JPH07332677A - 電子レンジ及びその制御方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 種々の食品に対し電子レンジの種々の熱源を
最適に制御する。 【構成】 食品の種類及びその初期状態に基づく食品カ
テゴリー情報を電子レンジに供給して、予めプログラミ
ングされた対応の制御プログラムを選択する。この制御
プログラムは複数の期間に分割し、これらの期間中、電
子レンジのマイクロ波放射源と、マイクロ波で附勢可能
なクリスププレート４と、存在するならばグリル素子と
をプログラムにより決定された電力レベルで附勢する。
プログラムの実行は食品からの湿気の放出又はその他の
物質の放出及び／又は食品の温度を検知する１つ以上の
センサにより監視する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電子レンジのマイクロ
波放射源と、食品が配置され、電子レンジの制御ユニッ
トを介して制御しうる食品用の個別の熱源として作用す
る受け器又はプレート又は担持体の形態のマイクロ波附
勢可能底部ヒータとを用いて電子レンジ内で食品を調理
すなわち加熱する処理を制御する電子レンジ制御方法に
関するものである。

【０００２】本発明は更に、上述した方法を実施する電
子レンジに関するものであり、更に、このような電子レ
ンジを用いて自動制御処理により種々の食品を調理すな
わち加熱する方法にも関するものである。

【０００３】本明細書において、電子レンジとは、オー
ブン機能をも有する、いわゆるオーブンレンジをも意味
するものとする。マイクロ波放射源及び関連のマイクロ
波供給システムは電子レンジの庫内にマイクロ波の分布
を生じ、これにより食品のいわゆる全体加熱を行う。

【０００４】電子レンジは、マイクロ波で附勢しうるい
わゆるクリスプ(crisp) プレート又はブローニング(bro
wning)プレートの形態の追加の食品加熱源を有しうる。
クリスププレートは、熱容量が小さく熱伝導性が良好で
下面にマイクロ波吸収層が設けられているアルミニウム
プレートを以って構成しうる。スウェーデン国特許第９
００３１０４−８号明細書にはこのようなクリスププレ
ートが開示されている。ブローニングプレートは大きな
熱容量を有し、マイクロ波吸収層が設けられたセラミッ
クス又はガラスのプレートを以って構成しうる。一般
に、クリスププレート及びブローニングプレートの双方
共調理すなわち加熱中回転するように配置される。

【０００５】電子レンジはいわゆる“グリル素子”又は
これと等価な赤外線放射素子の形態の他の熱源も有する
ようにでき、この他の熱源は通常庫内の天井内に配置さ
れる（例えばスウェーデン国特許第９２０１７８６−２
号明細書参照）。

【０００６】

【従来の技術】これらの３種類の熱源が設けられた電子
レンジでは基本的に全体ヒータ、底部ヒータ及び頂部ヒ
ータを設けることができ、この場合、前者の２つのヒー
タからの熱放出は庫内へのマイクロ波の供給を調整する
ことにより制御され、最後のヒータは動作時間及び電力
レベルに関して直接制御される。特定の種類の食品の加
熱すなわち調理を最適にするためには、３つの熱源を適
切に用いる、すなわち、調理すなわち加熱処理の適切な
期間の間調整電力レベルで附勢する必要がある。しか
し、種々の種類の食品に対する熱源の附勢時間及び電力
レベルは可成り変化するという問題がある。このことは
平均的なユーザにとってはあまりにも複雑すぎ、従って
平均的なユーザには通常調理すなわち加熱処理を上述し
たように最適に制御する機会が与えられない。しかも、
電子レンジは異なる熱源間に製造者が決定した唯一の電
力バランスしか存在しないように構成されている。

【０００７】幾つかの国では、単相接続の装置の電力消
費が制限されており、このことは特に、マイクロ波放射
源とグリル素子とを同時に附勢できないということを意
味する。このことは、熱源の利用に対し関連の食品の種
類に応じて特別な条件を課し、ユーザに対し事を一層複
雑にする。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
したいかなる欠点をも生ぜず、熱源を有効に利用でき、
同時にユーザにとって使いやすい電子レンジを提供せん
とするにある。熱源を最適に利用することにより、電子
レンジは一般により一層有効なものとなり、現在通常の
オーブンで加熱する必要があるような食品や料理を例え
ばそれらのパリッとした状態を失うことなく調理すなわ
ち加熱するよう機能しうる。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、電子レンジの
マイクロ波放射源と、食品が配置され、電子レンジの制
御ユニットを介して制御しうる食品用の個別の熱源とし
て作用する受け器又はプレート又は担持体の形態のマイ
クロ波附勢可能底部ヒータとを用いて電子レンジ内で食
品を調理すなわち加熱する処理を制御する電子レンジ制
御方法において、食品カテゴリー情報を電子レンジに供
給する工程と、供給された食品カテゴリー情報に基づい
て、１つ以上の期間を有する調理すなわち加熱プログラ
ムを選択する工程と、各期間中、選択プログラムに応じ
た電力レベルで前記の熱源を附勢する工程と、食品の状
態を検知する１つ以上のセンサから得た１つ以上の検知
パラメータと、食品カテゴリーにより決定したパラメー
タ情報とに基づいて、制御変数を各期間中繰返し計算す
る工程と、期間を、食品カテゴリーにより決定されたプ
ログラム開始後の最大値から零に減少させる工程と、各
期間が零に減少されるか或いは制御変数の計算値が食品
カテゴリーにより決定された値を越えた場合に各期間を
終了させる工程と、すべての期間が終了された際にプロ
グラムを終了させる工程とを具えていることを特徴とす
る。

【００１０】本発明による方法によれば、電子レンジの
取扱いを著しく容易にする。その理由は、ユーザは単
に、関連の食品カテゴリーに関する情報を例えば電子レ
ンジの制御パネルを介して入力する必要があるだけであ
る為である。情報を入力した後には、電子レンジは自動
的に或いは始動釦を操作することにより始動しうる。次
に電子レンジは食品カテゴリーに応じて適切なプログラ
ムを選択し、調理すなわち加熱処理を完全に自動的に監
視する。

【００１１】ここに食品カテゴリー又は食品カテゴリー
情報とは、ポテト製品、ピザ及び鶏肉のような食品の特
定の種類や、新鮮な又は強冷凍の生の食品材料及び強冷
凍半加工製品のような、電子レンジに入れる際の食品の
状態に対し特に設計した調理又は加熱プログラムに相当
する情報を意味するものである。食品カテゴリー情報
は、例えば食品の種類及びその状態を表す数値を入力す
るか、或いは食品の種類を表す第１の値と食品の状態を
表す第２の値とを入力することにより与えることができ
る。食品カテゴリー情報は、食品カテゴリーに対し特定
の制御釦を操作するか或いは食品の種類及びその初期状
態に対し特定の釦を操作することにより入力するのが好
ましい。

【００１２】又、本発明は、庫内と、マイクロ波を庫内
に供給するマイクロ波放射源と、調理すなわち加熱のた
めに食品が配置される受け器又はプレート又は担持体の
形態のマイクロ波附勢可能底部ヒータと、この底部ヒー
タと庫内へのマイクロ波の供給とを制御する制御ユニッ
トと、食品の状態を表わす１つ以上の検知パラメータを
検知して前記の制御ユニットに供給する１つ以上のセン
サとを具える電子レンジにおいて、この電子レンジが食
品に関する食品カテゴリー情報を前記の制御ユニットに
供給する手段を具え、前記の制御ユニットのマイクロプ
ロセッサが以下の機能、すなわち − 供給された食品カテゴリー情報に基づいて、１つ以
上の期間を有する調理すなわち加熱プログラムを選択す
る機能と、 − 選択したプログラムに応じた電力レベルでマイクロ
波放射源を、従って底部ヒータを附勢する機能と、 − 前記の１つ以上のセンサから得たパラメータ値と食
品カテゴリーによって決定された１つ以上の関連の定数
とに基づいて各期間中繰返し変数を計算する機能と、 − プログラムを開始した後に、食品カテゴリーによっ
て決定された最大値から零まで期間を減少させる機能
と、 − 各期間が零に減少されるか或いは制御変数の計算値
が食品カテゴリーによって決定された値を越えた際に各
期間を終了させる機能と、 − すべての期間が終了された際にプログラムを終了さ
せる機能と、を実行するようプログラミングされている
ことを特徴とする。 本発明の好適例では、電子レンジに頂部ヒータ、例えば
庫内の天井内に配置したグリル素子を設け、これを選択
プログラムにより制御する。

【００１３】本発明の電子レンジの設計は、平均的ユー
ザは殆どある種類の食品を調理すなわち加熱するのに、
例えば強冷凍調理済料理又はパン及びポテト製品を加熱
するのに電子レンジを用いるということ、及びこの食品
は食品の種類及びその初期状態に基づいて種々の食品カ
テゴリーに分離しうるということに基づいて成したもの
である。更に、現在の電子レンジで得られる熱源、すな
わち庫内のマイクロ波電磁界、底部加熱用クリスププレ
ート及び頂部加熱用グリル素子を最適に利用することに
より調理結果を良好にでき、広範囲の食品又は料理に対
し電子レンジを使用できるようになり、電子レンジのユ
ーザに対する使いやすさはそのまま維持されるか或いは
一層改善されるということを確かめた。

【００１４】本発明によれば、庫内に配置したローター
クリスププレートと、庫内の天井内に配置したグリル素
子と、食品の状態を表す食品からの物質の放出や温度値
を検知するセンサとを有する電子レンジの使用は、食品
の種類及びその初期状態に基づく食品カテゴリー情報で
あって、電子レンジに供給される食品カテゴリー情報に
基づいて選択しうる、予めプログラミングした調理すな
わち加熱プログラムに応じて食品が自動的に調理すなわ
ち加熱されるという事実により従来のものと区別され
る。

【００１５】

【実施例】以下図面に付き好適実施例を説明するも、本
発明はこれに限定されるものではない。図１に示す電子
レンジは外匣１と、庫内３を閉じる扉２とを有し、この
庫内にはクリスププレート４が配置されている。クリス
ププレート４は熱容量の小さなアルミニウム板から成っ
ており、その下面にはゴム被着フェライトより成るマイ
クロ波吸収層が設けられている。使用するフェライト材
料は層のマイクロ波エネルギー吸収が終了するキュリー
点を有するようにするのが好ましく、このことは、食品
と接触するクリスププレートの上側面の温度が１３０〜
２３０℃の温度範囲で安定化することを意味する。クリ
スププレートは調理すなわち加熱処理中回転するように
なっている。スウェーデン国特許第９００３１０４−８
号明細書に開示されている電子レンジや型番ＶＩＰ２０
及びＶＩＰ２７の本出願人に係る電子レンジは考えられ
る構造のクリスププレートやその回転機構を採用してい
る。

【００１６】マイクロ波は、電子レンジのマイクロ波放
射源２０（通常マグネトロン）と導波路を介して連通す
る１つ以上の供給開口（図示せず）を経て庫内３に供給
される（図２参照）。図示の電子レンジは、マグネトロ
ン、これに関連する導波路システム、マグネトロンを動
作させる電源ユニット１９及び制御ユニット１５が制御
パネル５の後方に配置されている。マイクロ波供給シス
テムの好適例では、庫内の右側壁にあけた上側及び下側
供給開口を用いており、供給システムの他の部分はこれ
らの開口を経てマイクロ波の偏波を供給するように設計
されている。マイクロ波供給システムの構造に関するよ
り詳細な情報に対してはスウェーデン国特許第９００３
０１２−３号明細書や上述した本出願人に係る電子レン
ジを参照しうる。

【００１７】グリル素子（図示せず）は庫内の天井内
に、例えばスウェーデン国特許第９２０１７８６−２号
明細書に開示されているように配置されている。グリル
素子は、いわゆる“グリル管”、石英管又はハロゲン放
射源とすることができる。具体的な設計例は本出願人に
係る型番ＶＩＰ２０の電子レンジで見られる。

【００１８】制御パネル５は表示部６を有し、この表示
部６は制御ユニット１５（図２参照）による制御の下で
数ある中で選択プログラムに対する記号又は簡単な文の
メッセージや、残りの調理すなわち加熱時間を示し、す
なわち制御パネルを介して行ったユーザの選択を確認し
たり、調理すなわち加熱をいかに進行するかに関する他
の情報を与える。

【００１９】庫内にマイクロ波を供給して加熱するのを
選択するには制御釦７を用いる。電子レンジのグリル素
子を動作させるには制御釦８を用い、所望の時間はノブ
９により設定する。これらの基本的な選択は通常の電子
レンジと同じであり、直接作用するマイクロ波と、クリ
スププレートとグリル素子との相互作用を用いて特定の
種類の食品に対し予めプログラミングした所定数の調理
すなわち加熱プログラムの中から選択を行う本発明の選
択を追加する。例えば、マイクロ波によって直接作用す
る加熱のみを行なう場合には、除去可能なクリスププレ
ート４を通常のロータリー底部プレートと交換すること
ができる。

【００２０】釦１０及び１１はそれぞれ電子レンジをス
イッチ・オン及びスイッチ・オフするのに設けられてい
る。キーセット１２は食品カテゴリー情報を入力する、
従って予めプログラミングされた調理すなわち加熱プロ
グラムを選択する作用をする。これらの釦（キー）は例
えば、上から下に向かって、強冷凍ピザの加熱、強冷凍
パイの加熱、ポテトチップのような強冷凍ポテト製品の
加熱及び強冷凍鶏肉片の加熱に関するものとすることが
できる。釦を操作すると、完全な食品カテゴリー情報、
すなわち食品の種類及びその初期状態（例えば強冷凍）
に関する情報を同時入力する。電子レンジの変形例で
は、これらの釦を２つの組に分割し、食品の種類に関す
る情報を一方の組の釦で入力し、食品の初期状態に関す
る情報を他方の組の釦で入力する。電子レンジの最も簡
単な例では、１つのみの食品カテゴリーを用いる。この
ことは１つのみの釦を必要とするだけであることを意味
する。すべての釦やノブ及び表示部は制御ユニット１５
とつながっている。

【００２１】電子レンジの上側面には、庫内３の天井と
外匣１との間の空間に配置された庫内排気溝（図示せ
ず）と連通する換気孔１３が設けられている。排気溝内
には湿度センサ及び温度センサが配置され、排気してい
る空気の湿度及び温度を検知する。これらの湿度及び温
度は庫内で調理している食品の状態に直接関連してい
る。湿度センサは一般に、食品からの放出物質、すなわ
ち湿気、ガス等を検知しうるセンサとしうる（スウェー
デン国特許第９２０１３１４−２号明細書参照）。セン
サを選択し、これらを排気溝中に配置するのは通常の手
段にすぎない為、その詳細な説明は省略する。電子レン
ジは、これを商用電源に単相接続するためにプラグ付コ
ード１４を有する。

【００２２】図２のブロック線図は制御ユニット１５
と、マイクロプロセッサ及びその関連のプログラムメモ
リ１６とを示す。ユーザ情報は、前述した制御釦及びノ
ブを表す入力部１７を介して制御ユニット１５に入力さ
れる。制御ユニット１５は表示部６を制御する。この制
御ユニット１５はドライバ１８及びマイクロ波電源ユニ
ット１９を介してマイクロ波放射源２０を、従って庫内
３へのマイクロ波の供給を制御する。又、制御ユニット
１５はドライバ２１を介してグリル素子２２を、従って
庫内３に供給されるＩＲ（赤外線）放射を制御する。庫
内からの情報は、庫内排気溝内の換気空気の湿度及び温
度をそれぞれ検知する湿度センサ２３及び温度センサ２
４を介して制御ユニット１５に伝達される。従って、調
理すなわち加熱処理の制御は完全な帰還により達成され
る為、食品の生材料、開始温度及び商用電源電圧の変化
に対する調理すなわち加熱処理の影響が最小となる。こ
れらの機能ユニットの構造に関する更なる詳細な情報に
対しては、前述した特許明細書及び本出願人により製造
した電子レンジを参照しうる。

【００２３】予めプログラミングした調理すなわち加熱
プログラムを示す図３のフローチャートは順次の３つの
期間Ｔ１，Ｔ２，Ｔ３を有する。各期間には食品カテゴ
リーにより決定される最大持続時間が割り当てられてい
る。それぞれの期間中、マイクロ波の供給、従ってクリ
スププレートの加熱やグリル素子の附勢が食品カテゴリ
ーによって決定される電力レベルで行なわれる。関連の
期間中のマイクロ波及びグリル素子に対する電力レベル
をそれぞれＰＭ１，ＰＭ２，ＰＭ３及びＰＧ１，ＰＧ
２，ＰＧ３で示す。制御変数ｃは湿度センサ及び温度セ
ンサから得られる情報に基づいてそれぞれの期間中以下
のように連続的に計算される。

【００２４】Ｔ１中： ｃ＝ａ１・（湿度の増分）＋ｂ１・（温度） Ｔ２中： ｃ＝ａ２（湿度の増分）＋ｂ２・（温度） Ｔ３中： ｃ＝ａ３（湿度の増分）＋ｂ３・（温度） ここにａ１，ａ２，ａ３及びｂ１，ｂ２，ｂ３は食品カ
テゴリーによって決定される定数である。

【００２５】それぞれの期間中、この期間は零に向かっ
て減少する。期間が零に減少するか或いは制御変数が食
品カテゴリーによってそれぞれ決定される値（定数）ｃ
１，ｃ２及びｃ３を越えると、当該期間が終了し、次の
期間が開始される。期間Ｔ３が終了すると、プログラム
が終了される。

【００２６】電力レベルＰＭ１，ＰＭ２，ＰＭ３及びＰ
Ｇ１，ＰＧ２，ＰＧ３は各食品カテゴリーに対し最適な
ものであり、電子レンジの更なる改良では期間中に変え
るようにすることができる。同様にすべての定数ａ１，
ａ２，ａ３；ｂ１，ｂ２，ｂ３；ｃ１，ｃ２，ｃ３もそ
れぞれの食品カテゴリーに対し最適なものである。供給
するマイクロ波電力を異なる供給開口に配分し、エネル
ギーをクリスププレートからの底部加熱と食品の内部の
マイクロ波加熱とに配分するようにすることができる。
このような配分はスウェーデン国特許第９３０２３０２
−６号明細書に記載されたマイクロ波供給システムを用
いて達成しうる。

【００２７】図３のフローチャートに示すプログラムは
以下の工程を経て実行される。ここに、Ｙは“イエス”
を、Ｎは“ノー”を表す。 ｓ１：スタート。 ｓ２：食品カテゴリーに基づく期間Ｔ１，Ｔ２，Ｔ３の
設定。 ｓ３：電力ＰＭ１でのマイクロ波の発生。電力ＰＧ１で
のグリル素子のオン。Ｔ１の減少。 ｓ４：Ｔ１＝０であるか。Ｙの場合ｓ６に進み、Ｎの場
合ｓ５に進む。 ｓ５：ｃの計算。ｃ≧ｃ１であるか。Ｎの場合ｓ３に戻
り、Ｙの場合ｓ６に進む。 ｓ６：電力ＰＭ２でのマイクロ波の発生。電力ＰＧ２で
のグリル素子のオン。Ｔ２の減少。 ｓ７：Ｔ２＝０であるか。Ｙの場合ｓ９に進み、Ｎの場
合ｓ８に進む。 ｓ８：ｃの計算。ｃ≧ｃ２であるか。Ｙの場合ｓ９に進
み、Ｎの場合ｓ６に戻る。 ｓ９：電力ＰＭ３でのマイクロ波の発生。電力ＰＧ３で
のグリル素子のオン。Ｔ３の減少。 ｓ10：Ｔ３＝０であるか。Ｙの場合ｓ１２に進み、Ｎの
場合ｓ１１に進む。 ｓ11：ｃの計算。ｃ≧ｃ３であるか。Ｙの場合ｓ１２に
進み、Ｎの場合ｓ９に戻る。 ｓ12：プログラムの終了。

【００２８】ステップｓ１３は、食品の重量に関する情
報を制御ユニット１５に供給する手段が電子レンジに設
けられている場合の、制御プログラムの可能な更なる改
良に関するものである。このことは例えば、本発明によ
る自動制御プログラムを用いる場合に、図１のノブ９を
食品の重量を設定する手段としても作用するように構成
することにより達成しうる。或いはまた、スウェーデン
国特許出願第９３００２９１−３号明細書に記載された
設計の重量センサ２５（図２参照）をロータリークリス
ププレートに隣接して電子レンジに設けるようにするこ
とができる。

【００２９】マイクロプロセッサはこの重量情報ｗに基
づいてプログラムのそれぞれの期間の期待する持続時間
Ｔ１ｅ，Ｔ２ｅ，Ｔ３ｅを以下の通りに計算する。 Ｔ１ｅ＝ｋ１・ｗ Ｔ２ｅ＝ｋ２・ｗ Ｔ３ｅ＝ｋ３・ｗ ここに、ｋ１，ｋ２，ｋ３は食品カテゴリーに依存する
定数である。

【００３０】上述したプログラムは上述した例に限定さ
れず、本発明の範囲内で種々に変更しうること勿論であ
る。例えば、換気空気温度をプログラム開始時に検知
し、プログラム実行中に用いるパラメータ情報を検知温
度に基づいて補正するようにすることができる。これに
より、開始時にすでに加熱されている電子レンジのいか
なる影響をも排除する。又、クリスププレートの温度を
検知する温度センサを導入して検知温度をマイクロ波放
射源及びグリル素子の制御に用いることもできる。本発
明の方法を実行するに当たっては、いわゆるファジイ論
理決定を用いることができる。又、他のいかなる通常の
変更も本発明の範囲に含まれるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による電子レンジをその扉を開放した状
態で示す斜視図である。

【図２】本発明の方法を実行する際に協働する電子レン
ジの機能ユニットを示すブロック線図である。

【図３】制御ユニットのマイクロプロセッサを制御する
ために予めプログラミングした調理すなわち加熱プログ
ラムを示すフローチャートである。

【符号の説明】

１ 外匣 ２ 扉 ３ 庫内 ４ クリスププレート ５ 制御パネル ６ 表示部 ７，８ 制御釦 ９ ノブ １０ スイッチ・オン釦 １１ スイッチ・オフ釦 １２ キーセット １３ 換気孔 １４ プラグ付コード １５ 制御ユニット １６ マイクロプロセッサ兼プログラムメモリ １７ 入力部 １８，２１ ドライバ １９ マイクロ波電源ユニット ２０ マイクロ波放射源 ２２ グリル素子 ２３ 湿度センサ ２４ 温度センサ ２５ 重量センサ

Claims (18)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電子レンジのマイクロ波放射源（２０）
   と、食品が配置され、電子レンジの制御ユニット（１
   ５）を介して制御しうる食品用の個別の熱源として作用
   する受け器又はプレート又は担持体の形態のマイクロ波
   附勢可能底部ヒータ（４）とを用いて電子レンジ内で食
   品を調理すなわち加熱する処理を制御する電子レンジ制
   御方法において、 食品カテゴリー情報を電子レンジに供給する工程と、 供給された食品カテゴリー情報に基づいて、１つ以上の
   期間（Ｔ１，Ｔ２，--- ) を有する調理すなわち加熱プ
   ログラムを選択する工程と、 各期間中、選択プログラムに応じた電力レベルで前記の
   熱源を附勢する工程と、 食品の状態を検知する１つ以上のセンサから得た１つ以
   上の検知パラメータと、食品カテゴリーにより決定した
   パラメータ情報とに基づいて、制御変数（ｃ）を各期間
   中繰返し計算する工程と、 期間を、食品カテゴリーにより決定されたプログラム開
   始後の最大値から零に減少させる工程と、 各期間が零に減少されるか或いは制御変数の計算値が食
   品カテゴリーにより決定された値（ｃ１，ｃ２，--- )
   を越えた場合に各期間を終了させる工程と、 すべての期間が終了された際にプログラムを終了させる
   工程とを具えていることを特徴とする電子レンジ制御方
   法。
2. 【請求項２】 電子レンジが更に追加の可制御熱源とし
   てグリル素子又はその他の等価な赤外線放射電子素子の
   形態の頂部ヒータを有する請求項１に記載の電子レンジ
   制御方法において、選択プログラムに応じて頂部ヒータ
   を附勢する工程を具えていることを特徴とする電子レン
   ジ制御方法。
3. 【請求項３】 プログラムが複数の期間Ｔ１，Ｔ２，--
   - Ｔｎに分割され、各期間中１つ以上の検知パラメータ
   ｘ１，ｘ２，--- ｘｋを検知する請求項１に記載の電子
   レンジ制御方法において、 それぞれの期間中各検知パラメータに対し前記のパラメ
   ータ情報として関連の定数ａ１，ａ２，--- ａｎ；ｂ
   １，ｂ２，--- ｂｎ；--- ；ｋ１，ｋ２，--- ｋｎを選
   択することを特徴とする電子レンジ制御方法。
4. 【請求項４】 請求項３に記載の電子レンジ制御方法に
   おいて、制御変数ｃを期間Ｔｎ中に ｃ＝ａｎ・ｘ１＋ｂｎ・ｘ２＋--- ＋ｋｎ・ｘｋ として計算することを特徴とする電子レンジ制御方法。
5. 【請求項５】 制御プログラムが２つの期間Ｔ１，Ｔ２
   を有し、２つの検知パラメータを検知する請求項４に記
   載の電子レンジ制御方法において、制御変数ｃを期間Ｔ
   １中 ｃ＝ａ１・ｘ１＋ｂ１・ｘ２ として計算し、期間Ｔ２中 ｃ＝ａ２・ｘ１＋ｂ２・ｘ２ として計算することを特徴とする電子レンジ制御方法。
6. 【請求項６】 請求項１に記載の電子レンジ制御方法に
   おいて、電子レンジの庫内からの換気空気の湿度の増分
   及び温度を検知パラメータとして用いることを特徴とす
   る電子レンジ制御方法。
7. 【請求項７】 電子レンジの庫内からの換気空気の温度
   を検知パラメータとして用いる請求項１に記載の電子レ
   ンジ制御方法において、換気空気の初期温度を検知し、
   これに基づく補正を前記のパラメータ情報に導入するこ
   とを特徴とする電子レンジ制御方法。
8. 【請求項８】 電子レンジが更に、食品の重量を入力又
   は検知する手段を有している請求項１に記載の電子レン
   ジ制御方法において、ｉ＝１，２，３，--- とし、Ｔｉ
   ｅを期間の期待持続時間とし、ｋｉを食品カテゴリーに
   よって決定された定数とし、ｗを食品の重量とした際
   に、食品の重量ｗ及び食品カテゴリーによって決定され
   る定数ｋｉに関する情報に基づいて調理すなわち加熱プ
   ログラムの各期間の期待持続時間を制御ユニットにより Ｔｉｅ＝ｋｉ・ｗ として計算し、期間の期待持続時間の計算値を調理すな
   わち加熱処理の追加の監視用に用いることを特徴とする
   電子レンジ制御方法。
9. 【請求項９】 庫内（３）と、マイクロ波を庫内に供給
   するマイクロ波放射源（２０）と、調理すなわち加熱の
   ために食品が配置される受け器又はプレート又は担持体
   の形態のマイクロ波附勢可能底部ヒータ（４）と、この
   底部ヒータと庫内へのマイクロ波の供給とを制御する制
   御ユニット（１５）と、食品の状態を表わす１つ以上の
   検知パラメータを検知して前記の制御ユニットに供給す
   る１つ以上のセンサ（２３，２４）とを具える電子レン
   ジにおいて、この電子レンジが食品に関する食品カテゴ
   リー情報を前記の制御ユニットに供給する手段（１２）
   を具え、前記の制御ユニットのマイクロプロセッサ（１
   ６）が以下の機能、すなわち − 供給された食品カテゴリー情報に基づいて、１つ以
   上の期間（Ｔ１，Ｔ２，--- ）を有する調理すなわち加
   熱プログラムを選択する機能と、 − 選択したプログラムに応じた電力レベルでマイクロ
   波放射源を、従って底部ヒータを附勢する機能と、 − 前記の１つ以上のセンサから得たパラメータ値と食
   品カテゴリーによって決定された１つ以上の関連の定数
   とに基づいて各期間中繰返し変数（ｃ）を計算する機能
   と、 − プログラムを開始した後に、食品カテゴリーによっ
   て決定された最大値から零まで期間を減少させる機能
   と、 − 各期間が零に減少されるか或いは制御変数の計算値
   が食品カテゴリーによって決定された値（ｃ１，ｃ２，
   --- ）を越えた際に各期間を終了させる機能と、 − すべての期間が終了された際にプログラムを終了さ
   せる機能と、を実行するようプログラミングされている
   ことを特徴とする電子レンジ。
10. 【請求項１０】 庫内を換気する排気溝が設けられてい
    る請求項９に記載の電子レンジにおいて、換気空気の温
    度及び湿度を前記の検知パラメータとしてそれぞれ検知
    する温度センサ（２４）及び湿度センサ（２３）が排気
    溝内に配置され、これらセンサが調理すなわち加熱処理
    中に動作状態に保持されるようになっていることを特徴
    とする電子レンジ。
11. 【請求項１１】 請求項１０に記載の電子レンジにおい
    て、前記の制御ユニット（１５）のマイクロプロセッサ
    （１６）は、調理すなわち加熱プログラムが開始された
    際の換気空気の温度の値を温度センサ（２４）から取出
    し、取出された温度値によりこのプログラムを調整する
    ようにプログラミングされていることを特徴とする電子
    レンジ。
12. 【請求項１２】 請求項９に記載の電子レンジにおい
    て、食品カテゴリー情報を供給する前記の手段（１２）
    は、食品の種類及び電子レンジ内に入れられた際の食品
    の状態に基づくパラメータであって、前記の制御ユニッ
    ト内に記憶された調理すなわち加熱プログラムに対応す
    るパラメータを生じるように構成されていることを特徴
    とする電子レンジ。
13. 【請求項１３】 請求項９に記載の電子レンジにおい
    て、食品カテゴリー情報を生じる前記の手段（１２）
    が、食品の種類のパラメータを生じる第１手段と、食品
    の状態のパラメータを生じる第２手段とを具え、これら
    パラメータの組合せが前記の制御ユニット内に記憶され
    た調理すなわち加熱プログラムに対応するようになって
    いることを特徴とする電子レンジ。
14. 【請求項１４】 請求項９に記載の電子レンジにおい
    て、選択された調理すなわち加熱プログラムを表わす指
    示、すなわち記号又は簡単な文のメッセージを示す表示
    部（６）が設けられた制御パネル（５）を具えているこ
    とを特徴とする電子レンジ。
15. 【請求項１５】 前記の制御ユニット（１５）を経て制
    御しうるグリル素子又はその他の等価な赤外線放射電子
    素子の形態の頂部ヒータが設けられた請求項９に記載の
    電子レンジにおいて、前記の頂部ヒータはその動作時間
    及び加熱効果に関して、選択されたプログラムに応じて
    制御されるようになっていることを特徴とする電子レン
    ジ。
16. 【請求項１６】 請求項１５に記載の電子レンジにおい
    て、この電子レンジは、熱容量が小さく熱伝導性が良好
    な金属より成りその下面にマイクロ波吸収層が設けられ
    ているロータリークリスププレート（４）を有してお
    り、電子レンジの庫内の天井内にグリル素子が配置さ
    れ、電子レンジには前記のクリスププレート（４）の高
    さ位置でマイクロ波供給開口を有するマイクロ波供給シ
    ステムが設けられ、このマイクロ波供給システムはＥベ
    クトル又はＨベクトルが前記のマイクロ波吸収層のほぼ
    平面内に延在している偏波のマイクロ波を供給するよう
    になっていることを特徴とする電子レンジ。
17. 【請求項１７】 請求項９に記載の電子レンジにおい
    て、前記の制御ユニット（１５）は食品の重量（ｗ）を
    追加の制御パラメータとして用いるように構成され、食
    品の重量に関する情報は受け器又はプレート又は担持体
    （４）に隣接して配置された重量センサ（２５）から或
    いは重量の測定値を入力する手段（９）から供給され、
    前記の制御ユニットは食品の重量と食品カテゴリーによ
    って決定された定数（ｋ１，ｋ２，--- ）とに基づいて
    選択プログラムの期間（Ｔ１ｅ，Ｔ２ｅ，--- ）の期待
    持続時間を計算するようになっていることを特徴とする
    電子レンジ。
18. 【請求項１８】 庫内（３）に配置したロータリークリ
    スププレート（４）と、庫内の天井内に配置されたグリ
    ル素子と、食品の状態を表わす食品からの物質の放出及
    び温度値を検知するセンサ（２３，２４）とを有する電
    子レンジを用い、食品の種類及びその初期状態に基づく
    食品カテゴリー情報であって、電子レンジに供給される
    食品カテゴリー情報に基づいて選択しうる、予めプログ
    ラミングした調理すなわち加熱プログラムに応じて食品
    を自動調理すなわち加熱する方法。