JPH07328476A - 電気集塵エレメントの集塵部 - Google Patents

電気集塵エレメントの集塵部

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JPH07328476A
JPH07328476A JP21155894A JP21155894A JPH07328476A JP H07328476 A JPH07328476 A JP H07328476A JP 21155894 A JP21155894 A JP 21155894A JP 21155894 A JP21155894 A JP 21155894A JP H07328476 A JPH07328476 A JP H07328476A
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JP
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dust collecting
plate
expanding
electrode plate
penetrating
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JP21155894A
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English (en)
Inventor
Kanji Mogi
完治 茂木
Tatsuumi Enokida
達海 榎田
Yasuo Sato
安夫 佐藤
Kenji Miyano
健二 宮野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 板部E1、E2に嵌入孔E111、E211
を設ける。嵌入孔E111、E211には、貫通部材4
1、42、43の拡開端部41C〜43Fが嵌入する。
この拡開端部41C〜43Fは、嵌入孔E111、E2
11内にて拡開することにより上記板部E1、E2と連
結される。 【効果】 組立工程において、貫通部材41〜43は、
電極板積層体30を、当該電極板10、20の積層方向
Lに貫通する。この状態で拡開端部41C〜43Fは、
それぞれ対応する嵌入孔E111、E211に嵌入され
た後、拡開され、固定される。このように貫通部材41
〜43とケーシングE10とを連結することができるの
で、これを仮止め工程としてビス止めの容易化を図った
り、本締結工程としてビス止めを廃止することさえ可能
になる。この結果、組立作業を迅速に行なうことができ
るので、作業性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気集塵エレメントの
集塵部に関し、より詳細には、互いに極性の異なる長板
状の電極板を交互に平行に積層して、一方の極性に荷電
された塵埃を他方の極性に荷電された電極板によって捕
集する電気集塵エレメントの集塵部に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にこの種の電気集塵エレメントは、
清浄化されるべき空気の経路中の、イオン化部の下流側
に配設されており、イオン化部によって、上記清浄化さ
れるべき空気に含まれる塵埃を予め一方の極性(例えば
プラスの極性)に荷電するとともに、集塵部によって荷
電された塵埃を捕集するようにしている。
【0003】そのような集塵部としては、印加電極板と
集塵電極板とを有している。両電極板は、スペーサ等に
よって互いに空気を流通可能な間隔を隔てて交互に積層
されるとともに、電気集塵機の空気経路中において、イ
オン化部の下流側に配設されている。各電極板は、樹脂
等の絶縁性材料で構成されたケーシングの中に収容さ
れ、ケーシングの内部で電極板積層体を構成している。
上記ケーシングは、電極板積層体に対して、当該電極板
の積層方向に対する一対の板部を備えており、両板部に
よって、電極板積層体を積層方向に押え込んでいる。
【0004】この電極板積層体をケーシングに固定する
ため、或いは、同一極性の電極板に高電圧を印加するた
めに、従来は、電極板積層体を、当該電極板の積層方向
に貫通する貫通部材を採用していた。この貫通部材は、
洗浄時の耐蝕性等の要請から、従来はステンレス等、比
較的硬質の金属材料が採用されていた。この金属製の貫
通部材の両端部は、樹脂製の板部にビスで固定されてい
た。すなわち、貫通部材の端部を板部に差込み、板部の
外側部からビスで両者を固定していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、電極板
積層体を収容するケーシングは、電気的な絶縁性を確保
する等の理由により、樹脂製品で構成されている反面、
電極板積層体をケーシングに固定するための貫通部材
は、ステンレス等の金属材料が採用されている。そし
て、従来の構成では、両部材を連結する際に、予めビス
孔をケーシングの板部と貫通部材とに設け、両ビス孔を
連通させた後、ビス止めを行なっていたため、各ビス孔
を位置合わせするのに作業が手間取り、組立作業性が悪
いという問題があった。特に、各板部は、電極板積層体
を上記積層方向に押え込んでいるので、電極板積層体の
反発力によって各ビス孔の位置合わせが行ないにくく、
作業に手間取る他、自動生産にも馴染まないという不具
合があった。
【0006】本発明は上記不具合に鑑みてなされたもの
であり、加工を容易に行なうことができ、しかも、自動
生産にも馴染みやすい電気集塵エレメントの集塵部を提
供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の請求項1記載の構成は、導電性材料からな
る導電部材をそれぞれ有する長板状に形成された多数の
印加電極板および集塵電極板を含み、各電極板を互いに
間隔を隔てて交互に積層して構成される電極板積層体
と、電極板積層体を、当該電極板の積層方向に貫通する
金属製の貫通部材と、貫通部材の両端部を止定させる樹
脂製の板部を含み、上記電極板積層体を内部に収容する
ケーシングとを備えた電気集塵エレメントの集塵部にお
いて、上記板部は、貫通部材の端部を嵌入させる嵌入孔
を含み、上記貫通部材は、嵌入孔内にて拡開することに
より上記板部と連結される拡開端部を含むことを特徴と
する電気集塵エレメントの集塵部である。
【0008】また、請求項2記載の構成は、請求項1記
載の電気集塵エレメントの集塵部において、上記拡開端
部は、拡開時に板部に係止して、貫通部材が嵌入孔から
抜けるのを阻止する抜け止め部を有するものである。ま
た、請求項3記載の構成は、請求項1記載の電気集塵エ
レメントの集塵部において、上記貫通部材は、拡開端部
の拡開時に拡開する中空管であり、上記電極板積層体
は、組立時に中空管を挿通させるとともに拡開した中空
管と圧接する嵌挿孔を有する電極板を含むものである。
【0009】また、請求項4記載の構成は、請求項3記
載の電気集塵エレメントの集塵部において、上記貫通部
材は、すり割り管である。また、請求項5記載の構成
は、請求項4記載の電気集塵エレメントの集塵部におい
て、拡開した上記貫通部材に挿入される芯材をさらに備
えているものである。
【0010】また、請求項6記載の構成は、請求項1記
載の電気集塵エレメントの集塵部において、上記板部の
嵌入孔は、拡開端部の嵌入時に拡開端部の外周面に圧接
するとともに、拡開端部が拡開することによる拡開エネ
ルギーを吸収するエネルギー吸収部を含むものである。
【0011】
【作用】請求項1記載の構成では、組立工程において、
貫通部材は、電極板積層体を、当該電極板の積層方向に
貫通する。この状態で貫通部材の拡開端部は、それぞれ
対応する嵌入孔に嵌入される。その後、拡開端部を拡開
することにより、拡開端部は、対応する板部に固定され
る。
【0012】また、請求項2記載の構成では、抜け止め
部により、拡開端部が板部の嵌入孔から外れるのを阻止
される。また、請求項3記載の構成では、拡開端部の拡
開時に貫通部材としての中空管が拡開し、嵌挿孔を有す
る電極板に連結される。この結果、電極板を中空管に機
械的に連結したり、中空管を電極板の導通部材と電気的
に接続する作業を、拡開端部の拡開工程と同時に行なう
ことになる。
【0013】また、請求項4記載の構成では、貫通端部
がすり割り管で形成されているので、拡開作業が容易に
なる。また、請求項5記載の構成では、拡開した貫通部
材に芯材が挿入されることにより、貫通部材のスプリン
グバックが芯材に規制され、板部の嵌入孔並びに電極板
の嵌挿孔に対する貫通部材の連結力が維持されることに
なる。また、芯材が貫通部材に挿入されることにより、
貫通部材は、芯材によって補強されることになる。
【0014】また、請求項6記載の構成では、拡開端部
が拡開することによる拡開エネルギーは、エネルギー吸
収部によって吸収される。
【0015】
【実施例】以下、添付図面を参照しつつ本発明の好まし
い実施例について詳述する。図1は本発明の一実施例に
おける集塵部の概略を示す分解斜視図である。同図を参
照して、上記集塵部Eは、図示しないイオン化部ととも
に電気集塵エレメントを構成するものである。
【0016】集塵部Eの外郭を構成する本実施例のケー
シングE10は、板部としての基板E1および天板E2
と、両板E1、E2の各隅部間に立設される枠材E3
(図1に2本のみ図示)と、各枠材E3の外側から側壁
部を構成する側板E4(図1に一方のみ図示)とを備え
ている。なお、ケーシングE10は、基板E1および天
板E2があるものであれば、どのような構成のものを採
用してもよく、枠材E3、側板E10は、必ずしも必須
のものではない。
【0017】基板E1と天板E2の間には、印加電極板
10と集塵電極板20とが互いに間隔を隔てて交互に積
層されており、これら電極板10、20が、ケーシング
E10の内部に電極積層体30を構成している。両電極
板10、20は、何れも長板状に形成されており、互い
に基板E1と天板E2の対向方向(図1においてLで示
す積層方向)に間隔を隔てて積層されている。図1では
簡略化されているが、各電極板10、20は、実際に
は、互いに1.8mm程度の狭い間隔を隔てて例えば5
0〜90段に積層されている。これにより、両電極板1
0、20間に清浄化されるべき空気を流通させる通気路
PHを区画している。
【0018】図2を参照して、印加電極板10は、導電
部材10Aを一対の樹脂シート間に積層して一体的に形
成されたものであり、上記導電部材10Aは、長手方向
一端部10Bに露出している。上記一端部10Bには、
後述する通電用の第1の貫通部材41を嵌入させるため
の嵌挿孔10Cが穿設されている。他方、集塵電極板2
0は、ステンレス製のシート材であり、積層方向Lに起
伏する多数の突起20Aを介して、電気的絶縁性を維持
した状態で上記印加電極板10に対し、積層方向Lに所
定の間隔を隔ててている。長手方向他端部20Bには、
後述する通電用の第2の貫通部材42を嵌入させるため
の嵌挿孔20Cが穿設されている。
【0019】また、両電極板10、20には、補強用の
第3の貫通部材43を嵌挿するための嵌挿孔10E、2
0Eが形成されている。嵌挿孔10E、20Eは、いず
れの電極板10、20においても、上記貫通部材43と
電気的に絶縁するための絶縁部材によって区画されてい
る。次に、図1および図2を参照して、上記電極板積層
体30には、例えばステンレス等の金属製部材からなる
第1〜第3の貫通部材41、42、43が、当該電極板
10、20の積層方向Lに沿って貫通している。
【0020】第1の貫通部材41は、図示しない高電圧
供給源のプラスの電極と電気的に接続されており、印加
電極板10の上記嵌挿孔10Cを貫通して印加電極板1
0を片持ち状に保持しているとともに、当該印加電極板
10の導電部材10Aと電気的に接続されている。第2
の貫通部材42は、上記高電圧供給源のマイナスの電極
と電気的に接続されており、集塵電極板20の上記嵌挿
孔20Cを貫通して集塵電極板20を片持ち状に保持し
ているとともに、集塵電極板20と電気的に接続されて
いる。
【0021】第3の貫通部材43は、両電極板10、2
0の長手方向中央部を貫通して、両電極板10、20の
垂れ下がりを防止しており、両電極板10、20に対し
て、電気的に絶縁された状態で機械的に連結されてい
る。各貫通部材41〜43には、それぞれスペーサ41
A、42A、43Aが同心に配設されており、これらス
ペーサ41A〜43Aによって、積層方向Lに対向する
電極板10、20との所定の間隔を維持している。
【0022】なお、本実施例では、補強用の挿通棒E
6、E7を電極板10、20の自由端側に貫通させ、各
挿通棒E6、E7の両端部を基板E1および天板E2に
圧入している。図1並びに図4および図5を参照して、
各貫通部材41〜43は、長手方向にスリット41B、
42B、43Bを有するすり割り管によって構成されて
おり、ケーシングE10の基板E1および天板E2にそ
れぞれ形成された、嵌入孔E11およびE21に嵌入可
能に構成されている。
【0023】そして、上記スリット41B〜43Bによ
り、各貫通部材41〜43の両端部41C、41F、4
2C、42F、43C、43Fは、対応する上記嵌入孔
E11内にて拡開することにより、基板E1および天板
E2に連結される拡開端部を構成している。また、これ
とともに、各貫通部材41〜43は、端部41C〜43
Fの拡開時に径方向に拡開し、対応する電極板10(2
0)の嵌挿孔10C、20Cに圧入されることになる。
【0024】図3(A)(B)を参照して、上述した貫
通部材41〜43の各端部41C〜43Fを各板E1、
E2に連結するために、各板E1およびE2には、嵌入
孔E11、E21が形成されている。各嵌入孔E11、
E21は、径方向に突出して中心線方向に延びる多数の
リブE111、E211を、内周面に一定間隔を隔てて
一体に有している。これらのリブE111、E211
は、上記各端部41C〜43Fの嵌入時に、当該各端部
41C〜43Fの外周面に圧接するとともに、端部41
C〜43Fが拡開することによる拡開エネルギーを吸収
するエネルギー吸収部を構成するものである。
【0025】さらに、基板E1の下面および天板E2の
上面には、嵌入孔E11、E21と同心に形成されて、
嵌入孔E11、E21と連続する環状溝E112、E2
12が形成されている。この環状溝E112、E212
は、後述する係止片41G、42G、43Gを係止させ
るためのものである(図5参照)。図4および図5に示
すように、各端部41C〜43Fには、当該貫通部材4
1〜43の長手方向に沿って延びる、係止片41G、4
2G、43Gが延設されている。各係止片41G〜43
Gは、スリット41B〜43Bの開口縁に連続してお
り、上記各端部41C〜43Fの拡開時に貫通部材41
〜43の径方向に屈曲されて、上記環状溝E112、E
212に係止する。これにより、各係止片41G〜43
Gは、貫通部材41〜43が基板E1および天板E2か
ら抜けるのを阻止する抜け止め部を構成している。
【0026】次に、本実施例における集塵部Eの組立工
程について、図1並びに図6ないし図9を参照しつつ説
明する。先ず、図6を参照して、スペーサ41A〜43
Aを介して上述した各電極板10、20を互いに交互に
積層して電極板積層体30を構成し、貫通部材41〜4
3および補強用の挿通棒E6、E7を貫通させて連結す
る。
【0027】この際、貫通部材41〜43は、スリット
41B〜43Bを有するすり割り管で構成されているの
で、貫通部材41〜43を径方向に伸縮させることによ
り、容易に貫通部材41〜43を電極板積層体30に貫
通することが可能になる。この状態で、基板E1および
天板E2を電極板積層体30に組付けることにより、各
貫通部材41〜43の下側の端部41C、42C、43
Cが基板E1の嵌入孔E11に嵌入されるとともに、上
側の端部41F、42F、43Fを天板E2の嵌入孔E
21に嵌入される。
【0028】この段階では、図7に示すように、各貫通
部材41〜43の端部41C〜43Fは、嵌入孔E1
1、E21に形成されたリブE111、E211(図3
参照)に圧接することにより係止し、仮止めされた状態
になっている。次に、図8を参照して、ケーシングE1
0の基板E1および天板E2に対して仮止めされた各貫
通部材41〜43の各端部41C〜43Fは、パンチ6
0によって加圧され、拡開する。このパンチ60による
拡開工程は、各貫通部材41〜43をシーケンシャルに
行なってもよく、同時に行なってもよい。
【0029】この拡開工程により、貫通部材41〜43
は、全体的に拡開した状態で塑性変形し、各板E1、E
2に形成された嵌入孔E11、E21および各電極板1
0、20に形成された10C、20Cに圧接する結果、
その摩擦力によって連結されることになる。他方、上記
パンチ60は、各端部41C〜43Fに形成された係止
片41G〜43Gを屈曲し、これを各板E1、E2に形
成された環状溝E112、E212内に係止させる。
【0030】ここで、図9に示すように、上述した拡開
工程によって、貫通部材41〜43の端部41C〜43
Fが拡開することにより、各板E1、E2の嵌入孔E1
1、E21に形成された各リブE111、E211が押
しつぶされ、各端部41C〜43Fが所定の大きさに塑
性変形した状態で当該端部41C〜43Fの拡開エネル
ギーを吸収する。
【0031】上述した拡開工程による各板E1、E2と
貫通部材41〜43の連結は、ビス止めを容易に行なう
ための仮連結であってもよく、或いは、ビス止めを省略
するための本連結であってもよい。何れにおいても、ケ
ーシングE10に対する電極板組立体30の組立加工が
容易になることは、云うまでもない。上記工程を終了し
た後は、従来の集塵部と同様にケーシングE10が組み
立てられ、集塵部Eが完成される。
【0032】以上説明したように、本実施例の構成で
は、端部41C〜43Fが拡開することにより、貫通部
材41〜43とケーシングE10とを連結することがで
きるので、これを仮止め工程としてビス止めの容易化を
図ったり、本締結工程としてビス止めを廃止することさ
え可能になる。この結果、組立作業を迅速に行なうこと
ができるので、作業性が向上するという利点がある。
【0033】特に、係止片41G〜43Gにより、端部
41C〜43Fが基板E1および天板E2の嵌入孔E1
1、E21から外れるのを阻止されるので、貫通部材と
ケーシングとの機械的強度が一層堅固になるという利点
がある。また、本実施例の構成では、端部41C〜43
Fをパンチ60で拡開することによって、貫通部材41
〜43を各板E1、E2に連結する工程と、電極板1
0、20に連結する工程とが同時に行なわれる結果、組
立作業の効率化を図ることができるという利点がある。
【0034】しかも、拡開エネルギーがリブE111、
E211によって吸収される結果、端部41C〜43F
の拡開時に基板E1および天板E2が拡開エネルギーに
よって破損するのを阻止することが可能になり、連結部
分の機械的強度と樹脂製の基板E1および天板E2の保
護とを両立することができるという利点がある。また、
パンチ60で加圧するだけで容易に端部41C〜41F
ないし貫通部材41〜43を拡開することができるの
で、自動加工に馴染みやすいという利点がある。
【0035】従って、本実施例によれば、加工を容易に
行なうことができ、しかも自動組立に馴染みやすい電気
集塵エレメントの集塵部を提供することができるという
顕著な効果を奏する。上述した実施例は、本発明の好ま
しい具体例に過ぎず、本発明は上記実施例に限定されな
い。
【0036】例えば、図10に示すように、端部44A
のみが拡開する貫通部材44を採用してもよい。図10
における貫通部材44の拡開端部44Aは、拡開時にラ
ッパ状に拡開されるものであり、これによって、嵌入孔
E11、E21に対する圧入と抜け止めの両方の作用効
果を奏することが可能になる。また、上述した図1の実
施例において、すり割り管で構成された貫通部材41〜
43の材質としては、拡開時に容易に塑性変形すること
により高い連結力(摩擦抵抗)を維持することができる
反面、組立後の機械的強度の高いものが望ましい。しか
し、可塑性の高い材質を選択した場合には、機械的強度
が不充分になりやすい一方、機械的強度の高い材質を選
択した場合には、可塑性が低くなり、拡開後にスプリン
グバックが生じて連結力が低下することから、両者を両
立させることが困難な場合がある。
【0037】そこで、図11に示すように、すり割り管
で貫通部材41〜43を用いた場合、拡開したこれら貫
通部材41〜43に挿入する芯材50を併用してもよ
い。芯材50としては、剛性が高く、耐蝕性に優れ、機
械的強度の高いものが好ましい。本実施例においては、
ステンレス製のパイプが芯材50として採用されてい
る。
【0038】芯材50を貫通部材41〜43に挿入する
方法としては、図7で説明した仮止め工程を終了した
後、図12に示すように、先端の尖った略円錐形の治具
70を貫通部材41〜43の一方の端部から導入し、貫
通部材41〜43を拡開しながら、芯材50を後続させ
て押し込めばよい。これにより、拡開された貫通部材4
1〜43内に芯材50が導入され、遂には、貫通部材4
1〜43内に芯材50が圧入されることになる一方、治
具70は、貫通部材41〜43の他方の端部から抜け出
ることになる。
【0039】図11の構成を採用した場合には、拡開し
た貫通部材41〜43に芯材50が挿入されることによ
り、貫通部材41〜43のスプリングバックが芯材50
に規制され、各板E1、E2の嵌入孔E11、E21並
びに各電極板10、20の嵌挿孔10C、10E、20
C、20Eに対する貫通部材41〜43の連結力が維持
されることになる。従って、スプリングバックの大きな
可塑性の低い材質が貫通部材41〜43の材料として選
択された場合でも、堅固な連結構造を得ることが可能に
なるという利点がある。
【0040】他方、芯材50が貫通部材41〜43に挿
入されることにより、貫通部材41〜43は、芯材50
によって補強されることになる。従って、芯材50が貫
通部材41〜43に挿入されることにより、貫通部材4
1〜43は芯材50によって補強されることになるの
で、貫通部材41〜43を比較的軟質な可塑性の高い材
質で構成した場合でも、所要の機械的強度を得ることが
可能になるという利点がある。
【0041】このように、芯材50を貫通部材41〜4
3に併用することにより、貫通部材41〜43の連結力
と機械的強度とを両立することができるので、貫通部材
41〜43を構成可能な材質の範囲が広くなるという利
点がある。或いは、貫通部材41〜43をスリット41
B〜43Bが形成されていない中空のステンレス管で構
成し、組立時に拡開させてもよい。スリット41B〜4
3Bのない中空管を拡開した場合にも、組立時に貫通部
材41〜43を対応する電極板10、20の嵌挿孔10
C、10E、20C、20Eに圧接することが可能であ
る。
【0042】また、上述した各実施例において、エネル
ギー吸収部は、各板E1、E2に一体形成されたリブE
111、E211によって具体化されているが、これを
別部材で形成された、例えば弾性体で構成してもよい。
弾性体としては、ゴムや金属ばね等を採用することが可
能である。尤も、図1の実施例のように、リブE11
1、E211を採用した場合には、加工が容易である
他、部品点数が増加することもないという利点がある。
【0043】その他、本発明の要旨を変更しない範囲内
で種々の設計変更が可能であることは、云うまでもな
い。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
記載の構成では、拡開端部が拡開することにより、貫通
部材とケーシングとを連結することができるので、これ
を仮止め工程としてビス止めの容易化を図ったり、本締
結工程としてビス止めを廃止することさえ可能になる。
この結果、組立作業を迅速に行なうことができるので、
作業性が向上するという利点がある。
【0045】また、請求項2記載の構成では、抜け止め
部により、拡開端部が板部の嵌入孔から外れるのを阻止
されるので、貫通部材とケーシングとの機械的強度が一
層堅固になるという利点がある。また、請求項3記載の
構成では、拡開端部を拡開することによって、貫通部材
を板部に連結する工程と電極板に連結する工程とが同時
に行なわれる結果、組立作業の効率化を図ることができ
るという利点がある。また、周知のパンチ等を利用して
容易に拡開加工を施すことができるので、自動組立に馴
染みやすいという利点もある。
【0046】また、請求項4記載の構成では、拡開作業
が容易になるので、加工性が向上し、製造コストを低減
することができるという利点がある。また、請求項5記
載の構成では、板部の嵌入孔並びに電極板の嵌挿孔に対
する貫通部材の連結力が維持されることになるので、ス
プリングバックの大きな可塑性の低い材質が選択された
場合でも、堅固な連結構造を得ることが可能になるとい
う利点がある。しかも、芯材が貫通部材に挿入されるこ
とにより、貫通部材は芯材によって補強されることにな
るので、貫通部材を比較的軟質な可塑性の高い材質で構
成した場合でも、所要の強度を得ることが可能になると
いう利点がある。
【0047】また、請求項6記載の構成では、拡開エネ
ルギーがエネルギー吸収部によって吸収される結果、拡
開端部の拡開時に板部が拡開エネルギーによって破損す
るのを阻止することが可能になり、連結部分の機械的強
度と樹脂製の板部の保護とを両立することができるとい
う利点がある。従って、本発明によれば、加工を容易に
行なうことができ、しかも自動組立に馴染みやすい電気
集塵エレメントの集塵部を提供することができるという
顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における集塵部の概略を示す
分解斜視図である。
【図2】図1の集塵部の要部を示す正面略図である。
【図3】図1の集塵部に採用されているケーシングの要
部を示す図であり、(A)は嵌入孔の底面図、(B)
は、(A)のB−B矢視断面図である。
【図4】図1の集塵部に採用されている貫通部材を示す
一部破断正面図である。
【図5】図1の集塵部に採用されている貫通部材の連結
状態を示す一部破断斜視図である。
【図6】図1の集塵部の組立工程を示す集塵部の分解正
面略図である。
【図7】図6の工程段階における貫通部材の連結状態を
示す一部破断底面図である。
【図8】図1の集塵部の拡開工程を示す集塵部の正面略
図である。
【図9】図8の工程段階における貫通部材の連結状態を
示す一部破断底面図である。
【図10】本発明の別の実施例における貫通部材の要部
を示す斜視図である。
【図11】本発明のさらに別の実施例における集塵部の
要部を示す斜視図である。
【図12】図11の集塵部の拡開工程を示す集塵部の正
面略図である。
【符号の説明】
10 印加電極板 20 集塵電極板 30 電極板積層体 41 第1の貫通部材 42 第2の貫通部材 43 第3の貫通部材 41C 端部(拡開端部) 41F 端部(拡開端部) 42C 端部(拡開端部) 42F 端部(拡開端部) 43C 端部(拡開端部) 43F 端部(拡開端部) 50 芯材 E1 基板(板部) E2 天板(板部) E10 ケーシング E11 嵌入孔 E21 嵌入孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 安夫 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 宮野 健二 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性材料からなる導電部材(10A、2
    0)をそれぞれ有する長板状に形成された多数の印加電
    極板(10)および集塵電極板(20)を含み、各電極
    板(10、20)を互いに間隔を隔てて交互に積層して
    構成される電極板積層体(30)と、 電極板積層体(30)を、当該電極板(10、20)の
    積層方向(L)に貫通する金属製の貫通部材(41、4
    2、43)と、 貫通部材(41、42、43)の両端部(41C〜43
    F)を止定させる樹脂製の板部(E1、E2)を含み、
    上記電極板積層体(30)を内部に収容するケーシング
    (E10)とを備えた電気集塵エレメントの集塵部にお
    いて、 上記板部(E1、E2)は、貫通部材(41、42、4
    3)の端部(41C〜43F)を嵌入させる嵌入孔(E
    11、E21)を含み、 上記貫通部材(41、42、43)は、嵌入孔(E1
    1、E21)内にて拡開することにより上記板部(E
    1、E2)と連結される拡開端部(41C〜43F)を
    含むことを特徴とする電気集塵エレメントの集塵部。
  2. 【請求項2】請求項1記載の電気集塵エレメントの集塵
    部において、 上記拡開端部(41C〜43F)は、拡開時に板部(E
    1、E2)に係止して、貫通部材(41、42、43)
    が嵌入孔(E11、E21)から抜けるのを阻止する抜
    け止め部(41G〜43G)を有するものである。
  3. 【請求項3】請求項1記載の電気集塵エレメントの集塵
    部において、 上記貫通部材(41、42、43)は、拡開端部(41
    C〜43F)の拡開時に拡開する中空管であり、 上記電極板積層体(30)は、組立時に中空管(41〜
    43)を挿通させるとともに拡開した中空管(41〜4
    3)と圧接する嵌挿孔(10C、10E、20C、20
    E)を有する電極板(10、20)を含むものである。
  4. 【請求項4】請求項3記載の電気集塵エレメントの集塵
    部において、 上記貫通部材(41〜43)は、すり割り管である。
  5. 【請求項5】請求項4記載の電気集塵エレメントの集塵
    部において、 拡開した上記貫通部材(41、42、43)に挿入され
    る芯材(50)をさらに備えているものである。
  6. 【請求項6】請求項1記載の電気集塵エレメントの集塵
    部において、 上記板部(E1、E2)の嵌入孔(E11、E21)
    は、拡開端部(41C〜43F)の嵌入時に拡開端部
    (41C〜43F)の外周面に圧接するとともに、拡開
    端部(41C〜43F)が拡開することによる拡開エネ
    ルギーを吸収するエネルギー吸収部(E111、E21
    1)を含むものである。
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