JPS5918782B2 - 磁気テ−プカセツト - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は磁気テープカセットに関し、特に、その中空内
部において一対の巻芯間に装架せしめた磁気テープを所
定の方向に走行案内して、記録又は再生することが可能
な磁気テープカセットの構ワ 造に関するものである。

従来の磁気テープカセットにおいて、テープ巻回用巻芯
（以下、「ハブ」と称する。

）としてフランジ付きハブを使用した場合、製作、保管
、強度、等の点から前記ハブのフランジ部材が或る一５
定以上の厚みを有する必要があり、その結果前記ハブ
全体としても相当の厚さ及び大きさを有したものとなる
ので、カセット全体の小型化に際し前記フランジ付きハ
ブは大きな障害の一つになつていた。Ｄ 特に、従来の
ビデオテープカセットは、前記フランジ付きハブを多く
採用しているので、戸外での記録、再生操作に機動性を
更に持たせる要望が強まるに伴い、カセットの小型、軽
量化は極めて重要な課題となつた。

δ そこで、カセットの不使用時に前記ハブが回転して
テープの巻き緩みが発生せず、カセットの小型化が可能
なフランジレスハブを具備したマイクロビデオテープカ
セツトが種々研究され、現に実願昭５１−１５４４２０
号において、フランジレスタイプの円筒状ハブの周壁部
内に、このハブの下面から少なくともその高さの中程ま
で延びる係合溝をハブと同心円状に設け、一方、下ハー
フにこの下ハーフの内面から上方に延び前記ハブの係合
溝に嵌合する前記係合溝の高さに略等しい円筒状の係合
壁を形成し、この円筒状の係合壁の高さを、前記係合溝
の底面とこの係合壁の頂面、もしくはハブの周壁部の下
面と下ハーフの内面が力セツトの不使用時に互に接触す
るように選択し、この接触する両面にハブの巻き緩み方
向への回転を阻止するように互に係合する凹凸を施し、
そのハブを前記両面が接触する方向へ付勢する付勢手段
をケーシング内に設け、この構造によつて、力セツトの
不使用時に前記両面が接触してハブの巻ぎ緩みを防止す
るようにしたことを特徴とする小型のビデオテープカセ
ツトが提案されている。

しかしながら、前述した小型ビデオテープカセツトは、
前記係合壁から前記係合溝が上下方向（軸方向）に完全
に離脱して前記ハブを回転可能にするに足る空隙を、ハ
ーフの中空内部に設ける必要があるので、力セツト全体
の厚さ（即ちテープの幅方向の寸法）を縮小して、小型
、軽量化を図ることに関する問題は完全に解消されてい
ないものであつた。本発明は、前述した従来力セツトの
欠点及び問題点の解消を図るとともに、ハブの型式特に
フランジの有無に関係なく、テープの巻き緩みを防止可
能な手段を有した磁気テープカセツトを提供することを
目的とするものである。

本発明のか＼る目的は、上、下ハーフによ゜り画成され
る中空内部に磁気テープ巻回用ハブを左右に配設し、該
一対のハブ間に装架せしめた磁気テープを、左右に略対
称的に配設したテープ走行案内手段により、前記中空内
部よりも前方に位置する開口部を横切つて走行案内する
磁気テープカセツトにおいて、前記一対のハブが、回転
駆動軸の挿入用軸穴を画成する第１の円筒状壁に対し同
心円状に形成せしめた第２の円筒状壁の内周面に係合溝
を刻設して成り、又、前記一対のハブ間のハーフ底部に
直桿部及びその先端近傍に係止爪を突設したアーム部に
より略十字形を成し、全体が前記直桿部の長手方向に前
後動可能でかつバネ部材により常時一方々向に付勢され
る十字状の係止片から成るロツク手段を具備し、前記係
止爪と係合溝の係合により前記≦対のハブが少なくとも
一方方向の回転を阻止されることを特徴とする磁気テー
プカセツトにより達成される。

以下、添付した図面に基づき、小型ビデオテープカセツ
トを対象にした本発明力セツトの一実施態様について詳
述する。

本発明力セツト１は、第１図及び第２図に示したように
、上ハーフ１Ａと下ハーフ１Ｂを組合せて画成される中
空内部に、一対のフランジレスハブ２，３を左右に配設
し、前記各ハブ２，３間に装架せしめた磁気テープＴを
、左右に略対称的に配設したガイドピン４、ガイドロー
ラー５、加圧薄片６、等から成るテープ走行案内手段に
よつて、前記力セツト１の前方を一部切欠くように設け
たテープ引出用開口部７を横切つて走行案内しながら、
前記各ハブ２，３の何れか一方に巻取ることを可能にし
た構成を採つている。

なお、前記開口部７を横切つて装架されている前記磁気
テープＴの力セツト外部の部材等による損傷、汚染を防
止するために、前記開口部７の前方を開閉自在な回動型
ガードパネル８が前記力セツト１の両側壁に枢着されて
いる。

更に、本発明力セツトの構成上最も特徴とする点は、−
１．前記各ハブ２，３間で、前記下ハーフ１Ｂの底部内
面に十字状の溝９を設け、該溝９内に略同形状の可動係
止片１０を挿設したこと、−２．前記各ハブ２，３にお
いて、記録再生装置３５（以下、「ＶＴＲ」と称する。

）の回転駆動軸（図示せず。）が挿入し係合自在な各軸
穴１１を画成する第１の円筒状壁１２に対し外方に若干
の間隔をおいて前記第１の円筒状壁１２と同心円状に形
成された第２の円筒状壁１３の内周面に、その下方開放
端から上方に向け互に平行しかつ前記内周面の全周にわ
たり鋸歯状の係合溝１４を刻設したこと、にある。

前記可動係止片１０及び係合溝１４について、更に第３
図及び第４図を参照して詳述する。

前記可動係止片１０は、第３図に示したように、直桿部
１５の前後両端部を夫々上方に折曲して成る受座１６，
１７を設ける一方、前記直桿部１５から左右に伸張する
アーム１８，１９の先端近傍に夫々前記係合溝１４に係
合可能な歯型の係止爪２０，２１を上方に向けて突設し
て成つている。前記可動係止片１０は、第４図に詳細に
示したように、前記下ハーフ１Ｂの底部内面において後
方壁２２の内側から前記開口部７の仕切壁２３を貫通し
て延在する前記可動係止片直桿部１５の収容域２４と、
前記各ハブ２，３における第１の円筒状壁１２の下方端
が出入可能な一対のハブ穴２′，３′及びその周辺を前
記収容域２４と略直交して連通せしめるように左右に伸
展する前記アーム１８，１９の収容域２５，２６から成
る十字状の溝９内に、前記受座１６及びその近傍を除く
他の部分が収容される。なお、前記溝９は、前記下ハー
フ１Ｂの内部に配設される前記可動係止片１０の内、前
記受座１７、係止爪２０，２１以外の部材が前記下ハー
フ１Ｂの底部内面よりも上方に突出しないような深さと
、前記係止片１０全体が前記直桿部１５の長手方向の中
心線Ｃに沿つた前後動を適正に案内できるような幅を有
して形成されている。

前述したように、下ハーフ１Ｂの溝９内に、その大部分
が収容された係止片１０は、前記後方壁２２の内側の一
部を突出して成る一対の取付座２７に、断面がＵ状の抑
え部材２８を装着することにより、前記受座１７の近傍
が前記溝９よりも上方に外力によつて浮上することを阻
止される。

又、前記受座１７は、前記後方壁２２と抑え部材２８の
間に位置して、前記後方壁２２と受座１７の外面との間
に着座せしめたコイルバネ２９から、常時前記仕切壁２
３の方向に前記係止片１０全体が付勢されるような押圧
を受けている。一方、前記下ハーフ１Ｂの外部にあつて
前記開口部７に露出する前記受座１６は、第２図に示し
たように、上ハーフ１Ａの仕切壁３０が前記溝９の近く
まで立ち下がつているので、前記溝９から外力によつて
浮上することが阻止されている。従つて、前記係止片１
０全体は、前記抑え部材２８及び仕切壁３０によつて、
如何なる外力によつても前記溝９から浮上しないように
実質的に保証される。次に、前記下ハーフ１Ｂの底部内
面上のテープ接触域を、比較的薄手でかつ潤滑性に富む
セパレートシート３１により被うことにより、実質的に
平担な底部内面を維持できるので、前記溝９や係止片１
０に起因する磁気テープＴの巻き不良やエツジの損傷を
防止できる。

前記セパレートシート３１を所定位置に取付けた後、前
記開口部７に位置する受座１６を、前記コイルバネ２９
の付勢力に抗して押し付けながら、所定のハブ穴２′，
３′の中心に各ハブ２，３を配置すると、前記各係止爪
２０，２１は、前記第１及び第２の円筒状壁１２及び１
３によつて画成される空間に挿設され、前記受座１６の
押し付けを解除することにより、前記各係止爪２０，２
１は、前記各ハブ２，３の第２の円筒状壁１３に向けて
移動し、前記係合溝１４と係合して前記各ハブ２，３の
回転を阻止する。

この回転阻止状態は、後述するＶＴＲ装填時以外の不使
用時中（即ち保管時、運搬時）維持されることになる。

なお、前記各ハブ２，３の上方中央部には、前記上ハー
フ１Ａの内面に取付けた板バネ３２の自由端により常時
下方に押圧される突起３３が突設されていて、前記板バ
ネ３２と突起３３の接触によつて前記各ハブ２，３の不
必要な移動又は偏位が抑制されている。

又、前記各ハブ２，３と上ハーフ１Ａの内面との間には
、前記セパレートシート３１と同等のシート３４が挿設
されているので、前記磁気テープＴの上方エツジも円滑
に走行案内される。

以上、記述したように構成される本発明力セツト１を、
ＴＲ３５に対し、前記開口部７を前方に配して矢印Ａの
方向に挿着すると、前記ＶＴＲ３５側に通常の方式に準
じて設計、配設された開蓋手段（図示せず。

）により自動的に開放されると＼もに、第２図に示した
ように、前記開口部７に前記ＶＴＲ３５側に配設した押
圧手段３６が挿入され、前記矢印Ａの方向に力セツト１
全体が移動するに伴い、前記受座１６の外面は前記押圧
手段３６に当接しながら、前記コイルバネ２９の付勢力
に抗して前記後方壁２２の方向に後退するので、前記係
止爪２０，２１は前記係合溝９から離脱し、前記第１の
円筒状壁１２に向けて移動する。従つて、前記各ハブ２
，３は回転が可能になり、逆に、前記ＴＲ３５から前記
力セツト１全体を取り去ると、前述した動作と全く逆の
動作によつて、自動的に前記各ハブ２，３の回転がロツ
クされる。なお、前記係止片１０の前後動の限度は、前
記各受座１６及び１７と、前記抑え部材２８及び仕切壁
３０との相対位置、あるいは前記各アーム１８及び１９
と前記アーム収容域２５及び２６との当接位置関係を適
宜選択、設定することにより一定に規制することができ
る。

又、前記係止片１０は、第５図に示したように、前記取
付座２７及び抑え部材２８を除去し、前記上ハーフ１Ａ
の内面に突設した前記セパレートシート３４の装着用ピ
ン３７を、前記受座１７近傍の直桿部１５上面に近接せ
しめることにより、前記係止片１０の浮上を抑制するこ
ともできる。

更に、第６図に示したように、前記コイルバネ２９を除
去し、前記抑え部材２８を板バネ材２８′で構成し、該
板バネ材２８′に前記受座１７を連結せしめるように変
更しても良い。又、前述した係合溝１４と係止爪２０，
２１による係合関係は、フランジレスのハブ２，３に限
らず、フランジ付きハブにおいても充分維持可能である
と＼もに、フランジ付きハブでは前記セパレートシート
３１，３４は不要となり、しかも前記溝９を除去して平
担な下ハーフ１Ｂの底部内面に直接載置した状態に配設
できることも明らかであろう。

更に、前記係止片１０の受座１６を、前記開口部７に突
出させず、前記下ハーフ１Ｂ内に配する一方、前記仕切
壁２３から下ハーフ１Ｂの内方に前記押圧手段３６が出
入自在な切欠き溝を透設して、前記押圧手段３６と受座
１６の当接を、前記力セツト１の内部で行うように変更
することも可能である。

要は、十字状の係止片１０を一方々向に常時付勢し、そ
の直進運動によつて前記係合溝１４に対する係合及び解
除を適宜行うことが可能なロツク手段であれば良い。

又、前記係合溝１４の歯型を、前記ハブ２，３が一方々
向に常時回転可能なような角度を付けたものに変更する
ことも可能である。

以上、記述したように、本発明力セツトは、バネ部材と
十字状係止片から成るロツク手段を、各ハブの軸方向と
直交する方向に移動して、前記各ハブの内周壁に互に軸
方向に平行して刻設した鋸歯状係合溝に対する係止爪の
係合、離脱を行うので、前記各ハブをロツク操作毎に上
下方向に移動させることが不要となり、従つて、力セツ
ト内部のスペース特にテープ幅方向のスペースを節減で
きるので、力セツト小型、軽量化が容易になつた。

以上、記述した本発明力セツトの新規な効果は、フラン
ジ付きハブを具備して成る力乍ツトにおいても、あるい
はそれら力セツトがオーデイオ用や計算機用に使用され
る場合でも充分期待できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明力セツトの内部構造を示す平面図、第２
図は第１図のＩ−１線に沿つて切断した断面図、第３図
は本発明力セツトにおける係止片の斜視図、第４図は本
発明力セツトの下ハーフと係止片の関係を示す平面図、
第５図及び第６図は本発明力セツトの変更例を示す平面
図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 上、下ハーフにより画成される中空内部に磁気テー
   プ巻回用ハブを左右に配設し、該一対のハブ間に装架せ
   しめた磁気テープを、左右に略対称的に配設したテープ
   走行案内手段により、前記中空内部よりも前方に位置す
   る開口部を横切つて走行案内する磁気テープカセットに
   おいて、前記一対のハブが、回転駆動軸の挿入用軸穴を
   画成する第１の円筒状壁に対し同心円状に形成せしめた
   第２の円筒状壁の内周面に係合溝を刻設して成り、又、
   前記一対のハブ間のハーフ底部に直桿部及びその先端近
   傍に係止爪を突設したアーム部により略十字形を成し、
   全体が前記直桿部の長手方向に前後動可能でかつバネ部
   材により常時一方々向に付勢される十字状の係止片から
   成るロック手段を具備し、前記係止爪と係合溝の係合に
   より前記一対のハブが少なくとも一方々向の回転を阻止
   されることを特徴とする磁気テープカセット。 ２ 前記一対のハブが、フランジレスタイプであること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項に記載した磁気テー
   プカセット。 ３ 前記一対のハブが、フランジタイプであることを特
   徴とする特許請求の範囲第１項に記載した磁気テープカ
   セット。 ４ 前記ロック手段のバネ部材が、コイルバネあるいは
   板バネ材から成ることを特徴とする特許請求の範囲第１
   項に記載した磁気テープカセット。 ５ 前記ロック手段の十字状係止片における直桿部の一
   方の受座が、前記開口部に突出していることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項に記載した磁気テープカセット
   。 ６ 前記直桿部の両受座が、前記中空内部に常時位置す
   るように配設されていることを特徴とする特許請求の範
   囲第１項に記載した磁気テープカセット。