JPH07328389A - 脱硝装置のアンモニア注入量制御方法および装置 - Google Patents

脱硝装置のアンモニア注入量制御方法および装置

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JPH07328389A
JPH07328389A JP6122753A JP12275394A JPH07328389A JP H07328389 A JPH07328389 A JP H07328389A JP 6122753 A JP6122753 A JP 6122753A JP 12275394 A JP12275394 A JP 12275394A JP H07328389 A JPH07328389 A JP H07328389A
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JP
Japan
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concentration
outlet
ammonia
inlet
amount
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JP6122753A
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English (en)
Inventor
Okikazu Ishiguro
興和 石黒
Koji Yamamoto
晃二 山本
Toshimichi Wada
敏通 和田
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速負荷変動時においても、脱硝装置出口の
NOx濃度を設定値近傍に維持することができる脱硝装
置へのアンモニア注入量制御方法を提供する。 【構成】 脱硝装置において、脱硝触媒を排ガスの流動
方向に2分割し、上流側の触媒34aに対するアンモニ
ア流量調整弁20に対しては、負荷変化率、出口NOx
濃度変化率、出口NOx濃度と出口NOx濃度設定値と
の間の偏差、該偏差の変化率、入口NOx濃度変化率お
よび入口NOx濃度の時間に関する2階微分に基いてフ
アジィ推論手段によりアンモニア注入量を決定し、下流
側の触媒34bに対するアンモニア流量調整弁33に対
しては、出口NOx濃度と出口NOx濃度設定値との間
の制御偏差に基いてアンモニア注入量を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脱硝装置のアンモニア
注入量制御方法および装置に係り、特に高速負荷変動時
において、排ガス中の窒素酸化物を設定値近傍に低減す
るとともに過剰アンモニアの流出を抑制するのに好適な
アンモニア注入量制御方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の脱硝装置用アンモニア注入制御装
置は、図8に示すように、処理ガス流量計1の出力信号
と入口NOx 濃度計2の出力信号を乗算器7aで乗算し
て、入口NOx 量信号21とする。一方、入口NOx
度計2の出力信号および出口NOx 濃度設定器3の出力
信号より、引算器8aおよび割算器9より必要脱硝率信
号10を演算し、この信号を関数発生器11に入力し
て、NOx 量に対して必要なアンモニアモル比信号13
を演算する。
【0003】出口NOx 濃度設定器3の出力信号と出口
NOx 濃度計4の出力信号との間の偏差信号を引算器8
bで求め、調節計12aで信号処理して、フィードバッ
クモル比信号15を演算する。加算器14aでは、必要
モル比信号13とフィードバックモル比信号15を加算
して、全モル比信号16とし、乗算器7bで、入口NO
x 量信号21と乗算して、必要アンモニア流量信号22
とする。次に、負荷要求信号5を微分器17および2階
微分器18で演算処理した信号を加算器14bに入力
し、加算器14bでは、これらの信号と前述の必要アン
モニア流量信号22と加算して、アンモニア流量要求信
号19を演算する。このアンモニア流量要求信号19と
アンモニア流量計6の出力信号との偏差を引算器8cで
求め、調節計12bで信号処理してアンモニア流量調整
弁20を開閉することにより、脱硝装置出口NOx 濃度
を設定値近傍に維持していた。
【0004】この制御方式は、基本的には入口NOx
に対する先行値21、出口濃度設定値との偏差によるフ
ィードバック補正15、および負荷要求信号に対する動
的先行値により、アンモニア注入量を決定する方式であ
る。なお、動的先行値は、アンモニア注入量の変化に対
する脱硝反応のおくれ、通常10数分を補償するために
設けられている。
【0005】最近では、火力プラントの高速負荷変化率
運用に伴ない、脱硝負荷の変動が急激になってきたにも
かかわらず、脱硝装置出口NOx 濃度の設定値に対する
出口NOx 濃度の偏差の変化幅を小さく抑えることが要
求されている。すなわち、出口NOx 濃度の制御性を向
上させ、リークアンモニアを減少させることが必要不可
欠となっている。
【0006】特に、石炭焚きボイラにおいては、負荷変
動時に微粉炭用ミルの起動停止操作を行なうが、この際
ミル起動時のウォーミング空気または、ミル停止時のミ
ル内残炭パージ用の空気をボイラに供給するために、一
時的に空気過剰の燃焼状態が発生し、燃焼ガス中に多量
のサーマルNOx が発生する。このため、脱硝装置入口
NOx 濃度には、ピーク値が発生する。このピーク値に
対して、脱硝装置出口NOx 濃度を設定値の近傍に維持
するために、大量のアンモニアを注入すると、入口NO
x 濃度のピークに対応した出口NOx 濃度のピークを抑
えることはできるが、入口NOx 濃度がピーク値を示さ
なくなると、アンモニアが過剰となり、脱硝率が上昇し
て、脱硝装置出口NOx 濃度は極端に低下してしまう。
図6には、このような状況の一例を示す。
【0007】このように、従来技術のアンモニア注入量
制御方式では、高速負荷変動時において、脱硝装置出口
NOx 濃度を設定値の近傍に維持するとともに過剰アン
モニアの流出を抑えるという点について配慮されていな
かった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、脱硝
負荷が急激に変化した場合においても、脱硝装置出口N
x 濃度を設定値近傍に維持するという点について配慮
がされておらず、動的先行制御によって、大量のアンモ
ニアの注入により、出口NOx 濃度の上限値はクリアで
きても、下限値を下まわるという問題があった。
【0009】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解決し、高速負荷変動時においても、脱硝装置出口のN
x 濃度を設定値近傍に適切に維持できるアンモニア注
入量制御方法および装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本願で特許請求する発明は以下のとおりである。 (1)NOx 含有排ガスにアンモニアを注入混合し、こ
れを脱硝触媒と接触させ、排ガス中のNOx を還元除去
する脱硝装置へのアンモニア注入量制御方法において、
前記脱硝触媒を排ガスの流動方向に2分割し、分割され
た各触媒ごとにアンモニア注入量を制御するようにし、
上流側触媒に対しては、処理ガス流量と入口NOx 濃度
より入口NOx 量を算出し、入口NOx 濃度と出口NO
x 濃度設定値に基づいて必要モル比信号を算出し、出口
NOx 濃度設定値と出口NOx 濃度測定値に基づいて第
1のフィードバックモル比補正信号を算出し、負荷変化
率、入口NOx 濃度変化率、出口NOx 濃度の測定値と
設定値の偏差およびその変化率に基づいて第2のフィー
ドバックモル比補正信号を算出し、前記各算出信号に基
づいてアンモニア注入量を制御するとともに、下流側触
媒に対しては、負荷変化時のみ、出口NOx 濃度設定値
と測定値の偏差に基づいてアンモニア注入量を調整する
ことを特徴とする脱硝装置のアンモニア注入量制御方
法。
【0011】(2)NOx 含有排ガスにアンモニアを注
入して混合したものを脱硝触媒と接触させ排ガス中のN
x を還元除去する脱硝装置において、前記脱硝触媒を
排ガス流れの上流側触媒部と下流側触媒部により構成
し、上流側触媒部と接触する排ガスへのアンモニア注入
量制御装置は、処理排ガス流量と入口NOx 濃度より入
口NOx 量を算出する機構と、入口NOx 濃度と出口N
x 濃度設定値より必要モル比信号を算出する機構と、
負荷変化率、出口NOx 濃度変化率、出口NOx濃度と
出口NOx 濃度設定値との間の制御偏差、該制御偏差の
変化率に基づいて、またはそれらと入口NOx 濃度変化
率と入口NOx 濃度の時間に対する2階微分とに基づい
てフィードバックモル比補正信号を算出する機構と、前
記各機構により求めた入口NOx 量、必要モル比信号、
フィードバックモル比補正信号とに基づいてアンモニア
注入量を制御する機構とから構成し、かつ下流側触媒部
と接触する排ガスへのアンモニア注入量制御装置は、出
口NOx 濃度と出口NOx 濃度設定値との偏差信号に基
づいてアンモニア注入量を決定する機構で構成したこと
を特徴とする脱硝装置のアンモニア注入量制御装置。
【0012】(3)乾式アンモニア接触還元法による排
ガス脱硝装置において、脱硝触媒を排ガスの流動方向に
2分割し、上流側の脱硝触媒に対するアンモニア注入量
に関しては、負荷変化率、出口NOx 濃度変化率、出口
NOx 濃度と出口NOx 濃度設定値との間の制御偏差、
制御偏差の変化率に基づいて、またはそれらと入口NO
x 濃度変化率および入口NOx 濃度の時間に関する2階
微分に基づいて、注入量を決定し、下流側の脱硝触媒に
対するアンモニア注入量に関しては、出口NO x 濃度と
出口NOx 濃度設定値との間の制御偏差に基づいて、注
入量を決定する制御器を設けたことを特徴とする脱硝装
置のアンモニア注入量制御装置。
【0013】
【作用】上流側からのアンモニアの注入に対する出口N
x 濃度の応答には、10数分のおくれがあるので、上
流側の制御器は負荷変化率、入口NOx 濃度変化率およ
び出口NOx 濃度変化率等の脱硝負荷の変化傾向をとら
えてアンモニアを先行的に注入するように動作する。下
流側の制御器は、アンモニアの注入に対する出口NOx
濃度の応答が早いことを考慮して、出口NOx 濃度によ
るフィードバック補償動作を行なう。
【0014】それによって、石炭焚きボイラの高速負荷
変化時のように、ミルの起動停止操作によって入口NO
x 濃度にピーク値が発生したような場合においても、下
流側の制御器によって、急激な脱硝負荷の変動を吸収で
きるとともに、上流側の制御器では、アンモニアの先行
注入により、脱硝反応の大きなおくれを補償できるの
で、出口NOx 濃度はあらゆる運転状態において、設定
値の近傍に維持され、設定値から大きくはずれることが
ない。
【0015】
【実施例】本発明になる脱硝装置のアンモニア注入量制
御装置の具体的実施例を図1および図2に示す。図1に
示したように、本実施例においては脱硝装置の触媒層を
2分割し、34aおよび34bとする。この触媒層の分
割割合は、ガス側からみて上流側の部分を70〜80
%、下流側の部分を20〜30%程度とする。この理由
は、上流側の分割割合を大きくしすぎると、下流側のア
ンモニアの注入に対する出口NOx濃度の制御性は向上
するが、リークアンモニア濃度が増加するという欠点が
あり、一方、上流側の分割割合を小さくすると、下流側
のアンモニアの注入に対する出口NOx 濃度の制御性が
悪くなるという欠点がある。
【0016】このように、リークアンモニアと出口NO
x 濃度の制御性とはトレードオフの関係にあり、シミュ
レーションによる検討結果では、上記の分割割合が適切
である。各触媒層の入口に、アンモニア流量調整弁20
および下流側アンモニア流量調整弁33を設置するが、
本発明の目的は、これら2つのアンモニア流量調整弁の
制御装置を提供することにある。
【0017】図2を用いて、まずアンモニア流量調整弁
20の制御方式を説明する。本制御装置は、脱硝装置出
口NOx 濃度を設定値に維持するに必要な脱硝率信号1
0を得るための必要モル比信号13、出口NOx 濃度計
4の出力信号と出口NOx 濃度設定器3の出力信号との
間の偏差によるフィードバックモル比補正信号、および
ファジィ制御器31による動的先行補正からアンモニア
注入量を決定するように構成されている。
【0018】このうち、必要モル比信号およびフィード
バック補正モル比信号については、図8で述べた従来の
制御方式と同様である。ファジィ制御器31では、入口
NOx 濃度計2の出力信号、出口NOx 濃度設定器3の
出力信号、出口NOx 濃度計4の出力信号および負荷要
求信号5をオンライン取り込み、以下の3種類のファジ
ィ推論によりアンモニア注入量の補正を行なう。すなわ
ち、(1)負荷変化率と出口NOx 濃度変化率、(2)
出口NO x 濃度と出口NOx 濃度設定値との間の制御偏
差および制御偏差の変化率、(3)入口NOx 濃度変化
率と入口NOx 濃度の時間に対する2階微分である。
【0019】このような(上記(1)、(2)、
(3))ファジィ推論の前件部に対して、後件部を決定
し、アンモニア注入量の補正値を決定するが、これらは
いずれも、脱硝装置入口の脱硝負荷の変化傾向により、
先行的に動作するので、脱硝反応の大きなおくれを補償
できる。上述の2番目のファジィ推論の例では、出口N
x 濃度が設定値よりも非常に大きく、設定値から遠ざ
かる傾向にあれば、アンモニア注入量を大幅に増加させ
るというような制御ルールに基づいて操作量を決定す
る。
【0020】上述の1番目のファジィ推論を例にとり、
負荷変化率と出口NOx 濃度変化率に基づくファジィ演
算の具体例を以下に説明する。ファジィ制御器31で
は、負荷要求信号5および出口NOx 濃度計4の出力信
号を入力し、以下の演算処理を行なう。n時刻点におけ
る負荷要求信号をxn 、出口NOx 濃度計の出力信号を
n とすると、それぞれの変化率信号Δxn 、Δyn
次式となる。
【0021】 Δxn =(xn −xn-1 )・sx ……(1) Δyn =(yn −yn-1 )・sy ……(2) ここに、sx 、sy :スケーリングファクタである。Δ
n 、Δyn のメンバシップ関数の一例を図3に示す。
図の記号の意味を以下に示す。
【0022】NB:負で大きい、NM:負でやや大き
い、NS:負で小さい、ZO:ほぼ零である、PS:正
で小さい、PM:正でやや大きい、PB:正で大きい。
Δxn とΔyn の状況により、補正すべきアンモニア注
入量の増分Hn を決定する制御ルールの例を図4に示
す。図において、例えば、もしΔxn =PSで、Δyn
=NMなら、Hn =NMのように読み、これを制御ルー
ルと呼ぶ。
【0023】具体的に操作量の基本増分を決定する方法
を図5に示す。図では、2つの制御ルール(ルール1と
ルール2)を例として示し、負荷要求信号の変化率の代
表量をX、出口NOx 濃度の変化率の代表量をYとす
る。X=X′、Y=Y′の値に関するファジィ集合をル
ール1についてA1 、B1 とし、ルール2について
2、B2 とする。ルール1から決まる操作量の増分の
ファジィ集合をC1 、ルール2に対応するものをC2
し、それぞれのメンバシップ関数をμc1、μc2とする。
このときルール1から w1 =Min{μA1(X′)、μB1(Y′)} ……(3) ルール2から w2 =Min{μA1(X′)、μB2(Y′)} ……(4) w1 とw2 を使用して、ルール1とルール2を満たす操
作量の基本増分のメンバシップ関数μc *を μc *=Max{w1 μc1、w2 μc2} ……(5) このμc *の重心座標Z*を図5を参照して次式で計算
する。
【0024】
【数1】
【0025】この値Z*を操作量の基本増分Hとする。
実際には、X′とY′の値に対して4つの制御ルールが
関与しているが同様の手順でHを決定する。このHに制
御ゲインKを乗算して、K・Hが負荷変化率と出口NO
x 濃度変化率に対するファジィ制御信号となる。同様の
演算を、出口NOx 濃度の制御偏差および制御偏差の変
化率、入口NO x 濃度の時間に関する1階および2階微
分に関して、(1)〜(6)式によって実行し、サンプ
リング時間ごとにファジィ制御信号を求める。
【0026】これらの3つのファジィ制御信号に重み係
数を乗算して、最終的な制御信号は次式となる。
【0027】
【数2】
【0028】ここに、u:ファジィ制御器31の制御出
力信号、α:重み係数である。なお、上記実施例では、
ファジィ制御器31で3種類のファジィ推論によりアン
モニア注入量を補正することを述べたが、これを簡略化
して次の2種類のファジィ推論により行なっても、ほぼ
その目的を達成できる。すなわち、(1)負荷変化率と
出口NOx 濃度変化率、(2)出口NOx 濃度と出口N
x 濃度設定値との間の制御偏差および制御偏差の変化
率である。
【0029】次に、下流側アンモニア流量調整弁33の
制御方式を以下に示す。フィードバック補償器32で
は、出口NOx 濃度設定器3の出力信号と出口NOx
度計4の出力信号との間の偏差信号(引算器8bの出力
信号)および負荷要求信号5の微分信号(微分器17の
出力信号)、すなわち負荷変化率を用いて、下流側アン
モニア注入量のデマンドを求める。
【0030】ここで、負荷変化率は、下流側アンモニア
流量調整弁33を介して、アンモニアを供給するかどう
かのトリガ信号として使用する。すなわち、負荷変化中
のみ、アンモニアを供給することになるが、これは下流
側では、脱硝性能の低下によるリークアンモニアの増加
が問題となるためである。出口NOx 濃度の制御偏差を
εとすると、 ε=x−xset ……(8) ここに、x:出口NOx 濃度、xset :出口NOx 濃度
設定値である。
【0031】下流側アンモニア注入量デマンドG
NH3 は、 GNH3 =KP ・f(ε) ……(9) ここに、KP :制御ゲイン、f(ε):例えばεまたは
ε2 である。(9)式は比例制御に相当するものであ
り、脱硝装置出口NOx 濃度が設定値よりも上昇した場
合のみ動作する。
【0032】これは、触媒へのアンモニアの吸着反応に
おくれがあることを考慮したものであり、積分動作を加
えると、アンモニアの過剰注入により、リークアンモニ
アが増加するとともに、脱硝性能の向上により、脱硝装
置出口NOx 濃度が設定値を大幅に下まわるためであ
る。すなわち、おくれの大きい系では、比例制御に相当
する制御方式の方が、出口NOx 濃度の制御性に対して
は有利である。
【0033】このようにして、本制御装置では、アンモ
ニア流量調整弁20を中心としてアンモニアを注入し、
負荷変化時のみ、補助的に下流側アンモニア流量調整弁
33を動作させるものである。したがって、本実施例に
よれば、例えば石炭焚きボイラにおける負荷変動時の脱
硝装置入口NOx 値のピークに対しても、出口NOx
度を設定値の近傍に維持できるとともにリークアンモニ
ア濃度を低減できる。
【0034】さらに、上記の制御方式で補償できない部
分に対しては、下流側から出口NO x 濃度の制御偏差に
対応して、アンモニアを注入することにより対処でき
る。図6および図7に負荷上昇時のシミュレーションに
よる制御特性計算結果を示す。図6は従来技術による制
御装置の計算例であり、負荷上昇と同時にアンモニアを
大量に注入するので、出口NOx 濃度の上限はクリアで
きるが、その反動として、脱硝性能の上昇により、出口
NOx 濃度は下限をクリアできない。
【0035】図7は本実施例になる制御装置の計算例で
あり、上流側および下流側からのアンモニアの適切な注
入量制御により、出口NOx 濃度は上下限の間に維持さ
れている。したがって、リークアンモニアを減少させる
ことができる。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、石炭焚きボイラにおけ
る負荷変動時のNOx 濃度のピーク値発生に対して、負
荷変化率、出口NOx 濃度の変化の傾向、入口NOx
度の変化の傾向および出口NOx 濃度の設定値の変化の
傾向を捕らえて、上流側からのアンモニア注入量を決定
できるので、従来の比例積分(PI)調節計のように、
出口NOx 濃度の制御偏差が生じてからアンモニア注入
量を増減する制御方式に比較して、早めに必要なアンモ
ニアを注入できるので、脱硝反応の大きなおくれを補償
することが可能となり、出口NOx 濃度を設定値の近傍
に維持できるとともにリークアンモニアを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する触媒層分割型脱硝装置を示す
概念図。
【図2】本発明になる脱硝装置のアンモニア注入量制御
装置の一実施例図。
【図3】本発明におけるメンバシップ関数の一例を示す
説明図。
【図4】本発明における制御ルールの一例を示す説明
図。
【図5】本発明におけるファジィ推論の原理を示す説明
図。
【図6】従来技術になるアンモニア注入量制御装置の制
御特性を示す説明図。
【図7】本発明になる脱硝装置のアンモニア注入量制御
装置の制御特性の一例を示す説明図。
【図8】従来のアンモニア注入量制御装置を示す制御系
統図。
【符号の説明】
1…処理ガス流量計、2…入口NOx 濃度計、3…出口
NOx 濃度設定器、4…出口NOx 濃度計、5…負荷要
求信号、6…アンモニア流量計、7a、7b…乗算器、
8a、8b、8c、8d…引算器、9…割算器、10…
必要脱硝率信号、11…関数発生器、12a、12b、
12c…調節計、13…必要モル比信号、14a、14
b、14c…加算器、15…フィードバックモル比信
号、16…全モル比信号、17…微分器、18…2階微
分器、19…アンモニア流量要求信号、20…アンモニ
ア流量調整弁、21…入口NOx 量信号、22…必要ア
ンモニア流量信号、30…下流側アンモニア流量計、3
1…ファジィ制御器、32…フィードバック補償器、3
3…下流側アンモニア流量調整弁、34a…上流側触媒
層、34b…下流側触媒層、35…入口側排ガス、36
…出口側排ガス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 53/86 ZAB B01D 53/36 ZAB

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 NOx 含有排ガスにアンモニアを注入混
    合し、これを脱硝触媒と接触させ、排ガス中のNOx
    還元除去する脱硝装置へのアンモニア注入量制御方法に
    おいて、前記脱硝触媒を排ガスの流動方向に2分割し、
    分割された各触媒ごとにアンモニア注入量を制御するよ
    うにし、上流側触媒に対しては、処理ガス流量と入口N
    x 濃度より入口NOx 量を算出し、入口NOx 濃度と
    出口NOx 濃度設定値に基づいて必要モル比信号を算出
    し、出口NOx 濃度設定値と出口NOx 濃度測定値に基
    づいて第1のフィードバックモル比補正信号を算出し、
    負荷変化率、入口NOx 濃度変化率、出口NOx 濃度の
    測定値と設定値の偏差およびその変化率に基づいて第2
    のフィードバックモル比補正信号を算出し、前記各算出
    信号に基づいてアンモニア注入量を制御するとともに、
    下流側触媒に対しては、負荷変化時のみ、出口NOx
    度設定値と測定値の偏差に基づいてアンモニア注入量を
    調整することを特徴とする脱硝装置のアンモニア注入量
    制御方法。
  2. 【請求項2】 NOx 含有排ガスにアンモニアを注入し
    て混合したものを脱硝触媒と接触させ排ガス中のNOx
    を還元除去する脱硝装置において、前記脱硝触媒を排ガ
    ス流れの上流側触媒部と下流側触媒部により構成し、上
    流側触媒部と接触する排ガスへのアンモニア注入量制御
    装置は、処理排ガス流量と入口NOx濃度より入口NO
    x 量を算出する機構と、入口NOx 濃度と出口NOx
    度設定値より必要モル比信号を算出する機構と、負荷変
    化率、出口NOx 濃度変化率、出口NOx 濃度と出口N
    x 濃度設定値との間の制御偏差、該制御偏差の変化率
    に基づいて、またはそれらと入口NOx 濃度変化率と入
    口NOx 濃度の時間に対する2階微分とに基づいてフィ
    ードバックモル比補正信号を算出する機構と、前記各機
    構により求めた入口NOx 量、必要モル比信号、フィー
    ドバックモル比補正信号とに基づいてアンモニア注入量
    を制御する機構とから構成し、かつ下流側触媒部と接触
    する排ガスへのアンモニア注入量制御装置は、出口NO
    x 濃度と出口NOx 濃度設定値との偏差信号に基づいて
    アンモニア注入量を決定する機構で構成したことを特徴
    とする脱硝装置のアンモニア注入量制御装置。
  3. 【請求項3】 乾式アンモニア接触還元法による排ガス
    脱硝装置において、脱硝触媒を排ガスの流動方向に2分
    割し、上流側の脱硝触媒に対するアンモニア注入量に関
    しては、負荷変化率、出口NOx 濃度変化率、出口NO
    x 濃度と出口NOx 濃度設定値との間の制御偏差、制御
    偏差の変化率に基づいて、またはそれらと入口NOx
    度変化率および入口NOx 濃度の時間に関する2階微分
    に基づいて、注入量を決定し、下流側の脱硝触媒に対す
    るアンモニア注入量に関しては、出口NOx 濃度と出口
    NOx 濃度設定値との間の制御偏差に基づいて、注入量
    を決定する制御器を設けたことを特徴とする脱硝装置の
    アンモニア注入量制御装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003105997A1 (de) * 2002-06-17 2003-12-24 Abb Research Ltd. Verfahren und vorrichtung zur regelung einer rauchgasentstickungsanlage
JP2012228680A (ja) * 2011-04-27 2012-11-22 Kurita Water Ind Ltd 酸性ガスの処理方法
CN106540544A (zh) * 2017-01-20 2017-03-29 国网河南省电力公司电力科学研究院 一种烟气脱硝反应系统
CN113985825A (zh) * 2021-10-20 2022-01-28 大唐湘潭发电有限责任公司 一种基于dcs系统优化scr脱硝系统的方法

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