JPH07332532A - パイロット式電磁弁 - Google Patents

パイロット式電磁弁

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JPH07332532A
JPH07332532A JP14243294A JP14243294A JPH07332532A JP H07332532 A JPH07332532 A JP H07332532A JP 14243294 A JP14243294 A JP 14243294A JP 14243294 A JP14243294 A JP 14243294A JP H07332532 A JPH07332532 A JP H07332532A
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diaphragm
valve
pilot
diaphragm valve
hole
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修 末松
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 温水洗浄弁座等、ダイヤフラム弁での流体差
圧が低い状態で使用されても、異音の発生することのな
いパイロット式電磁弁を提供すること。 【構成】 パイロット式電磁弁11は、主弁孔を開閉す
るダイヤフラム弁12と、ダイヤフラム弁12に形成さ
れダイヤフラム背室26と主弁孔の入力ポート23とを
連通するブリード孔22と、ダイヤフラム弁12に形成
されダイヤフラム背室26と主弁孔の出力ポート25と
を連通するパイロット弁孔21と、パイロット弁孔21
を開閉する可動鉄心16とを有するパイロット式電磁弁
であって、ダイヤフラム弁12を無負荷状態にした時
と、ダイヤフラム弁12の中心に上向きの抗力Fを加え
た時とで、ダイヤフラム弁12の中心位置が0.5mm
変化する場合の抗力Fの大きさをダイヤフラム抗力とし
て、ダイヤフラム抗力を90グラム以下にしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はパイロット式電磁弁に関
し、さらに詳細には低圧におけるダイヤフラム弁の動き
をスムーズにしたパイロット式電磁弁に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、小電力にて大容量流の開閉を行う
ための電磁弁として、主弁としてダイヤフラム弁を使用
し、主弁を駆動制御する副弁として電磁弁であるパイロ
ット弁を設け、通電励磁によりパイロット弁の開閉を行
うことでダイヤフラム弁にかかる圧力を変化させ、かか
る圧力変化により主弁体を移動させて主弁の開閉を行
う、いわゆるパイロット式電磁弁が使用されている。従
来のパイロット式電磁弁の構造を図7に断面図で示す。
主弁体であるダイヤフラム弁体12は、プラスチック製
の剛体であるダイヤフラム中心部13と、エチレンプロ
ピレンターポリマーゴム製であって、厚みが0.45m
m以上あるダイヤフラムゴム14とが一体的に成形され
たものである。ダイヤフラムゴム14は、周囲に形成さ
れた保持部14aが主弁構造体17に保持されている。
また、ダイヤフラムゴム14の底面は、主弁構造体17
に形成された主弁座27に当接している。
【0003】主弁構造体17の左側面には、入力ポート
23が穿設され、右側面には、出力ポート25が穿設さ
れている。ダイヤフラムゴム14は、主弁座27と当接
または離間することにより、入力ポート23と出力ポー
ト25とを遮断または連通させる。ダイヤフラムゴム1
4の入力ポート23と接する面に、ブリード孔22が形
成され、入力ポート23とダイヤフラム背室26とを連
通させている。また、ダイヤフラム中心部13の中心に
は、パイロット弁孔21が穿設されている。パイロット
弁孔21の上端には、パイロット弁座13aが形成され
ている。図7ではパイロット弁座13aには、可動鉄心
16に固設されたパイロット弁体20が当接されてい
る。可動鉄心16は、導線が巻かれたコイル18の中空
部に摺動可能に保持されている。また、可動鉄心16は
復帰ばね19により、パイロット弁体20がパイロット
弁座13aに当接する方向に付勢されている。
【0004】次に、上記構成を有する従来のパイロット
式電磁弁の作用を説明する。図7はダイヤフラム弁体1
2が主弁座27に当接され、入力ポート23と出力ポー
ト25とが遮断されている状態を示している。このと
き、コイル18には通電されておらず、可動鉄心16は
復帰ばね19により下向きに付勢され、パイロット弁体
20がパイロット弁座13aに当接されている。これに
より、ダイヤフラム背室26とパイロット弁孔21と
は、遮断されている。この状態での力のバランスを説明
する。入力ポート23には、所定の圧力を有する流体が
存在する。流体は、ブリード孔22を通ってダイヤフラ
ム背室26に流れ込むことができ、流体の圧力は、ダイ
ヤフラム弁体12の上面全体に作用し、ダイヤフラム弁
体12を下向きに付勢している。一方、入力ポート23
の流体は、ダイヤフラム弁体12の周辺部に作用し、ダ
イヤフラム弁体12を上向きに付勢している。ここで、
ダイヤフラム弁体12に対して流体が作用する面積は、
上面のが広いので、ダイヤフラム弁体12は下向きに付
勢され、ダイヤフラム弁体12が主弁座27に当接され
るのである。
【0005】次に、コイル18に通電すると、可動鉄心
16がコイル18で発生する磁界により上向きに吸引さ
れ、その吸引力が復帰ばね19のばね力に打ち勝って、
可動鉄心16が上向きに移動し、パイロット弁体20が
パイロット弁座13aから離間する。これにより、ダイ
ヤフラム背室26内の流体がパイロット弁孔21を介し
て出力ポート25に流れ、ダイヤフラム背室26の流体
の圧力が低下する。ブリード孔22の面積が、パイロッ
ト弁孔21の面積と比較して小さく、ダイヤフラム背室
26から出力ポート25へ流れる流体の量の方が、入力
ポート23からダイヤフラム背室26に追加される流体
の量より多いからである。ダイヤフラム背室26にある
流体の圧力が低下すると、ダイヤフラム弁体12を上向
きに作用する力の方が、下向きに作用する力より大きく
なり、ダイヤフラム弁体12が上方向に移動され、ダイ
ヤフラム弁体12が主弁座27から離間される。これに
より、入力ポート23と出力ポート25とが連通され、
流体が入力ポート23から出力ポート25へ流れる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のパイロット式電磁弁では、次のような問題点が
あった。すなわち、入力ポート23に供給される流体の
圧力が低い場合、また、入力ポート23から出力ポート
25へ流す流量が0.5〜10リットル/分程度と少な
い場合に、異音が発生する問題がある。例えば、温水洗
浄弁座では、通常吐出圧が低いため、ダイヤフラム弁で
の差圧が0.1Kg/cm2 程度と低く、使用流量も約
1リットル/分程度と少量である。
【0007】そして、ダイヤフラム弁での差圧が低い
と、ダイヤフラム弁体12を開くときに、ダイヤフラム
弁体12が主弁座27からの離間する動作が不安定にな
る傾向がある。ダイヤフラム背室から出力ポートへ流体
が流出する一方、ブリード孔を介して入力ポートからダ
イヤフラム背室に流体が流入しているため、ダイヤフラ
ム背室内の水の圧力は均一でない。ダイヤフラム弁での
差圧が低いと、ダイヤフラム弁の移動が緩慢になり、ダ
イヤフラム背室の圧力の不均一により、ダイヤフラム弁
体12に傾斜が発生し、傾斜が発生した部分から部分的
に水が噴出する。この水の噴出により異音が発生するの
である。また、流量が少ないということは、ダイヤフラ
ム弁体12の主弁座27への当接、離間を繰り返すこと
となる。そのため、異音が繰り返し発生することとな
り、温水洗浄弁座の使用者に不安感を抱かせる問題があ
った。また、温水洗浄弁座を夜間に使用したときに、異
音が騒音となり、問題であった。
【0008】本発明は上記従来技術の問題点を解決する
ためになされたものであり、温水洗浄弁座等、ダイヤフ
ラム弁での流体の差圧が低い状態で使用されても、異音
の発生することのないパイロット式電磁弁を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した問題点を解決す
るため、本発明のパイロット式電磁弁は、主弁孔を開閉
するダイヤフラム弁と、ダイヤフラム弁に形成されダイ
ヤフラム背室と主弁孔の入力ポートとを連通するブリー
ド孔と、ダイヤフラム弁に形成されダイヤフラム背室と
主弁孔の出力ポートとを連通するパイロット弁孔と、パ
イロット弁孔を開閉する可動鉄心とを有するパイロット
式電磁弁であって、ダイヤフラム弁を無負荷状態にした
時と、ダイヤフラム弁の中心に上向きの抗力を加えた時
とで、ダイヤフラム弁の中心位置が0.5mm変化する
場合の抗力の大きさをダイヤフラム抗力として、ダイヤ
フラム抗力を90グラム以下にしている。
【0010】また、上記パイロット式電磁弁において、
前記ダイヤフラム弁が中央部分を構成する剛体と、剛体
の周囲に接続する弾性体とから構成されると共に、前記
弾性体がフッソゴムであって、前記ダイヤフラム弁の移
動を行う弾性体変位部の厚みが0.45mm以下である
ことを特徴とする。また、上記パイロット式電磁弁にお
いて、前記ダイヤフラム弁が中央部分を構成する剛体
と、剛体の周囲に接続する弾性体とから構成されると共
に、前記弾性体がエチレンプロピレンターポリマーゴム
であって、前記ダイヤフラム弁の移動を行う弾性体変位
部の厚みが0.4mm以下であることを特徴とする。
【0011】
【作用】上記構成を有する本発明のパイロット式電磁弁
では、コイルに通電されていないときは、可動鉄心に固
設されたパイロット弁体がパイロット弁孔を遮断してい
るため、ブリード孔を介してダイヤフラム背室に入力ポ
ートの流体圧力が作用しており、ダイヤフラム弁が主弁
孔を遮断している。コイルに通電すると、可動鉄心がコ
イルで発生する磁界により吸引され、パイロット弁体が
パイロット弁孔を開放し、ダイヤフラム背室と出力ポー
トとを連通させる。これにより、ダイヤフラム背室にあ
った流体が出力ポート側に流れ、ダイヤフラム弁に下向
きに作用する力が減少し、ダイヤフラム弁が上向きに移
動して、主弁孔を開放し、入力ポートと出力ポートとを
連通させる。
【0012】ダイヤフラム弁での差圧が、0.1Kg/
cm2 程度しかない場合、コイルに通電してパイロット
弁孔を開放し、ダイヤフラム背室と出力ポートとを連通
させても、ダイヤフラム背室と出力ポートでの流体の差
圧が低いため、ダイヤフラム背室の流体が出力ポートに
流れるのに時間がかかる。一方、ダイヤフラム背室に
は、ブリード孔により入力ポートから流体が少量づつ流
入している。そのため、ダイヤフラム背室内での流体の
圧力は均一でない。また、ダイヤフラム弁を駆動させる
機能を有する変位部の厚み等にも公差があるため、パイ
ロット式電磁弁で使用する流体の差圧が低い場合、ダイ
ヤフラム弁は、部分的に傾斜し、傾斜した部分から流体
を噴出することが起こりがちである。
【0013】本発明のダイヤフラム弁では、ダイヤフラ
ム弁を構成する弾性体にフッソゴムを使用し、弾性体の
変位部の厚みを0.45mm以下にしているので、ダイ
ヤフラム弁を無負荷状態にした時と、ダイヤフラム弁の
中心に上向きの抗力を加えた時とで、ダイヤフラム弁の
中心位置が0.5mm変化する場合の抗力の大きさをダ
イヤフラム抗力として、ダイヤフラム抗力を90グラム
以下でき、流体の差圧が低い場合でも、ダイヤフラム弁
を極力傾けずに移動させることができる。これにより、
流体の噴出により発生する異音を排除することができ
る。また、本発明のダイヤフラム弁では、ダイヤフラム
弁を構成する弾性体にエチレンプロピレンターポリマー
ゴムを使用し、弾性体の変位部の厚みを0.4mm以下
にしているので、ダイヤフラム弁を無負荷状態にした時
と、ダイヤフラム弁の中心に上向きの抗力を加えた時と
で、ダイヤフラム弁の中心位置が0.5mm変化する場
合の抗力の大きさをダイヤフラム抗力として、ダイヤフ
ラム抗力を90グラム以下でき、流体の差圧が低い場合
でも、ダイヤフラム弁を極力傾けずに移動させることが
できる。これにより、流体の噴出により発生する異音を
排除することができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を具体化したパイロット式電磁
弁の実施例を図面を参照して説明する。図1は本実施例
のパイロット式電磁弁11の断面図である。従来のパイ
ロット式電磁弁と構造はほぼ同じであるので、同じ部品
には、同一の番号を使用している。主弁体であるダイヤ
フラム弁体12の詳細な構造を図3に示す。ダイヤフラ
ム弁体12は、プラスチック製の剛体であるダイヤフラ
ム中心部13と、フッソゴム製であるダイヤフラムゴム
14とが、インサート成形機により一体的に成形されて
いる。ダイヤフラムゴム14は、ダイヤフラム中心部1
3と一体的に張り付いている下面部14cと、断面が逆
U字状でダイヤフラム中心部13を上下に移動させる変
位部14bと、外周に形成された保持部14aから構成
されている。ここで、変位部14bの厚みは、0.45
mmとしている。
【0015】一方、ダイヤフラム中心部13の中心に
は、パイロット弁孔21が穿設されている。そして、パ
イロット弁孔21の上端には、パイロット弁座13aが
形成されている。また、ダイヤフラム中心部13の中央
より左側で、入力ポート23と接する面に、ブリード孔
22が形成され、入力ポート23とダイヤフラム背室2
6とを連通させている。ここで、ブリード孔22は、図
3において、22a,22b,22cで示す孔により構
成されている。ダイヤフラム弁体12は、ダイヤフラム
ゴム14の保持部14aにより主弁構造体17に取り付
けられている。ここで、図1においては、ダイヤフラム
ゴム14の下面部14cは、主弁構造体17に形成され
た主弁座27に当接している。
【0016】主弁構造体17の左側面には、入力ポート
23が穿設され、右側面には、出力ポート25が穿設さ
れている。ダイヤフラムゴム14は、主弁座27と当接
または離間することにより、入力ポート23と出力ポー
ト25とを遮断または連通させる。また、ダイヤフラム
中心部13の中心には、パイロット弁孔21が穿設され
ている。パイロット弁孔21の上端には、パイロット弁
座13aが形成されている。図1ではパイロット弁座1
3aには、可動鉄心16に固設されたパイロット弁体2
0が当接されている。可動鉄心16は、導線が巻かれた
コイル18の中空部に摺動可能に保持されている。ま
た、可動鉄心16は復帰ばね19により、パイロット弁
体20がパイロット弁座13aに当接する方向に付勢さ
れている。
【0017】次に、上記構成を有する従来のパイロット
式電磁弁の作用を説明する。図1はダイヤフラム弁体1
2が主弁座27に当接され、入力ポート23と出力ポー
ト25とが遮断されている状態を示している。このと
き、コイル18には通電されておらず、可動鉄心16は
復帰ばね19により下向きに付勢され、パイロット弁体
20がパイロット弁座13aに当接されている。これに
より、ダイヤフラム背室26とパイロット弁孔21と
は、遮断されている。この状態での力のバランスを説明
する。入力ポート23には、所定の圧力を有する流体が
存在する。流体は、ブリード孔22を通ってダイヤフラ
ム背室26に流れ込むことができ、流体の圧力は、ダイ
ヤフラム弁体12の上面全体に作用し、ダイヤフラム弁
体12を下向きに付勢している。一方、入力ポート23
の流体は、ダイヤフラム弁体12の周辺部に作用し、ダ
イヤフラム弁体12を上向きに付勢している。ここで、
ダイヤフラム弁体12に対して流体が作用する面積は、
上面のが広いので、ダイヤフラム弁体12は下向きに付
勢され、ダイヤフラム弁体12が主弁座27に当接され
るのである。
【0018】次に、コイル18に通電されている状態を
図2に示す。可動鉄心16がコイル18で発生する磁界
により上向きに吸引され、その吸引力が復帰ばね19の
ばね力に打ち勝って、可動鉄心16が上向きに移動し、
パイロット弁体20がパイロット弁座13aから離間す
る。これにより、ダイヤフラム背室26内の流体がパイ
ロット弁孔21を介して出力ポート25に流れ、ダイヤ
フラム背室26の流体の圧力が低下する。ブリード孔2
2の面積が、パイロット弁孔21の面積と比較して小さ
く、ダイヤフラム背室26から出力ポート25へ流れる
流体の量の方が、入力ポート23からダイヤフラム背室
26に追加される流体の量より多いからである。
【0019】本実施例のパイロット式電磁弁11は、温
水洗浄弁座で使用されるものであり、入力ポートの直前
に図示しない圧力調整器が接続されており、入力ポート
に流入する水の圧力は、ダイヤフラム弁差圧で0.1K
g/cm2 である。本発明の発明者らは、ダイヤフラム
弁差圧で0.1Kg/cm2 程度で使用するパイロット
式電磁弁で発生する異音を防止するための研究を行い、
従来ダイヤフラムゴム14として使用されていたエチレ
ンプロピレンターポリマーゴムに代えて、フッソゴムを
使用することにより異音が発生しなくなることを確認し
た。また、従来のエチレンプロピレンターポリマーゴム
を使用した場合でも、ダイヤフラムゴム14の変位部1
4bの厚みを、従来使用されていた0.45mmよりも
薄くして、0.4mm以下とすれば、異音が発生しなく
なることを確認した。
【0020】さらに、異音の発生原因を考察することに
より、ダイヤフラムゴム14の材質としてエチレンプロ
ピレンターポリマーゴムやフッソゴム以外のゴム及び弾
性体を使用した場合でも、ダイヤフラム抗力を90g以
下とすれば、異音が発生しないであろうことを推定し
た。ここで、ダイヤフラム抗力について定義する。図4
に示すように、ダイヤフラムゴム14の保持部14aを
上下に挟み込んで固定し、無負荷状態でのダイヤフラム
中心部13の位置を測定する。次に、図4に示すよう
に、ダイヤフラム中心部13の中央下面に抗力Fを加え
る。抗力Fを加えたときにダイヤフラム中心部13が変
化したストロークを測定する。そして、変位ストローク
が0.5mmになるときの抗力Fの大きさをダイヤフラ
ム抗力と定義する。
【0021】
【表1】 実験によれば、表1及び図5に示すように、ダイヤフラ
ム抗力が90g以下であれば、ダイヤフラム弁体12の
開閉時に、異音が発生しないことが確認された。そし
て、ダイヤフラム抗力を90g以下とする条件として、
ダイヤフラムゴム14の材質がフッソゴムであれば、変
位部14bの厚みを0.45mm以下とすれば良く、ダ
イヤフラムゴム14の材質がエチレンプロピレンターポ
リマーゴムであれば、変位部14bの厚みを0.4mm
以下とすれば良いことが確認されている。図5には、図
4で説明した実験により求めた抗力Fとストロークとの
関係を示している。
【0022】
【表2】 また、実験によれば、表2及図6に示すように、ダイヤ
フラム弁差圧が小さい領域においても、従来と比較し
て、大きな流量が安定して得られることがわかる。すな
わち、実線で示す従来の厚み0.45mmのEPTダイ
ヤフラム弁と、点線で示す本発明の厚み0.3mmのE
PTダイヤフラム弁とを比較すると、例えば、本実施例
で使用しているダイヤフラム弁差圧0.1Kg/cm2
で、従来の0.45mmのEPTダイヤフラム弁では、
1.87リットル/分であるのに対し、本発明の0.3
mmのEPTダイヤフラム弁では、4.6リットル/分
と3倍近い流量が得られることがわかる。これは、ダイ
ヤフラム弁差圧が低い領域で、ダイヤフラム弁の応答性
が高いことを示している。
【0023】本実施例では、ダイヤフラムゴム14とし
てフッソゴムを使用し、変位部14bの厚みを0.45
mmとしているので、ダイヤフラム抗力が90gとなっ
ている。そのため、入力ポート23に流入する水の圧力
がダイヤフラム弁差圧で0.1Kg/cm2 と低い圧力
であっても、パイロット弁体20がパイロット弁座13
aから離間して、ダイヤフラム背室26と出力ポート2
5が連通されたとき、変位部14bが全体としてスムー
ズに移動できるため、ダイヤフラム弁体12に傾斜が発
生することがなく、ダイヤフラム弁体12の傾斜による
局部的な水の噴出も防止される。従って、水の局部的な
噴出により発生する異音の発生を防止できる。本実施例
では、ダイヤフラムゴム14としてフッソゴムを使用し
た場合を説明したが、ダイヤフラムゴム14としてエチ
レンプロピレンターポリマーゴムを使用し、変位部14
bの厚みを0.4mm以下としても、ダイヤフラム抗力
を90g以下とできるため、同様の効果を得ることがで
きる。
【0024】そして、ダイヤフラム背室26にある流体
の圧力が低下すると、ダイヤフラム弁体12を上向きに
作用する力の方が、下向きに作用する力より大きくな
り、ダイヤフラム弁体12が上方向に移動され、ダイヤ
フラム弁体12が主弁座27から離間される。これによ
り、入力ポート23と出力ポート25とが連通され、流
体が入力ポート23から出力ポート25へ流れる。
【0025】以上詳細に説明したように、本実施例のパ
イロット式電磁弁11によれば、ダイヤフラム弁体12
を無負荷状態にした時と、ダイヤフラム弁の中心に上向
きの抗力Fを加えた時とで、ダイヤフラム弁体12の中
心位置が0.5mm変化する場合の抗力Fの大きさをダ
イヤフラム抗力として定義して、そのダイヤフラム抗力
を90グラム以下にしているので、入力ポート23に供
給される流体の圧力が低い場合でも、ダイヤフラム弁体
12に傾斜を発生させずにスムーズに平行移動させるこ
とができるため、水の噴出を無くし、異音の発生を防止
することができる。
【0026】なお、前記実施例は本発明を限定するもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種
々の変形、改良が可能であることはもちろんである。例
えば本実施例では、弾性体としてエチレンプロピレンタ
ーポリマーゴム及びフッソゴムを使用する場合について
説明したが、他のゴムまたは他の弾性体を使用しても、
ダイヤフラム抗力を90g以下とすれば同様の効果を得
ることができる。また、本実施例では、ダイヤフラム中
心部13とダイヤフラムゴム14とを別材質としている
が、全体を弾性体として構成しても同様である。
【0027】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように本発
明のパイロット式電磁弁では、ダイヤフラム弁体を無負
荷状態にした時と、ダイヤフラム弁の中心に上向きの抗
力を加えた時とで、ダイヤフラム弁の中心位置が0.5
mm変化する場合の抗力の大きさをダイヤフラム抗力と
して、ダイヤフラム抗力を90グラム以下にしているの
で、入力ポートに供給される流体の圧力が低い場合で
も、ダイヤフラム弁体に傾斜を発生させずにスムーズに
平行移動させることができるため、水の噴出を無くし、
異音の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるパイロット式電磁弁1
1の構成を示す断面図である。
【図2】図1で示したパイロット式電磁弁11のコイル
に通電したときの状態を示す断面図である。
【図3】ダイヤフラム弁体12の構造を示す断面図であ
る。
【図4】ダイヤフラム抗力の測定方法を示す説明図であ
る。
【図5】ダイヤフラムにかける抗力Fとストロークとの
関係を示すデータ図である。
【図6】
【図7】従来のパイロット式電磁弁の構成を示す断面図
である。
【符号の説明】
11 パイロット式電磁弁 12 ダイヤフラム弁体 13 ダイヤフラム中心部 13a パイロット弁座 14 ダイヤフラムゴム 14a 保持部 14b 変位部 14c 下面部 16 可動鉄心 18 コイル 20 パイロット弁体 21 パイロット弁孔 22 ブリード孔 23 入力ポート 25 出力ポート 26 ダイヤフラム背室 27 主弁座

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主弁孔を開閉するダイヤフラム弁と、ダ
    イヤフラム弁に形成されダイヤフラム背室と主弁孔の入
    力ポートとを連通するブリード孔と、ダイヤフラム弁に
    形成されダイヤフラム背室と主弁孔の出力ポートとを連
    通するパイロット弁孔と、パイロット弁孔を開閉する可
    動鉄心とを有するパイロット式電磁弁において、 前記ダイヤフラム弁を無負荷状態にした時と、前記ダイ
    ヤフラム弁の中心に上向きの抗力を加えた時とで、前記
    ダイヤフラム弁の中心位置が0.5mm変化する場合の
    抗力の大きさをダイヤフラム抗力として、前記ダイヤフ
    ラム抗力を90グラム以下にしたことを特徴とするパイ
    ロット式電磁弁。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載するパイロット式電磁弁
    において、 前記ダイヤフラム弁が中央部分を構成する剛体と、剛体
    の周囲に接続する弾性体とから構成されると共に、 前記弾性体がフッソゴムであって、前記ダイヤフラム弁
    の移動を行う弾性体変位部の厚みが0.45mm以下で
    あることを特徴とするパイロット式電磁弁。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載するパイロット式電磁弁
    において、 前記ダイヤフラム弁が中央部分を構成する剛体と、剛体
    の周囲に接続する弾性体とから構成されると共に、 前記弾性体がエチレンプロピレンターポリマーゴムであ
    って、前記ダイヤフラム弁の移動を行う弾性体変位部の
    厚みが0.4mm以下であることを特徴とするパイロッ
    ト式電磁弁。
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