JP2021053583A - 電気集塵機のスペーサ及び集塵部 - Google Patents

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Abstract

【課題】洗浄に伴う不具合が生じにくい、電気集塵機のスペーサを提供する。【解決手段】電気集塵機(93)のスペーサ(9)は、電気集塵機(93)の集塵部(91)において、支持シャフト(5)により並設支持された複数の電極板(11)の間で支持シャフト(5)に保持されており、環状又はC字状の基体(9K)と、基体(9K)から隣接する電極板(11)それぞれに向かい周方向に離隔して突出する複数の軸方向突出部(9e,9f)と、基体(9K)から支持シャフト(5)の外周面(5b1)に向かい周方向に離隔して突出する複数の径方向突出部(9c)と、を有する。【選択図】図4

Description

本発明は、電気集塵機のスペーサ及び集塵部に関する。
電気集塵機は、気流中の塵埃などの粒子を帯電する荷電部(アイオナイザ)と、荷電部より気流の下流側に配置され荷電部で帯電した粒子を捕集する集塵部(コレクタ)とを有する。
特許文献1には、電気集塵機の集塵部において、並設された高圧板間に円環状のスペーサを配置し、高圧板の並設間隔を所定の距離で維持する構造が記載されている。
特許文献1に記載された構造は、各高圧板に直流電圧を印加する固定軸を有し、その固定軸が高圧板に形成された貫通孔とスペーサの貫通孔とに交互に挿通されている。これにより、複数の高圧板は、直流電圧が印加されると共に所定間隔で平行に並設される。
特許第5380213号公報
電気集塵機の集塵部は、アース板に捕集され蓄積している塵埃を除去するため、メンテナンス作業として定期的に洗剤を含む洗浄液で洗浄される。洗浄された集塵部は、乾燥後に再び電気集塵機に取り付けられて再使用される。
特許文献1に記載されたスペーサは、貫通孔の内径が、固定軸を挿通させるためにその外径よりもわずかに大きく設定されている。また、貫通孔の内面は、周方向及び軸方向において欠落のない連続した周面になっている。
そのため、洗浄作業においてスペーサの貫通孔と固定軸との間のわずかな隙間に浸入した洗浄液は乾きにくく、乾燥に長時間を要する。また、乾燥後、スペーサの貫通孔と固定軸との間の隙間に、洗浄液に含まれていた洗剤或いは塵埃の残渣が生じ得る。
集塵部の乾燥時間が長くなるとメンテナンス作業の効率が低下する。また、スペーサの貫通孔と固定軸との間の隙間に残渣が生じると、洗剤の成分によるスペーサ,高圧板,固定軸の変質、早期劣化破損による高圧板の位置ずれに起因したスパークの誘発、スパーク検出による機械の停止、などの不具合発生が懸念される。そのため、集塵部は、このような洗浄に伴う不具合が生じにくいことが望まれている。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、洗浄に伴う不具合が生じにくい、電気集塵機のスペーサ及び集塵部を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明は次の1),2)の構成を有する。
1) 電気集塵機の集塵部において、支持シャフトにより並設支持された複数の電極板の間で前記支持シャフトに保持されるスペーサであって、
環状又はC字状の基体と、前記基体から隣接する前記電極板それぞれに向かい周方向に離隔して突出する複数の軸方向突出部と、
前記基体から前記支持シャフトの外周面に向かい周方向に離隔して突出する複数の径方向突出部と、
を有することを特徴とする電気集塵機のスペーサである。
2) 絶縁材料で形成され、
前記径方向突出部は、前記基体の周方向における前記軸方向突出部が形成されていない部分に対応して形成されていることを特徴とする1)に記載の電気集塵機のスペーサである。
3) 貫通孔を有する複数の電極板と、
前記複数の電極板それぞれの前記貫通孔に通された支持シャフトと、
隣接する前記電極板の間において前記支持シャフトに保持され、前記隣接する前記電極板の間隔を決めるスペーサと、
を備え、
前記スペーサは、環状又はC字状の基体と、前記基体から前記隣接する電極板それぞれに向かい周方向に離隔して突出する複数の軸方向突出部と、
前記基体から前記支持シャフトの外周面に向かい周方向に離隔して突出する複数の径方向突出部と、
を有する電気集塵機の集塵部である。
4) 前記スペーサは、
絶縁材料で形成されると共に、前記径方向突出部は、前記基体の周方向における前記軸方向突出部が形成されていない部分に対応して形成されており、
前記電極板は、高電圧が印加される高圧電極板であることを特徴とする3)に記載の電気集塵機の集塵部である。
本発明によれば、洗浄による不具合が生じにくい、という効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態に係る電気集塵機の集塵部の実施例である集塵部91を示す組み立て図である。 図2は、本発明の実施の形態に係る電気集塵機のスペーサの実施例であるスペーサ9を示す3面図である。 図3は、スペーサ9の斜視図である。 図4は、集塵部91における高圧板11の給電及び並設構造を示す縦断面図である。 図5は、スペーサ9に対する支持シャフト51の挿通状態を示す横断面図である。 図6は、従来のスペーサ191を用いた高圧板11の並設構造を示す縦断面図である。 図7は、スペーサ9における電流のリーク経路Rt1,Rt2を説明するための斜視的断面図である。 図8は、集塵部91を含む電気集塵機93を示す概略図である。 図9は、スペーサ91の変形例1であるスペーサ91Aを示す二面図である。 図10は、スペーサ91の変形例2であるスペーサ91Bを示す部分断面図である。
本発明の実施の形態に係る電気集塵機の集塵部を、実施例である電気集塵機93の集塵部91により説明する。
電気集塵機93は、図8に示されるように、気流DRw中に配置されたアイオナイザとも称される荷電部92と、荷電部92よりも気流DRwの下流側に配置されたコレクタとも称される集塵部91とを有する。集塵部91の外観形状は直方体状である。電気集塵機93は、さらに給電装置93a及びスパーク検出部93bを有する。
図1は、集塵部91の組み立て図である。説明の便宜上、左右上下前後の各方向を図1に示される矢印で規定する。集塵部91は、気流が前後方向に流れる姿勢で設置される。
集塵部91は、筐体の矩形枠として組み立てられる金属製の底パネル1P,左パネル2P,右パネル3P,及び天パネル4Pを有する。
右パネル3Pは、前後上下に延在する矩形平板上のパネルプレート3aと、パネルプレート3aの前後縁からそれぞれ右方に直角に折り曲げられたフランジ3b,3bとを有する。
パネルプレート3aは、上部に形成された上下に長い逃げ孔356と、中央部及び下部に形成された丸孔の逃げ孔35,35とを有する。
左パネル2Pは、右パネル3Pに対し左右対称形状に形成されており、パネルプレート3a及びフランジ3b,3bに対応してパネルプレート2a及びフランジ2b,2bを有する。また、パネルプレート2aには、パネルプレート3aの逃げ孔356,35,35に相当する逃げ孔256,25,25を有する。
右パネル3Pは、金属で形成されたホットサポートユニット7を絶縁状態で支持する。
ホットサポートユニット7は、上下に長い短冊状のサポートパネル7a1と、サポートパネル7a1の前後縁からそれぞれ右方に直角に折り曲げられた側板7a2,7a2とを有する。
前側の側板7a2には上下に離隔し前方に突出する碍子7b2,7b4が取り付けられ、後側の側板7a2には上下に離隔し後方に突出する碍子7b1,7b2が取り付けられている。
ホットサポートユニット7は、右パネル3Pの前側のフランジ3bに対し碍子7b2,7b4を介して不図示のねじにより固定され、後側のフランジ3bに対し碍子7b1,7b2を介して不図示のねじにより固定されている。
これにより、ホットサポートユニット7は、右パネル3Pにおいて碍子7b1〜7b4を介して絶縁状態で支持されている。
左パネル2P及びホットサポートユニット8は、右パネル3P及びホットサポートユニット7と同じ部材が用いられて同じ構造で組み立てられる。すなわち、ホットサポートユニット8は、左パネル2Pにおいて碍子8b1〜8b4を介して絶縁状態で支持されている。
集塵部91の使用状態で、ホットサポートユニット7は、給電装置93a(図8)に接続され、例えば7kV程度の直流の高電圧が印加される。一方、右パネル3Pはアース電位とされる。直流の高電圧は、750Vを超える電圧である。
ホットサポートユニット7のサポートパネル7a1と、ホットサポートユニット8のサポートパネル8a1との間には、複数の支持シャフト5と1本の給電シャフト6とが上下方向に離隔して平行に設置されている。
支持シャフト5は、この例において支持シャフト51〜53の3本である。給電シャフト6は、最上の支持シャフト51の上方に近接配置されている。
給電シャフト6及び支持シャフト51は、左パネル2Pのパネルプレート2aの逃げ孔256及び右パネル3Pのパネルプレート3aの逃げ孔356に、非接触で挿通されている。支持シャフト52,53は、パネルプレート2aの逃げ孔25及びパネルプレート3aの逃げ孔35に非接触で挿通されている。
左パネル2Pと右パネル3Pとの間には、支持シャフト5及び給電シャフト6が挿通された、高圧の電極板としての複数の高圧板11とアースの電極板としての複数のアース板12とが交互に配設されている。
詳しくは、左右最両端の板は高圧板11とされ、その内側に隣接してホールドプレート13,14が配置されている。そしてホールドプレート13とホールドプレート14との間に、高圧板11とアース板12とが交互に配設されている。ホールドプレート13,14は、アース電極として機能する。
高圧電極板である高圧板11は、金属の薄板により形成され、3つの貫通孔115及び1つの給電用貫通孔116を有する。
貫通孔115は、支持シャフト51〜53それぞれに対応した位置にそれぞれの外径よりわずかに大きい内径で形成されている。給電用貫通孔116は、給電シャフト6の外径よりわずかに大きい内径で形成されている。
高圧板11は、挿通された支持シャフト51〜53及び給電シャフト6によって前後上下方向の位置が決められている。
隣接する高圧板11の間には、スペーサ9が支持シャフト51〜53それぞれに対し移動可能に外挿されている。図2及び図3に示されるように、スペーサ9は例えば環状部材であって絶縁性を有する樹脂で形成されている。
図4は、図1におけるS4−S4位置での組み立て後の状態を示す部分縦断面図である。図4に示されるように、最右の高圧板11とサポートパネル7a1との間には、ワッシャ状のプレートスペーサ10を挟んで2つのスペーサ9が支持シャフト5に外挿されている。最左側も同様である。これらにより、高圧板11のサポートパネル7a1に対する左右方向の位置ずれが生じないように調整されている。
上述の構成によって高圧板11の左右方向の位置が決められると共に、複数の高圧板11の間の離隔距離がスペーサ9の厚さD9(図2参照)で決められる。高圧板11は完全には固定されてなく、集塵部91の使用状態において、自重により給電用貫通孔116が給電シャフト6の上縁に接触している。
複数のアース板12は金属の薄板で形成されている。図1に示されるように、複数のアース板12それぞれは、集塵部91を組み立てた状態で、支持シャフト51及び給電シャフト6と接触しないように上端部から逃げとして切り込まれた切込み部12aを有する。また、複数のアース板12それぞれは、支持シャフト52,53それぞれに対応した位置に、スペーサ9の外径よりも十分大きい内径を有して形成された逃げ孔125,125を有する。
複数のアース板12は、前縁及び後縁が、ステー15(15a〜15d)のスリット15sに係合して前後左右上下の各方向の位置が決められ保持されている。
図1において、ステー15(15a〜15d)は、集塵部91の前面側及び後面側それぞれにおいて上下に離隔して複数本備えられている。この例においてステー15は4つのステー15a〜15dとされている。
各ステー15は、左右方向に延びる姿勢で両端が右パネル3Pのフランジ3bと左パネル2Pのフランジ2bとにねじ固定されている。
各ステー15には、左右方向に所定の間隔でスリット15sが形成されている。スリット15sは、アース板12がほぼ隙間なく進入する幅で形成されている。複数のステー15のスリット15sのうち、最上のスリット15s1とアース板12との係合でアース板12の上下方向の位置が決められている。
既述のように、支持シャフト51〜53には、隣接する高圧板11の間に図2及び図3に示されるスペーサ9が外挿されている。これにより、集塵部91が組み立てられた状態で、複数の高圧板11は、左右方向の離隔距離をスペーサ9の厚さD9として平行に並設支持されている。
次にスペーサ9について詳述する。図2はスペーサ9の3面図及び半断面図であり、図3はスペーサ9の外観斜視図である。図2において、(b)は正面図であり、(a)は(b)の上面図であり、(c)は(a)の下面図である。また、(d)は(b)の側面視の半断面図である。
図2及び図3において、スペーサ9は、絶縁性樹脂によって円環状に形成された基体9Kを有する。樹脂例は硬質のポリ塩化ビニル樹脂である。スペーサ9は、基体9Kの端面9d1,9d2それぞれにおいて、所定の周方向範囲において軸方向に抉られた切込み部9a,9bを有する。この例では、切込み部9a及び切込み部9bは、基体9Kにおいて周方向に角度θa(例えば120°)の角度間隔で形成された3つの切込み部9a1〜9a3,9b1〜9b3である。切込み部9aと切込み部9bとは、周方向において対応した同じ位置に形成されている。
切込み部9a,9bの底部位置を基体9Kの側縁位置とすれば、隣接する切込み部9a,9bの間の部分は、基体9Kから軸方向に突出した軸方向突出部9e,9fとなる。
スペーサ9は、基体9Kの内周面から径の中心に向けて高さHaで突出した径方向突出部9cを有する。高さHaは例えば3mmである。
径方向突出部9cは、基体9Kにおいて切込み部9a,9bに対応した位置に形成された3つの径方向突出部9c1〜9c3である。すなわち、切込み部9a,9bは、軸方向突出部9e,9fが形成されていない部分に対応した位置に形成されている。この例において、径方向突出部9cは、切込み部9a,9bの周方向範囲の中央に対応した位置に形成されている。
3つの径方向突出部9cは、先端が直径φaの円に外接するように形成されている。直径φaは、支持シャフト5の外径よりもわずかに大きく設定されている。スペーサ9は、支持シャフト5に外挿した際に、径方向の隙間がほとんどなく手で軸方向に移動可能とされている。
次に、支持シャフト5及び給電シャフト6について図4を参照して説明する。
3本の支持シャフト51〜53は同じものであり代表として支持シャフト51を説明する。
支持シャフト51は、棒状のシャフト部51aと、シャフト部51aの外周に嵌められた絶縁パイプ部51bとを有する。シャフト部51aの両端には不図示の雄ねじが形成されており、サポートパネル7a1及びサポートパネル8a1(図1参照)それぞれの不図示の孔に通され、ナットN5により導通状態でねじ固定されている。
シャフト部51aはステンレスなどの金属棒材で形成され、絶縁パイプ部51bは硬質のポリ塩化ビニル樹脂などの絶縁材料で形成されている。ここで絶縁材料は、電気抵抗率が1014〜1016Ω・cm程度或いはそれ以上の材料を意味する。
給電シャフト6は、棒状のシャフト部6aと、シャフト部6aの外側に嵌められた給電パイプ部6bとを有する。シャフト部6aの両端には不図示の雄ねじが形成されており、サポートパネル7a1及びサポートパネル8a1(図1参照)にそれぞれの不図示の孔に通され、ナットN6によって導通状態でねじ固定されている。
シャフト部6aはステンレスなどの金属棒材で形成され、給電パイプ部6bはフェノール樹脂などの半絶縁材料で形成されている。ここで半絶縁材料は、電気抵抗率が109〜1013Ω・cm程度の材料を意味する。
図4に示されるように、支持シャフト5及び給電シャフト6は、シャフト部5a及びシャフト部6aが、直流電圧が印加されたホットサポートユニット7のサポートパネル7a1に導通固定されている。
高圧板11は、自重によって給電用貫通孔116の端部が半絶縁材料で形成された給電パイプ部6bに接触し、サポートパネル7a1と同等の直流電圧が印加される。一方、アース板12は、支持シャフト5及び給電シャフト6と接触しないように切込み部12a及び逃げ孔125(図1参照)が形成されると共にステー15(図1)を介して右パネル3P及び左パネル2Pと導通することでアース電位が維持されている。
電気集塵機93は、集塵部91における高圧板11とアース板12との間に蓄積塵埃、油滴、水滴、などが経時的或いは偶発的に介在して空間距離が減少しスパークを生じる場合がある。スパーク検出部93b(図8参照)は、生じたスパークにおいて電流が予め設定した閾値以上流れた場合、異常と判定して電気集塵機93の動作を停止させる。
電気集塵機93の集塵動作に伴い、集塵部91のアース板12には塵埃などが蓄積する。そのため、集塵部91及び荷電部92は、定期的に電気集塵機93から取り外されメンテナンス作業として洗剤を含む洗浄液で洗浄される。
洗浄工程では、高圧板11に対する洗浄液の噴射、或いは集塵部91自体の洗浄液中への浸漬・水によるすすぎなどが行われ、洗浄工程後、乾燥工程で乾燥される。乾燥工程において集塵部91は、高圧板11が概ね鉛直方向に起立する姿勢で維持される。
集塵部91は、スペーサ9が、支持シャフト5の絶縁パイプ部5bに対し、連続した内周面ではなく周方向に離隔した複数の径方向突出部9cが当接又は近接し外側に嵌められている。すなわち、図5に示されるように、スペーサ9の基体9Kと絶縁パイプ部5bの外周面5b1との間には、径方向突出部9c以外の大部分に空隙V9が形成されている。
また、スペーサ9は、電極板である高圧板11に対し、軸方向突出部9e,9fの部分で当接し切込み部9a,9bの部分で離隔している。これにより、基体9Kと高圧板11との間に切込み部9a,9bに対応した空隙V9a(図4参照)が形成されている。
そのため、洗浄工程でスペーサ9と絶縁パイプ部5bとの間の空隙V9に洗浄液が浸入しても、径方向突出部9cが十分な高さHaで形成されているので、洗浄液は表面張力を考慮しても空隙V9を塞ぐようには介在できない。
すなわち、空隙V9に浸入した洗浄液は、切込み部9a,9bの空隙V9aから自重で下方に滴下或いは流下するなどして良好に排出される。十分な高さHaは、例えば1.5mm以上であり、この例では既述のように高さHaは3mmとされている。
そのため、集塵部91は、洗浄工程後にスペーサ9と支持シャフト5との間に洗浄液はほとんど残らない。そのため、集塵部91は乾燥時間が短く、洗剤の残渣が生じにくい。すなわち、集塵部91は洗浄にともなう不具合が生じにくい。
図6は、スペーサ9の替わりに、単純な円環状の従来のスペーサ191を用いた場合の、支持シャフト51による高圧板11の保持構造を示す部分断面図である。図6は図4と対比可能な部分断面図である。
図6に示されるように、従来のスペーサ191を用いた場合、支持シャフト51が挿通する貫通孔191aと支持シャフト51の外周面51b1との間のわずかな隙間に浸入した洗浄剤は排出されにくく乾きににくい。そのため、集塵部の乾燥時間が長く、乾燥後、貫通孔191aと支持シャフト51との間の隙間に洗剤の残渣192が生じ易い。
従来のスペーサ191を用いた場合、サポートパネル7a1と高圧板11との間に、支持シャフト51を通る導通経路以外に、残渣192を通る導通経路が形成される場合がある。残渣192の電気抵抗率は絶縁パイプ部51bの電気抵抗率よりも顕著に小さいため、サポートパネル7aと高圧板11との間の絶縁抵抗R(図6参照)の値が低下する。
そのため、高圧板11とアース板12との間にスパークが発生したときに、絶縁抵抗Rの値が低くなっている残渣192を通る経路で高圧板11とサポートパネル7a1との間で電荷移動が生じ、スパーク検出部93bが異常と判定して電気集塵機93の動作が停止する不具合が生じる場合があった。
これに対し、スペーサ9を用いた集塵部91を有する電気集塵機93は、残渣192が生じにくいので、サポートパネル7a1と高圧板11との間の絶縁抵抗Rの値は、安定して高く維持されている。また、洗浄後の乾燥時間が短く、洗浄で低下した絶縁抵抗Rの値も、乾燥工程で早期に元の値に復帰する。
そのため、集塵部91の稼働効率は高く、稼働中において、高圧板11とアース板12との間にスパークが発生しても電荷移動が生じにくいので、スパーク検出部93bが異常と判定する可能性も少なくなっている。
図7は、スペーサ9の斜視的断面図であり、高圧板11とアース板12との間にスパーク検出部93bが異常と判定するレベルのスパークが生じた場合の、スペーサ9における高圧板11と支持シャフト5との間のリーク電流の経路となるリーク経路Rt1,Rt2を示した図である。
リーク経路Rt1,Rt2は、高圧板11が接触する端面9d1,9d2における切込み部9a,9bの形成開始端部Pt2,Pt4と、支持シャフト5に接触又は近接する径方向突出部9cの先端縁部Pt1,Pt3と、の間を、沿面距離が最小となるように結ぶ経路になる。従って、径方向突出部9cを、基体9Kの内面における、切込み部9a,9bに対応した周方向位置に形成することでリーク経路Rt1,Rt2を長くすることができ、リーク電流の発生を抑制できる。すなわち、スパーク検出部93bによる異常判定を抑制できる。
本発明の実施例は、上述した構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において以下のような変形例としてもよい。
スペーサ9の切込み部9a,9bの数は、各3つに限定されず、2つ又は4つ以上であってもよい。図9は、スペーサ9に対し切込み部(或いは軸方向突出部)の数が異なる変形例1であるスペーサ9Aを示す2面図である。図9(a)が正面図、図9(b)は(a)の側面図である。
スペーサ9Aは、切込み部として2つの切込み部9Aa,9Abを有する。換言するならば、スペーサ9Aは、2つの軸方向突出部9Ae,9Afを有する。切込み部9Aaと切込み部9Abの幅D9Aは、基体9AKの内径とほぼ同じとされる。
スペーサ9の径方向突出部9cは、周方向のみならず軸方向においても先端に向かうに従って細くなるように形成された変形例2としてもよい。
図10は、変形例2のスペーサ9Bにおける突出部9Bcを示す縦断面図である。スペーサ9Bは、基体9BKにおける切込み部9Ba,9Bbに対応した位置に、概ね円錐形状で突出した突出部9Bcを有する。
変形例2は、支持シャフト5に対し、突出部9Bcが実質的に点に近い狭い範囲で接触又は近接するようになっている。そのため、洗浄後、スペーサ9Bと支持シャフト5との間に洗浄液がより溜まりにくく、残渣がより生じにくくなる。
スペーサ9の基体9Kは、円環状でなく角環状であってもよい。基体9Kは周方向に連続して閉じた環状でなくてもよく、いわゆる一部にスリットが入って不連続な所謂C字状であってもよい。
スペーサ9は、支持シャフト5に対し外挿せず、凹凸係合などによって支持シャフト5に保持されるものであってもよい。
集塵部91において、高圧板11の間に介在したスペーサ9は、高圧板11を鉛直方向に起立させた姿勢で高圧板11と基体9Kとの間に洗浄液が自重で排出可能な空隙V9aを形成する切込み部9a,9b、或いは軸方向突出部9e,9fを有する。また、スペーサ9は、基体9Kの内面から支持シャフト5の外周面5b1に向け突出し、基体9Kの内面と外周面5b1との間に空隙V9を形成する突出部9cを有する。
高圧板11への給電構造は上述の構造に限定されない。本発明は、並設支持された高圧板11の間隔を、隣接する高圧板間にスペーサを介在させて決める構造であれば適用可能である。
また、スペーサ9は、高圧板11の間隔を決めるため用いられることに限定されない。アース板12を、ステーを用いることなく軸で支持する構造としてスペーサ9を用いて隣接するアース板12の間隔を決める構造にしてもよい。すなわち、スペーサ9は、軸で支持された複数の電極板の間隔を決めるために用いられる介在部材として機能する。
上述の実施例及び各変形例は、可能な範囲において互いに組み合わせることができる。
1P 底パネル
2P 左パネル
2a パネルプレート、 2b フランジ
3P 右パネル
3a パネルプレート、 3b フランジ、 35,356 逃げ孔
4P 天パネル
5,51,52,53 支持シャフト
51a シャフト部、 51b 絶縁パイプ部
6 給電シャフト
6a シャフト部、 6b 給電パイプ部
7,8 ホットサポートユニット
7a1,8a1 サポートパネル、 7a2 側板
7b1〜7b4,8b1〜8b4 碍子
9 スペーサ
9a,9a1〜9a3,9b,9b1〜9b3 切込み部
9c,9c1〜9c3 突出部、 9d1,9d2 端面
9e,9f 軸方向突出部、 9K,9AK,9BK 基体
10 プレートスペーサ
11 高圧板(電極板)
115 貫通孔、 116 給電用貫通孔
12 アース板(電極板)
12a 切込み部、 125 逃げ孔
13,14 ホールドプレート
15,15a,15b,15c ステー
15s,15s1 スリット
191 スペーサ、 191a 貫通孔
192 残渣
91 集塵部(コレクタ)、 92 荷電部(アイオナイザ)
93 電気集塵機
93a 給電装置、 93b スパーク検出部
D9 厚さ、 Ha 高さ、 N5,N6 ナット
Pt1,Pt3 先端縁部、 Pt2,Pt4 形成開始端部
R 絶縁抵抗、 Rt1,Rt2 リーク経路
V9,V9a 空隙、 θa 角度、 φa 直径

Claims (4)

  1. 電気集塵機の集塵部において、支持シャフトにより並設支持された複数の電極板の間で前記支持シャフトに保持される電気集塵機のスペーサであって、
    環状又はC字状の基体と、前記基体から隣接する前記電極板それぞれに向かい周方向に離隔して突出する複数の軸方向突出部と、
    前記基体から前記支持シャフトの外周面に向かい周方向に離隔して突出する複数の径方向突出部と、
    を有することを特徴とする電気集塵機のスペーサ。
  2. 絶縁材料で形成され、
    前記径方向突出部は、前記基体の周方向における前記軸方向突出部が形成されていない部分に対応して形成されていることを特徴とする請求項1記載の電気集塵機のスペーサ。
  3. 貫通孔を有する複数の電極板と、
    前記複数の電極板それぞれの前記貫通孔に通された支持シャフトと、
    隣接する前記電極板の間において前記支持シャフトに保持され、前記隣接する前記電極板の間隔を決めるスペーサと、
    を備え、
    前記スペーサは、環状又はC字状の基体と、前記基体から前記隣接する電極板それぞれに向かい周方向に離隔して突出する複数の軸方向突出部と、
    前記基体から前記支持シャフトの外周面に向かい周方向に離隔して突出する複数の径方向突出部と、
    を有する電気集塵機の集塵部。
  4. 前記スペーサは、
    絶縁材料で形成されると共に、前記径方向突出部は、前記基体の周方向における前記軸方向突出部が形成されていない部分に対応して形成されており、
    前記電極板は、高電圧が印加される高圧電極板であることを特徴とする請求項3記載の電気集塵機の集塵部。
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