JPH08319181A - セラミックス積層焼結体の製造方法およびグリーン成形体の積層体 - Google Patents

セラミックス積層焼結体の製造方法およびグリーン成形体の積層体

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JPH08319181A JP7319054A JP31905495A JPH08319181A JP H08319181 A JPH08319181 A JP H08319181A JP 7319054 A JP7319054 A JP 7319054A JP 31905495 A JP31905495 A JP 31905495A JP H08319181 A JPH08319181 A JP H08319181A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】セラミックスの多孔体と緻密体との積層焼結体
を製造するのに際し、焼結の際に両者の剥離を防止し、
両者の接合界面の接合状態を良好にし、強固に接合す
る。 【構成】多孔体のグリーン成形体4、緻密体のグリーン
成形体1およびこれらの間の接合材3を備えた積層体5
を得る。多孔体のグリーン成形体4に、造孔材としてカ
ーボンおよび有機化合物を含有させる。積層体5を加圧
成形して加圧成形体を得、この加圧成形体を一体焼成す
ることによって、多孔体と緻密体との接合体を製造す
る。緻密体のグリーン成形体1にもセルロースを含有さ
せることができる。または、多孔体用の坏土と緻密体用
の坏土とを同時に1つの口金中へと連続的に供給するこ
とによって、多孔体および緻密体の各グリーン成形体が
積層および一体化された積層体を製造し、この積層体を
一体焼結することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミックスの多孔体
と緻密体との積層焼結体を製造する方法およびこれに使
用できるグリーン成形体の積層体に関するものであり、
例えば、固体電解質型燃料電池(SOFC)や固体電解
質水蒸気電解セル(SOE)のセパレータと電極との接
合体を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】固体電解質型燃料電池は、いわゆる平板
型と円筒型とに大別される。平板型の固体電解質型燃料
電池においては、いわゆるセパレータと発電層とを交互
に積層することにより、発電用のスタックを構成する。
特開平5─54897号公報においては、燃料極と空気
極とをそれぞれ形成して発電層を作成し、またインター
コネクターを作成し、この発電層とインターコネクター
との間に、セラミックス粉末と有機バインダーとを含有
する薄膜を挟み、これを熱処理することにより、発電層
とインターコネクターとを接合している。また、特開平
6─68885号公報においては、インターコネクター
のグリーン成形体と空気極側ディストリビューターのグ
リーン成形体とを積層し、この積層体を一体焼結させる
ことにより、インターコネクターとディストリビュータ
ーとを接合することが記載されている。この方法におい
ては、両者のグリーン成形体の間に、両者と熱収縮挙動
が極端に異なる材料を塗布することにより、グリーン成
形体間の応力を緩和する応力緩和層を形成している。こ
の応力緩和層は、焼成収縮時に細かく破壊し、これによ
って応力が緩和される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、発電層とイン
ターコネクターとの間に、セラミックス粉末と有機バイ
ンダーとを含有する薄膜を挟み、これを熱処理する接合
方法では、接合体の界面を電子顕微鏡等で微視的に観察
すると、切れ目無く接合している部分もあるが、接合界
面が切れ目として明瞭に観察できる部分も多く残留して
おり、接合状態に改善の余地があることが判明してき
た。
【0004】特に、前記した特開平5─54897号公
報においては、発電層とセパレータとを接合している
が、本発明者は、自立型の空気極とセパレータとを接合
し、次いで空気極の表面に固体電解質膜及び燃料極膜を
順次形成することを試みていた。しかし、自立型の空気
極とセパレータとの間に前記薄膜を挟み、焼結させてみ
ても、やはり前記したように、接合界面が切れ目として
明瞭に観察できる部分が多く残留していた。そして、本
発明者は、この接合体の空気極の上にプラズマ溶射法に
よって固体電解質膜を形成することを試みたが、このプ
ラズマ溶射の際の衝撃によって、セパレータと空気極と
が剥離することがあった。これも、前記した接合界面の
状態が不良であることに起因するものと考えられる。ま
た、接合強度が低い不良品が発生することもあり、改善
が必要とされていた。
【0005】特開平6─68885号公報においては、
インターコネクターのグリーン成形体と空気極側ディス
トリビューターのグリーン成形体との間に、応力緩和層
を形成しているが、この方法は適用できなかった。なぜ
なら、自立型の空気極とセパレータとの各グリーン成形
体の間に、これらと熱収縮挙動が極端に異なる材料のグ
リーンシートを挟み、一体焼結させても、セパレータと
空気極との接合状態は不良であり、これら両者の接合界
面を微視的に見ると接合していないからである。
【0006】本発明の課題は、セラミックスの多孔体と
緻密体とを接合するのに際して、焼結の際に両者の剥離
を防止し、両者の接合界面の接合状態を良好にし、強固
に接合できるようにすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明においては、セラ
ミックスの多孔体とセラミックスの緻密体との積層焼結
体を製造するのに際して、多孔体のグリーン成形体と緻
密体のグリーン成形体との積層体であって、多孔体のグ
リーン成形体に造孔材としてカーボンおよび有機化合物
が含有されている積層体を得、この積層体を一体焼成す
ることによって、多孔体と緻密体との積層焼結体を製造
することを特徴とする。
【0008】ここで、多孔体のグリーン成形体と緻密体
のグリーン成形体を別個に製造し、各グリーン成形体を
積層してグリーン成形体の積層体を得、この積層体を加
圧成形して加圧成形体を得、この加圧成形体を一体焼成
することができる。
【0009】または、積層体を押出成形によって1工程
で製造することができる。この態様においては、多孔体
のグリーン成形体を構成する坏土と、緻密体のグリーン
成形体を構成する坏土とを、それぞれ一つの口金中へと
連続的に供給することによって、多孔体のグリーン成形
体と緻密体のグリーン成形体とが互いに接合された状態
で積層体を前記口金から押出成形する。次いで、この積
層体を一体焼成することを特徴とする。
【0010】本発明者は、特開平5─54897号公報
と特開平6─68885号公報に記載された方法を応用
して、セパレータのグリーン成形体と電極のグリーン成
形体との間に接合材を挟んで積層体を製造し、この積層
体を共焼結させることを試みた。しかし、この方法によ
っても、やはり界面に微視的に見てかなりの接合不良が
見られた。
【0011】そこで、本発明者は、特願平6─1487
87号明細書において、両者のグリーン成形体の線収縮
率差を5%以内に抑制すると共に、一旦積層体を製造し
た後、この積層体を加圧成形し、加圧成形体を共焼結さ
せる技術を開示した。これによって、両者の界面におけ
る接合不良が顕著に減少することを確認した。
【0012】本発明者は、更に研究を進めた結果、加圧
成形後における多孔体の成形体に対して熱を加えたとき
の寸法の挙動がきわめて重要であることを見いだした。
即ち、緻密体のグリーン成形体には、通常バインダーを
添加し、多孔体のグリーン成形体には、通常バインダー
と造孔材とを添加する。ここで、造孔材の量が少ない
と、多孔体の相対密度が上昇し、気孔率が低下してくる
ので、多孔体として要求される機能が損なわれることに
なる。例えば固体電解質型燃料電池の空気極の場合に
は、良好な発電効率を得るためには、その気孔率を20
%以上とすることが好ましいが、このためにはグリーン
成形体において造孔材を10%程度は添加しなければな
らない。
【0013】ここで、緻密体と多孔体との各グリーン成
形体の積層体を加圧成形し、この加圧成形体を一体焼成
させるときに、温度を上昇させる段階で、各加圧成形体
中のバインダーおよび造孔材が飛散し、いわゆる脱脂過
程が進行する。この過程で、各加圧成形体の寸法が変化
してくる。
【0014】しかし、上記のように多孔体の加圧成形体
中に添加する造孔材の量を多くすると、一般に脱脂工程
で造孔材が飛散してくるために、加圧成形体の寸法が収
縮してくる。この一方、緻密体の方には造孔材が添加さ
れていないので、このような寸法の収縮は見られない。
この結果、緻密体と多孔体との各加圧成形体が、温度上
昇の過程で剥離することがあった。更に、この後に引き
続いて温度を上昇させて、例えば1450℃以上の温度
で一体焼成を行っても、やはり緻密体と多孔体との間で
の剥離は解消されないことを発見した。
【0015】本発明者は、この知見に基づいて、特に脱
脂過程の進行時における各加圧成形体の寸法の挙動につ
いて詳細に検討したが、この結果、多孔体のグリーン成
形体中に、造孔材として有機化合物とカーボンとを共に
含有させることによって、造孔材の添加量を増大させて
も、脱脂過程時における加圧成形体の寸法の収縮が抑制
され、緻密体の加圧成形体の寸法の挙動に接近すること
を見いだした。この結果、一体焼成の後でも、多孔体と
緻密体との界面には剥離が発生せず、両者が強固に接合
されることを確認し、本発明に到達した。
【0016】更に、本発明者は、他の製造方法について
も検討を重ねてきたが、この過程で、多孔体のグリーン
成形体を構成する坏土と、緻密体のグリーン成形体を構
成する坏土とを、それぞれ一つの口金中へと連続的に供
給することによって、多孔体のグリーン成形体と緻密体
のグリーン成形体とが互いに接合された状態で積層体を
口金から押出成形し、次いでこの積層体を一体焼成する
ことを想到した。こうした製造方法によれば、口金の形
状を変更することによって、種々の横断面形状を有する
積層体を製造することができる。こうした横断面の形状
としては、例えば、円形、楕円形、多角形、複数の通路
を有する積層体を例示することができる。また、特に押
出方法を利用することによって、長い製品(例えば長さ
1000mm以上)を製造できるようになった。
【0017】更に、この方法によれば、押出成形の過程
で多孔体のグリーン成形体と緻密体のグリーン成形体と
の接合界面が強固に密着する上に、前記したような加圧
工程を必要としないために、製造工程数を著しく減らす
ことができる。しかも、最終的なセラミックス積層体に
おいて、前記したような加圧成形を利用した場合と同等
以上の密着強度および電気伝導特性が得られることを確
認した。
【0018】本発明のこの態様においては、口金の入口
の断面積が出口の断面積よりも小さな口金を使用するこ
とが好ましく、これによって口金の出口側で前記の各グ
リーン成形体を一層強固に密着させることができる。ま
た、口金の出口側通路の長さを1としたときに、口金の
入口側通路の長さを2以上とすることが好ましく、3〜
5とすることが一層好ましい。
【0019】口金の入口の形状を円形とすることによっ
て、口金を製造するための加工が容易になる。また、口
金の入口の形状は、坏土が進入し易いように適宜に変更
する。口金中で各坏土を押し出すための押出機構として
は、プランジャー、真空土練機などを使用できる。
【0020】坏土として水系バインダーを使用すると、
有機溶剤を使用した場合のように排気処理を行う必要が
ないので、その分設備を簡単にできるし、口金から押し
出された積層体が曲がりにくくなる。この場合には、水
分量を10〜20重量%とすることが一層好ましい。ま
た、水系バインダーとしては、ポリビニルアルコール、
メチルセルロース、エチルセルロース等を例示できる。
【0021】また、前記の積層体を押し出す際には、積
層体が曲がりやすいという問題があることが判明してき
た。即ち、相対的に硬い方の坏土は、押出の際の流動速
度が遅く、相対的に軟らかい坏土の方は、押出の際の流
動速度が早くなる傾向がある。この流動速度の相違のた
めに、口金から積層体の先端の方へと向かって積層体が
曲がり変形し、あるいは反ってくるという現象が生じ
た。また、こうした各坏土の流動速度の相違によって、
各グリーン成形体の界面の位置がずれるという現象も生
じた。
【0022】積層体の曲がりを防止し、積層体が真っ直
ぐに押し出されるようにし、各グリーン成形体の界面の
位置がずれないようにするためには、緻密体用の坏土の
硬度と、多孔体用の坏土の硬度とを、それぞれ10〜1
4とすることが好ましく、各坏土の硬度の差を2以下と
することが好ましい。ここで言う硬度とは、NGK粘土
硬度計の規格によって測定したものである。
【0023】ただし、こうした硬度の微調整を行うこと
は、実際の製造装置および坏土においては困難な場合も
多い。そこで、多孔体のグリーン成形体を構成する坏土
と、緻密体のグリーン成形体を構成する坏土とを、一つ
の口金中へと連続的に供給するのに際して、第一の押出
機構から、多孔体のグリーン成形体を構成する坏土を口
金へと向かって押出し、第二の押出機構から、緻密体の
グリーン成形体を構成する坏土を口金へと向かって押出
すことができる。これによって第一の押出機構と第二の
押出機構との押出速度や押出圧力を機械的に調整し、積
層体の曲がり等を防止することが可能になった。具体的
には、例えば緻密体用の坏土の口金からの流動速度が大
きい場合には、緻密体用の坏土を押し出す第二の押出機
構の押出速度を小さくし、圧力を小さくすることによっ
て、緻密体用の坏土の流動速度を小さくすることができ
る。
【0024】本発明について、図1、2を参照しつつ、
更に説明する。図1、図2は、それぞれ、後述するよう
な特定の組成を有する多孔体の成形体について、その温
度を上昇させたときの室温時と比べた熱膨張率と、温度
との関係を示すグラフである。図1のグラフZにおいて
は、グリーン成形体中にバインダーのみを添加し、造孔
材を添加していない。このため、600℃までほぼ単調
に寸法が増大している。グラフEにおいては、グリーン
成形体の材質を100重量部としたとき、セルロースを
3.0重量部添加したが、500℃以上の温度範囲で加
圧成形体の寸法が、グラフZの場合に比べて減少してい
る。
【0025】グラフDにおいては、セルロースを12.
0重量部添加したが、この傾向が更に顕著であり、既に
300℃近辺から成形体の寸法の収縮が始まっている。
グラフCにおいては、セルロースを17.0重量部添加
したが、この傾向が一層顕著であり、既に100℃近辺
から成形体の収縮が始まっている。このように、セルロ
ースのような繊維状高分子化合物や、アクリルパウダー
のような有機樹脂からなる有機化合物の造孔材は、加圧
後の成形体の寸法を減少させるような挙動を示すことを
見いだした。
【0026】図2におけるグラフZおよびグラフDは、
図1に示したものと同じである。図2におけるグラフG
は、セルロースを12.0重量部添加すると共に、カー
ボンを4.0重量部添加した例である。この例では、特
に造孔材の飛散が進行する500℃〜600℃の範囲に
おいて、セルロースの添加量が12.0重量部であるグ
ラフDと比較して、顕著に加圧成形体の熱膨張率が大き
くなっており、造孔材の飛散による収縮が緩和されてい
た。なお、グラフFは、セルロースを14重量部添加す
ると共に、カーボンを2重量部添加した例である。
【0027】しかも、グラフGの実施例においては、グ
ラフDの例と比較して、造孔材の添加量は4.0重量部
も増大しているのであり、従って多孔体の相対密度も減
少させることができる。このように、本発明によって、
多孔体の熱膨張率を緻密体の熱膨張率に近づければ、多
孔体と緻密体との界面における剥離を防止して、接合強
度を向上させることができ、しかも同時に多孔体の相対
密度を減少させることができるのである。言い換える
と、多孔体と緻密体との相対密度の差を、両者の剥離を
招くことなしに、従来の接合方法よりもはるかに増大さ
せることができる。
【0028】本発明者は、緻密体のグリーン成形体の方
にも、セルロースおよび/またはカーボン、特にセルロ
ースを含有させることも想到した。これによって、緻密
体の方の温度上昇時における寸法ないし熱膨張率を若干
減少させることができる。多孔体のグリーン成形体にお
いて有機化合物の量がカーボンの量よりも多い場合には
多孔体は若干熱収縮するので、特にこの場合に、緻密体
の寸法を多孔体の寸法と一致させ易くなった。
【0029】
【発明の実施形態】本発明においては、多孔体と緻密体
との剥離を防止するという観点から、加圧成形体または
前記積層体において、多孔体の成形体の室温のときの寸
法に対する600℃のときの熱膨張率と、緻密体の成形
体の室温のときの寸法に対する600℃のときの熱膨張
率との差を1.0%以下とすることが好ましく、0.5
%以下とすることが一層好ましい。ただし、この差が
0.1%以下の領域では、接合体の強度や歩留りにほと
んど差が見られなかった。
【0030】また、本発明において、各グリーン成形体
の積層体を加圧成形する態様においては、この加圧成形
後の積層体の寸法の収縮率を3%以上とすることによっ
て、接合体の強度や歩留りが一層向上することを見いだ
した。この目的のためには、緻密体のグリーン成形体に
も若干量のセルロースおよび/またはカーボンを添加す
ることが好ましい。これらの造孔材の添加量は2%以下
とすることが好ましい。
【0031】また、本発明においては、緻密体の相対密
度が90%以上であり、前記多孔体の相対密度が80%
以下である組み合わせについて、最終的な積層焼結体を
高い歩留りで製造することができる。緻密体の相対密度
は最高100%である。また、多孔体の相対密度は、そ
の強度の観点からは、通常40%以上とすることが好ま
しい。
【0032】また、多孔体の相対密度と緻密体の相対密
度との差が20%以上である接合体について、本発明は
特に有効である。
【0033】多孔体のグリーン成形体は、多孔体の主原
料に、有機バインダーと造孔材と水とを混合した混合物
を成形した成形体が好ましい。この有機バインダーとし
ては、ポリメチルアクリレート、ニトロセルロース、ポ
リビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロ
ース、スターチ、ワックス、アクリル酸ポリマー、メタ
クリル酸ポリマー等を例示することができる。この主原
料の重量を100重量部としたとき、有機化合物の含有
割合とカーボンの含有割合との総和は10重量部以上と
することが好ましく、これによって多孔体の相対密度を
顕著に減少させることができる。また、主原料の重量を
100重量部としたとき、有機バインダーの添加量は
0.5〜5重量部とすることが好ましい。
【0034】緻密体のグリーン成形体は、緻密体の主原
料に、有機バインダーと水とを混合した混合物を成形し
た成形体が好ましい。この有機バインダーとしては、前
述のものを使用できる。この主原料の重量を100重量
部としたとき、有機バインダーの添加量は0.5〜5重
量部とすることが好ましい。また、前述したように緻密
体のグリーン成形体中にセルロースおよび/またはカー
ボンを添加する場合には、これらの含有割合は2重量部
以下とすることが好ましい。
【0035】本発明の積層焼結体においては、多孔体と
緻密体との界面の接合状態が特に良好となる。従って、
本発明は、導電性の多孔体と緻密体との積層焼結体に対
して特に好適に使用することができる。この導電性材料
の用途は特に限定しないが、好適な態様においては、多
孔体が固体電解質型燃料電池の電極であり、緻密体が固
体電解質型燃料電池のセパレータである。
【0036】本発明においてセパレータと一体化するべ
き電極は、空気極及び燃料極の双方を含むが、空気極の
方が、より一層好適である。しかも、自立型(自己支持
型)の空気極とセパレータとを接合することが、特に好
適である。なぜなら、空気極及びセパレータの各グリー
ン成形体の積層体を成形するのに際して、自立型の空気
極及びセパレータの方が、厚さが大きく、強度が大きい
ので、取扱い易いからである。
【0037】セパレータの材料は、ランタンを含有する
ペロブスカイト型複合酸化物であることが好ましく、ラ
ンタンクロマイトであることが更に好ましい。耐熱性、
耐酸化性、耐還元性を有しているからである。また、空
気極の材料はランタンを含有するペロブスカイト型複合
酸化物であることが好ましく、ランタンマンガナイト又
はランタンコバルタイトであることが更に好ましく、ラ
ンタンマンガナイトが一層好ましい。ランタンクロマイ
ト及びランタンマンガナイトは、ストロンチウム、カル
シウム、クロム(ランタンマンガナイトの場合)、コバ
ルト、鉄、ニッケル、アルミニウム等をドープしたもの
であってよい。
【0038】ここで、積層体を加圧成形する態様におい
ては、各グリーン成形体の間に接合材を塗布したり、印
刷したりすることが好ましい。この場合に、セパレータ
及び空気極の接合材が、セパレータの材料と電極の材料
との少なくとも一方を含有している場合には、両者が一
層接合し易くなる。特に、空気極の材料がランタンを含
有するペロブスカイト型複合酸化物であり、接合材がラ
ンタンクロマイトを含有している場合には、ランタンク
ロマイト中のクロム成分が空気極中に拡散していくの
で、接合材中のランタンクロマイト成分の組成がクロム
欠損状態となり、接合材が焼結し易くなるので、接合強
度が特に向上する。ただし、この場合には、クロムの拡
散を進行させるために、1450℃以上の温度で焼結す
ることが必要である。
【0039】脱脂工程は、焼成工程とは別にすることも
できるが、焼成時の温度上昇の過程で前記加圧成形体ま
たは積層体の脱脂を行うことが好ましい。上記の固体電
解質型燃料電池用の加圧成形体または積層体において
は、焼成温度は、通常は1300℃〜1700℃とす
る。
【0040】前記のような接合材は、接合の主原料に、
有機バインダーと水とを混合して作製したペーストが好
ましい。水の代わりに有機溶剤を用いても良い。有機バ
インダーとしては、ポリメチルアクリレート、ニトロセ
ルロース、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、
エチルセルロース、ワックス、アクリル酸ポリマー、メ
タクリル酸ポリマー等を例示することができる。
【0041】積層体を加圧成形する態様においては、他
の加圧成形に先立って、積層体を乾燥することが好まし
い。この乾燥工程を実施することによって、積層体を加
圧成形した際、接合材が両加圧成形体とほぼ同じくらい
にまで緻密化するため、焼成時の接合材の収縮率が両加
圧成形体の収縮率とほぼ等しくなり、焼成後の接合界面
の状態が非常に良好となる。ただし、この乾燥工程にお
いて、多孔体のグリーン成形体に反りが生じやすく、こ
の反りが原因でグリーン成形体間に剥離が生じやすい。
しかし、乾燥工程において、特に積層体を加圧しながら
乾燥を行うことにより、多孔体のグリーン成形体の反り
を抑制することができる。
【0042】特に、本発明者が発見したところでは、こ
の乾燥工程において、環状の弾性部材を積層体の周面に
沿って掛けることにより、積層体を加圧することが特に
好ましい。なぜなら、各グリーン成形体の外周面の形状
に、寸法のずれや凹凸等が存在している場合でも、環状
の弾性部材によって、積層体の全周面からほぼ等方的に
圧力を加えることができるからである。これによって、
無理な加圧力によって、未だ強度の低い積層体が、変
形、破損するのを防止することができる。
【0043】積層体を加圧成形する際の圧力は、積層体
の各グリーン成形体の密着性を高めるという観点から、
100kgf/cm2 以上、更には500kgf/cm
2 以上とすることが好ましく、加圧力の上限は、実用的
には10tf/cm2 以下とすることができる。加圧成
形方法としては、一軸プレス法やコールドアイソスタテ
ィックプレス法を採用することが好ましい。
【0044】ただし、積層体に中空部が設けられている
場合には、積層体の中空部を含む全表面を弾性材料で被
覆し、次いでこの積層体をコールドアイソスタティック
プレス法(CIP法)によって加圧成形することが好ま
しい。
【0045】即ち、積層体の中に中空部が形成されてい
る場合には、新たな問題があった。積層体を構成する各
グリーン成形体がいずれも平板である場合には、一軸プ
レス法によって大きな加圧力を加えることも可能である
が、積層体の中に中空部が形成されている場合には、加
圧力が大きくなると、積層体が中空部の方へと向かって
破壊した。
【0046】本発明者は、この問題を解決するために、
積層体を液状ラテックス中に投入し、積層体の外側表面
だけでなく、中空部に露出した内面にも液状ラテックス
を付着させ、次いで積層体を乾燥させ、この中空部を含
む全表面を弾性材料で被覆し、この積層体をCIP法に
よって加圧成形してみた。この結果、500kgf/c
2 以上の大きな圧力を加えても、積層体が破壊せず、
しかも、緻密体と多孔体との間の密着性を十分に高める
ことができ、結果的に、共焼結体において、両者の界面
を切れ目なく接合させることに成功した。
【0047】以下、主として固体電解質型燃料電池の空
気極とセパレータとの接合について、本発明を適用した
実施例を説明する。図3(a)は、本実施例で製造する
セパレータのグリーン成形体1を示す平面図であり、図
3(b)は、空気極のグリーン成形体4を示す正面図で
ある。グリーン成形体1は、例えば平面的に見て長方形
である。その長辺に沿って、四角柱状の外周隔壁1aが
2列互いに平行に形成されており、これらの間に2列の
隔壁1bが設けられている。外周隔壁1aと隔壁1bと
の間、隔壁1bと1bとの間に、それぞれ溝状の酸化ガ
ス流路2が設けられている。空気極のグリーン成形体4
は、略平板形状であり、平面的に見るとグリーン成形体
4とほぼ同様な形状をしている。
【0048】図4(a)は、セパレータのグリーン成形
体1と空気極のグリーン成形体4との積層体5を示す正
面図であり、図4(b)は、積層体5を示す側面図であ
り、図5は、積層体5の全表面に弾性被覆膜7A及び7
Bを形成した状態を示す正面図である。
【0049】グリーン成形体1と4とを、図4(a)に
示すように積層し、積層体5を得る。この際、グリーン
成形体1の各隔壁1a及び1bの上側面1e、1fに、
それぞれ接合材3を塗布し、接合材3の上に、空気極の
グリーン成形体4を設置し、グリーン成形体4の下側面
4cを接触させる。
【0050】積層体5においては、グリーン成形体4の
下側面4cと隔壁1a、1bの上側面1e、1fとの間
に、接合材3が充填されており、グリーン成形体4の側
面4bとグリーン成形体1の側面1cとが、ほぼ段差が
ないように連続している。この結果、四角柱形状の酸化
ガス流路2の端部2a、2b(図3(a)参照)が、グ
リーン成形体1の端面1d側に向かって開放される。
【0051】そして、図4(b)に示すように、環状の
弾性体(例えばゴム)6を、所定個数(本実施例におい
ては3本)、積層体5の側面方向に掛ける。この弾性体
6を、グリーン成形体4の上側面4a、側面4b、グリ
ーン成形体1の側面1c及びその底面に接触させ、これ
によって積層体5の全体を弾性的に押圧する。この状態
で積層体5を十分乾燥する。この乾燥は、積層体5を1
00℃以下の温度で加熱したり、及び/又は送風するこ
とによって、実施する。
【0052】次いで、この積層体5を、液状ラテックス
等の弾性材料の中に入れ、液状ラテックス等を付着さ
せ、次いで乾燥する。これにより、図5に示すように、
積層体5の外側表面の全体に弾性被膜7Aが形成され、
かつ、積層体5の中空部2に面する表面に、弾性被膜7
Bが形成される。
【0053】次いで、この積層体をコールドアイソスタ
ティックプレス法によって加圧成形し、加圧成形体を製
造し、この加圧成形体を焼成することによって、図6に
示す接合体10を製造する。この焼成温度は、セラミッ
クス材料の種類によって、選択する。
【0054】図6の接合体10においては、空気極9の
下側面9cと、セパレータ8の隔壁8a、8bの上側面
8e、8fとが接合されており、空気極9の側面9bと
セパレータ8の側面8cとが段差なく連続しており、四
角柱形状の酸化ガス流路15の端部が、セパレータ8の
端面8d側に開放される。
【0055】次いで、図7に示すように、緻密質の固体
電解質膜11を接合体10上に形成する。この際、固体
電解質膜11の本体部分11aは、空気極9の上側面9
a上に形成する。この本体部分11aの両側に延在部1
1bを形成し、延在部11bによって、空気極9の側面
9b及びセパレータ8の側面8cの上部を覆う。この結
果、酸化ガス流路15の気密性が、その開口の部分を除
いて保持される。固体電解質膜11の上に燃料極膜12
を形成し、固体電解質型燃料電池の単電池を得る。
【0056】固体電解質膜の材料としては、イットリア
安定化ジルコニア又はイットリア部分安定化ジルコニア
が好ましいが、他の材料を使用することもできる。燃料
極の材料としては、ニッケル、ニッケル─ジルコニアサ
ーメットが好ましい。
【0057】図8〜図12は、前記積層体を一体に押出
成形する態様を例示するための模式図である。この好適
な態様においては、図8に示すように、例えば円柱形状
の坏土37を使用する。坏土37は、断面半円形状の多
孔体用の坏土37aと、断面半円形状の緻密体用の坏土
37bとからなっている。プランジャー13の軸14を
矢印41の方向へと移動させ、この坏土37を矢印42
のように口金17へと押し出す。口金17は、入口部分
17aと出口部分17bとからなり、入口通路17cの
方が出口通路17dの方よりも、通路の断面積が大きく
なっている。坏土を矢印43のように押出成形すること
によって、例えば平板形状の積層体18を製造する。積
層体18は、多孔体のグリーン成形体19と、緻密体の
グリーン成形体20とからなっている。
【0058】ここで、口金の出口部分の通路の形態を変
更することによって、種々の横断面形状を有する積層体
を製造することができる。例えば、図10(a)に示す
ような形状の積層体26を製造するためには、図9
(a)および(b)に示す押出成形型を使用できる。口
金24は、入口部分24aと出口部分24bとを備えて
おり、入口通路24cの横断面は円形であり、出口通路
24dの横断面は略長方形である。出口通路24dの中
に所定個数の穴形成部材25が形成されている。この口
金24は、横断面が円形の成形胴22に取り付けられて
おり、この成形胴22の通路23に前記の坏土37が収
容されている。
【0059】プランジャー13の軸14を口金の方向へ
と向かって移動させ、坏土37を口金24へと押し出
す。本例では、各穴形成部材25が、坏土37aと37
bとの境界領域に位置するようにした。これによって、
図10(a)に示す形状の積層体26を得ることができ
る。
【0060】この積層体26においては、多孔体(例え
ば自己支持型の空気極)のグリーン成形体28と、緻密
体(例えばセパレーター)のグリーン成形体27とが互
いに密着している。グリーン成形体28は平板形状であ
る。グリーン成形体27は、例えば平面的に見て長方形
であり、その長辺に沿って、四角柱状の外周隔壁27a
が2列互いに平行に形成されており、外周周壁27aの
間に、例えば2列の隔壁27bが設けられている。外周
隔壁27aと隔壁27bとの間、隔壁27bと27bと
の間に、それぞれ溝状の酸化ガス流路15が設けられて
いる。
【0061】グリーン成形体27の各隔壁27a、27
bの上側面27e、27fが、グリーン成形体28の下
側面28aに対して密着している。グリーン成形体27
の側面27cとグリーン成形体28の側面28bとが、
ほぼ段差がないように連続している。
【0062】この積層体を焼成することによって、図1
0(b)に示すような積層焼結体29を製造できる。積
層焼結体29においては、空気極31の下側面31c
と、セパレータ30の隔壁30a、30bの上側面30
e、30fとが互いに強固に接合されており、空気極3
1の側面31bとセパレータ30の側面30cとが段差
なく連続しており、四角柱形状の酸化ガス流路15の端
部が、セパレータ30の端面30d側に開放されてい
る。
【0063】緻密質の固体電解質膜11がこの積層焼結
体29の上に形成されている。固体電解質膜11の本体
部分11aは、空気極31の上側面31a上に形成され
ている。本体部分11aの両側に延在部11bがそれぞ
れ形成されており、各延在部11bによって、空気極3
1の側面31b及びセパレータ30の側面30cの上部
が被覆されている。この結果、酸化ガス流路15の気密
性が、その開口の部分を除いて保持されている。固体電
解質膜11の上に燃料極膜12が形成されている。
【0064】図11の態様においては、多孔体のグリー
ン成形体32Aと緻密体のグリーン成形体32Bとを使
用する。各グリーン成形体の形状は、例えば円柱形状と
する。プランジャー13Aの軸14Aを矢印41Aの方
向へと移動させ、坏土32Aを矢印42Aのように口金
33へと押し出す。これと同時に、プランジャー13B
の軸14Bを矢印41Bの方向へと移動させ、坏土32
Bを矢印42Bのように口金33へと押し出す。口金3
3は、入口部分33aと出口部分33bとからなる。入
口部分33aにおいては、2つの入口通路34A、34
Bが形成されており、両者の間に隔壁35が設けられて
いる。各入口通路の横断面はそれぞれ円形である。出口
部分33b中の出口通路33dの横断面は長方形であ
る。
【0065】坏土を矢印43のように押出成形すること
によって、例えば平板形状の積層体18を製造する。積
層体18は、多孔体のグリーン成形体19と、緻密体の
グリーン成形体20とからなっている。なお、21は界
面である。本実施形態においては、第一のプランジャー
13Aと第二のプランジャー13Bとの各押出速度や圧
力を、積層体18の曲がりが発生しないように調整す
る。
【0066】図11の装置においても、やはり口金の出
口部分の通路の形態を変更することによって、種々の横
断面形状を有する積層体を製造することができる。例え
ば、前記のような積層体26を製造するためには、図1
2に示す押出成形型を使用できる。口金36は、入口部
分36aと出口部分36bとを備えている。入口部分3
6a中には、2つの入口通路34A、34Bが設けられ
ており、各入口通路は隔壁35によって隔離されてい
る。各入口通路の横断面は円形であり、出口通路36d
の横断面は略長方形である。出口通路36dの中に所定
個数の穴形成部材37が形成されている。
【0067】この口金36には、横断面が円形の一対の
成形胴22A、22Bが取り付けられており、各成形胴
の通路23A、23Bに各坏土32A、32Bが収容さ
れている。各プランジャー13A、13Bの各軸14
A、14Bを口金の方向へと向かって移動させ、坏土3
2A、32Bを口金36へと押し出す。各坏土32A、
32Bは、それぞれ、各入口通路34A、34B内へと
導入される。
【0068】
〔空気極のグリーン成形体への造孔材の添加と寸法の挙動〕
(実験1−1)平均粒径3μmのランタンマンガナイト
粉末100重量部と、メチルセルロース3重量部とを混
合し、この混合物を混練機内に収容し、水14重量部を
添加して混練した。こうして得た混練物を、真空土練機
に投入し、図3(b)に示すようなグリーン成形体4を
得た。このグリーン成形体の寸法は、縦30mm、横3
0mm、厚さ3mmとした。このグリーン成形体を恒温
恒湿機内で乾燥させた。このグリーン成形体を真空パッ
クし、7tf/cm2 の成形圧力でコールドアイソスタ
ティックプレス法で成形し、加圧成形体を得た。
【0069】この基準用の加圧成形体の温度を、室温か
ら600℃まで40℃/時間の速度で上昇させ、この間
の室温時の寸法と比べた熱膨張率を測定した。この結果
を、図1のグラフZに示す。この加圧成形体の寸法は、
室温からほぼ単調に上昇していた。
【0070】(実験1−2)実験1−1において、上記
の混合物中に3.0重量部のセルロースを添加し、上記
と同様の実験を行った。この結果を図1のグラフEに示
す。特に500℃以上の温度範囲では、グラフEの方が
熱膨張率が減少している。
【0071】(実験1−3)実験1−1において、上記
の混合物中に12.0重量部のセルロースを添加し、上
記と同様の実験を行った。この結果を図1のグラフDに
示す。約300℃近辺から、既に熱膨張率が負に転じて
いた。
【0072】(実験1−4)実験1−1において、上記
の混合物中に17.0重量部のセルロースを添加し、上
記と同様の実験を行った。この結果を図1のグラフCに
示す。約100℃近辺から、既に熱膨張率が負に転じて
おり、顕著な熱収縮を示した。
【0073】(実験1−5、1−6)実験1−1におい
て、上記の混合物中に12.0重量部のセルロースおよ
び4.0重量部のカーボン粉末を添加し、上記と同様の
実験を行った。この結果を図2のグラフGに示す。ま
た、14.0重量部のセルロースおよび2.0重量部の
カーボン粉末を添加した場合についての結果をグラフF
に示す。特に450℃以上の温度範囲では、グラフGの
方がグラフDに比べて熱膨張率が大きく、特に600℃
近辺では熱膨張率が正の値に転じていることが注目され
る。
【0074】〔セパレータのグリーン成形体1と空気極
のグリーン成形体4との接合実験〕平均粒径3μmのラ
ンタンマンガナイト粉末100重量部と、メチルセルロ
ース3重量部と、カーボン17重量部とを混合し、この
混合物を混練機内に収容し、水14重量部を添加して混
練した。こうして得た混練物を、真空土練機に投入し、
図3(b)に示すグリーン成形体4を得た。このグリー
ン成形体の寸法は、縦70mm、横30mm、厚さ3m
mとした。このグリーン成形体を恒温恒湿機内で乾燥さ
せ、表1に示す試料番号Aを得た。これと同様にして、
表1に示す試料番号B〜Hの各試料を作成した。
【0075】また、平均粒径3μmのランタンクロマイ
ト粉末100重量部と、メチルセルロース3重量部とを
混合し、この混合物を混練機内に収容し、水14重量部
を添加して混練した。こうして得た混練物を、真空土練
機に投入して押し出し用坏土を製造し、これを押し出し
成形機に投入して、図3(a)に示すグリーン成形体1
を得た。グリーン成形体1の寸法は、縦70mm、横3
0mm、厚さ6mmとした。このグリーン成形体を恒温
恒湿機内で乾燥させ、表1に示す試料番号Iを得た。こ
れと同様にして、試料番号Jの試料を作成した。
【0076】各グリーン成形体1または4を真空パック
し、7tf/cm2 の成形圧力でコールドアイソスタテ
ィックプレス法で成形した。この加圧成形体から、縦5
mm、横5mm、長さ50mmの棒状の試料を切り出
し、600℃での熱膨張率を測定した。この結果を表1
に示す。
【0077】
【表1】
【0078】前記のランタンマンガナイト粉末50重量
部と前記のランタンクロマイト粉末50重量部とメチル
セルロース1重量部とを混合し、この混合物を乳鉢内に
入れ、水を加えながら攪拌し、ペースト状の接合材3を
製造した。各グリーン成形体1と4との各接合面をサン
ドペーパーによって研磨し、この研磨面に接合材3を塗
布し、100℃で乾燥し、両者を一体化させた。この
際、環状の弾性体6としてはゴムを使用した。この積層
体5を液状ラテックスに3回繰り返して浸漬し、真空パ
ックし、7tf/cm2 の圧力でコールドアイソスタテ
ィックプレス法によって加圧した。
【0079】ただし、空気極のグリーン成形体4および
セパレータのグリーン成形体1としては、それぞれ表2
に示す各組み合わせのグリーン成形体を採用した。これ
によって、表2に示す各接合実験番号の加圧成形体を、
各番号についてそれぞれ10個ごと製造した。また、表
2には、各加圧成形体の600℃での熱膨張率の差を示
す。
【0080】各接合実験番号について、それぞれ5個を
電気炉内に設置し、40℃/時間の上昇速度でその温度
を600℃まで上昇させた。そして、各加圧成形体を室
温まで冷却し、各成形体の界面の状態を観察した。そし
て、この界面に剥離が見られなかったものの割合を、
「脱脂体の歩留り」として表2に示した。
【0081】また、各接合実験番号について、それぞれ
5個を電気炉内に設置し、40℃/時間の上昇速度でそ
の温度を1600℃まで上昇させ、1600℃で3時間
保持し、次いで100℃/時間の速度で室温まで冷却さ
せた。そして、各焼成体の界面の状態を観察した。この
界面に剥離が見られなかったものの割合を、「焼成体の
歩留り」として表2に示した。
【0082】また、こうして得られた各接合体の電気伝
導度を、空気中、1000℃で測定したところ、表2に
示す結果(平均値)を得た。また、これらの各接合体を
接合面に沿って切り出し、空気極とセパレータとの各相
対密度を測定した。
【0083】
【表2】
【0084】接合実験番号6、7、8、9、10、11
が本発明の範囲内のものである。接合実験番号1では、
600℃での熱膨張率が3.41%と大きく、脱脂体の
歩留りが0%であった。これは、グリーン成形体4中に
カーボンのみを添加したことによって、その熱膨張率が
大きくなったためである。接合実験番号2では、グリー
ン成形体4中へのカーボンの添加量を3重量部に減らし
ており、これによってグリーン成形体1と4との600
℃での熱膨張率差を、僅か0.01%とした。これによ
って接合体の剥離は生じなくなったが、その代わりに空
気極の相対密度が86%にもなり、十分に高い気孔率を
得ることができない。
【0085】接合実験番号3では、セルロースを17重
量部添加しているが、600℃での熱膨張率差は1%を
越えており、脱脂体および焼成体の歩留りが顕著に低下
した。接合実験番号4では、セルロースの添加量を12
%まで減らしているが、やはり焼成体の歩留りは不十分
である。接合実験番号5では、セルロースの添加量を3
重量部まで減少させており、この結果接合体の剥離は発
生しなくなったが、空気極の相対密度が85%にまで上
昇してきた。
【0086】接合体6、7、8においては、空気極のグ
リーン成形体4中に造孔材としてカーボンとセルロース
との双方を添加することによって、接合体の剥離を防止
しつつ、かつ空気極の相対密度を80%未満にまで減少
させることに成功した。接合実験番号9、10、11に
おいても同様の結果を得た。
【0087】〔セパレータのグリーン成形体1と空気極
のグリーン成形体4との接合実験〕平均粒径7μmのラ
ンタンマンガナイト粉末100重量部と、ポリビニルア
ルコール4重量部と、カーボン粉末5重量部と、セルロ
ース粉末15重量部と、水21重量部とを混練機内で混
練した。こうして得た混練物を、真空土練機に投入し、
直径50mm、長さ300mmの押し出し用坏土を製造
し、これを押し出し成形し、グリーン成形体4を得た。
このグリーン成形体の寸法は、縦70mm、横30m
m、厚さ3mmとした。このグリーン成形体を恒温恒湿
機内で乾燥させ、表3に示すグリーン成形体Kを得た。
【0088】平均粒径2μmのランタンクロマイト粉末
100重量部と、ポリビニルアルコール4重量部とを混
合し、この混合物を混練機内に収容し、水14重量部を
添加して混練した。この混練物を、真空土練機に投入し
て押し出し用坏土を製造し、これを押し出し成形機に投
入してグリーン成形体1を得た。グリーン成形体1の寸
法は、縦70mm、横30mm、厚さ6mmとした。こ
のグリーン成形体を恒温恒湿機内で乾燥させ、表3に示
すグリーン成形体Lを得た。これと同様にして、前記混
合物にセルロース粉末を0.5重量部添加し、グリーン
成形体Mを得た。更に、これと同様にして、前記混合物
にセルロース粉末を1.0重量部添加し、グリーン成形
体Nを得た。
【0089】各グリーン成形体について、5tf/cm
2 の圧力でコールドアイソスタティックプレスしたとき
の収縮率を測定し、表3に示した。即ち、グリーン成形
体Kは、カーボンおよびセルロースが合計で20重量部
含有されているので、その収縮率は9.4%と高い。グ
リーン成形体Lは造孔材を含有していないので、3.8
%の収縮率を示しており、成形体Mにおいては0.5重
量部のセルロース粉末を添加したことによって、収縮率
が5.1%に上昇し、成形体Nにおいては1.0重量部
のセルロース粉末を添加したことによって、収縮率が
6.6%に上昇した。
【0090】接合材3として前述のペーストを使用し、
これらの各グリーン成形体および接合材を使用して、表
3に示す各接合実験21〜24を実施した。接合実験番
号21、22、23においては、まずグリーン成形体K
を予め加圧してある程度まで収縮させ、この成形体を5
tf/cm2 の圧力でコールドアイソスタティックプレ
スしたときの収縮率が約3.8%となるようにした。こ
のように積層体をCIPするときに、各グリーン成形体
の収縮率を予め調整しておかないと、CIP後の加圧成
形体に反りが発生する。
【0091】このように予備成形したグリーン成形体K
と、各グリーン成形体L、M、Nとの間に接合材3を介
在させ、前記したようにして5tf/cm2 の圧力でコ
ールドアイソスタティックプレス成形した。各例につい
て加圧成形体を10個ごと製造した。これらの試料につ
いて、前記したように、600℃での熱膨張率差、脱脂
体の歩留り、焼成体の歩留り、空気極の相対密度、セパ
レータの相対密度をそれぞれ測定し、結果を表3に示
す。
【0092】また、接合実験番号24においては、グリ
ーン成形体KとLとを、それぞれ別々に5tf/cm2
の圧力でCIP成形した。この後に各加圧成形体を積層
し、両者の間に接合材3を介在させ、5tf/cm2
圧力でCIP成形した。この加圧成形体を10個製造し
た。この積層体について、前記した測定を行い、その結
果を表3に示した。
【0093】
【表3】
【0094】本発明内の接合実験番号21では、各グリ
ーン成形体の600℃での熱膨張率差が0.35%であ
るが、脱脂体の歩留り、焼成体の歩留り共に80%であ
った。ただし、空気極の相対密度は64%であり、セパ
レータの相対密度は95%であり、両者の差は30%以
上にも及んでいる。接合実験番号22では、セパレータ
のグリーン成形体Mにも若干量のセルロースを添加する
ことによって、その収縮率を5.1%に上昇させ、これ
によってCIP時の積層体の収縮率を5.1%にするこ
とができた。これによって、脱脂体の歩留り、焼成体の
歩留り共に大きく向上した。また、このコールドアイソ
スタティックプレス時の積層体の収縮率は、両者の目的
とする相対密度により、両者の造孔材を増減することに
よっても、コントロール可能である。
【0095】本発明内の接合実験番号23では、更に脱
脂体の歩留り、焼成体の歩留り共に大きく向上した。本
発明外の接合実験番号24では、積層体をCIP成形す
る段階では、もはや積層体が収縮しない。このように、
積層体をCIP成形の段階で収縮させないと、各成形体
の接合を行うことはできない。
【0096】〔積層体を一体に押出成形する態様につい
ての実験例〕平均粒径3.8μmのLa0.80Ca0.20
0.95Co0.053 粉末100重量部にメチルセルロー
ル、セルロースおよびカーボンを混合した。各成分の混
合割合を表4に示す(各成分の混合割合を重量部単位で
示す。)。混練機を用い、前記の混合物に水30重量部
を加え、1時間混練し、混練物を得た。この混練物を、
真空土練機を用いて成形し、坏土37aを製造した。こ
の坏土の横断面は直径50mmの半円形状であり、長さ
は100mmであった。各坏土の試料番号をP、Q、R
とした。
【0097】一方、平均粒径4μmのLa0.80Ca0.20
Cr0.96Co0.043 粉末100重量部にメチルセルロ
ース3.5重量部を混合した。混練機を用い、前記混合
物に水14重量部を加え、1時間混練し、混練物を得
た。この混練物を真空土練機を用いて成形し、坏土37
bを製造した。この坏土の横断面は直径50mmの半円
形状であり、長さは100mmであった。この試料番号
をSとした。また、上記において、メチルセルロース
3.5重量部に加えて、更にセルロース1重量部を添加
して坏土を製造し、この試料番号をTとした。
【0098】図9(a)および(b)に示す口金を使用
し、前記の各坏土を使用して各積層体を製造した。ただ
し、シリンダーの内径を直径52mmとし、口金の出口
の断面寸法を30mm×8mmとした。図9(a)に示
すようにして押出成形を実施し、長さ500mmの積層
体を作成し、この積層体を恒温恒湿槽に入れて乾燥し
た。
【0099】この乾燥試料の各層からそれぞれ寸法2m
m×2mm×50mmの角棒を切り出し、各試料につい
てそれぞれ室温〜600℃における熱膨張率を測定し、
この結果を表4に示した。また、前記の乾燥試料の各層
からそれぞれ寸法20mm×20mm×2mmの角板を
切り出し、各試料をそれぞれ電気炉内にセットし、40
℃/時間の速度で温度を1600℃まで上昇させ、16
00℃に4時間保持した。この後、100℃/時間の速
度で室温まで冷却した。この焼成工程による試料の寸法
の焼成収縮率(%)と気孔率(%)とを測定し、これら
の結果を表4に示した。
【0100】
【表4】
【0101】各積層体において、各坏土の組み合わせ
を、表5に示すように変更した。各積層体について、各
グリーン成形体の600℃での熱膨張率の差を表5に示
す。また、各積層体において、各グリーン成形体の焼成
収縮率の差を表5に示す。乾燥後の各積層体を電気炉内
に設置し、40℃/時間の速度で温度を600℃まで上
昇させ、100℃/時間の速度で室温まで冷却した。そ
して、各積層体の脱脂体について界面の剥離や接合不良
の有無を観察した。界面に不良が見られなかったものを
合格とし、脱脂工程の歩留りを測定し、表5に示した。
【0102】また、乾燥後の各積層体を電気炉内に設置
し、40℃/時間の速度で温度を1600℃まで上昇さ
せ、1600℃で4時間保持し、100℃/時間の速度
で室温まで冷却した。そして、各積層焼結体について、
界面の剥離やクラックの有無を観察した。界面の接合不
良やクラックが見られなかったものを合格とし、焼成体
の歩留りを測定し、表5に示した。
【0103】
【表5】
【0104】実験番号25、26、28、29が本発明
内のものである。試料番号P、Q、Rから明白なよう
に、カーボンの添加量を増大させることによって600
℃での成形体の熱膨張率が0に近づいている。そして、
実験番号25、28、29においては特に好適な特性が
得られた。また、実験番号26と27とを比較しても、
カーボンの添加によって脱脂体を接合界面の剥離なしに
製造可能になることが判った。
【0105】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、セ
ラミックスの多孔体と緻密体との積層焼結体を製造する
のに際して、焼結の際に両者の剥離を防止し、両者の界
面の接合状態を良好にし、界面における剥離を防止し、
強固に一体化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】特定の組成を有する多孔体の加圧成形体につい
て、その温度を上昇させたときの室温時と比べた熱膨張
率と、温度との関係を示すグラフである。
【図2】特定の組成を有する多孔体の加圧成形体につい
て、その温度を上昇させたときの室温時と比べた熱膨張
率と、温度との関係を示すグラフである。
【図3】(a)は、本発明の実施例で製造するセパレー
タのグリーン成形体1を示す平面図であり、(b)は、
本発明の実施例で製造する空気極のグリーン成形体4を
示す平面図である。
【図4】(a)は、セパレータのグリーン成形体1と空
気極のグリーン成形体4との積層体5を、酸化ガス流路
2の開口側から見た正面図であり、(b)は、積層体5
に環状の弾性体6を掛けた状態を示す側面図である。
【図5】積層体5の全表面に弾性被覆膜7A及び7Bを
形成した状態を示す正面図である。
【図6】本発明によって製造した接合体10を示す正面
図である。
【図7】図6の接合体10に更に固体電解質膜11及び
燃料電極膜12を形成した状態を示す正面図である。
【図8】本発明の他の態様に従って、一つの押出成形用
口金17中へと多孔体用の坏土37aと多孔体用の坏土
37bとを同時に供給することによって、積層体18を
押出成形している状態を示す模式図である。
【図9】(a)は、本発明の更に他の態様に従って、一
つの押出成形用口金24中へと多孔体用の坏土37aと
緻密体用の坏土37bとを同時に供給することによっ
て、積層体を押出成形している状態を示す模式図であ
り、(b)は、口金24の外観を示す斜視図である。
【図10】(a)は、図9の装置によって製造できる積
層体26を示す正面図であり、(b)は、(a)の積層
体を焼成して得た積層焼結体29を利用した固体電解質
型燃料電池素子を示す正面図である。
【図11】本発明の更に他の態様に従って、一つの押出
成形用口金33中へと、多孔体用の坏土32Aと緻密体
用の坏土32Bとを、別個の押出機構によって供給する
ことによって、積層体18を押出成形している状態を示
す模式図である。
【図12】図11の装置を具体化した一例を示す模式的
断面図である。
【符号の説明】
1、27 セパレータのグリーン成形体 2、15
酸化ガス流路 3 接合材 4、28 空気極のグ
リーン成形体 5、26 積層体 6 環状の弾性
体 7A、7B 弾性被覆膜 8、30 セパレー
タ 9、31 空気極 10 接合体 11 固体電解
質膜 12 燃料電極膜 18 積層体 19
多孔体のグリーン成形体 20 緻密体のグリーン成
形体 24、33、36 口金 29 積層焼結体
A グリーン成形体中にバインダーのみを添加し、
造孔材を添加していない場合のグラフ B セルロースを1.0重量部添加したときのグラフ
C セルロースを4.5重量部添加したときのグラフ
D セルロースを6.0重量部添加したときのグラ
フ E セルロースを4.5重量部とカーボンを1.
5重量部添加したときのグラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C25B 11/20 C25B 11/20 H01M 4/88 H01M 4/88 T 8/02 8/02 E 8/12 8/12

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミックスの多孔体とセラミックスの緻
    密体との積層焼結体を製造するのに際して、前記多孔体
    のグリーン成形体と前記緻密体のグリーン成形体との積
    層体であって、前記多孔体のグリーン成形体に造孔材と
    してカーボンおよび有機化合物が含有されている積層体
    を得、この積層体を一体焼成することによって前記多孔
    体と前記緻密体との積層焼結体を製造することを特徴と
    する、セラミックス積層焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】前記多孔体のグリーン成形体と前記緻密体
    のグリーン成形体との積層体を加圧成形して加圧成形体
    を得、この加圧成形体を一体焼成することによって前記
    多孔体と前記緻密体との積層焼結体を製造することを特
    徴とする、請求項1記載のセラミックス積層焼結体の製
    造方法。
  3. 【請求項3】前記積層体を加圧した後において、前記多
    孔体の加圧成形体の室温のときの寸法に対する600℃
    のときの熱膨張率と、前記緻密体の加圧成形体の室温の
    ときの寸法に対する600℃のときの熱膨張率との差が
    1.0%以下であることを特徴とする、請求項1または
    2記載のセラミックス積層焼結体の製造方法。
  4. 【請求項4】前記積層体を加圧成形したときの寸法の収
    縮率が3%以上であることを特徴とする、請求項1〜3
    のいずれか一つの請求項に記載のセラミックス積層焼結
    体の製造方法。
  5. 【請求項5】前記多孔体のグリーン成形体における前記
    多孔体の材質の重量を100重量部としたとき、前記有
    機化合物の含有割合とカーボンの含有割合との総和が1
    0重量部以上であることを特徴とする、請求項1〜4の
    いずれか一つの請求項に記載のセラミックス積層焼結体
    の製造方法。
  6. 【請求項6】前記積層体に中空部が設けられており、こ
    の積層体の前記中空部を含む全表面を弾性材料で被覆
    し、次いでこの積層体をコールドアイソスタティックプ
    レス法によって加圧成形することを特徴とする、請求項
    2記載のセラミックス積層焼結体の製造方法。
  7. 【請求項7】前記積層体を押出成形によって成形するの
    に際して、前記多孔体のグリーン成形体を構成する坏土
    と前記緻密体のグリーン成形体を構成する坏土とをそれ
    ぞれ一つの口金中へと連続的に供給することによって、
    前記多孔体のグリーン成形体と前記緻密体のグリーン成
    形体とが互いに接合された状態で前記積層体を前記口金
    から押出成形し、次いでこの積層体を一体焼成すること
    を特徴とする、請求項1記載のセラミックス積層焼結体
    の製造方法。
  8. 【請求項8】前記多孔体のグリーン成形体を構成する坏
    土と前記緻密体のグリーン成形体を構成する坏土とを一
    つの口金中へと連続的に供給するのに際して、第一の押
    出機構から前記多孔体のグリーン成形体を構成する坏土
    を前記口金へと向かって押出し、第二の押出機構から前
    記緻密体のグリーン成形体を構成する坏土を前記口金へ
    と向かって押出すことを特徴とする、請求項7記載のセ
    ラミックス積層焼結体の製造方法。
  9. 【請求項9】前記緻密体のグリーン成形体にセルロース
    とカーボンとの少なくとも一方が含有されていることを
    特徴とする、請求項1記載のセラミックス積層焼結体の
    製造方法。
  10. 【請求項10】前記多孔体が固体電解質型燃料電池の電
    極であり、前記緻密体が固体電解質型燃料電池のセパレ
    ータであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか
    一つの請求項に記載のセラミックス積層焼結体の製造方
    法。
  11. 【請求項11】前記電極が、ランタンを含有するペロブ
    スカイト型複合酸化物からなる空気極であり、前記セパ
    レータがランタンを含有するペロブスカイト型複合酸化
    物からなり、前記電極と前記セパレータとの間に備えた
    接合材がランタンクロマイトを含有しており、前記加圧
    成形体を1450℃以上の温度で一体焼成することを特
    徴とする、請求項10記載のセラミックス積層焼結体の
    製造方法。
  12. 【請求項12】セラミックスの多孔体とセラミックスの
    緻密体との積層焼結体を製造するために脱脂および一体
    焼成に供するべき積層体であって、前記多孔体のグリー
    ン成形体と前記緻密体のグリーン成形体との積層体から
    なり、前記多孔体のグリーン成形体に造孔材としてカー
    ボンおよび有機化合物が含有されていることを特徴とす
    る、グリーン成形体の積層体。
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