JPH08183246A - 積層型感圧記録シート及びその製造方法 - Google Patents

積層型感圧記録シート及びその製造方法

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JPH08183246A
JPH08183246A JP6328904A JP32890494A JPH08183246A JP H08183246 A JPH08183246 A JP H08183246A JP 6328904 A JP6328904 A JP 6328904A JP 32890494 A JP32890494 A JP 32890494A JP H08183246 A JPH08183246 A JP H08183246A
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JP
Japan
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sensitive recording
pressure
layer
recording sheet
sheet
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JP6328904A
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English (en)
Inventor
Takaaki Komatsu
孝章 小松
Sukeji Wakaura
資治 若浦
Yuji Iguchi
裕二 井口
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 初期及び経時剥離性が良好な積層型感圧記録
シートを提供する。 【構成】 支持体の片面に双方又は一方がマイクロカプ
セル化されている発色剤又は顕色剤をそれぞれ単独で積
層或は混合して単層の感圧記録層を設け、更にその上に
熱可塑性樹脂からなる表面ラミネート層を設けたラミネ
ート感圧記録シートと、被覆用基材の片面に熱可塑性樹
脂からなる裏面ラミネート層を設けた不透明被覆シート
とからなり、該表面ラミネート層と該裏面ラミネート層
を剥離可能に積層し、該表面ラミネート層表面又は該裏
面ラミネート層表面の一方が、20℃の水との接触角が
85度未満である積層型感圧記録シート及びその製造方
法。 【効果】 不透明被覆シートと感圧記録シートの剥離性
が、均一で経時的にも安定であり、剥離不能に接着した
り、不必要に分離したりしない。又、加圧により内部の
感圧記録部に情報を記録でき、剥離した不透明被覆シー
トは再度接着することはなく、透視防止機能を併せ持
つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層型の感圧記録シー
トに関するもので、支持体上に設けた単一形態の自己発
色性の感圧記録層上に表面ラミネート層を設け、不透明
被覆シートの裏面ラミネート層を介して不透明被覆シー
トと積層した内部発色性の積層型感圧記録シートであ
り、表面ラミネート層と裏面ラミネート層の界面で剥離
性を有し、記録の非露出性、耐水性、耐薬品性、耐油
性、耐擦傷性を有する型の記録シートとして、優れた印
字記録性と透視防止性を有し、再接着防止性、情報保持
性に優れた性能を有する伝票、郵便物、通信文、遊興
品、クリーンルーム用記録用紙として使用できる積層型
感圧記録シートである。
【0002】
【従来の技術】本発明に用いられる感圧記録層は、自己
発色性感圧記録型で、いわゆるノーカーボン複写紙から
発展したものであり、製品形態としては自己発色性感圧
記録シート又はセルフコンティンドペーパーとも呼ばれ
ている。本発明においては、特に明示しない限り自己発
色性感圧記録シートを単に感圧記録シートと称する。
又、本発明においては、特に明示しない限り自己発色性
感圧記録層を単に感圧記録層と称する。その構成は、無
色染料(以下、発色剤と称する)を内包するマイクロカ
プセルの塗料を支持体に塗設する工程と、更にその塗設
上に酸性白土、フェノール樹脂、有機酸性物質等の電子
受容性物質(以下、顕色剤と称する)を塗設する工程と
の都合2工程からなる2層塗布による製造方法(塗布順
序を逆にしたものも含む)や、上記2成分又はいずれか
1成分をマイクロカプセル化して、均一に混合して1層
塗布による製造方法(特公昭47−16096号公報)
が知られている。このような感圧記録シートは、発色剤
と顕色剤が近傍に存在するため、発色濃度の高い印字像
が得られやすいが、製造時や取扱い時の摩擦等による意
図しない不本意な発色汚れが発生しやすいという問題を
有する。なお、発色剤を塗布したシートと、顕色剤を塗
布したシートを重ね合わせて感圧発色させるシステム
は、本発明の自己発色性の感圧記録と区別して、分離型
の感圧記録シートと称する。
【0003】感圧記録シートは、その使用される条件に
おいて、実用上の必要な発色性能と不必要な発色汚れの
抑制とを両立させなければならない宿命にあり、従来か
ら発色性と発色汚れという相反する性質の両方を満足さ
せるための努力が払われている。更に、感圧記録シート
において、感圧記録した情報は、必然的に衆目に晒され
る公開性の高いものであり、情報内容を隠ぺいしたい場
合には、別途袋に入れる等しなければならなかった。
【0004】これまでに、例えば、感圧記録シートの記
録層上に、真空密着法によるラミネート層を設ける方法
(特公昭49−10857号公報)や、溶融ラミネート
法によるプラスチック層を有する記録シート(実開昭5
2−149709号公報)、及びこれらの保護層上に剥
離層を設ける等の例が知られている。しかし、現実的に
は、溶融ラミネートや貼り合わせにより保護層を設けた
場合においては、不必要な発色汚れの防止はできるもの
の、基本的に感圧記録部分が露出することを前提にして
いるため、記録の非公開性という問題は解決し得なかっ
た。
【0005】又、感圧記録シートの記録層上にヒートシ
ール性或は熱可塑性樹脂被覆層を設け、裏面にホットメ
ルトタイプ或は熱可塑性タイプのヒートシール性接着剤
を塗布した不透明被覆シートと重ね合わせ、熱プレスす
ることにより一体化する方法(実開平2−2173号公
報、同3−116974号公報等)があるが、一体化す
るほど熱プレスすると感圧記録層の発色カブリを招き商
品価値がなくなるか、或は接着力よりはるかに弱い粘着
力を持つ樹脂を用い、軽いプレスで粘着力により一体化
を行う以外になかった。このタイプの感圧記録シート
は、記録の隠ぺい性はあるものの、例えば再圧着するの
みで簡単に再接着できるため、記録の秘守性の低いもの
であった。
【0006】更に、近年になって、感圧記録シートと不
透明被覆シートを熱可塑性樹脂により一体化する方法
(特開平5−278175号公報)及び同じく感圧記録
シートと不透明被覆シートとを実質的に2層の熱可塑性
樹脂層により一体化する方法(特開平5−307362
号公報)が開示されている。しかしながら、これらの方
法においては、感圧記録シートと不透明被覆シートをそ
れぞれ異なる接着性で熱可塑性樹脂と接着させねばなら
ず、剥離トラブルが問題となる。ここでいう剥離トラブ
ルとは、熱可塑性樹脂を感圧記録シートに強接着にする
と、不透明被覆シートが剥がし難く、又、弱接着とする
と感圧記録シートとの接着性も弱くなり、不透明被覆シ
ートを剥離しようとすると感圧記録シートからも熱可塑
性樹脂層が無用に剥離する現象や、感圧記録シートと不
透明被覆シートに対する接着バランスがとれた場合で
も、経時によって不透明被覆シートとラミネート層との
剥離性が変わって剥離し難くなったり剥離しなくなった
りする現象を指す。
【0007】本来、生産工程上からみれば、溶融ラミネ
ート時の樹脂温度やプレス圧等は、接着強度を増加させ
たい感圧記録層側と、接着強度を比較的低く保ちたい不
透明被覆シート側で同時に大きく変えることは無理であ
り、基本的には感圧記録層側の接着強度が小さすぎない
ように樹脂温度、プレス圧等を高めに設定せざるを得な
い。このような条件下では、不透明被覆シート側にコロ
ナ処理等の前処理をしない場合でもかなり高い接着強度
となり、不透明被覆シートの剥離が非常に重いとか、不
透明被覆シートを剥離する場合に感圧記録層が発色する
等というトラブルがあった。又、この方法においては、
不透明被覆シートを剥離する場合の剥離性がバラツキや
すいという問題を有していた。これは、多分に不透明被
覆シートが多くの場合にパルプよりなる紙より形成され
るために、熱可塑性樹脂ラミネート層と接する面が一様
でないという理由に基づくものと考えられる。
【0008】特に、不透明被覆シートの熱可塑性樹脂ラ
ミネート層と接する面がパルプを主成分とする紙の場
合、180度剥離試験の平均値は許容範囲に収まるよう
な接着強度であっても、ミクロ的に見るとパルプ繊維の
凹凸による影響と思われるが許容接着強度を上回る部分
がある。このようなミクロな過大接着強度は、不透明被
覆シートの剥離自体にはほとんど影響しないものの、対
応する箇所の感圧記録層を発色させる場合があり、記録
シートとして好ましいものではない。このようなミクロ
な過大接着を避けるために、ラミネート時のプレス圧を
低下させたりすると不透明被覆シートの接着性自体が悪
化し、不透明被覆シート剥がれという製品として致命的
な欠陥を引き起こすものであった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、不透明被覆シートを有する感圧記録シートにおいて
その本来の発色性を犠牲にすることなく、情報の非公開
性を有し、一旦剥離した不透明被覆シートは再接着しな
い秘守性を有し、実際の使用に際しては熱可塑性樹脂ラ
ミネート層の感圧記録層或は被覆用基材への接着性が良
好で、且つ該接着性と、不透明被覆シートの剥離性のバ
ランスがとれ、剥離性は製造直後及び長期経時後で安定
で、記録の改変、汚染を防止し、記録された内容を被覆
用基材を剥離することなく解読することが困難な積層型
感圧記録シートを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
について鋭意検討を行った結果、以下の解決法を見いだ
すに至った。
【0011】すなわち、支持体の片面に双方又は一方が
マイクロカプセル化されている発色剤又は顕色剤をそれ
ぞれ単独で積層或は混合して塗設してなる自己発色性の
感圧記録層上に熱可塑性樹脂からなる表面ラミネート層
を設けてなるラミネート感圧記録シートと、被覆用基材
の片面に熱可塑性樹脂からなる裏面ラミネート層を設け
てなる不透明被覆シートとからなり、該表面ラミネート
層と該裏面ラミネート層の間で剥離可能に一体化してな
る積層型感圧記録シートにおいて、該表面ラミネート層
表面又は該裏面ラミネート層表面の一方が、20℃の水
との接触角が85度未満であることを特徴とする積層型
感圧記録シートの発明である。
【0012】以下、本発明の詳細を説明する。本発明の
積層型感圧記録シートにおいては、支持体上に自己発色
性の感圧記録層を有する感圧記録シートの記録層側に表
面ラミネート層を設けてラミネート感圧記録シートと
し、裏面ラミネート層及び被覆用基材とからなる不透明
被覆シートとを剥離可能に積層することにより、透視防
止性を有し、且つ感圧記録シートとも不透明被覆シート
とも接着性が良好で、必要時には不透明被覆シートを容
易に剥離することが可能で、剥離後はラミネート感圧記
録シートに印字記録された内容を容易に判読できる感圧
記録性シートを提供するものである。以後、感圧記録シ
ートの表面ラミネート層(以下、表面ラミネート層と称
する)と被覆用基材側の裏面ラミネート層(以下、裏面
ラミネート層と称する)を区別して呼ぶ場合の他は、両
方の総称として熱可塑性樹脂ラミネート層という表現を
用いる。厳密には、ポリオレフィン樹脂等を基材上に1
層設ける場合はコーティングであるが、便宜上このよう
な場合もすべてラミネート、或はラミネート層と称す
る。
【0013】本発明においては、自己発色性の感圧記録
シート或は被覆用基材に剥離処理を施すことは不要であ
り、高い生産性及び秘守性を与えるものである。
【0014】本発明の積層型感圧記録シートを製造する
には、支持体の片面に、双方又は一方がマイクロカプセ
ル化されている発色剤又は顕色剤をそれぞれ単独で積層
或は混合して単層の感圧記録層を設けて感圧記録シート
を作製し、該感圧記録層上に熱可塑性樹脂を溶融押し出
しし、表面ラミネート層を設けてラミネート感圧記録シ
ートとし、該表面ラミネート層を冷却した後に、20℃
の水との接触角が85度未満となるようにラミネート感
圧記録シート表面に表面処理を施し、該ラミネート感圧
記録シートの表面ラミネート層側と被覆用基材との中間
に、熱可塑性樹脂を溶融押し出しして、ラミネート感圧
記録シートと、被覆用基材と裏面ラミネート層よりなる
不透明被覆シートとを剥離可能に貼り合わせて製造する
方法をとることができる。
【0015】或は、被覆用基材の片面に熱可塑性樹脂を
溶融押し出しした後に冷却固化して裏面ラミネート層を
設けた不透明被覆シートを形成し、20℃の水との接触
角が85度未満となるように不透明被覆シートの裏面ラ
ミネート層表面に表面処理を施し、一方、支持体の片面
に双方又は一方がマイクロカプセル化されている発色剤
又は顕色剤をそれぞれ単独で積層或は混合して単層の感
圧記録層を設けて感圧記録シートとし、該不透明被覆シ
ートの裏面ラミネート層側と該感圧記録シートとの中間
に熱可塑性樹脂を溶融押し出しして、熱可塑性樹脂から
なる表面ラミネート層を感圧記録シートに設けて、ラミ
ネート感圧記録シートと該不透明被覆シートとを剥離可
能に貼り合わせて製造する方法をとることができる。
【0016】本発明の積層型感圧記録シートは、表面ラ
ミネート層と自己発色性の感圧記録層間、および裏面ラ
ミネート層と被覆用基材間との接着強度より十分に表面
ラミネート層と裏面ラミネート層間の接着強度を小さく
することにより、剥離する場合には表面ラミネート層と
裏面ラミネート層の界面で分離され、ラミネート感圧記
録シートと不透明被覆シートとに剥離できる。表面ラミ
ネート層と裏面ラミネート層間の接着強度は、表面ラミ
ネート層と自己発色性の感圧記録層間、および裏面ラミ
ネート層と被覆用基材間との接着強度よりも小さければ
剥離はラミネート層間でおこるが、テンシロン万能引っ
張り試験機における180度剥離強度(剥離速度:30
0mm/分)において40gf/30mm以上、好まし
くは60gf/30mm以上の差をもって小さければ、
積層型感圧記録シートを剥離する場合に問題なく表面ラ
ミネート層と裏面ラミネート層の間で剥離することが可
能である。
【0017】また感圧記録層と表面ラミネート層の接着
強度、或は被覆用基材と裏面ラミネート層の接着強度
は、テンシロン万能引っ張り試験機における180度剥
離試験(剥離速度:300mm/分)において、200
gf/30mm以上の接着強度(剥離強度)であること
が好ましい。熱可塑性樹脂ラミネート層の接着強度がこ
の範囲以下であると、記録、搬送等の途中で剥離トラブ
ルが起こる場合がある。又、この範囲以上であれば、表
面ラミネート層を無理に剥離したような場合でも感圧記
録層が発色し、剥離の事実が判明するため接着強度とし
ては十分である。
【0018】ラミネート層間の接着強度は、原理的には
感圧記録シート側のラミネート層と感圧記録層との接着
強度以下及び被覆用基材側のラミネート層と被覆用基材
の接着強度以下であれば、不透明被覆シートとラミネー
ト感圧記録シートとを剥離できるが、あまりに接着強度
が接近しすぎると感圧記録シート側のラミネート層が感
圧記録層から浮く(部分的に剥離する)というトラブル
が生じたり、不透明被覆シートを剥離する場合に感圧記
録層が発色したり、不透明被覆シートの厚み如何によっ
ては不透明被覆シートが剥離時に破壊したりというトラ
ブルが生じることがある。このようなトラブルは、不透
明被覆シートの厚みや種類、熱可塑性樹脂ラミネート層
の厚み、或は感圧記録層の発色性により発生する接着強
度が異なるが、テンシロン万能引っ張り試験機における
180度剥離試験において、160gf/30mmより
小さい接着強度(剥離強度)であることが好ましい。接
着強度を160gf/30mm未満に制御するために
は、熱可塑性ラミネート樹脂種、ラミネート温度、プレ
ス圧等を適宜選択してもよいし、或いは順序として先に
ラミネートを施すラミネート表面に離型処理を施しても
よい。
【0019】一方、ラミネート層間の接着強度が小さす
ぎる場合は、積層型感圧記録シート取り扱い時に不必要
な剥離が生じるため、テンシロン万能引っ張り試験機に
おける180度剥離試験において、20gf/30mm
以上の接着強度(剥離強度)であることが好ましい。接
着強度を20gf/30mm以上にするためには、表面
ラミネート層、又は裏面ラミネート層のうち、順序とし
て先にラミネートを施す一方の表面が、20℃の水との
接触角が85度未満であることが必要となる。又、85
度未満であれば、20℃の水との接触角の下限は特に規
制されるものではない。
【0020】20℃の水との接触角を85度未満に制御
する方法は、ラミネート面に表面処理を行うことで成し
遂げられる。表面処理の具体的方法としては、例えばコ
ロナ処理、オゾン処理、フレーム処理、紫外線照射処
理、電子線照射処理、電気表面処理、薬品処理、機械的
処理、等が挙げられるが、これらの中では、効果的且つ
工程的に容易なコロナ処理又はオゾン処理が好ましい。
【0021】単層のラミネート層のみで感圧記録シート
と被覆用基材を積層することは技術的に可能ではある
が、この方法を採った場合、剥離部はラミネート層と感
圧記録層の界面、又はラミネート層と被覆用基材の界面
に位置することになる。このような場合は、剥離不能で
あったり、剥離困難であったりするばかりか、剥離後に
は感圧記録シート上に無用の発色汚れが発生したりす
る。これを避けるためには、例えば、不透明被覆シート
裏面に離型剤処理を施す方法等が考えられるが、剥離性
の制御が困難であったり、工程的に不利であったりす
る。しかしながら、本発明のように剥離部が積層された
2層のラミネートの界面に存在する場合は、剥離が容易
で、剥離後の無用な発色汚れも起こらないという特徴が
ある。
【0022】熱可塑性樹脂ラミネート層を構成する熱可
塑性樹脂としては、ポリエチレン(低密度、中密度、高
密度、線状低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、ポ
リトリメチルペンテン、ポリブテン、ポリエステル、ポ
リスチレン、ポリアミド、エチレン酢酸ビニル共重合
体、エチレンエチルアクリレート共重合体、エチレンア
クリル酸共重合体、エチレンアクリル酸メチル共重合
体、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレンメタ
アクリル酸共重合体又はその塩、塩化ビニル、塩化ビニ
リデン等の汎用溶融押し出し樹脂を単独で、或は混合し
て用いることができる。混合方法には特に制限はなく、
任意の方法を用いることができる。例えば、混練機用押
し出し機、加熱練りロール、バンバリーミキサー、ニー
ダー等を用いて所定量のポリオレフィン樹脂、そして必
要に応じて各種の添加剤(剥離剤、滑り剤、顔料、酸化
防止剤、中和剤等)を加えて溶融混合したのち、その混
合物を粉砕、ペレット化する方法、又は押し出し機にい
わゆる単純ブレンドのままの状態で直接投入して押し出
しコーティングする方法、或は片方のポリオレフィン樹
脂の重合時に他の成分を共重合させて得られた混合樹脂
を使用する方法等を利用することができる。
【0023】表面ラミネート層に用いる熱可塑性樹脂と
裏面ラミネート層に用いる熱可塑性樹脂は同一のもので
あっても構わないが、融点の差が5℃以上ある方が均一
な剥離性を得る上でより好ましい。融点の差が5℃未満
では、高温度でラミネートを行う際に表面ラミネート層
と裏面ラミネート層とが必要以上の接着強さで積層され
る場合があったり、幅方向において剥離強度の強弱が生
じ、剥離感にバラツキが生じる場合がある。熱可塑性樹
脂の融点の差がある場合には、ラミネートの順番は、高
融点の樹脂を先にラミネートし、低融点の樹脂で貼合せ
を行う方が剥離の安定性の面からより好ましい。
【0024】表面ラミネート層の厚みは10〜30μm
の範囲とすることにより、感圧記録層の発色性を低下さ
せることなく印字面の光沢、耐傷性、耐摩擦性を向上さ
せるばかりでなく、裏面ラミネート層を有する不透明被
覆シートに対して剥離する剥離層として機能する。表面
ラミネート層の厚みがこの範囲より薄いと、不透明被覆
シートを剥離した場合に、感圧記録層から表面ラミネー
ト層が剥離するラミネート層浮きが発生したり、感圧記
録層の地肌カブリが生じたりして記録の判読が困難とな
る場合がある。表面ラミネート層の厚みがこの範囲より
厚いと、感圧印字した場合に記録濃度が低下し記録用シ
ートとして好ましくない。
【0025】裏面ラミネート層の厚みは、感圧記録シー
トの表面ラミネート層の厚みと合計して制御されるべき
ものであるが、一般的に裏面ラミネート層の厚みも6〜
30μmが好ましく、この範囲より薄いと、不透明被覆
シートを剥離した場合に不透明被覆シートから裏面ラミ
ネート層が剥離するラミネート層浮きが発生する場合が
ある。裏面ラミネート層の厚みがこの範囲より厚いと、
感圧印字した場合に記録濃度が低下し記録用シートとし
て好ましくない。
【0026】裏面ラミネート層には、必要に応じて、染
料、顔料、分散剤等を含有させることができる。
【0027】熱可塑性樹脂ラミネート層により感圧記録
シートと被覆用基材を積層するには一般の溶融押し出し
ダイ、Tダイを用いることができる。多層同時押し出し
ダイ(共押し出しTダイ等)を用いてもかまわないが、
表面ラミネート層と裏面ラミネート層とを同時に押し出
すのは両者の接着性が向上しすぎて後の剥離作業上、好
ましくない。溶融押し出しの前処理として、感圧記録層
或は被覆用基材にコロナ処理、フレーム処理、オゾン処
理等公知の接着性改良のための処理を行うことは何等差
し支えない。当然のことながら、貼合せ前のラミネート
層表面にこれらの表面処理を行い、不透明被覆シートの
接着性及び剥離性をコントロールすることができる。溶
融押し出しによる貼り合わせ時に、感圧記録層を有する
支持体及び不透明被覆シートのいずれを冷却ロール側
に、或はプレスロール側に位置させても差支えないが、
特に発色感度の高い感圧記録層を用いる場合において
は、プレスロール側を不透明被覆シートにする方が好ま
しい。
【0028】熱可塑性樹脂ラミネート層の厚みが一定範
囲内であり、かつ感圧記録層の発色性が高い感圧記録シ
ートを用いた場合においては、不透明被覆シート及び熱
可塑性樹脂ラミネート層を設けても、感圧記録時におい
て高い発色濃度が得られ、印字面の光沢、耐傷性、耐摩
擦性に優れ、また、不透明被覆シートにより感圧記録し
た情報を外部に公開、露出することなく取り扱うことが
でき、且つ必要に応じて不透明被覆シートを剥離するこ
とにより、内部に感圧記録した情報を読むことができ
る。さらに、一度開示した情報は、再度隠蔽できない
(再接着防止性)という特徴を有する。
【0029】本発明の感圧記録シートに用いられる支持
体、及び不透明被覆シートに用いられる被覆用基材とし
ては、グラシン紙、上質紙、アート紙、コーテッド紙、
キャスト紙等の一般紙を用いることができ、木材パル
プ、合成パルプ、填料、紙力増強剤、サイズ剤、染料
等、通常抄紙で用いられる原材料を必要に応じて使用す
ることが可能である。又、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリメチルペンテン等
のプラスチックシート、又はこれらの合成繊維からなる
合成紙や不織布、又は合成樹脂を紙に片面にラミネート
したラミネート紙、金属箔、又は金属箔と紙の貼り合わ
せ品、蒸着紙、ホログラム処理を施した不透明シート、
合成樹脂フィルムとの貼り合わせ品、マイカ紙、ガラス
ペーパー等も使用可能である。これらの支持体は、無機
顔料或は有機顔料、インク、トナー等により不透明化す
ることができる。
【0030】本発明の方法において、支持体及び不透明
被覆シートとして有利に用いられる天然パルプ(故紙パ
ルプを含む)を主成分とする原紙には、デンプン、デン
プン誘導体(カチオン化デンプン、リン酸エステル化デ
ンプン、酸化デンプン等)、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルアルコール誘導体(完全ケン化、部分ケン化、
カルボキシ変性、カチオン変性、その他の各種変性ポリ
ビニルアルコール)、ポリアクリルアミド、ゼラチン
(アルカリ処理、酸処理、各種変性ゼラチン)、スター
ガムやアルギン酸誘導体等の天然高分子多糖類などの各
種高分子化合物、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、安
定剤、顔料、染料、酸化防止剤、蛍光増白剤、各種ラテ
ックス、無機電解質(塩化ナトリウム、硫酸ナトリウ
ム、リン酸ナトリウム、塩化カルシウム、塩化リチウ
ム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化バリウ
ム等)、pH調整剤、硫酸バンドや塩化アルミ等の定着
剤、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー等の填
料、有機導電剤等の添加剤を適宜組み合わせて含有させ
ることができる。
【0031】本発明に利用し得る感圧記録層について
は、特に制限されることなく、従来から公知のものを使
用できる。例えば、マイクロカプセル化の方法やマイク
ロカプセルの壁材、発色剤や発色剤を溶解する油、或は
顕色剤、電子線硬化性樹脂、マイクロカプセル保護剤等
である。マイクロカプセル化法としては、コアセルベー
ション法(米国特許2800458号明細書等)、界面
重合法(特公昭47−1763号公報等)、インサイチ
ュー重合法(特開昭51−9079号公報等)等が使用
できる。
【0032】マイクロカプセルの壁材としては、ポリウ
レタン、ポリ尿素、エポキシ樹脂、尿素/ホルマリン樹
脂、メラミン/ホルマリン樹脂等が使用できる。
【0033】発色剤としては、トリアリルメタン系化合
物、ジアリールメタン系化合物、キサンテン系化合物、
チアジン系化合物、スピロピラン系化合物等が使用で
き、一般に感圧記録材料や感熱記録材料に用いられてい
るものであれば、特に制限されない。
【0034】発色剤を溶解する油としては、ジアリール
アルカン系、アルキルナフタレン系、アルキル化ビフェ
ニル、水添ターフェニルの如き芳香族合成油、ケロシ
ン、ナフサ、パラフィン油、塩素化パラフィンの如き脂
肪族合成油、綿実油、大豆油、亜麻仁油の如き植物油等
が使用できる。
【0035】マイクロカプセルの保護剤としては、セル
ロース粉末、デンプン粒子、タルク、焼成カオリン、炭
酸カルシウム等が使用できる。
【0036】顕色剤としては、粘土類(例えば、酸性白
土、アタパルジャイト等)、有機酸(例えば、サリチル
酸の如き芳香族カルボキシ化合物、又はこれらの金属塩
等)、有機酸と金属化合物の混合物、酸性重合体(例え
ば、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、サリチル酸系
樹脂、又はこれらの金属塩等)等が使用できる。
【0037】本発明において、感圧記録層の形成に使用
されるバインダーとしては、デンプン類、ヒドロキシエ
チルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導
体、カゼイン、ゼラチン等のプロテイン、酸化デンプ
ン、エステル化合物デンプン等のサッカロースの如き水
性天然高分子化合物、ポリビニルアルコール、変性ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリ
ル酸、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸アミド/アク
リル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル
酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無
水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、ラテックス、ポリ
アクリルアミド、スチレン/無水マレイン酸共重合体等
の如き水溶性合成高分子化合物やラテックス類、エチレ
ン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性電
子線硬化性樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリ
アクリル酸エステル、スチレン/ブタジエン共重合体、
アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メ
チル/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジ
エン/アクリル酸共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重
合体等のラテックス等が挙げられる。
【0038】感圧記録層に使用される顔料としては、ケ
イソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸
化ケイ素、水酸化アルミニウム、尿素−ホルマリン樹脂
等が挙げられる。
【0039】その他に、助剤としてステアリン酸亜鉛、
ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフ
ィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレ
ン、ステアリン酸アミド、カスターワックス等のワック
ス類、又、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、スル
ホン酸変性ポリビニルアルコール等の分散剤、ベンゾフ
ェノン系、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、更
に界面活性剤、蛍光染料等が必要に応じて添加される。
【0040】本発明の感圧記録シートにおいて、感圧記
録層の形成方法としては、ブレード塗工法、エアナイフ
塗工法、グラビア塗工法、ロールコーティング塗工法、
バー塗工法、落下カーテン塗工法等の公知の塗工方法が
利用可能である。感圧記録層は平滑化処理をすることが
好ましい。
【0041】更に、カール防止のためにバックコートを
施したり、ジャミング防止のために導電処理を行った
り、支持体と感圧記録層の間にアンダーコート層を設け
る等、感圧記録材料製造分野における各種の公知技術を
必要に応じて付加することができる。
【0042】又、本発明の構成として、高い発色濃度を
得る上で、支持体と感圧記録層との間に、炭酸カルシウ
ム、タルク、シリカ、クレー、硫酸バリウム、炭酸マグ
ネシウム、ケイ酸マグネシウム、硫酸鉛、鉛白、亜鉛
華、硫化亜鉛、サチン白、酸化チタン、酸化アンチモ
ン、雲母、ベントナイト、ケイ酸カルシウム、石膏、水
酸化アルミニウム等の無機顔料、又はポリスチレン、ポ
リビニルトルエン、スチレン/ジビニルベンゼン共重合
体、ポリメタクリル酸メチル、尿素/ホルムアルデヒド
重合体、ポリエチレン等の微粒子状有機顔料を含む下引
き層を設けることは何等差し支えない。
【0043】又、本発明の積層型感圧記録シートは、そ
の表面、感圧記録層面、感圧記録シート側のラミネート
層面、被覆用基材側のラミネート層面、不透明被覆シー
トの表面或は裏面、或は積層型感圧記録シートの裏面
に、感圧記録用の発色剤層又は顕色剤層或はその両方、
保護被覆層、剥離層、印刷層、地紋印刷層、トナー受理
層、インクジェット用インク受理層、感熱記録層、筆記
層、磁気記録層等を単独で、或は同時に設けることがで
きる。又、本発明の感圧記録シートは、他の感圧記録シ
ートあるいは分離型の感圧記録シート、裏カーボン複写
シート、粘着シート、印刷シート、透明フィルム等と組
合わせて一連の複写シートとして使用できる。本発明の
記録シートの一部、或は全部にダイカット等の加工、一
部の不透明被覆シートの分離、ミシン目、プリンター用
送り孔等の加工を施すことは何等差し支えない。
【0044】
【作用】本発明の積層型感圧記録シートは、ラミネート
感圧記録シートと不透明被覆シートが熱可塑性樹脂ラミ
ネート層により積層され、感圧記録層と感圧記録シート
側のラミネート層、或は被覆用基材と被覆用基材側のラ
ミネート層は強固に接着しているものの、2層のラミネ
ート層の界面は剥離可能な接着がなされているために、
不透明被覆シートをラミネート感圧記録シートから分離
(剥離)できる。2層のラミネート層うち、先にラミネ
ートを施す1層の表面の20℃の水との接触角を85度
未満とすることで、2層のラミネート層の界面の接着力
が弱すぎることなく制御でき、よって取扱中の無用な剥
離事故を防止でき、且つ経時後の剥離性も安定とするこ
とができる。感圧記録時の発色性、印字面の光沢、耐傷
性、耐摩擦性に優れ、又、感圧記録した情報を外部に公
開、露出することなく取り扱うことができ、且つ必要に
応じて不透明被覆シートを剥離することにより、内部に
感圧記録した情報を読むことができる。一旦、不透明被
覆シートを熱可塑性樹脂ラミネート層から分離した場
合、熱可塑性樹脂ラミネート層はすでに冷却、固化して
いるため容易に再接着することはなく、一度開示した情
報は、再度隠蔽できない。不透明被覆シートが積層され
ている状態では内部の記録を透視することができず、秘
守性が良好である、という特徴を有する。
【0045】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は、実施例に限られるものではない。
以下に示す部及び%のいずれも重量基準である。又、塗
抹量を示す値は、断わりのない限り乾燥後の塗抹量であ
る。全ての例において、感圧記録シートには、高感度自
己発色性の感圧記録紙(三菱製紙製、ダイヤセルフ、M
CD N100、坪量100g/m2)を、被覆用基材には
全て坪量64g/m2の上質紙を使用した。
【0046】実施例1 感圧記録面にコロナ処理を行った後、溶融押し出しダイ
によりポリプロピレン(昭和電工製 ショウアロマーL
R510 融点159℃)を厚み13μmでラミネート
を行い、ラミネート感圧記録シートとし、このラミネー
ト面にコロナ処理を施した(20℃の水との接触角:8
4.6度)。被覆用基材にコロナ処理を施し、被覆用基
材側のラミネート層として低密度ポリエチレン(日本ユ
ニカー製NUC8004 融点108℃)を溶融押し出
しダイにより13μmの厚みでラミネートしながら、同
時に2層のラミネート層が重なり合う方向にラミネート
感圧記録シートを圧着して、ラミネート感圧記録シート
と不透明被覆シートを積層して目的の積層型感圧記録シ
ートを得た。
【0047】実施例2 感圧記録面にコロナ処理を行った後、溶融押し出しダイ
により低密度ポリエチレン(日本ユニカー製 NUC8
004 融点108℃)を厚み15μmでラミネートを
行い、ラミネート感圧記録シートとし、このラミネート
面にコロナ処理を施した(20℃の水との接触角:8
2.0度)。被覆用基材にコロナ処理を施し、被覆用基
材側のラミネート層として低密度ポリエチレン(日本ユ
ニカー製NUC8004 融点108℃)を溶融押し出
しダイにより13μmの厚みでラミネートしながら、同
時に2層のラミネート層が重なり合う方向にラミネート
感圧記録シートを圧着して、ラミネート感圧記録シート
と不透明被覆シートを積層して目的の積層型感圧記録シ
ートを得た。
【0048】実施例3 被覆用基材にコロナ処理を施し、被覆用基材側のラミネ
ート層として低密度ポリエチレン(日本ユニカー製 N
UC8004 融点108℃)を溶融押し出しダイによ
り12μmの厚みでラミネートし不透明被覆シートと
し、このラミネート面にコロナ処理を施した(20℃の
水との接触角:82.1度)。感圧記録面にコロナ処理
を行った後、感圧記録シート側のラミネート層として溶
融押し出しダイにより低密度ポリエチレン(三菱化成工
業製 ペトロセン205 融点113℃)を厚み15μ
mでラミネートを行うと同時に2層のラミネート層が重
なり合う方向に不透明被覆シートを圧着して、ラミネー
ト感圧記録シートと不透明被覆シートを積層して目的の
積層型感圧記録シートを得た。
【0049】実施例4 実施例2において、ラミネート感圧記録シートに対する
表面処理方法をコロナ処理からオゾン処理に替えた(2
0℃の水との接触角:82.2度)以外は実施例2と同
様に作製して目的の積層型感圧記録シートを得た。
【0050】比較例1 感圧記録面にコロナ処理を行い、ラミネート層として溶
融押し出しダイを用いて低密度ポリエチレン(日本ユニ
カー製 NUC8004 融点108℃)を15μmと
なるようにラミネートを行いながら、被覆用基材(本例
の場合、被覆用基材即ち不透明被覆シートである)がラ
ミネート層と重なり合うように圧着することにより、感
圧記録シートと不透明被覆シートを積層して積層型感圧
記録シートを得た。ラミネート層表面の、20℃の水と
の接触角は86.1度であった。
【0051】比較例2 被覆用基材の片面に予め離型剤としてシリコーンエマル
ジョン(信越化学製、X−52−550B)を固形分量
で0.8g/m2塗布し、加熱乾燥して不透明被覆シートと
した。感圧記録面にコロナ処理を行い、ラミネート層と
して溶融押し出しダイを用いて低密度ポリエチレン(日
本ユニカー製 NUC8004 融点108℃)を15
μmとなるようにラミネートを行いながら、不透明被覆
シートの離型剤塗布面がラミネート層と重なり合うよう
に圧着することにより、感圧記録シートと不透明被覆シ
ートを積層して積層型感圧記録シートを得た。ラミネー
ト層表面の、20℃の水との接触角は86.1度であっ
た。
【0052】比較例3 ラミネート層として溶融共押し出しダイを用いて低密度
ポリエチレン(日本ユニカー製 NUC8004 融点
108℃)を15μmとポリプロピレンを15μmとを
同時に溶融押し出しし、低密度ポリエチレンが感圧記録
層に接するように、ポリプロピレンが被覆用基材(本例
の場合、被覆用基材即ち不透明被覆シート)と接するよ
うに、溶融した熱可塑性樹脂の両側から挟み込むように
圧着することにより、感圧記録シートと不透明被覆シー
トを積層して積層型感圧記録シートを得た。このサンプ
ルは、2層のラミネート層の界面ではなく、ポリプロピ
レンと被覆用基材の界面で剥離した。共押し出しラミネ
ート層(ポリプロピレン側)表面の、20℃の水との接
触角は103.2度であった。
【0053】比較例4 実施例1において、ラミネート感圧記録シートの表面ラ
ミネート層表面の20℃の水との接触角が85.4度に
なるようにラミネート感圧記録シートに対するコロナ処
理強度を変えた以外は実施例1と同様に作製して積層型
感圧記録シートを得た。
【0054】比較例5 実施例2において、ラミネート感圧記録シートにコロナ
処理を施さずにそのまま用いた(20℃の水との接触
角:86.4度)以外は実施例2と同様に作製して積層
型感圧記録シートを得た。
【0055】試験:実施例および比較例により得られた
サンプルに対して、以下の試験を行った。結果を表1に
示す。
【0056】[20℃の水との接触角測定]感圧記録面
もしくは被覆用基材のうち、先にラミネートを施した方
のラミネート表面について、積層を行わずに、測定を行
った。測定は温度20℃、相対湿度65%RHの環境
で、20℃の蒸留水を使用し、協和界面科学社製FAC
E自動接触角計にて行った。
【0057】[発色性]それぞれの積層型感圧記録シー
トの発色濃度は、不透明被覆シートの上からインパクト
プリンターにより一定加重を加えて印字し、その後不透
明被覆シートを剥離して発色印字面を露出させ、発色濃
度をマクベスRD919反射濃度計で測定した。
【0058】[初期剥離性・剥離安定性]それぞれの積
層型感圧記録シートの剥離性は、不透明被覆シートを剥
離する際の180度動剥離強度(サンプル幅30mm、
剥離速度300mm/分)をテンシロン万能試験機にて
10サンプル測定し、その平均を初期剥離性の評価値と
した。初期剥離性の値が20〜160gf/30mmの
範囲内にあることが好ましい。また、その10サンプル
の剥離強度の標準偏差を剥離安定性の評価値(小さいほ
ど良好で、6gf/30mm以下が好ましい)とした。
【0059】[経時剥離性]温度40℃、相対湿度60
%の環境に4カ月保存したサンプルを[剥離性]で述べ
た方法と同様に試験した。経時剥離性の値もまた、20
〜160gf/30mmの範囲内にあることが好まし
い。
【0060】[ラミネート層接着強度]それぞれの積層
型感圧記録シートの表面ラミネート層と感圧記録層間の
接着強度、および裏面ラミネート層と被覆用基材間の接
着強度は、それぞれのラミネート層を剥離する際の18
0度動剥離強度(サンプル幅30mm、剥離速度300
mm/分)をテンシロン万能試験機にて10サンプル測
定し、その平均値とした。それぞれ表面ラミネート層接
着強度、裏面ラミネート層接着強度とした。表中の項目
では簡単に表接着強度、裏接着強度と表す。ラミネート
層の接着強度が強すぎて剥離できない場合は、>250
gf/30mmとして表示した。各接着強度は、200
gf/30mm以上であることが好ましい。
【0061】
【表1】
【0062】評価:上記表1において、実施例で作製し
た積層型感圧記録シートは、感圧記録シート側のラミネ
ート層は感圧記録層に十分に接着し、剥離時において不
透明被覆シートのみがきれいに剥離し、且つ不透明被覆
シートは均一で良好な剥離性および剥離安定性を有し
た。感圧記録層はいずれも発色性が良好で、一度剥離し
て情報を開示すると、再度接着しない秘守特性を有する
ものであった。又、経時変化も少なく、長期間に渡って
良好な剥離特性が維持できるものであった。表面ラミネ
ート層と感圧記録層間、および裏面ラミネート層と被覆
用基材間の接着強度に比べ、ラミネート層間の接着強度
(剥離強度)が小さくしてあり、適度な剥離性に制御さ
れているため、剥離はラミネート層間で問題なく行え
た。
【0063】これに対して、比較例1〜3は実施例1〜
4とは層構成が異なる場合であるが、比較例1で作製し
た積層型感圧記録シートは、不透明被覆シートと感圧記
録シートとが剥離不能に接着した。比較例2は発色性こ
そ実施例と同程度であったが、剥離性の評価値が小さめ
で、経時によってさらに軽剥離になって、取扱中に不透
明被覆シートが無用な剥がれが生じる場合が認められ、
実用に適さない。比較例3は発色性は問題ないが、剥離
強度が重く、不透明被覆シートを剥離し難いことに加え
て、剥離感が不均一で、部分的により重剥離の部位が存
在し剥離の安定性が良くなかった。比較例4、5は層構
成は実施例1〜4と同様であるが、20℃の水との接触
角が85度以上の場合である。比較例4は、発色性は問
題なく、剥離安定性は小さい値を示すものの、剥離性の
評価値が経時前も経時後も小さいため、取扱中に不透明
被覆シートが無用な剥がれが生じる場合が認められ、実
用に適さない。比較例5は、発色性、剥離安定性は良好
であり、初期剥離性は好ましいレベルを満たすものの、
経時によって剥離強度が低下するという品質的に不安定
なものであった。
【0064】
【発明の効果】本発明の積層型感圧記録シートにおいて
は、感圧記録層と不透明被覆シートが熱可塑性樹脂ラミ
ネート層により積層され、不透明被覆シートを感圧記録
シート側のラミネート層及び感圧記録層を有する支持体
と分離(剥離)できる。剥離性は均一で、不透明被覆シ
ートと感圧記録シートが剥離不能に接着したり不必要に
分離することはなく、経時によってもほとんど変化しな
い良好な接着・剥離特性を与える。感圧記録した情報を
外部に公開、露出することなく取り扱うことができ、且
つ必要に応じて不透明被覆シートを剥離することによ
り、内部に感圧記録した情報を読むことができる。不透
明被覆シートが積層されている状態では、不透明性を有
するため内部の記録を透視することができず、秘守性が
良好である。更に、一度開示した情報は、再度隠蔽でき
ない(再接着防止性)という特徴を有し、連続伝票用、
貼り付け伝票、ラベル、葉書等の通信文、記録用、無塵
記録紙等多くの用途にもちいることができる実用的意義
の大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感圧記録シートの断面図
【符号の説明】
1 被覆用基材 2 被覆用基材の裏面ラミネート層 3 感圧記録シートの表面ラミネート層 4 感圧記録層 5 支持体 6 不透明被覆シート 7 感圧記録シート 8 ラミネート感圧記録シート 9 積層型感圧記録シート

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の片面に双方又は一方がマイクロ
    カプセル化されている発色剤又は顕色剤をそれぞれ単独
    で積層或は混合して塗設してなる自己発色性の感圧記録
    層上に熱可塑性樹脂からなる表面ラミネート層を設けて
    なるラミネート感圧記録シートと、被覆用基材の片面に
    熱可塑性樹脂からなる裏面ラミネート層を設けてなる不
    透明被覆シートとからなり、該表面ラミネート層と該裏
    面ラミネート層の間で剥離可能に一体化してなる積層型
    感圧記録シートにおいて、該表面ラミネート層表面又は
    該裏面ラミネート層表面の一方が、20℃の水との接触
    角が85度未満であることを特徴とする積層型感圧記録
    シート。
  2. 【請求項2】 支持体の片面に、双方又は一方がマイク
    ロカプセル化されている発色剤又は顕色剤をそれぞれ単
    独で積層或は混合して単層の自己発色性の感圧記録層を
    設けて自己発色性の感圧記録シートを作製し、該感圧記
    録層上に熱可塑性樹脂を溶融押し出しし、表面ラミネー
    ト層を設けてラミネート感圧記録シートとし、該感圧記
    録シートの表面ラミネート層を冷却固化した後に、20
    ℃の水との接触角が85度未満となるようにラミネート
    感圧記録シート表面に表面処理を施し、該感圧記録シー
    トの表面ラミネート層側と被覆用基材との中間に熱可塑
    性樹脂を溶融押し出しし、一体化させて製造することを
    特徴とする積層型感圧記録シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 被覆用基材の片面に熱可塑性樹脂を溶融
    押し出しした後に冷却固化して裏面ラミネート層を設け
    た不透明被覆シートを形成し、20℃の水との接触角が
    85度未満となるように不透明被覆シートの裏面ラミネ
    ート層表面に表面処理を施し、一方、支持体の片面に双
    方又は一方がマイクロカプセル化されている発色剤又は
    顕色剤をそれぞれ単独で積層或は混合して単層の自己発
    色性の感圧記録層を設けて感圧記録シートとし、該不透
    明被覆シートの裏面ラミネート層側と該感圧記録シート
    の感圧記録層側との中間に熱可塑性樹脂を溶融押し出し
    し、一体化させて製造することを特徴とする積層型感圧
    記録シートの製造方法。
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