JPH07324745A - 燃焼機器の不完全燃焼検出装置 - Google Patents

燃焼機器の不完全燃焼検出装置

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Publication number
JPH07324745A
JPH07324745A JP11840294A JP11840294A JPH07324745A JP H07324745 A JPH07324745 A JP H07324745A JP 11840294 A JP11840294 A JP 11840294A JP 11840294 A JP11840294 A JP 11840294A JP H07324745 A JPH07324745 A JP H07324745A
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JP
Japan
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deviation
calculated
combustion
δvs
incomplete combustion
Prior art date
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Pending
Application number
JP11840294A
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English (en)
Inventor
Yoshikatsu Ishikawa
善克 石川
Hiroshi Kamiya
宏 神谷
Shinichi Uratani
伸一 浦谷
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Harman Co Ltd
Original Assignee
Harman Co Ltd
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Publication date
Application filed by Harman Co Ltd filed Critical Harman Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 不完全燃焼状態が発生した場合は確実に判別
でき、しかも、不完全燃焼状態でないにもかかわらず不
完全燃焼状態であると判別することを極力回避する。 【構成】 劣化判別手段104が算出した算出偏差ΔV
sを補正用偏差ΔVmとして記憶する偏差記憶手段10
6が設けられ、劣化判別手段104は、出力基準値と、
未燃成分がゼロの状態における未燃成分センサSの出力
値との偏差を算出し、算出した算出偏差ΔVsが偏差記
憶手段106に記憶されている補正用偏差ΔVmよりも
大のときだけ、偏差記憶手段106の記憶内容を算出偏
差ΔVsに書き換えるように構成され、不完全燃焼判別
手段102は、偏差記憶手段106に記憶されている補
正用偏差ΔVmと、未燃成分センサSの出力値とに基づ
いて、不完全燃焼を判別するように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バーナと、そのバーナ
に燃焼用空気を通風し、且つ、前記バーナの燃焼ガスを
排出する通風手段を備えた燃焼機器において、前記バー
ナの燃焼ガスに接触する状態で設けられて、前記燃焼ガ
ス中に含まれる未燃成分の濃度に応じた出力値を出力す
る接触燃焼式の未燃成分センサと、出力基準値と、前記
未燃成分がゼロの状態における前記未燃成分センサの出
力値との偏差を算出する劣化判別手段と、その劣化判別
手段が算出した算出偏差と、前記未燃成分センサの出力
値とに基づいて、不完全燃焼状態を判別する不完全燃焼
判別手段が設けられた燃焼機器の不完全燃焼検出装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】バーナの燃焼ガス中の未燃成分として
は、COガスが知られていて、未燃成分センサとして
は、COガスの濃度に応じた出力値を出力するCOセン
サが知られている。かかる燃焼機器の不完全燃焼検出装
置において、未燃成分センサは経時的に劣化してその出
力値が低下し、しかも、劣化の程度が大きくなるほど、
出力値も大きく低下することが知られている。従って、
従来では、以下のように、未燃成分センサの劣化による
出力値の低下を考慮して不完全燃焼状態を判別してい
た。つまり、未燃成分センサが劣化していない状態にお
ける未燃成分がゼロのときの出力値を出力基準値として
記憶しておき、装置運転中においては、劣化判別手段に
より、前記出力基準値と、未燃成分がゼロの状態におけ
る未燃成分センサの出力値との偏差を算出し、不完全燃
焼判別手段により、劣化判別手段が算出した算出偏差
と、未燃成分センサの出力値とに基づいて、判別基準
(例えば、濃度)を設定して、不完全燃焼状態を判別す
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、かかる未燃
成分センサにおいては、出力値と同様に、感度も劣化の
程度が大きくなるほど大きく低下することが判明してい
る。又、かかる未燃成分センサは、劣化した状態で、振
動、衝撃等の物理的な力が印加されると、感度はほとん
ど変化しないが、出力だけが変化する場合があることが
判明している。上記従来の装置では、未燃成分センサに
物理的な力が印加されて、出力値が上昇変化すると、上
昇変化した出力値に基づいて出力基準値との偏差を算出
するので、その算出偏差は、出力値が上昇変化した分小
さくなる。そして、その小さくなった算出偏差に基づい
て、判別基準を設定して、不完全燃焼状態を判別する。
【0004】一方、出力値が上昇変化しても、感度は元
の儘であるので、その元の儘の感度は、劣化のみの要因
によって、前述の物理的な力が印加されて出力値が上昇
変化したときの算出偏差と同じ算出偏差になったときの
感度よりも小さい。換言すれば、濃度に対応した出力値
は、算出偏差が同じであっても、物理的な力が印加され
て出力値が上昇変化した場合の方が、劣化のみの場合よ
りも小さい。従って、従来の装置において、小さくなっ
た算出偏差に基づいて不完全燃焼状態を判別する場合、
感度が元の小さい儘であることが考慮されないので、設
定した判別基準は、出力値に対応した実際の判別基準よ
りも緩くなる。
【0005】従って、不完全燃焼状態であるにもかかわ
らず不完全燃焼状態であると判別しない事態が起こりう
るので、かかる事態を回避するために、不完全燃焼状態
であると判別するために設定する設定判別基準をかなり
緩く設定していた。そのために、不完全燃焼状態でない
にもかかわらず、不完全燃焼状態であると判別してしま
う不具合が発生する場合があった。
【0006】本発明は、かかる実情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、不完全燃焼状態が発生した場合
は確実に判別でき、しかも、不完全燃焼状態でないにも
かかわらず不完全燃焼状態であると判別することを極力
回避することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による燃焼機器の
不完全燃焼検出装置の第1の特徴構成は、前記劣化判別
手段が算出した算出偏差を補正用偏差として記憶する偏
差記憶手段が設けられ、前記劣化判別手段は、算出した
算出偏差が前記偏差記憶手段に記憶されている補正用偏
差よりも大のときだけ、前記偏差記憶手段の記憶内容を
前記算出偏差に書き換えるように構成され、前記不完全
燃焼判別手段は、前記偏差記憶手段に記憶されている補
正用偏差と、前記未燃成分センサの出力値とに基づい
て、不完全燃焼状態を判別するように構成されている点
にある。
【0008】第2の特徴構成は、前記劣化判別手段は、
算出した算出偏差が前記偏差記憶手段に記憶されている
補正用偏差よりも大のときだけ、その算出偏差を記憶可
能で、且つ、前記補正用偏差より大なる算出偏差を複数
個記憶可能に構成され、並びに、記憶している複数個の
算出偏差を平均し、その平均偏差が前記補正用偏差より
も大のときだけ、前記偏差記憶手段の記憶内容を前記平
均偏差に書き換えるように構成されている点にある。
【0009】第3の特徴構成は、前記劣化判別手段が算
出した算出偏差が前記偏差記憶手段に記憶されている補
正用偏差よりも小のときで、且つ、前記補正用偏差から
前記算出偏差を減じた値が設定値よりも大のときに、警
報を発する警報手段が設けられている点にある。
【0010】第4の特徴構成は、前記劣化判別手段が算
出した算出偏差が前記偏差記憶手段に記憶されている補
正用偏差よりも大のときで、且つ、前記算出偏差から前
記補正用偏差を減じた値が設定値よりも大のときに、警
報を発する警報手段が設けられている点にある。
【0011】
【作用】第1の特徴構成による作用は、以下の通りであ
る。未燃成分センサに物理的な力が印加されることによ
り、出力値が上昇変化して算出偏差が小さくなったとし
ても、偏差記憶手段の記憶内容の書換えは実行されな
い。つまり、偏差記憶手段には、物理的な力が印加され
る前の出力値に基づいて算出された算出偏差、あるい
は、それよりも大きい算出偏差が、補正用偏差として記
憶されている。換言すれば、常に最大の算出偏差が補正
用偏差として記憶されていることになる。従って、未燃
成分センサに物理的な力が印加されることにより、出力
値が上昇変化して算出偏差が小さくなったとしても、そ
の算出偏差よりも大きい補正用偏差(最大の算出偏差)
に基づいて、判別基準を設定して、不完全燃焼状態を判
別するので、そのときの判別基準は、小さくなった算出
偏差に基づく判別基準よりも厳しくなる。従って、設定
判別基準を不必要に緩く設定しなくても、不完全燃焼状
態が発生したときには、不完全燃焼状態であることを確
実に判別できる。
【0012】第2の特徴構成による作用は、以下の通り
である。算出した算出偏差が偏差記憶手段に記憶されて
いる補正用偏差よりも大のときだけ、偏差記憶手段の記
憶内容を算出偏差に書き換える構成では、例えば、ノイ
ズ等の原因で、出力が異常に低下して異常に大きい算出
偏差が発生した場合、その異常に大きい算出偏差が補正
用偏差として偏差記憶手段に継続して記憶される状態が
発生する。この場合は、極端に厳しい判別基準により不
完全燃焼状態を判別することになるので、不完全燃焼状
態でないにもかかわらず、不完全燃焼状態であると判別
してしまう事態が起こりうる。これに対して、本特徴構
成であれば、異常に大きい算出偏差が発生しても、複数
個の算出偏差を平均することにより、補正用偏差が異常
に大きくなることが緩められるので、不完全燃焼状態で
ないにもかかわらず、不完全燃焼状態であると判別して
しまうことを可及的に回避することができる。
【0013】第3の特徴構成による作用は、以下の通り
である。算出偏差が異常に小さくなったとき、つまり、
出力値が異常に上昇変化したときは、例えば、未燃成分
センサに異常に大きい物理的な力が印加されて、未燃成
分センサに異常を来たして使用限界になったと判断し
て、警報を発する。従って、その警報に基づいて、燃焼
機器の運転を停止したり、未燃成分センサを交換したり
する等の処置を講ずることができる。
【0014】第4の特徴構成による作用は、以下の通り
である。算出偏差が異常に大きくなったとき、つまり、
出力値が異常に減少変化したときは、例えば、未燃成分
センサの劣化程度が大きくなって使用限界になったと判
断して、警報を発する。従って、その警報に基づいて、
燃焼機器の運転を停止したり、未燃成分センサを交換し
たりする等の処置を講ずることができる。
【0015】
【発明の効果】第1の特徴構成によれば、設定判別基準
を不必要に緩く設定しなくても、不完全燃焼状態が発生
したときには、不完全燃焼状態であることを確実に判別
できるので、それによって、不完全燃焼状態でないにも
かかわらず不完全燃焼状態であると判別することを極力
回避することができるようになった。
【0016】第2の特徴構成によれば、不完全燃焼状態
でないにもかかわらず不完全燃焼状態であると判別する
ことを一層回避することができるようになった。
【0017】第3の特徴構成によれば、物理的な力が印
加されて未燃成分センサに異常を来たして使用限界にな
っているにもかかわらず、その未燃成分センサの出力値
に基づいて不完全燃焼状態を判別するような事態を確実
に回避することができるので、安全性を一層向上するこ
とができるようになった。
【0018】第4の特徴構成によれば、未燃成分センサ
が大きく劣化しているにもかかわらず、その未燃成分セ
ンサの出力値に基づいて不完全燃焼状態を判別するよう
な事態を確実に回避することができるので、安全性を一
層向上することができるようになった。
【0019】
【実施例】
〔第1実施例)〕以下、図面に基づいて、本発明の第1
実施例を説明する。本発明の不完全燃焼検出装置を備え
た燃焼機器の一例としての給湯装置は、図1に示すよう
に、給湯器Yと、給湯器Yの動作を制御する制御部H
と、リモコン装置Rとから構成されている。給湯器Y
は、燃焼室1と、燃焼室1の内部に備えられているバー
ナ2と、水加熱用の熱交換器3と、燃焼室1の上部に接
続され、バーナ2の燃焼ガスを室外に排出する排気路5
と、バーナ2に燃焼用空気を通風し、且つ、バーナ2の
燃焼ガスを排気路5通じて室外に排出する通風手段とし
てのファン4と、熱交換器3に加熱用の水を供給する給
水路6と、熱交換器3において加熱された湯を給湯栓
(図示せず)に供給する給湯路7と、バーナ2に対して
燃料(ガス)を供給する燃料供給路8とから構成されて
いる。
【0020】給水路6には、熱交換器3への給水量Qi
を検出する給水量センサ9が備えられ、給湯路7には、
給湯栓に対する給湯温度Txを検出する給湯温センサ1
0が備えられている。燃料供給路8は、一般家庭用のガ
ス供給管に接続され、この燃料供給路8には、バーナ2
への燃料供給量Ipを調節する電磁比例弁11と、燃料
の供給を断続する断続弁12とが備えられている。
【0021】リモコン装置Rは、有線又は無線によって
制御部Hと接続され、給湯装置の運転及び停止を指示す
る運転スイッチ13や、設定目標給湯温度Tsを設定す
る温度設定スイッチ14や、種々の情報を表示するLE
Dランプ15,16,17などが備えられている。尚、
LEDランプ15は、給湯装置が運転されているか否か
を表示し、LEDランプ16,17は、後述するような
異常状態を表示するように構成されている。
【0022】排気路5には、未燃成分センサの一例とし
てのCOセンサSが、バーナ2の燃焼ガスに接触する状
態で設けられている。このCOセンサSは、燃焼ガス中
に含まれる未燃成分としてのCOの濃度Dに応じた出力
値を出力するように構成されている。
【0023】図2は、このCOセンサSの構成を示した
ものである。COセンサSは、ステンレス製の保護枠2
1の内側の台座22にセンサ素子23、温度補償用リフ
ァレンス素子24、及び、COセンサSの雰囲気温度A
を検出する温度センサ25を装備している。このセンサ
素子23、温度補償用リファレンス素子24は夫々触媒
を担持した白金線で構成されており、又、センサ素子2
3、温度補償用リファレンス素子24、及び、抵抗素子
26,27とは、図3に示すように、ブリッジ回路状態
に接続されている。そして、センサ素子23、温度補償
用リファレンス素子24は、電流が流れることで約20
0°Cに加熱され、その表面に接触する未燃成分が触媒
作用によって燃焼する。このとき、センサ素子23に担
持された触媒には、COに対する選択性があるため、セ
ンサ素子23、温度補償用リファレンス素子24夫々の
素子温度に差が生じる。白金線は、温度により抵抗値が
変化するので、燃焼ガス中のCO濃度が大になるほど、
センサ素子23と温度補償用リファレンス素子24の抵
抗値の差が大となる。従って、燃焼ガス中のCO濃度に
応じた出力値Vsが、ブリッジ回路における、センサ素
子23と温度補償用リファレンス素子24との接続部、
及び、抵抗素子26と27との接続部から出力されるよ
うに構成されている。尚、図2中の28は、制御部Hと
接続しているリード線とのコネクタ部である。
【0024】COセンサSの出力値Vsは、CO濃度が
同じであっても雰囲気温度Aに応じて変化するという温
度特性を有している。図4は、CO濃度Dがゼロの状態
における出力値Vsの温度特性を示したものであり、図
4中の実線L1は、COセンサSが劣化していないとき
(初期)のCO濃度Dがゼロの状態における出力値Vs
の温度特性を示している。又、CO濃度Dが大になるほ
ど実線L1を出力値が大になる方向に平行移動した状態
で、COセンサSの出力値Vsは増加する。尚、図4に
おいて、雰囲気温度Aが70〜200°Cの範囲は、概
ねバーナ2が燃焼している領域であり、70°C以下の
範囲は、概ねバーナ2の燃焼が停止している領域であ
る。
【0025】そして、雰囲気温度Aを所定の温度に固定
した場合、CO濃度Dと出力値Vsとの間には、 Vs=αD+β にて示される相関関係がある。但し、αはCOセンサS
の感度、βは雰囲気温度Aが所定の温度のときのCO濃
度Dがゼロの状態における出力値Vsである。COセン
サSが劣化していない初期においては、α=αC 、及
び、β=VCCに夫々設定してある。但し、αC はCOセ
ンサSが劣化していないときのCOセンサSの感度、V
CCは、COセンサSが劣化していないときの、雰囲気温
度Aが例えば150°CのときのCO濃度Dがゼロの状
態における出力値Vsである。図5は、CO濃度Dと出
力値Vsとの相関関係を示し、図5中の実線M1は、C
OセンサSが劣化していないとき(初期)の相関関係を
示す。
【0026】図4に示すように、COセンサSが劣化す
ると、CO濃度Dがゼロの状態における出力値Vsは、
実線L1を出力値が小になる方向に平行移動した状態、
つまり、実線L2で示すように低下する傾向を示す。
又、COセンサSに振動、衝撃等の物理的な力が印加さ
れると、CO濃度Dがゼロの状態における出力値Vs
は、実線L2を出力値が大になる方向に平行移動した状
態、つまり、実線L3で示すように、上昇する傾向を示
す場合がある。従って、実線L1と実線L2の間におけ
る出力値Vsの偏差ΔVsをΔVs1 、実線L1と実線
L3の間における出力値Vsの偏差ΔVsをΔVs2
すると、ΔVs1 >ΔVs2 である。従って、COセン
サSが劣化したときのCO濃度Dと出力値Vsとの相関
関係は、感度αの変化を考慮しないとすると、 Vs=αD+β なる相関関係において、α=αC 、且つ、β=VCC−Δ
Vsとすることにより示される。
【0027】尚、図4中において実線L2で示すよう
に、CO濃度Dがゼロの状態における出力値Vsが低下
した場合、CO濃度Dと出力値Vsとの相関関係は、図
5中において実線M2で示すようになる。又、図4中に
おいて実線L3で示すように、COセンサSに振動、衝
撃等の物理的な力が印加されて、CO濃度Dがゼロの状
態における出力値Vsが上昇した場合、CO濃度Dと出
力値Vsとの相関関係は、図5中において実線M3で示
すようになる。但し、図5において、実線M1にて示さ
れるCO濃度Dと出力値Vsとの相関関係は、 Vs=αC D+VCC であり、同様に、実線M2にて示されるCO濃度Dと出
力値Vsとの相関関係は、 Vs=αC D+(VCC−ΔVs1 ) であり、実線M3にて示されるCO濃度Dと出力値Vs
との相関関係は、 Vs=αC D+(VCC−ΔVs2 ) である。
【0028】制御部Hには、給湯器Yの燃焼動作を制御
する燃焼制御手段101と、出力基準値VC と、COが
ゼロの状態(つまり、CO濃度Dがゼロの状態)におけ
るCOセンサSの出力値Vsとの偏差ΔVsを算出する
劣化判別手段104と、その劣化判別手段104が算出
した算出偏差ΔVsと、COセンサSの出力値Vsとに
基づいて、不完全燃焼状態を判別する不完全燃焼判別手
段102と、バーナ2の燃焼開始後設定時間の間、不完
全燃焼判別手段102の作動を牽制する時限牽制手段1
03と、CO濃度DがゼロのときのCOセンサSの出力
値Vsを出力基準値VC としてCOセンサSの雰囲気温
度Aに対応付けて記憶する基準値記憶手段105と、劣
化判別手段104が算出した算出偏差ΔVsを補正用偏
差ΔVmとして記憶する偏差記憶手段106が設けられ
ている。尚、基準値記憶手段105には、例えば、雰囲
気温度Aとの間に、図4中の実線L1に示すような相関
関係がある出力値Vsを出力基準値VC として記憶させ
てある。
【0029】制御部Hには、リモコン装置R、ファン
4、給水量センサ9、給湯温センサ10、電磁比例弁1
1、断続弁12、COセンサS、温度センサ25が接続
されている。
【0030】燃焼制御手段101は、給湯栓によって調
節され給水量センサ9により検出される給水量Qiが設
定水量になると、次に述べる給湯運転を実行し、給水量
Qiが設定水量未満になると、給湯運転を停止する。給
湯運転は、基本的には、給湯温センサ10により検出さ
れる給湯温度Txが設定目標給湯温度Tsになるように
電磁比例弁11を調整してバーナ2の燃料供給量Ipを
調節すると共に、ファン4の回転数が燃料供給量Ipに
対して予め設定されている目標回転数になるようにファ
ン4の回転数を制御する。尚、以下の説明において、こ
の給湯運転での基本的な制御を比例制御と称する。又、
燃焼制御手段101は、バーナ2の燃焼を停止させた後
もファン4の作動を設定時間(例えば、1分間程度)だ
け継続させるアフターパージを実行する。
【0031】劣化判別手段104は、アフターパージの
後、設定時間(例えば、20分間)経過後で、且つ、温
度センサ25の検出温度Aが設定温度(例えば、60°
C)以下になったときを、未燃成分がゼロで、且つ、C
OセンサSの出力値Vsが安定した状態として、COセ
ンサSの出力値Vsを取り込むとともに、基準値記憶手
段105に記憶されている出力基準値VC から温度セン
サ25の検出温度Aに対応する出力基準値VC を選定し
て取り込む。そして、取り込んだ出力基準値V C とCO
センサSの出力値Vsとの偏差ΔVsを算出する。又、
算出した算出偏差ΔVsが設定値(例えば、(1/2)
×VCC)以上のときに、COセンサSが使用限界である
と判別して、以後の燃焼制御手段101による給湯運転
の実行を禁止するとともに、LEDランプ16を点灯す
ることによりCOセンサSの交換を指令する。
【0032】更に、劣化判別手段104は、算出した算
出偏差ΔVsが偏差記憶手段106に記憶されている補
正用偏差ΔVmよりも大のときだけ、その算出偏差ΔV
sを記憶可能で、且つ、補正用偏差ΔVmより大なる算
出偏差ΔVsを3個記憶可能に構成され、並びに、記憶
している3個の算出偏差ΔVsを平均し、その平均偏差
ΔVaが補正用偏差ΔVmよりも大のときだけ、偏差記
憶手段106の記憶内容を平均偏差ΔVaに書き換える
ように構成されている。尚、算出偏差ΔVsを記憶する
場合は、一番古い算出偏差ΔVsを消去してその代わり
に今回の算出偏差ΔVsを記憶するようにして、常に、
今回、前回、前前回の3個の算出偏差ΔVsを記憶する
ように構成してある。そして、それら3個の算出偏差Δ
Vsを平均することにより、3個の算出偏差ΔVsの移
動平均を実行して平均偏差ΔVaを算出するように構成
されている。
【0033】更に、劣化判別手段104は、算出した算
出偏差ΔVsが偏差記憶手段106に記憶されている補
正用偏差ΔVmよりも小のときで、且つ、補正用偏差Δ
Vmから算出偏差ΔVsを減じた値ΔVmsが設定値K
1よりも大のときに、以後の燃焼制御手段101による
給湯運転の実行を禁止するとともに、LEDランプ16
を点灯することによりCOセンサSの交換を指令する。
つまり、LEDランプ16は警報手段として機能する。
【0034】LEDランプ16による指令に基づいて、
サービスマンがCOセンサSを新品に交換したときに
は、スイッチ18をオン状態にして、判別データ記憶手
段106の記憶内容を初期値(例えば、ゼロ)に書き換
えるように構成してある。尚、スイッチ18は、一般の
ユーザーが操作できないように、制御部Hのケーシング
(図示せず)の内部等に設けてある。
【0035】不完全燃焼判別手段102は、基準値記憶
手段105に記憶されている出力基準値VC から温度セ
ンサ25の検出温度Aに対応する出力基準値VC を選定
するとともに、その選定出力基準値VC と予め記憶して
いるVCCとの差を算出することにより、COセンサSの
出力値の温度特性偏差ΔVtを求めて、出力値Vsに温
度特性偏差ΔVtを加算することにより出力値Vsを補
正する。又、不完全燃焼判別手段102は、偏差記憶手
段106に記憶されている補正用偏差ΔVmに基づい
て、βをβ=VCC−ΔVmなる式にて変更する。そし
て、 Vs=αD+β なる関係式にてCO濃度Dを算出する。但し、α=αC
であり、βの初期値はV CCに設定する。更に、不完全燃
焼判別手段102は、補正濃度Dが設定濃度(例えば、
1000ppm)以上となる状態が設定時間(例えば、
20秒間)以上継続すると、不完全燃焼状態であると判
別して、LEDランプ17を点灯することにより不完全
燃焼状態であることを発報する。
【0036】尚、燃焼制御手段101は、不完全燃焼判
別手段102が不完全燃焼状態を判別すると、バーナ2
の燃焼を停止させるとともに、前記アフターパージを実
行する。
【0037】つまり、不完全燃焼判別手段102は、偏
差記憶手段106に記憶されている補正用偏差ΔVm
と、COセンサSの出力値Vs偏差ΔVとに基づいて、
CO濃度Dを算出して、その濃度Dに基づいて、不完全
燃焼状態を判別するように構成されている。偏差記憶手
段106には、常に最大の平均偏差ΔVaが補正用偏差
ΔVmとして記憶されているので、不完全燃焼判別手段
102は、常に最大の平均偏差ΔVaに基づいて、不完
全燃焼を判別することになる。このことについて、更
に、図5に基づいて説明を加える。
【0038】今、出力値Vsが初期に対してΔVs1
くなる状態にまでCOセンサSが劣化していた状態にお
いて、振動、衝撃等の物理的な力が印加されて、出力値
Vsが上昇変化して、初期に対する偏差がΔVs2 にな
ったと想定する。従来の装置であれば、不完全燃焼判別
手段102は、劣化判別手段104が算出した算出偏差
ΔVs2 に基づいて、つまり、実線M3にて示されるC
O濃度Dと出力値Vsとの相関関係に基づいて、不完全
燃焼状態を判別する。しかしながら、出力値Vsが上昇
変化しても感度αは元の小さい儘であるので、実際のC
O濃度Dと出力値Vsとの相関関係は、実線M3よりも
傾きが小さい破線M3aにて示される相関関係になる。
従って、出力値VsがVsaの場合、不完全燃焼状態が
判別される相関関係である実線M3に基づいてより算出
される濃度D3は、実際の濃度D3aよりも小さくな
る。
【0039】一方、本発明であれば、振動、衝撃等の物
理的な力が印加されて、出力値Vsが上昇変化しても、
不完全燃焼判別手段102は、偏差記憶手段106に記
憶されている補正用偏差ΔVmに基づいて、不完全燃焼
状態を判別する。当然、ΔVm>ΔVs2 である。今、
仮に、補正用偏差ΔVmがΔVs1 であるとすると、不
完全燃焼判別手段102は、算出偏差ΔVs1 に基づい
て、つまり、実線M2にて示されるCO濃度Dと出力値
Vsとの相関関係に基づいて、不完全燃焼状態を判別す
る。従って、出力値VsがVsaの場合、実線M2に基
づいて算出される濃度D2は、実線M3に基づいてより
算出される濃度D3よりも大きいので、従来よりも厳し
い判別基準で不完全燃焼状態を判別することになる。
【0040】バーナ2の燃焼開始直後は、バーナ2の燃
焼に過渡的な不完全燃焼状態が生じ、CO濃度Dが一時
的に非常に高くなる。従って、不完全燃焼判別手段10
2が、燃焼開始直後の過渡的な不完全燃焼状態を判別し
ないように、時限牽制手段103により、燃焼開始後設
定時間(例えば60秒)が経過する間は、不完全燃焼判
別手段102の作動を牽制するように構成されている。
【0041】以下、本実施例の給湯装置における制御作
動を、図7に示すフローチャートに基づいて説明する。
先ず、給湯栓の開栓が給水量センサ9によって検知され
ると、時限牽制手段103による不完全燃焼判別手段1
02の時限牽制が開始されるとともに、燃焼制御手段1
01によりバーナ2の燃焼が開始される〔ステップ#1
〜#4〕。つまり、燃焼制御手段101により、ファン
4の送風(プリパージ)、及び、イグナイタ30による
スパークが開始され、電磁比例弁11及び断続弁12を
開成してバーナ2の燃焼が開始される。バーナ2に対す
る火移りが完了したか否かはフレームロッド31により
検知するようしてある。
【0042】バーナ2の燃焼が開始された後は、時限牽
制手段103による時限牽制中は、燃焼制御手段101
による燃焼制御(上述したような比例制御)が実行され
る〔ステップ#5〕。時限牽制手段103による時限牽
制が終了すると〔ステップ#6〕、センサ電源がオンさ
れ、通電磁間が経過して、COセンサSが所定の温度に
まで加熱されると〔ステップ#7,#8〕、燃焼制御手
段101による燃焼制御(上述したような比例制御)、
及び、不完全燃焼判別手段102による不完全燃焼判別
制御が実行される〔ステップ#9〕。
【0043】続いて、ステップ#9における燃焼制御及
び不完全燃焼判別制御が終了すると、燃焼制御手段10
1により電磁比例弁11及び断続弁12を閉成してバー
ナ2の燃焼が停止され〔ステップ#10〕、アフターパ
ージが実行される〔ステップ#11〕。続いて、劣化判
別手段104による劣化判別制御が実行され〔ステップ
#12〕、その後、COセンサ電源がオフされて〔ステ
ップ#13〕、例えば種火状態などの非燃焼状態で、次
の燃焼開始に備え待機する。
【0044】次に、図8に示すフローチャートに基づい
て、劣化判別制御について説明する。カウンタC1 をス
タートさせるとともにカウンタC1 がカウントアップし
て、設定時間(例えば、20分間)が経過し、続いて、
温度センサ25の検出温度Aを読み込むとともに、その
検出温度Aが設定温度(例えば、60°C)以下になる
と、COセンサSの出力値Vsを読み込む〔ステップ#
14〜#18〕。続いて、基準値記憶手段105に記憶
されている出力基準値VC から温度センサ25の検出温
度Aに対応する出力基準値VC を選定して読み込み、読
み込んだ出力基準値VC とCOセンサSの出力値Vsと
の偏差ΔVsを算出する〔ステップ#19〕。
【0045】そして、算出偏差ΔVsがゼロより大で、
且つ、VCCの1/2よりも小さく、且つ、偏差記憶手段
106に記憶されている補正用偏差ΔVmよりも大のと
きは、一番古い算出偏差ΔVsを消去してその代わりに
今回の算出偏差ΔVsを記憶するようにして、今回の算
出偏差ΔVs0 、前回の算出偏差ΔVs1 、前前回の算
出偏差ΔVs2 の3個の算出偏差を記憶するとともに、
それら3個の算出偏差を平均することにより、平均偏差
ΔVaを算出する〔ステップ#20〜#23〕。続い
て、平均偏差ΔVaが補正用偏差ΔVmよりも大のとき
は、偏差記憶手段106の記憶内容を平均偏差ΔVaに
書き換えてリターンし、平均偏差ΔVaが補正用偏差Δ
Vm以下のときは、偏差記憶手段106の記憶内容を書
き換えずにリターンする〔ステップ#24〕。
【0046】ステップ#22において、算出偏差ΔVs
が補正用偏差ΔVm以下であると判別したときは、補正
用偏差ΔVmから算出偏差ΔVsを減じた値ΔVmsが
設定値K1よりも大か否かを判別し、大のときは、CO
センサSが使用限界であると判別して、以後の燃焼制御
手段101による給湯運転の実行を禁止するとともに、
LEDランプ16を点灯することにより警報を発し、値
ΔVmsが設定値K1以下のときは、リターンする〔ス
テップ#26〜#29〕。又、ステップ#21におい
て、算出偏差ΔVsがVCCの(1/2)以上であると判
別したときは、COセンサSが使用限界であると判別し
て、以後の燃焼制御手段101による給湯運転の実行を
禁止するとともに、LEDランプ16を点灯することに
より警報を発する〔ステップ#28,#29〕。
【0047】次に、図9に示すフローチャートに基づい
て、時限牽制終了後の燃焼制御及び不完全燃焼判別制御
について説明する。カウンターC2 をリセットし、燃焼
制御手段101による燃焼制御(上述したような比例制
御)を実行する〔ステップ#30,#31〕。続いて、
偏差記憶手段106から補正用偏差ΔVmを読み込むと
ともに、温度センサ25の検出温度A、及び、COセン
サSの出力値Vsを読み込む〔ステップ#32〜#3
4〕。続いて、βをβ=VCC−ΔVmなる関係式にて変
更する〔ステップ#35〕。更に、基準値記憶手段10
5に記憶されている出力基準値VC から温度センサ25
の検出温度Aに対応する出力基準値VC を選定するとと
もに、その選定出力基準値VC と予め記憶しているVCC
との差を算出することにより、COセンサS出力値の温
度特性偏差ΔVtを求め〔ステップ#36〕、出力値V
sに温度特性偏差ΔVtを加算することにより出力値V
sを補正し〔ステップ#37〕、Vs=αD+βなる関
係式にてCO濃度Dを算出する〔ステップ#38〕。
【0048】続いて、CO濃度Dが設定濃度(例えば、
1000ppm)以上のときは、カウンタC2 をスター
トさせて、CO濃度Dが設定濃度以上の状態が設定時間
(例えば、20秒)以上継続すると、不完全燃焼状態で
あると判別して、LEDランプ17を点灯することによ
り不完全燃焼状態であることを発報して〔ステップ#3
9〜#42〕、リターンする。ステップ#39において
CO濃度Dが設定濃度より小と判別したときは、カウン
タC2 をリセットして〔ステップ#43〕、ステップ#
44に進み、ステップ#41において、CO濃度Dが設
定濃度以上の状態が設定時間以上継続していないとき
は、ステップ#44に進む。そして、ステップ#44に
おいて、給湯栓が閉じられたか否かを判別し、給湯栓が
閉じられないときはステップ#31に戻り、給湯栓が閉
じられたときはリターンする。
【0049】〔第2実施例)〕以下、図面に基づいて、
本発明の第2実施例を説明する。
【0050】上述の第1実施例では、COセンサSが劣
化したときのCO濃度Dと出力値Vsとの相関関係にお
いては、感度αの変化を考慮しない場合について例示し
たが、本第2実施例においては、感度αの変化を考慮す
る場合について説明する。劣化に伴いCOセンサSの感
度αも変化するが、感度αと、出力値Vsの初期に対す
る偏差ΔVsとの間には、 α=αC (1−N×ΔVs) にて示される相関関係があることが、実験により判明し
た。但し、Nは所定の正の定数である。従って、COセ
ンサSが劣化したときのCO濃度Dと出力値Vsとの相
関関係は、 Vs=αD+β なる相関関係において、α=αC (1−N×ΔVs)、
且つ、β=VCC−ΔVsとすることにより示される。
【0051】従って、不完全燃焼判別手段102は、偏
差記憶手段106に記憶されている補正用偏差ΔVmに
基づいて、αをα=αC (1−N×ΔVm)、βをβ=
CC−ΔVmなる式にて変更し、 Vs=αD+β なる関係式にてCO濃度Dを算出するように構成する。
但し、αの初期値はαCに、βの初期値はVCCに夫々設
定する。つまり、不完全燃焼判別手段102の制御構成
を示すフローチャートは、図10のフローチャートに示
すように、図9に示す上記第1実施例におけるフローチ
ャートのステップ#35をステップ#51に変更したも
のになる。尚、本第2実施例においては、不完全燃焼判
別手段102を、図10のフローチャートに示す制御構
成に構成する以外は、上述の第1実施例と同様に構成す
る。
【0052】上述の第1実施例と同様に不完全燃焼判別
手段102は、常に最大の平均偏差ΔVaに基づいて、
不完全燃焼を判別するが、このことについて、更に、図
6に基づいて説明を加える。尚、図4中において実線L
2で示すように、CO濃度Dがゼロの状態における出力
値Vsが低下した場合、CO濃度Dと出力値Vsとの相
関関係は、図6中において実線M2で示すようになる。
又、図4中において実線L3で示すように、COセンサ
Sに振動、衝撃等の物理的な力が印加されて、CO濃度
Dがゼロの状態における出力値Vsが上昇した場合、C
O濃度Dと出力値Vsとの相関関係は、図6中において
実線M3で示すようになる。但し、図6において、実線
M1にて示されるCO濃度Dと出力値Vsとの相関関係
は、 Vs=αC D+VCC であり、同様に、実線M2にて示されるCO濃度Dと出
力値Vsとの相関関係は、 Vs=αC (1−N×ΔVs1 )D+(VCC−ΔV
1 ) であり、実線M3にて示されるCO濃度Dと出力値Vs
との相関関係は、 Vs=αC (1−N×ΔVs2 )D+(VCC−ΔV
2 ) である。但し、ΔVs1 >ΔVs2 >0であるので、傾
きは、実線M1、実線M3、実線M2の順に小さくな
る。
【0053】今、出力値Vsが初期に対してΔVs1
くなる状態にまでCOセンサSが劣化していた状態にお
いて、振動、衝撃等の物理的な力が印加されて、出力値
Vsが上昇変化して、初期に対する偏差がΔVs2 にな
ったと想定する。従来の装置であれば、不完全燃焼判別
手段102は、劣化判別手段104が算出した算出偏差
ΔVs2 に基づいて、つまり、実線M3にて示されるC
O濃度Dと出力値Vsとの相関関係に基づいて、不完全
燃焼状態を判別する。しかしながら、出力値Vsが上昇
変化しても感度αは元の小さい儘であるので、実際のC
O濃度Dと出力値Vsとの相関関係は、実線M3よりも
傾きが小さい破線M3aにて示される相関関係になる。
尚、破線M3aの傾きは、実線M2の傾きと同程度であ
る。従って、出力値VsがVsaの場合、不完全燃焼状
態が判別される相関関係である実線M3に基づいてより
算出される濃度D3は、実際の濃度D3aよりも小さく
なる。
【0054】一方、本発明であれば、振動、衝撃等の物
理的な力が印加されて、出力値Vsが上昇変化しても、
不完全燃焼判別手段102は、偏差記憶手段106に記
憶されている補正用偏差ΔVmに基づいて、不完全燃焼
状態を判別する。当然、ΔVm>ΔVs2 である。今、
仮に、補正用偏差ΔVmがΔVs1 であるとすると、不
完全燃焼判別手段102は、算出偏差ΔVs1 に基づい
て、つまり、実線M2にて示されるCO濃度Dと出力値
Vsとの相関関係に基づいて、不完全燃焼状態を判別す
る。従って、出力値VsがVsaの場合、実線M2に基
づいて算出される濃度D2は、実線M3に基づいてより
算出される濃度D3よりも大きいので、従来よりも厳し
い判別基準で不完全燃焼状態を判別することになる。
【0055】〔別実施例〕次に別実施例を列記する。 上記第1及び第2実施例では、不完全燃焼判別手段
102は、劣化判別手段104が算出した算出偏差ΔV
sと、COセンサSの出力値Vsとに基づいて、CO濃
度Dを算出して、その濃度Dに基づいて、不完全燃焼状
態を判別するように構成する場合について例示した。こ
れに代えて、不完全燃焼判別手段102は、CO濃度D
を算出することなく、算出偏差ΔVsと出力値Vsとに
基づいて、直接、不完全燃焼状態を判別するように構成
しても良い。
【0056】 図9に示す上記第1実施例におけるフ
ローチャート、及び、図10に示す上記第2実施例にお
けるフローチャートの夫々において、ステップ#36,
#37を省略して、温度特性偏差ΔVtによる出力値V
sの補正を行わないように、不完全燃焼判別手段102
を構成しても良い。これは、図4に示すように、雰囲気
温度Aが70〜200°Cの燃焼領域では、温度特性偏
差ΔVtは小さいため、温度特性偏差ΔVtによる出力
値Vsの補正を行わずにCO濃度Dを算出しても誤差が
小さいためである。従って、不完全燃焼判別手段102
の制御構成が簡単になる。
【0057】 図11のフローチャートに示すよう
に、図8に示す上記第1実施例におけるフローチャート
のステップ#23〜#25をステップ#52に変更し
て、算出した算出偏差ΔVsが偏差記憶手段106に記
憶されている補正用偏差ΔVmよりも大のときだけ、偏
差記憶手段106の記憶内容を算出偏差ΔVsに書き換
えるように、劣化判別手段104を構成しても良い。従
って、劣化判別手段104の制御構成が簡単になる。
【0058】 図12のフローチャートに示すよう
に、図8に示す上記第1実施例におけるフローチャート
のステップ#22と#23の間に、ステップ#53及び
#54を挿入して、算出した算出偏差ΔVsが偏差記憶
手段106に記憶されている補正用偏差ΔVmよりも大
のときで、且つ、算出偏差ΔVsから補正用偏差ΔVm
を減じた値ΔVsmが設定値K2よりも大のときに、L
EDランプ16を点灯することにより警報を発するよう
に、劣化判別手段104を構成しても良い。つまり、L
EDランプ16は警報手段として機能する。
【0059】 上記第1及び第2実施例では、劣化判
別手段104は、3個の算出偏差ΔVsの移動平均を実
行して平均偏差ΔVaを算出するように構成する場合に
ついて例示したが、平均偏差ΔVaを算出するための平
均演算方法は種々変更可能である。例えば、2個、又
は、4個以上の算出偏差ΔVsの移動平均を実行して平
均偏差ΔVaを算出するように構成してもよい。あるい
は、複数個の算出偏差ΔVsを記憶可能で、新しく算出
偏差ΔVsを記憶する際は、既に記憶している算出偏差
ΔVsのうちで最小の算出偏差ΔVsを消去して、その
代わりに、新しく算出偏差ΔVsを記憶するように構成
しても良い。
【0060】 上記第1及び第2実施例では、温度セ
ンサ25をCOセンサSの保護枠21内に装備する場合
について例示したが、温度センサ25は、保護枠21の
外部に設けても良い。
【0061】 上記第1及び第2実施例では、警報手
段の具体構成としてLEDランプ16を適用する場合に
ついて例示したが、警報手段の具体構成は種々変更可能
であり、例えば、ブザー等のように音声にて警報を発す
るものでも良い。
【0062】 上記第1及び第2実施例では、未燃成
分センサの一例としてのCOセンサSを適用する場合に
ついて例示したが、未燃成分センサとしては、この他に
も、例えば、酸素を検出する酸素センサ、水素を検出す
る水素センサを適用することができる。
【0063】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例における燃焼装置の全体構成を示す
構成図
【図2】第1実施例におけるCOセンサの全体構成を示
す概略図
【図3】第1実施例におけるCOセンサのブリッジ回路
の回路図
【図4】第1実施例におけるCO濃度がゼロのときのC
Oセンサの出力値と雰囲気温度との相関関係を示す図
【図5】第1実施例におけるCO濃度とCOセンサの出
力値との相関関係を示す図
【図6】第2実施例におけるCO濃度とCOセンサの出
力値との相関関係を示す図
【図7】第1実施例における制御動作のフローチャート
【図8】第1実施例における制御動作のフローチャート
【図9】第1実施例における制御動作のフローチャート
【図10】第2実施例における制御動作のフローチャー
【図11】別実施例の制御動作のフローチャート
【図12】別実施例の制御動作のフローチャート
【符号の説明】
2 バーナ 4 通風手段 16 警報手段 102 不完全燃焼判別手段 104 劣化判別手段 106 偏差記憶手段 S 未燃成分センサ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バーナ(2)と、そのバーナ(2)に燃
    焼用空気を通風し、且つ、前記バーナ(2)の燃焼ガス
    を排出する通風手段(4)を備えた燃焼機器において、 前記バーナ(2)の燃焼ガスに接触する状態で設けられ
    て、前記燃焼ガス中に含まれる未燃成分の濃度に応じた
    出力値を出力する接触燃焼式の未燃成分センサ(S)
    と、 出力基準値と、前記未燃成分がゼロの状態における前記
    未燃成分センサ(S)の出力値との偏差を算出する劣化
    判別手段(104)と、 その劣化判別手段(104)が算出した算出偏差(ΔV
    s)と、前記未燃成分センサ(S)の出力値とに基づい
    て、不完全燃焼状態を判別する不完全燃焼判別手段(1
    02)が設けられた燃焼機器の不完全燃焼検出装置であ
    って、 前記劣化判別手段(104)が算出した算出偏差(ΔV
    s)を補正用偏差(ΔVm)として記憶する偏差記憶手
    段(106)が設けられ、 前記劣化判別手段(104)は、算出した算出偏差(Δ
    Vs)が前記偏差記憶手段(106)に記憶されている
    補正用偏差(ΔVm)よりも大のときだけ、前記偏差記
    憶手段(106)の記憶内容を前記算出偏差(ΔVs)
    に書き換えるように構成され、 前記不完全燃焼判別手段(102)は、前記偏差記憶手
    段(106)に記憶されている補正用偏差(ΔVm)
    と、前記未燃成分センサ(S)の出力値とに基づいて、
    不完全燃焼状態を判別するように構成されている燃焼機
    器の不完全燃焼検出装置。
  2. 【請求項2】 前記劣化判別手段(104)は、算出し
    た算出偏差(ΔVs)が前記偏差記憶手段(106)に
    記憶されている補正用偏差(ΔVm)よりも大のときだ
    け、その算出偏差(ΔVs)を記憶可能で、且つ、前記
    補正用偏差(ΔVm)より大なる算出偏差(ΔVs)を
    複数個記憶可能に構成され、並びに、記憶している複数
    個の算出偏差(ΔVs)を平均し、その平均偏差(ΔV
    a)が前記補正用偏差(ΔVm)よりも大のときだけ、
    前記偏差記憶手段(106)の記憶内容を前記平均偏差
    (ΔVa)に書き換えるように構成されている請求項1
    記載の燃焼機器の不完全燃焼検出装置。
  3. 【請求項3】 前記劣化判別手段(104)が算出した
    算出偏差(ΔVs)が前記偏差記憶手段(106)に記
    憶されている補正用偏差(ΔVm)よりも小のときで、
    且つ、前記補正用偏差(ΔVm)から前記算出偏差(Δ
    Vs)を減じた値(ΔVms)が設定値(K1)よりも
    大のときに、警報を発する警報手段(16)が設けられ
    ている請求項1又は2記載の燃焼機器の不完全燃焼検出
    装置。
  4. 【請求項4】 前記劣化判別手段(104)が算出した
    算出偏差(ΔVs)が前記偏差記憶手段(106)に記
    憶されている補正用偏差(ΔVm)よりも大のときで、
    且つ、前記算出偏差(ΔVs)から前記補正用偏差(Δ
    Vm)を減じた値(ΔVsm)が設定値(K2)よりも
    大のときに、警報を発する警報手段(16)が設けられ
    ている請求項1、2又は3記載の燃焼機器の不完全燃焼
    検出装置。
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