JP6026782B2 - 重質油の水素化処理方法 - Google Patents

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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Description

本発明は、API20以下の重質油を固定床水素化処理装置で処理し、さらに流動接触分解装置にて処理する重質油の水素化処理方法に関し、更に詳細には、水素化脱硫触媒を備える固定床水素化処理装置を用いた水素化処理方法に関する。
原油の常圧蒸留残渣油は、重油直接脱硫装置(RH装置:以下、「直脱装置」と称することがある)にて水素化脱硫され、脱硫ナフサ、脱硫灯油、脱硫軽油などの留出油と脱硫重油とを生成する。この脱硫重油は、低硫黄C重油として電力用のボイラー燃料などに用いられている。同時に脱硫重油は、流動接触分解装置(FCC装置)の原料としても使用され、接触分解ガソリン(以下、「FCCガソリン」と称することがある)、接触分解軽油(ライトサイクルオイル:以下、「LCO」と称することがある)、LPG留分等の軽質留分が生産されている。
近年、石油精製において使用できる原油は重質化し、重質油を多量に含む原油が多くなる傾向にある。しかも、発電、ボイラー用の重油の需要が減少するなど重質油の利用量は減少しつつある。また、FCC装置からのLCO留分の需要も減少しつつある。一方、ガソリン需要は拡大し、また、プロピレン、ブテンおよびベンゼン、トルエン、キシレンなどのBTX等の多数の石油化学製品の原料として使用されるLPG留分やナフサ留分の需要は増大してきている。したがって、常圧蒸留残渣油などの重質油からガソリンやナフサ留分、LPG留分などの軽質留分を多量に製造する技術開発が重要な課題となっている。
このような状況から、重質油を直脱装置などの水素化脱硫装置にて水素化脱硫処理して得られる脱硫重質軽油、脱硫重油などを流動接触分解装置にて高い分解率で接触分解することにより、LPG留分、FCCガソリン留分、LCO留分などの軽質留分へ転換することが行われている。
例えば、常圧蒸留残渣油を水素化処理することにより、脱硫重油の分解反応性が向上してトータル的に残渣油を低減し、軽質油留分を増大させることができる。しかしながら、この方法では、原料油が重質化すると常圧蒸留残渣油を水素化脱硫処理した際の触媒の劣化が顕著になり、通常1年間の運転が困難となることと、残渣油の流動接触分解の分解性も低下してLPG留分やFCCガソリン留分など需要の多い軽質留分の得率が十分ではない。また、対応として、水素化脱硫触媒の交換頻度を上げることが考えられるが、その場合、触媒費用が増大して経済性が確保できなくなってしまう。したがって、重質油を安定に水素化処理しつつ流動接触分解によって効率的に分解できる方法が期待されている。
一方、原油の常圧蒸留によって得られる常圧蒸留残渣油などの重質油は、通常、硫黄分や窒素分を多量に含んでいる。これらの重質油を燃料油として使用する場合、SOxやNOxが発生するので、環境上の規制などにより重質油中の硫黄分や窒素分の含有量を所定の値以下にすることが必要となる。重質油の水素化精製をリサイクルして繰り返し処理を行うことで、硫黄分や窒素分の含有量を十分下げることもできるが、硫黄分や窒素分を十分に除去できる条件で水素化精製処理を行った場合、同じく水素化精製処理触媒の触媒寿命が短いなどの問題があった。また、水素化精製の反応温度を高温にすることにより、硫黄分や窒素分の除去を促進することも試みられているが、副反応として炭化水素が縮合して、ドライスラッジが発生し、製品が劣質化することや触媒上にコークが堆積して触媒が失活するという問題があった。このように、これまでの触媒を単純に用いるだけでは、いずれも問題の根本的な解決には至らなかった。
この、コーク生成の問題を解決するための一つの方法として、水素供与性化合物を用いて重質油中のコーク前駆体を水素化する方法が報告されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、水素供与性溶剤を重質油に混合して高温で水素化処理を行っているため、ある程度コークの生成の抑制効果が見られるが、その効果は不十分であった。
また、触媒に周期表第4族に属する金属を添加することで、水素化脱硫活性が向上することが知られている(例えば、非特許文献1参照)。しかし、この場合でも、ある程度コークの生成抑制効果が見られるが、その効果は不十分であった。
一方、水素供与性溶剤を含む、アスファルテンの凝集緩和処理剤を重質油に混合して、150〜350℃で凝集緩和処理することにより、その後に行う重質油の熱分解や接触分解などの水素の不存在下における分解反応において、コークの生成を抑制する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、この方法を用いるのみではある程度コークの生成の抑制効果が見られるが、その効果は不十分であった。
特開平5−117665号公報 特開2005−307103号公報
J.Ramirez et al.,Catalyst Today, 131, 314 (2008)
本発明は、このような状況下でなされたものであり、API20以下の重質油を用い、該重質油の分解活性を向上させ、ガソリンやナフサ留分、LPG留分などの軽質留分を効率よく多量に製造する、重質油の水素化処理方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、API20以下の重質油をアスファルテン凝集緩和処理剤(以下、「凝集緩和処理剤」という場合がある)の存在下で200〜350℃に保持して、アスファルテンの分子量を低減した後に、周期表第4族に属する金属を含む水素化脱硫触媒システムで水素化脱硫処理し、さらに流動接触分解装置にて接触分解処理することで、分解活性を向上させることができ、前記軽質留分を効率よく、多量に製造し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
〔1〕 API20以下の重質油を、触媒と接触処理させる前に、系全量に対して2〜50容量%の割合で混合された凝集緩和処理剤の存在下で予め200〜350℃にて加熱処理したのち、周期表第4族に属する金属を含む水素化脱硫触媒システムで水素化脱硫処理し、さらに流動接触分解装置にて接触分解処理することを特徴とする、重質油の水素化処理方法、
〔2〕凝集緩和処理剤が、芳香族系溶媒、極性溶媒、水素供与性溶媒及び芳香族系石油留分の中から選ばれる少なくとも一種である上記〔1〕に記載の重質油の水素化処理方法、
〔3〕周期表第4族に属する金属がチタンである、上記〔1〕又は〔2〕に記載の重質油の水素化処理方法、
〔4〕凝集緩和処理剤が、流動接触分解装置から得られる流動接触分解残油(CLO)及び重質サイクル油(HCO)の中から選ばれる少なくとも一種である、上記〔1〕に記載の重質油の水素化処理方法、
〔5〕凝集緩和処理剤の存在下での加熱処理時間が、5〜60分である上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の重質油の水素化処理方法、
を提供するものである。
本発明によれば、API20以下の重質油を特定条件にてアスファルテン凝集緩和処理剤によって処理したのち、特定の触媒を用いて水素化脱硫処理し、さらに流動接触分解装置にて処理することで、LPG留分、FCCガソリン留分、LCO留分等の軽質留分の収率を高めることができる。
以下、本発明の重質油の水素化処理方法について、詳しく説明する。
本発明の重質油の水素化処理方法は、API20以下の重質油を、触媒と接触処理させる前に、系全量に対して2〜50容量%の割合で混合された凝集緩和処理剤の存在下で予め200〜350℃にて加熱処理したのち、周期表第4族に属する金属を含む水素化脱硫触媒システムで水素化脱硫処理し、さらに流動接触分解装置にて接触分解処理することで、前記重質油の分解活性を向上させることを特徴とする。
(重質油)
本発明の水素化処理方法において、原料油として用いられる重質油としては、API20以下であれば、特に制限はなく、例えば原油の常圧蒸留残渣油(AR)および減圧蒸留残渣油(VR)、接触分解残油、ビスブレーキング油、ビチューメンなどの密度の高い石油留分を挙げることができる。これらの重質油は、通常アスファルテンが1質量%以上含まれているが、これらの重質油から抽出したアスファルテンも原料油として用いることができる。
本発明においては、原料油として、これらを単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、コーカー油、合成原油、ナフサカット原油、重質軽油、減圧軽油、LCO、GTL(Gas To Liquid)油、ワックス等を常圧蒸留残渣油等と混合して重質油として水素化処理をすることもできる。なお、本発明におけるAPI20以下の重質油とは、重質油の混合物全体のAPI度が20以下のものを意味する。ここでAPI度とは、米国石油協会(American Petroleum Institute)が定めた原油製品の比重を示す単位である。
また、前記アスファルテンとは、重質油からn−ヘプタンによる溶媒抽出により抽出したn−ヘプタン不溶解分を意味する。重質油中のアスファルテンの含有量が1質量%以上であれば、凝集緩和処理剤による重油直接脱硫装置(RH装置)、残油流動接触分解装置(RFCC装置)あるいは流動接触分解装置(FCC装置)でのコーク発生の低減効果が充分に発揮される。
(凝集緩和処理剤および凝集緩和処理方法)
本発明においては、これらの重質油を固定床水素化処理装置において水素化処理するに際し、この水素化処理を行う前に、重質油中のアスファルテンの凝集緩和処理を行なう。この凝集緩和処理として、本発明においては、凝集緩和処理剤の存在下で、重質油を200〜350℃の温度で加熱処理する。このような処理により、重質油の水素化処理において、アスファルテンの凝集を緩和することができ、その結果、アスファルテンの凝集に由来するコークの発生が抑制されると共に、反応基質と触媒活性点の接触効率を向上させることができ、原料重質油の脱硫反応、脱金属反応、水素化分解反応および水素化反応を促進することができる。
本発明における好ましい上記加熱処理温度は250〜330℃の範囲であり、特に270〜320℃の範囲が好ましい。
凝集緩和処理剤の原料重質油に対する混合割合は、十分なアスファルテンの凝集緩和効果を得つつその後の反応効率を低下させない点から、前記重質油と凝集緩和処理剤との合計量(系全量)に対して2〜50容量%とする。凝集緩和処理剤の混合割合が2容量%未満では、アスファルテンの凝集を緩和する効果が十分でなく、コークの発生を十分に抑制できないため、LPG留分やFCCガソリン留分等の軽質留分を十分に増量することができない。一方、混合割合が50容量%を超えると、これら凝集緩和処理剤中の被毒物質が増加し、コークの析出も増加して、LPG留分やFCCガソリン留分の収率が低くなり、ガス分が多くなってしまう。好ましい混合割合は、3〜40容量%、より好ましくは5〜30容量%である。
また、凝集緩和処理剤の使用量は、重質油中のアスファルテンに対し、0.2〜10倍質量の範囲で、該アスファルテンの分子構造に応じて適宜選定するのが好ましい。該凝集緩和処理剤はアスファルテンの凝集構造に浸透して、凝集緩和効果を発揮するが、その量が上記範囲内であれば凝集緩和効果が充分に発揮され経済的にも有利である。この凝集緩和処理剤のより好ましい使用量は、アスファルテンに対し、0.5〜5倍質量の範囲である。
凝集緩和処理剤を重質油に混合する方法としては、重質油の供給ラインに凝集緩和処理剤を導入しても良いし、あらかじめタンクで混合して原料油としてもよい。
また、その際の圧力については特に制限はなく、自生圧でよいが、窒素ガスなどの不活性ガスや水素ガスを導入して加圧してもよい。この場合、圧力は通常0.1〜30MPa、好ましくは1〜20MPaの範囲で選定される。加熱処理時間は、加熱処理温度などにより左右され、一概に定めることはできないが、通常10〜120分程度で充分である。この加熱処理においては、アスファルテンの凝集緩和効果をより一層高めるために回転翼による撹拌や、超音波照射を併用することができる。
本発明においては、凝集緩和処理剤としては、各種の有機溶媒、例えば芳香族系溶媒、極性溶媒、水素供与性溶媒、芳香族系石油留分、工業溶媒などが使用できる。アスファルテン凝集緩和処理剤の沸点範囲は、特に限定されないが、150〜350℃が好ましい。また、アスファルテン凝集緩和処理剤中には、4環の芳香族化合物を10〜80質量%含むことが好ましい。
上記芳香族系溶媒としては、例えば、1−メチルナフタレン、1−メチルアントラセン、9−メチルアントラセン、トルエンなどを、上記水素供与性溶媒としては、例えば、デカリン、テトラリンなどを、上記芳香族系石油留分としては、十分な凝集緩和効果を得るため、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上の芳香族化合物を含有する石油留分であり、例えば、重質サイクル油(HCO)、流動接触分解残油(CLO)、接触分解軽油(LCO)などを、上記工業溶媒としては、例えば、クレオソート油、アントラセン油などを挙げることができる。
これらの溶媒や石油留分は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明においては、芳香族系溶媒、極性溶媒、水素供与性溶媒、芳香族系石油留分が好ましく、芳香族化合物分含有量が多く製油所内で調達可能である点から、流動接触分解残油(CLO)および重質サイクル油(HCO)から選ばれる少なくとも一種の芳香族系石油留分が好ましい。
CLOまたはHCOは、残油流動接触分解装置(RFCC装置)もしくは流動接触分解装置(FCC装置)から得られたエフルエントを蒸留にて分離して得られるものであるが、重質油の水素化脱硫に引き続いての流動接触分解を効率的に行なう点から、前記AR単独由来の脱硫重油(DSAR)を、RFCC装置もしくはFCC装置の原料油の少なくとも一部が常に含有される条件において、かつ後述のRFCC装置もしくはFCC装置と同様の条件で得られたCLOまたはHCOの一部のみを用いることが好ましい。CLOまたはHCO全量の循環を繰り返す場合は、ある一定以上はCLOまたはHCOの分解が進まず、常に未分解油として残り、精製費の浪費になるおそれがあるからである。
本発明において、上記CLOまたはHCOは、沸点330℃以上の流動接触分解処理後の生成油であることが好ましく、沸点350℃以上の留分が50容量%以上であるものがより好ましい。
本発明においては、凝集緩和処理剤として用いられるCLOまたはHCO中に含まれる水泥分は、RH装置の触媒層への堆積による差圧の発生を防止し、偏流によるホットスポットの発生を防止する観点から、0.5容量%以下であることが好ましく、0.2容量%以下であることがより好ましく、0.05容量%以下であることが更に好ましい。
上記CLOまたはHCOは、その芳香族化合物分含有量が、一般に60〜95質量%であるが、本発明においては、70〜80質量%であることが好ましい。また、硫黄分含有量は、一般に0.3〜1.1質量%である。
前記加熱処理時間(アスファルテン凝集緩和処理時間)は、より好適なアスファルテン凝集緩和効果を得る観点から、5〜60分であることが好ましく、10〜30分であることがより好ましい。
(水素化脱硫処理)
本発明における重質油の水素化脱硫処理においては、このように予め重質油を、凝集緩和処理剤の存在下で加熱処理してアスファルテンの凝集を緩和する処理を施したのち、水素化脱硫を行う。
本発明における水素化脱硫の条件は、特に制限はなく、従来、重質油の水素化脱硫反応で行われている反応条件で行えばよく、反応温度は好ましくは320〜550℃、より好ましくは350〜430℃、水素分圧が好ましくは1〜30MPa、より好ましくは5〜17MPa、水素/油比が好ましくは100〜2000Nm3/キロリットル、より好ましくは300〜1000Nm3/キロリットル、液空間速度(LHSV)が好ましくは0.1〜5h-1、より好ましくは0.2〜2.0h-1の範囲で適宜選定すればよい。
本発明における水素化脱硫処理で用いる触媒は、周期表第4族に属する金属を含有する水素化脱硫触媒が好適であり、該周期表第4族に属する金属を含有する水素化脱硫触媒/全充填触媒容量比が20/100〜75/100であることが好ましい。このような比率で水素化脱硫触媒を含有させることによって、重質油を固定床水素化処理装置で処理した後のRFCC装置またはFCC装置での流動接触分解処理において得られるLPG留分、FCCガソリン留分、LCO留分等の軽質留分の割合が多くなる。
このような観点から、本発明における周期表第4族に属する金属を含有する水素化脱硫触媒/全充填触媒の容量比は、25/100〜70/100がより好ましく、30/100〜60/100がさらに好ましい。
なお、安定に高い性能を発揮するためには、通常の反応を行う前に水素化脱硫触媒を予備硫化することが好ましい。予備硫化条件は、特に制限はなく、従来、重質油の水素化脱硫反応で行われている予備硫化条件で行えばよく、反応温度は好ましくは180〜250℃、より好ましくは200〜230℃、水素分圧が好ましくは1〜30MPa、より好ましくは5〜17MPa、水素/油比が好ましくは100〜2000Nm3/キロリットル、より好ましくは300〜1000Nm3/キロリットル、液空間速度(LHSV)が好ましくは0.1〜5h-1、より好ましくは0.2〜2.0h-1の範囲で適宜選定すればよい。原料に含まれる硫黄分を用いてもよいし、予備硫化剤を予備硫化用原料に添加して通油してもよい。有価用原料としては軽油や灯油、重質軽油など軽質なコーク劣化の少ない原料が好ましい。また予備硫化剤としては、特に制限はないが、ジメチルジスルフィドなど低温で容易に分解する硫黄化合物が好適に用いられる。
(水素化脱硫触媒)
本発明における水素化脱硫処理では、後述するように第4族に属する金属を含む水素化脱硫触媒と、第4族に属する金属を含まない水素化脱硫触媒と組み合わせたものを用いることが好ましい。以下、各々について説明する。
−周期表第4族に属する金属を含有する水素化脱硫触媒−
本発明において、上記周期表第4族に属する金属を含有する水素化脱硫触媒としては、周期表第4族に属する金属を含有する無機耐火性酸化物担体に第6族、第9族および第10族に属する金属及びリン成分を担持させたものが好適である。
周期表第4族の金属化合物としては、チタン、ジルコニウム等の金属化合物を挙げることができるが、特にチタン化合物が好ましい。周期表第4族に属する金属化合物としては、チタン化合物として、硫酸チタン、硫酸チタニル、塩化チタン、過酸化チタン、シュウ酸チタン及び酢酸チタンなどを、ジルコニウム化合物として、オキシ塩化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム及び炭酸ジルコニルアンモニウムなどを各々挙げることができる。
さらに、チタンペルオキソヒドロキシカルボン酸や、そのアンモニウム塩である水溶性チタン化合物も好適に用いることができる。そのヒドロキシカルボン酸として、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸などを挙げることができる。
無機酸化物担体としては、特に限定されない。アルミナが好適であるが、その他にシリカ、ボリア、マグネシア、及びこれらを複合したものでも良い。
無機酸化物担体への周期表第4族の金属化合物の水溶液の添加方法としては、例えばアルミナを例にとると、アルミナヒドロゲルが分散した水溶液中に周期表第4族の金属化合物の水溶液を添加する方法や、濾過・洗浄した脱水後のアルミナヒドロゲルへ周期表第4族の金属化合物の水溶液を加えて捏和する混練法、アルミナの水溶液に周期表第4族の金属化合物の水溶液を加えて酸塩基で沈殿を形成する共沈法、アルミナ担体にチタン溶液を浸漬して担持する含浸法等を用いることができる。また、周期表第4族の金属化合物の水溶液にアルミナヒドロゲルを添加してもよい。添加する温度は、通常室温〜90℃であるが、40〜80℃が好ましい。
このように、周期表第4族の金属化合物を水溶液として安定に溶解した状態として、アルミナに添加することにより、アルミナヒドロゲル粒子中に高分散な状態で周期表第4族の金属化合物を添加することができる。
上記周期表第4族に属する金属の担持量は、酸化物基準で、アルミナに対して、好ましくは0.5〜15質量%であり、より好ましくは2〜10質量%である。担持量が少なすぎると、その金属添加の効果が十分発揮されない場合があり、担持量が多すぎると、担持する金属溶液が高濃度となって不安定となり、該金属のアルミナ担体上への偏積もしくは凝集が生じる場合があり好ましくない。
次に、この担体に、周期表第6族、第8属〜第10族に属する金属のうち少なくとも一種の金属と第15族のリンを担持させる。ここで周期表第6族に属する金属としては、モリブデン、タングステンが好ましく、また第8〜第10族に属する金属としては、ニッケル、コバルトが好ましい。二種類の金属の組合せとしては、ニッケル−モリブデン、コバルト−モリブデン、ニッケル−タングステン、コバルト−タングステンなどが挙げられる。これらの中でも、第6族および第10族に属する金属が好適であり、特に、ニッケル−モリブデンが好ましい。
上記活性成分である金属の担持量は、特に制限はなく原料油の種類や、所望する脱硫重油の得率などの各種条件に応じて適宜選定すればよいが、通常は第6族の金属の場合は触媒全体の0.5〜30質量%、好ましくは5〜20質量%、第8〜第10族の金属の場合は、通常触媒全体の0.1〜20質量%、好ましくは1〜10質量%である。第15族の金属の場合は、通常触媒全体の0.1〜10質量%、好ましくは1〜5質量%である。
上記金属成分を担体に担持する方法については特に制限はなく、例えば、含浸法、混練法、共沈法などの公知の方法を採用することができる。
上記の金属成分を担体に担持したものは、通常30〜200℃で、0.1〜24時間程度乾燥し、次いで、250〜700℃程度(好ましくは300〜650℃)で、1〜10時間程度(好ましくは2〜7時間)焼成して、触媒として仕上げられる。
−周期表第4族に属する金属を含まない水素化脱硫触媒−
本発明で用いられる周期表第4族に属する金属を含まない水素化脱硫触媒は、一般的に脱硫能を有する触媒であれば、特に限定されないが、例えば、アルミナ担体に活性金属を担持したものを使用することが好ましい。アルミナ担体としては、前記の多孔性無機酸化物において用いたアルミナと同様のものを好適に用いることができる。
活性金属としては、周期表第6属、第9属および第10族に属する金属の1種または2種以上が用いられる。
周期表第6族の金属としては、モリブデン、タングステンなどを挙げることができるが、モリブデンが好ましい。第6族金属の水素化脱硫触媒中における担持量は、水素化脱硫活性の観点から、酸化物基準で、好ましくは2〜23質量%、より好ましくは5〜17質量%である。
周期表第9および第10族の金属としては、コバルト、ニッケルなどを挙げることができるが、ニッケルが好ましい。第9属および第10族金属の水素化脱硫触媒中における担持量は、酸化物基準で、好ましくは1〜8質量%、より好ましくは1.5〜5質量%である。
また、周期表第4族に属する金属を含まない水素化脱硫触媒の細孔径は、70〜220Å程度(好ましくは90〜200Å)、比表面積は、100〜300m2/g程度(好ましくは130〜250m2/g)、細孔容量は0.3〜1.0cm3/g程度(好ましくは0.4〜0.9cm3/g)である。
本発明における水素化脱硫処理では、前記第4族に属する金属を含む水素化脱硫触媒と、前記第4族に属する金属を含まない水素化脱硫触媒と組み合わせたものを用いることができる。
組み合わせのパターンとしては、例えば、全触媒充填量に対して第一段目に脱メタル触媒を20〜50容量%、第二段目に第4族に属する金属を含まない水素化脱硫触媒を10〜50容量%、第三段目に第4族に属する金属を含む水素化分解触媒を20〜75容量%の充填パターンが好ましい。これらは原料油の性状等によっては種々の充填パターンとすることができる。第一段目の脱メタル触媒の前に原料油中に含まれる鉄粉、無機酸化物等のスケールを除去する脱スケール触媒を充填しても良い。上記水素化処理および水素化分解で用いられる反応器としては固定床を使用し、ダウンフロー式、アップフロー式のいずれであってもよい。
本発明における水素化脱硫処理に用いる水素化脱硫触媒は、以下の要件を満たすものが好ましい。
(1)比表面積
本発明に用いる水素化脱硫触媒は、比表面積が100〜300m2/gであるものが好ましく、120〜250m2/gがより好ましい。比表面積が100m2/g以上であれば、重質油の水素化に適した分解活性点の充分な量を触媒表面に配置でき、300m2/g以下であれば、重質油分子の拡散に充分大きな細孔を有することができる。なお、比表面積は、窒素ガスによるBET1点法により測定した値である。また、比表面積の異なる2種以上の第4族金属含有触媒を組み合わせることも有効である。
(2)全細孔容量
また、当該触媒の窒素ガス吸着法による全細孔容量は、0.4cm3/g以上であることが好ましく、0.5cm3/g以上がより好ましい。全細孔容量が0.4cm3/g以上であれば重質油分子の拡散を高めることができる。
また、細孔容量の異なる2種以上の第4族金属含有触媒を組み合わせることも有効である。
上記製造法および物性範囲にて得られた水素化脱硫触媒は、水素化脱硫活性が向上し、残渣油(343℃以上の沸点を持つ留分)の脱硫活性をはじめ、脱残炭活性、脱窒素活性、脱アスファルテン活性、脱メタル活性が高く、引き続くRFCCあるいはFCC装置における重質油留分の軽質化に好適である。
(接触分解処理)
本発明においては、このような触媒を用いて、凝集緩和処理剤と重質油との混合油を原料として水素化脱硫処理し、さらに得られた生成油を流動接触分解装置にて接触分解処理する。
上記流動接触分解装置による接触分解処理は、特に制限はなく、公知の方法、条件で行えばよい。例えば、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシアなどのアモルファス触媒や、フォージャサイト型結晶アルミノシリケートなどのゼオライト触媒を用い、反応温度450〜650℃程度、好ましくは480〜580℃、再生温度550〜760℃程度、反応圧力0.02〜5MPa程度、好ましくは0.2〜2MPaの範囲で適宜選定すればよい。
本発明の重質油の水素化処理方法では、最終工程である流動接触分解装置にて接触分解処理された生成油が、燃料や石油化学製品の原料として有用な、FCCガソリン留分およびLPG留分の割合を高く、需要が少ないLCO留分の割合を低くすることができる。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら制限されるものではない。
なお、実施例、比較例では、原料として第1表に示す性状、留分分布を有するクウェート原油の常圧蒸留残渣油(AR)60容量%、減圧蒸留残渣油(VR)30容量%とRFCC装置からの流動接触分解残油(CLO)10容量%を混合したものを用いた。
Figure 0006026782
なお、各性状は次の方法に従って求めた。
・ガソリン
[芳香族炭化水素分含有量]
JIS K 2536−2により測定した。
・AR、VR、HCO、CLO、DSAR
[硫黄分含有量]
JIS K 2541−4に準拠して測定した。
[窒素分含有量]
JIS K 2609により測定した。
[バナジウム含有量]
石油学会規格JPI−5S−59−99に準拠して測定した。
[ニッケル含有量]
石油学会規格JPI−5S−59−99に準拠して測定した。
[残留炭素含有量]
JIS K 2270−2により測定した。
[アスファルテン(ヘプタン不溶解分)含有量]
IP143に準拠して測定した。
[芳香族炭化水素分含有量]
IP469に準拠して測定した。
[飽和炭化水素分含有量]
IP469に準拠して測定した。
[レジン分含有量]
IP469に準拠して測定した。
[水泥分含有量]
JIS K 2601−14により測定した。
<触媒の調製>
(調製例1:触媒1)
四塩化チタン500g及び純水1リットルを氷にて冷却しておいた。純水を攪拌しておき、そこに冷却しながら徐々に四塩化チタンを滴下した。激しい発熱・白煙を生じたが、その後、無色のチタニアゾルを得た。このチタニアゾル溶液に、1.2倍当量のアンモニア水(濃度:1モル/リットル)を滴下し、1時間攪拌し、水酸化チタンのゲルを得た。そのゲルを吸引濾過で分別し、約1リットルの純水に再分散させ濾過洗浄した。この操作を洗浄液が中性になるまで4回繰り返し、塩素根を取り除いた。
得られた水酸化チタンゲルの含水率を測定し、チタニアとして11g採取した。25質量%アンモニア水を50cm3添加し、30分間攪拌した。さらに、30質量%過酸化水素水38cm3を徐々に添加し、黄色のチタンペルオキソチタン溶液を得た。それにクエン酸を29g徐々添加して、攪拌しながら徐々に昇温させ50℃にて余剰の過酸化水素水を除去した。さらに、80℃にて加熱し、錯体形成させることにより完全に溶解させ、次いで全量が117cm3になるまで濃縮し、橙色透明のチタンペルオキソクエン酸アンモニウム(T1)を得た。
吸水率0.8cm3/g、比表面積180m2/gのγ−アルミナ担体(A1)100gに、T1水溶液60cm3をその吸水量に見合うように純水で希釈し、常圧にて含浸し、70℃で1時間真空にて乾燥後、120℃で3時間乾燥機にて乾燥させ、500℃で4時間焼成し担体(B2)を得た。
次に、炭酸ニッケル69.5g(NiOとして39.7g)、三酸化モリブデン220g、正リン酸31.5g(純度85%:P2 5 として19.5g)を純水250cm3に加えて、攪拌しながら80℃で溶解させ、室温に冷却後、再び純水を加えて250cm3に定容し、含浸液(S1)を調製した。
含浸液(S1)を50cm3採取し、担体(B2)100gの吸水量に見合うように純水にて希釈・定容し、常圧にて含浸し、70℃で1時間真空乾燥後、120℃で16時間熱処理し、触媒1を調製した。その触媒組成と物性を第2表に示す。
(調製例2:触媒2)
触媒1の調製において、吸水率0.7cm3/g、比表面積210m2/gのγ−アルミナ担体(A2)を用いた以外は触媒1と同様にして、触媒2を得た。その触媒組成と物性を第2表に示す。
(調製例3:触媒3)
含浸液(S1)を50cm3採取し、γ−アルミナ担体(A1)100gの吸水量に見合うように純水にて希釈・定容し、常圧にて含浸し、70℃で1時間真空乾燥後、120℃で3時間熱処理し、続いて500℃で3時間熱処理し、触媒3を調製した。その触媒組成と物性を第2表に示す。
(調製例4:触媒4)
含浸液(S1)を50cm3採取し、γ−アルミナ担体(A2)100gの吸水量に見合うように純水にて希釈・定容し、常圧にて含浸し、70℃で1時間真空乾燥後、120℃で3時間熱処理し、続いて500℃で3時間熱処理し、触媒4を調製した。その触媒組成と物性を第2表に示す。
Figure 0006026782
<実施例1>
(1)一段目に市販の脱メタル触媒(ART製)を25容量%、二段目に市販の水素化脱硫触媒A(ART製)を25容量%、三段目に調製例1で得られた触媒1を25容量%、四段目に調製例2で得られた触媒2を25容量%の順に直列4段に充填し、合計100cm3を高圧固定床反応器に充填し、通常の条件で予備硫化した。
次いで、クウェート原油の常圧蒸留残渣油(AR)60容量%、減圧蒸留残渣油(VR)30容量%と凝集緩和処理剤としてRFCC装置からの流動接触分解残油(CLO)10容量%を混合したものを原料油として、これをあらかじめ触媒の非存在下で250℃にて60分間保持した後に、以下の条件で水素化脱硫処理を行った。用いた原料の性状を第3表に示す。
(水素化脱硫条件)
・平均反応温度:380℃
・液空間速度(LHSV):0.35h-1
・水素分圧:14.5MPa
・水素/油比:750Nm3/キロリットル
(2)(1)の水素化脱硫処理によって得られた生成油をJIS K 2601の理論段数15段の精留塔を用いた蒸留試験方法に基づき蒸留し、ガス分(C4以下の炭化水素)、脱硫ナフサ留分(沸点範囲:C5炭化水素の沸点〜150℃)、脱硫灯油留分(沸点範囲:150〜250℃)、脱硫軽油留分(沸点範囲:250〜343℃)および残渣油である脱硫重油留分(沸点が343℃超)に分留した。
次いで、これらの留分のうち、脱硫重油留分を原料とし、市販平衡触媒を使用して、反応温度530℃、触媒/原料油比=5.0(質量比)の条件下で流動接触分解処理(接触分解処理)を行った。流動接触分解処理の反応生成物について、ガスクロ蒸留にてガス分、PP留分(プロパン、プロピレン)、BB留分(ブタン、ブチレン)、FCCガソリン留分(沸点範囲:C5〜185℃の留分)、LCO留分(沸点範囲:185〜370℃留分)、および残渣油留分(分解重油:HCO+CLO)の得率(容量%)を測定した。結果を第3表に示す。
なお、HCOはRFCC装置からの重質サイクル油である。
<実施例2>
実施例1において常圧蒸留残渣油(AR)50容量%、減圧蒸留残渣油(VR)30容量%と凝集緩和処理剤としてのCLOの混合割合を20容量%とした以外は実施例1と同様にして水素化脱硫処理および流動接触分解処理を行った。結果を第3表に示す。
<比較例1>
実施例1において、三段目および四段目の触媒を、それぞれチタンを含まない触媒3および触媒4に変えた以外は実施例1と同様にして水素化脱硫処理および流動接触分解処理を行った。結果を第3表に示す。
<比較例2>
実施例1において、凝集緩和処理剤の混合割合を55容量%とした以外は実施例1と同様にして水素化脱硫処理および流動接触分解処理を行った。結果を第3表に示す。
<比較例3>
実施例1において、混合時の温度を80℃とした以外は実施例1と同様にして水素化脱硫処理および流動接触分解処理を行った。結果を第3表に示す。
<比較例4>
実施例1において、混合保持時間を0分とした以外は実施例1と同様にして水素化脱硫処理および流動接触分解処理を行った。結果を第3表に示す。
Figure 0006026782
本発明の水素化処理方法によれば、流動接触分解において軽質留分であるFCCガソリン留分やLPG留分を増産できるとともに、CLO留分の生産を減少することができる。したがって、ガソリン燃料に使用されるガソリン基材や石油化学製品の基礎原料を増産することができる方法として有効に利用することができる。

Claims (7)

  1. API20以下の重質油を、触媒と接触処理させる前に、系全量に対して2〜50容量%の割合で混合された凝集緩和処理剤の存在下で予め200〜350℃にて加熱処理したのち、周期表第4族に属する金属を含む水素化脱硫触媒システムを用いた重油直接脱硫装置で水素化脱硫処理し、さらに流動接触分解装置にて接触分解処理することを特徴とする、重質油の水素化処理方法。
  2. 前記水素化脱硫触媒システムが、周期表第4族に属する金属を含む水素化脱硫触媒と、該第4族に属する金属を含まない水素化脱硫触媒とを組み合わせたものである請求項1に記載の重質油の水素化処理方法。
  3. 前記水素化脱硫触媒システムが、第一段目に脱メタル触媒を、第二段目に周期表第4族に属する金属を含まない水素化脱硫触媒を、第三段目に該第4族に属する金属を含む水素化分解触媒を各々充填した充填パターンを有する反応器を備える請求項1又は2に記載の重質油の水素化処理方法。
  4. 凝集緩和処理剤が、芳香族系溶媒、極性溶媒、水素供与性溶媒及び芳香族系石油留分の中から選ばれる少なくとも一種である請求項1〜3のいずれか1項に記載の重質油の水素化処理方法。
  5. 周期表第4族に属する金属がチタンである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の重質油の水素化処理方法。
  6. 凝集緩和処理剤が、流動接触分解装置から得られる流動接触分解残油(CLO)及び重質サイクル油(HCO)の中から選ばれる少なくとも一種である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の重質油の水素化処理方法。
  7. 凝集緩和処理剤の存在下での加熱処理時間が、5〜60分である請求項1〜のいずれか1項に記載の重質油の水素化処理方法。
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