JPH0732609Y2 - 手洗器の吐水管接続構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、洗面鉢の上方に位置する手洗器本体に、吐水
管を締結ナット１つで取り付けることのできる手洗器に
関するものである。

〔従来の技術〕

室内スペースの有効利用を図ること及び見栄えを良くす
ること等の観点から、壁面へ埋込んで設置されるタイプ
の手洗い器が既に開発され、公知である。このような手
洗器にあっては、手動操作により吐水と止水とを行うタ
イプのものと、人体の一部を検知して自動的に吐水と止
水とを行うものとがある。

最近では、後者の自動的に吐水と止水とを行うようにし
たものが普及して来ている。その一例を示すと、第４図
の正面図及び第５図の側面図の通りである。すなわち、
自動的に吐水と止水の制御を行う手洗器１は、手洗器本
体２の一部が壁面３内へ埋込まれた状態で取り付けられ
ている。そして、この手洗器１の下方には、自動水栓４
が取り付けられており、その流出側は給水管５を介して
吐水管６へ接続されている。給水管５と吐水管６との接
続は、袋ナット７により行われている。吐水管６は、第
６図に示すように、手洗器本体２の取付孔８へ下方側か
ら挿通され、洗面器本体２の裏面側において、ナット９
を締結することにより、吐水管下部のナット部6aとの間
で洗面器本体２を挟持するようにしている。10は、吐水
管６の先端部に取り付けられたキャップである。

而して、前記自動水栓４は、手洗器本体２の斜め右上方
において、壁面３へ埋設された人体検知センサ11により
ON,OFF制御されるようになっている。つまり、使用者が
手洗器本体２へ近づいたことを検知することで、自動水
栓４をON動作させ、吐水管６から温水等を吐出させてい
る。また使用者が手洗器本体２から離れたことを検知す
ることで、自動水栓４をOFF動作させ、止水するように
している。

第７図は、従来の手動操作により吐水と止水の制御を行
うようにした手洗器における吐水管12の接続構造を示す
ものである。この吐水管12は、手洗器本体２の裏面側か
らＬ字状の接続金具13を挿通し、手洗器本体２の外部側
において、ナット14を締結することで接続金具13を手洗
器本体２へ固定している。そして、接続金具13内に取り
付けた吐水管12に、キャップ15とハンドル16とを取り付
けている。ハンドル16を回動操作することで、昇降ロッ
ド17が上下に移動し、接続金具13内に装着された開閉弁
（図示せず）を開閉動作させて吐水と止水とを行うよう
になっている。同図において、18は前記ナット14を隠蔽
するための化粧用の椀座である。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで、前述した第６図に示す吐水管６の接続構造に
あっては、手洗器本体２の大きさとの関係から給水管５
の高さ寸法Ｈを大きく採ることができず、取り付け作業
がし難いという欠点と、異なった形状の手洗器本体へは
適用できなくなる場合があるという欠点があった。

また第７図に示す吐水管12の接続構造にあっては、ナッ
ト14や螺子等の機械的要素が直接露出するため、これら
の部材を隠蔽するための化粧用の椀座18が必要であっ
た。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、従来の前記課題に鑑みてこれを改良除去した
ものであって、手洗器本体の大きさに影響を受けること
が少なく、しかも化粧用の部材を全く必要としない吐水
管の接続構造を提供せんとするものである。

而して、前記課題を解決するために本考案が採用した手
段は、洗面鉢上方の手洗器本体に吐水管が取り付けられ
る手洗器において、上端側が閉塞されると共に上部側の
周側面に流入ポートが形成され、手洗器本体の取付孔へ
下方側から挿通される吐水管と、筒体の横方向に分岐接
続管が設けられ、前記吐水管の上部側に前記筒体が外嵌
装着される接続エルボと、吐水管の上端部外周面へ螺着
される締結ナットとより成り、接続エルボと吐水管下部
との間で手洗器本体を挟持し、分岐接続管を給水管へ接
続するようにしたことを特徴とする手洗器の吐水管接続
構造である。

〔作用〕

吐水管の取り付けは、手洗器本体の取付孔へ下方側から
挿通し、手洗器本体の裏面側において、接続エルボを外
嵌装着してナットを締結するだけでよい。これにより、
吐水管は、接続エルボと吐水管下部との間で手洗器本体
を挟持することができ、これに固定される。また接続エ
ルボの横方向へ分岐する接続管へ給水管を接続すること
ができるので、手洗器本体の裏面側における吐水管の吐
出高さを低く抑えることができ、手洗器本体の大きさに
影響されることが少ない。更にまた、吐水管の先端側に
椀座等の化粧用部材は不要である。

〔実施例〕

以下に、本考案の構成を、壁面埋込み型の自動手洗器へ
適用した場合の実施例に基づいて、図面を参照して説明
すると次の通りである。なお、従来の場合と同一符号は
同一部材である。

第１図乃至第３図は本考案の一実施例に係るものであ
り、第１図は手洗器本体２の吐水口部を示す部分縦断面
側面図、第２図は手洗器20の全体を示す正面図、第３図
は壁面３へ取り付けた場合の手洗器20の全体を示す側面
図である。この実施例にあっては、手洗器本体２より下
方へ突出する吐水管21の先端側に上下のケース22,23が
嵌合装着され、該上下のケース22及び23間に超音波を利
用した手検知センサ24が内蔵され、これに挟持固定され
ている。手検知センサ24は、発信側及び受信側の導波管
24a,24bが並列に連結されており、その先端は下ケース2
3の下面側へ突出して開口している。

上端側が閉塞された金属製の吐水管21の先端側には、袋
状のナット部21aが一体的に形成されている。このナッ
ト部21aを上ケース22の多角形状孔25へ装着し、上ケー
ス22の内面側から筒状の接続ナット26を前記袋状ナット
部21aの雌螺子部へ螺着することで、吐水管21と上ケー
ス22とを連結している。このとき、前記前記ナット部21
aと多角形状孔25とにより、両者の廻り止めが行われ
る。

下ケース23は、前記導波管24a,24bを支持する支持片27
を有している。この支持片27に支持された状態の導波管
24a,24bの間には、ボス部23aに嵌合装着された吐水接続
管28が立設状態で位置している。この吐水接続管28の上
端側は、前記接続ナット26の孔内へ脱着自在に嵌合装着
されている。また吐水接続管28の下端側は、下ケース23
を貫通して外部へ突出しており、キャップ29が取り付け
られている。下ケース23は、ビス部材30を介して上ケー
ス22へ連結されている。

このようにしてこの実施例の手洗器20にあっては、手検
知センサ24を内蔵した上下のケース22及び23を吐水管21
へ取り付けている。吐水管21の手洗器本体２への取り付
けは、先ず手洗器本体２の取付孔32の上下面へ台座33,3
4を配設し、吐水管21を前記取付孔32の下方側から挿通
している。そして、手洗器本体２の裏面側にあって、台
座33より上方へ突出する吐水管21に、締結ナット35を介
して筒状の接続エルボ36を嵌合装着している。このナッ
ト35の螺着により、接続エルボ36が台座33を下方向へ押
圧付勢するようになり、上下の台座33及び34が手洗器本
体２を挟持するようになる。つまり、吐水管21及び上下
のケース22,23を手洗器本体２へ固定することができ
る。給水管21と接続エルボ36とは、吐水管21の上部側の
周側面に穿設した流入ポート21bにより連通している。

この固定状態にあって、手検知センサ24の配線37は、上
ケース22に設けられた挿通孔38を通り、台座33,34の切
欠溝39,40から手洗器本体２の裏面側へ導出され、自動
水栓４へ接続されている。また前記接続エルボ36の横方
向へ突出する分岐接続管41は、給水管42へ連通接続さ
れ、更にこの給水管42は可撓製を有する樹脂チューブ43
を介して自動水栓４へ接続されている。

このような手洗器20の構成であれば、吐水管21の取り付
けは、その上端側に接続エルボ36を外嵌装着し、締結ナ
ット35を螺着するだけであるので、極めて単純な作業と
なる。また横方向へ分岐する分岐接続管41を介して給水
管42と吐水管21とを接続するようにしたから、手洗器本
体２における吐水管21の高さ寸法を極めて低くできる。
その結果として、吐水管21の取り付けが、手洗器本体２
の大きさに影響されることはない。更に、吐水管21の取
り付けは、手洗本体２の裏面側で行っている。そのた
め、手洗器本体２の下面側における吐水管21に、第７図
に示す従来例のような椀座18等の化粧用部材は全く不要
である。

而して、このように構成された手洗器20にあっては、先
ず使用者が手洗器本体２の手洗鉢の上方に取り付けられ
た下ケース23の下方側へ手を差し伸べると、超音波を利
用した手検知センサ24がこれを検知し、自動水栓４をON
動作させる。これにより、自動水栓４から所定温度に混
合された温水が、樹脂チューブ43,給水管42を介して接
続エルボ36へ供給され、ポート21bから吐水管21内へ流
入する。そして温水は、接続ナット26,吐水接続管28,キ
ャップ29を夫々経て手洗鉢へ向けて吐出される。また使
用者が下ケース23の下方側から手を引くと、手検知セン
サ24がこれを検知し、自動水栓４をOFF動作させて止水
状態にする。

ところで、本考案は上述した実施例に限定されるもので
はなく、例えば、手洗器は壁面埋込み型に限らず、通常
の室内据置型であってもよい。また吐水管21の手洗器本
体２よりも下方へ突出する先端側は、第６図に示す従来
タイプの構造であってもよい。即ち、第１図に示す実施
例では、手検知センサ24を内蔵する上下のケース22,23
を吐水管21に取り付け、上ケース22の上端面に配置した
台座34と、接続エルボ36の下端面に配置した台座33とで
手洗器本体２を挟持するようにしていが、これに代えて
吐水管21の下部側に大径部を形成し、この大径部と前記
接続エルボ36とで手洗器本体２を挟持するようにするこ
とも可能である。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案にあっては、吐水管の取り付
けを手洗器本体の裏面側において、接続エルボを外嵌装
着してナットを締結するだけでよく、取付作業が極めて
簡単である。また接続エルボの横方向へ分岐する接続管
へ給水管を接続することができるので、手洗器本体の裏
面側における吐水管の突出高さを低く抑えることがで
き、手洗器本体の大きさに影響されることが少ない。更
にまた、手洗器本体より下方へ突出する吐水管の先端部
に、化粧用の椀座等を装着する必要もなく、シンプルな
取付構造とすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の一実施例に係るものであ
り、第１図は手洗器本体の吐水口部を示す縦断面側面
図、第２図は手洗器の全体正面図、第３図は手洗器を壁
面へ取り付けた場合の全体側面図、第４図乃至第７図は
従来技術に係るもので、第４図は手洗器の全体を示す正
面図、第５図は手洗器を壁面へ取り付けた場合の全体側
面図、第６図及び第７図は夫々吐水口部を示す縦断面側
面図である。 ２…手洗器本体、３…壁面 ４…自動水栓、20…手洗器 21…吐水管、32…取付孔 35…締結ナット、36…接続エルボ 41…分岐接続管、42…給水管

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭63−190359（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−133195（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭60−66755（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】洗面鉢上方の手洗器本体に吐水管が取り付
   けられる手洗器において、上端側が閉塞されると共に上
   部側の周側面に流入ポートが形成され、手洗器本体の取
   付孔へ下方側から挿通される吐水管と、筒体の横方向に
   分岐接続管が設けられ、前記吐水管の上部側に前記筒体
   が外嵌装着される接続エルボと、吐水管の上端部外周面
   へ螺着される締結ナットとより成り、接続エルボと吐水
   管下部との間で手洗器本体を挟持し、分岐接続管を給水
   管へ接続するようにしたことを特徴とする手洗器の吐水
   管接続構造。