JPH07331254A - 炭化水素油の水素化処理方法 - Google Patents
炭化水素油の水素化処理方法Info
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- JPH07331254A JPH07331254A JP12338894A JP12338894A JPH07331254A JP H07331254 A JPH07331254 A JP H07331254A JP 12338894 A JP12338894 A JP 12338894A JP 12338894 A JP12338894 A JP 12338894A JP H07331254 A JPH07331254 A JP H07331254A
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- Japan
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- catalyst
- hydrocarbon oil
- oil
- pore volume
- hydrotreating
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- Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 重質炭化水素油の水素化処理において、所定
時間処理した後に触媒の劣化に応じて原料油の流れ方向
を逆方向とすることにより、簡便かつ安価に触媒寿命を
延長せしめることができ、また、プロセスの運転期間を
増大させ稼働率を大幅に向上しうる水素化処理方法を提
供すること。 【構成】 アスファルテン,硫黄及び金属成分の少なく
とも一つを含む炭化水素油を、触媒の存在下水素化処理
するにあたり、所定時間処理した後に触媒性能の劣化に
応じて、該触媒に対する炭化水素油の流れを逆方向にし
て処理することを特徴とする炭化水素油の水素化処理方
法である。
時間処理した後に触媒の劣化に応じて原料油の流れ方向
を逆方向とすることにより、簡便かつ安価に触媒寿命を
延長せしめることができ、また、プロセスの運転期間を
増大させ稼働率を大幅に向上しうる水素化処理方法を提
供すること。 【構成】 アスファルテン,硫黄及び金属成分の少なく
とも一つを含む炭化水素油を、触媒の存在下水素化処理
するにあたり、所定時間処理した後に触媒性能の劣化に
応じて、該触媒に対する炭化水素油の流れを逆方向にし
て処理することを特徴とする炭化水素油の水素化処理方
法である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭化水素油の水素化処
理方法に関する。さらに詳しくは、重質炭化水素油の水
素化処理において、簡便かつ安価に触媒寿命を延長しう
る炭化水素油の水素化処理方法に関する。
理方法に関する。さらに詳しくは、重質炭化水素油の水
素化処理において、簡便かつ安価に触媒寿命を延長しう
る炭化水素油の水素化処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アスファルテン(ヘプタン不溶
分)、硫黄分、金属成分等を含む重質炭化水素油の水素
化処理においては、処理中に金属分や炭素析出物が触媒
上に蓄積することで触媒の劣化が著しいという問題があ
った。このような触媒の寿命を延長させる方法として次
のような方法が提案されている。即ち、(1)主反応塔
の前段に並列の予備反応塔を設置して、先ずこの一つの
予備反応塔に原料油を通油し、その触媒が劣化した後、
この予備反応塔を切り替えて活性を維持する方法(特公
昭49−6163号公報)、(2)前段と後段に分かれ
る反応塔に原料油を通油し、前段を脱メタル触媒とし、
後段を脱硫触媒として利用する。これらの触媒性能が低
下した後に前段の触媒を抜き出し、新しい触媒に交換
し、その後、後段の脱硫触媒を脱メタル触媒とし、前段
を脱硫触媒として、通油順序を変更することで触媒の活
性寿命を延長する方法(米国特許第3,985,643号明
細書)等である。
分)、硫黄分、金属成分等を含む重質炭化水素油の水素
化処理においては、処理中に金属分や炭素析出物が触媒
上に蓄積することで触媒の劣化が著しいという問題があ
った。このような触媒の寿命を延長させる方法として次
のような方法が提案されている。即ち、(1)主反応塔
の前段に並列の予備反応塔を設置して、先ずこの一つの
予備反応塔に原料油を通油し、その触媒が劣化した後、
この予備反応塔を切り替えて活性を維持する方法(特公
昭49−6163号公報)、(2)前段と後段に分かれ
る反応塔に原料油を通油し、前段を脱メタル触媒とし、
後段を脱硫触媒として利用する。これらの触媒性能が低
下した後に前段の触媒を抜き出し、新しい触媒に交換
し、その後、後段の脱硫触媒を脱メタル触媒とし、前段
を脱硫触媒として、通油順序を変更することで触媒の活
性寿命を延長する方法(米国特許第3,985,643号明
細書)等である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
(1)の方法では、複数の予備反応塔を使用することか
ら装置が複雑となり、設備費や運転費が増大するという
問題がある。また、(2)の方法では、触媒の交換によ
る触媒費用の増大や処理工程中に運転を一旦停止しなけ
ればならない等の問題があり、簡便かつ安価に触媒寿命
を延長しうる方法で未だ満足のいく方法は得られていな
いのが実状であった。本発明は、かかる事情下で、重質
炭化水素油の水素化処理において、簡便かつ安価に触媒
寿命を延長することのできる方法、及びプロセスの運転
期間を増大させ稼働率を大幅に向上しうる水素化処理方
法を提供することを目的とする。
(1)の方法では、複数の予備反応塔を使用することか
ら装置が複雑となり、設備費や運転費が増大するという
問題がある。また、(2)の方法では、触媒の交換によ
る触媒費用の増大や処理工程中に運転を一旦停止しなけ
ればならない等の問題があり、簡便かつ安価に触媒寿命
を延長しうる方法で未だ満足のいく方法は得られていな
いのが実状であった。本発明は、かかる事情下で、重質
炭化水素油の水素化処理において、簡便かつ安価に触媒
寿命を延長することのできる方法、及びプロセスの運転
期間を増大させ稼働率を大幅に向上しうる水素化処理方
法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】アスファルテンを含む炭
化水素油の水素化処理において、脱硫触媒の性能は原料
油中に含まれるバナジウム,ニッケル等の金属成分及び
炭素析出物が触媒上に蓄積することで劣化することが知
られている。この場合、触媒層の劣化は原料油の流れ方
向に対して均一ではなく、一般に前段が金属成分によ
り、後段が炭素析出により劣化する傾向がある。本発明
者らは、上記の観点から鋭意研究を重ねた結果、これら
は触媒の劣化という点では同じであるが、実際には触媒
層の各段階においてその劣化の機構が異なることに着目
し、触媒がある程度劣化した後の所定の時間に原料油の
流れ方向を触媒層に対して逆方向にすることで前記後段
に金属分を析出させ、前記前段に炭素分を析出させるこ
とにより、触媒全体としてその寿命を延長できることを
見出し、前記の目的を達成しうることを見出した。本発
明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
化水素油の水素化処理において、脱硫触媒の性能は原料
油中に含まれるバナジウム,ニッケル等の金属成分及び
炭素析出物が触媒上に蓄積することで劣化することが知
られている。この場合、触媒層の劣化は原料油の流れ方
向に対して均一ではなく、一般に前段が金属成分によ
り、後段が炭素析出により劣化する傾向がある。本発明
者らは、上記の観点から鋭意研究を重ねた結果、これら
は触媒の劣化という点では同じであるが、実際には触媒
層の各段階においてその劣化の機構が異なることに着目
し、触媒がある程度劣化した後の所定の時間に原料油の
流れ方向を触媒層に対して逆方向にすることで前記後段
に金属分を析出させ、前記前段に炭素分を析出させるこ
とにより、触媒全体としてその寿命を延長できることを
見出し、前記の目的を達成しうることを見出した。本発
明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
【0005】すなわち、本発明は、(1)アスファルテ
ン,硫黄及び金属成分の少なくとも一つを含む炭化水素
油を、触媒の存在下水素化処理するにあたり、所定時間
処理した後に触媒性能の劣化に応じて、該触媒に対する
炭化水素油の流れを逆方向にして処理することを特徴と
する炭化水素油の水素化処理方法、(2)炭化水素油
が、原油、ナフサ留分を除いた原油、常圧残油または減
圧残油であることを特徴とする上記(1)記載の炭化水
素油の水素化処理方法、(3)触媒が、アルミナ担体に
周期律表第6,8,9及び10族に属する金属から選ば
れる少なくとも一種を担持したものであることを特徴と
する上記(1)記載の炭化水素油の水素化処理方法、
(4)周期律表第6,8,9及び10族に属する金属が
Ni−Mo,Co−Mo,Ni−WまたはNi−Co−
Moであることを特徴とする上記(3)記載の炭化水素
油の水素化処理方法、(5)触媒が、アルミナ担体に周
期律表第6,8,9及び10族に属する金属から選ばれ
る少なくとも一種を、触媒全重量を基準として金属酸化
物として1〜35重量%担持したものであることを特徴
とする上記(3)記載の炭化水素油の水素化処理方法、
(6)触媒が、更にリンまたはホウ素を担体全重量を基
準として0.5〜10重量%含有することを特徴とする上
記(3)記載の炭化水素油の水素化処理方法、(7)触
媒が、(a)比表面積が100〜250m2 /g、細孔
容量が0.4〜1.5cc/gであって、全細孔容量に占め
る細孔径80〜200Åの細孔容量が60〜95%、細
孔径200〜800Åの細孔容量が6〜15%及び細孔
径800Å以上の細孔容量が3〜30%である触媒と、
(b)比表面積が150〜300m2 /g、細孔容量が
0.3〜1.2cc/gであって、全細孔容量に占める細孔
径70〜150Åの細孔容量が80〜95%及び細孔径
150Å以上の細孔容量が5〜20%である触媒、とを
炭化の流れ方向に対して(a)、(b)、(a)の順に
組み合わせてなるものであることを特徴とする上記
(1)または(3)記載の炭化水素油の水素化処理方
法、(8)触媒(a)の平均細孔径が、触媒(b)の平
均細孔径より大きいことを特徴とする上記(7)記載の
炭化水素油の水素化処理方法、及び(9)触媒(a)を
20〜40容量%含有し、かつ触媒(b)を20〜60
容量%含有することを特徴とする上記(7)記載の炭化
水素油の水素化処理方法、を提供するものである。
ン,硫黄及び金属成分の少なくとも一つを含む炭化水素
油を、触媒の存在下水素化処理するにあたり、所定時間
処理した後に触媒性能の劣化に応じて、該触媒に対する
炭化水素油の流れを逆方向にして処理することを特徴と
する炭化水素油の水素化処理方法、(2)炭化水素油
が、原油、ナフサ留分を除いた原油、常圧残油または減
圧残油であることを特徴とする上記(1)記載の炭化水
素油の水素化処理方法、(3)触媒が、アルミナ担体に
周期律表第6,8,9及び10族に属する金属から選ば
れる少なくとも一種を担持したものであることを特徴と
する上記(1)記載の炭化水素油の水素化処理方法、
(4)周期律表第6,8,9及び10族に属する金属が
Ni−Mo,Co−Mo,Ni−WまたはNi−Co−
Moであることを特徴とする上記(3)記載の炭化水素
油の水素化処理方法、(5)触媒が、アルミナ担体に周
期律表第6,8,9及び10族に属する金属から選ばれ
る少なくとも一種を、触媒全重量を基準として金属酸化
物として1〜35重量%担持したものであることを特徴
とする上記(3)記載の炭化水素油の水素化処理方法、
(6)触媒が、更にリンまたはホウ素を担体全重量を基
準として0.5〜10重量%含有することを特徴とする上
記(3)記載の炭化水素油の水素化処理方法、(7)触
媒が、(a)比表面積が100〜250m2 /g、細孔
容量が0.4〜1.5cc/gであって、全細孔容量に占め
る細孔径80〜200Åの細孔容量が60〜95%、細
孔径200〜800Åの細孔容量が6〜15%及び細孔
径800Å以上の細孔容量が3〜30%である触媒と、
(b)比表面積が150〜300m2 /g、細孔容量が
0.3〜1.2cc/gであって、全細孔容量に占める細孔
径70〜150Åの細孔容量が80〜95%及び細孔径
150Å以上の細孔容量が5〜20%である触媒、とを
炭化の流れ方向に対して(a)、(b)、(a)の順に
組み合わせてなるものであることを特徴とする上記
(1)または(3)記載の炭化水素油の水素化処理方
法、(8)触媒(a)の平均細孔径が、触媒(b)の平
均細孔径より大きいことを特徴とする上記(7)記載の
炭化水素油の水素化処理方法、及び(9)触媒(a)を
20〜40容量%含有し、かつ触媒(b)を20〜60
容量%含有することを特徴とする上記(7)記載の炭化
水素油の水素化処理方法、を提供するものである。
【0006】以下に、本発明を更に詳細に説明する。本
発明は、アスファルテン,硫黄及び金属成分の少なくと
も一つを含む炭化水素油を、触媒の存在下水素化処理す
るにあたり、所定時間処理した後に触媒性能の劣化に応
じて、該触媒に対する炭化水素油の流れを逆方向にして
処理するものであるが、原料油の流れ方向を逆方向に変
える迄の所定時間としては、処理条件及び所望の性能に
応じて決定すればよく、特に制限はないが、例えば必要
とする脱硫活性が反応温度の上昇により対応出来なくな
った時点で行うことができる。図1は本発明の水素化処
理方法の一例を簡単に示す模式図である。図1によれ
ば、本発明の方法には反応塔に対する原料油の流れを逆
方向に変換する際、アップフローからダウンフローにす
る方法が一般的に挙げられる。また、図2には、反応塔
が複数存在する場合の本発明の水素化方法の一例を示し
ているが、これによれば、原料油の流れ方向を逆転させ
る場合、(ロ)に示すように各反応塔に対しアップフロ
ーをダウンフローにすることもできるが、別に、(ハ)
に示すように反応塔の通油の順序を逆転させるだけでア
ップフローのまま行うこともできる。上記のような流れ
方向の逆方向への変換は、必要に応じて短期間毎に複数
回に分けて行うことも可能である。
発明は、アスファルテン,硫黄及び金属成分の少なくと
も一つを含む炭化水素油を、触媒の存在下水素化処理す
るにあたり、所定時間処理した後に触媒性能の劣化に応
じて、該触媒に対する炭化水素油の流れを逆方向にして
処理するものであるが、原料油の流れ方向を逆方向に変
える迄の所定時間としては、処理条件及び所望の性能に
応じて決定すればよく、特に制限はないが、例えば必要
とする脱硫活性が反応温度の上昇により対応出来なくな
った時点で行うことができる。図1は本発明の水素化処
理方法の一例を簡単に示す模式図である。図1によれ
ば、本発明の方法には反応塔に対する原料油の流れを逆
方向に変換する際、アップフローからダウンフローにす
る方法が一般的に挙げられる。また、図2には、反応塔
が複数存在する場合の本発明の水素化方法の一例を示し
ているが、これによれば、原料油の流れ方向を逆転させ
る場合、(ロ)に示すように各反応塔に対しアップフロ
ーをダウンフローにすることもできるが、別に、(ハ)
に示すように反応塔の通油の順序を逆転させるだけでア
ップフローのまま行うこともできる。上記のような流れ
方向の逆方向への変換は、必要に応じて短期間毎に複数
回に分けて行うことも可能である。
【0007】ここで用いられる触媒としては、アルミナ
を担体として、周期律表第6,8,9及び10族に属す
る金属の中から選ばれる少なくとも一種を担持した触媒
が好ましい。周期律表第6族に属する金属としては、タ
ングステン、モリブデンが好ましく、また周期律表第8
〜10族に属する金属としては、ニッケル、コバルトが
好ましい。なお、第6族の金属及び第8〜10族の金属
はそれぞれ一種用いてもよく、また複数種の金属を組み
合わせて用いてもよいが、特に水素化活性が高く、かつ
劣化が少ない点から、Ni−Mo,Co−Mo,Ni−
W,Ni−Co−Mo等の組合せが好適である。また、
前記金属の担持量については、特に制限はなく、各種条
件に応じて適宜選定すればよいが、通常は触媒全重量に
基づき、金属酸化物として1〜35重量%の範囲であ
る。この担持量が1重量%未満では、水素化処理触媒と
しての効果が充分に発揮されず、また35重量%を超え
ると、その担持量の割には水素化活性の向上が顕著でな
く、かつ経済的に不利である。特に、水素化活性及び経
済性の点から10〜28重量%の範囲が好ましい。
を担体として、周期律表第6,8,9及び10族に属す
る金属の中から選ばれる少なくとも一種を担持した触媒
が好ましい。周期律表第6族に属する金属としては、タ
ングステン、モリブデンが好ましく、また周期律表第8
〜10族に属する金属としては、ニッケル、コバルトが
好ましい。なお、第6族の金属及び第8〜10族の金属
はそれぞれ一種用いてもよく、また複数種の金属を組み
合わせて用いてもよいが、特に水素化活性が高く、かつ
劣化が少ない点から、Ni−Mo,Co−Mo,Ni−
W,Ni−Co−Mo等の組合せが好適である。また、
前記金属の担持量については、特に制限はなく、各種条
件に応じて適宜選定すればよいが、通常は触媒全重量に
基づき、金属酸化物として1〜35重量%の範囲であ
る。この担持量が1重量%未満では、水素化処理触媒と
しての効果が充分に発揮されず、また35重量%を超え
ると、その担持量の割には水素化活性の向上が顕著でな
く、かつ経済的に不利である。特に、水素化活性及び経
済性の点から10〜28重量%の範囲が好ましい。
【0008】また、上記触媒に第3成分としてホウ素化
合物及びリン化合物の少なくとも一種を添加したものを
使用することもできる。上記触媒として、アルミナにホ
ウ素化合物及びリン化合物の少なくとも一種を添加して
なる担体を用いたものを使用する場合、担体の全重量に
基づき、ホウ素またはリンを0.5〜10重量%の割合で
含有するものが好適である。上記含有量が上記下限値未
満では、水素化活性を向上させる効果が小さく、またそ
の上限値を超えると、その量の割には水素化活性の向上
効果があまりみられず、経済的でない上、脱硫活性が低
下する場合があり、好ましくない。
合物及びリン化合物の少なくとも一種を添加したものを
使用することもできる。上記触媒として、アルミナにホ
ウ素化合物及びリン化合物の少なくとも一種を添加して
なる担体を用いたものを使用する場合、担体の全重量に
基づき、ホウ素またはリンを0.5〜10重量%の割合で
含有するものが好適である。上記含有量が上記下限値未
満では、水素化活性を向上させる効果が小さく、またそ
の上限値を超えると、その量の割には水素化活性の向上
効果があまりみられず、経済的でない上、脱硫活性が低
下する場合があり、好ましくない。
【0009】上記担体は、例えば水分含有量が65重量
%以上のアルミナ又はアルミナ前駆体に、ホウ素化合物
またはリン化合物を所定の割合で加え、60〜100℃
程度の温度で好ましくは1時間以上、さらに好ましくは
1.5時間以上加熱混練したのち、公知の方法により成
形,乾燥及び燒成を行うことによって、製造することが
できる。なお、上記ホウ素またはリンの添加は、必要に
応じ、水に加熱溶解させて溶液状態で行ってもよい。こ
こで、アルミナ前駆体としては、焼成によりアルミナを
生成するものであれば特に制限はなく、例えば、水酸化
アルミニウム,擬ベーマイト,ベーマイト,バイヤライ
ト,ジブサイトなどのアルミナ水和物などを挙げること
ができる。また、上記担体のうちアルミナにリン化合物
を添加してなる担体に用いられるリン化合物としては、
リン単体を含むことができる。リン単体としては、具体
的には黄リン、赤リン等が挙げられる。
%以上のアルミナ又はアルミナ前駆体に、ホウ素化合物
またはリン化合物を所定の割合で加え、60〜100℃
程度の温度で好ましくは1時間以上、さらに好ましくは
1.5時間以上加熱混練したのち、公知の方法により成
形,乾燥及び燒成を行うことによって、製造することが
できる。なお、上記ホウ素またはリンの添加は、必要に
応じ、水に加熱溶解させて溶液状態で行ってもよい。こ
こで、アルミナ前駆体としては、焼成によりアルミナを
生成するものであれば特に制限はなく、例えば、水酸化
アルミニウム,擬ベーマイト,ベーマイト,バイヤライ
ト,ジブサイトなどのアルミナ水和物などを挙げること
ができる。また、上記担体のうちアルミナにリン化合物
を添加してなる担体に用いられるリン化合物としては、
リン単体を含むことができる。リン単体としては、具体
的には黄リン、赤リン等が挙げられる。
【0010】リン化合物としては、例えばオルトリン
酸,次リン酸,亜リン酸,次亜リン酸等の低酸化数の無
機リン酸またはこれらのアルカリ金属塩あるいはアンモ
ニウム塩、ピロリン酸,トリポリリン酸,テトラポリリ
ン酸等のポリリン酸またはこれらのアルカリ金属塩ある
いはアンモニウム塩、トリメタリン酸,テトラメタリン
酸,ヘキサメタリン酸等のメタリン酸またはこれらのア
ルカリ金属塩あるいはアンモニウム塩、カルコゲン化リ
ン、有機リン酸、有機リン酸塩、等が挙げられる。これ
らの中で、特に低酸化数の無機リン酸、縮合リン酸のア
ルカリ金属塩あるいはアンモニウム塩が活性、耐久性な
どの点から好ましい。また、ホウ素化合物としては、酸
化ホウ素の他に、焼成により酸化ホウ素に転化しうる各
種のホウ素化合物を使用することができ、例えば、ホウ
酸,ホウ酸アンモニウム,ホウ酸ナトリウム,過ホウ酸
ナトリウム,オルトホウ酸,四ホウ酸,五硫化ホウ素,
三塩化ホウ素,過ホウ酸アンモニウム,ホウ酸カルシウ
ム,ジボラン,ホウ酸マグネシウム,ホウ酸メチル,ホ
ウ酸ブチル,ホウ酸トリシクロヘキシルなどが挙げられ
る。
酸,次リン酸,亜リン酸,次亜リン酸等の低酸化数の無
機リン酸またはこれらのアルカリ金属塩あるいはアンモ
ニウム塩、ピロリン酸,トリポリリン酸,テトラポリリ
ン酸等のポリリン酸またはこれらのアルカリ金属塩ある
いはアンモニウム塩、トリメタリン酸,テトラメタリン
酸,ヘキサメタリン酸等のメタリン酸またはこれらのア
ルカリ金属塩あるいはアンモニウム塩、カルコゲン化リ
ン、有機リン酸、有機リン酸塩、等が挙げられる。これ
らの中で、特に低酸化数の無機リン酸、縮合リン酸のア
ルカリ金属塩あるいはアンモニウム塩が活性、耐久性な
どの点から好ましい。また、ホウ素化合物としては、酸
化ホウ素の他に、焼成により酸化ホウ素に転化しうる各
種のホウ素化合物を使用することができ、例えば、ホウ
酸,ホウ酸アンモニウム,ホウ酸ナトリウム,過ホウ酸
ナトリウム,オルトホウ酸,四ホウ酸,五硫化ホウ素,
三塩化ホウ素,過ホウ酸アンモニウム,ホウ酸カルシウ
ム,ジボラン,ホウ酸マグネシウム,ホウ酸メチル,ホ
ウ酸ブチル,ホウ酸トリシクロヘキシルなどが挙げられ
る。
【0011】本発明の方法において好ましく用いられる
触媒は、上記のようにして得られた担体に、周期律表第
6,8,9及び10族に属する金属の中から選ばれた少
なくとも一種を担持させたものであるが、その担持方法
については、特に制限はなく、含浸法,共沈法,混練法
などの公知の任意の方法を採用することができる。ま
た、上記担体に、所望の金属を所定の割合で担持させた
のち、必要に応じて乾燥後、焼成処理を行う。焼成温度
及び時間は、担持させた金属の種類などに応じて適宜選
ばれる。このようにして得られた水素化処理触媒は、通
常平均細孔径が70Å以上、好ましくは80〜200Å
のものである。この平均細孔径が70Å未満では、触媒
寿命が短くなるという不都合が生じる。
触媒は、上記のようにして得られた担体に、周期律表第
6,8,9及び10族に属する金属の中から選ばれた少
なくとも一種を担持させたものであるが、その担持方法
については、特に制限はなく、含浸法,共沈法,混練法
などの公知の任意の方法を採用することができる。ま
た、上記担体に、所望の金属を所定の割合で担持させた
のち、必要に応じて乾燥後、焼成処理を行う。焼成温度
及び時間は、担持させた金属の種類などに応じて適宜選
ばれる。このようにして得られた水素化処理触媒は、通
常平均細孔径が70Å以上、好ましくは80〜200Å
のものである。この平均細孔径が70Å未満では、触媒
寿命が短くなるという不都合が生じる。
【0012】本発明においては、上記触媒は単独で用い
てもよいが、例えば反応塔において脱メタル活性の高い
触媒と脱硫活性の高い触媒とを用いて、前者の触媒を後
者の触媒で挟むように充填して用いることが、更に触媒
の寿命を延長することができる点で好ましい。即ち、本
発明においては、触媒が、(a)比表面積が100〜2
50m2 /g、細孔容量が0.4〜1.5cc/gであっ
て、全細孔容量に占める細孔径80〜200Åの細孔容
量が60〜95%、細孔径200〜800Åの細孔容量
が6〜15%及び細孔径800Å以上の細孔容量が3〜
30%である触媒と、(b)比表面積が150〜300
m2 /g、細孔容量が0.3〜1.2cc/gであって、全
細孔容量に占める細孔径70〜150Åの細孔容量が8
0〜95%及び細孔径150Å以上の細孔容量が5〜2
0%である触媒とを炭化水素油の流れ方向に対して
(a)、(b)、(a)の順に組み合わせてなるもので
あることが好ましい。
てもよいが、例えば反応塔において脱メタル活性の高い
触媒と脱硫活性の高い触媒とを用いて、前者の触媒を後
者の触媒で挟むように充填して用いることが、更に触媒
の寿命を延長することができる点で好ましい。即ち、本
発明においては、触媒が、(a)比表面積が100〜2
50m2 /g、細孔容量が0.4〜1.5cc/gであっ
て、全細孔容量に占める細孔径80〜200Åの細孔容
量が60〜95%、細孔径200〜800Åの細孔容量
が6〜15%及び細孔径800Å以上の細孔容量が3〜
30%である触媒と、(b)比表面積が150〜300
m2 /g、細孔容量が0.3〜1.2cc/gであって、全
細孔容量に占める細孔径70〜150Åの細孔容量が8
0〜95%及び細孔径150Å以上の細孔容量が5〜2
0%である触媒とを炭化水素油の流れ方向に対して
(a)、(b)、(a)の順に組み合わせてなるもので
あることが好ましい。
【0013】上記触媒(a)は比表面積が100〜25
0m2 /gのものであるが、比表面積が100m2 /g
未満である場合は必要な活性が十分に発揮されず、また
250m2 /gを越える場合は細孔径が最適範囲に調整
できなくなり好ましくない。従って、比表面積は150
〜230m2 /gの範囲であることが更に好ましい。ま
た、細孔容量は0.4〜1.5cc/gであるが、これが0.
4cc/g未満の場合は触媒劣化が著しく加速され、ま
た1.5cc/gを越える場合は必要な触媒性能が十分に
発揮されないため、やはり好ましくない。従って、細孔
容量は0.45〜1.2cc/gの範囲であることが更に好
ましい。更に、上記触媒(a)は全細孔容量に占める細
孔径80〜200Åの細孔容量が60〜95%、細孔径
200〜800Åの細孔容量が6〜15%及び細孔径8
00Å以上の細孔容量が3〜30%であることが好まし
い。上記範囲の割合は以下の各理由から好ましいもので
ある。即ち、細孔径80〜200Åの細孔容量が60%
未満の場合は必要な触媒性能が十分に発揮されず、95
%を越える場合は活性劣化抑制に有効な800Å以上の
細孔が確保できない。また細孔径200〜800Åの細
孔容量が6%未満の場合は80〜200Åの細孔と80
0Å以上の細孔の間の原料油の拡散が効率的に行われ
ず、15%を越える場合は触媒劣化性能、活性向上に有
効な80〜200Å、800Å以上の細孔が確保できな
い。更に細孔径800Å以上の細孔容量が3%未満の場
合は触媒の劣化の進行が大きくなり、30%を越える場
合は触媒強度が低下する恐れがある。
0m2 /gのものであるが、比表面積が100m2 /g
未満である場合は必要な活性が十分に発揮されず、また
250m2 /gを越える場合は細孔径が最適範囲に調整
できなくなり好ましくない。従って、比表面積は150
〜230m2 /gの範囲であることが更に好ましい。ま
た、細孔容量は0.4〜1.5cc/gであるが、これが0.
4cc/g未満の場合は触媒劣化が著しく加速され、ま
た1.5cc/gを越える場合は必要な触媒性能が十分に
発揮されないため、やはり好ましくない。従って、細孔
容量は0.45〜1.2cc/gの範囲であることが更に好
ましい。更に、上記触媒(a)は全細孔容量に占める細
孔径80〜200Åの細孔容量が60〜95%、細孔径
200〜800Åの細孔容量が6〜15%及び細孔径8
00Å以上の細孔容量が3〜30%であることが好まし
い。上記範囲の割合は以下の各理由から好ましいもので
ある。即ち、細孔径80〜200Åの細孔容量が60%
未満の場合は必要な触媒性能が十分に発揮されず、95
%を越える場合は活性劣化抑制に有効な800Å以上の
細孔が確保できない。また細孔径200〜800Åの細
孔容量が6%未満の場合は80〜200Åの細孔と80
0Å以上の細孔の間の原料油の拡散が効率的に行われ
ず、15%を越える場合は触媒劣化性能、活性向上に有
効な80〜200Å、800Å以上の細孔が確保できな
い。更に細孔径800Å以上の細孔容量が3%未満の場
合は触媒の劣化の進行が大きくなり、30%を越える場
合は触媒強度が低下する恐れがある。
【0014】上記の点から本発明においては、上記触媒
(a)は全細孔容量に占める細孔径80〜200Åの細
孔容量は65〜90%であること、細孔径200〜80
0Åの細孔容量が8〜12%であること、更には細孔径
800Å以上の細孔容量は5〜25%であることがそれ
ぞれにおいて更に好ましい。
(a)は全細孔容量に占める細孔径80〜200Åの細
孔容量は65〜90%であること、細孔径200〜80
0Åの細孔容量が8〜12%であること、更には細孔径
800Å以上の細孔容量は5〜25%であることがそれ
ぞれにおいて更に好ましい。
【0015】また、上記触媒(b)は比表面積が150
〜300m2 /gのものであるが、比表面積が150m
2 /g未満である場合は必要な活性が十分に発揮され
ず、300m2 /gを越える場合は細孔径が最適範囲に
調整できなくなり好ましくない。従って、比表面積は1
60〜285m2 /gの範囲であることが更に好まし
い。また、細孔容量は0.3〜1.2cc/gであるが、こ
れが0.3cc/g未満の場合は触媒劣化が著しく加速さ
れ、1.2cc/gを越える場合は必要な触媒性能が十分
に発揮されないため好ましくない。従って、細孔容量は
0.35〜1.1cc/gの範囲であることが更に好まし
い。更に、上記触媒(b)は全細孔容量に占める細孔径
70〜150Åの細孔容量が80〜95%及び細孔径1
50Å以上の細孔容量が5〜20%であるものであるこ
とが好ましい。上記範囲の割合は以下の各理由で好まし
いものである。即ち、細孔径70〜150Åの細孔容量
が80%未満の場合は必要な触媒性能が十分に発揮され
ず、95%を越える場合は劣化抑制に有効な150Å以
上の細孔が確保できない。また細孔径150Å以上の細
孔容量が5%未満の場合は活性劣化が加速され、20%
を越える場合は触媒活性が十分に発揮されない。上記の
点から本発明においては、上記触媒(b)は全細孔容量
に占める細孔径70〜150Åの細孔容量は82〜93
%であること、また細孔径150Å以上の細孔容量が7
〜18%であることがそれぞれにおいて更に好ましい。
また、上記触媒(a)としては、その平均細孔径が触媒
(b)の平均細孔径より大きいものを用いることが脱メ
タル活性向上の点から好ましい。
〜300m2 /gのものであるが、比表面積が150m
2 /g未満である場合は必要な活性が十分に発揮され
ず、300m2 /gを越える場合は細孔径が最適範囲に
調整できなくなり好ましくない。従って、比表面積は1
60〜285m2 /gの範囲であることが更に好まし
い。また、細孔容量は0.3〜1.2cc/gであるが、こ
れが0.3cc/g未満の場合は触媒劣化が著しく加速さ
れ、1.2cc/gを越える場合は必要な触媒性能が十分
に発揮されないため好ましくない。従って、細孔容量は
0.35〜1.1cc/gの範囲であることが更に好まし
い。更に、上記触媒(b)は全細孔容量に占める細孔径
70〜150Åの細孔容量が80〜95%及び細孔径1
50Å以上の細孔容量が5〜20%であるものであるこ
とが好ましい。上記範囲の割合は以下の各理由で好まし
いものである。即ち、細孔径70〜150Åの細孔容量
が80%未満の場合は必要な触媒性能が十分に発揮され
ず、95%を越える場合は劣化抑制に有効な150Å以
上の細孔が確保できない。また細孔径150Å以上の細
孔容量が5%未満の場合は活性劣化が加速され、20%
を越える場合は触媒活性が十分に発揮されない。上記の
点から本発明においては、上記触媒(b)は全細孔容量
に占める細孔径70〜150Åの細孔容量は82〜93
%であること、また細孔径150Å以上の細孔容量が7
〜18%であることがそれぞれにおいて更に好ましい。
また、上記触媒(a)としては、その平均細孔径が触媒
(b)の平均細孔径より大きいものを用いることが脱メ
タル活性向上の点から好ましい。
【0016】本発明においては、上記触媒(a)及び触
媒(b)を、炭化水素油の流れ方向に対して(a)、
(b)、(a)の順に組み合わせて充填してなるものを
好ましく使用することができる。このような組み合わせ
で使用することにより、触媒の寿命を更に延長せしめる
ことが可能となる。本発明においては、上記組み合わせ
の範囲内で、(a)、(b)及び(a)の各触媒の間ま
たはその前後に他の触媒を適宜組み合わせて用いること
は任意である。
媒(b)を、炭化水素油の流れ方向に対して(a)、
(b)、(a)の順に組み合わせて充填してなるものを
好ましく使用することができる。このような組み合わせ
で使用することにより、触媒の寿命を更に延長せしめる
ことが可能となる。本発明においては、上記組み合わせ
の範囲内で、(a)、(b)及び(a)の各触媒の間ま
たはその前後に他の触媒を適宜組み合わせて用いること
は任意である。
【0017】本発明においては、上記のように触媒を組
み合わせて用いる場合、上記触媒(a)を全触媒容量に
対し20〜40容量%、触媒(b)を20〜60容量%
含有することが好ましい。触媒(a)が20容量%未満
の場合は脱メタル活性が低下し、40容量%を越える場
合は脱硫活性が十分に発揮されず好ましくない。また、
触媒(b)が20容量%未満の場合は脱硫活性が十分に
発揮されず、60容量%を越える場合は触媒劣化が加速
されやはり好ましくない。従って、本発明において用い
られる触媒は、上記触媒(a)を全触媒容量に対し25
〜35容量%、触媒(b)を30〜50容量%含有する
ことが更に好ましい。
み合わせて用いる場合、上記触媒(a)を全触媒容量に
対し20〜40容量%、触媒(b)を20〜60容量%
含有することが好ましい。触媒(a)が20容量%未満
の場合は脱メタル活性が低下し、40容量%を越える場
合は脱硫活性が十分に発揮されず好ましくない。また、
触媒(b)が20容量%未満の場合は脱硫活性が十分に
発揮されず、60容量%を越える場合は触媒劣化が加速
されやはり好ましくない。従って、本発明において用い
られる触媒は、上記触媒(a)を全触媒容量に対し25
〜35容量%、触媒(b)を30〜50容量%含有する
ことが更に好ましい。
【0018】本発明においては、炭化水素油を原料油と
して用いるが、このようなものとして原油、ナフサ留分
を除いた原油、常圧残油、減圧残油等がある。即ち、原
油を用いる場合は、予備蒸留塔でナフサ留分を除いた原
油を一括水素化処理してもよく、またナフサ留分の硫黄
含有量を1ppm未満程度にする必要がない場合、例え
ばナフサ留分をエチレン製造装置の原料として使用する
場合には、予備蒸留塔にてナフサ留分を除くことなく、
原油を直接一括して水素化処理してもよい。予備蒸留塔
に供給する原油や水素化処理工程に供給する原油は、予
備蒸留塔内の汚れや閉塞の防止、水素化処理触媒の劣化
防止などのために、予め脱塩処理を行うことが好まし
い。脱塩処理方法としては、当業者にて一般的に行われ
ている方法を用いることができる。その方法としては、
例えば、化学的脱塩法,ペトレコ電気脱塩法、ハウ・ベ
ーカー電気脱塩法などが挙げられる。
して用いるが、このようなものとして原油、ナフサ留分
を除いた原油、常圧残油、減圧残油等がある。即ち、原
油を用いる場合は、予備蒸留塔でナフサ留分を除いた原
油を一括水素化処理してもよく、またナフサ留分の硫黄
含有量を1ppm未満程度にする必要がない場合、例え
ばナフサ留分をエチレン製造装置の原料として使用する
場合には、予備蒸留塔にてナフサ留分を除くことなく、
原油を直接一括して水素化処理してもよい。予備蒸留塔
に供給する原油や水素化処理工程に供給する原油は、予
備蒸留塔内の汚れや閉塞の防止、水素化処理触媒の劣化
防止などのために、予め脱塩処理を行うことが好まし
い。脱塩処理方法としては、当業者にて一般的に行われ
ている方法を用いることができる。その方法としては、
例えば、化学的脱塩法,ペトレコ電気脱塩法、ハウ・ベ
ーカー電気脱塩法などが挙げられる。
【0019】予備蒸留塔で原油を処理する場合、原油中
のナフサ留分及びそれよりも軽質の留分の除去が行われ
るが、この場合蒸留条件としては、通常、温度は145
〜200℃の範囲であり、また圧力は常圧乃至10kg
/cm2 の範囲、好ましくは1.5kg/cm2 前後であ
る。この予備蒸留塔にて塔頂より除去するナフサ留分
は、沸点が10℃以上で、上限が125〜174℃の範
囲にあるものが好ましいが、後段にて水素化脱硫して精
留するため、精度よく蒸留する必要はない。なお、沸点
10〜125℃のナフサ留分としては、通常炭素数が5
〜8のものがあり、沸点10〜174℃のナフサ留分と
しては、通常炭素数5〜10のものがある。ナフサ留分
を沸点125℃未満でカットした場合、次の工程の水素
化処理の際に水素分圧が低下して、水素化処理の効率が
低下するおそれがあり、また沸点174℃を超えてカッ
トすると、後段の水素化処理及び蒸留で得られる灯油留
分の煙点が低下する傾向がみられる。
のナフサ留分及びそれよりも軽質の留分の除去が行われ
るが、この場合蒸留条件としては、通常、温度は145
〜200℃の範囲であり、また圧力は常圧乃至10kg
/cm2 の範囲、好ましくは1.5kg/cm2 前後であ
る。この予備蒸留塔にて塔頂より除去するナフサ留分
は、沸点が10℃以上で、上限が125〜174℃の範
囲にあるものが好ましいが、後段にて水素化脱硫して精
留するため、精度よく蒸留する必要はない。なお、沸点
10〜125℃のナフサ留分としては、通常炭素数が5
〜8のものがあり、沸点10〜174℃のナフサ留分と
しては、通常炭素数5〜10のものがある。ナフサ留分
を沸点125℃未満でカットした場合、次の工程の水素
化処理の際に水素分圧が低下して、水素化処理の効率が
低下するおそれがあり、また沸点174℃を超えてカッ
トすると、後段の水素化処理及び蒸留で得られる灯油留
分の煙点が低下する傾向がみられる。
【0020】本発明に用いられる常圧残油としては、常
圧蒸留塔より得られる、通常入手可能なものがあり、特
に沸点が330℃以上の留分からなるものが挙げられ
る。また、減圧残油としては、減圧蒸留塔より得られ
る、通常入手可能なものがあり、特に沸点が500℃以
上の留分からなるものが挙げられる。本発明において用
いられる炭化水素油は、アスファルテン分、硫黄分及び
バナジウム、ニッケル等の金属成分をの少なくとも一つ
を含有するものであるが、上記アスファルテン分、硫黄
分及び金属成分をそれぞれ、12重量%以下、5重量%
以下、135重量%以下含有するものが本発明の方法に
好ましく適用される。
圧蒸留塔より得られる、通常入手可能なものがあり、特
に沸点が330℃以上の留分からなるものが挙げられ
る。また、減圧残油としては、減圧蒸留塔より得られ
る、通常入手可能なものがあり、特に沸点が500℃以
上の留分からなるものが挙げられる。本発明において用
いられる炭化水素油は、アスファルテン分、硫黄分及び
バナジウム、ニッケル等の金属成分をの少なくとも一つ
を含有するものであるが、上記アスファルテン分、硫黄
分及び金属成分をそれぞれ、12重量%以下、5重量%
以下、135重量%以下含有するものが本発明の方法に
好ましく適用される。
【0021】本発明における水素化処理の反応条件とし
ては下記のような条件が用いられる。まず、反応温度は
300〜450℃の範囲が好ましい。上記反応温度が3
00℃未満である時は反応の進行が著しく遅くなり、ま
た450℃を越える場合は触媒上に固体炭素(コーク)
が生成し、触媒寿命を著しく低下させることから好まし
くない。上記と同様の理由から、反応温度としては36
0〜420℃の範囲が更に好ましい。また、反応圧力、
即ち水素分圧は30〜200kg/cm2 の範囲が好ま
しい。上記圧力が30kg/cm2 未満である時は固体
炭素を析出することにより触媒寿命が著しく低下し、ま
た200kg/cm2 を越える圧力は装置設計上不経済
であり好ましくない。上記と同様の理由から、水素分圧
は100〜180kg/cm2 の範囲であることが更に
好ましい。更に、水素/油比は500〜1000Nm3
/キロリットルの範囲である。上記比率が500Nm3
/キロリットル未満の場合は、反応が十分に進行せず、
1000Nm3 /キロリットルを越える場合は、装置設
計上不経済であり好ましくない。LHSVは0.15〜0.
5h-1の範囲である。LHSVが0.15h-1未満の場合
は経済的な観点から十分な処理速度が得られず、また0.
5h-1を越える場合は反応時間が不十分で原料油の水素
化精製が完了せず、好ましくない。
ては下記のような条件が用いられる。まず、反応温度は
300〜450℃の範囲が好ましい。上記反応温度が3
00℃未満である時は反応の進行が著しく遅くなり、ま
た450℃を越える場合は触媒上に固体炭素(コーク)
が生成し、触媒寿命を著しく低下させることから好まし
くない。上記と同様の理由から、反応温度としては36
0〜420℃の範囲が更に好ましい。また、反応圧力、
即ち水素分圧は30〜200kg/cm2 の範囲が好ま
しい。上記圧力が30kg/cm2 未満である時は固体
炭素を析出することにより触媒寿命が著しく低下し、ま
た200kg/cm2 を越える圧力は装置設計上不経済
であり好ましくない。上記と同様の理由から、水素分圧
は100〜180kg/cm2 の範囲であることが更に
好ましい。更に、水素/油比は500〜1000Nm3
/キロリットルの範囲である。上記比率が500Nm3
/キロリットル未満の場合は、反応が十分に進行せず、
1000Nm3 /キロリットルを越える場合は、装置設
計上不経済であり好ましくない。LHSVは0.15〜0.
5h-1の範囲である。LHSVが0.15h-1未満の場合
は経済的な観点から十分な処理速度が得られず、また0.
5h-1を越える場合は反応時間が不十分で原料油の水素
化精製が完了せず、好ましくない。
【0022】原油を直接水素化脱硫処理する場合は、そ
の反応条件はナフサ留分を除いた原油を水素化脱硫処理
する場合の反応条件と基本的に同様であるが、水素分圧
が低下するため、水素分圧及び水素/油比を、上記範囲
内で大きくすることが好ましい。原油又はナフサ留分を
除いた原油の場合、一括水素化脱硫処理した後、この処
理油は、一般に常圧蒸留塔にて各種製品、例えばナフサ
留分,灯油留分,軽油留分,常圧蒸留残油などに分離さ
れる。この際、常圧蒸留塔の操作条件としては、石油精
製設備において広く行われている原油常圧蒸留方法と同
様であり、通常温度は300〜380℃程度、圧力は常
圧乃至1.0kg/cm2 G程度である。この工程を、水
素化脱硫工程に引き続き行うことにより、熱回収を図り
運転費を大きく低減することができる。また、既設の原
油常圧蒸留塔を有効に利用するため、他の場所にある製
油所へ水素化脱硫処理油を転送して製品の分離を行うこ
とにより、建設費を低減することができる。
の反応条件はナフサ留分を除いた原油を水素化脱硫処理
する場合の反応条件と基本的に同様であるが、水素分圧
が低下するため、水素分圧及び水素/油比を、上記範囲
内で大きくすることが好ましい。原油又はナフサ留分を
除いた原油の場合、一括水素化脱硫処理した後、この処
理油は、一般に常圧蒸留塔にて各種製品、例えばナフサ
留分,灯油留分,軽油留分,常圧蒸留残油などに分離さ
れる。この際、常圧蒸留塔の操作条件としては、石油精
製設備において広く行われている原油常圧蒸留方法と同
様であり、通常温度は300〜380℃程度、圧力は常
圧乃至1.0kg/cm2 G程度である。この工程を、水
素化脱硫工程に引き続き行うことにより、熱回収を図り
運転費を大きく低減することができる。また、既設の原
油常圧蒸留塔を有効に利用するため、他の場所にある製
油所へ水素化脱硫処理油を転送して製品の分離を行うこ
とにより、建設費を低減することができる。
【0023】
【実施例】以下に、実施例により本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定さ
れるものではない。 実施例1 原料油として、下記性状のアラビアンライト脱塩原油を
用いた。 密度(15℃) 0.8639g/cm3 硫黄分 1.93重量% 窒素分 850重量ppm バナジウム 18重量ppm ニッケル 5重量ppm アスファルテン 1.0重量% ナフサ留分(C5〜157℃) 14.7重量% 灯油留分(157℃より高く239℃以下) 14.2重量% 軽油留分(239℃より高く370℃以下) 25.6重量% 残油 (370℃より高いもの) 45.5重量% 第1表に示すように、アルミナ担体に金属成分を担持さ
せた触媒A及び触媒Bを触媒A、触媒B、触媒Aの順
に、各々体積比30%、40%、30%の割合で100
0ミリリットルの反応管に充填し、水素分圧135kg
/cm2 、水素/油比1000nm3 /キロリットル、
LHSV 0.4 の反応条件で上記原料油を水素化処理
した。この時、触媒の性能が劣化しても、生成油の硫黄
含有量が0.30重量%に維持されるように反応温度を上
昇させて運転した。反応開始から100日後の反応温度
は385℃であった。その後、原料油の流れ方向を逆転
させて、更に反応を50日行った結果、反応温度は39
5℃になった。
説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定さ
れるものではない。 実施例1 原料油として、下記性状のアラビアンライト脱塩原油を
用いた。 密度(15℃) 0.8639g/cm3 硫黄分 1.93重量% 窒素分 850重量ppm バナジウム 18重量ppm ニッケル 5重量ppm アスファルテン 1.0重量% ナフサ留分(C5〜157℃) 14.7重量% 灯油留分(157℃より高く239℃以下) 14.2重量% 軽油留分(239℃より高く370℃以下) 25.6重量% 残油 (370℃より高いもの) 45.5重量% 第1表に示すように、アルミナ担体に金属成分を担持さ
せた触媒A及び触媒Bを触媒A、触媒B、触媒Aの順
に、各々体積比30%、40%、30%の割合で100
0ミリリットルの反応管に充填し、水素分圧135kg
/cm2 、水素/油比1000nm3 /キロリットル、
LHSV 0.4 の反応条件で上記原料油を水素化処理
した。この時、触媒の性能が劣化しても、生成油の硫黄
含有量が0.30重量%に維持されるように反応温度を上
昇させて運転した。反応開始から100日後の反応温度
は385℃であった。その後、原料油の流れ方向を逆転
させて、更に反応を50日行った結果、反応温度は39
5℃になった。
【0024】実施例2 原料油として、下記性状のアラビアンヘビー脱塩原油か
らナフサ留分(C5〜157℃)を除いたものを用い
た。 密度(15℃) 0.9319g/cm3 硫黄分 3.24重量% 窒素分 1500重量ppm バナジウム 55重量ppm ニッケル 18重量ppm アスファルテン 5.01重量% ナフサ留分(C5〜157℃) 9.8重量% 灯油留分(157℃より高く239℃以下) 25.8重量% 軽油留分(239℃より高く370℃以下) 25.6重量% 残油 (370℃より高いもの) 64.4重量% アルミナ担体に、第1表に示す金属成分を担持させた触
媒A及び触媒Bを触媒A、触媒B、触媒Aの順に、各々
体積比30%、40%、30%の割合で1000ミリリ
ットルの反応管に充填し、水素分圧135kg/c
m2 、水素/油比1000nm3 /キロリットル、LH
SV 0.3の反応条件で上記原料油を水素化処理した。
この時、触媒の性能が劣化しても、生成油の硫黄含有量
が0.50重量%に維持されるように反応温度を上昇させ
て運転した。反応開始から100日後の反応温度は38
9℃であった。その後、原料油の流れ方向を逆転させ
て、更に反応を50日行った結果、反応温度は399℃
になった。
らナフサ留分(C5〜157℃)を除いたものを用い
た。 密度(15℃) 0.9319g/cm3 硫黄分 3.24重量% 窒素分 1500重量ppm バナジウム 55重量ppm ニッケル 18重量ppm アスファルテン 5.01重量% ナフサ留分(C5〜157℃) 9.8重量% 灯油留分(157℃より高く239℃以下) 25.8重量% 軽油留分(239℃より高く370℃以下) 25.6重量% 残油 (370℃より高いもの) 64.4重量% アルミナ担体に、第1表に示す金属成分を担持させた触
媒A及び触媒Bを触媒A、触媒B、触媒Aの順に、各々
体積比30%、40%、30%の割合で1000ミリリ
ットルの反応管に充填し、水素分圧135kg/c
m2 、水素/油比1000nm3 /キロリットル、LH
SV 0.3の反応条件で上記原料油を水素化処理した。
この時、触媒の性能が劣化しても、生成油の硫黄含有量
が0.50重量%に維持されるように反応温度を上昇させ
て運転した。反応開始から100日後の反応温度は38
9℃であった。その後、原料油の流れ方向を逆転させ
て、更に反応を50日行った結果、反応温度は399℃
になった。
【0025】実施例3 原料油として、下記性状のアラビアンヘビー系常圧残油
を用いた。 密度(15℃) 0.9798g/cm3 硫黄分 4.13重量% 窒素分 2500重量ppm バナジウム 85重量ppm ニッケル 26重量ppm アスファルテン 8.0重量% 残油 (343℃より高いもの) 93.4重量% アルミナ担体に、第1表に示す金属成分を担持させた触
媒A及び触媒Bを触媒A、触媒B、触媒Aの順に、各々
体積比30%、40%、30%の割合で1000ミリリ
ットルの反応管に充填し、水素分圧135kg/c
m2 、水素/油比1000nm3 /キロリットル、LH
SV 0.25の反応条件で上記原料油を水素化処理し
た。この時、触媒の性能が劣化しても、生成油の硫黄含
有量が0.50重量%に維持されるように反応温度を上昇
させて運転した。反応開始から100日後の反応温度は
392℃であった。その後、原料油の流れ方向を逆転さ
せて、更に反応を50日行った結果、反応温度は402
℃になった。
を用いた。 密度(15℃) 0.9798g/cm3 硫黄分 4.13重量% 窒素分 2500重量ppm バナジウム 85重量ppm ニッケル 26重量ppm アスファルテン 8.0重量% 残油 (343℃より高いもの) 93.4重量% アルミナ担体に、第1表に示す金属成分を担持させた触
媒A及び触媒Bを触媒A、触媒B、触媒Aの順に、各々
体積比30%、40%、30%の割合で1000ミリリ
ットルの反応管に充填し、水素分圧135kg/c
m2 、水素/油比1000nm3 /キロリットル、LH
SV 0.25の反応条件で上記原料油を水素化処理し
た。この時、触媒の性能が劣化しても、生成油の硫黄含
有量が0.50重量%に維持されるように反応温度を上昇
させて運転した。反応開始から100日後の反応温度は
392℃であった。その後、原料油の流れ方向を逆転さ
せて、更に反応を50日行った結果、反応温度は402
℃になった。
【0026】実施例4 触媒Bを第1表に示す触媒Cに変えた以外は実施例1と
同様にして反応を行った。その結果、反応100日後の
反応温度は378℃であった。その後、原料油の流れ方
向を逆転させて、更に反応を50日行った結果、反応温
度は385℃になった。
同様にして反応を行った。その結果、反応100日後の
反応温度は378℃であった。その後、原料油の流れ方
向を逆転させて、更に反応を50日行った結果、反応温
度は385℃になった。
【0027】実施例5 触媒Bを第1表に示す触媒Dに変えた以外は実施例1と
同様にして反応を行った。その結果、反応100日後の
反応温度は380℃であった。その後、原料油の流れ方
向を逆転させて、更に反応を50日行った結果、反応温
度は387℃になった。
同様にして反応を行った。その結果、反応100日後の
反応温度は380℃であった。その後、原料油の流れ方
向を逆転させて、更に反応を50日行った結果、反応温
度は387℃になった。
【0028】比較例1 反応100日後も流れ方向を変えなかったこと以外は、
実施例1と同様にして反応を行った。その結果、反応開
始から150日後の反応温度は405℃であった。
実施例1と同様にして反応を行った。その結果、反応開
始から150日後の反応温度は405℃であった。
【0029】比較例2 反応100日後も流れ方向を変えなかったこと以外は、
実施例2と同様にして反応を行った。その結果、反応開
始から150日後の反応温度は414℃であった。
実施例2と同様にして反応を行った。その結果、反応開
始から150日後の反応温度は414℃であった。
【0030】比較例3 反応100日後も流れ方向を変えなかったこと以外は、
実施例3と同様にして反応を行った。その結果、反応開
始から150日後の反応温度は416℃であった。
実施例3と同様にして反応を行った。その結果、反応開
始から150日後の反応温度は416℃であった。
【0031】比較例4 反応100日後も流れ方向を変えなかったこと以外は、
実施例4と同様にして反応を行った。その結果、反応開
始から150日後の反応温度は400℃であった。
実施例4と同様にして反応を行った。その結果、反応開
始から150日後の反応温度は400℃であった。
【0032】比較例5 反応100日後も流れ方向を変えなかったこと以外は、
実施例5と同様にして反応を行った。その結果、反応開
始から150日後の反応温度は402℃であった。
実施例5と同様にして反応を行った。その結果、反応開
始から150日後の反応温度は402℃であった。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明の如く、重質炭化水素油の水素化
処理において、所定時間処理した後に触媒の劣化に応じ
て原料油の流れ方向を逆方向に変換することにより、簡
便かつ安価に触媒寿命を延長せしめることができ、ま
た、プロセスの運転期間を増大させ稼働率を大幅に向上
しうる水素化処理方法を提供することができる。
処理において、所定時間処理した後に触媒の劣化に応じ
て原料油の流れ方向を逆方向に変換することにより、簡
便かつ安価に触媒寿命を延長せしめることができ、ま
た、プロセスの運転期間を増大させ稼働率を大幅に向上
しうる水素化処理方法を提供することができる。
【図1】 本発明の炭化水素油の水素化処理方法の一例
を示す模式図である。
を示す模式図である。
【図2】 複数の反応塔を用いた場合の本発明の炭化水
素油の水素化処理方法の一例を示す模式図である。
素油の水素化処理方法の一例を示す模式図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 アスファルテン,硫黄及び金属成分の少
なくとも一つを含む炭化水素油を、触媒の存在下水素化
処理するにあたり、所定時間処理した後に触媒性能の劣
化に応じて、該触媒に対する炭化水素油の流れを逆方向
にして処理することを特徴とする炭化水素油の水素化処
理方法。 - 【請求項2】 炭化水素油が、原油、ナフサ留分を除い
た原油、常圧残油または減圧残油であることを特徴とす
る請求項1記載の炭化水素油の水素化処理方法。 - 【請求項3】 触媒が、アルミナ担体に周期律表第6,
8,9及び10族に属する金属から選ばれる少なくとも
一種を担持したものであることを特徴とする請求項1記
載の炭化水素油の水素化処理方法。 - 【請求項4】 周期律表第6,8,9及び10族に属す
る金属がNi−Mo,Co−Mo,Ni−WまたはNi
−Co−Moであることを特徴とする請求項3記載の炭
化水素油の水素化処理方法。 - 【請求項5】 触媒が、アルミナ担体に周期律表第6,
8,9及び10族に属する金属から選ばれる少なくとも
一種を、触媒全重量を基準として金属酸化物として1〜
35重量%担持したものであることを特徴とする請求項
3記載の炭化水素油の水素化処理方法。 - 【請求項6】 触媒が、更にリン又はホウ素を担体全重
量を基準として0.5〜10重量%含有することを特徴と
する請求項3記載の炭化水素油の水素化処理方法。 - 【請求項7】 触媒が、(a)比表面積が100〜25
0m2 /g、細孔容量が0.4〜1.5cc/gであって、
全細孔容量に占める細孔径80〜200Åの細孔容量が
60〜95%、細孔径200〜800Åの細孔容量が6
〜15%及び細孔径800Å以上の細孔容量が3〜30
%である触媒と、(b)比表面積が150〜300m2
/g、細孔容量が0.3〜1.2cc/gであって、全細孔
容量に占める細孔径70〜150Åの細孔容量が80〜
95%及び細孔径150Å以上の細孔容量が5〜20%
である触媒、とを炭化水素油の流れ方向に対して
(a)、(b)、(a)の順に組み合わせてなるもので
あることを特徴とする請求項1または3記載の炭化水素
油の水素化処理方法。 - 【請求項8】 触媒(a)の平均細孔径が、触媒(b)
の平均細孔径より大きいことを特徴とする請求項7記載
の炭化水素油の水素化処理方法。 - 【請求項9】 触媒(a)を20〜40容量%含有し、
かつ触媒(b)を20〜60容量%含有することを特徴
とする請求項7記載の炭化水素油の水素化処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12338894A JPH07331254A (ja) | 1994-06-06 | 1994-06-06 | 炭化水素油の水素化処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12338894A JPH07331254A (ja) | 1994-06-06 | 1994-06-06 | 炭化水素油の水素化処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07331254A true JPH07331254A (ja) | 1995-12-19 |
Family
ID=14859346
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12338894A Pending JPH07331254A (ja) | 1994-06-06 | 1994-06-06 | 炭化水素油の水素化処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07331254A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007216222A (ja) * | 2006-01-31 | 2007-08-30 | Rohm & Haas Co | 再生された混合金属酸化物触媒 |
JP2016175060A (ja) * | 2014-12-11 | 2016-10-06 | インスティテュート メキシカーノ デル ペテロレオ | 失活した水素化脱硫触媒の触媒活性回復のための現場洗浄方法 |
-
1994
- 1994-06-06 JP JP12338894A patent/JPH07331254A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007216222A (ja) * | 2006-01-31 | 2007-08-30 | Rohm & Haas Co | 再生された混合金属酸化物触媒 |
JP2016175060A (ja) * | 2014-12-11 | 2016-10-06 | インスティテュート メキシカーノ デル ペテロレオ | 失活した水素化脱硫触媒の触媒活性回復のための現場洗浄方法 |
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