JP2002358976A - 固体電解質型燃料電池 - Google Patents
固体電解質型燃料電池Info
- Publication number
- JP2002358976A JP2002358976A JP2001163289A JP2001163289A JP2002358976A JP 2002358976 A JP2002358976 A JP 2002358976A JP 2001163289 A JP2001163289 A JP 2001163289A JP 2001163289 A JP2001163289 A JP 2001163289A JP 2002358976 A JP2002358976 A JP 2002358976A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- current collector
- solid electrolyte
- fuel
- electrode layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Landscapes
- Fuel Cell (AREA)
- Inert Electrodes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 固体電解質層と電極層間の熱膨脹差による問
題を解消する。 【解決手段】 固体電解質層2の両面に燃料極層3と空
気極層4を配置し、燃料極層3と空気極層4の外側にそ
れぞれ多孔質クッション材よりなる燃料極集電体6と空
気極集電体7を配置し、燃料極集電体6と空気極集電体
7の外側にセパレータ8を配置し、これらを圧力をかけ
て密着積層した固体電解質型燃料電池において、燃料極
層3を燃料極集電体6に一体形成すると共に、空気極層
4を空気極集電体7に一体形成し、燃料極層3及び空気
極層4を固体電解質層2の表面に単純接触させた。
題を解消する。 【解決手段】 固体電解質層2の両面に燃料極層3と空
気極層4を配置し、燃料極層3と空気極層4の外側にそ
れぞれ多孔質クッション材よりなる燃料極集電体6と空
気極集電体7を配置し、燃料極集電体6と空気極集電体
7の外側にセパレータ8を配置し、これらを圧力をかけ
て密着積層した固体電解質型燃料電池において、燃料極
層3を燃料極集電体6に一体形成すると共に、空気極層
4を空気極集電体7に一体形成し、燃料極層3及び空気
極層4を固体電解質層2の表面に単純接触させた。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体電解質型燃料
電池に関する。
電池に関する。
【0002】酸化物イオン伝導体からなる固体電解質層
を空気極層と燃料極層との間に挟んだ積層構造を持つ固
体電解質型燃料電池は、第三世代の発電用燃料電池とし
て開発が進んでいる。固体電解質型燃料電池では、空気
極側に酸素(空気)が、燃料極側には燃料ガス(H2、
CO等)が供給される。空気極と燃料極は、ガスが固体
電解質との界面に到達することができるように、いずれ
も多孔質とされている。
を空気極層と燃料極層との間に挟んだ積層構造を持つ固
体電解質型燃料電池は、第三世代の発電用燃料電池とし
て開発が進んでいる。固体電解質型燃料電池では、空気
極側に酸素(空気)が、燃料極側には燃料ガス(H2、
CO等)が供給される。空気極と燃料極は、ガスが固体
電解質との界面に到達することができるように、いずれ
も多孔質とされている。
【0003】空気極側に供給された酸素は、空気極層内
の気孔を通って固体電解質層との界面近傍に到達し、こ
の部分で、空気極から電子を受け取って酸化物イオン
(O2 −)にイオン化される。この酸化物イオンは、燃
料極の方向に向かって固体電解質層内を拡散移動する。
燃料極との界面近傍に到達した酸化物イオンは、この部
分で、燃料ガスと反応して反応生成物(H2O、CO2
等)を生じ、燃料極に電子を放出する。
の気孔を通って固体電解質層との界面近傍に到達し、こ
の部分で、空気極から電子を受け取って酸化物イオン
(O2 −)にイオン化される。この酸化物イオンは、燃
料極の方向に向かって固体電解質層内を拡散移動する。
燃料極との界面近傍に到達した酸化物イオンは、この部
分で、燃料ガスと反応して反応生成物(H2O、CO2
等)を生じ、燃料極に電子を放出する。
【0004】燃料に水素を用いた場合の電極反応は次の
ようになる。 空気極: 1/2 O2+ 2e− → O2− 燃料極: H2 + O2− → H2O+2e− 全体 : H2 + 1/2 O2 → H2O
ようになる。 空気極: 1/2 O2+ 2e− → O2− 燃料極: H2 + O2− → H2O+2e− 全体 : H2 + 1/2 O2 → H2O
【0005】固体電解質層は、酸化物イオンの移動媒体
であると同時に、燃料ガスと空気を直接接触させないた
めの隔壁としても機能するので、ガス不透過性の緻密な
構造となっている。この固体電解質層は、酸化物イオン
伝導性が高く、空気極側の酸化性雰囲気から燃料極側の
還元性雰囲気までの条件下で化学的に安定で、熱衝撃に
強い材料から構成する必要があり、かかる要件を満たす
材料として、イットリアを添加した安定化ジルコニア
(YSZ)が一般的に使用されている。
であると同時に、燃料ガスと空気を直接接触させないた
めの隔壁としても機能するので、ガス不透過性の緻密な
構造となっている。この固体電解質層は、酸化物イオン
伝導性が高く、空気極側の酸化性雰囲気から燃料極側の
還元性雰囲気までの条件下で化学的に安定で、熱衝撃に
強い材料から構成する必要があり、かかる要件を満たす
材料として、イットリアを添加した安定化ジルコニア
(YSZ)が一般的に使用されている。
【0006】一方、電極である空気極(カソード)層と
燃料極(アノード)層はいずれも電子伝導性の高い材料
から構成する必要がある。空気極材料は、700℃前後
の高温の酸化性雰囲気中で化学的に安定でなければなら
ないため、金属は不適当であり、電子伝導性を持つペロ
ブスカイト型酸化物材料、具体的にはLaMnO3もし
くはLaCoO3、または、これらのLaの一部をS
r、Ca等に置換した固溶体が一般に使用されている。
また、燃料極材料は、Ni、Coなどの金属、或いはN
i−YSZ、Co−YSZなどのサーメットが一般的で
ある。
燃料極(アノード)層はいずれも電子伝導性の高い材料
から構成する必要がある。空気極材料は、700℃前後
の高温の酸化性雰囲気中で化学的に安定でなければなら
ないため、金属は不適当であり、電子伝導性を持つペロ
ブスカイト型酸化物材料、具体的にはLaMnO3もし
くはLaCoO3、または、これらのLaの一部をS
r、Ca等に置換した固溶体が一般に使用されている。
また、燃料極材料は、Ni、Coなどの金属、或いはN
i−YSZ、Co−YSZなどのサーメットが一般的で
ある。
【0007】固体酸化物型燃料電池には、1000℃前
後の高温で作動させる高温作動型のものと、700℃前
後の低温で作動させる低温作動型のものとがある。低温
作動型の固体酸化物型燃料電池は、例えば電解質である
イットリアを添加した安定化ジルコニア(YSZ)の厚
さを10μm程度まで薄膜化して、電解質の抵抗を低く
して、低温でも燃料電池として発電するように改良され
た発電セルを使用する。
後の高温で作動させる高温作動型のものと、700℃前
後の低温で作動させる低温作動型のものとがある。低温
作動型の固体酸化物型燃料電池は、例えば電解質である
イットリアを添加した安定化ジルコニア(YSZ)の厚
さを10μm程度まで薄膜化して、電解質の抵抗を低く
して、低温でも燃料電池として発電するように改良され
た発電セルを使用する。
【0008】高温の固体酸化物型燃料電池では、セパレ
ータには、例えばランタンクロマイト(LaCrO3)
等の電子伝導性を有するセラミックスが用いられるが、
低温作動型の固体酸化物燃料電池では、ステンレス等の
金属材料を使用することができる。
ータには、例えばランタンクロマイト(LaCrO3)
等の電子伝導性を有するセラミックスが用いられるが、
低温作動型の固体酸化物燃料電池では、ステンレス等の
金属材料を使用することができる。
【0009】また、固体酸化物型燃料電池の構造には、
円筒型、モノリス型、及び平板積層型の3種類が提案さ
れている。それらの構造のうち、低温作動型の固体酸化
物型燃料電池には、金属のセパレータを使用できること
から、金属のセパレータに形状付与しやすい平板積層型
の構造が適している。
円筒型、モノリス型、及び平板積層型の3種類が提案さ
れている。それらの構造のうち、低温作動型の固体酸化
物型燃料電池には、金属のセパレータを使用できること
から、金属のセパレータに形状付与しやすい平板積層型
の構造が適している。
【0010】平板積層型の固体電解質型燃料電池のスタ
ックは、発電セル、集電体、セパレータを交互に積層し
た構造を持つ。一対のセパレータが発電セルを両面から
挟んで、一方は空気極集電体を介して空気極と、他方は
燃料極集電体を介して燃料極と接している。燃料集電体
には、Ni基合金等のスポンジ状の多孔質体を使用する
ことができ、空気極集電体には、Ag基合金等の同じく
スポンジ状の多孔質体を使用することができる。スポン
ジ状多孔質体は、集電機能、ガス透過機能、均一ガス拡
散機能、クッション機能、熱膨脹差吸収機能等を兼ね備
えるので、多機能の集電体材料として適している。
ックは、発電セル、集電体、セパレータを交互に積層し
た構造を持つ。一対のセパレータが発電セルを両面から
挟んで、一方は空気極集電体を介して空気極と、他方は
燃料極集電体を介して燃料極と接している。燃料集電体
には、Ni基合金等のスポンジ状の多孔質体を使用する
ことができ、空気極集電体には、Ag基合金等の同じく
スポンジ状の多孔質体を使用することができる。スポン
ジ状多孔質体は、集電機能、ガス透過機能、均一ガス拡
散機能、クッション機能、熱膨脹差吸収機能等を兼ね備
えるので、多機能の集電体材料として適している。
【0011】セパレータは、発電セル間を電気接続する
と共に、発電セルに対してガスを供給する機能を有する
もので、燃料ガスをセパレータ外周面から導入してセパ
レータの燃料極層に対向する面から吐出させる燃料通路
と、酸化剤ガスをセパレータ外周面から導入してセパレ
ータの酸化剤極層に対向する面から吐出させる酸化剤通
路とをそれぞれ有している。
と共に、発電セルに対してガスを供給する機能を有する
もので、燃料ガスをセパレータ外周面から導入してセパ
レータの燃料極層に対向する面から吐出させる燃料通路
と、酸化剤ガスをセパレータ外周面から導入してセパレ
ータの酸化剤極層に対向する面から吐出させる酸化剤通
路とをそれぞれ有している。
【0012】図2は従来の燃料電池のスタックの構造の
一例を示している。この燃料電池スタック1は、固体電
解質層2の両面に燃料極層3及び空気極層4を配置し、
燃料極層3及び空気極層4の外側に多孔質クッション材
よりなる燃料極集電体6及び空気極集電体7を配置し、
燃料極集電体6と空気極集電体7の外側にセパレータ8
を配置し、これらを圧力をかけて密着積層した構造を持
っている。ここで、従来の燃料電池では、固体電解質層
2の両面の燃料極層3と空気極層4を、固体電解質層2
の両面に一体的に形成して、3層構造の発電セル5を構
成していた。
一例を示している。この燃料電池スタック1は、固体電
解質層2の両面に燃料極層3及び空気極層4を配置し、
燃料極層3及び空気極層4の外側に多孔質クッション材
よりなる燃料極集電体6及び空気極集電体7を配置し、
燃料極集電体6と空気極集電体7の外側にセパレータ8
を配置し、これらを圧力をかけて密着積層した構造を持
っている。ここで、従来の燃料電池では、固体電解質層
2の両面の燃料極層3と空気極層4を、固体電解質層2
の両面に一体的に形成して、3層構造の発電セル5を構
成していた。
【0013】例えば、3層構造の発電セル5を作製する
方法としては、まず、固体電解質層2を、ドクターブレ
ード法や押出法などで成形したグリーンシートの焼結に
より形成し、その片面に空気極層4の材料、反対面に燃
料極層3の材料スラリーを塗布し、順次または同時に焼
結させることにより、発電セル5を形成していた。ある
いは、固体電解質層2と各電極層3、4のグリーンシー
トをまず作製して重ね合わせ、一括焼成により焼結させ
る例もある。また、溶射法や電気化学的蒸着法を採用し
て、3層構造の発電セル5を形成する例もある。
方法としては、まず、固体電解質層2を、ドクターブレ
ード法や押出法などで成形したグリーンシートの焼結に
より形成し、その片面に空気極層4の材料、反対面に燃
料極層3の材料スラリーを塗布し、順次または同時に焼
結させることにより、発電セル5を形成していた。ある
いは、固体電解質層2と各電極層3、4のグリーンシー
トをまず作製して重ね合わせ、一括焼成により焼結させ
る例もある。また、溶射法や電気化学的蒸着法を採用し
て、3層構造の発電セル5を形成する例もある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】いずれにしろ、従来の
燃料電池では、固体電解質層2の両面に燃料極層3と空
気極層4を一体に積層していた。しかし、固体電解質型
燃料電池では、電解質層と各電極層の構成元素及び結晶
構造が異なっているため、各材料の熱膨張係数の違いか
ら、発電セル製作の焼成時や燃料電池の運転時に受ける
熱応力により、発電セルの歪み、割れ、層間剥離などが
起こる問題があった。
燃料電池では、固体電解質層2の両面に燃料極層3と空
気極層4を一体に積層していた。しかし、固体電解質型
燃料電池では、電解質層と各電極層の構成元素及び結晶
構造が異なっているため、各材料の熱膨張係数の違いか
ら、発電セル製作の焼成時や燃料電池の運転時に受ける
熱応力により、発電セルの歪み、割れ、層間剥離などが
起こる問題があった。
【0015】本発明は、上記事情を考慮し、固体電解質
層と電極層間の熱膨脹差により発生する各種問題を解決
し得るようにした固体電解質型燃料電池を提供すること
を目的とする。
層と電極層間の熱膨脹差により発生する各種問題を解決
し得るようにした固体電解質型燃料電池を提供すること
を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、固体
電解質層の両面に燃料極層と空気極層を配置し、燃料極
層と空気極層の外側にそれぞれ多孔質クッション材より
なる燃料極集電体と空気極集電体を配置し、燃料極集電
体と空気極集電体の外側にセパレータを配置して、これ
らを圧力をかけて密着積層した固体電解質型燃料電池に
おいて、前記燃料極層を燃料極集電体に一体形成すると
共に、前記空気極層を空気極集電体に一体形成し、前記
燃料極層及び空気極層を固体電解質層の表面に単純接触
させたことを特徴としている。
電解質層の両面に燃料極層と空気極層を配置し、燃料極
層と空気極層の外側にそれぞれ多孔質クッション材より
なる燃料極集電体と空気極集電体を配置し、燃料極集電
体と空気極集電体の外側にセパレータを配置して、これ
らを圧力をかけて密着積層した固体電解質型燃料電池に
おいて、前記燃料極層を燃料極集電体に一体形成すると
共に、前記空気極層を空気極集電体に一体形成し、前記
燃料極層及び空気極層を固体電解質層の表面に単純接触
させたことを特徴としている。
【0017】この発明では、燃料極層及び空気極層と固
体電解質層とが単に物理的に接触すだけであるから、こ
れらの層間に発生する熱膨脹差を、接触面間の滑りによ
って吸収することができる。ここで、燃料極層を燃料極
集電体に一体化したことにより、新たにこれらの層間の
熱膨脹差による問題の発生が懸念されるが、燃料極層と
燃料極集電体は共に多孔質体より構成されているので、
多孔質体の本来持っている柔軟性により熱膨脹差が吸収
されることになり、熱膨脹差による問題は起こらない。
空気極層と空気極集電体との間でも同じことが言える。
体電解質層とが単に物理的に接触すだけであるから、こ
れらの層間に発生する熱膨脹差を、接触面間の滑りによ
って吸収することができる。ここで、燃料極層を燃料極
集電体に一体化したことにより、新たにこれらの層間の
熱膨脹差による問題の発生が懸念されるが、燃料極層と
燃料極集電体は共に多孔質体より構成されているので、
多孔質体の本来持っている柔軟性により熱膨脹差が吸収
されることになり、熱膨脹差による問題は起こらない。
空気極層と空気極集電体との間でも同じことが言える。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は実施形態の固体電解質型燃料
電池のスタックの断面図である。
基づいて説明する。図1は実施形態の固体電解質型燃料
電池のスタックの断面図である。
【0019】この燃料電池スタック11では、従来のよ
うに固体電解質層2の両面に燃料極層3及び空気極層4
を一体に積層するのではなく、燃料極層3を燃料極集電
体6側に一体に積層すると共に、空気極層4を空気極集
電体7側に一体に積層し、燃料極層3及び空気極層4を
固体電解質層2の表面に単純接触させていることを特徴
としいる。
うに固体電解質層2の両面に燃料極層3及び空気極層4
を一体に積層するのではなく、燃料極層3を燃料極集電
体6側に一体に積層すると共に、空気極層4を空気極集
電体7側に一体に積層し、燃料極層3及び空気極層4を
固体電解質層2の表面に単純接触させていることを特徴
としいる。
【0020】ここで、固体電解質層2はイットリアを添
加した安定化ジルコニア(YSZ)等で構成され、燃料
極層3はNi、Co等の金属あるいはNi−YSZ、C
o−YSZ等のサーメットで構成され、空気極層4はL
aMnO3、LaCoO3等で構成されている。また、
燃料極集電体6はNi基合金等のスポンジ状の多孔質焼
結金属板で構成され、空気極集電体7はAg基合金等の
スポンジ状の多孔質焼結金属板で構成され、セパレータ
8はステンレス等で構成されている。
加した安定化ジルコニア(YSZ)等で構成され、燃料
極層3はNi、Co等の金属あるいはNi−YSZ、C
o−YSZ等のサーメットで構成され、空気極層4はL
aMnO3、LaCoO3等で構成されている。また、
燃料極集電体6はNi基合金等のスポンジ状の多孔質焼
結金属板で構成され、空気極集電体7はAg基合金等の
スポンジ状の多孔質焼結金属板で構成され、セパレータ
8はステンレス等で構成されている。
【0021】セパレータ8は、固体電解質層2を中心に
してその両側に燃料極層3、燃料極集電体6、空気極層
4、空気極集電体7を積層してなる単電池間を電気接続
すると共に、単電池に対してガスを供給する機能を有す
るもので、燃料ガスをセパレータ8の外周面から導入し
てセパレータ8の燃料極層3に対向する面から吐出させ
る燃料通路11と、酸化剤ガスをセパレータ8の外周面
から導入してセパレータ8の酸化剤極層4に対向する面
から吐出させる酸化剤通路12とをそれぞれ有してい
る。ただし、両端部のセパレータ8(8A、8B)は、
いずれかの通路11、12のみを有する。
してその両側に燃料極層3、燃料極集電体6、空気極層
4、空気極集電体7を積層してなる単電池間を電気接続
すると共に、単電池に対してガスを供給する機能を有す
るもので、燃料ガスをセパレータ8の外周面から導入し
てセパレータ8の燃料極層3に対向する面から吐出させ
る燃料通路11と、酸化剤ガスをセパレータ8の外周面
から導入してセパレータ8の酸化剤極層4に対向する面
から吐出させる酸化剤通路12とをそれぞれ有してい
る。ただし、両端部のセパレータ8(8A、8B)は、
いずれかの通路11、12のみを有する。
【0022】前述した燃料極集電体6や空気極集電体7
を構成する多孔質金属板は、Ni基合金やAg基合金等
よりなる三次元網状骨格を有するスポンジ状の多孔質金
属焼結板からなり、次の工程を経ることで作製したもの
である。工程の順番は、スラリー調製工程→成形工程→
発泡工程→乾燥工程→脱脂工程→焼結工程である。
を構成する多孔質金属板は、Ni基合金やAg基合金等
よりなる三次元網状骨格を有するスポンジ状の多孔質金
属焼結板からなり、次の工程を経ることで作製したもの
である。工程の順番は、スラリー調製工程→成形工程→
発泡工程→乾燥工程→脱脂工程→焼結工程である。
【0023】まず、スラリー調製工程において、金属粉
末、有機溶剤(n−ヘキサン等)、界面活性剤(ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム等)、水溶性樹脂結合
剤(ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、可塑剤
(グリセリン等)、水、を混ぜて発泡スラリーを調製す
る。これを成形工程において、ドクターブレード法によ
りキャリヤシート上に薄板状に成形してグリーンシート
を得る。次に発泡工程において、このグリーンシートを
高温高湿環境下で、揮発性有機溶剤の蒸気圧及び界面活
性剤の起泡性を利用してスポンジ状に発泡させた後、乾
燥工程、脱脂工程、焼成工程を経て多孔質金属板を得
る。
末、有機溶剤(n−ヘキサン等)、界面活性剤(ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム等)、水溶性樹脂結合
剤(ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、可塑剤
(グリセリン等)、水、を混ぜて発泡スラリーを調製す
る。これを成形工程において、ドクターブレード法によ
りキャリヤシート上に薄板状に成形してグリーンシート
を得る。次に発泡工程において、このグリーンシートを
高温高湿環境下で、揮発性有機溶剤の蒸気圧及び界面活
性剤の起泡性を利用してスポンジ状に発泡させた後、乾
燥工程、脱脂工程、焼成工程を経て多孔質金属板を得
る。
【0024】この場合、発泡工程において、グリーンシ
ートの内部に発生した気泡は、全方向からほぼ等価な圧
力を受けて略球状の形状で成長する。気泡が内部から拡
散して大気との界面に近づくと、気泡は、気泡と大気の
間のスラリーの薄い部分へと成長していき、やがて気泡
は破れて、気泡内部の気体は、できた小孔から大気中へ
拡散していく。よって、表面に開口した連続気孔を有す
る多孔質金属板が得られる。
ートの内部に発生した気泡は、全方向からほぼ等価な圧
力を受けて略球状の形状で成長する。気泡が内部から拡
散して大気との界面に近づくと、気泡は、気泡と大気の
間のスラリーの薄い部分へと成長していき、やがて気泡
は破れて、気泡内部の気体は、できた小孔から大気中へ
拡散していく。よって、表面に開口した連続気孔を有す
る多孔質金属板が得られる。
【0025】このように作製した多孔質金属板は、厚さ
方向に連続的に密から粗に組成の変化する傾斜組成を有
している。即ち、この多孔質金属板の一方の面側は、気
孔の小さな緻密な層となっているが、他方の面側に行く
に従い連続的に、気孔が大きくなり組成が粗になってい
る。
方向に連続的に密から粗に組成の変化する傾斜組成を有
している。即ち、この多孔質金属板の一方の面側は、気
孔の小さな緻密な層となっているが、他方の面側に行く
に従い連続的に、気孔が大きくなり組成が粗になってい
る。
【0026】燃料極層3や空気極層4を、これらの多孔
質金属板よりなる集電体6、7に一体的に積層する方法
としては、従来の固体電解質層に一体的に積層する方法
をそのまま採用することができる。例えば、先に作製し
た集電体に対し、電極層材料のスラリーを塗布または印
刷して焼結する方法を採ることができるし、集電体と電
極層のグリーンシートをまず作製して重ね合わせた後、
一括焼成により焼結する方法を採ることもできる。
質金属板よりなる集電体6、7に一体的に積層する方法
としては、従来の固体電解質層に一体的に積層する方法
をそのまま採用することができる。例えば、先に作製し
た集電体に対し、電極層材料のスラリーを塗布または印
刷して焼結する方法を採ることができるし、集電体と電
極層のグリーンシートをまず作製して重ね合わせた後、
一括焼成により焼結する方法を採ることもできる。
【0027】このように、燃料極層3を燃料極集電体6
に一体形成し、空気極層4を空気極集電体7に一体形成
し、これらを固体電解質層2の両面に積層させた場合、
燃料極層3及び空気極層4と固体電解質層2とが単に物
理的に接触するだけとなるから、これらの層間に発生す
る熱膨脹差を、接触面間の滑りによって吸収することが
できる。その結果、従来のように、熱応力によって電極
層(燃料極層3及び空気極層4)が固体電解質層2から
剥離したり、歪みや割れが起こったりする問題が解消さ
れる。なお、新たに燃料極層3を燃料極集電体6に一体
化したことにより、これらの層間の熱膨脹差による問題
の発生が懸念されるが、燃料極層3と燃料極集電体6は
共に多孔質体よりなるので、多孔質体の本来持っている
柔軟性により熱膨脹差が吸収されることになり、熱膨脹
差による問題は起こらない。空気極層4と空気極集電体
7との間でも同じことが言える。
に一体形成し、空気極層4を空気極集電体7に一体形成
し、これらを固体電解質層2の両面に積層させた場合、
燃料極層3及び空気極層4と固体電解質層2とが単に物
理的に接触するだけとなるから、これらの層間に発生す
る熱膨脹差を、接触面間の滑りによって吸収することが
できる。その結果、従来のように、熱応力によって電極
層(燃料極層3及び空気極層4)が固体電解質層2から
剥離したり、歪みや割れが起こったりする問題が解消さ
れる。なお、新たに燃料極層3を燃料極集電体6に一体
化したことにより、これらの層間の熱膨脹差による問題
の発生が懸念されるが、燃料極層3と燃料極集電体6は
共に多孔質体よりなるので、多孔質体の本来持っている
柔軟性により熱膨脹差が吸収されることになり、熱膨脹
差による問題は起こらない。空気極層4と空気極集電体
7との間でも同じことが言える。
【0028】なお、上述した実施形態では、発電セルの
電解質にイットリアを添加した安定化ジルコニア(YS
Z)を用いる固体酸化物型燃料電池を示したが、本発明
は、その他の固体酸化物型燃料電池、例えばセリア系電
解質、ガレート型電解質を用いる固体酸化物型燃料電池
にも適用することができる。
電解質にイットリアを添加した安定化ジルコニア(YS
Z)を用いる固体酸化物型燃料電池を示したが、本発明
は、その他の固体酸化物型燃料電池、例えばセリア系電
解質、ガレート型電解質を用いる固体酸化物型燃料電池
にも適用することができる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
多孔質体よりなる電極層(燃料極層及び空気極層)を、
固体電解質層側にではなく、同じ多孔質体よりなる集電
体(燃料極集電体及び空気極集電体)側に一体形成し、
電極層を固体電解質層の表面に単純接触させるようにし
たので、電極層と固体電解質層の層間に発生する熱膨脹
差を、接触面間の滑りによって吸収することができる。
従って、従来固体電解質層と電極層間に発生する熱応力
によって生じていた剥離の問題、歪みや割れの問題を解
消することができる。
多孔質体よりなる電極層(燃料極層及び空気極層)を、
固体電解質層側にではなく、同じ多孔質体よりなる集電
体(燃料極集電体及び空気極集電体)側に一体形成し、
電極層を固体電解質層の表面に単純接触させるようにし
たので、電極層と固体電解質層の層間に発生する熱膨脹
差を、接触面間の滑りによって吸収することができる。
従って、従来固体電解質層と電極層間に発生する熱応力
によって生じていた剥離の問題、歪みや割れの問題を解
消することができる。
【図1】本発明の実施形態の燃料電池のスタックの断面
図である。
図である。
【図2】従来の燃料電池のスタックの断面図である。
2 固体電解質層 3 燃料極層 4 空気極層 6 燃料極集電体 7 空気極集電体 8 セパレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H018 AA06 AS01 BB01 BB03 BB12 CC06 DD01 EE10 5H026 AA06 BB01 BB02 BB08 CC01 CC03 CC08 CX01
Claims (1)
- 【請求項1】 固体電解質層の両面に燃料極層と空気極
層を配置し、燃料極層と空気極層の外側にそれぞれ多孔
質クッション材よりなる燃料極集電体と空気極集電体を
配置し、燃料極集電体と空気極集電体の外側にセパレー
タを配置し、これらを圧力をかけて密着積層した固体電
解質型燃料電池において、 前記燃料極層を燃料極集電体に一体形成すると共に、前
記空気極層を空気極集電体に一体形成し、前記燃料極層
及び空気極層を固体電解質層の表面に単純接触させたこ
とを特徴とする固体電解質型燃料電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001163289A JP2002358976A (ja) | 2001-05-30 | 2001-05-30 | 固体電解質型燃料電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001163289A JP2002358976A (ja) | 2001-05-30 | 2001-05-30 | 固体電解質型燃料電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002358976A true JP2002358976A (ja) | 2002-12-13 |
Family
ID=19006291
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001163289A Withdrawn JP2002358976A (ja) | 2001-05-30 | 2001-05-30 | 固体電解質型燃料電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002358976A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005228740A (ja) * | 2004-01-16 | 2005-08-25 | Mitsubishi Materials Corp | 固体酸化物形燃料電池の製造方法 |
JP2005310692A (ja) * | 2004-04-26 | 2005-11-04 | Mitsubishi Materials Corp | 固体酸化物形燃料電池 |
JP2011192460A (ja) * | 2010-03-12 | 2011-09-29 | Mitsubishi Materials Corp | 固体酸化物形燃料電池の発電セルユニットとその製造方法 |
JP2012146459A (ja) * | 2011-01-11 | 2012-08-02 | Toshiba Corp | 固体酸化物形電気化学セルおよびその製造方法 |
-
2001
- 2001-05-30 JP JP2001163289A patent/JP2002358976A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005228740A (ja) * | 2004-01-16 | 2005-08-25 | Mitsubishi Materials Corp | 固体酸化物形燃料電池の製造方法 |
JP2005310692A (ja) * | 2004-04-26 | 2005-11-04 | Mitsubishi Materials Corp | 固体酸化物形燃料電池 |
JP4513396B2 (ja) * | 2004-04-26 | 2010-07-28 | 三菱マテリアル株式会社 | 固体酸化物形燃料電池 |
JP2011192460A (ja) * | 2010-03-12 | 2011-09-29 | Mitsubishi Materials Corp | 固体酸化物形燃料電池の発電セルユニットとその製造方法 |
JP2012146459A (ja) * | 2011-01-11 | 2012-08-02 | Toshiba Corp | 固体酸化物形電気化学セルおよびその製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101083701B1 (ko) | 가역 고형 산화물 연료전지 스택 및 이의 제조방법 | |
JP5219298B2 (ja) | 薄い固体酸化物電池 | |
KR101162806B1 (ko) | 자가-지지형 세라믹 멤브레인 및 전기화학 전지 및 이것을포함하는 전기화학 전지 적층체 | |
EP1768208A2 (en) | High performance anode-supported solid oxide fuel cell | |
US20070054169A1 (en) | Ceramic membranes with integral seals and support, and electrochemical cells and electrochemical cell stacks including the same | |
JP2008538449A5 (ja) | ||
US8697313B2 (en) | Method for making a fuel cell from a solid oxide monolithic framework | |
US8252366B2 (en) | Method for making toughened electrode-supported ceramic fuel cells | |
JP2001196069A (ja) | 燃料電池 | |
JP4552371B2 (ja) | 固体電解質型燃料電池 | |
JP4876363B2 (ja) | 集電体とその製造方法及び固体酸化物型燃料電池 | |
JP7261562B2 (ja) | 燃料電池、燃料電池スタック、およびそれらの製造方法 | |
JP2002329511A (ja) | 固体電解質型燃料電池用スタック及び固体電解質型燃料電池 | |
JP4512911B2 (ja) | 固体電解質型燃料電池 | |
US20120082920A1 (en) | Co-fired metal interconnect supported sofc | |
JP2002358996A (ja) | 平板積層型燃料電池のマニホールド構造 | |
JPH10172590A (ja) | 固体電解質型燃料電池 | |
JP2003263996A (ja) | 固体酸化物型燃料電池 | |
CN112467164B (zh) | 一种具有双电解质结构的固体氧化物电池芯片及制备方法 | |
JP4304889B2 (ja) | 固体電解質型燃料電池 | |
JP2002358980A (ja) | 固体電解質型燃料電池 | |
JP2002358976A (ja) | 固体電解質型燃料電池 | |
JP2004355814A (ja) | 固体酸化物形燃料電池用セル及びその製造方法 | |
JP7330689B2 (ja) | 燃料電池および燃料電池スタック | |
JP4341259B2 (ja) | 固体電解質型燃料電池およびセパレータ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20080805 |