JPH0732724U - カセット装着装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 テープカセットをカセットホルダに挿入した
際、カセットホルダ内で前蓋と上蓋との開蓋姿勢を良好
に保持する。 【構成】 押圧用のトップカバー２５にカセットホルダ
２２が懸架されている。また、テープカセット１の挿入
動作に伴って、カセットホルダ２２内に設けた前蓋開蓋
部材２３，２４により前蓋６，後蓋７，上蓋８がカセッ
ト筐体３の天面３ｆの上方まで開蓋される。押圧用のト
ップカバー２５を上方より手動で押圧すると、テープカ
セット１を挿入したカセットホルダ２２がトップカバー
２５と一体にカセット装着位置まで下降し、且つ、トッ
プカバー２５の天板２５ａの裏面側に設けた押さえ用板
バネ（３５），３６が開蓋した前蓋６及び上蓋８の連結
部近傍をカセット筐体３の天面３ｆに向かって上方から
押圧するので、前蓋６と上蓋８とが天面３ｆに沿って略
平行な開蓋姿勢を保持される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、磁気記録再生装置本体に適用されるカセット装着装置に関するもの である。

【０００２】

【従来の技術】

ビデオ・テープレコーダなどの磁気記録再生装置本体（以下、装置本体と記す ）に適用されるカセット装着装置には各種の構造形態があるが、このカセット装 着装置における従来例の一例として、図５に示したようなポップアップ方式のカ セット装着装置がある。 一般的、ポップアップ方式のカセット装着装置とは、磁気テープを収納したテー プカセットを挿入又は離脱するためのカセットホルダが装置本体から上方に突出 したカセット挿脱位置にあり、且つ、テープカセットを挿入したカセットホルダ が装置本体内に下降することにより、テープカセットをカセット装着装置及び装 置本体の所定のカセット装着位置に装着する構成となっているものである。

【０００３】 図５は従来のカセット装着装置を示した側面図であり、（Ａ）はカセット挿脱 位置での状態を示した図，（Ｂ）はカセット装着位置での状態を示した図である 。

【０００４】 即ち、図５（Ａ），（Ｂ）に示した従来のカセット装着装置100 は、磁気記録 再生装置120 （以下、装置本体120 と記す）のシャーシベース121 上で、且つ、 装置本体120 の前面側に固定設置されている。 上記カセット装着装置100 （以下、装着装置100 と記す）では、カセットホルダ 101 の左右両側101a，101bを夫々一対の第１，第２アーム102 ，103 の一端に軸 104 ，105 を介して回動自在に支持させ、且つ、第１，第２アーム102 ，103 の 他端をシャーシベース121 上に固定したホルダ支持部材106 に軸107 ，108 を介 して回動自在に支持させている。また、第１，第２アーム102 ，103 間には引張 バネ109 が張架されており、この引張バネ109 によりカセットホルダ101 が上昇 方向に付勢されている。

【０００５】 従って、図５（Ａ）に示したように、第１，第２アーム102 ，103 が軸107 ， 108 を中心に反時計方向に回動すると、カセットホルダ101 は引張バネ109 の付 勢力により装置本体120 の天板122 の上方に突出してカセット挿脱位置に至り、 このカセット挿脱位置でカセットホルダ101 のカセット挿入口101c からテープ カセット130 が挿入されたり、又は離脱される。

【０００６】 一方、テープカセット130 をカセットホルダ101 に挿入した後、カセットホル ダ101 の上面101d に固定したトップカバー110 を手動などにより上方から押圧 すると、第１，第２アーム102 ，103 が引張バネ109 に抗しながら軸107 ，108 を中心に時計方向に回動するので、カセットホルダ101 は図５（Ｂ）に示したよ うにホルダロック手段（図示せず）を介して所定のカセット装着位置に至る。 この際、カセットホルダ101 の下降時に、テープカセット130 の前蓋131 が装置 本体120 内に固定した前蓋開蓋部材123 に当接するこにより、前蓋131 が開蓋さ れる。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上記した従来の装着装置100 は、モータなどの駆動源を用いること なく、カセットホルダ101 に挿入したテープカセット130 をカセット挿脱位置と カセット装着位置間で確実に上下動でき、且つ、構造が簡単であるものの、装着 装置100 及び装置本体120 の高さＨ_４が高くなり、両者100 ，120 の小型化が困 難になっている。 この小型化が困難な理由は、図５（Ｂ）に示した如く、テープカセット130 の前 蓋131 が開蓋されると、前蓋131 はテープカセット130 の上面130aより上方に高 さＨ_５だけ突出するため、カセットホルダ101 の内部を前蓋131 の突出を許容で きる高さに形成しなければならない。 従って、カセットホルダ101 の上面101dに固定したトップカバー110 の高さが高 くなり、且つ、トップカバー110 と略同一高さの天板122 の高さも高くなり、装 着装置100 及び装置本体120 の高さＨ_４が高くなる。

【０００８】 そこで、カセット装着装置及び磁気記録再生装置本体の高さを低くすることが できるテープカセットを用いて、カセット装着装置及び磁気記録再生装置本体の 小型化が要望されている。 更に、テープカセット内に回転ドラムを臨ませて、磁気記録再生装置本体の奥行 きを短くすることができるカセット装着装置が望まれていると共に、この際、テ ープカセット内の磁気テープを保護するための蓋部材が回転ドラムに接触しない ことが要求されている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記課題に鑑みてなされたものであり、第１の考案は、カセット筐体 の前方部位に形成したローディングポケットに沿って張架された磁気テープを保 護するために、前記ローディングポケットの前方部位を覆う前蓋と、前記ローデ ィングポケットの上方部位を覆う上蓋とを連動して開閉自在に構成したテープカ セットを挿脱するカセットホルダを備えたカセット装着装置であって、 前記テープカセットを前記カセットホルダに挿入して前記前蓋と前記上蓋とを前 記カセット筐体の天面の上方まで開蓋した際、前記前蓋と前記上蓋とを前記カセ ット筐体の天面に略平行に保持するための押さえ用板バネを前記カセットホルダ の上方に設けたことを特徴とするカセット装着装置である。

【００１０】 また、第２の考案は、第１の考案のカセット装着装置において、 前記押さえ用板バネは、前記前蓋と前記上蓋との連結近傍を前記カセット筐体の 天面側に向かって押圧するように構成したことを特徴とするカセット装着装置で ある。

【００１１】

【実施例】

以下に本考案に係わるカセット装着装置の一実施例を図１乃至図４を参照して ＜テープカセット＞，＜カセット装着装置＞の順に詳細に詳細に説明する。

【００１２】 ＜テープカセット＞ 本考案に係わるカセット装着装置を説明する前に、ここで適用されるテープカ セットについて、図１及び図２を用いて説明する。 図１は本考案に係わるカセット装着装置に適用されるテープカセットを一部分解 して示した斜視図である。

【００１３】 図１に示したテープカセット１は、本考案に係わるカセット装着装置２０（図 ３，図４）に適用できるよう構成されており、且つ、記録媒体として磁気テープ ２を用い、この磁気テープ２を閉蓋時に前蓋６，後蓋７，上蓋８で密閉状態で保 護して構成したものである。

【００１４】 即ち、図１に示したテープカセット１において、磁気テープ２が直方形状のカ セット筐体３内に設けた供給リール４と巻取リール５間に巻回して収納されてい る。そして、供給リール４に巻回した磁気テープ２は、カセット筐体３の前面３ ａ側に形成した磁気テープ引き出し用のローディングポケット３ａ_１に沿って張 架されながら巻取リール５に巻取られている。上記ローディングポケット３ａ_１ は、後述する磁気記録再生装置１０（図３，図４）のテープローディグ部材（図 示せず）が入り込める大きさに肉抜き形成されている。

【００１５】 また、カセット筐体３の前面３ａ側に形成したローディングポケット３ａ_１に 沿って張架された磁気テープ２は、表面側の磁気記録面を覆うと共にローディン グポケット３ａ_１の前方部位を覆う前蓋６と、ローディングポケット３ａ_１内で 裏面側の非磁気記録面を覆う後蓋７と、ローディングポケット３ａ_１の上方部位 を覆う上蓋８とで閉蓋時に三角状に密閉した状態で保護されている。

【００１６】 即ち、上記前蓋６は、前面６ａの両側に側面６ｂ，６ｃが互いに対向して略コ 字形に連接形成されており、これらの側面６ｂ，６ｃに設けた軸（６ｂ_１），６ ｃ_１がカセット筐体３の側面３ｂ，３ｃ側に穿設した軸孔（３ｂ_１），３ｃ_１に 回動自在に嵌合している。これらの軸（６ｂ_１），６ｃ_１は、前蓋６をカセット 筐体３に対して矢印Ｗ_１，Ｗ_２方向に回動自在に支持しており、前蓋６の閉蓋状 態から前蓋６を矢印Ｗ_１方向に回動した時に前蓋６が開蓋するようになっている 。また、前蓋６の前面６ａの下端にはテーパ部６ａ_１が形成されており、このテ ーパ部６ａ_１は後述するカセットホルダ２２内に設けた前蓋開蓋部材２３，２４ （図３）の弓形状カム面２３ａ，２４ａに当接して前蓋６が開蓋できるよう形 成されている。

【００１７】 また、上蓋８も上面８ａの両側に側面８ｂ，８ｃが互いに対向して略コ字形に 連接形成されており、上面８ａの前端両側に設けた軸８ａ_１，８ａ_２が前蓋６の 前面６ａの上端両側に形成した軸孔（図示せず）に回動自在に嵌合し、これによ り上蓋８が前蓋６に連結されている。また、上蓋８の側面８ｂ，８ｃに設けた軸 （８ｂ_１），８ｃ_１がカセット筐体３の側面３ｂ，３ｃ側に形成した案内溝（３ ｂ_２），３ｃ_２に摺動自在に嵌合している。これらの案内溝（３ｂ_２），３ｃ_２ は、上辺３ｃ_２２の両側に前方斜辺３ｃ_２１，後方斜辺３ｃ_２３が連接形成され て略台形状に形成されており、上蓋８の開蓋軌跡を案内している。

【００１８】 また、後蓋７は、その上面７ｄの支持部（図示せず）に設けた軸７ｄ_１，（７ ｄ_２）が上蓋８の裏面８ｄから下方に突出した支持部８ｄ_１，（８ｄ_２）に形成 した軸孔（図示せず）に回動自在に嵌合し、これにより後蓋７が上蓋８に懸架状 態で連結されている。また、後蓋７の側面７ｂ，（７ｃ）に設けた軸７ｂ_１， （７ｃ_１）がカセット筐体３のローディングポケット３ａ_１の内側面３ｄ，３ｅ に形成した案内溝３ｄ_１，（３ｅ_１）に摺動自在に嵌合している。こららの案内 溝３ｄ_１，（３ｅ_１）は略Ｓ字状に形成されており、後蓋７の開蓋軌跡を案内し ている。 従って、前蓋６に上蓋８が連結され、上蓋８に後蓋７が連結されているので、前 蓋６に対して後蓋７，上蓋８が連結されたことになり、下記するように前蓋６の 開蓋動作に連動して後蓋７，上蓋８が一体的に開蓋できるようになっている。

【００１９】 次に、上記構成によるカセット１の前蓋６，後蓋７，上蓋８の開蓋動作を図１ ，図２（Ａ）〜（Ｃ）を併用して説明する。 図２は本考案に係わるカセット装着装置に適用されるテープカセットの前蓋，後 蓋，上蓋の開蓋動作を説明するための側面図であり、（Ａ）は閉蓋状態を示した 図，（Ｂ）は開蓋途中状態を示した図，（Ｃ）は開蓋完了状態を示した図である 。尚、図２（Ａ）〜（Ｃ）は巻取リール５側の側面３ｃから図示したものであり 、説明の便宜上、巻取リール５側の構成部材についてのみ図示し、巻取リール５ 側と対称な供給リール４側の構成部材については説明を省略する。

【００２０】 まず、図２（Ａ）に示した状態は、前蓋６，後蓋７，上蓋８が夫々閉蓋状態で ある。 これら３者６〜８の閉蓋時には、前蓋６が軸６ｃ_１を介してカセット筐体３のロ ーディングポケット３ａ_１の前方に閉蓋状態で支持されており、且つ、後蓋７に 設けた軸７ｃ_１が略Ｓ字状に形成した案内溝３ｅ_１の下端に位置しており、且つ 、上蓋８に設けた軸８ｃ_１が略台形状に形成した案内溝３ｃ_２の前方斜辺３ｃ_{２ １} の下端に位置しているので、ローディングポケット３ａ_１に沿って張架された 磁気テープ２が前蓋６に連結した後蓋７，上蓋８とで三角状に囲まれて密閉した 状態で保護されている。

【００２１】 次に図２（Ｂ）に示した状態は、前蓋６，後蓋７，上蓋８が夫々開蓋途中状態 である。 即ち、前蓋６が軸６ｃ_１を中心に反時計方向（矢印Ｗ_１方向）に開蓋すると、前 蓋６と連結した後蓋７，上蓋８も一体的に連動して開蓋される。 これら３者６〜８の開蓋途中では、後蓋７に設けた軸７ｃ_１が略Ｓ字状に形成し た案内溝３ｅ_１の略中間位置に至り、且つ、上蓋８に設けた軸８ｃ_１が略台形状 に形成した案内溝３ｃ_２の上辺３ｃ_２２に至り、これにより前蓋６の前面６ａの 傾斜に対して後蓋７の前面７ａも略平行に開蓋され、且つ、前蓋６の上部及び上 蓋８の裏面８ｄがカセット筐体３の天面３ｆの上方まで開蓋される。 また、上記の開蓋途中では、前蓋６の回動支点位置の関係により前蓋６の上部の 高さがカセット筐体３の天面３ｆに対して最高の高さ位置に至り、且つ、上蓋８ を案内する案内溝３ｃ_２の上辺３ｃ_２２が最高位の位置に形成されているので、 上蓋８の上面８ａの高さも筐体３の天面３ｆに対して最高の高さ位置に至り、即 ち、最高位高さＨ_１だけ前蓋６及び上蓋８が天面３ｆの上方に突出する。

【００２２】 次に、図２（Ｃ）に示した状態は、前蓋６，後蓋７，上蓋８が夫々開蓋を完了 した状態である。 即ち、前蓋６が軸６ｃ_１を中心に更に反時計方向（矢印Ｗ_１方向）に開蓋すると 、後蓋７に設けた軸７ｃ_１が略Ｓ字状に形成した案内溝３ｅ_１の上端に至り、且 つ、上蓋８に設けた軸８ｃ_１が略台形状に形成した案内溝３ｃ_２の後方斜辺３ｃ _２３ の下端に至るので、これにより前蓋６の前面６ａと上蓋８の上面８ａとが略 一直線となってカセット筐体３の天面３ｆの上方に略平行に突出すると共に、前 蓋６の裏面６ｄ及び上蓋８の裏面８ｄと、カセット筐体３の天面３ｆとの間に後 蓋７が入り込む。 また、上記の開蓋完了時には、前蓋６の回動支点位置の関係により前蓋６の上面 ６ａの高さがカセット筐体３の天面３ｆに対して開蓋途中時の最高位高さＨ_１よ りも低い高さＨ_２となり、且つ、上蓋８を案内する案内溝３ｃ_２の後方斜辺３ｃ _２３ の下端が最高位の上辺３ｃ_２２よりも低い位置に形成されているので、上蓋 ８の上面８ａの高さもカセット筐体３の天面３ｆに対して開蓋途中時の最高位高 さＨ_１よりも低い高さＨ_２となり、この高さＨ_２内で前蓋６，後蓋７，上蓋８が 保持されている。

【００２３】 このように、上記構成及び動作よるカセット１では、前蓋６が開蓋途中でカセ ット筐体３の天面３ｆに対して最高位高さＨ_１に至り、開蓋完了時に最高位高さ Ｈ_１よりも低い高さＨ_２位置に保持されることが特徴になっている。

【００２４】 ＜カセット装着装置＞ 図３は本考案に係わるカセット装着装置を説明するための斜視図である。

【００２５】 図３において、ビデオ・テープレコーダなどの磁気記録再生装置本体（以下、 装置本体と記す）１０のシャーシべース１１上の前面側には本考案に係わるカセ ット装着装置（以下、装着装置と記す）２０が設けられ、この装着装置２０にテ ープカセット１を挿脱するためのカセットホルダ２２が上方のカセット挿脱位置 と下方のカセット装着位置との間を上下動自在にポップアップ式に設けられいる 。また、装着装置２０のカセットホルダ２２はシャーシべース１１の奥側に設け た回転ドラム１４に接近できるように移動自在に設けられ、このカセットホルダ ２２に装着したテープカセット１のローディングポケット３ａ_１（図１）内に回 転ドラム１４が臨むことができるよう設けられている。

【００２６】 即ち、上記装着装置２０は、装置本体１０のシャーシべース１１上を前後方向 （矢印Ｘ_１，Ｘ_２方向）に摺動自在なスライドベース２１に設けられている。 このスライドベース２１は、板金部材などを用いて平坦な底板２１ａに連接して 前板２１ｂ，左側板２１ｃ，右側板２１ｄが上方に向かって略直角に折り曲げ形 成されている。また、スライドベース２１の底板２１ａに形成した案内溝２１ａ _１ ，２１ａ_２にシャーシべース１１のガイドピン１２，１３が嵌合することによ り、スライドベース２１がシャーシべース１１上を矢印Ｘ_１，Ｘ_２方向に摺動自 在となっている。

【００２７】 また、スライドベース２１の左側板２１ｃと右側板２１ｄとの間には、カセッ トホルダ２２が押圧用のトップカバー２５に懸架され、且つ、このトップカバー ２５はスライドベース２１の左側板２１ｃと右側板２１ｄとに回動自在に支持さ れて、トップカバー２５と一体にカセットホルダ２２が上下動自在にポップアッ プ式に設けられている。

【００２８】 上記カセットホルダ２２は、板金部材などを用いて折り曲げ形成されており、 平坦な底板２２ａの両端左右に互いに対向して一対の側板２２ｂ，２２ｃが略直 角上方に連接して折り曲げ形成されている。 また、底板２２ａと対向する上側には、前面側のみカセットホルダ２２の上面と なる上板２２ｄが側板２２ｂ，２２ｃ間に横架され、この上板２２ｄの延長線上 後方はテープカセット１の前蓋６，後蓋７，上蓋８（図１）が開蓋できるように 、側板２２ｂ，２２ｃ間を開口した第１開口部２２ｅが形成されている。 従って、カセットホルダ２２の前面側は、底板２２ａと、側板２２ｂ，２２ｃと 、上板２２ｄとで囲って略矩形状に形成されている。

【００２９】 また、カセットホルダ２２の前面側には、テープカセット１を挿入したり、又 はテープカセット１を離脱するためのカセット挿脱口２２ｆが形成されており、 このカセット挿脱口２２ｆはテープカセット１が挿入できる大きさに形成されて いる。 また、カセット挿脱口２２ｆと対向してカセットホルダ２２の奥側にはテープカ セット１内の磁気テープ２（図１）を引き出すための第２開口部２２ｇが形成さ れている。この第２開口部２２ｇ近傍で、側板２１ｂ，２１ｃ側の内側面奥方に は、弓形状カム面２３ａ，２４ａを形成した一対の前蓋開蓋部材２３，２４が互 いに対向して固着されている。この前蓋開蓋部材２３，２４の弓形状カム面２３ ａ，２４ａは、テープカセット１の挿入動作に伴って、カセット１の前蓋６の下 端に形成したテーパ部６ａ_１（図１）が当接することにより前蓋６が開蓋できる ようになっている。 また、カセットホルダ２２の底板２２ａの中間部には、テープカセット１の供給 リール４及び巻取リール５（図１）と対応する位置に装置本体１０側のリール駆 動部材（図示せず）が入り込むための孔２２ａ_１，２２ａ_２が穿設され、且つ、 底板２２ａの奥方には装置本体１０側のテープローディング部材（図示せず）が 入り込むための切欠部２２ａ_３がカセット挿入方向前方に形成されている。この 切欠部２２ａ_３はテープカセット１のローディングポケット３ａ_１（図１）と対 応して形成されている。

【００３０】 一方、前記した押圧用のトップカバー２５は、板金部材などを用いて平坦な天 板２５ａに連接して前板２５ｂ，左側板２５ｃ，右側板２５ｄが下方に向かって 略直角に折り曲げ形成されている。ここで図示の都合上、右側についてのみ説明 し、右側と対称な左側については説明を省略する。 上記押圧用のトップカバー２５の右側板２５ｄの前方部位と、スライドベース２ １の右側板２１ｄの前方部位との間には、逆く字のアーム２６が連結されている 。このアーム２６の一端はトップカバー２５の右側板２５ｄの前方部位にピン２ ７により回動自在に支持され、アーム２６の中間部にカセットホルダ２２の右側 板２２ｃの中間部上方部位がピン２８により支持され、アーム２６の他端に固着 したピン２９がスライドベース２１の右側板２１ｄの前方部位に形成した弓形の 案内溝２１ｄ_１に摺動自在に嵌合している。 また、押圧用のトップカバー２５の右側板２５ｄの後方部位には案内溝２５ｄ_１ が形成され、この案内溝２５ｄ_１にピン３０を介してカセットホルダ２２の右側 板２２ｃの後部上方部位が支持されている。また、トップカバー２５の右側板２ ５ｄの後方部位はＬ字のアーム部２５ｄ_２が一体に下方に延出されており、この アーム部２５ｄ_２の中間部がスライドベース２１の右側板２１ｄの後方部位にピ ン３１により回動自在に支持され、更に、アーム部２５ｄ_２の端部とスライドベ ース２１の右側板２１ｄとの間には引張バネ３２が掛けられている。

【００３１】 従って、押圧用のトップカバー２５に懸架されたカセットホルダ２２は、引張 バネ３２により上昇方向のカセット挿脱位置方向に付勢されている。また、押圧 用のトップカバー２５を引張バネ３２の付勢力に抗して上方より押圧すると、ト ップカバー２５と一体にカセットホルダ２２が下降してカセット装着位置に至る ようになっている。そして、トップカバー２５が下降した際、トップカバー２５ の前板２５ｂの内側に固着したピン３３がスライドベース２１の前板２１ｂに設 けたロック部材３４に係止されるようになっている。

【００３２】 また、押圧用のトップカバー２５の天板２５ａの裏面側の左右には、テープカ セット１の前蓋６及び上蓋８を開蓋状態で押圧するための押さえ用板バネ３５， ３６が一対設けられている。これらの押さえ用板バネ３５，３６は、本考案の要 部を構成する部材である。 また、押さえ用板バネ３５，３６はカセットホルダ２２の上方に開口した第１開 口部２２ｅを臨んでおり、言い換えると、押さえ用板バネ３５，３６はカセット ホルダ２２の上方に設けたこととなり、テープカセット１の挿入動作と連動して カセット筐体３の天面３ｆ（図１）の上方まで開蓋した前蓋６と上蓋８との連結 近傍を押さえ用板バネ３５，３６で天面３ｆ側に向かって押圧することにより、 前蓋６と上蓋８とが天面３ｆに沿って略平行な開蓋姿勢を保持できるようになっ ている。

【００３３】 次に、上記構成によるカセット装着装置２０の動作について図４（Ａ）〜（Ｃ ）を用いて説明する。 図４は本考案に係わるカセット装着装置の動作を説明するための側面図であり、 （Ａ）はカセット挿脱位置での状態を示した図，（Ｂ）はカセット装着位置での 状態を示した図，（Ｃ）はテープローディング完了位置での状態を示した図であ る。

【００３４】 まず、図４（Ａ）に示した如く、装置本体１０側をイジエクト操作すると、押 圧用のトップカバー２５に懸架されたカセットホルダ２２がカセット挿脱位置ま で上昇する。 このカセット挿脱位置からテープカセット１を挿入すると、テープカセット１の 挿入動作に伴ってカセットホルダ２２内に設けた前蓋開蓋部材２３，２４により 前蓋６，後蓋７，上蓋８がカセット筐体３の天面３ｆの上方まで開蓋される。 ここでは、押圧用のトップカバー２５の天板２５ａの裏面側に設けた押さえ用板 バネ（３５），３６が前蓋６及び上蓋８から離れているので、押さえ用板バネ （３５），３６による負荷抵抗なく前蓋６，後蓋７，上蓋８の開蓋動作が行われ るものの、前蓋６，後蓋７，上蓋８が垂れ下がる傾向にある。

【００３５】 次に、図４（Ｂ）に示した如く、押圧用のトップカバー２５を上方より手動で 押圧すると、トップカバー２５と一体にテープカセット１を挿入したカセットホ ルダ２２がカセット装着位置まで下降すると共に、トップカバー２５の前板２５ ｂの内側に固着したピン３３がスライドベース２１の前板２１ｂに設けたロック 部材３４に係止される。 この際、トップカバー２５の天板２５ａの裏面側に設けた押さえ用板バネ（３５ ），３６は、トップカバー２５の下降動作に伴って開蓋した前蓋６及び上蓋８に 徐々に接近し、下降完了寸前に押さえ用板バネ（３５），３６が前蓋６及び上蓋 ８の連結部近傍をカセット筐体３の天面３ｆ側に向かって上方から押圧するので 、前蓋６と上蓋８とが天面３ｆに沿って略平行な開蓋姿勢を保持される。勿論、 後蓋７も開蓋状態に保持される。 更に、カセットホルダ２２がカセット装着位置まで下降した際には、テープカセ ット１の前蓋６，後蓋７，上蓋８がカセット筐体３の天面３ｆの上方で略平行な 開蓋姿勢を保つので、カセットホルダ２２の高さを低く設定することができ、こ れに伴って装着装置２０の高さＨ_３を低く設定でき、装着装置２０及び装置本体 １０の小型化を達成できる。

【００３６】 次に、図４（Ｂ）の状態のまま、スライドベース２１を回転ドラム１４の方向 に移動すると図４（Ｃ）に示した状態に至り、ここでテープカセット１のローデ ィングポケット３ａ_１内に回転ドラム１４が入り込こみ、この後、図示しないテ ープローディング部材を介して磁気テープ２が回転ドラム１４に螺旋状に添接す る。 ここでは、前蓋６と上蓋８とが押さえ用板バネ（３５），３６により常に押圧さ れているので、前蓋６が下方に垂れ下がることなく、前蓋６と回転ドラム１４の 上部との間には隙間Ｓが確実に形成され、回転ドラム１４の回転動作を良好に行 うことができる。 更に、テープカセット１内に回転ドラム１４が入り込むので、装置本体２０の奥 行きを短く設定することができる。

【００３７】

【考案の効果】

以上詳述した本考案に係わるカセット装着装置によると、テープカセットをカ セットホルダに挿入して前蓋と上蓋とをカセット筐体の天面の上方まで開蓋した 際、カセットホルダ内の上方に設けた押さえ用板バネにより開蓋した前蓋及び上 蓋とをカセット筐体の天面に略平行に保持しているので、カセットホルダの高さ を低く設定することができ、これに伴ってカセット装着装置の高さを低く設定で き、カセット装着装置及びこのカセット装着装置が適用される磁気記録再生装置 本体の小型化を達成できる。

【００３８】 更に、本考案に係わるカセット装着装置を、例えば磁気記録再生装置本体の回 転ドラムに接近させ、且つ、カセットホルダに挿入したテープカセット内に回転 ドラムを臨ませた際、押さえ用板バネにより開蓋した前蓋及び上蓋とをカセット 筐体の天面に略平行に保持しているので、前蓋が垂れ下がることなく、前蓋と回 転ドラムの上部との間には隙間が確実に形成され、回転ドラムの回転動作を良好 に行うことができる。当然この際には、テープカセット内に回転ドラムが入り込 むので、磁気記録再生装置本体の奥行きを短く設定することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係わるカセット装着装置に適用される
テープカセットを一部分解して示した斜視図である。

【図２】本考案に係わるカセット装着装置に適用される
テープカセットの前蓋，後蓋，上蓋の開蓋動作を説明す
るための側面図である。

【図３】本考案に係わるカセット装着装置を説明するた
めの斜視図である。

【図４】本考案に係わるカセット装着装置の動作を説明
するための側面図である。

【図５】従来のカセット装着装置を示した側面図であ
る。

【符号の説明】

１…テープカセット、２…磁気テープ、３…カセット筐
体、３ａ_１…ローディングポケット、３ｆ…天面、６…
前蓋、７…後蓋、８…上蓋、２０…カセット装着装置、
２２…カセットホルダ、２５…押圧用のトップカバー、
３５，３６…押さえ用板バネ。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】カセット筐体の前方部位に形成したローデ
   ィングポケットに沿って張架された磁気テープを保護す
   るために、前記ローディングポケットの前方部位を覆う
   前蓋と、前記ローディングポケットの上方部位を覆う上
   蓋とを連動して開閉自在に構成したテープカセットを挿
   脱するカセットホルダを備えたカセット装着装置であっ
   て、 前記テープカセットを前記カセットホルダに挿入して前
   記前蓋と前記上蓋とを前記カセット筐体の天面の上方ま
   で開蓋した際、前記前蓋と前記上蓋とを前記カセット筐
   体の天面に略平行に保持するための押さえ用板バネを前
   記カセットホルダの上方に設けたことを特徴とするカセ
   ット装着装置。
2. 【請求項２】請求項１記載のカセット装着装置におい
   て、 前記押さえ用板バネは、前記前蓋と前記上蓋との連結近
   傍を前記カセット筐体の天面側に向かって押圧するよう
   に構成したことを特徴とするカセット装着装置。