JPS6017115Y2 - テ−プカセツト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はビデオテープレコーダの如き記録再生装置やそ
の他各種の情報処理装置等に通用するのに最適なテープ
カセットに関するものである。

周知の如くビデオテープレコーダ用のテープカセットに
は、その一側面に開口部が設けられ、この開口部に連通
して下面に切欠部が設けられている。

そしてこのテープカセットをビデオテープレコーダ本体
に装着することによって、テープローディングガイドを
切欠部からカセット内のテープの内側に挿入させ、この
後テープローディングガイドを開口部からカセット外に
移動させることにより、そのテープローディングガイド
にてテープをカセット外へ引出して所定のテープ走行路
へローディングするように威されている。

ところで従来は、前記開口部の前面に回動自在の回動蓋
を設け、テープがその開口部からカセット外に不用意に
飛出して損傷されることを防止する一方、テープカセッ
トをビデオテープレコーダ本体に装着した時にその回動
蓋を回動して開くように構成していた。

しかしながら従来は、前記切欠部からカセット内部への
塵埃等の浸入防止に対する考慮が一切なされていなかっ
た為に、その塵埃等がカセット内部に不測に浸入してテ
ープの磁性面に耐着し、記録又は再生時にドロップアウ
トを生じ易い欠陥があった。

また周知の如くビデオテープレコーダ用のテープカセッ
トには、前記開口部に沿ってめぐらされたテープの内側
に配置されて、テープがその開口部内で弛むことを防止
出来るようなテープ弛み止め板が設けられている。

しかしながら従来はこのテープ弛み止め板をカセットの
上ハーフに一体的に成形して設けていた為に、このテー
プカセットをビデオテープレコーダ本体に装着する際に
、前記切欠部からカセット内のテープの内側に挿入され
るテープローディングガイドがそのテープ弛み止め板に
衝突し易かったり、或いはカセット装着後にテープロー
ディングガイドが前記開口部からカセット外へ移動する
際に、そのテープローディングガイドがテープ弛み止め
板に不測にひっかかり易い等、テープ弛み止め板がカセ
ット装着やテープローディングの邪魔になり易かった。

この為従来はテープ弛み止め板の左右方向の幅を出来る
限り小さくして、上記の如き邪魔になるようなことを極
力防止しているが、そのテープ弛み止め板の幅を小さく
すればする程、今度はテープの弛み止め効果が失われて
しまい、テープの弛み止めを充分に行なえず、テープが
開口部内で弛き易い欠陥があった。

本考案は上述の如き実状に鑑み考案されたものであって
、前記開口部と切欠部とを回動蓋と摺動蓋とによって夫
々閉塞出来るようにして、カセットの密封性を高め、し
かもテープの弛み止めを極めて確実に行え、かつまたテ
ープ弛み止め部材がカセット装着やテープローディング
ガイドの邪魔になるようなことのないテープカセットを
提供しようとするものである。

以下本考案をビデオテープレコーダ用のテープカセット
に適用した一実施例を図面に基き説明する。

先ず第１図〜第８図において、テープカセット１は合皮
樹脂成形された上ハーフ２と下ハーフ３とで構成され、
これらを上下から相互に嵌め込みかつ複数本の止ネジ４
にてネジ止めされて一体の筐体に構成されている。

そしてこのテープカセット１内には一対のテープリール
５，６が回転自在に収納され、磁気テープ（以下単にテ
ープと記載する）７がこれら両テープリール５，６に巻
装されて収納されている。

なお両テープリール５，６は下ハーフ３の底面壁３ａ上
に載置され、更にその下端をその底面壁３ａに設けられ
た一対のり−ル嵌合孔８，９に嵌合されて位置決めされ
ている。

そしてテープカセット１の前面にははＳ゛カセツト全山
亘って開口部１２が設けられている。

またその開口部１２に連通して前記底面壁３ａに切欠部
１３が設けられている。

前記テープ７は開口部１２の左右両端部で上ハーフ２に
一体的に成形された一対のテープガイドピン１４，１５
にて案内されて開口部１２に沿ってパス（めぐらすこと
）されている。

ところで開口部１２の前面には回動蓋１７が設けられ、
切欠部１３には摺動蓋１８が設けられている。

なおこれらの蓋１７．１８は共に合皮樹脂成形されたも
のである。

そして回動Ｍ１７ははＳ゛コ５字状していて、その左右
両端部１７ａに一体的に設けられた一対の支点ピン１９
を上ハーフ２の左右両側面壁２ａに設けられた下端が開
放された支持孔２０に嵌合されて上下方向に回動自在に
枢支されている。

なおこの回動蓋１７は第６図に示す如く何れか一方の支
点ピン１９部分に嵌装された捩りバネ２１によって下方
（第２図で反時計方向）に回動附勢され、開口部１２を
常時閉塞するようになされている。

一方摺動Ｍ１８は平板状をなしていて、下ハーフ３の底
面壁３ａ上に載置され、前後方向に水平に摺動自在に構
成されている。

なおこの際第６図及び第７図に示す如く摺動蓋１８の左
右両端部の下面に一体的に成形された各一対の小突起（
又は突条）２２が底面壁３ａに設けられた左右一対のガ
イド溝２３に係合されて摺動されるこによって、摺動蓋
１８が底面壁３ａ上に極く僅かに浮上った状態で摺動さ
れるように構成されている。

そして第４図及び第５図に示す如く摺動蓋１８の左右方
向の中央部でその後端部に一体的に設けられたバネ係止
部２４と、下ハーフ３の後面壁３ｂの中央部の内側部分
に一体的に設けられたバネ係止部２５との間に圧縮バネ
２６が予め少し圧縮された状態で挿入係止されていて、
この圧縮バネ２６により摺動蓋１８が前方側（第５図で
左方向）に摺動附勢されて、切欠部１３を常に閉塞する
ようになされている。

なお一方のバネ係止部２４は例えば突起状をなしていて
、そのバネ係止部２４の外周に圧縮バネ２６の一端が挿
入されて係止される。

また他方のバネ係止部２５は例えばコ字状をなしていて
、そのバネ係止部２５内に圧縮バネ２６の他端が挿入さ
れ、かつその他端は第５図に示す如く上ハーフ２に一体
的に成形されたバネ押え用突起２７によって押えられて
いる。

また摺動蓋１８の左右方向のはＳ゛中央部に設けられた
長孔２８が下ハーフ３に一体的に設けられたネジ止め用
の円筒状ボス部２９に挿入されていて、この円筒状ボス
部２９が摺動蓋１８の摺動ガイドと圧縮バネ２６による
前方側への摺動のストッパーとを兼用している。

ところで上ハーフ２の左右両側面壁２ａの内側部分には
、これから下方に突出された複数本のすブ３１が一体的
に設けられている。

そして下ハーフ３に上ハーフ２を嵌込んだ時に、これら
のリブ３１の下端面が第６図及び第７図に示す如く摺動
蓋１８の左右両端縁１８ａ上に近接され、これらリブ３
１の下端面と、下ハーフ３の底面壁３ａと、下ハーフ３
の左右側面壁３Ｃとの間に左右一対の溝部３２が形成さ
れる。

従って摺動蓋１８はその両端縁１８ａを両溝部３２にて
案内されて下ハーフ３の底面壁３ａ上において前後方向
に摺動自在に構成されている。

なお前記回動蓋１７の前面壁１７ｂの左右両端部の下端
縁には左右一対のスリット３３が形成されており、かつ
これら両スリット３３に対向させて前記下ハーフ３の底
面壁３ａの前端縁の左右両端部にも左右一対のスリット
３４が形成されている。

しかして第１図、第３図、第４図及び第５図に示す如く
、前記開口部１２に沿ってパスされたテープ７の内側に
配置されるテープ弛み止め板４１が前記摺動ｉ１８の前
端縁の上部に沿って一体的に成形して設けられている。

なおこのテープ弛み止め板４１はテープ７と平行状をな
し、かつ開口部１２の左右方向のはＳ゛全幅亘って長く
設けられている。

またこのテープ弛み止め板４１の前面であるテープ接触
面４２は、第１図に示されたようなすじ目、或いはすじ
目以外の各種ローレット面、凹凸、多数の小孔等が形成
された粗面に形成されている。

テープカセット１は以上の如く構成されており、通常は
回動蓋１７と摺動蓋１８とによって開口部１２と切欠部
１３との両方が閉塞されていて、いわゆる密閉型の筐体
を構成している。

従ってこの密閉状態では、テープカセット１内への塵埃
等の浸入は防止される。

また上記密閉状態では、第３図、第４図及び第５図に示
す如く、開口部１２に沿ってパスされたテープ７の内側
に、テープ弛み止め板４１が開口部１２の左右方向のほ
ぼ全幅に亘って密着されている。

従ってテープ７は開口部１２の左右方向のはＳ゛全幅亘
って回動蓋１７とテープ弛み止め板４１との間でサンド
イッチ状に挾み込まれており、そのテープ７が開口部１
２内で不測に弛むような不都合が完全に防止される。

一方第８図に示す如く、このテープカセット１をビデオ
テープレコーダ本体に装着すると、摺動蓋１８及び回動
蓋１７が開放されて、テープ７を開口部１２からテープ
カセット１外へ引出すことが可能となる。

即ち、例えばテープカセット１をビデオテープレコーダ
本体のカセットホルダ内等へ第８図で矢印ａ方向から挿
入すると、そのカセットホルダ等に設けられた突起３６
が一方のスリット３３，３４内に相対的に挿入されて、
先ず摺動蓋１８が圧縮バネ２６に抗して後方に摺動され
て、切欠部１３が開放される。

次にテープカセット１を第８図で矢印す方向に移動して
カセット装着位置へ装着すると、ビデオテープレコーダ
本体に設けられた突起（図示せず）が他方のスリット３
３，３４内に相対的に挿入されて、回動Ｍ１１が突き上
げられて、この回動蓋１７が捩りバネ２１に抗して第８
図で矢印Ｃ方向に回動されて、開口部１２が開放される
。

なおこの時テープローディングガイド（図示せず）が切
欠部１３からテープカセット１内のテープ７の内側に挿
入される。

しかしてこの際、摺動蓋１８が突起３６にて押されて後
方に摺動されると、この摺動蓋１８は第４図に仮想線で
示された位置まで後退されて、これと一緒にテープ弛み
止め板４１も第３図に仮想線で示す位置まで後退されて
テープ７から離間される。

なおこの際テープ弛み止め板４１のテープ接触面４２が
粗面に形成されていることで、そのテープ弛み止め板４
１はテープ７から確実に離間され、テープ７がテープ接
触面４２に吸着されたま）でテニプ弛み止め板４１と一
緒にテープカセット１の内側に不測に引き込まれるよう
なことはない。

そしてテープ弛み止め板４１は摺動蓋１８と一緒に後方
に移動されるので、テープカセット１が第８図で矢印す
方向に移動されて、テープローディングガイドが切欠部
１３からテープカセット１内のテープ７の内側は挿入さ
れる際に、そのテープローディングガイドがテープ弛み
止め板４１に不測に衝突される為、テープ弛み止め板４
１がカセット装着時の邪魔になるようなことは全くない
。

また上記のカセット装着が完了し、回動蓋１７が上方に
回動された状態では、テープ弛み止め板４１が後方に移
動されていて、開口部１２がその左右方向の全幅に亘っ
て完全に開放されているので、この後テープローディン
グガイドがカセット外へ移動して、テープ７のローディ
ングが行われる際に、そのテープローディングガイドが
テープ弛み止め板に不測にひっかかる等の不都合は全く
なく、テープ７のローディング及びアンローディングを
軽快に行える。

なおテープ弛み止め板４１のテープ接触面４２を必ずし
も粗面に形成しなくても、そのテープ弛み止め板４１を
金属板にて形成したり、カーボン等の帯電防止材を混入
して合皮樹脂成形したり、或いは第９図に示す如く、カ
ーボンやグラファイト入り等のテフロンシート４４や金
属薄板等をテープ弛み止め板４１のテープ接触面４２に
接着するようにしておけば、テープ弛み止め板４１が後
方に移動される際に、テープ７がこれに吸着して後方に
引き込まれるようなことを防止出来る。

以上本考案の実施例に付き述べたが、本考案はビデオテ
ープレコーダ以外の各種記録再生装置やその他各種の情
報処理装置用のテープカセットに適用可能である。

また本考案で言うテープ弛み止め部材は必ずしも実施例
で示したテープ弛み止め板４１の如き板状体である必要
はなく、例えば第１０図に示したような複数本のピン４
６であっても良い。

本考案は上述の如く、テープリールを内蔵したテープカ
セットの一側面に開口部と、この開口部に連通してカセ
ット下面に切欠部とを夫々形成腰上記開口部の前面には
回動自在の回動蓋を設けると共に、上記切欠部を覆う摺
動自在の摺動蓋を設け、上記開口部に沿ってめぐらされ
たテープの内側に配置されるテープ弛み止め部材を上記
摺動蓋に設け、この摺動蓋が摺動して上記切欠部が開放
される時に、その摺動蓋と一緒にテープ弛み止め部材を
テープから離間させて、開口部の内方に後退（引き込む
こと）させるように構成したものである。

従って、開口部と切欠部とを回動蓋と摺動蓋とによって
夫々閉塞するものであり、カセットの密封性が非常に高
いものである。

それでいて、テープの弛み止めを極めて確実に行え、か
つまたテープ弛み止め部材がカセット装着やテープロー
ディングの邪魔にならず、そのカセット装着やテープロ
ーディングを常時安全かつ軽快に行えるものが得られる
。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案をビデオテープレコーダ用のテープカセッ
トに適用した一実施例を示したものであって、第１図は
分解斜視図、第２図は側面図、第３図は第２図■−■線
矢視での断面図、第４図は第２図ＩＶ−ＩＶ線矢視ての
断面図、第５図は第４図■−Ｖ線矢視ての断面図、第６
図は第４図ＶＩ−ＶＩ線矢視での断面図、第７図は第４
図■−■線矢視での断面図、第８図は回動蓋及び摺動蓋
の開放動作を説明する要部の拡大断面図、第９図及び第
１０図は変形例を示した要部の斜視図である。 また図面に用いられた符号において、１・・・・・・テ
ープカセット、５，６・・・・・・テープリール、７・
・・・・・磁気テープ、１２・・・・・・開口部、１３
・・・・・・切欠部、１７・・・・・・回動蓋、１８・
・・・・・摺動蓋、２１・・・・・・捩りバネ、２６・
・・・・・圧縮バネ、４１・・・・・・テープ弛み止め
板、４６・・・・・・テープ弛み止めピンである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. テープリールを内蔵したテープカセットの一側面に開口
   部と、この開口部に連通してカセット下面に切欠部とを
   夫々形威し、上記開口部の前面には回動自在の回動蓋を
   設けると共に、上記切欠部を覆う摺動自在の摺動蓋を設
   け、上記開口部に沿ってめぐらされたテープの内側に配
   置されるテープ弛み止め部材を上記摺動蓋に設けて成る
   テープカセット。