JPH07329417A - 積層感圧記録シート及びその製造方法 - Google Patents

積層感圧記録シート及びその製造方法

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JPH07329417A
JPH07329417A JP6128525A JP12852594A JPH07329417A JP H07329417 A JPH07329417 A JP H07329417A JP 6128525 A JP6128525 A JP 6128525A JP 12852594 A JP12852594 A JP 12852594A JP H07329417 A JPH07329417 A JP H07329417A
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JP
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pressure
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layer
sheet
laminate layer
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JP6128525A
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English (en)
Inventor
Junji Harada
純二 原田
Takaaki Komatsu
孝章 小松
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録内容が隠蔽された積層感圧記録シートを
提供する。 【構成】 支持体の片面に双方又は一方がマイクロカプ
セル化されている発色剤又は顕色剤をそれぞれ単独で積
層或は混合して単層の感圧記録層を設け、更にその上に
透明ラミネート層を設けたラミ感圧記録シートと、被覆
基材の片面に着色ラミネート層を設けた不透明被覆シー
トが、透明ラミネート層と着色ラミネート層が密着する
形で剥離可能に接着されていることを特徴とする積層感
圧記録シート及びその製造方法。 【効果】 不透明被覆シート上から加圧することにより
内部の感圧記録部に情報を記録でき、剥離した不透明被
覆シートは再度接着することはない。良好な透視防止性
を持ち、透視防止用の地紋印刷を行う必要がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層型の感圧記録シー
トに関するもので、支持体上に設けた単一形態の自己発
色性感圧記録層上に透明ラミネート層を設け、着色ラミ
ネート層を介して不透明被覆シートと一体化した内部発
色性の積層感圧記録シートであり、透明ラミネート層と
着色ラミネート層の界面で剥離性を有し、記録の非露出
性、耐水性、耐薬品性、耐油性、耐擦傷性を有する型の
記録シートとして、優れた印字記録性と透視防止性を有
し、再接着防止性、情報保持性に優れた性能を有する伝
票、郵便物、通信文、遊興品、クリーンルーム用記録用
紙として使用できる積層感圧記録シートである。
【0002】
【従来の技術】本発明に用いられる感圧記録層は、自己
発色性感圧記録型で、いわゆるノーカーボン複写紙から
発展したものであり、製品形態としては自己発色性感圧
記録シート又はセルフコンティンドペーパーとも呼ばれ
ている。その構成は、無色染料(以下、発色剤と称す
る)を内包するマイクロカプセルの塗料を支持体に塗設
する工程と、更にその塗設上に酸性白土、フェノール樹
脂、有機酸性物質等の電子受容性物質(以下、顕色剤と
称する)を塗設する工程との都合2工程からなる2層塗
布による製造方法(塗布順序を逆にしたものも含む)
や、上記2成分、又はいずれか1成分をマイクロカプセ
ル化して、均一に混合して一層塗布による製造方法(特
公昭47−16096号公報)が知られている。このよ
うな自己発色性感圧記録シートは、発色剤と顕色剤が近
傍に存在するため、発色濃度の高い印字像が得られやす
いが、製造時や取扱い時の摩擦等による意図しない不本
意な発色汚れが発生しやすいという問題を有する。
【0003】自己発色性感圧記録シートは、その使用さ
れる条件において、実用上の必要な発色性能と不必要な
発色汚れの抑制とを両立させなければならない宿命にあ
り、従来から発色性と発色汚れという相反する性質の両
方を満足させるための努力が払われている。更に、自己
発色性感圧記録シートにおいて、感圧記録した情報は、
必然的に衆目に晒される公開性の高いものであり、情報
内容を隠ぺいしたい場合には、別途袋に入れる等しなけ
ればならなかった。
【0004】これまでに、例えば、自己発色性感圧記録
シートの記録層上に、真空密着法によるラミネート層を
設ける方法(特公昭49−10857号公報)や、溶融
ラミネート法によるプラスチック層を有する記録シート
(実開昭52−149709号公報)、及びこれらの保
護層上に剥離層を設ける等の例が知られている。しか
し、現実的には溶融ラミネートや貼り合わせにより保護
層を設けた場合においては、不必要な発色汚れの防止は
できるものの、基本的に感圧記録部分が露出することを
前提にしているため、記録の非公開性という問題は解決
し得なかった。
【0005】又、自己発色性感圧記録シートの記録層上
にヒートシール性或は熱可塑性樹脂被覆層を設け、裏面
にホットメルトタイプ或は熱可塑性タイプのヒートシー
ル性接着剤を塗布した不透明被覆シートと重ね合わせ、
熱プレスすることにより一体化する方法(実開平2−2
173号公報、実開平3−116974号公報等)があ
るが、一体化するほど熱プレスすると感圧記録層の発色
カブリを招き商品価値がなくなるか、或は接着力よりは
るかに弱い粘着力を持つ樹脂を用い、軽いプレスで粘着
力により一体化を行う以外になかった。このタイプの感
圧記録シートは、記録の隠ぺい性はあるものの、例えば
再圧着するのみで簡単に再接着できるため、記録の秘守
性の低いものであった。
【0006】更に、近年になって、自己発色性感圧記録
シートと不透明被覆シートを熱可塑性樹脂により一体化
する方法(特開平5−278175号公報)及び同じく
自己発色性感圧記録シートと不透明被覆シートとを実質
的に2層の熱可塑性樹脂層により一体化する方法(特開
平5−307362号公報)が開示されている。しかし
ながら、前者の方法においては自己発色性感圧記録シー
トと不透明被覆シートをそれぞれ異なる接着性で熱可塑
性樹脂と接着させねばならず、熱可塑性樹脂を強接着
(圧力による接着性制御ができないため、樹脂自体の接
着性制御が主となる)にすると、不透明被覆シートが剥
がしにくく、又、弱接着とすると自己発色性感圧記録シ
ートとの接着性も相対的に弱くなり、不透明被覆シート
を剥離しようとすると自己発色性感圧記録シートからも
熱可塑性樹脂層が剥離してしまい、この際に自己発色性
感圧記録層が不用意に発色カブリを起こす問題があっ
た。
【0007】本来、生産工程上からみれば、溶融ラミネ
ート時の樹脂温度やプレス圧等は、接着強度を増加させ
たい感圧記録層側と、接着強度を比較的低く保ちたい不
透明被覆シート側で同時に大きく変えることは無理であ
り、基本的には感圧記録層側の接着強度が小さすぎない
ように樹脂温度、プレス圧等を高めに設定せざるを得な
い。このような条件下では、不透明被覆シート側にコロ
ナ処理等の前処理をしない場合でもかなり高い接着強度
となり、不透明被覆シートの剥離が非常に重いとか、不
透明被覆シートを剥離する場合に感圧記録層が発色する
等というトラブルがあった。又この方法においては、不
透明被覆シートを剥離する場合の剥離性がバラツキやす
いという問題を有していた。これは、多分に不透明被覆
シートが多くの場合にパルプよりなる紙より形成される
ために、熱可塑性樹脂ラミネート層と接する面が一様で
ないという理由に基ずくものと考えられる。
【0008】特に、不透明被覆シートの熱可塑性樹脂ラ
ミネート層と接する面がパルプを主成分とする紙の場
合、180゜剥離試験の平均値は許容範囲に収まるよう
な接着強度であっても、ミクロ的に見るとパルプ繊維の
凹凸による影響と思われるが許容接着強度を上回る部分
がある。このようなミクロな過大接着強度は不透明被覆
シートの剥離自体にはほとんど影響しないものの、対応
する箇所の感圧記録層を発色させる場合があり、記録シ
ートとして好ましいものではない。このようなミクロな
過大接着を避けるためにラミネート時のプレス圧を低下
させたりすると不透明被覆シートの接着性自体が悪化
し、上紙(不透明被覆シート)剥がれという製品として
致命的な欠陥を引き起こすものであった。
【0009】実質的に2層の熱可塑性樹脂を用いる後者
の方法においては、元来接着性の異なる2種類の樹脂を
用いることができるため、不透明被覆シートの剥離に関
する問題は解決されるが、熱可塑性樹脂層は2層とも不
透明被覆シート側に残るか、或は2層ともに自己発色性
感圧記録シート側に残るため、以下のような問題があっ
た。即ち、2層とも不透明被覆シート側に残る場合に
は、自己発色性感圧記録層と熱可塑性樹脂層が剥離して
いる場合であり、この剥離の際に自己発色性感圧記録層
で剥離によるカプセル破壊が発生して全面に発色カブリ
を生じ、感圧記録シートとしての用を為さないものであ
った。
【0010】又、2層とも自己発色性感圧記録層上に残
る場合は、熱可塑性樹脂層中は透明でなければ発色した
自己発色性感圧記録層の記録が読めず、この層が不透明
であっては記録シートとして用を為さないため、不透明
性や着色性を付与できず、最終的に一体化された感圧記
録シートは、内部を発色すると不透明被覆シートの上側
から十分にその内容が読みとれるほど透視できるもの
で、秘守性の低いものであった。自己発色性感圧記録層
を用いた親展性の感圧記録シートの最大の特徴は、他の
印字後にラベルを貼る方法や、折り畳んで圧着して一体
化する方法に比べて、親展性の記録シートとした後で親
展記録内容を印字できることにあるが、記録内容が透け
て見えるようであればこの親展性は全く失われることは
自明である。この秘守性の低さを補うために、不透明被
覆シート上のみならず、自己発色性感圧記録シートの支
持体側にも地紋印刷等の透視防止層を設けなければなら
ず、情報を記入できる面積の減少になるばかりでなく、
美観的にも工程的にも問題があるものであった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、不透明被覆シートを有する感圧記録シートにおい
て、その本来の発色性を犠牲にすることなく、情報の非
公開性を有し、一旦剥離した不透明被覆シートは再接着
しない秘守性を有し、記録シートそのものは表裏に十分
な余白或は印刷部分を設けることが可能で、実際の使用
に際しては熱可塑性樹脂ラミネート層の感圧記録層或は
被覆基材への接着性が良好で、記録の改変、汚染を防止
し、記録された内容を被覆基材を剥離することなく解読
することが困難で、且つ剥離性と接着性のバランスのと
れた不透明被覆シートを有する積層感圧記録シートを提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
について鋭意検討を行った結果、以下の解決法を見いだ
すに至った。即ち、支持体の片面に双方又は一方がマイ
クロカプセル化されている発色剤又は顕色剤をそれぞれ
単独で積層或は混合して塗設した感圧記録層を設け、更
にその上に熱可塑性樹脂からなる透明ラミネート層を設
けたラミ感圧記録シートと、被覆基材の片面に熱可塑性
樹脂からなる着色ラミネート層を設けた不透明被覆シー
トとを、該透明ラミネート層と該着色ラミネート層とが
重なり合うように一体化され、該透明ラミネート層と該
着色ラミネート層との間で剥離可能とした積層感圧記録
シートの発明である。
【0013】本発明の積層感圧記録シートにおいて、着
色ラミネート層中に白色顔料を含有する積層感圧記録シ
ート、或は該着色ラミネート層中に有色染料又は有色顔
料を含有する積層感圧記録シートであっても良い。
【0014】本発明の積層感圧記録シートを製造するに
は、支持体の片面に、双方又は一方がマイクロカプセル
化されている発色剤又は顕色剤をそれぞれ単独で積層或
は混合して単層の感圧記録層を設けて感圧記録シートを
作製し、該感圧記録層上に透明熱可塑性樹脂を溶融押し
出し、透明ラミネート層を設けてラミ感圧記録シートと
し、該透明ラミネート層を冷却して後に、該ラミ感圧記
録シートの透明ラミネート層側と被覆基材との中間に、
着色熱可塑性樹脂を溶融押し出して、ラミ感圧記録シー
トと、被覆基材と着色ラミネート層よりなる不透明被覆
シートとを剥離可能に貼り合わせて製造する方法。
【0015】或は、被覆基材の片面に着色熱可塑性樹脂
を溶融押し出し、着色ラミネート層を設けて不透明被覆
シートとし、該着色ラミネート層を冷却固化、一方、支
持体の片面に双方又は一方がマイクロカプセル化されて
いる発色剤又は顕色剤をそれぞれ単独で積層或は混合し
て単層の感圧記録層を設けて感圧記録シートとし、該不
透明被覆シートの着色ラミネート層側と該感圧記録シー
トとの中間に透明熱可塑性樹脂を溶融押し出して、該透
明熱可塑性樹脂からなる透明ラミネート層を感圧記録シ
ートに設けてラミ感圧記録シートと、該不透明被覆シー
トとを剥離可能に貼り合わせて製造する方法をとること
ができる。
【0016】以下、本発明の詳細を説明する。本発明の
積層感圧記録シートにおいては、支持体上に自己発色性
感圧記録層を有する感圧記録シートに透明ラミネート層
を設けてラミ感圧記録シートとし、着色ラミネート層及
び被覆基材とからなる不透明被覆シートとを剥離可能に
一体化することにより、透視防止性が高く、且つ自己発
色性感圧記録シートとも不透明被覆シートとも接着性が
良好で、必要時には着色ラミネート層と共に被覆基材を
容易に剥離することが可能で、自己発色性感圧記録シー
トに印字記録された内容は透明ラミネート層を透して容
易に判読できる感圧記録性シートを提供するものであ
る。以後、透明ラミネート層と着色ラミネート層を区別
して呼ぶ場合の他は、両方の総称として熱可塑性樹脂ラ
ミネート層という表現を用いる。厳密には、ポリオレフ
ィン樹脂等を基材上に1層設ける場合はコーティングで
あるが、便宜上このような場合もすべてラミネート、或
はラミネート層と称する。
【0017】本発明においては、自己発色性の感圧記録
シート或は被覆基材に剥離処理を施すことも、最終的に
得られる積層感圧記録シートに透視防止用の地紋印刷層
を設けることも不要であり、高い生産性及び秘守性を与
えるものである。
【0018】本発明において、熱可塑性樹脂ラミネート
層上に離型処理することが可能であり、剥離処理はいか
なる方法を用いても差し支えないが、たとえば以下のよ
うな方法がある。即ち、透明ラミネート層の片面或は着
色ラミネート層の片面に、シリコーン化合物、フッ素化
合物、脂肪族炭化水素系滑剤、高級脂肪族系アルコール
系滑剤、高級脂肪酸系滑剤、脂肪酸アマイド系滑剤、金
属石鹸系滑剤、脂肪酸エステル系滑剤、カチオン系界面
活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性
剤、両性界面活性剤等を塗布、或は内添、含浸させ、必
要であれば乾燥、硬化させて用いる。これらの剥離剤と
共に他のバインダー成分を併用することは何等さしつか
えないが、加熱により実質的な粘着性や接着性を示さな
いバインダーを使うことが好ましい。
【0019】本発明に用いる剥離剤のうち、シリコーン
化合物は、分子末端、又は側鎖にアクリロイル基、メタ
クリロイル基、ビニル基、エポキシ基、ビニルアミド
基、ヒドロシリル基、シラノール基、ジアゾ基、アセチ
レン基、チオール基、フェノール基の中から選ばれる官
能基を有する、或はアルキレン基又はアルキレンオキシ
基を介してこれらの官能基と結合しているシリコーン樹
脂(主にポリジアルキルシロキサン)であることが好ま
しい。これらのシリコーン樹脂が、更に長鎖アルキル、
ポリエーテル、カルビノール、アミン、エポキシ、カル
ボキシル、メルカプト、メタクリル変性されていても良
い。
【0020】その他の剥離剤としては、鉱油系の流動パ
ラフィン、脂肪酸系のステアリン酸、オレイン酸等、天
然油脂系の動植物油、天然ワックス等、脂肪酸エステル
系のエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビトール
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル
等、アルコール系のポリオキシアルキレングリコール、
グリコール類、ポリオキシエチレン高級アルコールエー
テル等、アミド系としてポリオキシエチレンアルキレ
ン、アミド樹脂等、リン酸エステル系としてポリオキシ
アルキレンリン酸エステル、等、金属石鹸系として、ス
テアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸
ソーダ等、フッ素系として、ポリテトラエチレンフロロ
エチレン、パーフルオロアルキルアルコキシレート、パ
ーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキ
ルカルボン酸塩、パーフルオロアルキル第4級アンモニ
ウムハロゲン化物、パーフルオロアルキルポリオキシエ
チレンエタノール、フッ素化アルキルエステル等、無機
系としてタルク等が挙げられる。剥離剤の塗布形態とし
ては、エマルジョン系、溶剤系、無溶剤系、混合溶融押
し出し系等による塗布が可能で、硬化機構として溶媒蒸
発型、縮合型、付加型、架橋型、開環重合型、紫外線照
射型、電子線照射型等の硬化反応が可能である。
【0021】剥離剤として用いる界面活性剤としては、
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリ
マー、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル、ソルビタン酸脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン酸脂肪酸
エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリエチレングリコ
ール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ン等のノニオン性界面活性剤、オレイン酸系やステアリ
ン酸系等の各種脂肪酸塩、脂肪酸石鹸、アルキル硫酸エ
ステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフ
タレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、高
級アルコール硫酸エステル塩、αーオレフィンスルホネ
ート、アルキルリン酸塩等のアニオン性界面活性剤、ア
ルキルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルベ
ンジルメチルアンモニウムクロライド、その他第4級ア
ンモニウム塩類等のカチオン系界面活性剤、及びラウリ
ルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルメチルベタ
イン等の両性界面活性剤等が挙げられる。
【0022】これらの剥離剤の塗布量は、用いる熱可塑
性樹脂ラミネート層の平滑度、透気度により、又、熱可
塑性樹脂ラミネート層の種類、厚み、加工条件により異
なるが、好ましくは実質的な剥離剤の塗布量が0.1g/
m2以上であることが好ましい。又、熱可塑性樹脂ラミネ
ート層への塗布の他に、熱可塑性樹脂ラミネート層を製
造する段階で剥離剤を内添し、熱可塑性樹脂ラミネート
層内に剥離剤を固定化させる方法もある。
【0023】熱可塑性樹脂ラミネート層の厚みが一定範
囲内であり、且つ感圧記録層の発色性が高い感圧記録シ
ートを用いた場合においては、着色ラミネート層を有す
る不透明被覆シートは筆圧をほとんど分散、吸収するこ
となく伝達するため、感圧記録時において、高い発色濃
度が得られ、印字面の光沢、耐傷性、耐摩擦性に優れ、
又、熱可塑性樹脂ラミネート層の上に不透明被覆シート
を有するために、感圧記録した情報を外部に公開、露出
することなく取り扱うことができ、且つ必要に応じて不
透明被覆シートを剥離することにより、内部に感圧記録
した情報を読むことができる。更に、一度開示した情報
は、再度隠蔽できない(再接着防止性)という特徴を有
する。
【0024】更に、着色ラミネート層は、その内部にあ
る濃度以上の顔料を有する場合においては、顔料が存在
することにより熱可塑性樹脂層の弾性率が増大するため
か、圧力伝達性が向上し、感圧記録時において、顔料が
存在しない場合に比べてより高い発色濃度が得られるこ
とが判明した。
【0025】熱可塑性樹脂ラミネート層を構成する熱可
塑性樹脂としては、ポリエチレン(低密度、中密度、高
密度、線状低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、ポ
リトリメチルペンテン、ポリブテン、ポリエステル、ポ
リスチレン、ポリアミド、エチレン酢酸ビニル共重合
体、エチレンエチルアクリレート共重合体、エチレンア
クリル酸共重合体、エチレンアクリル酸メチル共重合
体、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレンメタ
アクリル酸共重合体及びその塩、塩化ビニル、塩化ビニ
リデン等の汎用溶融押し出し樹脂を単独で、或は混合し
て用いることができる。混合方法には特に制限はなく、
任意の方法を用いることができる。例えば、混練機用押
し出し機、加熱練りロール、バンバリーミキサー、ニー
ダー等を用いて所定量のポリオレフィン樹脂、そして必
要に応じて各種の添加剤(剥離剤、滑り剤、顔料、酸化
防止剤、中和剤等)を加えて溶融混合したのち、その混
合物を粉砕、ペレット化する方法、又は押し出し機にい
わゆる単純ブレンドのままの状態で直接投入して押し出
しコーティングする方法、或は片方のポリオレフィン樹
脂の重合時に他の成分を共重合させて得られた混合樹脂
を使用する方法等を利用することができる。
【0026】更に、透明ラミネート層の厚みを10〜3
0μmの範囲とすることにより、感圧記録層の発色性を
低下させることなく印字面の光沢、耐傷性、耐摩擦性を
向上させるばかりでなく、着色ラミネート層を有する不
透明被覆シートに対して剥離する剥離層として機能す
る。透明ラミネート層の厚みがこの範囲より薄いと、不
透明被覆シートを剥離した場合に、感圧記録層から熱可
塑性樹脂ラミネート層が剥離するラミネート層浮きが発
生したり、感圧記録層の地肌カブリが生じたりして記録
の判読が困難となる場合がある。熱可塑性樹脂ラミネー
ト層の厚みがこの範囲より厚いと、感圧印字した場合に
記録濃度が低下し記録用シートとして好ましくない。
【0027】着色ラミネート層の厚みは、透明ラミネー
ト層の厚みと合計して制御されるべきものであるが、内
部に含有する顔料の割合によっても最適な厚みが変化す
る。一般的に着色ラミネート層の厚みも10〜30μm
が好ましく、この範囲より薄いと、不透明被覆シートを
剥離した場合に不透明被覆シートから着色ラミネート層
が剥離するラミネート層浮きが発生する場合がある。着
色ラミネート層の厚みがこの範囲より厚いと、感圧印字
した場合に記録濃度が低下し記録用シートとして好まし
くない。
【0028】熱可塑性樹脂ラミネート層により感圧記録
シートと被覆基材を一体化するには一般の溶融押し出し
ダイ、Tダイを用いることができる。多層同時押し出し
ダイ(共押し出しTダイ等)を用いてもかまわないが、
透明ラミネート層と着色ラミネート層とを同時に押し出
すのは両者の接着性が向上しすぎて後の剥離作業上、好
ましくない。溶融押し出しの前処理として、自己発色性
の感圧記録層或は被覆基材にコロナ処理、フレーム処
理、オゾン処理等公知の接着性改良のための処理を行う
ことは何等差し支えない。当然のことながら、貼合せ前
のラミネート層表面にこれらの表面処理を行い、不透明
被覆シートの接着性及び剥離性をコントロールすること
ができる。溶融押し出しによる貼り合わせ時に、感圧記
録層を有する支持体及び不透明被覆シートのいずれを冷
却ロール側に、或はプレスロール側に位置させてもさし
つかえないが、特に発色感度の高い感圧記録層を用いる
場合においては、プレスロール側を不透明被覆シートに
する方が好ましい。
【0029】本発明でいう有色染料或は有色顔料とは、
熱可塑性樹脂内に安定して分散或は溶融できるものであ
れば特に限定されるものではないが、例えば、以下のも
のが挙げられる。
【0030】アゾ化合物(ジチゾン、ホルマザン)、キ
ノン系(ナフトキノン、アントラキノン、アクリドン、
アントアントロン、インダントレン、ピレンジオン、ビ
オラントロン)、キノンイミン(アジン、オキサジン、
チアジン)、インジゴ染料(インジルビン、オキシイン
ジゴ、チオインジゴ)、硫化染料、ジフェニルメタン、
トリフェニルメタン(フルオラン、フルオレセイン、ロ
ーダミン)、フェロセン、フルオレノン、フルギド、ペ
リレン、フェナジン、フェノチアジン、ポリエン(カロ
テン、マレイン酸誘導体、ピロラゾン、スチルベン、ス
チリル)、ポリメチン(シアニン、ピリジニウム、ピリ
リウム、キノリニウム、ローダニン)、キサンテン、ア
リザリン、アクリジン、アクリジノン、カルボスチリ
ル、クマリン、ジフェニルアミン、キナクリドン、キノ
フタロン、フェノキサジン、フタロペリノン、ポルフィ
ン、クロロフィル、フタロシアニン化合物、クラウン化
合物、スクアリリウム、チアフルバレン、チアゾール、
ニトロ染料、ニトロソ染料、発色後のロイコ染料等、染
料の分類でいえば、分散染料、カチオン染料、塩基性染
料、賛成染料、含金属染料、反応染料、直接染料、硫化
染料、硫化建染染料、建染染料、アゾ染料、媒染染料、
賛成媒染染料、複合染料、有機溶媒溶解染料、ピグメン
トレジンカラー等溶融押し出し温度に耐えればどのよう
な染料でも差し支えないし、又、熱可塑性樹脂に染料が
溶解せずに微分散したのみでも有色顔料と同様に用いる
ことができる。
【0031】これらは単独で或は2種類以上用いること
ができるが、自己発色性感圧記録層の発色と同系色を呈
する染料であることがより好ましい。染料の濃度は自己
発色性感圧記録層の発色部が隠ぺいされる程度であれ
ば、いかなる濃度で用いてもよいが、熱可塑性樹脂に対
して1〜20重量%であることが望ましい。これより濃
度が低いと隠ぺい力が不十分となるため不透明被覆シー
トを通して内部情報が判読されてしまい、これより濃度
が高いと着色ラミネート層の透明ラミネート層への接着
力が悪くなり、不透明被覆シートが不必要に剥離する恐
れが生じる。
【0032】染料だけでなく、染料と顔料の両方を熱可
塑性樹脂に混合することもできる。ここでいう顔料と
は、白色又は有色で、無機或は有機顔料のいずれでもよ
く、例えば、ケイソウ土、クレー、焼成クレー、タル
ク、カオリン、ろう石、焼成カオリン、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、二酸化チタン被
覆雲母、チタンブラック、チタニウムイエロー、硫酸バ
リウム、水酸化マグナシウム、炭酸マグネシウム、炭酸
バリウム、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン等のプラス
ティックビーズ、モリブデンホワイト、亜鉛華、リトポ
ン、硫化亜鉛、石膏、鉛白、群青、紺青、コバルト青、
カーボンブラック、鉄黒、酸化亜鉛、酸化コバルト、酸
化珪素、水酸化アルミニウム、アゾ顔料、フタロシアニ
ン顔料、染色レーキ、澱粉粒、尿素−ホルマリン樹脂、
メラミン樹脂等の合成樹脂粒子、シリコーン粒子、クリ
スタルバイオレット、ロイコ染料発色体等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。これらの顔料
は、単独で染料と併用できるし、2種類以上で染料と併
用することもできる。染料と顔料の混合比率は、剥離時
の無用な発色汚れや、印字時の発色ムラを起こさない限
り、いかなる比率で用いても良い。
【0033】染料と顔料を併用した場合の染料と顔料の
合計の濃度は、染料単独で用いた場合と同様の理由で、
熱可塑性樹脂に対して1〜20重量%であることが望ま
しい。より好ましくは5〜20重量%である。
【0034】感圧記録層と透明ラミネート層の間に、必
要であれば接着性改良のためのポリビニルアルコール、
ゼラチン、ポリアクリル酸及びその塩、カゼイン、デン
プン、ゴムラテックス等の各種ラテックス等の水性高分
子中間層を、感圧記録感度が低下しない塗布量範囲で設
けることができる。
【0035】感圧記録層と透明ラミネート層の接着強
度、或は被覆基材と着色ラミネート層の接着強度はテン
シロン万能引っ張り試験機における180゜剥離試験に
おいて、100gf/15mm以上の接着強度(剥離強
度)であることが好ましい。熱可塑性樹脂ラミネート層
の接着強度がこの範囲以下であると、記録、搬送等の途
中で剥離トラブルが起こる場合がある。又、この範囲以
上であれば透明ラミネート層を無理に剥離したような場
合でも感圧記録層が発色するため接着強度としては十分
である。
【0036】透明ラミネート層と着色ラミネート層との
接着強度は、原理的には透明ラミネート層と感圧記録層
との接着強度以下及び着色ラミネート層と被覆基材の接
着強度以下であれば不透明被覆シートとラミ感圧記録シ
ートとを剥離できるが、あまりに接着強度が接近しすぎ
ると透明ラミネート層が感圧記録層から浮く(部分的に
剥離する)というトラブルが生じたり、不透明被覆シー
トを剥離する場合に感圧記録層が発色したり、不透明被
覆シートの厚みいかんによっては不透明被覆シートが剥
離時に破壊したりというトラブルが生じることがある。
このようなトラブルは、不透明被覆シートの厚みや種
類、熱可塑性樹脂ラミネート層の厚み、或は感圧記録層
の発色性により発生する接着強度範囲が異なるが、テン
シロン万能引っ張り試験機における180゜剥離試験に
おいて、80gf/15mmより小さい接着強度(剥離
強度)であることが好ましい。
【0037】一般に、熱可塑性樹脂ラミネートを行う場
合に、被着体とポリオレフィン樹脂とは物理的なアンカ
ー効果で、或は弱い水素結合を中心として接着してい
る。当然、被着体へのアンダコート処理、或は反応性ポ
リオレフィン樹脂を用いることにより、ポリオレフィン
樹脂と被着体の間に化学結合の割合を増加させ、接着性
を改良することは可能である。熱可塑性樹脂ラミネート
層と被着体との接着強度は、このようなアンカー効果、
水素結合や化学結合の割合を変化させることにより強め
たり弱めたりすることが可能である。即ち、接着強度を
増加させるには、溶融ラミネート時の樹脂温度や被着体
温度を増加させたり、被着体表面を粗くしたり、ラミネ
ート時のプレス圧を増加してアンカー効果を高めたり、
被着体にコロナ処理、フレーム処理、紫外線照射、オゾ
ン処理等の前処理を行って極性基を導入し、水素結合の
割合を増やすことにより達成される。
【0038】当然のことながら、このようなアンカー効
果、水素結合を減少させることにより接着強度を減少さ
せることができる。例えば、透明ラミネート層にシリコ
ーン等の剥離処理を施し、更に熱可塑性樹脂ラミネート
層を溶融押し出しすると、その2層は簡単に剥離する。
このような剥離処理をしない場合でも、第2層の熱可塑
性樹脂ラミネート層を剥離することは可能であるが、長
時間の加工を行った場合、熱変性した樹脂ボロが僅かに
熱可塑性樹脂ラミネート層に混じっていたような場合
等、発色カブリを誘発するような剥離のトラブルが起こ
る場合があった。本発明者らは、第2層となる熱可塑性
樹脂ラミネート層に顔料を5重量%以上混入すると、剥
離処理を施さなくても良好な疑似接着性、及び剥離性が
得られることを見つけだした。更に、当初予期しなかっ
たことであるが、着色ラミネート層に顔料を混入するこ
とにより、樹脂の剛度が上がるためか感圧記録層の発色
性を低下させることなく積層感圧記録シートを作製する
ことが可能となった。
【0039】本発明の感圧記録シートに用いられる支持
体、及び不透明被覆シートに用いられる被覆基材として
は、グラシン紙、上質紙、アート紙、コーテッド紙、キ
ャスト紙等の一般紙を用いることができ、木材パルプ、
合成パルプ、填料、サイズ剤、紙力増強剤、染料等、通
常抄紙で用いられる原材料を必要に応じて使用すること
が可能である。又、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリメチルペンテン等のプラ
スチックシート、及びこれらの合成繊維からなる合成紙
や不織布、又は合成樹脂を紙に片面にラミネートしたラ
ミネート紙、金属箔、又は金属箔と紙の貼り合わせ品、
蒸着紙、ホログラム処理を施した不透明シート、合成樹
脂フィルムとの貼り合わせ品、マイカ紙、ガラスペーパ
ー等も使用可能である。これらの支持体は無機或は有機
顔料、インク、トナー等により不透明化することができ
る。
【0040】又、不透明被覆シートの非貼り合わせ面或
は感圧記録層を有さない側の支持体面に、感圧記録層或
はその一部(顕色剤層或は発色剤層)や感熱層、磁気記
録層、印刷層を設けることもできる。
【0041】本発明の方法において、有利に用いられる
パルプを主成分とする原紙には、各種高分子化合物、添
加剤を含有せしめることができる。例えば、デンプン、
デンプン誘導体(カチオン化デンプン、リン酸エステル
化デンプン、酸化デンプン等)、ポリアクリルアミド、
ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体
(完全ケン化、部分ケン化、カルボキシ変性、カチオン
変性、その他の各種変性ポリビニルアルコール)、ゼラ
チン(アルカリ処理、酸処理、各種変性ゼラチン)等の
乾燥紙力増強剤、スターガムやアルギン酸誘導体等の天
然高分子多糖類、高級脂肪酸金属塩、ロジン誘導体、ジ
アルキルケトン、アルケニル又はアルキルコハク酸無水
物、エポキシ化高級脂肪酸アミド、有機フルオロ化合
物、ジアルキルケテンダイマー乳化物等のサイズ剤、ポ
リアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、メラミン
樹脂、尿素樹脂、エポキシ化ポリアミド樹脂等の湿潤紙
力増強剤、安定剤、顔料、染料、酸化防止剤、蛍光増白
剤、各種ラテックス、無機電解質(塩化ナトリウム、硫
酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、塩化カルシウム、塩
化リチウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩
化バリウム等)、pH調整剤、硫酸バンドや塩化アルミ
等の定着剤、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレ
ー等の填料、有機導電剤等の添加剤を適宜組み合わせて
含有せしめることができる。これらの含有物は、抄紙段
階においてパルプスラリー中に分散させてもよいし、抄
紙後タブサイズにおいて添加させてもよく、又、各種コ
ーターで溶液を塗布してもよい。
【0042】本発明に利用し得る感圧記録層について
は、特に制限されることなく、従来から公知のものを使
用できる。例えば、マイクロカプセル化の方法やマイク
ロカプセルの壁材、発色剤や発色剤を溶解する油、或は
顕色剤、電子線硬化性樹脂、マイクロカプセル保護剤等
である。マイクロカプセル化法としては、コアセルベー
ション法(米国特許2800458号明細書等)、界面
重合法(特公昭47−1763号公報等)、インサイチ
ュー重合法(特開昭51−9079号公報等)等が使用
できる。
【0043】マイクロカプセルの壁材としては、ポリウ
レタン、ポリ尿素、エポキシ樹脂、尿素/ホルマリン樹
脂、メラミン/ホルマリン樹脂等が使用できる。
【0044】発色剤としては、トリアリルメタン系化合
物、ジアリールメタン系化合物、キサンテン系化合物、
チアジン系化合物、スピロピラン系化合物等が使用で
き、一般に感圧記録材料や感熱記録材料に用いられてい
るものであれば、特に制限されない。
【0045】発色剤を溶解する油としては、ジアリール
アルカン系、アルキルナフタレン系、アルキル化ビフェ
ニル、水添ターフェニルの如き芳香族合成油、ケロシ
ン、ナフサ、パラフィン油、塩素化パラフィンの如き脂
肪族合成油、綿実油、大豆油、亜麻仁油の如き植物油等
が使用できる。
【0046】マイクロカプセルの保護剤としては、セル
ロース粉末、デンプン粒子、タルク、焼成カオリン、炭
酸カルシウム等が使用できる。
【0047】顕色剤としては、粘土類(例えば、酸性白
土、アタパルジャイト等)、有機酸(例えば、サリチル
酸の如き芳香族カルボキシ化合物、又はこれらの金属塩
等)、有機酸と金属化合物の混合物、酸性重合体(例え
ば、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、サリチル酸系
樹脂、又はこれらの金属塩等)等が使用できる。
【0048】本発明において、感圧記録層の形成に使用
されるバインダーとしては、デンプン類、ヒドロキシエ
チルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導
体、カゼイン、ゼラチン等のプロテイン、酸化デンプ
ン、エステル化合物デンプン等のサッカロースの如き水
性天然高分子化合物、ポリビニルアルコール、変性ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリ
ル酸、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸アミド/アク
リル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル
酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無
水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、ラテックス、ポリ
アクリルアミド、スチレン/無水マレイン酸共重合体等
の如き水溶性合成高分子化合物やラテックス類、エチレ
ン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性電
子線硬化性樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリ
アクリル酸エステル、スチレン/ブタジエン共重合体、
アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メ
チル/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジ
エン/アクリル酸共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重
合体等のラテックス等が挙げられる。
【0049】感圧記録層に使用される顔料としては、ケ
イソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸
化ケイ素、水酸化アルミニウム、尿素−ホルマリン樹脂
等が挙げられる。
【0050】その他に、助剤としてステアリン酸亜鉛、
ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフ
ィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレ
ン、ステアリン酸アミド、カスターワックス等のワック
ス類、又、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、スル
ホン酸変性ポリビニルアルコール等の分散剤、ベンゾフ
ェノン系、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、更
に界面活性剤、蛍光染料等が必要に応じて添加される。
【0051】本発明の感圧記録シートにおいて、感圧記
録層の形成方法としては、ブレード塗工法、エアナイフ
塗工法、グラビア塗工法、ロールコーティング塗工法、
バー塗工法、落下カーテン塗工法等の公知の塗工方法が
利用可能である。感圧記録層は平滑化処理をすることが
好ましい。
【0052】更に、カール防止のためにバックコートを
施したり、ジャミング防止のために導電処理を行った
り、支持体と感圧記録層の間にアンダーコート層を設け
る等、感圧記録材料製造分野における各種の公知技術を
必要に応じて付加することができる。
【0053】又、本発明の構成として、高い発色濃度を
得る上で、支持体と感圧記録層との間に、炭酸カルシウ
ム、タルク、シリカ、クレー、硫酸バリウム、炭酸マグ
ネシウム、ケイ酸マグネシウム、硫酸鉛、鉛白、亜鉛
華、硫化亜鉛、サチン白、酸化チタン、酸化アンチモ
ン、雲母、ベントナイト、ケイ酸カルシウム、石膏、水
酸化アルミニウム等の無機顔料、又はポリスチレン、ポ
リビニルトルエン、スチレン/ジビニルベンゼン共重合
体、ポリメタクリル酸メチル、尿素/ホルムアルデヒド
重合体、ポリエチレン等の微紛有機顔料を含む下引き層
を設けることは何等差し支えない。
【0054】又、本発明の積層感圧記録シートは、その
表面、感圧記録層面、透明ラミネート層面、着色ラミネ
ート層面、不透明被覆シートの表面或は裏面、或は積層
感圧記録シートの裏面に、感圧記録用の発色剤層又は顕
色剤層或はその両方、保護被覆層、剥離層、印刷層、地
紋印刷層、トナー受理層、インク受理層、感熱記録層、
筆記層、磁気記録層等を単独で、或は同時に設けること
ができる。又、本発明の感圧記録シートは、他の感圧記
録シート、裏カーボン複写シート、粘着シート、印刷シ
ート、透明フィルム等と組合わせて一連の複写シートと
して使用できる。本発明の記録シートの一部、或は全部
にダイカット等の加工、一部の不透明被覆シートの分
離、ミシン目、プリンター用送り孔等の加工を施すこと
は何等差し支えない。
【0055】
【作用】本発明の積層感圧記録シートにおいては、ラミ
感圧記録シートと不透明被覆シートが熱可塑性樹脂ラミ
ネート層により一体化され、感圧記録層と透明ラミネー
ト層、或は被覆基材と着色ラミネート層は強固に接着し
ているものの、透明ラミネート層と着色ラミネート層の
海面は剥離可能な接着がなされているために、不透明被
覆シートを軽い力でラミ感圧記録シートから分離(剥
離)できる。一旦、不透明被覆シートを熱可塑性樹脂ラ
ミネート層から分離した場合、熱可塑性樹脂ラミネート
層はすでに冷却、固化しているため容易に再接着するこ
とはない。無機顔料や有機顔料を含有する着色ラミネー
ト層は、筆圧をほとんど分散、吸収することなく伝達す
るため、感圧記録時において、高い発色濃度が得られ、
印字面の光沢、耐傷性、耐摩擦性に優れ、又、着色ラミ
ネート層により、感圧記録した情報を外部に公開、露出
することなく取り扱うことができ、且つ必要に応じて不
透明被覆シートを剥離することにより、内部に感圧記録
した情報を読むことができる。不透明被覆シートが積層
されている状態では、着色ラミネート層の高い不透明性
のため内部の記録を透視することができず、秘守性が良
好である。このため、記録シートの表裏等に透視防止用
の地紋印刷等を設けずに済み、美麗であるばかりでな
く、情報伝達面積を大きくとれる。更に、上に述べた理
由で、一度開示した情報は、再度隠蔽できない(再接着
防止性)という特徴を有する。
【0056】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は、実施例に限られるものではない。
以下に示す部及び%のいずれも重量基準である。又、塗
抹量を示す値は、断わりのない限り乾燥後の塗抹量であ
る。相互の比較のために、被覆基材には全て市販の感圧
記録用紙の顕色剤層を有する下紙(三菱製紙製、NCR
下N50BCCF、坪量55g/m2)を使用した。なお、
被覆基材の非顕色剤層面は、着色ラミネート層と接する
構成である。
【0057】実施例1 感圧記録紙として、市販の高感度自己発色性感圧記録紙
(三菱製紙製、ダイヤセルフ、MCD N100、坪量
100g/m2)を使用した。感圧記録面にコロナ処理を行
った後、溶融押し出しダイによりポリプロピレンを厚み
13μmでラミネートを行い、透明ラミネート層とし
た。被覆基材にコロナ処理を施し、着色ラミネート層と
して群青を5重量%含む低密度ポリエチレンを溶融押し
出しダイにより13μmの厚みでラミネートしながら、
同時に透明ラミネート層が着色ラミネート層に重なり合
う方向にラミ感圧記録シートを圧着して、ラミ感圧記録
シートと不透明被覆シートを一体化して目的の積層感圧
記録シートを得た。
【0058】実施例2 感圧記録紙として、実施例1と同様の自己発色性感圧記
録紙を使用した。感圧記録面にコロナ処理を行った後、
溶融押し出しダイにより低密度ポリエチレンを厚み15
μmでラミネートを行い透明ラミネート層とした。被覆
基材にコロナ処理を施し、着色ラミネート層として群青
5重量%及び酸化チタン5重量%含む低密度ポリエチレ
ンを溶融押し出しダイにより15μmの厚みでラミネー
トしながら、同時に透明ラミネート層が着色ラミネート
層に重なり合う方向にラミ感圧記録シートを圧着して、
ラミ感圧記録シートと不透明被覆シートを一体化して目
的の積層感圧記録シートを得た。
【0059】実施例3 被覆基材にコロナ処理を施し、着色ラミネート層として
青染料(日本化薬製カヤセットブルー)10重量%及び
酸化チタン10重量%含む低密度ポリエチレンを溶融押
し出しダイにより15μmの厚みでラミネートし不透明
被覆シートとした。感圧記録紙として、実施例1と同様
の自己発色性感圧記録紙を使用した。感圧記録面にコロ
ナ処理を行った後、透明ラミネート層として溶融押し出
しダイにより低密度ポリエチレンを厚み15μmでラミ
ネートを行うと同時に着色ラミネート層が透明ラミネー
ト層に重なり合う方向に不透明被覆シートを圧着して、
ラミ感圧記録シートと不透明被覆シートを一体化して目
的の積層感圧記録シートを得た。
【0060】実施例4 感圧記録紙として、実施例1と同様の自己発色性感圧記
録紙を使用した。感圧記録面にコロナ処理を行った後、
溶融押し出しダイにより低密度ポリエチレンを厚み15
μmでラミネートを行い、透明ラミネート層とした。透
明ラミネート層にコロナ処理を施し、剥離剤として熱硬
化性シリコーンエマルジョン(信越化学工業製、X−5
2−151、触媒として3%のPM 6A/Bを含む)
を固形分量で1g/m2塗布し、加熱乾燥した。被覆基材に
コロナ処理を施し、着色ラミネート層として青染料(日
本化薬製、カヤセットブルー)25重量%含む低密度ポ
リエチレンを溶融押し出しダイにより15μmの厚みで
ラミネートしながら、同時に剥離処理を行った透明ラミ
ネート層が着色ラミネート層に重なり合う方向にラミ感
圧記録シートを圧着して、ラミ感圧記録シートと不透明
被覆シートを一体化して目的の積層感圧記録シートを得
た。
【0061】実施例5 感圧記録紙として、実施例1と同様の自己発色性感圧記
録紙を使用した。感圧記録面にコロナ処理を行った後、
溶融押し出しダイにより低密度ポリエチレンと高密度ポ
リエチレンの等量混合物を厚み15μmでラミネートを
行い、透明ラミネート層とした。被覆基材にコロナ処理
を施し、着色ラミネート層として酸化チタン15重量%
含む低密度ポリエチレンを溶融押し出しダイにより15
μmの厚みでラミネートしながら、同時に透明ラミネー
ト層が着色ラミネート層に重なり合う方向にラ感圧記録
シートを圧着して、ラミ感圧記録シートと不透明被覆シ
ートを一体化して目的の積層感圧記録シートを得た。
【0062】比較例1 感圧記録シートとして、実施例1と同様の市販の高感度
自己発色性感圧記録紙にコロナ処理を行い、溶融押し出
しダイによりポリプロピレンを厚み13μmでラミネー
トを行い、透明ラミネート層とし、ラミ感圧記録シート
として比較例1のサンプルとした。
【0063】比較例2 感圧記録紙として、実施例1と同様の自己発色性感圧記
録紙を使用した。感圧記録面にコロナ処理を行い、透明
ラミネート層として溶融押し出しダイを用いて低密度ポ
リエチレンを15μmとなるようにラミネートを行いな
がら、被覆基材の非顕色剤層面が透明ラミネート層が重
なり合うように圧着して、感圧記録シートと不透明被覆
シートを一体化して目的の積層感圧記録シートを得た。
【0064】比較例3 感圧記録紙として、実施例1と同様の自己発色性感圧記
録紙を使用した。感圧記録面にコロナ処理を行い、着色
ラミネート層として溶融押し出しダイを用いて群青5重
量%及び酸化チタン5重量%を含有する低密度ポリエチ
レンを15μmとなるようにラミネートを行いながら、
被覆基材が着色ラミネート層が重なり合うように圧着し
て、感圧記録シートと不透明被覆シートを一体化して目
的の積層感圧記録シートを得た。
【0065】比較例4 感圧記録紙として、実施例1と同様の自己発色性感圧記
録紙を使用した。透明ラミネート層として溶融共押し出
しダイを用いて低密度ポリエチレンを15μmとポリプ
ロピレンを15μmを同時に溶融押し出しし、低密度ポ
リエチレンが感圧記録層に接するように、ポリプロピレ
ンが被覆基材と接するように、溶融した熱可塑性樹脂の
両側から挟み込むように圧着して、感圧記録シートと不
透明被覆シートを一体化して目的の積層感圧記録シート
を得た。
【0066】比較例5 感圧記録紙として、実施例1と同様の自己発色性感圧記
録紙を使用した。透明ラミネート層及び着色ラミネート
層として溶融共押し出しダイを用いて低密度ポリエチレ
ンを15μmと青染料(日本化薬製、カヤセットブル
ー)10重量%と酸化チタン10重量%を含む低密度ポ
リエチレンを15μmを同時に溶融押し出しし、透明低
密度ポリエチレンが感圧記録層に接するように、着色低
密度ポリエチレンが被覆基材と接するように、溶融した
熱可塑性樹脂の両側から挟み込むように圧着して、感圧
記録シートと不透明被覆シートを一体化して目的の積層
感圧記録シートを得た。
【0067】[発色性]それぞれの感圧記録シートの発
色濃度は、不透明被覆シートの上に更に1枚の感圧上用
紙(三菱製紙製、NCR上用紙CBN50)を重ね合わ
せてからインパクトプリンターにより一定加重を加えて
印字し、その後不透明被覆シートを剥離して発色印字面
を露出させ、発色濃度をマクベス反射濃度計で測定し
た。ラミネート前の自己発色性感圧記録紙の発色濃度を
基準に、相対値で95%以上を優、90%以上95%未
満を並、90%未満を劣とした。
【0068】[地肌カブリ]それぞれの感圧記録シート
の地肌カブリは、不透明被覆シートを剥離して熱可塑性
樹脂ラミネート層を露出させ、地肌の光学濃度をマクベ
ス反射濃度計で測定した。ラミネート前の自己発色性感
圧記録紙の地肌の光学濃度を基準に、0.01ポイント
以下の増加を優、0.01ポイントより大で0.03ポ
イント以下を並、0.03ポイントよりも大きい増加を
劣で判定した。
【0069】[秘守性]それぞれの感圧記録シートの不
透明被覆シートの上に更に1枚の感圧上用紙(三菱製紙
製、NCR上用紙CBN50)を重ね合わせてからイン
パクトプリンターにより平均3mm角の文字を印字し、
その後不透明被覆シートを剥離しないままで内部発色文
字の解読を行った。解読率を総印字文字数に対する解読
可能な文字数(%表示)で表した。解読率は低いほど良
好な秘守性を持っている。
【0070】[剥離性]それぞれの感圧記録シートの剥
離性は、30mm幅に裁断したサンプルの不透明被覆シ
ートのみにカットをいれ、不透明被覆シートを透明ラミ
ネート層から剥離して評価を行った。感圧記録層に影響
を及ぼすことなく不透明被覆シートが容易に剥離できた
場合を優、不透明被覆シートの剥離はできるがやや剥離
が重く、感圧記録層に発色が生じる場合を並、剥離時に
不透明被覆シートが剥離できないか、不透明被覆シート
が破壊されてしまうほど剥離が重い場合を劣で判定し
た。
【0071】
【表1】
【0072】上記表1において、実施例1〜4で作製し
た積層感圧記録シートは、透明ラミネート層は感圧記録
層に十分に接着し、剥離時において不透明被覆シートの
みがきれいに剥離し、且つ不透明被覆シートは均一で良
好な剥離性を有し、着色ラミネート層は被覆基材に接着
したままであった。不透明被覆シートを剥離したあとの
感圧記録層はいずれも発色性が良好で、不透明被覆シー
トを剥離した場合の地肌カブリもなく、一度剥離して情
報を開示すると、再度接着しない秘守特性を有するもの
であった。積層感圧記録シートは、その表面(被覆基材
側)、裏面(感圧記録シートの非感圧記録層側)に地紋
印刷等の目隠しを設けなくても不透明被覆シートを剥離
するまでは、内部の記録が着色ラミネート層の効果によ
り透視防止ができ、内部の記録を解読することはできな
かった。このため、積層感圧記録シートの表面、裏面は
地紋印刷の必要がなく、見苦しくないばかりか情報の書
き込みが可能である。
【0073】これに対して、比較例で作製した積層感圧
記録シートは、被覆基材を有さないラミ感圧記録シート
が秘守性を有さないのは自明として、着色ラミネート層
を使用しない透明ラミネート層のみで被覆基材と感圧記
録層を接着した場合は、感圧記録層の発色感度が良好で
あるほど被覆基材を積層してあっても透けて内部の記録
が見えるという秘守性の低いものであった。被覆基材の
片面に地紋印刷すればかなりな透視防止の効果が得られ
るが、見苦しいばかりでなく、積層感圧記録シートの表
裏の情報記録面が無くなってしまい、情報伝達量が著し
く減少するものであった。透明ラミネート層の代わりに
着色ラミネート層により被覆基材と感圧記録層を接着し
た場合は、透視防止効果はあり秘守性の高いものであっ
たが、被覆基材を剥離すると着色ラミネート層が感圧記
録層上に残るため、甚だ記録が読みにくいものであり、
記録シートとして使用できないものであった。着色ラミ
ネート層と被覆基材を剥離することも可能であるが、剥
離時に感圧記録層が発色してしまい、やはり記録シート
として使用できないものであった。
【0074】
【発明の効果】本発明の感圧記録シートにおいては、感
圧記録層と不透明被覆シートが熱可塑性樹脂ラミネート
層により一体化され、不透明被覆シートを軽い力で透明
ラミネート層及び感圧記録層を有する支持体と分離(剥
離)できる。感圧記録した情報を外部に公開、露出する
ことなく取り扱うことができ、且つ必要に応じて不透明
被覆シートを剥離することにより、内部に感圧記録した
情報を読むことができる。不透明被覆シートが積層され
ている状態では、高い不透明性を有するため内部の記録
を透視することができず、秘守性が良好である。このた
め、記録シートの表裏等に透視防止用の地紋印刷等を設
けずに済み、美麗であるばかりでなく、情報伝達面積を
大きくとれる。更に、一度開示した情報は、再度隠蔽で
きない(再接着防止性)という特徴を有し、連続伝票
用、貼り付け伝票、ラベル、葉書等の通信文、記録用、
無塵記録紙等多くの用途にもちいることができる実用的
意義の大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感圧記録シートの断面図
【符号の説明】
1 被覆基材 2 着色ラミネート層 3 透明ラミネート層 4 自己発色性感圧記録層 5 支持体 6 不透明被覆シート 7 感圧記録シート 8 ラミ感圧記録シート 9 積層感圧記録シート
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年8月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】熱可塑性樹脂ラミネート層を構成する熱可
塑性樹脂としては、ポリエチレン(低密度、中密度、高
密度、線状低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、ポ
リトリメチルペンテン、ポリブテン、ポリエステル、ポ
リスチレン、ポリアミド、エチレン酢酸ビニル共重合
体、エチレンエチルアクリレート共重合体、エチレンア
クリル酸共重合体、エチレンアクリル酸メチル共重合
体、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレンメタ
アクリル酸共重合体及びその塩、塩化ビニル、塩化ビニ
リデン等の汎用溶融押し出し樹脂を単独で、或は混合し
て用いることができる。混合方法には特に制限はなく、
任意の方法を用いることができる。例えば、混練機用押
し出し機、加熱練りロール、バンバリーミキサー、ニー
ダー等を用いて所定量の熱可塑性樹脂、そして必要に応
じて各種の添加剤(剥離剤、滑り剤、顔料、酸化防止
剤、中和剤等)を加えて溶融混合したのち、その混合物
を粉砕、ペレット化する方法、又は押し出し機にいわゆ
る単純ブレンドのままの状態で直接投入して押し出しコ
ーティングする方法、或は片方の熱可塑性樹脂の重合時
に他の成分を共重合させて得られた混合樹脂を使用する
方法等を利用することができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】一般に、熱可塑性樹脂ラミネートを行う場
合に、被着体と熱可塑性樹脂とは物理的なアンカー効果
で、或は弱い水素結合を中心として接着している。当
然、被着体へのアンダコート処理、或は反応性熱可塑性
樹脂を用いることにより、熱可塑性樹脂と被着体の間に
化学結合の割合を増加させ、接着性を改良することは可
能である。熱可塑性樹脂ラミネート層と被着体との接着
強度は、このようなアンカー効果、水素結合や化学結合
の割合を変化させることにより強めたり弱めたりするこ
とが可能である。即ち、接着強度を増加させるには、溶
融ラミネート時の樹脂温度や被着体温度を増加させた
り、被着体表面を粗くしたり、ラミネート時のプレス圧
を増加してアンカー効果を高めたり、被着体にコロナ処
理、フレーム処理、紫外線照射、オゾン処理等の前処理
を行って極性基を導入し、水素結合の割合を増やすこと
により達成される。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の片面に双方又は一方がマイクロ
    カプセル化されている発色剤又は顕色剤をそれぞれ単独
    で積層或は混合して塗設した感圧記録層を設け、更にそ
    の上に熱可塑性樹脂からなる透明ラミネート層を設けた
    ラミ感圧記録シートと、被覆基材の片面に熱可塑性樹脂
    からなる着色ラミネート層を設けた不透明被覆シートと
    を、該透明ラミネート層と該着色ラミネート層とが重な
    り合うように一体化され、該透明ラミネート層と該着色
    ラミネート層との間で剥離可能とした積層感圧記録シー
    ト。
  2. 【請求項2】 着色熱可塑性樹脂ラミネート層中に、白
    色顔料を含有してなる請求項1記載の積層感圧記録シー
    ト。
  3. 【請求項3】 着色熱可塑性樹脂ラミネート層中に、有
    色染料又は有色顔料を含有してなる請求項1又は2記載
    の積層感圧記録シート。
  4. 【請求項4】 支持体の片面に、双方又は一方がマイク
    ロカプセル化されている発色剤又は顕色剤をそれぞれ単
    独で積層或は混合して単層の感圧記録層を設けて感圧記
    録シートを作製し、該感圧記録層上に透明熱可塑性樹脂
    を溶融押し出し、透明ラミネート層を設けてラミ感圧記
    録シートとし、該透明ラミネート層を冷却固化して後
    に、該ラミ感圧記録シートの透明ラミネート層側と被覆
    基材との中間に、着色熱可塑性樹脂を溶融押し出して、
    ラミ感圧記録シートと、被覆基材と着色ラミネート層よ
    りなる不透明被覆シートとを剥離可能に貼り合わせて製
    造する積層感圧記録シートの製造方法。
  5. 【請求項5】 被覆基材の片面に着色熱可塑性樹脂を溶
    融押し出し、着色ラミネート層を設けて不透明被覆シー
    トとし、該着色ラミネート層を冷却固化、一方、支持体
    の片面に双方又は一方がマイクロカプセル化されている
    発色剤又は顕色剤をそれぞれ単独で積層或は混合して単
    層の感圧記録層を設けて感圧記録シートとし、該不透明
    被覆シートの着色ラミネート層側と該感圧記録シートと
    の中間に透明熱可塑性樹脂を溶融押し出して、該透明熱
    可塑性樹脂からなる透明ラミネート層を感圧記録シート
    に設けてラミ感圧記録シートと、該不透明被覆シートと
    を剥離可能に貼り合わせて製造する積層感圧記録シート
    の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002024434A1 (fr) * 2000-09-21 2002-03-28 Toray Industries, Inc. Procede de fabrication d'une feuille, dispositif et programme permettant de reguler l'epaisseur d'une feuille et feuille ainsi obtenue
JP2003089146A (ja) * 2000-09-21 2003-03-25 Toray Ind Inc シートの製造方法およびシート厚み制御装置

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US6856855B2 (en) 2000-09-21 2005-02-15 Toray Industries, Inc. Method of manufacturing sheet, device and program for controlling sheet thickness, and sheet

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