JPH09180732A - 固体電解質型燃料電池基板とその基板を用いたセル作製方法 - Google Patents

固体電解質型燃料電池基板とその基板を用いたセル作製方法

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JPH09180732A
JPH09180732A JP7351836A JP35183695A JPH09180732A JP H09180732 A JPH09180732 A JP H09180732A JP 7351836 A JP7351836 A JP 7351836A JP 35183695 A JP35183695 A JP 35183695A JP H09180732 A JPH09180732 A JP H09180732A
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cell
fuel cell
solid oxide
board
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JP7351836A
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Toshio Matsushima
敏雄 松島
Daisuke Ikeda
大助 池田
Himeko Kanekawa
姫子 金川
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】 固体電解質型燃料電池に使用される、内
部にガスの流路が配置された中空平板状の基板3であっ
て、少なくとも片側の面には基板の周辺から次第に厚み
が増した傾斜部21と、傾斜部に連接した平坦部22面
によって、断面が台形状の突起20が設けられている。 【効果】 EVD法で電解質を形成すると、基板の外表
面が薄くて緻密なYSZ膜で覆われる。次いで、台形状
の突起をYSZ薄膜ごと薄く研削し、この部分にインタ
コネクタ形成する。これによって、2つの膜の重なり合
った部分のガスシール性を確保することができ、同時
に、基板側壁部には先に形成した緻密なYSZ膜がある
ので、基板の外表面全てがガスシールされることにな
り、ガスシール性が極めて高いセルを作製できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、固体電解質型燃料電池
に使用する、電極材料からなる、内部にガス流路を有す
る中空平板状基板の構造とそれを用いた固体電解質型燃
料電池の単セル作製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び課題】固体電解質型燃料電池(以下、
SOFC)は、セル(一個の発電単位のこと)を構成す
る各部の全てに固体物質を使用した燃料電池で、以下の
ようなセラミックスが使用されている。
【0003】電解質:イットリア安定化ジルコニア(以
下、YSZ) 燃料極:ニッケルジルコニアサーメット(以下、Ni−
YSZ) 酸化剤極:ランタンマンガンナイト(以下、LSM)
【0004】この燃料電池においても、酸化剤と燃料の
2種類のガスを酸化剤極と燃料極に供給することで発電
が行われるが、セル一個の基本構成は電解質の両面に2
つの電極を配置したものであり、その出力電圧は1V足
らずである。したがって、実用的な出力を得るために
は、このようなセルを多層積み重ねた構造とする必要が
ある。
【0005】複数のセルを積層させて構成するSOFC
の構造の例を、図9に示す。図において、1は固体電解
質、2は燃料極、3は酸化剤極、4はインタコネクタ、
5はガス流路、6は酸化剤ガス流路、7はセルである。
このように積層したSOFCに各ガスを供給すること
で、発電が行われ所定の電気出力を取り出すことができ
る。しかし、この構造のSOFCにおいては、供給され
た各ガスを各々の反応面に有効に行き渡らせるととも
に、電極の周辺部からのガスリークが生じないように構
成する必要がある。そこで、必要な部分はガラス系の材
料を用いてガスのシールが施されている。一方、多くの
セルを積層した状態では各セル間の電気的な接続を良好
に行う必要がある。
【0006】しかし、図9に示したような構造のSOF
Cでは、積層状態でセル7とインタコネクタ4間の良好
な接触の確保が極めて難しいという問題がある。これ
は、先に述べたようにセルの全ての部分がセラミックス
で構成され、セルには可撓性や圧縮時の変形性が無いと
いう性質に由来するものである。このような点は、部材
の平坦性を極めて向上させたとしても解決が難しく、さ
らに電気的な接触性を確保するためには上下から圧迫力
を加える必要がある。このような圧迫力に耐えるために
は電解質の厚みをまして、セルの強度を向上させること
が考えられる。しかし、電解質の導電率はセルの構成材
料の中で最も小さいので、この厚みはセルの発電特性に
直接影響し、厚い電解質を用いたセルとすることは不可
能である。したがって、現実にはセルを接続する際の圧
迫力には限界があり、このSOFCでは接触抵抗の低減
が難しく必ずしも良好なスタック発電特性は得られてい
ない。
【0007】そこで、このような積層時のガスシール性
や間接続時の諸問題を解決するため、図10に示すよう
に、予めどちらか一方の電極材料で内部にガス流路を備
えた中空状の基板を作製し、これに発電部を形成させる
方式が考えられている(特願平1−114261号)。
このようにすると、基板の材料となったガスは基板内の
ガス流路を流れることになるので、基板の両端部にガラ
スシールを施すだけでガスの気密性が確保され、シール
性を大幅に改善することができる。そして、各セルの接
続はセル間に可撓性を持ったニッケルフェルト等を配置
することで行うことができ、図9の方式で生じるような
各セルへの大きな圧迫力はなく、寿命的にも優れた特性
を得ることができる。このようなセルの作製方法として
は、シート状に成形した各部材のシートを積層して焼結
する共焼結法や、予め押し出し成形法で基板を作製し、
この表面に電解質等のセラミックス層をEVD法や溶射
法によって形成する方法がある。
【0008】しかし、前者の方法は、本来それぞれに適
した焼結条件を有するはずの異種の物質を積層し、これ
を一度の焼結プロセスで作製するものであるため、非常
に高度の技術を必要とする。これに対し、後者の方法で
は、基板の作製とこれに引き続くセラミックス層の形成
が個別に行えるので、それぞれのプロセスに適した条件
で各部の作製を行うことができる。また、溶射法を応用
した場合、製膜速度が大きいことから、セラミックス膜
の作製を短い時間で行うことができ、製造性の点でも優
れた方法である。
【0009】しかし、中空状の電極基板を使用したセル
においては、セルの外表面は全て外側の電極に対応した
ガスが流れるので、セルの外表面のガスシール性の確保
が重要である。したがって、セルを作製した際には、こ
のようなガスシール性が確保されるような、セル作製プ
ロセスや基板形状が必要とされる。例えば、側壁部が垂
直に形成された基板を用いて、溶射法によって各面に電
解質とインタコネクタ層を形成してもこの側壁部への被
膜形成は行えず、側壁部のガスシールのために別途アル
ミナ等を材料として溶射を行ったり、ガス不透過性物質
の塗布と焼き付けが必要になっていた。このため、セル
作製プロセスの工程が増加することになっている。ま
た、溶射によるセラミックス薄膜の形成においては母材
に熱ストレスが生じる場合があり、条件によっては母材
が破壊する場合もあり、側壁部のガスシール性のための
溶射によってセル作製時の歩留りが低下する原因にもな
っていた。
【0010】このように、図10に示されるような形状
の基板は必ずしも適切ではなく、このため、溶射法で電
解質やインタコネクタ等の薄膜を形成した際、基板側壁
への膜形成が行い難かった。このため、この部分のガス
シール性を確保するために、別工程の溶射が必要になっ
たり、このような工程を行ったとしても十分なガスシー
ル性を得ることが困難であった。
【0011】本発明は、SOFCの単セルに使用され
る、内部にガスを流すための流路を設けた中空平板状基
板の構造を具体的に明らかにするとともに、このような
基板を用いたセルの作製プロセスを示し、これによっ
て、セルの性能向上を図ることを目的としている。電極
材料からなる中空状の基板を使用した場合、基板形状の
適切な設計を行わないと、基板側壁部でのガスシール性
が不良になり、十分なセル性能が発揮しきれないという
問題があった。本発明の目的はこのような問題点の解決
である。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明では、固体電解質
型燃料電池に使用される、酸化剤極材料、または、燃料
極材料から構成され、内部にガスの流路が配置された中
空平板状であって、少なくとも片側の面には基板の周辺
から次第に厚みが増した傾斜部と、該傾斜部に連接した
平坦部面が設けられた基板を使用する固体電解質型燃料
電池の単セルであることを特徴としている。
【0013】従来も中空状の電極基板を使用するセルが
提案されているが、本発明のように基板の少なくとも片
側の表面に断面が台形状を呈した部分を設けた例はな
く、このためセルのガスシール性の確保のために別の溶
射プロセスが必要になるなど、セル作製時の生産性の低
下や作製歩留りの向上の妨げとなっていた。
【0014】
【実施例】図1から図5に本発明を実施した中空平板状
基板の一例について構造を示す。図1、図2は、複数の
ガス流路6が平行で、基板3の一方から他方に向かって
設けられた例、また、図3、図4、図5は、ガス流路6
が基板3内で折り返され、基板の一側壁に流入口と流出
口が設けられたものの例である。この図において、20
が基板の片側に設けられた断面が台形状の突起である。
21は傾斜部、22は平坦部である。
【0015】次に、このような中空平板状基板の作製例
を具体的に述べる。SOFCの電極材料としては酸化剤
極と燃料極の2つがあるが、以下の実施例に示すように
いずれの電極材料によっても本発明の基板を用いたセル
が作製できた。
【0016】
【実施例1】ここでは、基板材料として酸化剤極材料を
用いた。具体的には、SOFCの酸化剤極材料として一
般的に広く使用されている、ペロブスカイト構造を持つ
(La1-XSrXYMnO3から、組成:La0.8Sr0.2
MnO3とLa0.9Sr0.1MnO3で、粒径1〜3μmの
原料粉末を選定し使用した。そして、中空平板状の基板
は、押し出し成形法によって作製した。
【0017】押し出し成形法に使用する粘土状の材料は
酸化剤電極の原料粉末100に対し、バインダ約5、水
10〜15(重量ベースの混合比)を添加して作製し
た。バインダとしては、メチルセルロース系の水溶性高
分子を用いた。押し出し成形の場合、原料の粘性によっ
て成形体の仕上がり状況が大きく影響され、例えば水が
少ないと押し出し圧力が高くなって成形が困難となった
り、成形体にクラックが生じたり、逆に多すぎると中空
構造の維持が難しくなる。そこで、水分の調整とともに
必要に応じて可塑剤を2〜5(混合比(重量ベース))
加えた。このように作製した押し出し成形体を乾燥させ
た後、焼結させた。なお焼結前には脱脂が必要であり、
ここでは約400℃で行った。そして焼結は温度125
0〜1350℃で、2〜5時間で行った。なお、作製し
た中空基板の大きさは、幅、100mmで長さは150
mm、厚みは8mmである。長さは押し出された成形体
の切断位置によるだけであり、どのようなものも作製可
能である。また、図1、図2に示すように、ガス流路6
が基板3の一方から他方に向かって設けられ、基板の片
側の面に突起を設けた基板は、押し出し成形機で使用す
る金型の断面形状を両側に突起を設けた対称形とし(図
5に金型断面を示す)、このような金型で成形し、乾燥
・焼結後、一方の突起を研削することで容易に作製でき
た(図6において研削部を斜線部として示す)。基板作
製のプロセスを図5、図6に示した。
【0018】一方、図3から図5のように、ガス流路が
基板内で折り返され、基板の一側壁に流入口と流出口が
設けられた基板は、流路を2段とする金型で成形し、基
板を乾燥後、基板のどちらか一方の開口部の内側を削除
し、その外部に同一素材で作られた蓋となる部品を接着
することで作製した。なお、押し出し成形体は水溶性バ
インダを添加した材料で形成され、水を塗布することで
容易に接着性が生じるので、この部品の接着は全く支障
なく行えた。そして、焼結後、基板の一方の突起を研削
することで片側に突起を設けた。さらに、残った突起に
ついては、基板の先端部にも傾斜部ができるように研削
加工した。
【0019】このように作製した中空平板状の物体を、
約400℃で脱脂し、この後焼結して中空平板状の基板
を作製した。なお、焼結は、使用した原料粉末の粒径に
よって影響されるが、原料粉末や結合剤等の添加量に応
じた焼成条件で焼成することで、原料粉末が変わっても
多孔度20〜30%の燒結体を得ることができた。な
お、このように作製した酸化剤極の導電率は多孔度によ
っても左右されるが、1000℃における導電率は、5
0〜100S/cmであった。
【0020】以上の工程で作製した中空平板状の電極基
板の上に電解質とインタコネクタの膜を形成した。電解
質膜は、EVD法により、また、インタコネクタ膜はプ
ラズマ容赦法によって形成した。本発明の基板を使用し
たセルの作製プロセスを図8に示す。
【0021】第1工程 インタコネクタ膜の形成に先立って、YSZが形成され
ている基板3を用意しする。
【0022】第2工程 前記基板3の突起部20の片方表面を切削加工して研削
部(斜線部で示す)を除去する。
【0023】第3工程 EVD法によるYSZ膜作成 まず、片側の面に突起20を設けた基板3をそのまま使
用し、EVD法によって電解質膜1を形成する。電解質
膜の作製原料は、塩化イットリアと塩化ジルコニウムで
あり、電解質膜の状態でイットリアを8モル%添加した
YSZとした。このようにすると、基板の外表面は、側
壁部や突起部を含む基板の全ての表面が、緻密でガス透
過性のないYSZ膜で覆われる。このようにして50〜
100μmの厚みのYSZ膜を作製した。
【0024】第4工程 突起部表面の研削 次に、この突起の表面にインタコネクタ膜を形成する
が、このままの状態では、基板の電極材料とインタコネ
クタはYSZによって電気的に絶縁された状態になるの
で、この突起を表面のYSZ膜が除去される程度に平面
状に研削する。
【0025】第5工程 検索した突起部表面へのインタ
コネクタの溶射 その後、この表面に、インタコネクタ層4を形成した。
インタコネクタの材料には、La0.7Ca0.3Cr0.95
0.053(粒径:10〜50μm)を用い、約200
μmの厚みで作製した。作製したインタコネクタ膜のガ
ス透過率は、窒素ガスを用いた測定で、10-8(cc・
cm/sec・(g/cm2)cm2)オーダーであり、
ガスシール性としてはほぼ満足のいくものである。
【0026】このように、本発明における基板を使用
し、上で述べたプロセスで2つの膜を作製することで、
図8、第5工程に示したように、インタコネクタ4が電
解質1の端部に良好に重なり合った状態で形成され、2
つの膜の重なり部分でのガスシール性を確保することが
できた。また、EVD法は気相反応であり、ガスと接触
する基板表面にはYSZ膜を形成することができるの
で、基板の側壁部もガスシール性に優れたYSZが形成
され、これによって基板そのもののガスシール性をほぼ
完璧なものとすることができた。
【0027】次に、このように作製した電解質の表面に
燃料電極を形成し、発電用のセルとした。燃料電極は、
酸化ニッケルを50体積%としてYSZと混合した粉末
にポリエチレングリコールと溶媒を使用してスラリー状
とし、これを塗布し焼き付けて形成した。このように作
製した単セルをホルダに取付け1000℃で発電試験を
行った結果、開放電圧として0.95〜1.0Vの電圧
が発生し、発電特性としては1A/cm2において0.
6Vの電圧が確認された。このような特性は、セルの外
表面のガスシール性が確保されていることによって得ら
れたものである。
【0028】
【実施例2】次に、燃料極材料で基板を作製した例につ
いて述べる。燃料極の材料には、酸化ニッケルを50体
積%含んでYSZと混合したものを出発原料に使用し
た。この粉末は、酸化ニッケル(#200メッシュ以
下)とYSZ(トーソー製、TZ−8Y)から作製し、
酸化ニッケルが所定の体積%となるよう各粉末を秤量し
た後混合し、これにエタノールを加えボールミルで24
〜48時間混合したものである。中空平板状基板の作製
は、酸化剤極材料の場合と同様に押し出し成形法によっ
て作製した。また、実施例に示す構造の基板の作製法も
酸化剤極材料の場合と同様である。
【0029】このように作製した中空状の物体を、約4
00℃で脱脂し、この後焼結して中空平板状の基板を作
製した。ここでも、焼成条件は使用した原料粉末の粒径
に応じて選定したが、高温・長時間にすると還元後の導
電率は高くなるが、この一方で多孔度は減少する。そこ
で、1000℃における還元後の導電率が500〜10
00S/cmとなるような焼成条件を選定して行った。
【0030】以上の工程で作製した電極基板の表面に電
解質とインタコネクタの薄膜を形成した。これらの薄膜
の成形法や条件は、実施例1と同一である。燃料電極を
材料とした基板では、材料の強度が酸化剤極よりも高
く、薄膜作製はより容易であった。次に、作製した電解
質の表面に、基板作製用に使用したものと同一の組成の
ランタンマンガナイト粉末のスラリーを使用して酸化剤
極を形成した。このように作製した単セルによって発電
試験を行った結果、開放電圧として0.95〜1.0V
の電圧が発生し、発電特性としては1A/cm2におい
て0.6Vの電圧が確認された。発電試験終了後、セル
を分解し断面を観察したところ、燃料電極基板の内部は
水素で還元された状態になっており基板の周囲側壁のガ
スシール性は十分に確保されていることが確認された。
【0031】このように、本発明の構造の基板を使用し
てセルを作製することで基板側壁部のシールのための付
加的な作業を行う必要がなくなり、セルの製造性の向上
とともに、作製コストの低減もはかることができる。具
体的には、セル作製の作業工程として、基板周囲の側壁
部のガスシールを溶射で行っていた場合、この工程が不
必要となり溶射の工程が1つ削減されることになる。
【0032】なお、本発明は、基板内のガス流路の形状
や配置にかかわらず、どのような形状の基板であっても
実施することができ、基板の外形にも何ら影響されるも
のではなく、また外形を限定するものでもない。特に、
基板の厚みが増し側壁部の高さが大きくなるほど、本発
明の効果は大きくなる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では内部に
ガスを流す流路を複数設けた中空平板状の基板におい
て、少なくとも片側の面には基板の周辺から次第に厚み
が増した傾斜部と、該傾斜部に連接した平坦部面によっ
て、断面が台形状の突起が設けている。そして、このよ
うな基板を使用してSOFCセルを形成するプロセスと
して、EVD法と溶射法が考えられるが、本発明は、こ
の方法をセラミックス薄膜の形成法とした場合、特に大
きな効果を有する。すなわち、本発明の基板を使用し、
EVD法で電解質を形成すると、基板の外表面が薄くて
緻密なYSZ膜で覆われる。次いで、台形状の突起をY
SZ薄膜ごと薄く研削し、この部分にインタコネクタ形
成する。これによって、2つの膜の重なり合った部分の
ガスシール性を確保することができ、同時に、基板側壁
部には先に形成した緻密なYSZ膜があるので、基板の
外表面全てがガスシールされることになり、ガスシール
性が極めて高いセルを作製することができる。
【0034】このような対策を施さない基板を使用した
場合、同一のプロセスで電解質とインタコネクタ膜を形
成しても、基板の周囲の側壁のガスシール性が不十分で
あり、このためにこの部分のガスシールを確保するため
のプロセスが別途必要になっていた。このため、側壁部
のガスシールのために別途アルミナ等を材料として溶射
を行ったり、ガス不透過性物質の塗布と焼き付けが必要
になり、セル作製プロセスの工程が増加することになっ
ている。また、溶射によるセラミックス薄膜の形成にお
いては母材に熱ストレスが生じ母材が破壊する場合もあ
り、側壁部のガスシール性のための溶射によってセル作
製時の歩留りが低下する原因にもなっていた。しかし、
本発明の構造の基板を使用することで、このような付加
的な作業プロセスを行う必要がなくなり、セルの製造性
の向上とともに、作製コストの低減もはかることができ
る。これにより、製造性の向上とともに、製造コストの
低減もはかることができ、産業上の上からも極めて大き
な効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中空平板状基板の実施例(酸化剤電極
材料で基板を作製した例)の上面図。
【図2】前記実施例の断面図。
【図3】ガスの流れが基板内で折り返され、基板の一箇
所に流入口と流出口が設けられた実施例の上面図。
【図4】上記実施例の側面図。
【図5】上記実施例の断面図。
【図6】本発明の中空平板状基板を製造するための金型
の断面図。
【図7】成型隊の片側研削可能による基板の作製を示す
斜視図。
【図8】本発明のセルの作製プロセス(セルの断面構造
で示す)の説明図。
【図9】従来の平板型燃料電池の組立状態の分解斜視
図。
【図10】内部にガス流路を有する基体を用いた燃料電
池の斜視図(酸化剤電極材料で基板を作製した例)。
【符号の説明】
1 電解質 2 燃料極 3 酸化剤極(中空平板状電極基板) 4 インタコネクタ 5 燃料ガス流路 6 酸化剤ガス流路 7 セル 8 緻密膜 20 突起 21 傾斜部 22 平坦部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固体電解質型燃料電池に使用される、内部
    にガスの流路が配置された中空平板状の基板であって、
    少なくとも片側の面には基板の周辺から次第に厚みが増
    した傾斜部と、該傾斜部に連接した平坦部面によって、
    断面が台形状の突起が設けられていることを特徴とする
    固体電解質型燃料電池基板。
  2. 【請求項2】請求項1における固体電解質型燃料電池基
    板であって、構成材料が酸化剤電極材料、または、燃料
    電極材料であることを特徴とする固体電解質型燃料電池
    基板。
  3. 【請求項3】請求項2において、酸化剤電極材料は、
    (La1-XSrXYMnO3(0.05≦X≦0.5、
    0.9≦Y≦1)、また、燃料電極材料はニッケルジル
    コニアサーメットであることを特徴とする固体電解質型
    燃料電池基板。
  4. 【請求項4】固体電解質型燃料電池基板を用いた固体電
    解質型燃料電池の単セルの作製方法であって、基板の成
    形法が押し出し成形法、また、電解質の形成法がEVD
    法、インタコネクタの形成法がプラズマ溶射法で、ま
    ず、押し出し成形法で電極基板を成形しその後焼結し、
    少なくとも片側の面には基板の周辺から次第に厚みが増
    した傾斜部と、該傾斜部に連接した平坦部面が設けられ
    ている基板を作製し、次に、EVD法基板の外表面に電
    解質膜を形成し、その後、前記の平坦部を研削して電解
    質膜を除去しこれによって露出した電極基板の表面にプ
    ラズマ溶射法によってインタコネクタ層を形成し、最後
    に電解質膜の表面にもう一方の電極層を形成することを
    特徴とする固体電解質型燃料電池のセル作製方法。
  5. 【請求項5】請求項4において、電解質の材料が、酸化
    イットリアを5〜10モル%添加した酸化ジルコニウム
    で、インタコネクタの材料が、(La1-XCaX)(Cr
    1-YCaY)O3(0≦X≦0.3、0≦Y≦0.05)
    であることを特徴とする固体電解質型燃料電池のセル作
    製方法。
JP7351836A 1995-12-27 1995-12-27 固体電解質型燃料電池基板とその基板を用いたセル作製方法 Pending JPH09180732A (ja)

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