JPH07330954A - 生分解性脂肪族ポリエステル組成物 - Google Patents

生分解性脂肪族ポリエステル組成物

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JPH07330954A
JPH07330954A JP6127734A JP12773494A JPH07330954A JP H07330954 A JPH07330954 A JP H07330954A JP 6127734 A JP6127734 A JP 6127734A JP 12773494 A JP12773494 A JP 12773494A JP H07330954 A JPH07330954 A JP H07330954A
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栄一郎 滝山
Yoshitaka Hatano
善孝 波田野
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 [A](1)多価アルコール成分(下記のポ
リエチレングリコールを除く)および(2)多塩基酸
(またはその無水物)成分の合計量100重量部に対
し、(3)数平均分子量300以上のポリエチレングリ
コールを0.1〜30重量部加え、続いて前記(1)、
(2)および(3)成分を重縮合して得られる、数平均
分子量15,000以上且つ融点70℃以上の脂肪族ポ
リエステル100重量部に対し、[B]澱粉1〜300
重量部を配合した組成物。 【効果】 実用上十分な物性を維持しながら、耐水性に
優れ、しかも必要十分量の澱粉の混入が可能で、生分解
性を自在にコントロールできる、所望の形状に成形可能
な組成物が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、実用上十分な物性を維
持しながら、生分解性を容易にコントロールすることが
でき、且つ所望の形状に成形可能な生分解性脂肪族ポリ
エステル組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術および課題】生分解性プラスチックには幾
つかの種類があり、澱粉と変性ポリビニルアルコールと
の併用系もその一つである。また、脂肪族ポリエステル
も生分解性であることが知られており、本発明者らも幾
つかの提案を行っている。例えば、特開平4−1898
22号および同第5−70575号明細書には、幾つか
の種類の多価アルコール成分および多塩基酸成分(また
はその無水物)から合成されたポリエステルが開示され
ている。
【0003】然し、澱粉を主体とする従来の生分解性プ
ラスチックは耐水性に乏しく、反面、従来の脂肪族ポリ
エステルは耐水性は良好であるが、澱粉との混和性は良
いとは言えない。従って、十分な耐水性を有し、しかも
澱粉を必要量含ませることにより生分解性を自在にコン
トロールできる脂肪族ポリエステルは登場していなかっ
たと言える。
【0004】本発明は、実用上十分な物性を維持しなが
ら、耐水性に優れ、しかも必要十分量の澱粉の混入が可
能で、生分解性を自在にコントロールできる、所望の形
状に成形可能な生分解性脂肪族ポリエステル組成物を提
供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、脂肪族ポリエステルの構成成分中に所定量のポリ
エチレングリコールを導入することによって、澱粉との
混和性が飛躍的に向上するという驚くべき事実を見いだ
し、本発明を完成することができた。
【0006】すなわち本発明は、 [A] (1) 多価アルコール成分(下記のポリエチレングリ
コールを除く)、(2) 多塩基酸(またはその無水
物)成分、ならびに(3) 数平均分子量300以上の
ポリエチレングリコールを、前記(1)および(2)成
分の合計量100重量部に対し0.1〜30重量部加え
て重縮合し、得られた数平均分子量15,000以上且
つ融点70℃以上の脂肪族ポリエステル100重量部に
対し、 [B]澱粉1〜300重量部を配合したことを特徴とす
る、生分解性脂肪族ポリエステル組成物を提供するもの
である。また本発明は、ポリエチレングリコールの数平
均分子量が、500〜5,000である、前記の組成物
を提供するものである。
【0007】さらに本発明は、 [A] (1) 多価アルコール成分(下記のポリエチレングリ
コールを除く)、(2) 多塩基酸(またはその無水
物)成分、ならびに(3) 数平均分子量300以上の
ポリエチレングリコールを、前記(1)および(2)成
分の合計量100重量部に対し0.1〜30重量部加え
て重縮合し、得られた数平均分子量15,000以上且
つ融点70℃以上の脂肪族ポリエステル100重量部に
対し、その熔融状態において0.1〜10重量部の多価
イソシアナートを加え、反応させ、得られた少量のウレ
タン結合を含む脂肪族ポリエステル100重量部に対
し、 [B]澱粉1〜300重量部を配合したことを特徴とす
る、生分解性脂肪族ポリエステル組成物を提供するもの
である。さらにまた本発明は、ポリエチレングリコール
の数平均分子量が、500〜5,000である、前記の
組成物を提供するものである。
【0008】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明の組成物に用いられる脂肪族ポリエステルは、多価
アルコール成分および多塩基酸(またはその無水物)成
分共に、脂肪族のものを原料として合成される。なお、
本明細書において、“脂肪族ポリエステル”とは、環状
脂肪族のタイプも含むものとする。以下に、本発明の組
成物に用いられる脂肪族ポリエステルの合成について説
明する。
【0009】本発明に用いられる脂肪族ポリエステルの
原料の一つである多価アルコール成分としては、例え
ば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、1,8−オクチレングリコー
ル、1,10−デカメチレングリコール、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノールなどが挙げられる。中でも、エチ
レングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノールが、得られる脂肪族ポリエステ
ルの物性や澱粉との混和性を考慮すると好ましいもので
ある。なお、ここでいう多価アルコール成分とは、ポリ
エチレングリコールは除いたものを意味する。
【0010】本発明に用いられる脂肪族ポリエステルの
原料の一つである多塩基酸(またはその無水物)成分と
しては、例えば、コハク酸、無水コハク酸、アジピン
酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1,4−
シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。中で
も、コハク酸、アジピン酸が、得られる脂肪族ポリエス
テルの物性や澱粉との混和性を考慮すると好ましいもの
である。
【0011】多価アルコール成分および多塩基酸(また
はその無水物)成分の使用割合は、多塩基酸(またはそ
の無水物)成分1モルに対して、多価アルコール成分
1.05〜1.2モル位が好適である。
【0012】本発明に用いられる脂肪族ポリエステルに
おいては、上記多価アルコール成分および多塩基酸(ま
たはその無水物)成分の合計量100重量部に対し、数
平均分子量(以下、単に分子量という)300以上のポ
リエチレングリコールを0.1〜30重量部加え、これ
らの成分を重縮合させて、ポリエステル構造中にポリエ
チレングリコール成分を導入することに一つの特徴を有
する。
【0013】本発明に用いられるポリエチレングリコー
ルは、分子量300以上であれば、本発明の目的の一
つ、すなわち澱粉との混和性を高めることができる。然
し、ポリエチレングリコールの分子量は、一定量使用の
場合、分子量が大きい方が生成するポリエステルの融点
低下が少ないが、生分解性といった点からは、なるべく
低分子量のタイプが望ましく、両者を両立させる面から
はポリエチレングリコールの分子量は、500〜5,0
00が適当な範囲となる。
【0014】ポリエチレングリコールの使用量は、その
分子量によっても相違するが、上記のように、多価アル
コール成分および多塩基酸(またはその無水物)成分の
合計量100重量部に対し、0.1〜30重量部、好ま
しくは1〜15重量部である。ポリエチレングリコール
の選択された分子量にもよるが、30重量部を超えて配
合すると、得られる脂肪族ポリエステルの融点低下が大
きくなり、またその耐水性も低下するので実用的ではな
くなる。逆に0.1重量部未満では、変性の意味に乏し
く、澱粉との混和性が改良されない。
【0015】本発明の組成物に用いられる脂肪族ポリエ
ステルの合成においては、重縮合反応の際に目的を損な
わない範囲内の3官能以上の多価アルコール、3官能以
上の多価カルボン酸(またはその無水物)および3官能
以上のオキシカルボン酸からなる群から選ばれた少なく
とも1種の多官能化合物を併用すれば、例えば分枝が導
入されてその分子量分布が広がり、その結果性質の多様
化が図れ好ましい。
【0016】3官能以上の多価アルコールの例として
は、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリ
スリット、トリアリルイソシアヌレートエチレンオキシ
ド付加物などが挙げられる。また、脱水した形のモノエ
ポキシ化合物であるグリシドールも使用し得る。
【0017】3官能以上のオキシカルボン酸としては、
市販品がいずれも利用可能ではあるが、低コストで入手
できるといった点からは、リンゴ酸、酒石酸並びにクエ
ン酸が好適である。
【0018】3官能以上の多価カルボン酸(またはその
無水物)の例としては、トリメシン酸、プロパントリカ
ルボン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、
ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、シクロペンタ
テトラカルボン酸無水物などが挙げられる。とくに無水
トリメリット酸、無水ピロメリット酸が好適である。
【0019】上記の多官能化合物の各成分は、必要に応
じて混合して用いることができる。多官能化合物の使用
量は、多塩基酸(またはその無水物)成分全体100モ
ル%に対して、合計0.1〜5モル%であり、重縮合反
応の当初から加えることができる。多官能化合物の使用
量が0.1モル%未満では、添加する意味が乏しく、5
モル%より多い場合は、反応中でのゲル化の危険性が増
大する。
【0020】本発明の組成物に用いられる脂肪族ポリエ
ステルは、数平均分子量が15,000以上且つ融点を
70℃以上であることが必要であるが、そのためには、
上記に示した各原料を重縮合し、続いて脱グリコール反
応を行うことにより達成することができる。なお、脂肪
族ポリエステルの数平均分子量が15,000未満であ
ると、成形品の諸物性が十分でなく、実用的ではない。
また融点が70℃未満であると、融点が低過ぎて成形性
に問題を生ずるようになる。
【0021】重縮合反応は、160〜230℃、5〜1
6時間、好ましくは不活性ガス雰囲気下で実施すること
ができる。この温度より低温では反応速度が遅く実用性
に乏しい。またこの温度より高温では分解の危険性が高
くなり避けたほうがよい。従って180〜220℃の間
の温度で第1段の重縮合反応を実施することが好まし
い。重縮合反応は、脂肪族ポリエステルの酸価が30以
下、好ましくは15以下、さらに好適には10以下に達
するまで実施される。この場合、分子量が大きい程脱グ
リコール反応による分子量増大が円滑に行えるので、高
分子量のものが望ましい。
【0022】脱グリコール反応は、5Torr以下の減圧
下、170〜230℃で2〜16時間実施される。より
好適には、1Torr以下の高真空下、180〜210℃で
実施することが、反応速度および分解防止の点から望ま
しい。得られる脂肪族ポリエステルは、末端基が実質的
にヒドロキシル基であり、酸価はゼロとなる。脱グリコ
ール反応の際は、触媒を併用する必要がある。それらの
例には、チタン、錫、アンチモン、セリウム、ゲルマニ
ウム、亜鉛、コバルト、マンガン、鉄、アルミニウム、
マグネシウム、カルシウムおよびストロンチウムからな
る群から選ばれた、少なくとも一種の金属の有機または
無機の金属化合物があげられ、使用量としては、生成す
る脂肪族ポリエステル100重量部に対し、0.001
〜0.5重量部である。金属化合物触媒の使用量が0.0
01重量部未満では、脱グリコール反応が遅くなって実
用的ではなくなり、0.5重量部より多く用いても逆に
分解反応を強める結果となり好ましくない。望ましい使
用量は、金属の種類によっても異なるが、0.005〜
0.2重量部である。金属化合物触媒としては、例えば
金属のアルコキサイド、有機酸塩、キレート、酸化物等
が用いられ、とくにチタンの有機化合物例えばチタン酸
アルキルエステル、チタンオキシアセチルアセトネー
ト、シュウ酸チタンなどの化合物が有用である。いわゆ
る生分解性ポリエステルは土中または水中で微生物崩壊
を受けるが、金属触媒または金属は土中に残留するとみ
られるので、安全なタイプでなければならない。そのよ
うな観点からすれば、望ましい金属としては、チタン、
ゲルマニウム、亜鉛、マグネシウム、カルシウムなどが
あげられる。
【0023】上記のようにして、本発明に用いられる脂
肪族ポリエステルを合成することができる。しかしなが
ら、数平均分子量が15,000以上であっても、組成
によっては物性的に不十分であることがあるので、その
ような場合には、得られた脂肪族ポリエステル100重
量部あたり、その熔融状態において0.1〜10重量部
の多価イソシアナートを加え反応させ、さらに分子量を
高め、目的に合致した物性を付与することが可能とな
る。
【0024】用いられる多価イソシアナートは、例え
ば、1分子中にイソシアナート基を2個以上有するタイ
プで、成形品の着色を避ける意味から脂肪族または環状
脂肪族のタイプが望ましい。それらの例としては、ヘキ
サメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナ
ート、水素化キシリレンジイソシアナート、水素化ジフ
ェニルメタンジイソシアナート、並びに多価イソシアナ
ートと多価アルコールとの付加物で、イソシアナート基
を1分子中に2個以上有する化合物、さらにはこれらの
3量体等が挙げられる。
【0025】多価イソシアナートの添加量は、上記のよ
うに、脂肪族ポリエステル100重量部に、多価イソシ
アナート0.1〜10重量部である。0.1重量部未満で
は多価イソシアナート利用の効果に乏しく、10重量部
を超えて用いてもゲル化の危険性が増大するのみで増量
の意味がない。より望ましくは0.3〜1重量部であ
る。
【0026】ポリエチレングリコールを構成成分に含む
上記の脂肪族ポリエステルと併用して、生分解性をコン
トロールするための澱粉は、とくにその種類を限定する
必要はないが、一般に市販されていて、低コストで容易
に入手可能なトウモロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉などが好適
である。
【0027】澱粉の使用量は、脂肪族ポリエステル10
0重量部あたり、1〜300重量部、好ましくは10〜
250重量部である。1重量部未満では澱粉を混入する
意味に乏しく、300重量部を超えて配合しても成形品
の物性が急速に低下する傾向が見られる。
【0028】脂肪族ポリエステルと澱粉との混和方法
は、とくに指定しなければならないものではなく、通常
の加熱可能なロール、ヘンシェルミキサー、ニーダー、
二軸の混練押出機などが自由に選択される。
【0029】本発明の組成物は、その実用化に当たっ
て、所望の添加剤、例えば無機あるいは有機のフィラ
ー、補強材、着色剤、滑剤、安定剤などを必要に応じて
併用できることは勿論である。また本発明の組成物は、
実用上十分な物性および所望の生分解性を示し、インフ
レーション、ブロー成形、射出成形などの従来の成形法
で所望の成形品を得ることができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。実施例1および比較例1 撹拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を付し
た1リットルのセパラブルフラスコに、1,4−ブタン
ジオール300g、コハク酸283g、アジピン酸88
g、分子量1,000のポリエチレングリコール40gを
仕込み、窒素気流下200〜205℃に重縮合して酸価
10.7とした後、テトライソプロピルチタネート0.1
gを加え、分溜コンデンサーを交換し、215〜220
℃で3時間、最終的には0.6Torrの減圧下に脱グリコ
ール反応を行った。続いて、亜リン酸0.1gを加え、数
平均分子量20,700、重量平均分子量66,300、
融点94℃の白色でワックス状の脂肪族ポリエステル
(a)が得られた。脂肪族ポリエステル(a)300g
を別の1リットルのセパラブルフラスコに秤取し、窒素
気流下、190℃で熔融し、ヘキサメチレンジイソシア
ナート5gを加え、同温度(190℃)で30分間撹拌
しながら反応を続けた。得られた分子量を増大させた脂
肪族ポリエステル(A)は、白色ワックス状で、数平均
分子量は47,400、重量平均分子量は、208,50
0、融点は95℃であった。
【0031】ポリエチレングリコールを用いないこと以
外は、上記の操作を繰り返し、分子量を増大させた脂肪
族ポリエステル(B)を合成した。脂肪族ポリエステル
(B)の数平均分子量は45,100、重量平均分子量
は188,000、融点は98℃、白色ワックス状であ
った。
【0032】ロール温度120℃で上記の各脂肪族ポリ
エステル(A)および(B)とトウモロコシ澱粉とを混
練し、トウモロコシ澱粉の混入可能量を調べた。混入可
能量の判定は、徐々にトウモロコシ澱粉の添加量を増や
しながら、混練性、シート成形性を観察して、良好な混
練性、シート成形性を維持する最高の添加量を判定し
た。ポリエチレングリコールをその構造に有する脂肪族
ポリエステル(A)100重量部に対して、トウモロコ
シ澱粉は200重量部混入可能であった。脂肪族ポリエ
ステル(A)100重量部に対し、200重量部のトウ
モロコシ澱粉をロール温度120℃で混練して得られた
本発明の組成物を150℃、100kg/cm2の条件でプ
レス成形し、厚さ約120μmの均一なシートを得た。
然し、脂肪族ポリエステル(B)は、その100重量部
に対し、50重量部のトウモロコシ澱粉が辛うじて混練
できたに止まり、それ以上のトウモロコシ澱粉を混練し
た場合は、混和性が悪く、均一な混練物が得られず、ボ
ロボロになった。脂肪族ポリエステル(B)100重量
部に対し、50重量部のトウモロコシ澱粉をロール温度
120℃で混練して得られた混練物は、上記と同じ条件
のシート成形でも、均一なものは得られなかった。
【0033】なお、本明細書において、数平均および重
量平均分子量は、以下の条件のGPCにより測定した値
である。 GPC測定条件 Shodex GPC SYSTEM−11(昭和電工社製) 溶離液 CF3COONa 5m mol/ヘキサフルオロイソプロピルア ルコール(HFIP)(1リットル) カラム サンプルカラム HFIP−800P HFIP−80M×2本 リファレンスカラム HFIP−800R×2本 カラム温度 40℃ 流量 1.0ml/分 検出器 Shodex RI STD: PMMA(Shodex STANDARD M−75)
【0034】実施例2および比較例2 撹拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を付し
た1リットルのセパラブルフラスコに、エチレングリコ
ール205g、無水コハク酸270g、ドデカン二酸6
9g、テトライソプロピルチタネート0.06g、分子量
3,000のポリエチレングリコール55gを仕込み、
窒素気流下195〜200℃に重縮合して酸価10.9
とした後、215〜220℃で5時間、最終的には0.
6Torrの減圧下に脱グリコール反応を行った。その結
果、数平均分子量21,400、重量平均分子量54,0
00、融点約98℃の淡アイボリー色でワックス状の脂
肪族ポリエステル(d)が得られた。脂肪族ポリエステ
ル(d)300gを別の1リットルのセパラブルフラス
コに秤取し、190℃で熔融し、亜リン酸0.05gを加
えた後、イソホロンジイソシアナート4.5gを加えた。
粘度は急速に増大したがゲル化はしなかった。同温度
(190℃)で30分間撹拌して得られた、分子量を増
大させた脂肪族ポリエステル(D)は、淡アイボリー色
を帯びた白色結晶体で、数平均分子量は39,100、
重量平均分子量は、104,000、融点は約100℃
であった。
【0035】ポリエチレングリコールを用いないこと以
外は、上記の操作を繰り返し、まず数平均分子量20,
700、重量平均分子量52,100、融点約100
℃、淡アイボリー色でワックス状の脂肪族ポリエステル
(e)を合成した後、イソホロンジイソシアナートを加
え、分子量を増大させた脂肪族ポリエステル(E)を得
た。この脂肪族ポリエステル(E)の数平均分子量は3
8,900、重量平均分子量は109,000、融点は約
100℃であり、アイボリー色のワックス状であった。
【0036】ロール温度120℃で上記の各脂肪族ポリ
エステル(D)および(E)とトウモロコシ澱粉とを混
練し、トウモロコシ澱粉の混入量を調べた。ポリエチレ
ングリコールをその構造に有する脂肪族ポリエステル
(D)100重量部に対して、トウモロコシ澱粉は20
0重量部混入可能であった。しかしながら、脂肪族ポリ
エステル(E)は30重量部のトウモロコシ澱粉の混入
が限界であって、両者の混和性に著しい差が認められ
た。
【0037】脂肪族ポリエステル(D)100重量部に
対し、100重量部のトウモロコシ澱粉をロール温度1
20℃で混練し、本発明の組成物を得、150℃、10
0kg/cm2の条件でプレス成形し、厚さ約100μmの均
一なシートを得た。このシートは、ばっき槽中で5週間
で完全に分解・消失したことが認められた。同様に、脂
肪族ポリエステル(E)100重量部に対し、30重量
部のトウモロコシ澱粉を混練し、同条件で作成した厚さ
約100μmのシートは、ばっき槽中で完全に消失する
まで9週間を必要とした。
【0038】実施例3および比較例3 撹拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を付し
た1リットルのセパラブルフラスコに、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール295g、アジピン酸292g、
グリセリン1g、分子量5,000のポリエチレングリコ
ール25gを仕込み、窒素気流下205〜210℃に重
縮合して酸価10.3とした後、テトライソプロピルチ
タネート0.1gを加え、分溜コンデンサーを交換し、2
15〜220℃で3時間、最終的には0.6Torrの減圧
下に脱グリコール反応を行った。その結果、数平均分子
量25,800、重量平均分子量107,300、融点約
104℃の淡黄色でやや透明感のあるワックス状の脂肪
族ポリエステル(f)が得られた。
【0039】ポリエチレングリコールを用いないこと以
外は、上記の操作を繰り返し、数平均分子量23,80
0、重量平均分子量105,000、融点105℃、淡
黄色のワックス状の脂肪族ポリエステル(g)を合成し
た。
【0040】ロール温度120℃で上記の各脂肪族ポリ
エステル(f)および(g)と馬鈴薯澱粉とを混練し、
馬鈴薯澱粉の混入量を調べた。ポリエチレングリコール
をその構造に有する脂肪族ポリエステル(f)100重
量部に対して、馬鈴薯澱粉は250重量部混入可能であ
った。しかしながら、脂肪族ポリエステル(g)は50
重量部の馬鈴薯澱粉の混入が限界であって、両者の混和
性に著しい差が認められた。
【0041】脂肪族ポリエステル(f)100重量部に
対し、200重量部の馬鈴薯澱粉をロール温度120℃
で混練し、本発明の組成物を得、150℃、100kg/
cm2の条件でプレス成形し、厚さ約150μmの均一なシ
ートを得た。同様に、脂肪族ポリエステル(g)100
重量部に対し、30重量部の馬鈴薯澱粉を混練し、同条
件で厚さ約150μmのシートを作成した。生分解性試
験のための土の調製として、深さ25cmのプランター中
に、川砂90重量部、バーク堆肥(木くず、木皮等のパ
ルプ製造の際に発生する廃材部分を堆肥化したもの)5
重量部、油カス5重量部を入れて混練して、15〜25
℃で1カ月間放置した。この深さ25cmのプランター
中、土の上下から共に10cm以上の距離を保つようにし
て、上記の両シートを埋めた。2カ月後、ポリエチレン
グリコールをその構造に有する脂肪族ポリエステル
(f)および馬鈴薯澱粉から作成されたシートは、完全
に消失したが、脂肪族ポリエステル(g)および馬鈴薯
澱粉から作成されたシートは、部分的に穴があいた程度
で、分解の徴候は見られるものの、原型を保っており、
完全消失までに約6カ月を要した。
【0042】
【発明の効果】本発明によって、実用上十分な物性を維
持しながら、耐水性に優れ、しかも必要十分量の澱粉の
混入が可能で、生分解性を自在にコントロールできる、
所望の形状に成形可能な生分解性脂肪族ポリエステル組
成物が提供される。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[A] (1) 多価アルコール成分(下記のポリエチレングリ
    コールを除く)、(2) 多塩基酸(またはその無水
    物)成分、ならびに(3) 数平均分子量300以上の
    ポリエチレングリコールを、前記(1)および(2)成
    分の合計量100重量部に対し0.1〜30重量部加え
    て重縮合し、得られた数平均分子量15,000以上且
    つ融点70℃以上の脂肪族ポリエステル100重量部に
    対し、 [B]澱粉1〜300重量部を配合したことを特徴とす
    る、生分解性脂肪族ポリエステル組成物。
  2. 【請求項2】 ポリエチレングリコールの数平均分子量
    が、500〜5,000である、請求項1に記載の組成
    物。
  3. 【請求項3】[A] (1) 多価アルコール成分(下記のポリエチレングリ
    コールを除く)、(2) 多塩基酸(またはその無水
    物)成分、ならびに(3) 数平均分子量300以上の
    ポリエチレングリコールを、前記(1)および(2)成
    分の合計量100重量部に対し0.1〜30重量部加え
    て重縮合し、得られた数平均分子量15,000以上且
    つ融点70℃以上の脂肪族ポリエステル100重量部に
    対し、その熔融状態において0.1〜10重量部の多価
    イソシアナートを加え、反応させ、得られた少量のウレ
    タン結合を含む脂肪族ポリエステル100重量部に対
    し、 [B]澱粉1〜300重量部を配合したことを特徴とす
    る、生分解性脂肪族ポリエステル組成物。
  4. 【請求項4】 ポリエチレングリコールの数平均分子量
    が、500〜5,000である、請求項3に記載の組成
    物。
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