JPS6240241Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、天面板に設けられた熱風吹出口か
らの熱風を循環させるようにしたオーブンレンジ
に関する。

従来、調理の際に、天面板に設けられた熱風吹
出口から調理庫内に熱風を吐出させる熱風式オー
ブンレンジには、被調理物を載置する複数枚の受
皿を多段に重ねた調理方法、すなわち多段受皿方
式による調理方法で調理を行なえるものがある。

そして、たとえば２板の受皿を使用した２段受
皿方式により、多数個のパンやクツキーやシユー
クリームなどを一度に焼こうとする場合、天面板
に近い上段の受皿の被調理物の温度が多量の熱風
のために非常に高くなり、逆に、天面板から遠い
下段の受皿の被調理物にはほとんど熱風が達しな
いために、被調理物の温度が低いものになる。し
たがつて、いわゆるむら焼けが生じる欠点があ
る。

この考案は、前記の点に留意してなされたもの
であり、つぎにこの考案を、その実施例を示した
図面とともに詳細に説明する。

まず、１実施例を示した第１図ないし第３図に
ついて説明する。

それらの図面において、１は外側フレーム、２
はシール部材３を介して外側フレームに当接する
ドア、４はドア２に設けられた把手、５は外側フ
レーム１内に設けられた調理庫であり、天面板
６，底面板７，左，右側板８，９および背面板１
０により形成されている。１１ａ，１１ｂは調理
庫５内に設けられた２個の回転受皿であり、一方
の回転受皿１１ａの上に取り外し自在の支持具１
２を介して他方の回転受皿１１ｂが重ねられてい
る。１３は底面板７を介して一方の回転受皿１１
ａに取付けられた回転機構、１４は一方の回転受
皿１１ａの下面外周に当接する複数個の回転車
輪、１５ａはブロアモータであり、ベルト１６を
介して回転機構１３に駆動力を与えるとともに、
送風用フアン１５ｂを回転させる。１７は送風用
フアン１５ｂの上方に設けられたマグネトロンで
あり、天面板６に開口部を有する導波管１８を介
して調理庫５内にマイクロ波を放出する。１９は
天面板６の上部に設けられ天面板６の上側部に熱
風発生室を形成する熱風発生機構カバー、２０は
熱風発生機構カバー１９内に設けられたヒータ、
２１はヒータ用フアン（後述する）に隣接して設
けられた庫内温度を検知するためのサーモスタツ
ト、２２はヒータフアンモータであり、ヒータ用
フアン２３を回転させ、天面板６に形成された第
１吸入開口部２４から調理庫５の空気を吸入し、
ヒータ２０を介した熱風を、天面板６に形成され
た熱風吐出開口である第１吐出開口部２５から調
理庫５内に放出する。２６は背面板１０の後方に
設けられ背面板１０の外側部に循環風発生室を形
成する循環フアンカバーであり、内部に循環用フ
アン２７が設けられている。２８は循環フアンカ
バー２６の後方に設けられた循環フアンモータで
あり、循環用フアン２７を回転させる。２９は背
面板１０の中央部形成された第２吸入開口部であ
り、循環用フアン２７の回転により調理庫５内の
空気を循環フアンカバー２６内に吸入する。３
０，３１は背面板１０の上部および下部それぞれ
に形成された第２，第３吐出開口部であり、第２
吸入開口部２９を介して循環フアンカバー２６内
に吸入された空気を再び調理庫５内に吐出させ
る。なお、３２は両回転受皿１１ａ，１１ｂそれ
ぞれに載置された複数個の被調理物である。ま
た、両吸入開口部２４，２９，各吐出開口部２
５，３０，３１はマイクロ波が侵入しないような
パンチング板やラス板により形成されている。さ
らに第１図の矢印は空気の流れを示す。

そして、第１図に示すように、一方の回転受皿
１１ａの上部に、支持具１２を介して他方の回転
受皿１１ｂを重ねたいわゆる２段受皿方式によ
り、被調理物３２である多数の小さなパンやクツ
キーやシユークリームなどを一度に焼く場合、第
３図に示すように、交流電源（図示せず）の両端
それぞれに接続された第１，第２電源端子３３
ａ，３３ｂの交流電圧が、ラツチスイツチ３４，
ドアスイツチ３５，タイムスイツチ３６，切換ス
イツチ３７のヒータ接点ｈの直列回路と、ヒユー
ズ３８とを介してサーモスタツト２１とヒータ２
０との直列回路に印加され、ヒータ２０が動作す
るとともに、サーモスタツト２１とヒータ２０と
の直列回路に並列接続されたヒータフアンモータ
２２が動作する。なお、３９はラツチスイツチ３
４などの故障時にヒユーズ３８を溶断させるモニ
タースイツチである。また、タイムスイツチ３６
がタイマ４０の動作により閉路するとともに、タ
イムスイツチ３６の閉路によりブロアモータ１５
ａが動作する。

さらに、ヒータフアンモータ２２に並列に、循
環フアンモータ２８の駆動を制御する循環フアン
スイツチ４１と循環フアンモータ２８との直列回
路が接続され、循環フアンスイツチ４１を閉路す
ることにより循環フアンモータ２８が動作し、循
環用フアン２７の回転により、第２吸入開口部２
９から調理庫５の空気を吸入するとともに、吸入
した空気を第２，第３吐出開口部３０，３１から
吐出し、ヒータ２０，第１吐出開口部２５を介し
て調理庫５内に吐出された熱風を循環させ、調理
庫５内の温度分布を平均化させ、両回転受皿１１
ａ，１１ｂに載置された被調理物３２にほぼ等し
い熱風を与え、むら焼けを防止する。

このとき、第１吐出開口部２５より調理庫５内
に吐出された熱風は、一部が直接庫内の循環熱風
として被調理物３２の加熱に使用され、残りが循
環用フアン２７によつて分散されることになり、
熱風発生室からの熱風をすべて循環用フアン２７
によつて分散する場合に比し、循環用フアン２７
におけるエネルギー損失が少なくなり、効率的な
加熱調理が行なわれる。

つぎに、一方の回転受皿１１ａのみを使用し、
強く焼く必要のあるローストチキンやアツプルパ
イなどを焼く場合、循環フアンスイツチ４１を開
路することにより、循環フアンモータ２８の動作
を停止させ、ヒータ２０，第１吐出開口部２５を
介した熱風を循環させることなく一方の回転受皿
１１ａに与え、一方の回転受皿１１ａに多量の熱
風を与えることにより、ローストチキンやアツプ
ルパイを仕上り良く焼くことができる。なお、食
パンなどを焼く場合も同様である。

さらに、第３図において、切換スイツチ３７を
マグネトロン接点ｍに切り換えると、交流電圧が
高圧トランス４２の１次巻線４３ａの両端間に印
加され、高圧トランス４２の２次巻線４３ｂに高
圧交流が発生するとともに、高圧トランス４２の
３次巻線４３ｃに低圧交流が発生し、２次巻線４
３ｂの高圧交流がコンデンサ４４，ダイオード４
５により高圧直流に変換され、コンデンサ４４，
ダイオード４５により変換された高圧直流がマグ
ネトロン１７に供給されるとともに、３次巻線４
３ｃの低圧交流がマグネトロン１７に供給され、
マグネトロン１７が動作し、いわゆる高周波加熱
が行なわれる。

したがつて、前記実施例によると、循環フアン
スイツチ４１を閉路することにより循環フアンモ
ータ２８が動作し、循環フアンモータ２８の動作
により循環用フアン２７が回転するとともに、調
理庫５内の熱風が循環され、調理庫５の温度分布
が平均化され、被調理物３２をむら焼けが生じる
ことなく均一に加熱調理することができる。しか
も、熱風の循環を循環フアンスイツチ４によつて
選択的に制御できるため、メニユや被調理物の数
量に応じて加熱状態を制御できる効果が得られ
る。また循環フアンカバー２６内に加熱素子がな
いため、煙などを発生することがない。

なお、循環フアンスイツチ４１をメニユ選定操
作により開，閉させることは勿論可能である。

つぎに、他の実施例を示した第４図について説
明する。

同図において、第３図と同一記号は同一のもの
を示し、第３図と異なる点は、ブロアモータ１５
ａに並列に、予熱スイツチ４６とリレーコイル４
７との直列回路を接続し、リレーコイル４７の動
作により常閉の循環フアンスイツチ４１′を開路
するようにした点である。

そして、被調理物を焼く際の予熱操作により、
予熱期間に予熱スイツチ４６を閉路し、リレーコ
イル４７を動作させるとともに、循環フアンスイ
ツチ４１′を開路し、循環フアンモータ２８を停
止させて、循環フアンカバー２６内への熱の侵入
を防止し、予熱効率を高めるとともに、予熱後に
予熱スイツチ４６を開路することにより、循環フ
アンスイツチ４１′を閉路し、循環フアンモータ
２８を動作させて第１図および第２図の調理庫５
内の熱風を循環させる。

したがつて、前記実施例によると、予熱操作に
より予熱期間に循環フアンモータ２８を停止させ
て熱損失を少なくし、予熱効率を高めるととも
に、予熱後に循環フアンモータ２８を動作させて
調理庫５内の温度分布を均一化させることができ
る。

以上のように、この考案のオーブンレンジは、
調理庫の天面板の外側部に形成された熱風発生室
と、前記天面板に形成されそれぞれ前記調理庫内
と前記熱風発生室とを連通した第１吸入口および
熱風吐出口と、前記熱風発生室に設けられたヒー
タと、前記熱風発生室に設けられ前記第１吸入口
より庫内空気を吸入するとともに前記ヒータを通
して熱風を前記熱風吐出口より庫内に吐出するヒ
ータ用フアンと、前記調理庫の側面板または背面
板の外側部に形成された循環風発生室と、前記側
面板または背面板に形成されそれぞれ前記調理庫
内と前記循環風発生室とを連通した第２吸入口お
よび循環風吐出口と、前記循環風発生室に設けら
れ前記第２吸入口より庫内空気を吸入するととも
に循環風を前記循環風吐出口より庫内に吐出する
循環用フアンとを備えてなるものである。

したがつて、この考案によると、天面板の熱風
吐出口より調理庫似に吐出された熱風を循環用フ
アンの動作によつて循環させることができ、調理
庫内の温度分布を平均化でき、調理庫内に多段の
被調理物が収納されてもこれら被調理物をむら焼
けが生じることなく均一に加熱調理することがで
きるものである。

しかも、この考案は、調理庫の天面板の外側部
に熱風発生室を、調理庫の側面板または背面板の
外側部に循環風発生室をそれぞれ独立して設ける
構成であるため、循環用フアンのオン，オフのみ
によつて簡単に熱風循環動作を制御でき、その
上、熱風発生室で発生した熱風が一担調理庫内に
吐出され、その一部が直接庫内循環熱風として使
用されるから、循環用フアンにおけるエネルギー
損失が少なく、効率的な加熱調理が実現できるも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図はこの考案のオーブンレン
ジの１実施例を示し、第１図は切断側面図、第２
図は切断正面図、第３図は回路結線図、第４図は
他の実施例の回路結線図である。 ５……調理庫、６……天面板、１０……後面
板、２０……ヒータ、２２……ヒータフアンモー
タ、２３……ヒータ用フアン、２５……第１吐出
開口部、２７……循環用フアン、２８……循環フ
アンモータ、４１，４１′……循環フアンスイツ
チ、４６……予熱スイツチ、４７……リレーコイ
ル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 調理庫の天面板の外側部に形成された熱風発生
   室と、前記天面板に形成されぞれぞれ前記調理庫
   内と前記熱風発生室とを連通した第１吸入口およ
   び熱風吐出口と、前記熱風発生室に設けられたヒ
   ータと、前記熱風発生室に設けられ前記第１吸入
   口より庫内空気を吸入するとともに前記ヒータを
   通して熱風を前記熱風吐出口より庫内に吐出する
   ヒータ用フアンと、前記調理庫の側面板または背
   面板の外側部に形成された循環風発生室と、前記
   側面板または背面板に形成されそれぞれ前記調理
   庫内と前記循環風発生室とを連通した第２吸入口
   および循環風吐出口と、前記循環風発生室に設け
   られ前記第２吸入口より庫内空気を吸入するとと
   もに循環風を前記循環風吐出口より庫内に吐出す
   る循環用フアンとを備えたオーブンレンジ。