JPH0871449A - 電気集塵エレメントの集塵部 - Google Patents

電気集塵エレメントの集塵部

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JPH0871449A
JPH0871449A JP21155694A JP21155694A JPH0871449A JP H0871449 A JPH0871449 A JP H0871449A JP 21155694 A JP21155694 A JP 21155694A JP 21155694 A JP21155694 A JP 21155694A JP H0871449 A JPH0871449 A JP H0871449A
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JP21155694A
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Inventor
Kanji Mogi
完治 茂木
Tatsuumi Enokida
達海 榎田
Yasuo Sato
安夫 佐藤
Kenji Miyano
健二 宮野
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 平行平板型の電極板積層体30を貫通する貫通部材4
1、42を設ける。貫通部材41、42は、径方向に拡
開可能に構成されている。電極板積層体30の電極板1
0、20のうち、少なくとも導電性金属板で構成された
ものには、嵌挿孔20Cが形成される。嵌挿孔20C
は、拡開前の貫通部材42を挿通させるとともに挿通後
に拡開した貫通部材42と圧接する。 【効果】 貫通部材42を電極板10、20に組み付け
る際には、拡開前の径の小さい貫通部材42を電極板2
0の嵌挿孔に挿入すればよく、組立作業を容易且つ迅速
に行なうことができる反面、貫通部材42を拡開するこ
とによって、貫通部材42の径を拡げて強い連結力を得
ることにより、堅固な組立構造を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気集塵エレメントの
集塵部に関し、より詳細には、互いに極性の異なる長板
状の電極板を交互に平行に積層して、一方の極性に荷電
された塵埃を他方の極性に荷電された電極板によって捕
集する電気集塵エレメントの集塵部に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にこの種の集塵部は、清浄化される
べき空気の経路中の、イオン化部の下流側に配設されて
おり、イオン化部によって、上記清浄化されるべき空気
に含まれる塵埃を予め一方の極性(例えばプラスの極
性)に荷電するとともに、集塵部によって荷電された塵
埃を捕集するようにしている(例えば特開平4−187
252号、実公平2−33881号、実公昭62−34
598号、実開昭60−83061号等参照)。
【0003】そのような集塵部としては、印加電極板と
集塵電極板とを有している。両電極板は、互いに空気を
流通可能な間隔を隔てて交互に積層されるとともに、電
気集塵機の空気経路中において、イオン化部の下流側に
配設されている。各電極板は、通常、通電部材としても
利用される支持部材に連結され、機械的に支持されてい
る。支持部材に電極板を連結する構成としては、電極板
に嵌挿孔を設けてこれに支持部材を圧入することによ
り、両者に生じる摩擦抵抗を利用して機械的に連結する
構成が知られている(特開平6−63444号)。或い
は、電極板に延設された係止片を支持部材に形成された
係合溝に係合させる構成も知られている(特開平2−3
3881号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のような集塵部を
製品化する場合、各電極板の積層間隔を一定に維持しな
がら一体に連結し、電極板積層体を形成することが必要
になる。しかしながら、上記従来の構成では、単に支持
部材を電極板に嵌入させたり、或いは、係止片を係合溝
に係合させていただけであったので、何れも電極板積層
体の組立強度と組立作業性とを両立させることが困難で
あった。すなわち、支持部材を電極板に嵌入させる構成
の場合、摩擦抵抗が大き過ぎる場合には、組立が困難に
なる反面、摩擦抵抗が小さい場合には、組立強度を維持
することができないという問題があった。他方、係止片
を係合溝に係合させる構成の場合、多数の電極板毎に係
止片を係合溝に係合させる必要があるので、組立作業が
困難になり、製造コストが高くなっていた。
【0005】本発明は上記不具合に鑑みてなされたもの
であり、電極板積層体を容易に製造することができ、も
って、電極板積層体の組立作業性と組立強度とを両立す
ることのできる電気集塵エレメントの集塵部を提供する
ことを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の請求項1記載の構成は、導電性材料からな
る導電部材をそれぞれ有する長板状に形成された多数の
印加電極板および集塵電極板を含み、各電極板を、互い
に間隔を隔てて平行且つ交互に積層して構成される電極
板積層体と、電極板積層体を、当該電極板の積層方向に
貫通するとともに、径方向に拡開可能に構成された金属
製の貫通部材と、上記電極板積層体の電極板に形成さ
れ、拡開前の貫通部材を挿通させるとともに、挿通後に
拡開した貫通部材と圧接する嵌挿孔とを備えていること
を特徴とする電気集塵エレメントの集塵部である。
【0007】また、請求項2記載の構成は、請求項1記
載の電気集塵エレメントの集塵部において、上記貫通部
材は、すり割り管である。また、請求項3記載の構成
は、請求項2記載の電気集塵エレメントの集塵部におい
て、拡開した上記貫通部材に挿入される芯材をさらに備
えているものである。
【0008】また、請求項4記載の構成は、請求項1記
載の電気集塵エレメントの集塵部において、上記電極板
に一体形成され、嵌挿孔と連続して、貫通部材を嵌入さ
せるボス部をさらに備えているものである。
【0009】
【作用】請求項1記載の構成では、拡開前の貫通部材
が、電極板積層体をその積層方向に貫通する。この状態
で貫通部材が拡開され、電極板積層体の電極板は、貫通
部材に対して機械的に連結される。また、請求項2記載
の構成では、貫通部材がすり割り管で構成されているの
で、拡開作業が容易になる。
【0010】また、請求項3記載の構成では、拡開した
貫通部材に芯材が挿入されることにより、貫通部材のス
プリングバックが芯材に規制され、電極板の嵌挿孔に対
する貫通部材の連結力が維持されることになる。また、
芯材が貫通部材に挿入されることにより、貫通部材は、
芯材によって補強されることになる。また、請求項4記
載の構成では、貫通部材が拡開すると、貫通部材は、そ
れが嵌入しているボス部に圧接することになる。
【0011】
【実施例】以下、添付図面を参照しつつ本発明の好まし
い実施例について詳述する。図1は、本発明の一実施例
における集塵部の要部を示す正面略図であり、図2は図
1の集塵部の概略を示す分解斜視図である。これらの図
を参照して、上記集塵部Eは、図示しないイオン化部と
ともに電気集塵エレメントを構成するものである。
【0012】集塵部Eの外郭を構成する本実施例のケー
シングE10は、板部としての基板E1および天板E2
と、両板E1、E2の各隅部間に立設される枠材E3
(図2に2本のみ図示)と、各枠材E3の外側から側壁
部を構成する側板E4(図2に一方のみ図示)とを備え
ている。なお、ケーシングE10は、基板E1および天
板E2があるものであれば、どのような構成のものを採
用してもよく、枠材E3、側板E10は、必ずしも必須
のものではない。
【0013】基板E1と天板E2の間には、印加電極板
10と集塵電極板20とが互いに間隔を隔てて交互に積
層されており、これら電極板10、20が、ケーシング
E10の内部に電極積層体30を構成している。両電極
板10、20は、何れも長板状に形成されており、互い
に基板E1と天板E2の対向方向(図2においてLで示
す積層方向)に間隔を隔てて積層されている。図2では
簡略化されているが、各電極板10、20は、実際に
は、互いに1.8mm程度の狭い間隔を隔てて例えば5
0〜90段に積層されている。これにより、両電極板1
0、20間に清浄化されるべき空気を流通させる通気路
PHを区画している。
【0014】図1を参照して、印加電極板10は、導電
部材10Aを一対の樹脂シート間に積層して一体的に形
成されたものであり、上記導電部材10Aは、長手方向
一端部10Bに露出している。上記一端部10Bには、
後述する通電用の第1の貫通部材41を嵌入させるため
の嵌挿孔10Cが穿設されている。他方、集塵電極板2
0は、ステンレスのばね鋼からなるシート材であり、積
層方向Lに起伏する多数の突起20Aを介して、電気的
絶縁性を維持した状態で上記印加電極板10に対し、積
層方向Lに所定の間隔を隔てている。長手方向他端部2
0Bには、後述する通電用の第2の貫通部材42を嵌入
させるための嵌挿孔20Cが穿設されている。
【0015】また、図2に示すように、両電極板10、
20には、補強用の第3の貫通部材43を嵌挿するため
の嵌挿孔10E、20Eが形成されている。嵌挿孔10
E、20Eは、いずれの電極板10、20においても、
上記貫通部材43と電気的に絶縁するための絶縁部材に
よって区画されている。次に、図1および図2を参照し
て、上記電極板積層体30には、例えばステンレス等の
金属製部材からなる第1〜第3の貫通部材41、42、
43が、当該電極板10、20の積層方向Lに沿って貫
通している。
【0016】第1の貫通部材41は、図示しない高電圧
供給源のプラスの電極と電気的に接続されており、印加
電極板10の上記嵌挿孔10Cを貫通して印加電極板1
0を片持ち状に保持しているとともに、当該印加電極板
10の導電部材10Aと電気的に接続されている。第2
の貫通部材42は、上記高電圧供給源のマイナスの電極
と電気的に接続されており、集塵電極板20の上記嵌挿
孔20Cを貫通して集塵電極板20を片持ち状に保持し
ているとともに、集塵電極板20と電気的に接続されて
いる。
【0017】第3の貫通部材43は、両電極板10、2
0の長手方向中央部を貫通して、両電極板10、20の
垂れ下がりを防止しており、両電極板10、20に対し
て、電気的に絶縁された状態で機械的に連結されてい
る。各貫通部材41〜43には、それぞれスペーサ41
A、42A、43Aが同心に配設されており、これらス
ペーサ41A〜43Aによって、積層方向Lに対向する
電極板10、20との所定の間隔を維持している。
【0018】なお、本実施例では、補強用の挿通棒E
6、E7を電極板10、20の自由端側に貫通させ、各
挿通棒E6、E7の両端部を基板E1および天板E2に
圧入している。図2ないし図5を参照して、各貫通部材
41〜43は、長手方向にスリット41B、42B、4
3Bを有するすり割り管によって構成されており、ケー
シングE10の基板E1および天板E2にそれぞれ形成
された、嵌入孔E11およびE21に嵌入可能に構成さ
れている。
【0019】そして、上記スリット41B〜43Bによ
り、各貫通部材41〜43の両端部41C、41F、4
2C、42F、43C、43Fは、対応する上記嵌入孔
E11内にて拡開することにより、基板E1および天板
E2に連結される拡開端部を構成している。また、これ
とともに、各貫通部材41〜43は、端部41C〜43
Fの拡開時に径方向に拡開し、対応する電極板10(2
0)の嵌挿孔10C、10E、20C、20Eに圧入さ
れることになる。
【0020】図3(A)(B)を参照して、上述した貫
通部材41〜43の各端部41C〜43Fを各板E1、
E2に連結するために、各板E1およびE2には、嵌入
孔E11、E21が形成されている。各嵌入孔E11、
E21は、径方向に突出して中心線方向に延びる多数の
リブE111、E211を、内周面に一定間隔を隔てて
一体に有している。これらのリブE111、E211
は、上記各端部41C〜43Fの嵌入時に、当該各端部
41C〜43Fの外周面に圧接するとともに、端部41
C〜43Fが拡開することによる拡開エネルギーを吸収
するエネルギー吸収部を構成するものである。
【0021】さらに、基板E1の下面および天板E2の
上面には、嵌入孔E11、E21と同心に形成されて、
嵌入孔E11、E21と連続する環状溝E112、E2
12が形成されている。この環状溝E112、E212
は、後述する係止片41G、42G、43Gを係止させ
るためのものである(図5参照)。図4および図5に示
すように、各端部41C〜43Fには、当該貫通部材4
1〜43の長手方向に沿って延びる、係止片41G、4
2G、43Gが延設されている。各係止片41G〜43
Gは、スリット41B〜43Bの開口縁に連続してお
り、上記各端部41C〜43Fの拡開時に貫通部材41
〜43の径方向に屈曲されて、上記環状溝E112、E
212に係止する。これにより、各係止片41G〜43
Gは、貫通部材41〜43が基板E1および天板E2か
ら抜けるのを阻止する抜け止め部を構成している。
【0022】次に、本実施例における集塵部Eの組立工
程について、図2並びに図6ないし図9を参照しつつ説
明する。先ず、図6を参照して、スペーサ41A〜43
Aを介して上述した各電極板10、20を互いに交互に
積層して電極板積層体30を構成し、貫通部材41〜4
3および補強用の挿通棒E6、E7を貫通させて連結す
る。
【0023】この際、貫通部材41〜43は、スリット
41B〜43Bを有するすり割り管で構成されているの
で、貫通部材41〜43を径方向に伸縮させることによ
り、容易に貫通部材41〜43を電極板積層体30に貫
通することが可能になる。この状態で、基板E1および
天板E2を電極板積層体30に組付けることにより、各
貫通部材41〜43の下側の端部41C、42C、43
Cが基板E1の嵌入孔E11に嵌入されるとともに、上
側の端部41F、42F、43Fを天板E2の嵌入孔E
21に嵌入される。
【0024】この段階では、図7に示すように、各貫通
部材41〜43の端部41C〜43Fは、嵌入孔E1
1、E21に形成されたリブE111、E211(図3
参照)に圧接することにより係止し、仮止めされた状態
になっている。この仮止め工程が終了した後、すり割り
管で構成された貫通部材41〜43を拡開することによ
り、電極板積層体30を形成することができるのであ
る。
【0025】ここで、貫通部材41〜43の材質として
は、拡開時に容易に塑性変形することにより高い連結力
(摩擦抵抗)を維持することができる反面、組立後の機
械的強度の高いものが望ましい。しかし、可塑性の高い
材質を選択した場合には、機械的強度が不充分になりや
すい一方、機械的強度の高い材質を選択した場合には、
可塑性が低くなり、拡開後にスプリングバックが生じて
連結力が低下することから、両者を両立させることが困
難な場合がある。
【0026】そこで、本実施例では、図1に示すよう
に、拡開した貫通部材41〜43に挿入する芯材50を
併用している。芯材50としては、剛性が高く、耐蝕性
に優れ、機械的強度の高いものが好ましい。本実施例に
おいては、ステンレス製のパイプが芯材50として採用
されている。次に、図8を参照して、図7で説明した仮
止め工程を終了した後、先端の尖った略円錐形の治具7
0を貫通部材41〜43の一方の端部から導入し、貫通
部材41〜43を拡開しながら、芯材50を後続させて
押し込むことにより、拡開工程と芯材50の挿入工程と
が同時に行なわれる。これにより、拡開された貫通部材
41〜43内に芯材50が導入され、遂には、貫通部材
41〜43内に芯材50が圧入されることになる一方、
治具70は、貫通部材41〜43の他方の端部から抜け
出ることになる。この拡開・挿入工程は、各貫通部材4
1〜43をシーケンシャルに行なってもよく、同時に行
なってもよい。
【0027】この拡開・挿入工程により、貫通部材41
〜43は、全体的に拡開した状態で塑性変形し、各板E
1、E2に形成された嵌入孔E11、E21および各電
極板10、20に形成された10C、10E、20C、
20Eに圧接する結果、その摩擦力によって連結される
ことになる。他方、各端部41C〜43Fに形成された
係止片41G〜43Gは、上記拡開・挿入工程後に図示
しないパンチでかしめることによって屈曲され、各板E
1、E2に形成された環状溝E112、E212内に係
止される。
【0028】このように、図8に示す組立工程、即ち拡
開・挿入工程においては、拡開前の貫通部材41〜43
が、電極板積層体30をその積層方向Lに貫通し、この
状態で貫通部材41〜43を拡開することにより、電極
板積層体30の電極板10、20が、貫通部材41〜4
3に対して機械的に連結される。しかも、この工程によ
って拡開した貫通部材41〜43に芯材50が挿入され
ると、貫通部材41〜43のスプリングバックが芯材5
0に規制され、電極板10、20の嵌挿孔10C、10
E、20C、20Eに対する貫通部材41〜43の連結
力が維持されることになる。また、芯材50が貫通部材
41〜43に挿入されることにより、貫通部材41〜4
3は、芯材50によって補強されることになる。
【0029】さらに、図9に示すように、上述した拡開
・挿入工程によって、貫通部材41〜43の端部41C
〜43Fが拡開することにより、各板E1、E2の嵌入
孔E11、E21に形成された各リブE111、E21
1が押しつぶされ、各端部41C〜43Fが所定の大き
さに塑性変形した状態で当該端部41C〜43Fの拡開
エネルギーを吸収する。
【0030】上述した拡開・挿入工程による各板E1、
E2と貫通部材41〜43の連結は、ビス止めを容易に
行なうための仮連結であってもよく、或いは、ビス止め
を省略するための本連結であってもよい。何れにおいて
も、ケーシングE10に対する電極板組立体30の組立
加工が容易になることは、云うまでもない。上記工程を
終了した後は、従来の集塵部と同様にケーシングE10
が組み立てられ、集塵部Eが完成される。
【0031】以上説明したように、本実施例の構成で
は、貫通部材41〜43を電極板10、20に組み付け
る際には、拡開前の径の小さい貫通部材41〜43を電
極板10、20の嵌挿孔10C、10E、20C、20
Eに挿入すればよく、組立作業を容易且つ迅速に行なう
ことができる反面、貫通部材41〜43を拡開すること
によって、貫通部材41〜43の径を拡げて強い連結力
を得ることにより、堅固な組立構造を得ることができる
という利点がある。
【0032】また、本実施例の構成では、拡開した貫通
部材41〜43に芯材50が挿入されることにより、貫
通部材41〜43のスプリングバックが芯材50に規制
され、各板E1、E2の嵌入孔E11、E21並びに各
電極板10、20の嵌挿孔10C、10E、20C、2
0Eに対する貫通部材41〜43の連結力が維持される
ことになる。従って、スプリングバックの大きな可塑性
の低い材質が貫通部材41〜43の材料として選択され
た場合でも、堅固な連結構造を得ることが可能になると
いう利点がある。
【0033】他方、芯材50が貫通部材41〜43に挿
入されることにより、貫通部材41〜43は、芯材50
によって補強されることになる。従って、芯材50が貫
通部材41〜43に挿入されることにより、貫通部材4
1〜43は芯材50によって補強されることになるの
で、貫通部材41〜43を比較的軟質な可塑性の高い材
質で構成した場合でも、所要の機械的強度を得ることが
可能になるという利点がある。
【0034】このように、芯材50を貫通部材41〜4
3に併用することにより、貫通部材41〜43の連結力
と機械的強度とを両立することができるので、貫通部材
41〜43を構成可能な材質の範囲が広くなるという利
点がある。よって、本実施例によれば、電極板積層体3
0を容易に製造することができるとともに、電極板積層
体30の組立作業性と組立強度とを両立することができ
るという顕著な効果を奏する。
【0035】なお、上述した実施例は、本発明の好まし
い具体例に過ぎず、本発明は上記実施例に限定されな
い。例えば、図10に示す構成を採用してもよい。同図
を参照して、図10の集塵電極板20は、嵌挿孔20C
(20E)に連続するボス部21が一体に形成されてい
る。ボス部21は、例えば、バーリング加工によって集
塵電極板20に形成されたものであり、図6で説明した
組立工程時に貫通部材42を挿通させるためのものであ
る。
【0036】図10の構成を採用した場合には、貫通部
材42が拡開すると、貫通部材42は、それが嵌入して
いるボス部21に圧接し、直接連結されることになる。
この結果、両者がより一層堅固に連結されることになる
ので、図10に示すように、積層間隔Lを維持するため
のスペーサを廃止することさえ可能になる。従って、図
10の構成では、組立コストの低減をも図ることができ
るという利点がある。
【0037】また、貫通部材と直接連結される嵌挿孔
は、少なくとも導電性金属板で構成された電極板(上述
した実施例では、集塵電極板20)に形成されていれば
よい。これによって(集塵電極板20を切り起こして形
成されている突起20Aを廃止することはできないもの
の)、図10の構成に限らず、集塵電極板20の嵌挿孔
20Cに嵌入している貫通部材42を貫通させているス
ペーサ42Aを省略することが可能になる。
【0038】なお、二種の電極板10、20のうち、樹
脂モールド式のもの(上述した実施例における印加電極
板10)については、貫通部材41が拡開した際にそれ
と連結される弾性スペーサ41Aを介して、上記貫通部
材41と電極板10とを連結することが好ましい。樹脂
モールド式の電極板の場合には、嵌挿孔10Cを設けて
も、経時劣化により、貫通部材41との連結力が低下す
るが、上述した実施例のように弾性スペーサ41Aを介
して貫通部材41が電極板10を支持することにより、
長期間にわたって堅固な連結構造を得ることができるの
である。
【0039】また、上記貫通部材41〜43をスリット
41B〜43Bが形成されていない中空のステンレス管
で構成し、組立時に拡開させてもよい。スリット41B
〜43Bのない中空管を拡開した際にも、電極板の嵌挿
孔と確実に連結することが可能になる。その他、本発明
の要旨を変更しない範囲内で種々の設計変更が可能であ
ることは、云うまでもない。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
記載の構成では、貫通部材を電極板に組み付ける際に
は、拡開前の径の小さい貫通部材を、電極板の嵌挿孔に
挿入すればよく、組立作業を容易且つ迅速に行なうこと
ができる反面、貫通部材を拡開することによって、貫通
部材の径を拡げて強い連結力を得ることにより、堅固な
組立構造を得ることができるという利点がある。
【0041】また、請求項2記載の構成では、拡開作業
が容易になるばかりでなく、周知のパンチ等を利用して
容易に拡開加工を施すことができるので、自動組立にも
馴染みやすいという利点もある。また、請求項3記載の
構成では、芯材によって電極板の嵌挿孔に対する貫通部
材の連結力が維持されることになるので、スプリングバ
ックの大きな可塑性の低い材質が選択された場合でも、
堅固な連結構造を得ることが可能になるという利点があ
る。しかも、芯材が貫通部材に挿入されることにより、
貫通部材は芯材によって補強されることになるので、貫
通部材を比較的軟質な可塑性の高い材質で構成した場合
でも、所要の強度を得ることが可能になるという利点が
ある。
【0042】また、請求項4記載の構成では、ボス部に
貫通部材が圧接するので、両者がより一層堅固に連結さ
れる結果、積層間隔を維持するためのスペーサを低減す
ることさえ可能になり、それによって、組立コストの低
減を図ることができるという利点がある。従って、本発
明によれば、電極板積層体を容易に製造することができ
るとともに、電極板積層体の組立作業性と組立強度とを
両立することができるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における集塵部の要部を示す
正面略図である。
【図2】図1の集塵部の概略を示す分解斜視図である。
【図3】図1の集塵部に採用されているケーシングの要
部を示す図であり、(A)は嵌入孔の底面図、(B)
は、(A)のB−B矢視断面図である。
【図4】図1の集塵部に採用されている貫通部材を示す
一部破断正面図である。
【図5】図1の集塵部に採用されている貫通部材の連結
状態を示す一部破断斜視図である。
【図6】図1の集塵部の組立工程を示す集塵部の分解正
面略図である。
【図7】図6の工程段階における貫通部材の連結状態を
示す一部破断底面図である。
【図8】図1の集塵部の拡開・挿入工程を示す集塵部の
正面略図である。
【図9】図8の工程段階における貫通部材の連結状態を
示す一部破断底面図である。
【図10】本発明の別の実施例における集塵部の要部を
示す正面略図である。
【符号の説明】
10 印加電極板 10C 嵌挿孔 10E 嵌挿孔 20 集塵電極板 20C 嵌挿孔 20E 嵌挿孔 30 電極板積層体 41 第1の貫通部材 42 第2の貫通部材 43 第3の貫通部材 50 芯材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 安夫 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 宮野 健二 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性材料からなる導電部材(10A、2
    0)をそれぞれ有する長板状に形成された多数の印加電
    極板(10)および集塵電極板(20)を含み、各電極
    板(10、20)を、互いに間隔を隔てて平行且つ交互
    に積層して構成される電極板積層体(30)と、 電極板積層体(30)を、当該電極板(10、20)の
    積層方向(L)に貫通するとともに、径方向に拡開可能
    に構成された金属製の貫通部材(41〜43)と、 上記電極板積層体(30)の電極板(10、20)に形
    成され、拡開前の貫通部材(41〜43)を挿通させる
    とともに、挿通後に拡開した貫通部材(41〜43)と
    圧接する嵌挿孔(10C、10E、20C、20E)と
    を備えていることを特徴とする電気集塵エレメントの集
    塵部。
  2. 【請求項2】請求項1記載の電気集塵エレメントの集塵
    部において、 上記貫通部材(41〜43)は、すり割り管である。
  3. 【請求項3】請求項2記載の電気集塵エレメントの集塵
    部において、 拡開した上記貫通部材(41〜43)に挿入される芯材
    (50)をさらに備えているものである。
  4. 【請求項4】請求項1記載の電気集塵エレメントの集塵
    部において、 上記電極板(20)に一体形成され、嵌挿孔(20C、
    20E)と連続して、貫通部材(41)を嵌入させるボ
    ス部(21)をさらに備えているものである。
JP21155694A 1994-09-05 1994-09-05 電気集塵エレメントの集塵部 Pending JPH0871449A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009082911A (ja) * 2007-09-11 2009-04-23 Daikin Ind Ltd 集塵装置
CN109395885A (zh) * 2018-11-01 2019-03-01 佛山市南海九洲普惠风机有限公司 一种油烟净化器
JP2020054957A (ja) * 2018-10-02 2020-04-09 株式会社ディスコ 廃液処理装置

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