JPH0533476B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は磁気テープカセツトに関するものであ
り、特にテープタルミの発生を防止するリールロ
ツク機構を備えたテープカセツトに適用して有用
なものである。

＜従来の技術＞ 従来の磁気テープカセツトにおけるリールロツ
ク解除機構の一つとしてリツド連動式がある。

このリツド連動式の機構に依る欠点は、リール
とリール台のカツプリング前にリールロツクが解
除されてしまうことであり、リールとリール台が
カツプリングするまでにテープにタルミを生ずる
虞れがあつた。

一方、最近テープ長の異なる磁気テープについ
ては、リール径をテープ長に合わせて変え、これ
に伴ない互換性を有するカセツトサイズの異なる
カセツトをシリーズ化する傾向がある。たとえ
ば、テープ幅の同一の磁気テープをカセツト内に
収容するのに、テープ長の最短のものはリール径
も小径でカセツトサイズは小型（Ｓサイズ）に形
成し、テープ長の中尺のものはリール径も中間型
でカセツトサイズは中型（Ｍサイズ）に形成し、
テープ長の長尺のものは大径リールを用いカセツ
トサイズは大型（Ｌサイズ）に形成し、これらサ
イズの異なる各磁気テープカセツトについて同一
の磁気記録再生装置（以下VTRとする）で対応
しようとするものである。

ところで、このような各カセツトに要求される
点として、可能な限り広面積のスレツデイングエ
リヤを有すること、カセツト内テープガイドは使
用しないという点にある。

＜発明が解決しようとする問題点＞ 本発明は、上記従来の実情に鑑み提案したもの
であり、互換性をカセツトサイズの異なるテープ
カセツトに求められる広面積のスレツデイングエ
リヤを有し且つカセツト内テープガイドを使用し
ないという点を十分に満足でき、しかもテープの
タルミ発生を回避できるようなリールロツク機構
を備えた磁気テープカセツトを提供しようとする
ことを目的とするものである。

＜問題点を解決する手段＞ 本発明は、VTRのカセツトコンパートメント
上でのセンターリングを行なうために上記カセツ
トコンパートメントに突設され、カセツトに形成
された位置決め案内溝内に挿入されるガイド突起
の移動を利用してリールロツクを解除するように
したものである。

＜作用＞ 本発明のテープカセツトにおいては、平常時に
はロツクレバ１６がテープリール２のギヤ２２に
係合しておりリール２をロツクしている。そし
て、上記カセツトをVTRに装填するときに、カ
セツト下側面に形成されたセンタリングガイド溝
４をVTRのカセツトコンパートメントの中央部
に設けられたセンタリングガイド２３と係合させ
ながら挿入するとカセツトの挿入に伴ない上記ガ
イド２３がガイド溝４内を相対移動して挿入終端
付近で上記ガイド溝４内に突出しているスライダ
９の軸部１３に突き当り、スライダ９をスライド
させる。すると、このスライダ９はロツクレバ１
６を弾発力に抗してアンロツク方向に回転させロ
ツク爪１９をテープリール２のギヤ２２か離脱さ
せてアンロツクとすることができる。

＜実施例＞ 先ず、第１図乃至第５図を参照しながら本発明
の一実施例を説明する。

１はカセツトであり、上・下ハーフ１Ａ，１Ｂ
を組付け結合して構成されており、内部には磁気
テープを巻装し走行させるための一対のテープリ
ール２，２が並列内蔵されている。また、上記下
ハーフ１Ｂの下側壁３の外表面中央部にはセンタ
リングガイド溝４が形成されている。このガイド
溝４は図示しないVTRのカセツトコンパートメ
ントの下側面より突設されたセンタリングガイド
と相対係合し、カセツトのセンターリングを行な
うためのものである。さらに、下ハーフ１Ｂ内の
前記各リール２，２と背面周壁５に囲まれた平面
三角形状の部分には、立上り壁６により囲まれ、
下側壁３には前記ガイド溝４の端部附近に開設さ
れた長孔７が貫通形成されている。また、この長
孔７の上方には前記背面周壁５の内側面より水平
方向に突設されたスライダ係合片８が配設されて
いる。

９はスライダであり、この例では上・下両側面
１０，１１は平担面となり、先端側中央部分には
上下方向に連らなる半円状膨出部１２を有し、こ
の部分の下端には前記下側面１１よりも下方に突
出垂下された軸部１３が一体形成されている。ま
た、上記半円状膨出部１２の上端附近には水平切
込み溝１４が水平方向に刻設され、前記スライダ
係合片８が挿入し得るようになつている。

さらに、上記スライダ９の一端面は両側に張り
出したロツクレバ当接片１５，１５が設けられて
いる。

上記構成のスライダ９は、その軸部１３とカセ
ツト下ハーフ１Ｂのスライダ保持部となつている
下側壁３の長孔７を上方より位置合せし、下方に
挿入してカセツトラベル面方向にスライドさせる
ことによりスライダ９両側の突起９Ａ，９Ｂが内
側に彎曲し、カセツト下ハーフ１Ｂの立上り壁６
に設けられた突起６Ａ，６Ｂを乗り越えることに
よつて、下ハーフ１Ｂに保持される。このように
して保持された後はスライダ９がスライダ保持部
のホルダ係合片８の下に移動するため、上方への
動きを規制され脱れることはない。

なお、スライダ９の軸部１３は下端が長孔７を
挿通してカセツトセンターリングガイド溝４内部
に突出している。

次に、１６はロツクレバであり、中途部を下ハ
ーフ１Ｂの下側壁３より植立された支軸１７によ
り回動自在に枢支され、一端アーム部１８の先端
には係合爪１９が設けられ、他端アーム部１９の
先端には前記スライダ９のロツクレバ当接片１
５，１５との当接係合部２０が設けられている。
また、このレバ１６にはバネ２１により前記係合
爪１９がリール外周に刻設されたギヤ２２と噛み
合う方向に弾発付勢されている。

上記構造を有するテープカセツト１を図示しな
いVTRのカセツト・コンパートメントのカセツ
ト支持枠に挿入する。このとき前記ガイド溝４を
カセツト・コンパートメント上のセンタリングガ
イド２３に適合させるとセンターリングされなが
らテープカセツト１は所定位置に挿入される。こ
のとき、上記テープカセツト１の挿入と相対して
スライダ９の軸部１３に上記ガイド２３が突き当
りスライダ９はラベル面側に移動し、ロツクレバ
１６がバネ２１の弾発力に抗して支軸１７まわり
をアンロツク方向に回転されることにより、リー
ルロツクが解除される。

なお、第６図及び第７図はスライダ９のスライ
ド面を傾斜面とすることにより、スライドに伴な
つてボス１３がカセツト下側壁３より飛び出し、
軸部１３とセンタリングガイド２３の脱れを防止
しようとするものである。実際にテープカセツト
１がVTR等にセツトされると、カセツト１はカ
セツトコンパートメント上から１〜1.5mm程浮き
上がる。したがつてこの例のように上記軸部１３
がスライダ９のスライドに伴なつて下方への突出
長さを増せば上記ガイド２３と軸部１３が外れる
ことがない。なお、この例ではカセツトコンパー
トメント２４に上記軸部１３の突き出しに対応し
て逃げ穴２５を開設しておくのが好ましい。

＜発明の効果＞ 本発明は、互換性を有しカセツトサイズの異な
る数種類のカセツトのうち、小型カセツトのよう
にリツド内部に十分の空隙が残されていないよう
なカセツトにも適用でき、安定したリールロツク
状態が得られ、またアンロツクへの切替えはカセ
ツトをVTRのカセツトコンパートメント内にし
つかりと挿入した状態で行なわれるのでテープゆ
るみの発生を十分に防止できる。

また、スライダ９は下ハーフのみにより係合保
持されているので上下ハーフを突き合わせなくて
も外れることがなく組立自動化等にも有利であ
る。

しかもスライダ９の固定には上ハーフからのリ
ブを利用していないので、上ハーフ側に形成され
るテープ残量確認窓を拡大することが可能とな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図は本発明の一実施例を示す図
であり、第１図はカセツトの裏面側斜視図、第２
図は下ハーフの要部平面図、第３図は要部縦断側
面図、第４図はスライダの分解斜視図、第５図は
同じく縦断側面図である。第６図及び第７図は他
の実施例を示す図であり、第６図は要部縦断側面
図、第７図はカセツトコンパートメントの一部斜
視図である。 １……カセツト、１Ａ……上ハーフ、１Ｂ……
下ハーフ、２……リール、３……下側壁、４……
センタリングガイド溝、７……長孔、９……スラ
イダ、１３……軸部、１６……ロツクレバ、２３
……センタリングガイド。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ カセツトの下側面中央部に設けられカセツト
   先端方向に開口し磁気記録再生装置に設けたガイ
   ドが係合挿入されるガイド溝と、このガイド溝の
   終端付近に開設したスライダの軸部突出用の長孔
   と、上記長孔付近のカセツト内部に設けられたス
   ライダと、常時テープリールに対してロツク方向
   に付勢されたロツク機構とを有し、上記スライダ
   のスライダ移動により上記ロツク機構をアンロツ
   ク状態に切替えるようにしたことを特徴とする磁
   気テープカセツト。