JPH07330936A - オレフィン系樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents

オレフィン系樹脂発泡体の製造方法

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JPH07330936A
JPH07330936A JP12228494A JP12228494A JPH07330936A JP H07330936 A JPH07330936 A JP H07330936A JP 12228494 A JP12228494 A JP 12228494A JP 12228494 A JP12228494 A JP 12228494A JP H07330936 A JPH07330936 A JP H07330936A
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JP
Japan
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temperature
decomposition
foaming agent
weight
olefin resin
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JP12228494A
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English (en)
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Koji Ichihara
幸治 市原
Kotaro Tsuboi
康太郎 坪井
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 気泡の微細化と、気泡径のバラツキの小さい
オレフィン系樹脂発泡体を安定して製造する方法を提供
する。 【構成】 オレフィン系樹脂に、平均粒子径が9〜12
μmの範囲にあって、且つ、分解温度がオレフィン系樹
脂の溶融温度より低い低温度分解発泡剤と、分解温度が
オレフィン系樹脂の溶融温度より高い高温度分解発泡剤
からなる分解温度の異なる2以上の熱分解性発泡剤を混
合し、次いで、第1段階で、オレフィン系樹脂の溶融温
度以上、高温度分解発泡剤の分解温度未満の温度に加熱
し、第2段階で、高温度分解発泡剤の分解温度以上の温
度に加熱することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オレフィン系樹脂発泡
体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、オレフィン系樹脂発泡体の製造方
法として、架橋剤及び発泡剤を含むオレフィン系樹脂成
形物を常圧下に加熱して架橋発泡体とする方法、又、電
子線等の電離性放射線によって、予め架橋されたオレフ
ィン系樹脂と発泡剤の混合物からなる成形物を、常圧下
に加熱して架橋発泡体とする方法が知られている。又、
シリル変性オレフィン系樹脂と発泡剤の混合物からなる
成形物をシラノール縮合触媒と水分の共存下で架橋し、
次いで常圧下に加熱して架橋発泡体とする方法も知られ
ている。これらの方法は、オレフィン系樹脂発泡体の製
造方法として周知されているが、未だ、いずれの方法も
多くの欠点を有している。前者では、得られる発泡体の
表面層がザラザラした感触で、凹凸の目立つものとな
り、後2者では、得られる発泡体の表面層は若干改良さ
れるが、充分なものではなく、気泡についても、均一微
細なものが得られない。
【0003】上記の方法の改良法として、例えば、特開
昭58−29636号公報に、加熱発泡に先立って、混
合した発泡剤の一部を意図的に分解し、多数の気泡を発
生させ、次の加熱発泡段階で、これら多数の気泡を核剤
として均一微細気泡を有する発泡体を製造するという方
法が記載されている。
【0004】しかし、上記の方法をトレースしたが、充
分に気泡が均一に微細化した発泡体は得られなかった。
これは、上記の方法で発泡剤の一部を分解する際、核剤
となる気泡の大きさにバラツキがあるため、これを核と
した発泡体の気泡も不均一になるものと推定される。
又、使用する発泡剤として、分解温度の異なる二種類の
発泡剤を使用し、第一段階目で分解温度の低い発泡剤を
分解し、第二段階目で分解温度の高い発泡剤を分解さ
せ、発泡体を製造する方法が考えられるが、かかる方法
においても、上記の如く、核剤となる気泡の大きさにバ
ラツキが生じ、均一繊細な発泡体がえられなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、均一
微細な気泡を有する発泡体の製造方法を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、オレフィン系
樹脂に、平均粒子径が9〜12μmの範囲にあって、且
つ、分解温度がオレフィン系樹脂の溶融温度より低い低
温度分解発泡剤と、分解温度がオレフィン系樹脂の溶融
温度より高い高温度分解発泡剤からなる分解温度の異な
る2以上の熱分解性発泡剤を混合し、次いで、第1段階
で、オレフィン系樹脂の溶融温度以上、高温度分解発泡
剤の分解温度未満の温度に加熱し、第2段階で、高温度
分解発泡剤の分解温度以上の温度に加熱することを特徴
とするオレフィン系樹脂発泡体の製造方法をその要旨と
するものである。
【0007】本発明で使用されるオレフィン系樹脂とし
ては、特に限定されるものではなく、例えば、低密度ポ
リエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、線状低密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン
共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体、エチレ
ン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体等を単独あるいは2種以上を混合して使用さ
れる。就中、耐熱性、押出成形性等の面からエチレン−
プロピレン共重合体が好適に使用される。
【0008】本発明において、上記のオレフィン系樹脂
の溶融温度より低い低温度分解発泡剤と、分解温度がオ
レフィン系樹脂の溶融温度より高い高温度分解発泡剤か
らなる分解温度の異なる2以上の熱分解性発泡剤が使用
されるが、いずれの発泡剤も、加熱により分解し、気体
を発生する物質であればよく、例えば、アゾジカルボン
アミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ベンゼ
ンスルフォニルヒドラジド、トルエンスルフォニルヒド
ラジド、トルエンスルフォニルセミカルバジド等が挙げ
られる。
【0009】又、上記分解温度の異なる2以上の熱分解
性発泡剤の内、低温度分解発泡剤は、平均粒子径が9〜
12μmの範囲にあることが必要であるが、平均粒子径
が9μm未満では、個々の発泡剤から発生する気体量は
少ないが、逆に、発生するガスが凝集してしまい、結局
は核剤となる気泡の気泡径が微細とならず、平均粒子径
が12μmを超えると、発泡剤が分解した際、核剤とな
る気泡の気泡径が微細とならなくなる。
【0010】又、本発明において、上記分解温度の異な
る2以上の熱分解性発泡剤を使用する目的は、先ず、低
温度分解発泡剤が分解することによって、気泡径が微細
で、且つ、バラツキの少ない、多数の気泡を均一に分散
して発生させ、次いで、高温度分解発泡剤が分解する際
に、上記低温度分解発泡剤の発生した、気泡径が微細
で、且つ、バラツキの少ない、多数の気泡を均一に分散
した所謂微分散ガスが核剤として成長することによっ
て、均一で微細な気泡構造を有する発泡体が得られるの
である。
【0011】上記分解温度の異なる2以上の熱分解性発
泡剤の添加量は、目的とする発泡剤の発泡倍率によって
異なるが、通常、熱分解型発泡剤全体で、オレフィン系
樹脂100重量部に対して、5〜30重量部が添加され
る。上記添加量の内、低温度分解発泡剤は、オレフィン
系樹脂100重量部に対して、0.1〜6重量部とする
のが好ましい。0.1重量部未満では、第1段階の加熱
による初期分解の際、気泡が少なく、核剤としての効果
が充分に得られず、6重量部を超えると、初期分解の際
の気泡は多いが、逆に、気泡同志の干渉、合体が起こ
り、高温度分解発泡剤が分解する際に、微細気泡が得ら
れなくなる。
【0012】第1段階の加熱は、上記オレフィン系樹脂
及び分解温度の異なる2以上の熱分解性発泡剤を、バン
バリーミキサー、ニーダー、単軸押出機、多軸押出機等
に投入し、温度をオレフィン系樹脂の溶融温度以上、高
温度分解発泡剤の分解温度未満に設定し、低温度分解発
泡剤を分解する。
【0013】又、第1段階の加熱後の処理により、気泡
径が微細で、且つ、バラツキの少ない、多数の気泡核を
有する上記オレフィン系樹脂成形物に、必要に応じて、
架橋構造を導入してもよい。オレフィン系樹脂成形物へ
の架橋構造の導入は、公知の架橋方法が使用される。こ
こでいう公知の架橋方法とは、例えば、電子線等の電離
性放射線により架橋する方法、架橋剤を使用して架橋す
る方法、オレフィン系樹脂をシリル変性し、シラノール
縮合触媒と水分の共存下で架橋する方法等を指す。
【0014】以下、これらの架橋方法について具体的に
説明する。先ず、電子線等の電離性放射線により架橋す
る方法は、放射線照射装置を用いて、X線、α線、β
線、γ線等の電離性放射線を照射する方法で、通常、そ
の照射条件は、加速電圧500〜1,000KVで、4
〜10Mradである。このときの照射線量は多くなる
と架橋密度が高くなり、成形体の伸びが不足し、加熱発
泡の段階で破泡し、高発泡倍率の発泡体が得られず、
又、少なくなると成形体の架橋密度が低くなり、高発泡
倍率の発泡体が得られない。
【0015】次に、架橋剤を使用して架橋する方法は、
架橋剤として、過酸化物が使用されるが、本発明におい
ては、その過酸化物の分解温度が、高温度分解発泡剤の
分解温度未満であり、且つ、オレフィン系樹脂の溶融温
度以下のものであれば特に限定されるものではなく、例
えば、ジクミルパーオキサイド(171℃)、1,1−
ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチル
シクロヘキサン(148℃)、1,1−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)シクロヘキサン(154℃)、2,2−
ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン(159℃)、
n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バ
レレート(166℃)、ジ−t−ブチルパーオキサイド
(186℃)、t−ブチルクミルパーオキサイド(17
6℃)、α,α−ビス(t−ブチルパーオキシ)−m−
イソプロピルベンゼン(179℃)、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(ブチルパーオキシ)ヘキサン(179
℃)、ベンゾイルパーオキサイド(130℃)、クミル
パーオキシネオデカネート(93.3℃)、t−ブチル
パーオキシベンゾエート(170℃)、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン(1
62℃)、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネ
ート(158℃)、t−ブチルパーオキシアリルカーボ
ネート(172℃)等が挙げられる。猶、各化合物の後
の括弧内は、半減期が1分となる温度を示した。
【0016】猶、過酸化物の分解温度は、半減期が1分
となる温度をもって表される。上記過酸化物の添加量
は、オレフィン系樹脂100重量部に対して、0.1〜
3.0重量部とするのが好ましい。過酸化物の添加量が
多いと架橋密度が高くなり、成形体の伸びが不足し、加
熱発泡の段階で破泡し、高発泡倍率の発泡体が得られ
ず、又、少ないと成形体の架橋密度が低くなり、高発泡
倍率の発泡体が得られない。
【0017】本発明において、上記架橋剤を使用してオ
レフィン系樹脂を架橋する方法を用いる場合、上記オレ
フィン系樹脂及び分解温度の異なる2以上の熱分解性発
泡剤に加えて、過酸化物を、バンバリーミキサー、ニー
ダー、単軸押出機、多軸押出機等に投入し、温度をオレ
フィン系樹脂の溶融温度以上、高温度分解発泡剤及び架
橋剤の分解温度未満に設定し、低温度分解発泡剤を分解
する。次いで、第2段階で、架橋剤の分解温度以上、更
に高温度分解発泡剤以上の温度に加熱することにより、
過酸化物を分解して架橋構造を導入する。
【0018】第3の、オレフィン系樹脂をシリル変性
し、シラノール縮合触媒と水分の共存下で架橋する方法
について述べる。オレフィン系樹脂をシリル変性する手
段としてオレフィン系樹脂とシラン化合物とを共重合さ
せるか、あるいは、オレフィン系樹脂をシラン化合物に
よりグラフト変性させる2つの方法がある。又、上記シ
ラン化合物とは、一般式R1 SiR2 m 3-m で表され
る化合物である。式中、R1 は、エチレン性不飽和基、
エポキシ基又はアミノ基を示し、エチレン性不飽和基と
しては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、
シクロヘキセニル基、γ−メタクリロキシプロピル基等
が挙げられる。R2 は、脂肪族飽和炭化水素基を示し、
例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、デシル基、
フェニル基等が挙げられる。又、mは0、1又は2の整
数を示す。Yは、加水分解可能な有機基を示し、例え
ば、メトキシ基、エトキシ基、ホルミルオキシ基、アセ
トキシ基、プロピオノキシ基、アルキル基又はアリール
アミノ基等が挙げられる。又、mが0又は1であると
き、Y同志は同一であっても異なっていてもよい。
【0019】上記シラン化合物としては、一般式CH2
=CHSi(OA)3 で表されるものが好ましい。式
中、Aは炭素数1〜8が好ましく、更に好ましくは1〜
4の炭化水素基であり、例えば、ビニルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキ
シシラン等が挙げられる。
【0020】上記オレフィン系樹脂とシラン化合物と
を、例えば有機過酸化物の如き遊離基発生剤の存在下で
反応せしめることによって、容易にシリル変性オレフィ
ン系樹脂を得ることができる。猶、ここでいう有機過酸
化物は、上記架橋剤で使用した過酸化物と同様に使用さ
れる。
【0021】シラン化合物の添加量は、目的とする架橋
度及びオレフィン系樹脂の架橋適性によって異なるが、
一般的には、オレフィン系樹脂100重量部に対して
0.1〜5重量部である。
【0022】上記シリル変性オレフィン系樹脂がメトキ
シ基を有する場合は、該メトキシ基に水が接触して加水
分解し、水酸基となる。この水酸基と他の分子の水酸基
が反応してSi−O−Si結合となり、架橋されたオレ
フィン系樹脂が得られる。この反応には、シラノール縮
合触媒を併用するのが好ましい。上記シラノール縮合触
媒としては、例えば、ジブチル錫ジアセテート、ジブチ
ル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、オクタ
ン酸錫、オレイン酸錫、2−エチルヘキサン酸亜鉛、オ
クタン酸コバルト、ナフテン酸鉛、カプリル酸亜鉛、ス
テアリン酸亜鉛等が挙げられる。上記シラノール縮合触
媒の添加量は、シリル変性オレフィン系樹脂100重量
部に対して0.001〜10重量部が好ましい。シラノ
ール縮合触媒の添加量が0.001重量部未満である
と、架橋速度が遅くなり、10重量部を超えると、架橋
密度が高くなり、成形体の伸びが不足し、加熱発泡の段
階で破泡し、高発泡倍率の発泡体が得られない。
【0023】本発明において、オレフィン系樹脂をシリ
ル変性し、シラノール縮合触媒と水分の共存下で架橋す
る方法を用いる場合、上記オレフィン系樹脂、シラン化
合物、有機過酸化物等を、バンバリーミキサー、ニーダ
ー、単軸押出機、多軸押出機等に投入し、温度を有機過
酸化物の分解温度以上の温度に設定して加熱し、シリル
変性オレフィン系樹脂を作成する。次いで、得られたシ
リル変性オレフィン系樹脂、分解温度の異なる2以上の
熱分解性発泡剤及びシラノール縮合触媒を、別の押出機
等に投入し、温度をシリル変性オレフィン系樹脂の溶融
温度以上、高温度分解発泡剤の分解温度未満に設定し、
低温度分解発泡剤を分解して、成形体を形成する。次い
で、得られた成形体に架橋構造を導入する。成形体に架
橋構造の導入は、シリル変性オレフィン系樹脂の軟化温
度未満の温度で、水分の存在下で実施することができ
る。
【0024】ここでいう水分の存在下における処理と
は、簡単には、熱水、温水、水蒸気等にシリル変性オレ
フィン系樹脂からなる成形体を直接暴露するだけでよ
い。又、温度等は、シリル変性オレフィン系樹脂の軟化
温度以下の可及的高い温度で実施すれば、架橋速度が大
きくなり好都合である。通常、60〜95℃で5〜24
時間程度で実施される。
【0025】以上の架橋方法によって得られる架橋構造
の導入されたオレフィン系樹脂は、以下に示す方法で測
定されるゲル分率を15〜60%にすることが好まし
い。ゲル分率が15%未満の場合は、発泡時に表面層の
気泡破れによる表面荒れが生じやすくなり、60%を超
える場合は、成形性が低下し、成形工程で表面荒れが生
じやすくなり、いずれも好ましくない。
【0026】叙上の如き工程を経て、得られたオレフィ
ン系樹脂成形体は、第2段階で、常圧下で、高温度分解
発泡剤の分解温度以上の温度に加熱され、高温度分解発
泡剤を分解し、高発泡倍率の発泡体にする。上記の加熱
方法は、赤外線等の輻射を用いる方法の他、熱風炉、加
熱液体浴による方法等がある。
【0027】
【作用】本発明のオレフィン系樹脂発泡体の製造方法
は、発泡剤として平均粒子径が9〜12μmの範囲にあ
って、且つ、分解温度がオレフィン系樹脂の溶融温度よ
り低い低温度分解発泡剤と、分解温度がオレフィン系樹
脂の溶融温度より高い高温度分解発泡剤からなる分解温
度の異なる2以上の熱分解性発泡剤を使用することによ
り、第1段階の加熱によって、低温度分解発泡剤が分解
し、均一に分散された微細で、且つ、バラツキの小さい
気泡が核剤として形成され、第2段階の加熱によって、
高温度分解発泡剤が分解し、発生したガスが上記気泡を
核剤として成長することによって、均一で微細な気泡構
造を有する発泡体が得られるのである。
【0028】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0029】以下の実施例において、発泡体の平均気泡
径及び発泡倍率、並びにゲル分率は、以下に示した方法
で試験、評価した。
【0030】1.発泡体の平均気泡径 発泡体の平均気泡径及びその標準偏差は、発泡体の断面
を着色し、その観察面を画像処理装置(ピアス社製、L
A−555)によって測定した。
【0031】2.発泡体の発泡倍率 発泡体の発泡倍率は、比重計を用いて、発泡後の発泡体
の比重と発泡前の成形体(原反)の比重を求め、発泡前
の成形体(原反)の比重を発泡体の比重で割って算出し
た。
【0032】3.ゲル分率 ゲル分率は、発泡前の成形体(原反)を熱キシレン(1
20℃)中に24時間浸漬し、然る後、成形体(原反)
を熱キシレンから取り出し、真空乾燥機にて乾燥し、浸
漬前の重量と浸漬後の重量を求め、浸漬後の重量を浸漬
前の重量で割って算出した。
【0033】(実施例1)エチレン−プロピレンブロッ
ク樹脂〔徳山曹達社製、商品名:MS630、MI=
3.5(230℃)、溶融温度163℃)〕100重量
部に対して、低温度分解発泡剤として、分解温度が15
9℃のベンゼンスルフォニルヒドラジドを分級機(日清
エンジニアリング社製、商品名:ターボクラッシファイ
ヤーTC−15)を用いて、平均粒子径が9μmのもの
を得、該平均粒子径が9μmのベンゼンスルフォニルヒ
ドラジドを2重量部、高温度分解発泡剤として、分解温
度が204℃のアゾジカルボンアミド(大塚化学社製、
商品名:SO−40)13重量部を押出機に投入し、シ
リンダー温度を180℃に設定、加熱し、低温度分解発
泡剤を分解し、成形シートを作成した。得られた成形シ
ートの一方の面に、加速電圧600KVの放射線照射装
置を用い、6Mradの電離性放射線を照射した後、該
成形シートの反対面にも、同様に電離性放射線を照射し
た。得られた成形シートのゲル分率は、38%であっ
た。次いで、上記電離性放射線が照射された成形シート
を230℃の温度下で発泡させ、発泡倍率が約30倍で
平均気泡径が105μm、同標準偏差が80μmの発泡
体を得た。
【0034】(実施例2)エチレン−プロピレンブロッ
ク樹脂〔徳山曹達社製、商品名:MS630、MI=
3.5(230℃)、溶融温度163℃)〕100重量
部に対して、低温度分解発泡剤として、分解温度が15
9℃のベンゼンスルフォニルヒドラジドを分級機(日清
エンジニアリング社製、商品名:ターボクラッシファイ
ヤーTC−15)を用いて、平均粒子径が10μmのも
のを得、平均粒子径が10μmのベンゼンスルフォニル
ヒドラジド3重量部、高温度分解発泡剤として、分解温
度が204℃のアゾジカルボンアミド(大塚化学社製、
商品名:SO−40)8重量部及びジクミルパーオキサ
イド(日本油脂社製、商品名:パーヘキサ3M)1.0
重量部を押出機に投入し、シリンダー温度を165℃に
設定、加熱し、低温度分解発泡剤を分解し、成形シート
を作成した。次いで、得られた成形シートを190℃の
温度下でジクミルパーオキサイドを分解し、架橋構造を
導入した。更に、上記架橋構造が導入された成形シート
を230℃の温度下で発泡させ、発泡倍率が約26倍で
平均気泡径が112μm、同標準偏差が84μmの発泡
体を得た。得られた発泡体のゲル分率は、42%であっ
た。
【0035】(実施例3)ジクミルパーオキサイド(日
本油脂社製、商品名:パーヘキサ3M)100重量部に
対しビニルトリメトキシシランを320重量部の割合で
ブレンドしたものを、エチレン−プロピレンブロック樹
脂〔徳山曹達社製、商品名:MS630、MI=3.5
(230℃)、溶融温度163℃)〕100重量部に対
して、1.3重量部配合し、二軸押出機を用いてシリル
変性エチレン−プロピレンブロック樹脂を作成した。得
られたシリル変性エチレン−プロピレンブロック樹脂1
00重量部に対して、低温度分解発泡剤として、分解温
度が159℃のベンゼンスルフォニルヒドラジドを分級
機(日清エンジニアリング社製、商品名:ターボクラッ
シファイヤーTC−15)を用いて、平均粒子径が11
μmのものを得、該平均粒子径が11μmのベンゼンス
ルフォニルヒドラジド5重量部、高温度分解発泡剤とし
て、分解温度が204℃のアゾジカルボンアミド(大塚
化学社製、商品名:SO−40)5重量部を押出機に投
入し、シリンダー温度を175℃に設定、加熱し、低温
度分解発泡剤を分解し、成形シートを作成した。得られ
た成形シートを80℃の温水中に24時間浸漬し、架橋
構造を導入した。架橋構造が導入された成形シートのゲ
ル分率は、38%であった。次いで、上記架橋構造が導
入された成形シートを230℃の温度下で発泡させ、発
泡倍率が約20倍で平均気泡径が145μm、同標準偏
差が96μmの発泡体を得た。
【0036】(比較例1)エチレン−プロピレンブロッ
ク樹脂〔徳山曹達社製、商品名:MS630、MI=
3.5(230℃)、溶融温度163℃)〕100重量
部に対して、低温度分解発泡剤として、分解温度が15
9℃のベンゼンスルフォニルヒドラジドを分級機(日清
エンジニアリング社製、商品名:ターボクラッシファイ
ヤーTC−15)を用いて、平均粒子径が5μmのもの
を得、該平均粒子径が5μmのベンゼンスルフォニルヒ
ドラジドを2重量部、高温度分解発泡剤として、分解温
度が204℃のアゾジカルボンアミド(大塚化学社製、
商品名:SO−40)13重量部を押出機に投入し、シ
リンダー温度を180℃に設定、加熱し、低温度分解発
泡剤を分解し、成形シートを作成した。得られた成形シ
ートの一方の面に、加速電圧600KVの放射線照射装
置を用い、6Mradの電離性放射線を照射した後、該
成形シートの反対面にも、同様に電離性放射線を照射し
た。得られた成形シートのゲル分率は、38%であっ
た。次いで、上記電離性放射線が照射された成形シート
を230℃の温度下で発泡させ、発泡倍率が約30倍で
平均気泡径が253μm、同標準偏差が148μmの発
泡体を得た。
【0037】(比較例2)エチレン−プロピレンブロッ
ク樹脂〔徳山曹達社製、商品名:MS630、MI=
3.5(230℃)、溶融温度163℃)〕100重量
部に対して、低温度分解発泡剤として、分解温度が15
9℃のベンゼンスルフォニルヒドラジドを分級機(日清
エンジニアリング社製、商品名:ターボクラッシファイ
ヤーTC−15)を用いて、平均粒子径が5μmのもの
を得、該平均粒子径が5μmのベンゼンスルフォニルヒ
ドラジド3重量部、高温度分解発泡剤として、分解温度
が204℃のアゾジカルボンアミド(大塚化学社製、商
品名:SO−40)8重量部及びジクミルパーオキサイ
ド(日本油脂社製、商品名:パーヘキサ3M)1.0重
量部を押出機に投入し、シリンダー温度を165℃に設
定、加熱し、低温度分解発泡剤を分解し、成形シートを
作成した。次いで、得られた成形シートを190℃の温
度下でジクミルパーオキサイドを分解し、架橋構造を導
入した。更に、上記架橋構造が導入された成形シートを
230℃の温度下で発泡させ、発泡倍率が約26倍で平
均気泡径が246μm、同標準偏差が136μmの発泡
体を得た。得られた発泡体のゲル分率は、42%であっ
た。
【0038】(比較例3)ジクミルパーオキサイド(日
本油脂社製、商品名:パーヘキサ3M)100重量部に
対しビニルトリメトキシシランを320重量部の割合で
ブレンドしたものを、エチレン−プロピレンブロック樹
脂〔徳山曹達社製、商品名:MS630、MI=3.5
(230℃)、溶融温度163℃)〕100重量部に対
して、1.3重量部配合し、二軸押出機を用いてシリル
変性エチレン−プロピレンブロック樹脂を作成した。得
られたシリル変性エチレン−プロピレンブロック樹脂1
00重量部に対して、低温度分解発泡剤として、分解温
度が159℃のベンゼンスルフォニルヒドラジドを分級
機(日清エンジニアリング社製、商品名:ターボクラッ
シファイヤーTC−15)を用いて、平均粒子径が5μ
mのものを得、該平均粒子径が5μmのベンゼンスルフ
ォニルヒドラジド5重量部、高温度分解発泡剤として、
分解温度が204℃のアゾジカルボンアミド(大塚化学
社製、商品名:SO−40)5重量部を押出機に投入
し、シリンダー温度を175℃に設定、加熱し、低温度
分解発泡剤を分解し、成形シートを作成した。得られた
成形シートを80℃の温水中に24時間浸漬し、架橋構
造を導入した。架橋構造が導入された成形シートのゲル
分率は、38%であった。次いで、上記架橋構造が導入
された成形シートを230℃の温度下で発泡させ、発泡
倍率が約20倍で平均気泡径が245μm、同標準偏差
が196μmの発泡体を得た。
【0039】(比較例4)エチレン−プロピレンブロッ
ク樹脂〔徳山曹達社製、商品名:MS630、MI=
3.5(230℃)、溶融温度163℃)〕100重量
部に対して、低温度分解発泡剤として、分解温度が15
9℃のベンゼンスルフォニルヒドラジドを分級機(日清
エンジニアリング社製、商品名:ターボクラッシファイ
ヤーTC−15)を用いて、平均粒子径が13μmのも
のを得、該平均粒子径が13μmのベンゼンスルフォニ
ルヒドラジドを2重量部、高温度分解発泡剤として、分
解温度が204℃のアゾジカルボンアミド(大塚化学社
製、商品名:SO−40)13重量部を押出機に投入
し、シリンダー温度を180℃に設定、加熱し、低温度
分解発泡剤を分解し、成形シートを作成した。得られた
成形シートの一方の面に、加速電圧600KVの放射線
照射装置を用い、6Mradの電離性放射線を照射した
後、該成形シートの反対面にも、同様に電離性放射線を
照射した。得られた成形シートのゲル分率は、38%で
あった。次いで、上記電離性放射線が照射された成形シ
ートを230℃の温度下で発泡させ、発泡倍率が約30
倍で平均気泡径が260μm、同標準偏差が162μm
の発泡体を得た。
【0040】(比較例5)エチレン−プロピレンブロッ
ク樹脂〔徳山曹達社製、商品名:MS630、MI=
3.5(230℃)、溶融温度163℃)〕100重量
部に対して、分解温度が204℃のアゾジカルボンアミ
ド(大塚化学社製、商品名:SO−40)15重量部を
押出機に投入し、シリンダー温度を180℃に設定、加
熱し、成形シートを作成した。得られた成形シートの一
方の面に、加速電圧600KVの放射線照射装置を用
い、6Mradの電離性放射線を照射した後、該成形シ
ートの反対面にも、同様に電離性放射線を照射した。得
られた成形シートのゲル分率は、38%であった。次い
で、上記電離性放射線が照射された成形シートを230
℃の温度下で発泡させ、発泡倍率が約30倍で平均気泡
径が253μm、同標準偏差が148μmの発泡体を得
た。
【0041】(比較例6)ジクミルパーオキサイド(日
本油脂社製、商品名:パーヘキサ3M)100重量部に
対しビニルトリメトキシシランを320重量部の割合で
ブレンドしたものを、エチレン−プロピレンブロック樹
脂〔徳山曹達社製、商品名:MS630、MI=3.5
(230℃)、溶融温度163℃)〕100重量部に対
して、1.3重量部配合し、二軸押出機を用いてシリル
変性エチレン−プロピレンブロック樹脂を作成した。得
られたシリル変性エチレン−プロピレンブロック樹脂9
5重量部とポリエチレン樹脂(三菱油化社製、商品名:
YK−60,MFR=4.0,SG=0.926)10
0重量部、アゾジカルボンアミド(大塚化学社製、商品
名:SO−40)300重量部及びジブチル錫ジラウレ
ート1.0重量部からなる混練組成物20重量部をタン
ブラーで均一に混合し、押出機に投入し、シリンダー温
度を175℃に設定、加熱し、成形シートを作成した。
得られた成形シートは、その断面を顕微鏡で観察する
と、無数の気泡がみられた。得られた成形シートを80
℃の温水中に24時間浸漬し、架橋構造を導入した。次
いで、上記架橋構造が導入された成形シートを230℃
の温度下で発泡させ、発泡倍率が約30倍で平均気泡径
が272μm、同標準偏差が198μmの発泡体を得
た。
【0042】
【発明の効果】本発明のオレフィン系樹脂発泡体の製造
方法は、発泡剤として平均粒子径が9〜12μmの範囲
にあって、且つ、分解温度がオレフィン系樹脂の溶融温
度より低い低温度分解発泡剤と、分解温度がオレフィン
系樹脂の溶融温度より高い高温度分解発泡剤からなる分
解温度の異なる2以上の熱分解性発泡剤を使用すること
により、第1段階の加熱によって、低温度分解発泡剤が
気泡径が微細で、且つ、バラツキの小さい、多数の気泡
を均一に分散した所謂微分散ガスが核剤として形成さ
れ、第2段階の加熱によって、高温度分解発泡剤が上記
微分散ガスを核剤として成長させることによって、均一
で微細な気泡構造を有する発泡体が安定して得られるの
である。
【0043】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0044】以下の実施例において、発泡剤の平均粒子
径、発泡体の平均気泡径及び発泡倍率、並びにゲル分率
は、以下に示した方法で試験、評価した。 1.発泡剤の平均粒子径 発泡剤の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布計(セ
イシン企業社製、pro−7000s)によって測定し
た。
【0045】2.発泡体の平均気泡径 発泡体の平均気泡径及びその標準偏差は、発泡体の断面
を着色し、その観察面を画像処理装置(ピアス社製、L
A−555)によって測定した。
【0046】3.発泡体の発泡倍率 発泡体の発泡倍率は、比重計を用いて、発泡後の発泡体
の比重と発泡前の成形体(原反)の比重を求め、発泡体
の比重を発泡前の成形体(原反)の比重で割って算出し
た。
【0047】4.ゲル分率 ゲル分率は、発泡前の成形体(原反)を熱キシレン(1
20℃)中に24時間侵漬し、然る後、成形体(原反)
を熱キシレンから取り出し、真空乾燥機にて乾燥し、侵
漬前の重量と侵漬後の重量を求め、侵漬後の重量を侵漬
前の重量で割って算出した。
【0048】(実施例1)エチレン−プロピレンブロッ
ク樹脂〔徳山曹達社製、商品名:MS630、MI=
3.5(230℃)、熔融温度163℃)〕100重量
部に対して、低温度分解発泡剤として、分解温度が15
9℃のベンゼンスルフォニルヒドラジドを分級機(日清
エンジニアリング社製、商品名:ターボクラッシファイ
ヤーTC−15)を用いて、平均粒子径が9μmのもの
を得、該平均粒子径が9μmのベンゼンスルフォニルヒ
ドラジドを2重量部、高温度分解発泡剤として、分解温
度が204℃のアゾジカルボンアミド(大塚化学社製、
商品名:SO−40)13重量部を押出機に投入し、シ
リンダー温度を180℃に設定、加熱し、低温度分解発
泡剤を完全に分解し、成形シートを作成した。得られた
成形シートの一方の面に、加速電圧600KVの放射線
照射装置を用い、6Mradの電離性放射線を照射した
後、該成形シートの反対面にも、同様に電離性放射線を
照射した。得られた成形シートのゲル分率は、38%で
あった。次いで、上記電離性放射線が照射された成形シ
ートを230℃の温度下で発泡させ、発泡倍率が約30
倍で平均気泡径が105μm、同標準偏差が80μmの
発泡体を得た。
【0049】(実施例2)エチレン−プロピレンブロッ
ク樹脂〔徳山曹達社製、商品名:MS630、MI=
3.5(230℃)、熔融温度163℃)〕100重量
部に対して、低温度分解発泡剤として、低温度分解発泡
剤として、分解温度が159℃のベンゼンスルフォニル
ヒドラジドを分級機(日清エンジニアリング社製、商品
名:ターボクラッシファイヤーTC−15)を用いて、
平均粒子径が10μmのものを得、該平均粒子径が平均
粒子径が10μmのベンゼンスルフォニルヒドラジド3
重量部、高温度分解発泡剤として、分解温度が204℃
のアゾジカルボンアミド(大塚化学社製、商品名:SO
−40)8重量部及びジクミルパーオキサイド(日本油
脂社製、商品名:パーヘキサ3M)1.0重量部を押出
機に投入し、シリンダー温度を165℃に設定、加熱
し、低温度分解発泡剤を完全に分解し、成形シートを作
成した。次いで、得られた成形シートを190℃の温度
下でジクミルパーオキサイドを分解し、架橋構造を導入
した。更に、上記架橋構造が導入された成形シートを2
30℃の温度下で発泡させ、発泡倍率が約26倍で平均
気泡径が112μm、同標準偏差が84μmの発泡体を
得た。得られた発泡体のゲル分率は、42%であった。
【0050】(実施例3)ジクミルパーオキサイド(日
本油脂社製、商品名:パーヘキサ3M)100重量部に
対しビニルトリメトキシシランを320重量部の割合で
ブレンドしたものを、エチレン−プロピレンブロック樹
脂〔徳山曹達社製、商品名:MS630、MI=3.5
(230℃)、熔融温度163℃)〕100重量部に対
して、1.3重量部配合し、二軸押出機を用いてシリル
変性エチレン−プロピレンブロック樹脂を作成した。得
られたシリル変性エチレン−プロピレンブロック樹脂1
00重量部に対して、低温度分解発泡剤として、分解温
度が159℃のベンゼンスルフォニルヒドラジドを分級
機(日清エンジニアリング社製、商品名:ターボクラッ
シファイヤーTC−15)を用いて、平均粒子径が11
μmのものを得、該平均粒子径が11μmのベンゼンス
ルフォニルヒドラジド5重量部、高温度分解発泡剤とし
て、分解温度が204℃のアゾジカルボンアミド(大塚
化学社製、商品名:SO−40)5重量部を押出機に投
入し、シリンダー温度を175℃に設定、加熱し、低温
度分解発泡剤を完全に分解し、成形シートを作成した。
得られた成形シートを80℃の温水中に24時間侵漬
し、架橋構造を導入した。架橋構造が導入された成形シ
ートのゲル分率は、38%であった。次いで、上記架橋
構造が導入された成形シートを230℃の温度下で発泡
させ、発泡倍率が約20倍で平均気泡径が145μm、
同標準偏差が96μmの発泡体を得た。
【0051】(比較例1)エチレン−プロピレンブロッ
ク樹脂〔徳山曹達社製、商品名:MS630、MI=
3.5(230℃)、熔融温度163℃)〕100重量
部に対して、低温度分解発泡剤として、分解温度が15
9℃のベンゼンスルフォニルヒドラジドを分級機(日清
エンジニアリング社製、商品名:ターボクラッシファイ
ヤーTC−15)を用いて、平均粒子径が5μmのもの
を得、該平均粒子径が5μmのベンゼンスルフォニルヒ
ドラジドを2重量部、高温度分解発泡剤として、分解温
度が204℃のアゾジカルボンアミド(大塚化学社製、
商品名:SO−40)13重量部を押出機に投入し、シ
リンダー温度を180℃に設定、加熱し、低温度分解発
泡剤を完全に分解し、成形シートを作成した。得られた
成形シートの一方の面に、加速電圧600KVの放射線
照射装置を用い、6Mradの電離性放射線を照射した
後、該成形シートの反対面にも、同様に電離性放射線を
照射した。得られた成形シートのゲル分率は、38%で
あった。次いで、上記電離性放射線が照射された成形シ
ートを230℃の温度下で発泡させ、発泡倍率が約30
倍で平均気泡径が253μm、同標準偏差が148μm
の発泡体を得た。
【0052】(比較例2)エチレン−プロピレンブロッ
ク樹脂〔徳山曹達社製、商品名:MS630、MI=
3.5(230℃)、熔融温度163℃)〕100重量
部に対して、低温度分解発泡剤として、分解温度が15
9℃のベンゼンスルフォニルヒドラジドを分級機(日清
エンジニアリング社製、商品名:ターボクラッシファイ
ヤーTC−15)を用いて、平均粒子径が5μmのもの
を得、該平均粒子径が5μmのベンゼンスルフォニルヒ
ドラジド3重量部、高温度分解発泡剤として、分解温度
が204℃のアゾジカルボンアミド(大塚化学社製、商
品名:SO−40)8重量部及びジクミルパーオキサイ
ド(日本油脂社製、商品名:パーヘキサ3M)1.0重
量部を押出機に投入し、シリンダー温度を165℃に設
定、加熱し、低温度分解発泡剤を完全に分解し、成形シ
ートを作成した。次いで、得られた成形シートを190
℃の温度下でジクミルパーオキサイドを分解し、架橋構
造を導入した。更に、上記架橋構造が導入された成形シ
ートを230℃の温度下で発泡させ、発泡倍率が約26
倍で平均気泡径が246μm、同標準偏差が136μm
の発泡体を得た。得られた発泡体のゲル分率は、42%
であった。
【0053】(比較例3)ジクミルパーオキサイド(日
本油脂社製、商品名:パーヘキサ3M)100重量部に
対しビニルトリメトキシシランを320重量部の割合で
ブレンドしたものを、エチレン−プロピレンブロック樹
脂〔徳山曹達社製、商品名:MS630、MI=3.5
(230℃)、熔融温度163℃)〕100重量部に対
して、1.3重量部配合し、二軸押出機を用いてシリル
変性エチレン−プロピレンブロック樹脂を作成した。得
られたシリル変性エチレン−プロピレンブロック樹脂1
00重量部に対して、低温度分解発泡剤として、分解温
度が159℃のベンゼンスルフォニルヒドラジドを分級
機(日清エンジニアリング社製、商品名:ターボクラッ
シファイヤーTC−15)を用いて、平均粒子径が5μ
mのものを得、該平均粒子径が5μmのベンゼンスルフ
ォニルヒドラジド5重量部、高温度分解発泡剤として、
分解温度が204℃のアゾジカルボンアミド(大塚化学
社製、商品名:SO−40)5重量部を押出機に投入
し、シリンダー温度を175℃に設定、加熱し、低温度
分解発泡剤を完全に分解し、成形シートを作成した。得
られた成形シートを80℃の温水中に24時間侵漬し、
架橋構造を導入した。架橋構造が導入された成形シート
のゲル分率は、38%であった。次いで、上記架橋構造
が導入された成形シートを230℃の温度下で発泡さ
せ、発泡倍率が約20倍で平均気泡径が145μm、同
標準偏差が96μmの発泡体を得た。
【0054】(比較例4)エチレン−プロピレンブロッ
ク樹脂〔徳山曹達社製、商品名:MS630、MI=
3.5(230℃)、熔融温度163℃)〕100重量
部に対して、分解温度が204℃のアゾジカルボンアミ
ド(大塚化学社製、商品名:SO−40)15重量部を
押出機に投入し、シリンダー温度を180℃に設定、加
熱し、成形シートを作成した。得られた成形シートの一
方の面に、加速電圧600KVの放射線照射装置を用
い、6Mradの電離性放射線を照射した後、該成形シ
ートの反対面にも、同様に電離性放射線を照射した。得
られた成形シートのゲル分率は、38%であった。次い
で、上記電離性放射線が照射された成形シートを230
℃の温度下で発泡させ、発泡倍率が約30倍で平均気泡
径が253μm、同標準偏差が148μmの発泡体を得
た。
【0055】(比較例5)ジクミルパーオキサイド(日
本油脂社製、商品名:パーヘキサ3M)100重量部に
対しビニルトリメトキシシランを320重量部の割合で
ブレンドしたものを、エチレン−プロピレンブロック樹
脂〔徳山曹達社製、商品名:MS630、MI=3.5
(230℃)、熔融温度163℃)〕100重量部に対
して、1.3重量部配合し、二軸押出機を用いてシリル
変性エチレン−プロピレンブロック樹脂を作成した。得
られたシリル変性エチレン−プロピレンブロック樹脂9
5重量部とポリエチレン樹脂(三菱油化社製、商品名:
YK−60,MFR=4.0,SG=0.926)10
0重量部と、アゾジカルボンアミド(大塚化学社製、商
品名:SO−40)300重量部及びジブチル錫ジラウ
レート1.0重量部からなる混練組成物20重量部をタ
ンブラーで均一に混合し、押出機に投入し、シリンダー
温度を175℃に設定、加熱し、成形シートを作成し
た。得られた成形シートは、その断面を顕微鏡で観察す
ると、無数の気泡がみられた。得られた成形シートを8
0℃の温水中に24時間侵漬し、架橋構造を導入した。
次いで、上記架橋構造が導入された成形シートを230
℃の温度下で発泡させ、発泡倍率が約30倍で平均気泡
径が272μm、同標準偏差が198μmの発泡体を得
た。
【0056】(比較例6)エチレン−プロピレンブロッ
ク樹脂〔徳山曹達社製、商品名:MS630、MI=
3.5(230℃)、熔融温度163℃)〕100重量
部に対して、低温度分解発泡剤として、分解温度が15
9℃のベンゼンスルフォニルヒドラジドを分級機(日清
エンジニアリング社製、商品名:ターボクラッシファイ
ヤーTC−15)を用いて、平均粒子径が13μmのも
のを得、該平均粒子径が13μmのベンゼンスルフォニ
ルヒドラジドを2重量部、高温度分解発泡剤として、分
解温度が204℃のアゾジカルボンアミド(大塚化学社
製、商品名:SO−40)13重量部を押出機に投入
し、シリンダー温度を180℃に設定、加熱し、低温度
分解発泡剤を完全に分解し、成形シートを作成した。得
られた成形シートの一方の面に、加速電圧600KVの
放射線照射装置を用い、6Mradの電離性放射線を照
射した後、該成形シートの反対面にも、同様に電離性放
射線を照射した。得られた成形シートのゲル分率は、3
8%であった。次いで、上記電離性放射線が照射された
成形シートを230℃の温度下で発泡させ、発泡倍率が
約30倍で平均気泡径が260μm、同標準偏差が16
2μmの発泡体を得た。
【0057】
【発明の効果】本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体の
製造方法は、発泡剤として平均粒子径が9〜12μmの
範囲にあって、且つ、分解温度がポリオレフィン系樹脂
の熔融温度より低い低温度分解発泡剤と、分解温度がポ
リオレフィン系樹脂の熔融温度より高い高温度分解発泡
剤からなる分解温度の異なる2以上の熱分解性発泡剤を
使用することにより、第1段階の加熱によって、低温度
分解発泡剤が気泡径が微細で、且つ、バラツキの小さ
い、多数の気泡を均一に分散した所謂微分散ガスが核剤
として形成され、第2段階の加熱によって、高温度分解
発泡剤が上記微分散ガスを核剤として成長させることに
よって、均一で微細な気泡構造を有する発泡体が安定し
て得られるのである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィン系樹脂に、平均粒子径が9〜
    12μmの範囲にあって、且つ、分解温度がオレフィン
    系樹脂の溶融温度より低い低温度分解発泡剤と、分解温
    度がオレフィン系樹脂の溶融温度より高い高温度分解発
    泡剤からなる分解温度の異なる2以上の熱分解性発泡剤
    を混合し、次いで、第1段階で、オレフィン系樹脂の溶
    融温度以上、高温度分解発泡剤の分解温度未満の温度に
    加熱し、第2段階で、高温度分解発泡剤の分解温度以上
    の温度に加熱することを特徴とするオレフィン系樹脂発
    泡体の製造方法。
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