータのグリーン成形体との積層体を加圧成形して加圧成形体を得、この加圧成形体を脱脂および一体焼成することによって前記電極と前記セパレータとの積層焼結体を製造することを特徴とする、請求項1記載のセラミックス積層焼結体の製造方法。
  3. 請求項2記載のセラミックス積層焼結体の製造方法において、
    前記積層体を加圧した後において、前記電極の加圧成形体の室温から600℃に達したときの熱膨張率と、前記セパレータの加圧成形体の室温から600℃に達したときの熱膨張率との差が1.0%以下である、
    ことを特徴とするセラミックス積層焼結体の製造方法。
  4. 前記積層体を加圧成形したときの加圧方向の寸法の収縮率が3%以上であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載のセラミックス積層焼結体の製造方法。
  5. 前記電極のグリーン成形体における前記電極の材質の重量を100重量部としたとき、前記有機化合物の含有割合とカーボンの含有割合との総和が10重量部以上であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つの請求項に記載のセラミックス積層焼結体の製造方法。
  6. 前記積層体に中空部が設けられており、この積層体の前記中空部を含む全表面を弾性材料で被覆し、次いでこの積層体をコールドアイソスタティックプレス法によって加圧成形することを特徴とする、請求項2記載のセラミックス積層焼結体の製造方法。
  7. 前記積層体を押出成形によって成形するのに際して、前記電極のグリーン成形体を構成する坏土と前記セパレータのグリーン成形体を構成する坏土とをそれぞれ一つの口金中へと連続的に供給することによって、前記電極のグリーン成形体と前記セパレータのグリーン成形体とが互いに接合された状態で前記積層体を前記口金から押出成形し、次いでこの積層体を脱脂および一体焼成することを特徴とする、請求項1記載のセラミックス積層焼結体の製造方法。
  8. 前記電極のグリーン成形体を構成する坏土と前記セパレータのグリーン成形体を構成する坏土とを一つの口金中へと連続的に供給するのに際して、第一の押出機構から前記電極のグリーン成形体を構成する坏土を前記口金へと向かって押出し、第二の押出機構から前記セパレータのグリーン成形体を構成する坏土を前記口金へと向かって押出すことを特徴とする、請求項7記載のセラミックス積層焼結体の製造方法。
  9. 前記電極が、ランタンを含有するペロブスカイト型複合酸化物からなる空気極であり、前記セパレータがランタンを含有するペロブスカイト型複合酸化物からなり、前記電極と前記セパレータとの間に備えた接合材がランタンクロマイトを含有しており、前記積層体を加圧成形した後、脱脂し、1450℃以上の温度で一体焼成することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のセラミックス積層焼結体の製造方法。
  10. セラミックスの固体電解質型燃料電池の電極と、セラミックスの固体電解質型燃料電池のセパレータとの積層焼結体を製造するのに際して、前記電極のグリーン成形体と前記セパレータのグリーン成形体との積層体を得、この積層体を脱脂および一体焼成することによって前記電極と前記セパレータとの積層焼結体を製造する、セラミックス積層焼結体の製造方法であって、
    造孔剤としてカーボンおよび有機化合物の双方を前記電極のグリーン成形体に含有させること、およびセルロースとカーボンとの少なくとも一方を前記セパレータのグリーン成形体に含有させることによって、前記電極の寸法挙動と前記セパレータのそれとを近接させ、
    前記電極の相対密度を74%以下にしつつ、脱脂体の歩留まり80%以上になるようにしたことを特徴とするセラミックス積層焼結体の製造方法。
  11. セラミックスの固体電解質型燃料電池の電極とセラミックスの固体電解質型燃料電池のセパレータとの積層焼結体を製造するために脱脂および一体焼成に供するべき積層体であって、前記電極のグリーン成形体と前記セパレータのグリーン成形体との積層体からなり、
    カーボンおよび有機化合物の双方を前記電極のグリーン成形体に含有させることによって、前記電極の寸法挙動と前記セパレータのそれとを近接させ、
    前記電極の相対密度を74%以下にしつつ、脱脂体の歩留まり80%以上になるようにしたことを特徴とするグリーン成形体の積層体。
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