JPH0345308Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、ビデオテープなどを収納したカセ
ツトを正面から出入可能に収納できるカセツト収
納枠体を、その両側面に設けたＸ型リンクによ
り、ホルダーベース上のカセツト正規装着位置と
ホルダーベースから離れたカセツト仮装着位置と
の間に移動可能に支持した磁気記録再生装置のカ
セツトホルダーに関するものである。

〔従来の技術〕

第５図〜第７図は従来のカセツトホルダーを示
すもので、図において１はカセツト２を正面から
出入可能に収納できるカセツト収納枠体で、両側
面に設けられたＸ型リンク３によりホルダーベー
ス４上のカセツト正規装着位置５Ａ（第７図の位
置）とホルダーベース４から離れたカセツト仮装
着位置５Ｂ（第５図の位置）との間に移動可能に
支持される。Ｘ型リンク３は中央ピン６によりＸ
字状に枢着した２本のリンク３ａ，３ｂにより構
成されると共に、その背面側の二つのリンク端７
ａ，７ｂがカセツト収納枠体１の背面寄りとホル
ダーベース４の固定板４ａとに各ピン８ａ，８ｂ
によりそれぞれ枢着されかつ正面側の二つのリン
ク端７ｃ，７ｄがカセツト収納枠体１の正面寄り
と固定板４ａとにそれぞれ設けた長孔９ａ，９ｂ
に各ピン８ｃ，８ｄによりそれぞれ移動可能に枢
着される。１０はカセツト収納枠体１の下面に垂
下させた係止部材、１１はカセツト収納枠体１の
背面に設けたカセツト２の位置決めストツパー、
１２はカセツト収納枠体１をカセツト仮装着位置
５Ｂに押し上げるためのバネ、１３はホルダーベ
ース４上に支持板１４により立設されてカセツト
２の後記する前蓋と係合する蓋あけ部材で、支持
板１４に固定したピンからなる。なお、ホルダー
ベース４はカセツト２の後記するテープを走行駆
動させる機構（図示せず）を含むシヤーシであ
る。また、カセツト２は第８図に示すようにテー
プ２ａを巻回するためのリール２ｂを有し、かつ
枢支軸２ｃにより開く前蓋２ｄと前面の突部２ｅ
とを備えている。このカセツト２は前蓋２ｄが開
くと第９図に示すようになる。

次に動作について説明する。まずカセツト２を
第５図の矢印Ａに示す方向にカセツト収納枠体１
に正面から挿入する。第８図に示すカセツト２の
突部２ｅが第５図のストツパー１１に突き当たつ
た位置においてカセツト２がカセツト収納枠体１
に仮装着される。なおカセツト２はカセツト収納
枠体１に設けられた弾性部材（図示せず）により
内部底面上に押圧固定される。この第５図に示す
カセツト仮装着位置５Ｂにてカセツト収納枠体１
を下方に押し下げると、両リンク３ａ，３ｂがピ
ン８ａ，８ｂおよび中央ピン６の周りに回動しつ
つ、かつ長孔９ａ，９ｂに沿つてピン８ｃ，８ｄ
が弧状に案内されつつ、両リンク３ａ，３ｂが下
方に移動する。このようにしてカセツト収納枠体
１が下方に移動していく途中において、第５図お
よび第６図に示す蓋あけ部材１３にカセツト２の
前蓋２ｄの側板２ｆが当たり、さらにカセツト収
納枠体１を押し下げると蓋あけ部材１３が前蓋２
ｄの側板２ｆを上方に押し上げ、枢支軸２ｃを中
心として前蓋２ｄを回転させるので前蓋２ｄが開
いた状態でカセツト２が第７図に示すカセツト正
規装着位置５Ａに達する。この位置では蓋あけ部
材１３により前蓋２ｄは完全に開かれた状態とな
り、この状態において係止部材１０がホルダーベ
ース４に設けられたロツクピン（図示せず）に係
止し、カセツト収納枠体１がこの位置に保持され
る。このようにして前蓋２ｄが開くと第９図に示
すようにテープ２ａがカセツト２より引き出し可
能となり、テープ２ａがホルダーベース４に設け
られた図示しない駆動走行手段により記録や再生
などの操作を受ける。

次に、カセツト２を取り出す場合はホルダーベ
ース４に設けられた係止解除機構（図示せず）に
より係止部材１０の係止を解除すると、バネ１２
の復原力によりリンク３ａを中央ピン６の周りに
回動させる力が発生するので長孔９ａに沿つてピ
ン８ｃが案内され、前記とは逆方向に両リンク３
ａ，３ｂが移動し、カセツト収納枠体１は第５図
に示す元の位置に復帰する。また途中で蓋あけ部
材１３もカセツト２に対して相対的に移動するの
で前蓋２ｄは蓋あけ部材１３から次第に解放され
てゆき、カセツト２内に設けられた戻しバネ（図
示せず）により前蓋２ｄが次第に閉じ、そして蓋
あけ部材１３が前蓋２ｄの側板２ｆから離れた時
点で完全に閉じる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来のカセツトホルダーは以上のように構成さ
れているので、カセツト２の前蓋２ｄを開けるた
めの蓋あけ部材１３を支持する支持板１４をカセ
ツトホルダーとは別にホルダーベース４に取付け
なければならず、装置が複雑になるという問題点
があつた。また両リンク３ａ，３ｂは一般に薄板
で構成されるのでカセツト２の装着操作時におい
てカセツトホルダーに左または右方向（第５図に
おいて紙面に沿直方向）の力が加えられるとその
方向にたわみが発生しやすく、蓋あけ部材１３が
正しく前蓋２ｄの側面２ｆに当接せず、前蓋２ｄ
が開かない場合があるなどの問題点があつた。

この考案は、かかる問題点を解決するためにな
されたもので、装置が簡素にできるとともにカセ
ツトの前蓋を確実に開けることができる磁気記録
再生装置のカセツトホルダーを提供することを目
的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案に係るカセツトホルダーは、カセツト
の前蓋を開けるための蓋あけ部材をＸ型リンクの
背面側かつホルダーベース側のリンク端に設けた
ものである。

〔作用〕

この考案においては、蓋あけ部材がＸ型リンク
に設けられているのでカセツトの装着時にＸ型リ
ンクが左右にたわたんでもカセツトの前蓋の側面
から蓋あけ部材がずれることがなく蓋あけ部材は
Ｘ型リンクと共に左右に一体的に移動して正しく
カセツトの前蓋の側板に当接する。

〔実施例〕

第１図〜第３図はこの考案の一実施例を示すも
ので、図において１〜１２は従来装置と全く同じ
ものである。１５はＸ型リンク３のリンク３ｂの
リンク端７ａに設けた蓋あけ部材で、リンク３に
固定したピンからなる。この蓋あけ部材１５の動
作は従来装置の蓋あけ部材１３と全く同じなので
説明を省略する。

蓋あけ部材１５は両側のＸ型リンク３に対称的
に設けてもよいが、普通カセツト２は第９図にお
いて前蓋２ｄの右側の側板２ｆの内側に２mmほど
のすき間があるので、密着した左側の側板よりも
少し出つ張つた右側の側板２ｆの方が蓋あけ部材
１３を係合させられ易いので、この右側の側板２
ｆに対応する一方のＸ型リンク３にのみ蓋あけ部
材１３を設けてある。

なお上記実施例では、蓋あけ部材１５を固定ピ
ンからなるものを示したが、このピンを回転ロー
ラとしてもよいし、また第４図に示すようにリン
ク端７ａの一部を切り起こして形成した突起１５
Ａとしてもよい。

〔考案の効果〕 以上のように、この考案によればカセツトの前
蓋をあけるための蓋あけ部材をＸ型リンクの背面
側かつホルダーベース側のリンク端に設けるよう
に構成したので、装置が簡単となり安価になると
共に、カセツトの装着時にＸ型リンクが左右にた
わんでも蓋あけ部材がカセツト収納枠体およびカ
セツトと一体となつてずれるので蓋あけ部材とカ
セツトの前蓋の側板との相対位置は従来のように
ずれず、蓋あけ動作が確実に行われるという効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す側面図、第
２図は第１図の蓋あけ部材を示す拡大斜視図、第
３図はカセツト正規装着位置を示す側面図、第４
図は蓋あけ部材の他の実施例を示す斜視図、第５
図は従来のカセツトホルダーを示す側面図、第６
図は第５図の蓋あけ部材を示す拡大斜視図、第７
図はカセツト正規装着位置を示す側面図、第８図
は前蓋の閉じた状態のカセツトの斜視図、第９図
は前蓋の開いた状態のカセツトの斜視図である。 図において１はカセツト収納枠体、２はカセツ
ト、２ｄは前蓋、２ｆは側板、３はＸ型リンク、
３ａ，３ｂはリンク、４はホルダーベース、４ａ
は固定板、５Ａはカセツト正規装着位置、５Ｂは
カセツト仮装着位置、６は中央ピン、７ａ，７
ｂ，７ｃ，７ｄはリンク端、８ａ，８ｂ，８ｃ，
８ｄはピン、９ａ，９ｂは長孔、１５，１５Ａは
蓋あけ部材である。なお、各図中同一符号は同一
または相当部分を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) カセツトを正面から出入可能に収納できるカ
   セツト収納枠体をその両側面に設けたＸ型リン
   クによりホルダーベース上のカセツト正規装着
   位置とホルダーベースから離れたカセツト仮装
   着位置との間に移動可能に支持した磁気記録再
   生装置のカセツトホルダーであつて、前記Ｘ型
   リンクを中央ピンによりＸ字状に枢着した２本
   のリンクにより構成すると共にその背面側の二
   つのリンク端を前記カセツト収納枠体の背面寄
   りと前記ホルダーベースとに各ピンによりそれ
   ぞれ枢着しかつ正面側の二つのリンク端を前記
   カセツト収納枠体の正面寄りと前記ホルダーベ
   ースとにそれぞれ設けた長孔にそれぞれ移動可
   能に枢着したものにおいて、前記Ｘ型リンクの
   背面側かつホルダーベース側のリンク端に前記
   カセツトの前蓋と係合する蓋あけ部材を設け、
   前記カセツト収納枠体が前記カセツト正規装着
   位置に移動するときに前記カセツトの前蓋が前
   記蓋あけ部材により押し開けられて開放しかつ
   前記カセツト正規装着位置から離れるときに前
   記カセツトの前蓋が前記蓋あけ部材から解放さ
   れて閉鎖するようにしたことを特徴とする磁気
   記録再生装置のカセツトホルダー。 (2) 蓋あけ部材が、リンク端に固着したピンであ
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載のカセツ
   トホルダー。 (3) 蓋あけ部材が、リンク端に軸支した回転ロー
   ラである実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   カセツトホルダー。 (4) 蓋あけ部材が、リンク端の一部を切り起こし
   て形成した突起である実用新案登録請求の範囲
   第１項記載のカセツトホルダー。