JPH0733522Y2 - 電気自動車用充電装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は電気自動車用充電装置、特にオンボードチャー
ジャとオフボードチャージャとのいずれからも選択的に
車両駆動用蓄電池を充電可能な電気自動車用充電装置に
関する。

［従来の技術］ 電気自動車の駆動用蓄電池は定期的に充電する必要があ
り、このための充電装置としては車両に搭載可能なオン
ボードチャージャと、車外に据え置かれるオフボードチ
ャージャとがある。このうち、オンボードチャージャに
は当然のごとく小型軽量が条件となるため、充電に長時
間を要する。他方、オフボードチャージャはこのような
制限がなく短時間の急速充電に適する。

従って、車両の使用条件によってこれら両充電装置を使
い分けて効率良く充電できるシステムが望まれており、
第２図にこの様なオンボードチャージャ・オフボードチ
ャージャ兼用型の電気自動車用充電装置の一例を示す。

図において、交流電源10とオンボードチャージャ16とは
交流用コネクタ12を介して接続され、更にリレー接点14
により開閉される。オンボードチャージャ16と充電対象
となる車両駆動用主電池20とは第２図においては外した
状態で描かれているが、コネクタ18により接続される。
従って、オンボードチャージャ16の充電スイッチ16aを
オンすると、その出力端子16bから駆動用トランジスタ2
6のベースに電圧が印加され、該駆動用トランジスタ26
のオン作動により補助電池25からリレーコイル24に電流
が流れてリレー接点14が閉じる。

この結果、交流電源10とオンボードチャージャ16とが導
通し、電源10から交流電力がオンボードチャージャ16に
供給され、該オンボードチャージャ16は交流電力を直流
電力に変換して主電池20に供給する。

この様にして車両に搭載したオンボードチャージャ16に
より主電池20の充電が行われるわけであるが、より出力
の大きいもので急速充電を短時間で行う必要が生じた場
合には、車外のオフボードチャージャ22を用い、これを
主電池20に接続する。このためには、まずコネクタ18を
外してオンボードチャージャ16と主電池20との接続を切
り離し、オフボードチャージャ22の出力にコネクタ18c
を接続し、これを主電池側コネクタ18bとを接続し、オ
ンボードチャージャによる場合と同様の作用をもって充
電を行なう。

［考案が解決しようとする問題点］ 以上のようにして、オンボードチャージャ又はオフボー
ドチャージャのいずれからもバッテリの充電が可能であ
る。

しかしながら、この様な従来の充電装置ではオンボード
チャージャとオフボードチャージャとの切換えの度毎に
コネクタを継ぎ換えなければならないという面倒な手間
を要し、使用性に劣るという欠点があった。

また、この様な欠点を解消するためにオンボードチャー
ジャ用コネクタとオフボードチャージャ用コネクタとを
併設可能に構成することも考えられるが、この場合はバ
ッテリーにオンボードとオフボードの２つの充電器を同
時に接続するというような誤動作の生じる恐れがあり、
両充電器が同時にオン作動した場合には異常電流が流れ
て回路破損を起こすという問題がある。

考案の目的 本考案は上記従来の課題に鑑みなされたもので、その目
的は簡便な操作で主電池へのオンボードチャージャとオ
フボードチャージャの接続切換えを行うことの可能な電
気自動車用充電装置を提供することにある。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的を達成するために本考案は、交流電力が投入さ
れる交流用コネクタと、投入された交流電力を直流に変
換して主電池に供給するオンボードチャージャと、前記
オンボードチャージャと前記交流用コネクタとの間に設
けられ、両者を電気的に接続または遮断する切替スイッ
チと、前記直流電力が投入される直流用コネクタと、前
記直流用コネクタに、それと対になるコネクタが接続さ
れているか否かを判定する判定手段とを有し、前記直流
用コネクタに、それと対になるコネクタが接続されてい
るときには、前記オンボードチャージャと前記交流用コ
ネクタが電気的に遮断されるものである。

また本考案は、前記判定手段が２個のオフ接点を有し、
前記直流用コネクタに、それと対になるコネクタが接続
されているときには、これらのオフ接点が短絡するもの
である。

［作用］ 以上のごとく構成される本考案によれば、交流用コネク
タから投入された交流電力はオンボードチャージャによ
って直流に変換され、この直流電力によって主電池が充
電される。一方、直流電力は直流用コネクタに投入され
るが、この際、このコネクタには対になるコネクタが接
続されるはずである。そこで判定手段によってこのコネ
クタの接続状態が判定され、もし接続されていれば、交
流用コネクタとオンボードチャージャの間が自動的に遮
断される。この結果、直流電力と交流電力の両充電経路
が同時に主電池に接続される事態が回避される。

また本考案によれば、前記直流用コネクタに、それと対
になるコネクタが接続されているときには前記判定手段
の２個のオフ接点が短絡する構成であるため、コネクタ
の接続状態を判定することができる。

［実施例］ 以下、図面に基づき本考案の好適な実施例を説明する。

第１図に本考案に係る電気自動車用充電装置の全体構成
を模式的に示す。尚、図中前記第２図に係る従来装置と
同等の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略す
る。

本考案において特徴的なことは、主電池とオフボードチ
ャージャとを接続するコネクタには接続用のオン接点の
他にオフ接点を設け、この接続と同時に交流電源とオン
ボードチャージャとの接続が切れるように構成したこと
にある。これにより、コネクタの継ぎ換え作業を要する
ことなく、オンボードチャージャと主電池とを接続状態
に保持したままでオフボードチャージャの接続により自
動的にオンボードチャージャの機能が停止する。

即ち、実施例において主電池20とオフボードチャージャ
22とを接続するコネクタ28はオン接点28a,28bとオフ接
点28c,28dとを有し、このうちオフ接点28c,28dはオンボ
ードチャージャ16から駆動トランジスタ26へのベース電
圧供給ラインに接続されており、その他端は接地されて
いる。

次に動作を説明する。オンボードチャージャ16による主
電池20の充電作用に関しては上記従来の装置と変わると
ころはない。

そして、急速充電の必要が生じて大容量のオフボードチ
ャージャ22による充電を行う場合には、オンボードチャ
ージャ16と主電池20とは接続状態としたままで主電池20
とオフボードチャージャ22をコネクタ28を用いて接続す
る。

この時、コネクタ28のうち端子28aと28bとは主電池20と
オフボードチャージャ22との接続作用を果たすが、オフ
接点28cと28dとは接続と同時に短絡し、前述した如く、
駆動トランジスタ26のベース電圧を印加するためにオン
ボードチャージャ16の出力端子16bから導出されている
ラインと導通する。

従って、直流用コネクタ28の接続と同時にそのオフ接点
28c及び28dの短絡によりオンボードチャージャの出力端
子16bからのトランジスタ26へのベース電圧がアースさ
れ、トランジスタ26への電圧供給は停止する。

この結果、駆動トランジスタ26はオフされるためリレー
コイル24への補助電池25からの電流供給も停止し、リレ
ーコイル24は励磁されず、リレー接点14は開放状態のま
まとなる。こうして交流電源10とオンボードチャージャ
16との接続が断たれ、オンボードチャージャ16は主電池
20との接続に関係なくその機能を停止することが理解さ
れる。一方、オン接点28a,28bを介して主電池20とオフ
ボードチャージャ22とが充電態勢にセットされ、所定の
始動操作により主電池20はオフボードチャージャ22によ
り直流電力の供給を受けて所望の充電作用が行われるこ
ととなる。このように、オフボードチャージャ22を直流
用コネクタ28により主電池20に接続すると同時にオンボ
ードチャージャ16と交流電源との接続が断たれコネクタ
の継ぎ換えを必要とする事なくオンボードチャージャ16
と主電池20との接続を保持したままで、ワンタッチでオ
フボードチャージャ22による充電可能状態に設定するこ
とが実現できる。

従って、オフボードチャージャ22への接続切換え操作が
著しく簡便化され、面倒な手間を要することなく迅速・
円滑に必要な充電器に接続することができる。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案によれば、直流用コネクタ
の接続状態に従ってオンボードチャージャと交流用コネ
クタを電気的に遮断することができる。このため、直流
電力によって主電池を充電する場合には、交流電力によ
る充電の経路が自動的に絶たれ、直流・交流の切替え操
作が非常に簡略化される。かかる切替えは電気的に確実
に行われるため、回路破損等の事態を回避し、車両に対
する特別の知識を持たない使用者であっても容易に充電
をすることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る充電装置の全体構成を示す回路
図、 第２図は従来の充電装置の構成例である。 10…交流電源 12…交流用コネクタ 15…リレー接点 16…オンボードチャージャ 20…主電池 22…オフボードチャージャ 24…リレーコイル 26…駆動トランジスタ 28…直流用コネクタ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】電気自動車の駆動源である主電池（20）に
   対し、外部から供給される交流電力または直流電力の一
   方を選択して充電を行う電気自動車充電装置であって、 前記交流電力が投入される交流用コネクタ（12）と、 投入された交流電力を直流に変換して前記主電池（20）
   に供給するオンボードチャージャ（16）と、 前記オンボードチャージャ（16）と前記交流用コネクタ
   （12）との間に設けられ、両者を電気的に接続または遮
   断する切替スイッチ（14）と、 前記直流電力が投入される直流用コネクタ（28）と、 前記直流用コネクタ（28）に、それと対になるコネクタ
   が接続されているか否かを判定する判定手段（28c、28
   d）と、 を有し、 前記直流用コネクタ（28）に、それと対になるコネクタ
   が接続されているときには、前記オンボードチャージャ
   （16）と前記交流用コネクタ（12）が電気的に遮断され
   ることを特徴とする電気自動車用充電装置。
2. 【請求項２】請求項１に記載の電気自動車用充電装置に
   おいて、 前記判定手段（28c、28d）は２個のオフ接点を有し、前
   記直流用コネクタ（28）に、それと対になるコネクタが
   接続されているときには、これらのオフ接点が短絡する
   ことを特徴とする電気自動車用充電装置。