JP2004154693A - 排ガス処理方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】先行制御的な補正を行うファジィ補正を補償してNH注入量が過剰気味にならず、出口NOx濃度が設定範囲内に収まるような排ガス処理装置と方法を提供すること。
【解決手段】排ガス中のNOxに対して脱硝触媒上でNHを注入して反応させ、脱硝装置出口排ガス中のNOx濃度が所定範囲内に入るようにNH流量を制御する場合に、NH流量、電力指令値から決まるNH要求モル比の値、ファジィ推論に基づく先行補正値及び脱硝装置出口排ガス中のNOx濃度とその設定値との偏差によるフィードバック補正の総和により演算する脱硝制御方法であって、(a)脱硝装置の入口排ガス中のNOx濃度、出口NOx濃度、出口NOx濃度設定値、出口NOx濃度設定上限、出口NOx濃度設定下限及び(b)脱硝装置における排ガス中のHO濃度、入口NOx濃度、排ガス流量及びO濃度の時間的変動を概略想定して作成された運転条件を入力し、非線形最適制御によりNH注入量の最適フィードバック操作量を出力する排ガス処理方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、石炭焚きボイラ等の脱硝制御装置のような非線形でかつ外乱の変動の大きい化学反応を最適に制御するに好適な排ガス処理制御方法及び装置に関する。また、本来的に不安定な物理現象に起因して運転条件に外乱が生じても、できるだけ反応系に悪影響を及ぼさないように、その影響度合いを定量的に入力することができ、このため最適フィードバック制御と併用するに好適な排ガス処理制御方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
本明細書における脱硝装置とは、還元剤としてNHを排ガス中に注入し、設置した脱硝触媒上で注入したNHと排ガス中の窒素酸化物(NOx)を反応させて、窒素と水にする装置のことである。
【0003】
排ガス中のNOxは注入するNHと上記の反応により、窒素と水になるので、基本的には、注入するNH量は、処理すべきNOx量に見合った量を注入することになる。注入したNHはNOxとの反応に使用される以外に、脱硝触媒表面上に吸着し得る量だけ吸着する。一方、注入するNH量が処理すべきNOx量に対して不足するとNOxが処理しきれなくなり、脱硝装置出口NOx濃度を所定値以下にすることができなくなる。
【0004】
従来技術における脱硝制御装置の系統図を図9に示す。
脱硝装置出口NOx濃度(以下、単に出口NOx濃度という)107は出口NOx濃度設定値105と減算器202aにおいて比較され、その偏差、すなわち出口NOx濃度偏差108が出力される。該出口NOx濃度偏差108はPI(比例・積分)調節器203aに入力されて、その出力はモル比修正量109である。
【0005】
また、石炭焚きボイラにおける石炭の粉砕用ミルの入り・切りによるNOx発生への対応に主眼をおいた先行的補正としてファジィ補正151が演算・発生される。一方、出口NOx濃度設定値105を関数発生器201bに入力して必要モル比106が演算される。
【0006】
以上のモル比修正量109、ファジィ補正151及び必要モル比106の3者の総和を加算器205cで加算して修正モル比110を計算する。
【0007】
この修正モル比110を脱硝装置入口NOx流量104と乗算器204bで乗算演算して必要NH流量111を得る。ここで、入口NOx流量104は脱硝装置入口NOx濃度(以下、単に入口NOx濃度という)101と燃焼排ガス流量103とを乗算器204aで乗算演算した結果として計算されるが、燃焼排ガス流量103は空気流量102の関数発生器201aによる出力である。
【0008】
NH流量112はこの必要NH流量111と減算器202bで比較され、その偏差、すなわちNH流量偏差113が算出され、これをPI調節器203cに入力することでNH流量調節量114が得られる。
【0009】
図9に示す従来制御系におけるフィードバック及びファジィ補正の特徴と問題点について以下説明する。
この従来技術における修正モル比110の各成分のうちベース値は必要モル比106で算定される。ここで、その他の成分、すなわちフィードバック補正であるモル比修正量109、先行補正であるファジィ補正151についてその役割を略述すると以下のようになる。
【0010】
<フィードバック補正>
先ず、フィードバック成分であるモル比修正量109は、出口NOx濃度107が、その設定値105に接近するための操作に寄与する。ここで従来技術の特徴は2つあって、先ずNOx濃度設定値が、本来は上限・下限の2種類であるにもかかわらず単一値の出口NOx濃度設定値105として与えられること、次いで、このフィードバックを決めるP(比例)とI(積分)の各因子の重み係数が経験的に決定されており、且つ負荷バンド毎に関数発生器(図示せず)により設定されていることである。
【0011】
<ファジィ補正>
次にファジィ補正151について概略を示す。ファジィ補正151においては、この従来例の場合にあっては、以下の7つの状態量を「IF」部とし、ファジィ演算により「THEN」部としてファジィ補正151を演算するものである。すなわち、IF部は、
1.負荷変化率
2.出口NOx濃度変化率
3.出口NOx濃度と設定値間の制御偏差
4.上記制御偏差の変化率
5.入口NOx濃度変化率
6.入口NOx濃度の2階微分
7.ミル起動/停止タイミング
である。これらの状態量の値の大小をファジィレベル:負で絶対的に大きい、負で非常に大きい、負で大きい、負で中くらい、負で小さい、負で非常に小さい、ゼロ、正で非常に小さい、正で小さい、正で中くらい、正で大きい、正で非常に大きい、正で絶対的に大きい、という、この例の場合であれば13レベルに分解する。その上で、例えば、ファジィルールとして、
{出口NOx濃度変化率2が正で非常に大きい}且つ{負荷変化率1が正で小さい}ならば{NH注入量は正で非常に大きい}
のような「もし(IF)〜ならば、そのときは(THEN)〜とせよ」と言う形のIF−THEN推論を構成する。IF部に対応する計測数値を、これらルールに入力して得られるメンバシップ関数の重心を採用することで、最終的にファジィ補正151を数値として得る。
【0012】
このようなファジィ補正151においては、特に、バーナ点火(ミル起動)あるいはバーナ消火(ミル停止)において空気流量と燃料量のアンバランスにより過大なNOx量が発生し得ることから、脱硝反応器に入るNOx濃度に見合うより、常に多目にNH注入量の補正をすることになる。これは、出口NOx濃度についてはあくまで上限を押さえることが主眼であるという設計思想によるものである。
【0013】
従って、従来技術においては、ファジィ補正はNH量を多目に注入するが、これを抑制する方向のアクションは組み込まれていない。すなわち、下限に対応する制御がなおざりにされていることが問題点としてある。
【0014】
このため従来技術では、出口NOx濃度は上限設定を守るようにできるものの、下限は常に下限より下方に逸脱したアンダ気味になりやすい制御結果となる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
以上の従来技術の問題点として、要するに先行制御的な補正を行うファジィ補正はNHを過剰気味に注入する指令となり、この指令をPIフィードバック補正ではうまく補償できていないことがある。この事情を図8の制御結果を用いて説明する。図8は負荷下降時のメガ・ワット・デマンドMWD(電力指令値)601、アンモニア供給流量602、出口NOx濃度107の変化を示す。
【0016】
MWD601でみると約100〜50%へ負荷下降している。入口NOx濃度に応じてNH注入量602を変化させるが、図示していないがファジィ補正が多目に効く結果、この注入量は多目となっており、このため出口NOx濃度107が上限162を満足するものの下限163を大きく逸脱するものとなる。
【0017】
本発明の課題は、先行制御的な補正を行うファジィ補正を補償してNH注入量が過剰気味にならず、出口NOx濃度が設定範囲内に収まるような排ガス処理装置と方法を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は、次の解決手段により解決される。
すなわち、(a)脱硝装置の入口排ガス中のNOx濃度、脱硝装置の出口排ガス中のNOx濃度、前記出口排ガス中のNOx濃度設定値、前記出口排ガス中のNOx濃度設定上限、前記出口排ガス中のNOx濃度設定下限及び(b)脱硝装置における排ガス中のHO濃度、前記入口NOx濃度、排ガス流量及びO濃度の時間的変動を概略想定して作成された運転条件を入力し、非線形最適制御によりNH注入量の最適フィードバック操作量を出力し、該出力値と排ガス中の窒素酸化物(NOx)に対して脱硝触媒上でアンモニア(NH)を注入して反応させ、NH流量、メガ・ワット・デマンドMWD(電力指令値)から決まるNH要求モル比の値、ファジィ推論に基づく先行補正値及び脱硝装置出口排ガス中のNOx濃度とその設定値との偏差によるフィードバック補正の総和により、脱硝装置出口排ガス中のNOx濃度が所定範囲内に入るようにNH流量を制御する排ガス処理方法である。
【0019】
ここで、前記(a)及び(b)の他に(c)前記入口排ガス中のNOx変動が前記出口排ガス中のNOx値に与えるの影響度合いを最小化するための変動抑制定数を入力して、非線形最適制御により最適フィードバック操作量を出力する方法を用いることもできる。
【0020】
また、前記非線形最適制御は、入口NOx濃度と出口NOx濃度から現在触媒上に吸着しているNH量を推定する吸着NH逆算量と該吸着NH逆算量から出口NOx濃度の設定値の対応する現在の触媒上に吸着しているNH量を推定する吸着NHデマンド量を計算し、前記吸着NH逆算量と吸着NHデマンド量の偏差である吸着NH量偏差を求め、該吸着NH量偏差と排ガス処理時間に対する吸着NH量の時間変化率を決める状態方程式の時間変化率と、該状態方程式の右辺を吸着NH量で微分して得られる一次導関数と、排ガス出口でのNOx濃度の上限と下限を有する数学的関数で数式により表現し、これらから得られる関数とにより複素関数である波動関数を求め、該波動関数の複素関数の偏角を排ガス処理時間で偏微分し、該偏微分の結果から最適NH添加流量を求めることができる。
【0021】
さらに、前記ファジィ推論に基づく先行補正値は、負荷変化率、出口NOx濃度変化率、出口NOx濃度と設定値間の制御偏差、上記制御偏差の変化率、入口NOx濃度変化率、入口NOx濃度の2階微分、ミル起動/停止タイミングからなる7つの状態量を「IF」部とし、ファジィ演算により「THEN」部として推論することで得られる。
【0022】
また、本発明の上記課題は、ファジィ推論に基づく先行補正値は、負荷変化率、前記出口排ガス中のNOx濃度変化率、前記出口排ガス中のNOx濃度と設定値間の制御偏差、上記制御偏差の変化率、前記入口排ガス中のNOx濃度変化率、前記入口排ガス中のNOx濃度の2階微分、排ガス生成源である燃焼装置の燃料粉砕用ミル起動/停止タイミングからなる7つの状態量を「IF」部とし、ファジィ演算により「THEN」部として推論する排ガス処理方法により解決できる。
【0023】
【作用】
従来技術の前記問題点を解決するためには、論理的には二つの選択があり得る。一つはフィードバック補正を最適化する事であり、今一つの可能性は、先行補正の改良である。
【0024】
本発明は、前者、すなわちフィードバック補正の最適化を行うことで適切な制御をする。このために考え得るアイディアとしては、先ず触媒上の残存/吸着NH量に着目した制御である。すなわち、脱硝の動特性を決定するのは吸着NH量のダイナミックスであり、これを最適量に保持するようフィードバック補正するならばそれに対応して出口NOx濃度が常に上限と下限の範囲内に入ると予想できる。
【0025】
しかし、このアイディアを実現するためには、
a.触媒モデルと触媒特性との誤差の回復手段、
b.制御定数の負荷バンドごとの最適チューニング手段、
の2点を制御装置に組み込んでおく必要がある。
【0026】
言い換えれば、制御装置の仕様として、
a.モデル誤差の許容、
b.制御定数の自動的チューニング
の2項目が課せられることになる。
【0027】
このような仕様を満足する制御装置として、本発明では、以下に詳述する「非線形最適制御」を適用する。この制御方法の特徴は、
a.完全には最適性ではないが、「準」、「だいたい」の最適性が保証される、b.設計者の直観に応じた自動的な制御定数チューニング機能を有する、
事である。
【0028】
このとき、フィードバック制御の最適化を非線形最適制御装置により実行する際の外乱として排ガス入口NOx濃度の変動が、その非線形最適制御装置に及ぼす悪影響を最小化するように注入NH量を補正することによって、先行補正を改良する。
【0029】
このような仕様を満足する制御装置として、本発明では、非線形最適制御に、入口NOx濃度の変動が排ガス出口NOx濃度に対して与える影響度合を抑制するための定数を設計者が入力できるような制御装置を適用する。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下図面と数式を用いて、本発明の実施の形態の非線形最適制御になる脱硝制御方法及び装置について説明する。
本発明の実施の形態の制御系の構成を図1に示す。図9に示す従来の制御系との相違は、図9のPI調節器203aに代えて非線形最適制御装置190を設けることである。この非線形最適制御装置190への入力情報は脱硝装置入口排ガス中のNOx濃度101(以下、各種濃度は全て排ガス中の濃度をいう)、出口NOx濃度107及び出口NOx濃度107の設定値、すなわち、出口NOx濃度設定値105、その上限162と下限163である。さらに想定される運転条件161、すなわちHO濃度、入口NOx濃度、排ガス流量およびO濃度の時間的変動を概略推定して作成された運転条件も入力される。この他に図示していないが、後述の制御コストに関わる関数形状を決めるパラメータも入力され、最適フィードバック補正値180が出力される。ここで注目すべきは、単に出口NOx濃度設定値105のみならず、その上限162、下限163をも考慮するものとしていることである。これにより、排ガス出口NOx濃度107が下限設定163を下回らないようにする制御仕様を実現することができる。
【0031】
また、本実施の形態の非線形最適制御系を図2に示す。本実施の形態の制御系は吸着NH逆算部1001、デマンド計算部1002、コントローラ1003、波動関数計算部1004及び最適操作量計算部1005から成る。
【0032】
以下各部の内容を説明する。吸着NH逆算部1001では、入口NOx濃度101と出口NOx濃度107の計測値から現在触媒上に吸着しているであろうNH量を推算する。デマンド計算部1002では、現在触媒上にどれだけ吸着NH量が残存していれば出口NOx濃度が設定値になるはずであるかを計算し、その吸着NH量をデマンド、すなわち吸着NH逆算部1001で推算したNH量の目標値、として出力する。
これらの吸着NH逆算部1001とデマンド計算部1002との差が吸着NH量偏差1006である。
【0033】
コントローラ1003には制御定数H、すなわち正の定数で設計者が設定するパラメータ191が入力され、コントローラ1003の中では、吸着NH量の動特性を決めている状態方程式F(x、t)と、そのxについての一次導関数∂F(x、t)/∂x、また上限、下限を仕様として数式表現するための関数Vphys(x、t)が設定されている。ここでxは吸着NH量偏差1006、tは時間である。関数Vphys(x、t)の形を決めるために上限162、下限163の設定値とともにコスト関数パラメータ値192が、このコントローラ1003に入力される。
【0034】
波動関数計算部1004では、コントローラ1003で設定された状態方程式F(x、t)、その一次導関数∂F(x、t)/∂xと関数Vphys(x、t)の情報を用いて複素数関数ψ(x、t)が計算される。
【0035】
最適操作量計算部1005では、前記複素数関数ψ(x、t)の偏角(複素数の実数軸からの角度)をxで偏微分することで最適操作量が算出される。
【0036】
変数xは吸着NHデマンドからの推算値の偏差
x=Cnh3(t)−Cnh3dm(t)
である。この変数xは次の状態方程式
dx/dt=u+F(x、t)
を満たす。uは注入NH量の規定値からの偏差量であり、F(x、t)は変数xの時間変化を規定する。
【0037】
制御の仕様として次の時間積分が極小になることを要求する。
【数式1】
Figure 2004154693
【0038】
ここで
【数式2】
Figure 2004154693
は時間積分であり、δは積分の極小化の演算を示す。
【0039】
また、被積分関数は
【0040】
【数式3】
Figure 2004154693
であり、Vphys(x、t)が出口NOxの上限、下限の制限を数学関数として与えている。ここでmは重み定数であって、mを大きくとると出口NOxの上下限制約よりも操作量uの変動抑制に重きがおかれる。
【0041】
以上の諸関数、F、Vphys及びパラメータmと更にもうひとつのパラメータHを使い、次の方程式をたてる。
【数式4】
Figure 2004154693
【0042】
ここで
【数式5】
Figure 2004154693
は虚数単位、ψ(x、t)は変数xと時間tの複素数の値関数、
【0043】
また
【数式6】
Figure 2004154693
はψ(x、t)に作用する偏微分演算子である。
【0044】
この演算子
【0045】
【数式7】
Figure 2004154693
は線形演算子であるから固有値を有し、その虚部が最小となる固有値に対応する固有関数を
【0046】
【数式8】
Figure 2004154693
とすると、最適操作量uは
【0047】
【数式9】
Figure 2004154693
で計算される。
【0048】
ここでSは
【0049】
【数式8】
Figure 2004154693

【0050】
【数式10】
Figure 2004154693
と表現して得られる実数値関数である。
【0051】
以上、従来技術におけるファジィ制御におけるNHの過剰注入は、非線形フィードバックにより上限とともに下限も数式上で考慮する事により補償される。この事情を図3の制御結果を用いて説明する。図3は負荷下降時であり、MWD601でみると100%から50%へ負荷が下降している時の時系列的な各変化量を示す。
【0052】
図示しない入口NOx濃度に応じてNH注入(供給)量602を変える。図示していないが、NH注入(供給)量602を変えるときにファジィ補正が多目に効く結果、この注入量は多目となっている。しかし、図3に示すグラフでは、これに対しても非線形フィードバックが効いて、このため出口NOx濃度107は上限162を満足するとともに下限163をもほぼ満足するものとなっている。
【0053】
以下には次善の策としての本発明の非線形最適制御になる脱硝制御方法及び装置について、別の実施の形態を図4と図5に示す。
本制御系を図4に示す。図9に示す従来制御系との相違は、PI調節器203aに代えて吸着NH量制御装置290を設けたことである。この吸着NH量制御装置290への入力は入口NOx濃度101、出口NOx濃度107、及びこれらの設定値、すなわち、出口NOx濃度設定値105である。さらに該出口NOx濃度設定値105の上限162、下限163及び想定される運転条件161も入力される。
【0054】
吸着NH量制御装置290の詳細を図5に示す。本制御装置290は吸着NH量逆算部1001、デマンド計算部1002及びPI調節器2005から成る。該PI調節器2005においては、吸着NH量のデマンド計算部1002と現時点の吸着NH量逆算部1001の推算値の偏差1006がPI(比例・積分)制御され、現時点の吸着NH量逆算部1001が最適値、すなわちデマンド計算部1002の値に追従するように制御される。
以上、従来技術におけるファジィ制御におけるNHの過剰注入の問題点は吸着NH量を最適値にするようなPIフィードバックを行う事により補償される。
【0055】
本発明の他の実施の形態について、図6、図7に示す図面で説明する。
図6に示す制御系の構成は、図1に示す制御系の構成と異なる所は非線形最適制御装置190に入口NOx変動の出口NOx値への影響度合いの制限値300が入力されることである。
【0056】
非線形最適制御装置190への入力は入口NOx濃度101、出口NOx濃度107及びこれらの設定値、すなわち、出口NOx濃度設定値105、その上限162と下限163、想定運転条件161、さらに入口NOx濃度の変動の出口NOx濃度への影響度合いの制限値である変動抑制制御定数300が入力される。この他に図示していないが、後述の制御コストに関わる関数形状を決めるパラメータも入力されることは図1に示す場合と同じである。
【0057】
変動抑制制御定数300は、入口NOx濃度の変動が出口NOx濃度の最適制御に影響を及ぼさないように、あるいはその悪影響を最小にくい止めるための定数である。これにより、入口NOx濃度101の変動が強い場合であっても、その影響を最小限にくい止める事が可能となり、出口NOx濃度107が上限162と下限163を充足するようにする、との制御仕様を表現することができる。
【0058】
本実施の形態の非線形最適制御系を図7に示す。本実施の形態の制御系は吸着NH逆算部1001、デマンド計算部1002、コントローラ1003、波動関数計算部1004及び最適操作量計算部1005から成る。
【0059】
図7に示すように、変動抑制定数300は波動関数計算部1004に入力される。該波動関数計算部1004では、コントローラ1003で設定された状態方程式F(x、t)、その一次導関数∂F(x、t)/∂xと関数Vphys(x、t)及び変動抑制定数300の情報を用いて複素数関数ψ(x、t)が計算される。
【0060】
具体的には変動抑制係数300は以下の形で関数Vphys(x、t)に追加される;
Vphys(x、t)+(変動抑制定数300)・(入口NOx濃度の平方)
最適操作量計算部1005では、複素数関数ψ(x、t)の偏角(複素数の実数軸からの角度)をxで偏微分する事で最適操作量が算出される。この際、図1、図2に示す最適操作量計算部1005に比較して、図6、図7に示す最適操作量計算部1005のコスト関数が変動抑制定数300と入口NOx濃度の変動に応じて時々刻々に修正されているので、変動抑制定数値に応じて入口NOx濃度の変動が出口NOx濃度に影響する度合いが抑制されていることになる。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、排ガス入口NOx濃度の変動が強い場合であっても排ガス出口NOx濃度の上限と下限の範囲内に収まる。
また、そのため、排ガス中に注入するNH量も最適化され、無駄が省けることになり、NH注入総量は低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の脱硝制御系統の構成を示す図である。
【図2】図1の脱硝制御系統の中の非線形最適制御部分の詳細を示す図である。
【図3】図1の脱硝制御系統を適用の場合の負荷下降時の出口NOx等のトレンド例を示す図である。
【図4】本発明の他の実施の形態の脱硝制御系統の構成を示す図である。
【図5】図4の脱硝制御系統の中の吸着NH量制御装置の部分の詳細を示す。
【図6】本発明の他の実施の形態の脱硝制御系統の構成を示す図である。
【図7】図6の脱硝制御系統の中の非線形最適制御部分の詳細を示す図である。
【図8】従来技術になる脱硝制御を適用の場合の負荷下降時の出口NOx等のトレンド例を示す図である。
【図9】従来技術になる脱硝制御系統構成を示す図である。
【符号の説明】
101 入口NOx濃度 102 空気流量
103 燃焼排ガス流量 104 入口NOx流量
105 出口NOx濃度設定値 106 必要モル比
107 出口NOx濃度 108 出口NOx濃度偏差
109 モル比修正量 110 修正モル比
111 必要NH流量 112 NH流量
113 NH流量偏差 114 NH流量調節量
151 ファジィ補正 161 想定運転条件
162 出口NOx濃度上限 163 出口NOx濃度下限
180 最適フィードバック補正値 190 非線形最適制御装置
191 制御定数H
192 コスト関数パラメータ値
201 関数発生器 202 減算器
203 PI調節器 204 乗算器
205 加算器 290 吸着NH量制御装置
300 変動抑制定数 601 MWD
602 アンモニア供給流量 1001 吸着NH逆算部
1002 吸着NHデマンド計算部 1003 コントローラ
1004 波動関数計算部 1005 最適操作量計算部
1006 吸着NH量偏差 2005 PI調節器

Claims (5)

  1. (a)脱硝装置の入口排ガス中のNOx濃度、脱硝装置の出口排ガス中のNOx濃度、前記出口排ガス中のNOx濃度設定値、前記出口排ガス中のNOx濃度設定上限、前記出口排ガス中のNOx濃度設定下限及び(b)脱硝装置における排ガス中のHO濃度、前記入口NOx濃度、排ガス流量及びO濃度の時間的変動を概略想定して作成された運転条件を入力し、非線形最適制御によりNH注入量の最適フィードバック操作量を出力し、該出力値と排ガス中の窒素酸化物(NOx)に対して脱硝触媒上でアンモニア(NH)を注入して反応させ、NH流量、メガ・ワット・デマンドMWD(電力指令値)から決まるNH要求モル比の値、ファジィ推論に基づく先行補正値及び脱硝装置出口排ガス中のNOx濃度とその設定値との偏差によるフィードバック補正の総和により、脱硝装置出口排ガス中のNOx濃度が所定範囲内に入るようにNH流量を制御することを特徴とする排ガス処理方法。
  2. 前記(a)及び(b)の他に(c)前記入口排ガス中のNOx変動が前記出口排ガス中のNOx値に与えるの影響度合いを最小化するための変動抑制定数を入力して、非線形最適制御により最適フィードバック操作量を出力することを特徴とする請求項1記載の排ガス処理方法。
  3. 非線形最適制御は、前記入口排ガス中のNOx濃度と前記出口排ガス中のNOx濃度から現在触媒上に吸着しているNH量を推定する吸着NH逆算量と該吸着NH逆算量から前記出口排ガス中のNOx濃度の設定値の対応する現在の触媒上に吸着しているNH量を推定する吸着NHデマンド量を計算し、
    前記吸着NH逆算量と吸着NHデマンド量の偏差である吸着NH量偏差を求め、
    該吸着NH量偏差と排ガス処理時間に対する吸着NH量の時間変化率を決める状態方程式と、該状態方程式の右辺を吸着NH量で微分して得られる一次導関数と、出口排ガス中のNOx濃度の上限と下限を有する数学的関数で数式により表現し、これらから得られる関数とにより複素関数である波動関数を求め、
    該波動関数の複素関数の偏角を排ガス処理時間で偏微分し、
    該偏微分の結果から最適NH添加流量を求めることを特徴とする請求項1または2記載の排ガス処理方法。
  4. ファジィ推論に基づく先行補正値は、負荷変化率、前記出口排ガス中のNOx濃度変化率、前記出口排ガス中のNOx濃度と設定値間の制御偏差、上記制御偏差の変化率、前記入口排ガス中のNOx濃度変化率、前記入口排ガス中のNOx濃度の2階微分、排ガス生成源である燃焼装置の燃料粉砕用ミル起動/停止タイミングからなる7つの状態量を「IF」部とし、ファジィ演算により「THEN」部として推論することを特徴とする請求項1又は2記載の排ガス処理方法。
  5. 燃焼装置から排出する排ガスの流路に上流から順に設けた排ガス中の窒素酸化物(NOx)に対して脱硝触媒上にアンモニア(NH)を注入するNH注入量を制御するNH注入器と、該注入したNHと排ガスを反応させる排ガス脱硝装置と、排ガス脱硝装置入口の排ガス入口NOx濃度を計測する濃度計と排ガス脱硝装置の出口NOx濃度を計測する出口NOx濃度計と、
    (a)前記入口NOx濃度計による脱硝装置の入口排ガス中のNOx濃度、前記出口NOx濃度計による脱硝装置の出口排ガス中のNOx濃度、前記出口排ガス中のNOx濃度設定値、前記出口排ガス中のNOx濃度設定上限、前記出口排ガス中のNOx濃度設定下限及び(b)脱硝装置における排ガス中のHO濃度、前記入口NOx濃度、排ガス流量及びO濃度の時間的変動を概略想定して作成された運転条件を入力し、非線形最適制御によりNH注入量の最適フィードバック操作量を出力する非線形最適制御装置と、
    該非線形最適制御装置の出力、メガ・ワット・デマンドMWD(電力指令値)から決まるNH要求モル比、ファジィ推論に基づく先行補正値及び前記出口NOx濃度とから得られる修正NH要求モル比から前記排ガス脱硝装置の出口NOx濃度が所定範囲内に入るようにNH注入器によるNH流量を演算する演算装置と
    を備えた脱硝制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105278567A (zh) * 2015-09-28 2016-01-27 光大环保技术研究院(深圳)有限公司 基于模糊控制的垃圾焚烧烟气净化控制方法及系统
CN112445247A (zh) * 2020-09-30 2021-03-05 浙江中控软件技术有限公司 一种px氧化反应水浓度控制方法

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